公開日 2014年09月03日
質 問 事 項 | |
1 | 命の水・安全な水道水について |
2 | 市役所職員の人事評価・給与について |
3 | 防災対策の為の分庁制の見直し |
〔岩田功次君登壇〕
○岩田功次君
おはようございます。
去年の3月議会もトップバッターでした。冒頭、余りにもひどい被災状況が我が町と同じような港町で起こっており、他人事ではない悲しい気持ちでいっぱいでありますと言ったのが、早いものですねえ、1年です。復興はまだまだの様子ですが、一日でも早い復興を願います。また、瓦れき処理など我々で協力できるものであれば協力もできればいいなあと思います。あの大震災で原子力発電所の安全神話はないことがわかりました。地震、津波の安全基準も見直しです。防災対策の見直しも基準が変わりました。今議会でも多くの議員が市民の安全・安心について一般質問を準備していると思いますが、理事者の誠意ある前向きな答弁を求めます。
私は大綱3点。
水道ビジョンは安全・安心の水の確保の点からも重要です。今後の取り組みについてどうか伺います。
2、40年、50年使用している水道管でも、健康に支障のない水道水の提供になるのかどうか、伺います。
3、安全な水の供給のためにどういうことをしているのか、伺います。
4、南予用水はありがたい命の水ですが、八幡浜市に昔からあった水源地の現在の様子はどうでしょうか。地下水状況、川之内の水源、簡易水道、各水源の様子、保全状況を伺います。
1、市職員の人事評価、その後の取り組みをお聞かせください。
2、国家公務員の給料が削減される方向ですが、八幡浜市職員の給与はどうか、伺います。
3、職員と臨時職員で同じような仕事の内容でも給与の格差は大きい職務があると聞きます。全体では減らす方向でも、臨時の方の給与は調整して格差を減らすのがいいと思います。今後の方針を伺います。
4、技術技師、一級建築士とか一級土木技士の技術は市役所の事業を計画する中でとっても重要なポイントです。何人体制で運営しているのか、若い技術者は育っているのか、伺います。また、技術の質について、その評価、どのように評価しているのか、重ねて伺います。
防災対策の面からも建設課、政策推進課など本庁に集中がいいと思います。保内、八幡浜の分庁制の見直しについて理事者の考えを伺います。
防災訓練の反省や市民の意見、市役所職員の意見もいろいろ問題点は出ていると思いますが、どうでしょうか。防災対策を強化するための組織配置について伺います。
以上、大綱3点、わかりやすい答弁を求めます。
○議長(宇都宮富夫君) 市長。
○市長(大城一郎君)
岩田議員御質問の大綱1、命の水、安全な水道水についての水道ビジョンの今後の取り組みについてお答えをいたします。
市では将来にわたって安心・安全な水を安定的に供給するために、給水人口が減少する中、老朽化した水道施設の耐震化を含め計画的に施設更新していく必要があり、安心・安全、安定、持続、環境の基本理念を掲げ、平成36年度を目標とする今後の進むべき方向と具体的な施策を示す指針となる八幡浜市水道事業基本計画、いわゆる八幡浜市水道ビジョンを平成22年度末に策定をしております。平成23年度からは、次のステップとして将来の水需要予測に基づく適正な規模の水道事業に見直すため、水道事業変更認可の取得に向けた水道事業整備計画の策定を進めており、あわせて平成36年度までに実施予定の事業についての基本設計及び主要な施設の耐震化計画の策定を行っています。
水道は安全でおいしい水を断水することなく適正な価格で継続的に供給して、公衆衛生の向上と生活環境の改善を図るためのものであり、この基本目的を達成するためには計画、設計、施工、維持管理の各段階でそれぞれ適正に実施することが重要であります。今後は水道ビジョンの目標を達成するためにも、財政基盤の強化及び施設整備とバランスのとれた維持管理の充実強化が必要となるため、経費節減等はもちろんのこと、適正な料金改定及び民間委託を含めた第三者委託についても検討を進めていきたいと考えています。
その他の質問に対しましては、副市長並びに担当の各部課長から答弁をさせます。
○議長(宇都宮富夫君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君)
それでは、岩田議員御質問のうち、市職員の人事評価、その後の取り組み状況と成果についての分についてお答えをします。
平成23年3月の定例会の岩田議員からの御質問以降の人事評価の取り組みについてですけれども、平成23年度に入り、原案を作成し、平成23年12月に試験的に評価を実施しております。人事評価はある程度の試行期間が必要と考えておりますので、今後試行したものについて検証、修正を行った上で、ことしの12月から本格的に実施していきたいというふうに考えております。
ここに至るまでの私自身の思いからも非常に時間がかかったという気がしとんですけれども、去年12月の試行においてこれをすることの必要性、それが市の人事担当者にも十分理解ができたのではないかというふうに思っております。この試行の成果は既に今回の人事異動にも反映するよう努めているところです。
