八幡浜市では、専門的な知識と経験を有した消費生活相談員を平成19年に採用し、『八幡浜市消費生活センター』を開設しています。消費生活に関する相談業務は市民に直結した業務であり、当センターでは、八幡浜市と伊方町の広域での相談業務を行っています。高度情報化によるインターネットを利用した取引の増加や、規制緩和の波により消費生活が大きく変化した昨今、相談件数も増加しています。

　令和3年度、八幡浜市で受け付けた相談件数は220件、その内、70歳以上の高齢者からの相談は76件となっています。また、令和4年度（5年）1月末までに受け付けた相談件数は182件、その内、70歳以上の高齢者からの相談は60件と、依然として高齢者から寄せられる相談の割合は高くなっており、また、青年層（30～40歳代）からの相談も増加傾向にあります。

　消費生活相談の中で特に多いものは、ネットショッピングに関する相談であり、年代を問わず高止まりしています。その中でも特にSNSなどの広告から定期購入契約をしたトラブルが増加しています。その他にも、在宅ワーク、副業サイト、マッチングアプリ等の相談も多く寄せられており、契約内容をよく理解しないまま契約し、トラブルになっても相手方と連絡がつきにくいなど、年々複雑、多様化しています。

　こうした中、平成30年3月には、相談者のプライバシーを保護し、安心して相談できる環境を整備するため、専用の相談室を設置し、令和2年3月には、消費者の安全・安心を確保するため、地域で連携し見守り活動を行う「消費者安全確保地域協議会」を設立しました。また、相談員が地域や学校に出向き、手口や対策について講話を行う「出前講座」を実施するなど、消費者被害の防止に努めているところです。

今後も引き続き、これらの啓発活動を実施していくとともに、相談員の相談対応能力の向上、相談窓口の充実と機能強化を図り、市民の安全・安心を確保するため、消費者行政の維持、拡充に努めてまいります。

 

令和5年2月　　　　　　

八幡浜市長　大城　一郎