記事番号: 1-898
公開日 2022年03月14日
南海トラフ地震臨時情報とは
南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として、過去に大きな被害をもたらしてきた大規模地震で、過去2回の地震は、まず東側で発生した後、時間差をおいて西側で発生しています。
- 1854年 安政東海地震と安政南海地震
南海トラフの東側で地震が発生した約32時間後に、西側でも地震が発生
- 1944年 昭和東南海地震と昭和南海地震
南海トラフの東側で地震が発生した約2年後に、西側でも地震が発生
※図は過去の南海トラフ地震(Mはモーメントマグニチュード)
南海トラフ地震臨時情報は、このように時間差で発生する大規模地震に備えるため、南海トラフ全域を対象に地震発生の可能性の高まりについてお知らせするもので、想定震源域内で大規模地震や地殻変動など異常な現象が観測された場合に、気象庁より発表されます。
例えば、南海トラフ沿いの東側で地震が発生し、西側でも地震が続発する(後発地震)可能性が高まった場合などに発表されます。
南海トラフ地震臨時情報が発表された時は、後発地震に備え、国や県、市などからの呼び掛けに応じた防災対応をとりましょう。
南海トラフ地震臨時情報が発表される異常な現象とは
異常な現象には、「半割れ」、「一部割れ」、「ゆっくりすべり」の3種類があります。
- 半割れ
南海トラフの想定震源域内のプレート境界においてM8.0以上の地震が発生した場合
- 一部割れ
南海トラフの想定震源域及びその周辺においてM7.0以上、M8.0未満の地震が発生した場合
- ゆっくりすべり
ひずみ計等で有意な変化として捉えられる、短い期間にプレート境界の固着状態が明らかに変化しているような通常状態とは異なるゆっくりすべりが観測された場合
(内閣府:南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)より引用)
南海トラフ地震臨時情報の種類と流れ
南海トラフ地震臨時情報には、「調査中」、「巨大地震警戒」、「巨大地震注意」、「調査終了」のキーワードが付記されて発表されます。
例えば、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)のように発表されます。
情報名 | キーワード | キーワードが付記される条件※ |
南海トラフ地震臨時情報 | (調査中) |
調査が開始された場合又は調査が継続している場合 ・南海トラフの想定震源域またはその周辺でM6.8以上の地震が発生した場合 |
(巨大地震警戒) |
巨大地震の発生に警戒が必要な場合 ・南海トラフの想定震源域でM8.0以上の地震が発生したと評価された場合(半割れケース) |
|
(巨大地震注意) |
巨大地震の発生に注意が必要な場合 ・南海トラフの想定震源域でM7.0以上、M8.0未満の地震が発生したと評価された場合(一部割れケース) |
|
(調査終了) | ・(巨大地震警戒)、(巨大地震注意)のいずれにも当てはまらない現象と評価された場合 |
※より詳細については、気象庁ホームページを参照してください。
南海トラフ地震臨時情報発表の流れ
(内閣府:南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)より引用)
事前避難対象地域
事前避難対象地域とは、「後発地震に伴う津波に備えて、事前に避難することにより、より安全性を高めることができる地域」のことです。
愛媛県における事前避難を検討する地域は、愛媛県津波浸水予測時間図(浸水深30cm:八幡浜市のみ)において、地震発生後30分以内に30cmの以上の浸水が生じる地域とし、地盤沈下や堤防の破壊等による海水流入等、津波以外の要因による浸水も対象とした地域のことです。
八幡浜市内には、地震発生後30分以内に30cm以上の浸水が想定される地域があるものの、いずれもわずかな面積であり、地盤沈下等の津波以外の要因による浸水であるため、地震発生後の避難でも十分間に合うと想定されることから「事前避難対象地域」を設定しません。ただし、今後、南海トラフ地震臨時情報の内容変更等が生じ、国及び愛媛県から情報変更が示された場合には、その都度、「事前避難対象地域」等について、検討します。
南海トラフ地震臨時情報発表時の対応
南海トラフ地震臨時情報が発表された場合、状況に応じて市民に対し後発地震に備えるよう呼び掛けを行います。
特に海岸部にお住まいの方は、最新の注意を払ってください。
(内閣府:南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)より引用)
注意事項
- 南海トラフ沿いで異常な現象が観測されず、南海トラフ地震臨時情報の発表がないまま、突発的に南海トラフ地震が発生することもあります。
- 地震発生の可能性が相対的に高まったとして評価された場合でも、南海トラフ地震が発生しないこともあります。
- 南海トラフ地震の切迫性は高い状態にあり、いつ地震が発生してもおかしくないことに留意が必要です。
その他
- 内閣府 防災情報のページ 南海トラフ地震対策
南海トラフ地震対策や臨時情報発表時の対応をまとめたガイドライン(南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン)が掲載されています。
内閣府 防災情報のページ
- 気象庁 南海トラフ地震について
南海トラフ地震や臨時情報について説明されています。
気象庁 南海トラフ地震について
- 内閣府・気象庁 解説リーフレット
内閣府・気象庁が臨時情報の解説リーフレットを作成しました。
南海トラフ地震−その時の備え−
- 愛媛県ホームページ 愛媛県地震被害想定調査結果(第一次報告)について
第一次報告書、津波アニメーション動画、津波浸水予測時間図(浸水深:20㎝、浸水深:1m)
愛媛県ホームページ
- 南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応動画(ドラマ版)(内閣府)
南海トラフ地震が発生した際に発表される南海トラフ地震臨時情報やその時にとるべき防災対応について説明されています。
「南海トラフ地震 どうなる?どうする?時間差で起こりうる次の地震への備え」
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