○八幡浜市議会基本条例
平成25年3月30日
条例第16号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 市民と議会の関係(第5条)
第3章 市長等執行機関と議会及び議員の関係(第6条―第9条)
第4章 討論の拡大(第10条)
第5章 委員会の活動(第11条)
第6章 議会及び議会事務局の体制整備(第12条―第15条)
第7章 議員の政治倫理、身分及び待遇(第16条―第18条)
第8章 最高規範性と見直し手続(第19条―第22条)
附則
八幡浜市議会(以下「議会」という。)は、八幡浜市長(以下「市長」という。)とともに、二つの代表機関のそれぞれが異なる特性を活かして八幡浜市民(以下「市民」という。)の意思を代弁する責務を負っており、市民に対して二元代表制の実効性を高め、市議会の責務を常に自覚して最良の意思決定を行うことにより、市民福祉の向上はもとより、常に地方自治の本旨の実現を使命として活動するものである。
議会は、市民から直接選挙で選ばれた八幡浜市議会議員(以下「議員」という。)により構成される多人数による合議制の機関であり、地方分権一括法の施行以降、自治体の自主的な決定と責任の範囲が拡大した今日にあって、議会の使命を達成するために、議会及び議員の活動原則等をこの条例に定めるものである。あわせて地方自治法(昭和22年法律第67号)が定める概括的な規定の遵守とともに、公正性と透明性の確保、積極的な情報の公開、政策活動等への多様な市民参加の推進、議員間の自由討論の展開、市長等執行機関との緊張感の保持、議員の資質の向上、議会活動を支える体制の整備等について定めることにより、市民に開かれた議会、市民参加を推進する議会、市民に身近な信頼される議会を目指し、市民との協働のもと、八幡浜市のまちづくりを推進するものである。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市政の情報公開と市民参加を原則とした、自主自立の分権時代にふさわしい市民に身近な議会及び議員の活動の活性化と充実のために必要な議会運営の基本事項を定めることにより、市民が安心して生活できる豊かなまちづくりの実現に寄与することを目的とする。
(議会の活動原則)
第2条 議会は、市民を代表する議決機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重視して、市長等執行機関の市政運営状況を監視するものとする。
2 議会は、市民の多様な意見を把握して市政に反映させるために、必要な政策を自ら立案し、又は執行機関に提案することにより、市民と一緒にまちづくりの活動に取り組むものとする。
3 議会は、市民に開かれた議会を目指して情報公開に取り組むとともに、市民に対して議会の議決又は運営についてその経緯、理由等を説明する責任を果たすものとする。
4 議会は、市民にわかりやすい議会運営を行うために、この条例に規定するもののほか、議会運営の基本となる八幡浜市議会会議規則(平成17年議会規則第1号)、八幡浜市議会委員会条例(平成17年条例第221号)及び議会内での申合せ事項を継続的に見直すものとする。
5 議会は、市民の傍聴の意欲を高めるような議会運営に努めるものとする。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を尊重するものとする。
2 議員は、市政全般についての課題及び市民の意見、要望等を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんに努め、市民の代表としてふさわしい活動をするものとする。
3 議員は、議会の構成員として、市民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。
(会派)
第4条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動する。
3 会派は、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、必要に応じ会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。
第2章 市民と議会の関係
(市民参加及び市民との連携)
第5条 議会は、市民に対し議会の活動に関する情報を積極的に公表し透明性を高めるとともに、市民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、すべての会議を原則公開するとともに、会期中又は閉会中を問わず、市民が議会の活動に参加できるような懇談会、議会報告会等を開催するよう努めるものとする。
3 議会は、常任委員会、議会運営委員会等及び特別委員会(以下「委員会」という。)における参考人制度及び公聴会制度を活用して、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。
4 議会は、請願及び陳情を市民による政策提案と位置づけるとともに、その審議においては、紹介議員の意見を聴く機会を設けなければならない。
5 議会は、市民との意見交換の場を多様に設け、議会及び議員の政策立案能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。
第3章 市長等執行機関と議会及び議員の関係
(緊張感の保持)
第6条 議会審議において、議員と市長等執行機関の長は、緊張感の保持に努めなければならない。
2 議会の代表質問及び一般質問は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、総括方式又は、一問一答方式のいずれかを選択することができる。
3 市長等執行機関の長は、議員の質問に対して、議長の許可を得て反問することができる。
(市長による政策等の形成過程の説明)
第7条 議会は、市長が提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため及び市民への公開のため、市長に対して、次の各号に掲げる事項の説明に努めるよう求める。
