記事番号: 1-1896
公開日 2020年07月22日
更新日 2024年10月08日
「選挙」は、大きく2つの分類に分けられます。1つは、どんな公職の人を選ぶかという分類です。国会議員や愛媛県知事・愛媛県議会議員、八幡浜市長・八幡浜市議会議員など選ぶ対象が定められています。もう1つは、「選挙」を行うべき理由(選挙事由)での分類です。任期満了、議会の解散、議員の欠員など選挙を行う理由が定められています。
【選挙の種類】
種類 | 区分 | 定数 |
衆議院議員 総選挙 |
小選挙区選挙 | 289人 (各選挙区1人) ※八幡浜市は「愛媛第3選挙区」 |
比例代表選挙 | 176人 (うち四国ブロック6人) |
|
参議院議員 通常選挙 |
選挙区選挙 | 148人 (うち愛媛選挙区2人) |
比例代表選挙 | 100人 (全国で1つの選挙区) |
|
愛媛県知事選挙 | 1人 | |
愛媛県議会議員選挙 | 47人 (うち八幡浜市・西宇和郡2人) |
|
八幡浜市長選挙 | 1人 | |
八幡浜市議会議員選挙 | 16人 |
- それぞれの選挙の「選挙権」と「被選挙権」はこちらのページでご確認ください。→選挙権と被選挙権について
衆議院議員総選挙
衆議院議員総選挙は、「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」の2つからなります。また、「最高裁判所裁判官国民審査」も同時に行われますので、3つとも投票してください。
参議院議員通常選挙
参議院議員通常選挙は、選挙区選挙と比例代表選挙からなりますので、2つとも投票してください。
「※ドント式」とは…?
衆議院、参議院の比例代表選挙で各政党等への当選人の配分は、ドント式といわれる次の方式で決められます。
・定数6人の場合
A党 | B党 | C党 | ||
名簿登録者数 | 4人 | 3人 | 2人 | |
得票数 (または得票総数) |
1,000票 | 700票 | 300票 | |
除数 |
1 | (1) 1,000 | (2) 700 | (6) 300 |
2 | (3) 500 | (4) 350 | 150 | |
3 | (5)333と1/3 | 233と1/3 | ||
4 | 250 | |||
当選人数 |
3人 | 2人 | 1人 |
A党、B党、C党が候補者名簿を提出し、それぞれ4人、3人、2人の候補者が登録されていたとします。
- まず各政党の得票数を1、2、3・・・と、名簿登録者数までの整数で割っていきます。
- 得られた商(割った答え)が表のように出てきます。その大きい数値から順に数えて選挙すべき議員の数(この場合は6)までを選びます。この選ばれた商がいくつあるかがその政党に配分される当選人の数になります。
- 得票数が同数の場合は、選挙会で選挙長がくじで順位を決めます。
「※特定枠」とは…?
通常、参議院の比例代表選挙では、「候補者名」または「政党名」を記載する「非拘束名簿式」ですが、「優先的に当選人となるべき候補者」、いわゆる、「特定枠制度」が令和元年7月執行の参議院の比例代表選挙から導入されました。これは、個人の得票数の多寡に関わらず、政党が「非拘束名簿」とは別に、候補者として搭載した名簿に順位を付け、獲得した議席数に応じて優先的に当選人を決める制度です。
※特定枠を設けるかどうか、また設けた場合、何人とするかは、各政党等が自由に決めることができます。
※特定枠の候補者の氏名を記載した投票は、政党等への投票と見なされます。
地方選挙
一般選挙(地方の議会)
一般選挙とは、愛媛県や八幡浜市の議会の議員の全員を選ぶ選挙のことです。任期満了(4年)だけでなく、議会の解散などによって議員または当選人のすべてがいなくなった場合も含まれます。
地方公共団体の長の選挙
愛媛県知事や八幡浜市長など地方公共団体の長を選ぶための選挙です。任期満了(4年)のほか、住民の直接請求(リコール)による解職や、不信任決議による失職、死亡、退職、被選挙権の喪失による失職の場合などにも行われます。
設置選挙
新しく地方公共団体が設置された場合に、その議会の議員と長を選ぶために行われる選挙です。
統一地方選挙
