記事番号: 1-802
公開日 2021年06月01日
税務課債権管理室では、未収債権に対する取り組みとして、再三の請求にもかかわらず支払いに応じない滞納者の事務移管を受け、裁判所に法的措置(支払督促、強制執行等)を申し立てることにより、債権の回収を図っています。
移管対象者に対しては、事前に担当課から移管予告催告書が送付され、期限までに納付等がない場合は、債権管理室が事務を引き継いで対応しています。
移管債権事務処理フロー
1 移管予告催告書による納付効果(間接効果)
債権管理室へ移管するにあたり、債権を所管する部署から「移管予告催告書」を送付します。
つぎの表は、催告書発送による納付効果(間接効果)を表しています。
令和2年度に55件8,423,628円の滞納について、「移管予告催告書」を発送したところ、一括納付が10件823,012円、納付相談による分納開始が13件1,685,379円の間接効果(29.8%の反応)が得られました。また、納付効果が得られなかった債権でも、所管部署による納付相談での対応を継続することとした2件62,120円を除く、30件5,853,117円を債権管理室に移管しました。
これに前年度以前に移管を受けた案件のうち、分納不履行により再度、移管されることになった案件、また、全額回収の目途が立っていない案件、42件104,295,880円を加えると令和2年度内に72件110,148,997円(前年度76件108,440,814円)の債権回収に取り組みました。
令和2年度移管予告催告による間接効果
2 令和2年度債権引受状況(継続分含む)
債権管理室に債権の引受がなされると、強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を取得するため、債務者及び連帯保証人に対して支払督促又は通常訴訟を申立てます。
その過程で、債務者等から自主納付の申し入れがあれば、分納計画の策定や誓約書の提出などの納付交渉を行いますが、分納不履行となった場合は強制執行(差押え)を申立てます。
つぎの表は、令和2年度債権引受案件72件110,148,997円について、法的措置を講じた分類ごとで集計したものです。
令和2年度債権引受状況(継続分含む)
〔住宅使用料〕
債権を引き受けた18件5,450,583円のうち、4件1,908,100円分の支払督促を申立てました。
その他に、強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を取得したうえで納付交渉を行ったものは12件3,820,300円。法的措置を講じる前に納付交渉を行ったものは4件657,200円でした。
また、分納不履行などの理由により、給与の強制執行に至ったものは1件73,083円でした。
なお、債務者に資力の回復が望めない事由で、八幡浜市債権管理条例第16条の規定に基づき債権放棄の意見を付して原課に返還としたものは1件900,000円でした。
〔病院診療費〕
債権を引き受けた29件3,294,810円のうち、2件400,243円分の支払督促を申立てました。
その他に、一括弁済があったものは5件167,212円。強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を支払督促によって取得したうえで納付交渉を行ったものは11件1,264,449円。法的措置を講じる前に納付交渉を行ったものは11件1,459,248円でした。
なお、債務者に資力の回復が望めない事由で、八幡浜市債権管理条例第16条の規定に基づき債権放棄の意見を付して原課に返還としたものは2件403,901円でした。
〔水道使用料〕
債権を引き受けた18件2,662,120円のうち、3件1,668,450円分の支払督促を申立てました。
その他、債務者からの一括弁済があったものは2件136,610円。強制執行(差押え)の際に必要となる債務名義を支払督促によって取得したうえで納付交渉を行ったものは9件2,119,870円、法的措置によらず納付交渉を行ったものは5件388,480円でした。
なお、所在不明や債務者に資力の回復が望めない事由で、八幡浜市債権管理条例第16条の規定に基づき債権放棄の意見を付して原課に返還としたものは2件17,160円でした。
〔合併処理浄化槽使用料〕
前年度以前に債権を引き受けた1件239,010円について、前年度に生じた未収金42,420円について支払督促を申立て、債務名義を取得することにより時効延長の措置を講じました。
〔漁船関連債権〕
債権を引き受けた6件98,502,474円について、債務者に対して通常訴訟を提起したもので判決を得たものが2件12,085,264円のうち、納付交渉を行ったものは1件3,762,664円(うち、債務名義取得後、請求額は1,000,000円)。
法的措置によらず納付交渉を行ったものは3件77,374,800円。
検討段階にある1件9,042,410円については、上記の判決により債務名義を得ているものの、債務者の資力が不明のため回収方法は決定していない。
3 令和2年度債権回収状況
令和3年3月31日現在の債権回収額は57件3,284,482円となっています。
そのうち、連帯保証を含めて49件2,907,577円の債権を分割で弁済されました。
また、7件303,822円は債権全額を弁済(一括納付)しています。
なお、債務者から自主的な弁済が得られず、強制執行(差押え)により回収を図っているものは1件73,083円となっています。
なお、引受債権(継続分含む)の総額110,148,997円に対する回収割合は3.1%ですが、これにはトロール漁船にかかる6件の高額債権、計98,502,474円が含まれており、このような特殊案件を除くと回収割合は28.9%でした。
令和2年度移管債権の回収状況
4 令和2年度から翌年度(令和3年度)への継続引受状況
強制執行の前提条件である債務名義を取得して納付交渉を行っている案件や、当面、分納誓約の履行状況を見守る必要のある案件については、引き続き債権管理室で債権を管理することとしています。
令和2年度から翌年度(令和3年度)への継続引受状況
今後も、資力がありながら納付の意思がない等の滞納者に対しては、公平性を確保するためにも逃げ得を許さず、法的措置を中心とした債権管理に努めます。