(1) 政策等を必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 市民参加の実施の有無及びその内容
(4) 八幡浜市総合計画との整合性
(5) 財源措置
(6) 将来にわたる効果及び費用
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するに当たっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算及び決算における政策説明資料の作成)
第8条 議会は、市長が予算案及び決算を議会に提出し、議会の審査に付すに当たっては、前条の規定に準じて、市長に対し施策別又は事業別の分かりやすい政策説明資料の作成に努めるように求める。
(地方自治法第96条第2項の議決事件)
第9条 地方自治法第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件は、次の各号に掲げるとおりとし、市政全般にわたり重要な計画等について、議会と市長等執行機関が共に市民に対する責任を担いながら、計画的かつ市民の視点に立った透明性の高い市政の運営に資するものとする。
(1) 八幡浜市総合計画に係る基本構想及び基本計画
(2) 八幡浜市都市計画マスタープラン
(3) 八幡浜市行政改革大綱
第4章 討論の拡大
(討論による合意形成)
第10条 議会は、議員による討論の場であることを認識し、議長は、議員相互間の討議を中心とした運営に努めるものとする。
2 議会は、本会議及び委員会において議員提出、委員会提出及び市長提出の議案並びに市民提案に関して審議し結論を出す場合、議員相互間において十分な討論、議論を尽くして合意形成に努めるとともに、その結果について市民に対して説明責任を十分に果たさなければならない。
3 議員は、前2項による議員相互間の討議を拡大するため、政策、条例、意見書等の議案を積極的に提出するよう努めるものとする。
第5章 委員会の活動
(委員会の適切な運営)
第11条 議会は、社会経済情勢等により新たに生ずる行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会の専門性と特性を活かし適切な運営に努めなければならない。
2 委員会は、市民からの要請に応じ、審査の経過等を説明するとともに、議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する機会を設けるよう努めるものとする。
第6章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の充実強化)
第12条 議会は、議員の資質並びに政策形成及び立案能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。
(議会事務局の体制整備)
第13条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るよう努めるものとする。
(議会図書室の設置、公開)
第14条 議会に、議会図書室(以下「図書室」という。)を設置する。
2 図書室は、議員のみならず、これを利用できるものとする。
3 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、図書の充実に努めるものとする。
(議会広報の充実)
第15条 議会は、市政に係る重要な情報を議会独自の視点から、常に市民に対して公表するとともに、市民からの意見、要望等を取り上げ、その内容及び対応について定期的に市民に周知するよう努めるものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
第7章 議員の政治倫理、身分及び待遇
(議員の政治倫理)
第16条 議員の政治倫理は、別に条例で定める。なお、議員は、市民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚するとともに、条例を規範とし、遵守しなければならない。
(議員定数)
第17条 議員定数は、別に条例で定める。
2 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点及び他市との比較だけでなく、市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を考慮するとともに、市民の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を活用することができる。
(議員報酬)
第18条 議員報酬は、別に条例で定める。
2 議員報酬の改正に当たって、議員が提案する場合は、行財政改革の視点及び他市との比較だけでなく、市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するとともに、市民の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を活用することができる。
第8章 最高規範性と見直し手続
(議会及び議員の責務)
第20条 議会及び議員は、この条例の理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される議会関係条例等を遵守して議会を運営し、もって市民を代表する合議制の機関として、市民に対する責任を果たさなければならない。
(議長の選出)
第21条 議長に立候補する者は、立候補の趣旨説明をすることができる。
(見直し手続)
第22条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを検証するものとする。
2 議会は、前項の検証の結果、議会関係条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、平成25年4月1日から施行する。