記事番号: 1-3492
公開日 2024年06月14日
更新日 2024年06月14日
相続した土地について、「遠くに住んでいて利用する予定がない」、「周りの土地に迷惑がかかるから管理が必要だけど、負担が大きい」といった理由により、土地を手放したいというニーズが高まっています。
このような土地が管理できないまま放置されることで、将来、「所有者不明土地」が発生することを予防するため、「相続土地国庫帰属制度」が創設されました。
「相続土地国庫帰属制度」は、令和5年4月27日から開始しています。
1 制度の概要
相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限ります。)により土地の所有権又は共有持分を取得した方がその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度です。
2 申請ができる人
相続または相続人に対する遺贈によって土地を取得した方が申請可能です。
※ 売買などにより自ら土地を取得した方は、基本的に本制度を利用することができません。
3 申請先・相談先
帰属の承認申請をする土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)
※ 法務局・地方法務局の支局・出張所では、承認申請の受付はできません。
※ 「相続土地国庫帰属制度」の詳細等については、法務局等にお問い合わせください。
4 引き取ることができない土地
⑴ 申請をすることができないケース
A 建物がある土地
B 担保権や使用収益権が設定されている土地
C 他人の利用が予定されている土地
D 土壌汚染されている土地
E 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地
⑵ 承認を受けることができないケース
A 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
B 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
C 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
D 隣接する土地の所有者等との訴訟によらなければ管理・処分ができない土地
E その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地
5 審査手数料
土地1筆当たり14,000円
6 負担金
土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額
右記以外の土地 | 一部の市街地(注1)の宅地 | 一部の市街地(注1)、 農用地区域等の田、畑 |
森林 |
面積にかかわらず、 20万円 |
面積に応じ算定(注2) (例)100㎡:約55万円 200㎡:約80万円 |
面積に応じ算定(注2) (例)500㎡:約 72万円 1,000㎡:約110万円 |
面積に応じ算定(注2) (例)1,500㎡:約27万円 3,000㎡:約30万円 |
(注1)都市計画法の市街化区域または用途地域が指定されている地域
(注2)面積の単純比例ではなく、面積が大きくなるにつれて1㎡当たりの負担金額は低くなる。
7 手続きの流れ
制度の詳細等については、法務局のホームページをご参照ください。