記事番号: 1-601
公開日 2019年06月03日
税務課債権管理室では、未収債権に対する取り組みとして、再三の請求にもかかわらず支払いに応じない悪質滞納者の事務移管を受け、裁判所に法的措置(支払督促、強制執行等)を申し立てることにより、債権の回収を図っています。
移管対象者に対しては、事前に担当課から移管予告催告書が送付され、期限までに納付等がない場合は、債権管理室が事務を引き継いで対応しています。
移管債権事務処理フロー
1 移管予告催告書による納付効果(間接効果)
債権管理室へ移管するにあたり、債権を所管する部署から「移管予告催告書」を送付します。
つぎの表は、催告書発送による納付効果(間接効果)を表しています。
平成30年度に73件8,634,490円の滞納について、「移管予告催告書」を発送したところ、一括納付が10件435,840円、納付相談による分納開始が8件682,472円の間接効果(13.0%の反応)が得られました。また、納付効果が得られなかった債権でも、所管部署による納付相談での対応を継続することとした4件663,246円。住所不明により催告書の送付が不能の1件34,430円を除く、50件6,818,502円を債権管理室に移管しました。
これに前年度以前に移管を受けた案件のうち、分納不履行により再度、移管されることになった案件、また、全額回収の目途が立っていない案件、27件102,672,355円を加えると平成30年度内に77件109,490,857円(前年度46件105,940,557円)の債権回収に取り組みました。
2 平成30年度債権引受状況(継続分含む)
債権管理室に債権の引受がなされると、強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を取得するため、債務者及び連帯保証人に対して支払督促又は通常訴訟を申立てます。
その過程で、債務者等から自主納付の申し入れがあれば、分納計画の策定や誓約書の提出などの納付交渉を行いますが、分納不履行となった場合は強制執行(差押え)を申立てます。
つぎの表は、平成30年度債権引受案件77件109,490,857円について、法的措置を講じた分類ごとで集計したものです。
〔住宅使用料〕
債権を引き受けた21件5,798,197円のうち、5件1,145,900円分の支払督促を申立てました。また、通常訴訟を申立てたものが1件918,000円。
その他に、債務者からの一括弁済が1件50,000円。明渡しを含めた訴えの提起前の和解が1件181,964円。強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を支払督促によって取得したうえで納付交渉を行ったものは8件2,622,229円。法的措置を講じる前に納付交渉を行ったものは2件170,871円でした。
なお、分納不履行などの理由により、給与の強制執行に至ったものは3件709,233円でした。
〔病院診療費〕
債権を引き受けた29件3,750,344円のうち、2件26,860円分の支払督促を申立てました。
その他、住所不明の債務者に対して通常訴訟を提起していますが申立中のものが1件70,120円。債務者からの一括弁済があったものは1件70,320円。強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を支払督促によって取得したうえで納付交渉を行ったものは18件3,054,443円。法的措置を講じる前に納付交渉を行ったものは3件35,791円でした。
なお、分納不履行などの理由により、給与の強制執行に至ったものは2件466,710円でした。
また、県外の債務者が所在不明等の事由で、八幡浜市債権管理条例第16条の規定に基づき債権放棄の意見を付して原課に返還としたものは2件26,100円でした。
〔水道使用料〕
債権を引き受けた18件1,087,436円のうち、1件36,480円分の支払督促を申立てました。
その他、債務者からの一括弁済があったものは1件12,240円。強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を支払督促によって取得したうえで納付交渉を行ったものは13件879,790円でした。
なお、分納不履行などの理由により、給与の強制執行に至ったものは2件124,486円でした。
また、県外の債務者が所在不明等の事由で、八幡浜市債権管理条例第16条の規定に基づき債権放棄の意見を付して原課に返還としたものは1件34,440円でした。
〔合併処理浄化槽使用料〕
前年度以前に債権を引き受けた1件154,590円について、新たに支払督促を申立てました。
〔漁船関連債権〕
債権を引き受けた6件98,598,540円について、債務者に対して通常訴訟を提起したもので判決を得たものが2件12,121,330円(内、請求額は2件2,000,000円)。法的措置によらず納付交渉を行ったものは3件77,434,800円。
検討段階にある1件9,042,410円については、引き続き回収方法について検討します。
〔駐車場使用料〕
債権を引き受けた1件78,750円については、強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を通常訴訟を提起後の和解によって取得したうえで、納付交渉を行いました。
〔児童手当返還金〕
債権を引き受けた1件23,000円については、強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を支払督促によって取得したうえで、納付交渉を行いました。
3 平成30年度債権回収状況
平成31年3月31日現在の債権回収額は62件4,478,482円となっています。
そのうち、38件2,408,444円は債権を分割で弁済されました。
また、16件1,251,172円は債権全額を弁済(一括納付)しています。
なお、債務者から自主的な弁済が得られず、強制執行(差押え)により回収を図ったものは8件818,866円となっています。
なお、引受債権(継続分含む)の総額109,490,857円に対する回収割合は4.1%ですが、これにはトロール漁船にかかる6件の高額債権、計98,598,540円が含まれており、このような特殊案件を除くと総額は10,892,317円となり、回収割合は41.1%でした。
4 平成30年度から翌年度(令和元年度)への継続引受状況
強制執行の前提条件である債務名義を取得して納付交渉を行っている案件や、当面、分納誓約の履行状況を見守る必要のある案件については、引き続き債権管理室で債権を管理することとしています。
今後も、資力がありながら納付の意思がない等の滞納者に対しては、公平性を確保するためにも逃げ得を許さず、法的措置を中心とした債権管理に努めます。