記事番号: 1-1040
公開日 2022年10月28日
井戸仕上げ作業
掘削作業により深さ53メートルまで達した地中熱交換井を、孔壁の崩壊を防ぐための保護管の役割を果たすケーシングパイプ(VP150:直径150mmの塩化ビニールパイプ)を挿入し、井戸と同じような状態に仕上げていきます。
最初に、掘削で挿入した金属製のケーシングパイプは、作業中の壁面崩落を防ぐため地中に残した状態で、中のボーリングロッドと先端ビットを抜き上げていきます。金属製のケーシングパイプ(直径220mm)の内側に、孔壁の崩壊を防ぎ、地下水の移流効果を高めるためのスリット加工されたケーシングパイプ(VP150:直径150mmの塩化ビニールパイプ)を挿入していきます。(「4. 地中熱交換器について」を参照)
ケーシングパイプ(VP150)1本あたりの長さは4,000mm(有効長は3,950mm)で、ボーリングマシンで吊り上げながらネジ部で接合し、人力で井戸に挿入していきます。今回は、井戸の深さが53mであるため全部で14本挿入します。
地表からマイナス5mの位置となる12本目ケーシングパイプ(VP150)の外側にネットを巻き付けて、14本目のケーシングパイプ(VP150)の挿入が完了後に、セメントミルクを流し込んで固めることで地表部と隔離します。
その後、掘削で使用した金属ケーシングパイプをボーリングマシンで引き抜きながら、1本づつ取り外していきます。
泥水処理について
掘削作業では、圧縮空気によって地中から地下水交じりの泥が吹き上がります。そのため、ボーリングマシンやケーシングパイプの接合部分などに砂などが噛みこまないように、水で洗い流しながら作業を行います。今回は、1本の掘削に対し約7m3の水を使用しています。洗浄に使用した水は地下から吹き上がる地下水と混じり地面に泥水となって溜まります。そのため、バックホウで池のように水だめを掘り、貯まった水をサンドポンプによって泥水タンクへ汲み上げていきます。汲み上げられた泥水はタンクの中で汚濁除去の処理剤(無機系汚濁排水浄化処理剤:商品名パルクリーン)を使用し、タンクを移動しながら処理水と汚泥に分離し、処理水を取り除き残った沈殿物はバキューム車により吸引し、産業廃棄物として処理を行います。
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