人事評価の成果については、これを実施することにより職員の勤務実績や能力を的確に評価し、昇給昇格にきちんと反映させるとともに、職員の意識改革、職場の活性化、能力開発、人材育成にもつながるものと、そういうふうに思っております。
以上です。
○議長(宇都宮富夫君) 水道課長。
○水道課長(菊池正康君)
岩田議員の大綱1、2点目の水道管でも健康に支障のない水道水の提供ができるかについて御回答いたします。
水道管など耐用年数は法により定められており、一般に使用されている鋳鉄管などは40年とされています。管の寿命は管の種類や使用条件によって異なりますが、耐用年数を超えると老朽化による管材及び継ぎ手部の強度不足などから漏水や破裂事故が多くなることも事実です。水質については水道管内の水が常に動いて各戸への給水をしているため、通常の生活の中で毎日水道を使用されていれば全く問題はありません。ただし、長時間水道を使用しないで滞留水が生じると水質が変わってきますので、水道を使用する前に少しの間流してからお使いいただくようお願いしております。
次、3点目、安全な水の供給のため、どういうことをしているかについて御回答いたします。
水道水の水質基準は水道法第4条に基づき厚生労働省令により定められています。よって、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により各市町村等の水道事業体に検査が義務づけられています。市では市民の皆様に安全・安心な水を供給するため、原水及び浄水の水質基準50項目の検査について毎年水質検査計画を策定し、安心して使用できるよう水質検査を実施しています。水質検査は、年1回の原水検査や毎月及び年4回行う浄水検査、また水道管の末端にある蛇口13カ所では残留塩素、色、濁りの3項目について毎日検査を実施し、その他必要な法定検査を適正に実施して、安心して飲める水を供給しております。これまで実施した水道水の水質検査結果もすべて国の定める基準値内であり、安心して利用できる水質となっております。
次に、4点目、水源地の現在の様子と保全状況についてでございます。
当市の水道水は6給水区域に分けて給水を行っており、その取水のための自己水源が7カ所あり、補助水源の6カ所を含め計13カ所ございます。上水道の水源は川之内水源が千丈川の表流水であり、ほかは地下水を使用しております。原水である地下水の水質は安定しており、良好な状態を保っています。
一方、山間部を中心に簡易水道事業等の小規模水道が21事業あり、多くの水源は山奥の表流水やわき水を使用しています。水源が地下水であれば使用等に左右されることが少なく、適切な浄水方法をもって給水可能ですが、河川からの表流水の取水については、道路新設や森林伐採を伴った開発行為、また山林の荒廃などにより保水力が低下したため、渇水期の取水量確保が困難になる場合や大雨後の河川水の濁りにより原水の取水停止を余儀なくされる場合があります。表流水取水の宿命と言うべきところもありますが、今後の簡易水道統合を含めた水道施設整備計画の中で浄水方法の検討を行い、改善を図っていきたいと考えております。
以上です。
○議長(宇都宮富夫君) 総務企画部長。
○総務企画部長(中榮忠敏君)
大綱2の2点目、国家公務員の給与削減に対する市の対応についてお答えをいたします。
国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律が平成24年3月1日から施行されることとなり、同法附則第12条において、地方公務員の給与については地方公務員法及びこの法律の趣旨を踏まえ、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるものとすると規定されており、本市にも国から通知が届いてきております。国家公務員の人員削減は地方に対しておくれている実情があり、一方で地方では平成17年3月28日に総務省が示した新地方行革指針に基づき集中改革プランを策定し、大幅な人員削減を実施してきた経緯があり、当市におきましても目標値を大幅に上回る人員削減を行ってきたところです。今回の法律改正につきましては、愛媛県及び県内各市の動向を踏まえた上で適切に対応していきたいというふうに考えております。
次、大綱2の3点目、職員と臨時職員の格差の状況と今後の方針についてお答えをいたします。
本来臨時職員は職員の補助的な役割を担うために採用されるものであり、給与面でも格差がつけられております。しかし、例えば保育職場では臨時的任用の保育士が職員と同様な仕事を担っている実態があります。臨時保育士の賃金は日額7,010円、1月当たりおおむね14万7,000円程度となり、現在のところ、昇給するシステムとはなっておりません。正規職員の保育士については初任給が15万2,800円で、その後勤務成績により毎年昇給をいたしますので、職員と臨時職員では大きな格差が生じてきてまいります。
近年、臨時保育士については、募集をしても人材の確保が困難となっているため、雇用期間の延長を実施をしてきました。また、雇用期間に応じた賃金面での処遇改善も現在前向きに検討しているところでございます。
