隣の空き地・空き家から越境した木や草の伐採に関するルールが改正されました

記事番号: 1-3491

公開日 2024年06月14日

更新日 2024年06月14日

 これまでは、隣接する空き地や空き家の木の枝が境界を越えて自分の土地に伸びてきても、自分で伐採することはできず、その木が生えている土地所有者に切ってもらうか、訴えを起こして伐採を命ずる判決を得てから強制執行の手続きをとる必要がありました。

 令和5年4月1日から民法の改正により、木が生えている土地所有者に伐採させる原則は維持しつつ、次のいずれかの場合には、越境された土地所有者自らが切り取ることが可能となりました。
(改正後民法233条3第1号~3号)

⑴ 竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
⑵ 竹木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないとき
⑶ 急迫の事情※があるとき
(例:台風によって木の枝が折れ、隣地に落下して建物を毀損するような恐れがある場合等)

 

催告してからどのくらい待てばいい?

 上記「相当の期間」とは、越境した枝木を切り取るために必要な時間的猶予を与える趣旨であり、個別の事案によりますが、基本的には2週間程度と考えられます。

伐採した費用は請求できる?

 枝木は越境して土地所有権を侵害していることや、土地所有者が枝を切り取ることにより枝木所有者が本来負っている枝木の切除義務を免れることを踏まえて、基本的には枝木所有者に請求できると考えられます。(民法第703条・709条)

枝木を切るために隣地に入ることはできる?

 越境した枝木を切り取るのに必要な範囲で、隣地を使用することができます。(改正後民法209条)
 ただし、あらゆるところに立ち入りができるのではなく、枝木を切るために必要な範囲で、かつ、隣地の所有者や現に隣地を使用している人にとって損害が最も少ない日時、場所および方法を選ぶ必要があります。

木の根の伐採は?

 木の根については、これまでと同様に境界を越えて自分の土地に伸びてきた場合には、その木が生えている土地所有者に催告することなく、越境された土地所有者自らが切り取ることが可能です。

伐採した枝・根の所有権は?

 切り取った枝・根の所有権は隣地の所有者が取得し、その枝・根を自由に処分することができると考えられます。

 

相談先

 越境した枝や草木等の切り取りを考えられた場合は、弁護士等の法律の専門家にまずはご相談ください。
 なお、市役所で無料法律相談(要予約)を毎月開催しています。

関連資料
 越境した竹木の枝の切取り[PDF:667KB]
民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について(法務省)より抜粋

この記事に関するお問い合わせ

産業建設部 建設課
郵便番号:796-8501
住所:愛媛県八幡浜市保内町宮内1番耕地260番地
TEL:0894-36-1116
FAX:0894-37-2646

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