地方公共団体の長と議会の議員の選挙で、任期満了の近いものを、全国的に期日を統一して行う選挙を「統一地方選挙」といいます。有権者の選挙への意識を全国的に高め、また、選挙の円滑かつ効率的な執行を図る目的で、昭和22年からこれまで4年後ごとに行われています。
特別の選挙(国政/地方選挙)
再選挙(選挙のやり直しや当選人の不足を補う)
選挙が行われても、必要な数だけの当選人が決まらない場合や、投票日の後で当選人の死亡、当選の無効があったなどの場合で、加えて繰上当選などによっても当選人がなお不足する場合に行われる選挙です。1人でも不足する場合に行われるものと、不足が一定数に達した場合に行なわれるものがあります。
補欠選挙(議員の不足を補う)
選挙の当選人が議員となった後に死亡や退職し、加えて繰上当選(繰り上げる場合がある)によっても議員の定数が不足する場合に行われる選挙です。再選挙とは、その人がすでに議員であるかないかという点が違います。ただし、すでに議員であっても選挙違反などにより当選や選挙自体が無効となった場合は、再選挙となります。
【再選挙・補欠選挙を行う際に必要な当選人の不足数・議員の欠員数】
選挙の種類 |
再選挙 当選人の不足数 |
補欠選挙 議員の欠員数 |
衆議院議員 (小選挙区選出) |
1人 | 1人 |
衆議院議員 (比例代表選出) |
(1)定数の1/4超 (2)選挙無効による場合は、1人以上 |
定数の1/4超 |
参議院議員 (比例代表選出) |
(1)定数の1/4超(13人以上) (2)選挙無効による場合は、1人以上 |
定数の1/4超(13人以上) |
参議院議員 (選挙区選出) |
1人以上 | 定数の1/4超(埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪2人以上、その他1人以上) |
都道府県議会議員 | (1)2人以上(1人区では1人) (2)選挙無効による場合は、1人以上 |
2人以上(1人区では1人) |
市町村議会議員 | (1)定数の1/6超(八幡浜市の場合は、3人以上) (2)選挙無効による場合は、1人以上 |
定数の1/6超(八幡浜市の場合は、3人以上) |
増員選挙(議員の数を増やす)
議員の任期中に、議員の定数を増やして行われる地方公共団体の議会の議員の選挙です。
※地方公共団体の議会の議員の再選挙、補欠選挙または増員選挙は、任期が終わる6ヵ月以内に当該選挙を行うべき事由が生じた場合には行わないこととされています。(ただし、議員の数が定数の3分の2に達しなくなったときを除きます。)
任期
選挙で選ばれた議員や地方公共団体の長は、一定の期間、その公職に就いて市民のために働くことになります。この定められた期間を「任期」といいます。議会の解散や本人の退職などがない場合は、「任期」が満了するまでその職に就きます。それぞれの任期と任期満了までの数え方(任期の起算)は、次のとおりです。
選挙の種類 | 任期 |
衆議院議員 |
4年(解散あり) 任期満了による総選挙が任期満了前に行われたときは、前任の議員の任期満了の翌日から数えます。 |
参議院議員 |
6年(解散なし) 通常選挙が前任の議員の任期満了の日の翌日後に行われたときは、通常選挙の期日から数えます。 |
都道府県知事 及び 市長村長 |
4年 任期満了による選挙が任期満了前に行われた場合で、前任者が任期満了の日まで在任したときは、その任期満了の日の翌日から数えます。 しかし、選挙後に前任者が欠けたときは、その日の翌日から数えます。 |
都道府県議会議員 及び 市町村議会議員 |
4年 任期満了による一般選挙が任期満了前に行われた場合で、前任の議員が任期満了の日まで存在したときは、その任期満了の日の翌日から数えます。 しかし、選挙後に前任の議員のすべてがいなくなったときは、その日の翌日から数えます。 |
選挙期日
選挙の投票日のことを、正式には「選挙期日」といいます。任期満了や議会の解散、欠員などにより選挙が必要になった場合、まずこの選挙期日が決定されます。選挙期日は、議会や行政に空白をつくらないよう、一定の期間内に設定することが、選挙の種類ごとに法律で定められています。
選挙の種類と選挙を行う理由で選挙期日は定められています。
任期満了による選挙 | 議会の解散による選挙 | その他の選挙 | |
衆議院議員 参議院議員 |
任期満了日前30日以内 |