次、大綱2の4点目、建築、土木技師の評価と育成についてお答えをいたします。
建築、土木技師の状況についてでございますが、現在建築技師は4名、うち一級建築士は1名、二級建築士3名となっております。二級建築士の職員については一級建築士資格取得に向けて頑張っているところであります。また、土木技師については23名おりますが、各部署によりさまざまな資格が必要なため、異動などにより資格が必要な職員については研修を受けさせ、資格等を取得させているところでございます。
次に、若い職員の育成と技術向上についてですが、資格の取得は技術の向上や育成に有効と考えておりますので、今後とも指導をしてまいりたいと考えております。
最後に、技術職員の評価についてでございますが、所属長の評価に加え、技術職員のトップであります産業建設部長が総合的な指導、また評価を担当しているところでございます。
次、大綱3、防災対策のための分庁制の見直しについてお答えをいたします。
平成17年3月の合併時から八幡浜市では八幡浜、保内の両庁舎に行政機能を配置する、いわゆる分庁方式で住民サービスを行ってきております。防災対策面から見て本庁方式へ見直すべきではないかとの御提案でございますが、危機管理・原子力対策室と保内庁舎の建設課、保内庁舎管理課とは移動系防災行政無線により常に通信体制が確保されています。また、建設課、保内庁舎管理課と現場車両との間で行われる通信内容も危機管理・原子力対策室において随時確認ができ、直接現場へ指示を出せる体制となっております。また、災害対策本部会議は八幡浜庁舎で開催をいたしますが、会議には保内庁舎に在籍をしている課長もすべて出席をし、決定事項が課員へ速やかに伝わるような体制が整っております。
さらに、分庁方式では、片方が被害を受けた場合にもう片方で本部を立ち上げて対応することができるというメリットもありまして、防災対策面から見た場合、現在の分庁方式で特段の問題がないものというふうに考えております。
以上です。
○議長(宇都宮富夫君) 岩田功次君。
○岩田功次君
何カ所か再質問させていただきます。
大綱3から言いますが、分庁方式で問題がない、いろんなところでその仕組みは無線でつながるから問題ないというふうに言われましたが、例えば保内の建設課は1階にあります。防災無線はどこに置いてありますかっていうふうなことになると、既にこの前の津波の状況であれば機能しなくなるおそれがありますね。場所の配置の問題はなくても、それぞれの問題によってその核となるような重要な機器が失われるような状況では分庁方式でも意味がありません。そういうふうなことまで考えながら防災対策をしてください。安全神話はもう崩れています。それに備えるような仕組みはつくっておく必要があると思います。
大綱2の人事評価について。
人事評価は市職員のやる気を起こすのに必要なことだと私は思っていましたが、どうも調べていくと職員内のひずみを起こしそうで、難しいことだなと感じています。私が人事評価、人事評価とこれ3回目の質問になると思いますが、なぜこのような質問をし続けるのかということがあります。言い方は悪いかもしれませんが、市民をいじめるような、市の職員がいじめるような行為をいろいろと見てきた、言い方は悪いですけど、市職員の勉強不足が結果として市民をいじめている場合があるようです。近ごろ、一般の会社では仕事が能率よくできないからという理由だけでも解雇になる場合があります。公務員は法律で守られていますが、公務員でも解雇になるような仕組みが要るのではないか。人事評価で給料の多い少ないっていうのをつくるよりも、もしかしたらそのような仕組みのほうがいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。
大綱1、水道の話です。
水質について安心だ、答弁の中に安心だ安心だっていう答弁が多過ぎて何か不安を感じます。原水の上流に産業廃棄物場があったり、やっぱり農地、農薬などのことが少し心配です。いま一度水道水が安全ですよという説明を伺います。
あと、簡易水道の水源地について、水の量、水量についてはそれぞれどうかということを重ねて伺います。
以上。
○議長(宇都宮富夫君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君)
それでは、岩田議員再質問のうち、今言われた中で人事評価の部分について、民間企業とあわせたような解雇につながるような取り組みが必要ではないかとの御質問でした。基本的には公務員といえども就労者としての権利があって、家庭も持ち、勤労の基本権というのは守られるべきであると、これは皆さん異論のないところであると思います。その中で、特に勤務成績のひどい職員についてどうするのかということではないかと思います。
