3.仮囲い・試掘調査について

記事番号: 1-1018

公開日 2022年09月14日

地中熱工事では掘削作業が必要なため、ある程度の騒音が発生します。また、地面を掘削することで泥土や砂埃が発生するため、周囲に住宅や施設がある場合は、通行人や周辺環境への影響をあらかじめ考慮する必要があります。

仮囲いについて

今回、地中熱交換器を設置するための掘削箇所は、市民スポーツセンターに隣接する北浜公園の駐車場部分です。深さ50メートルの井戸を27本設置するため、駐車場が使用できなくなる期間は約5ヶ月間です。地中熱交換器は地中に埋設されるため、設置後は元の駐車場として利用することが可能です。

今回の工事現場では、工事着工の約1ヶ月前から予告看板を設置するほか、市のHPでも周知を行いました。

工事の予告看板(小) 北浜公園駐車場の仮囲い(小)
図1 工事の予告看板 図2 北浜公園駐車場の仮囲い

今回の地中熱交換井※1の掘削方法は、「ダウンザホールハンマ式」です。詳しくは【5.ボーリング作業・井戸ケーシング編】で解説しますが、ロッドの先端に取り付けたエアーハンマーによりビットに打撃や回転を与えながら掘り進めます。そのため、掘削する機械のほかに周囲に大型コンプレッサーやトラッククレーンなどを配置する必要があり、また、掘削作業中に発生する残泥土などが周囲に飛散しないために仮囲い(塀)を設置しました。

※1 地中熱交換井・・・地中熱交換器を挿入するための、地下50メートルに掘削した垂直孔(井戸)をいう。

本工事では、地中熱システムの導入を通じて、広く再生可能エネルギーに興味や関心を持つ人を増やすことを目的にしています。そのため、実際の施工現場が仮囲いによって見ることができないという状況を少しでも改善するために、工事の概要を説明した大型のパネルを設置しました。

地中熱システムを説明するパネル(小)
図3 地中熱システムを説明するパネル

試掘調査について

地中熱利用システムの導入において重要なポイントの一つに、地中条件の確認(地質、地中温度、地下水位等)に加えて、施工現場の条件(水道、電気、地中埋設物の状況等)が挙げられます。

今回の場所は昭和50年代の港湾事業による埋立地です。事前調査では、下水道の雨水管渠が埋設されていることが判明していましたが、実際に図面のとおりであるかは、地中にあるため正確に把握することはできません。そのため、地中熱の掘削工事に着手する前に試掘調査を実施し、可能な限り地下埋設物の確認を行いました。また、今回の場所は公共事業で埋め立てが行われていたため、当時の工事図書の確認もあわせて行い、地中熱交換器の掘削位置を決定しました。

試掘調査(小) 昭和50年代の埋立の様子(小)
図4 試掘調査 図5 昭和50年代の埋立の様子

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