解散の日から40日以内(衆議院議員のみ) | 再選挙、補欠選挙は基本的に※年に2回に統一 ※一部例外があります。 |
地方公共団体の議会の議員 | 任期満了日前30日以内 | 解散の日から40日以内 | 欠員が生じたなどの事由発生の日から50日以内 |
地方公共団体の長 | 任期満了日前30日以内 | — |
※「年2回」の時期
- 4月の第4日曜日(9月16日から翌年の3月15日までに選挙を行うべき事由が生じた場合)
- 10月の第4日曜日(3月16日からその年の9月15までに選挙を行うべき事由が生じた場合)
選挙期日の「※公示」または「※告示」すべき日も法律で定められています。(特別な定めがある場合を除き、再選挙及び補欠選挙のときも同様です。)
衆議院議員の選挙 | 選挙期日の少なくとも12日前 |
参議院議員の選挙 | 〃 17日前 |
都道府県知事の選挙 | 〃 17日前 |
都道府県の議会議員の選挙 | 〃 9日前 |
指定都市の長の選挙 | 〃 14日前 |
指定都市の議会議員の選挙 | 〃 9日前 |
指定都市以外の市の選挙 | 〃 7日前 |
特別区の選挙 | 〃 7日前 |
町村の選挙 | 〃 5日前 |
※「公示」、「告示」とは、一般的な意味では、どちらも一定の事項について広く公衆が知ることができるようにすることをいいます。選挙の場合には、衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙では、天皇が内閣の助言と承認によって期日を定めて詔書によって「公示」します。その他の選挙では、その選挙を管理する選挙管理委員会が、選挙の期日を定めて「告示」します。
供託と法定得票数
候補者は、選挙ごとに一定額の現金または国債証書を法務局に預け、その証明書を提出しなければなりません。これを「供託」といいます。供託は、当選を争う意思のない人が売名などの理由で無責任に立候補することを防ぐための制度です。そのため、その候補者や政党等の得票数が規定の数に達しなかった場合や、候補者が立候補を辞退した場合には、供託されたお金や国債証書は全額(衆議院、参議院の比例代表選挙では全額または一定の額)没収され、国や都道府県、市区町村に納められます。また、当選するためには一定以上の有効投票の数(「法定得票数」といいます。)が必要になります。
【供託額、没収の規定及び法定得票数】
選挙の種類 | 供託額 | 供託物が没収される得票数またはその没収額 | 法定得票数 |
衆議院小選挙区 | 300万円 | 有効得票数×1/10未満 | 有効得票数の1/6 |
衆議院比例代表 | ※候補者1名につき600万円 |
没収額=供託額−(300万円×重複立候補者のうち小選挙区の当選者数+600万円×比例代表の当選者数×2) |
— |
参議院比例代表 | 候補者1名につき600万円 | 没収額=供託額−600万円×比例代表の当選者数×2 | — |
参議院選挙区 | 300万円 | 有効得票数÷その選挙区の議員定数×1/8未満 |
有効得票数÷当該選挙区内の議員の定数の1/6 |
都道府県知事 | 300万円 | 有効得票数×1/10未満 | 有効得票数の1/4 |
都道府県議会 | 60万円 | 有効得票数÷その選挙区の議員定数×1/10未満 |
有効得票数÷当該選挙区内の議員の定数の1/4 |
指定都市の長 | 240万円 | 有効得票数×1/10未満 | 有効得票数の1/4 |
指定都市議会 | 50万円 | 有効得票数÷その選挙区の議員定数×1/10未満 |
有効得票数÷当該選挙区内の議員の定数の1/4 |
その他の市区の長 | 100万円 | 有効得票数×1/10未満 | 有効得票数の1/4 |
その他の市区の議会 | 30万円 | 有効得票数÷その選挙区の議員定数×1/10未満 |
有効得票数÷当該選挙区内の議員の定数の1/4 |
町村長 | 50万円 | 有効得票数×1/10未満 | 有効得票数の1/4 |
町村の議会 ※令和2年12月12日から施行 |
15万円 | 有効得票数÷その選挙区の議員定数×1/10未満 |
有効得票数÷当該選挙区内の議員の定数の1/4 |
立候補届出が取り下げられた場合や、立候補を辞退した場合、立候補届出を却下された場合も、没収されます。
※候補者が重複立候補者である場合は、比例代表の供託額は300万円です。