まず、人事の評価の中でいろいろ出てきます。通常の評価につきましては実績の評価と能力の評価、2つの評価をしてその人の能力と各半年、1年の実績に基づいて給料とか昇格を判断します、これは通常の評価、通常の仕事の中でやっていくことです。それから、これは対外的に事件や問題を起こした職員、この人たちについては地方公務員法に基づいて懲戒処分ということをします。懲戒処分の場合には戒告、減給、停職、さらに免職という処分の種類が内容に応じてあります。
それから、今岩田議員が言われたことに関連してきますけれども、勤務成績が極度に不良であったと、あるいは職員としての適格性にも欠けてしまうと、職責を、職務を果たすことができない職員、この方につきましては地方公務員法で懲戒処分ではなく分限処分ということがあります。分限処分の中で休職、降任、免職等の処分ができるということであります。八幡浜市におきましては、人事評価の実施にあわせてこの分限処分が適正に実施されるような、そういう基準をつくるべきではないかということもあわせて検討をしているところです。
○議長(宇都宮富夫君) 水道課長。
○水道課長(菊池正康君)
岩田議員の御質問にお答えいたします。
安心が多いということでいま一度安全を伺うということでありますが、これは水道水は水道法により検査項目が50種類ぐらいございます。これに従いまして法定に基づき検査をしておるところでございますので、安全ということで御理解いただければと思います。
それと、簡水の水の量でございますが、簡易水道は21施設ございます。大体辺地なとこでございますので、山水とかわき水とかを使用しておられます。渇水時期によりますと近年山が荒廃して水の量が足らなくなる場合がありましたが、それは通常ではなくて、もうそれは日照りが続いたとかそういう場合でございますので、特にそれで支障が今あるかという事情はございません。
以上です。
○議長(宇都宮富夫君) 総務企画部長。
○総務企画部長(中榮忠敏君)
大綱3の防災対策の分庁制の見直しの件についてお答えをいたします。
確かに岩田議員おっしゃられるように防災の面等事務の効率化も含めて考えてみればすべての課を八幡浜庁舎1カ所に集中した本庁方式が望ましいというのは岩田議員がおっしゃられるとおりでありますが、その一方現実の問題としましては、この八幡浜の庁舎にすべての課を配置をするというスペースがどうしてもできないというのが現在の状況で、物理的に不可能であるということでございます。
単にスペースだけの問題ではないということもございますが、ここ当分の間は分庁方式を維持していく必要があるというふうな考えで先ほど答弁させていただきましたが、ただ現状がベストであるとは決して思っておりません。確かにおっしゃられるように建設課が1階に配置されていることについての御指摘、そのとおりであろうと思われます。これにつきましては、今後さまざまな観点から注意をしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えます。
以上です。
○議長(宇都宮富夫君) 岩田功次君。
○岩田功次君
再々質問を2点ばかり言います。
水道の原水の話ですが、年に1回の原水の調査っていうふうに言われました。これは水質調査はできたら季節によってするとかっていうふうにふやしていただきたいな。それは問題があるかもしれませんが、要望しておきます。
あと、これは水道課じゃなくって農林課のことになるかもしれないですけど、農林課長よく聞いとっておいてください。
水源地に限らず、杉、ヒノキの山も国策でこのあたりは産業林、杉、ヒノキの山になっています。この杉、ヒノキの山の表土、土はほとんどない、流れた状態になっています。保水力のない山です、石ころだらけの。その保水力の少ない山がもう放置されて、その日本全国の山がそういうふうになってる。特にこのあたりもそういうふうなところが多く、雨が降ったらすぐざあっと水は出るんだけど、千丈川のようにふだんは水がなくなる。松山の重信川なんかは特にその最たるもので、雨が降ったら水があるけどあとはずうっと水なし川である。国策の失敗だと思いますが、水源の水量も本当に心配になっているところです。
そこで、簡易水道など各水源地の周辺の森の保全について、いろいろ問題があると思いますが、解決に向けての対策を伺います。
以上。
○議長(宇都宮富夫君) 農林課長。
○農林課長(山本健二君)
岩田議員の再々質問についてお答えいたします。
現在当市の森林面積の内訳でございますけれども、針葉樹林が約4,500ヘクタール、広葉樹林が2,200ヘクタール、その他の森林を含めまして合計で約7,000ヘクタールとなっておりまして、針葉樹林が多いのが現状でございます。
愛媛県の調べでは、年間降水量2,000ミリの場合、管理が十分で間伐の行き届いた森林は管理が不十分で間伐してない森林に比べて、蒸発、蒸散量は減少し、流水量、貯水量は増加いたします。結果的に利用可能水量が約100ミリ増加すると言われております。
しかしながら、先ほど言われましたようにほとんどが国の国策によって杉、ヒノキなどになっておりまして、ほとんどが個人、法人等の所有ではありますけれども、今後につきましても八幡浜市森林整備計画に基づきまして森林組合等とも連携し、国、県の補助事業を活用しながら適正な管理、間伐を行ってまいりたいと考えております。
以上です。