一般質問 H23. 6 宇都宮富夫 議員

公開日 2014年09月03日

質 問 事 項
市長の政治姿勢について

 


 

〔宇都宮富夫君登壇〕

○宇都宮富夫君 
 失礼しました。

 

 私は、伊方原子力発電所の安心・安全確保に関連した問題に絞り、大城市長の政治姿勢について質問をいたします。明快率直な答弁をお願いいたします。

 

 さて、東日本大震災に起因する福島第一原子力発電所の事故は、放射性物質の放出が大量かつ広範囲にわたるとして国際的な事故評価尺度で深刻な事故とされるレベル7に引き上げられ、大震災から3カ月を経た今もなお深刻な事態が継続しております。一日も早い事故の収束を祈るばかりであります。

 

 さて、事故調査が進むにつれて、1号機から3号機のすべての原子炉で炉心溶融が起きているとされるなど、事故の深刻さが次第に明らかとなっております。想定外の最悪な事故が現実のものとなり、これまで言われてきた原発の安全神話が完全に崩壊し、伊方原子力発電所に隣接する当市でも、予想されている南海地震など、巨大地震と伊方原発の安全性に市民、住民の不安が高まっております。市民の安心・安全を担わなければならない行政と政治がこのような事態にどう向き合うのか、その対応が今厳しく問われていると思うのであります。

 

 このような観点から、大城市長の伊方原子力発電所に対する安心・安全の確保に関し、次の4点について簡潔に質問いたします。

 

 第1点は、原子力発電所に対する不安の解消についてであります。

 

 先般、市内の各種団体、自主防災会、市議ら約100人が参加いたしました伊方原子力発電所の東日本大震災を踏まえた対応状況についての説明会がございました。四国電力の説明に対して出席者からは、福島事故での警戒区域の半径20キロ圏内に八幡浜市全域が入る、市民がふるさとを離れることは決してあってはならない、事故は信じられない気持ち、伊方原発3号機の稼働は福島事故が収束してからにしてほしい、想定外はもう許せないなどの安全基準の見直し等についての意見が相次いだところでございます。市長も熱心に市民の意見を聞かれておりましたけれども、四国電力の説明を受けて、伊方原子力発電所に対して不安を解消することができたのかどうか、市長自身の率直な感想をまずお伺いいたします。

 

 第2点は、伊方原子力発電所の安全確保についてであります。

 

 東日本大震災と福島原子力発電所の事故を踏まえて、市長は伊方原子力発電所施設の安全確保についてどのような課題があると考えておいでなのか。これらの問題についての市長の問題意識、所見を問いたいと思います。

 

 第3点は、原子力安全協定の締結についてであります。

 

 市長は、報道によりますと、こだわらないが、四電への発言力を持っていかなければならないと述べるなど、安全協定参加への意思を表明しておられます。原発に隣接する八幡浜市の市長として四国電力への発言力を強めようとすることは、住民の安全を担う自治体の首長として当然のことであり、私も賛意を表したいと思います。

 

 ところで、原子力施設の安全確保については中央の行政庁が統一した規制、監督をすることになっており、地域住民の安全確保に責任のある地方自治体には原子力事業者に安全面で要求する法的権限は与えられておりません。しかし、災害対策基本法では、原子力災害に対して地方自治体が対応することとされております。したがって、地方自治体は原子力災害に対応するために原子力施設の安全を確認する必要があり、その方策として考え出されたのが原子力安全協定だと言われております。

 

 伊方原発に関する安全協定は現在愛媛県及び伊方町と四国電力の間で締結されておりますが、原子力安全協定の参加締結を求める市長の意欲を改めて確認をいたしたいと思います。また、市長の考えておられる安全協定の内容についても、この際説明を求めたいと思います。

 

 第4点は、現在定期点検中の伊方原発3号機の運転再開についてであります。

 

 定期検査終了後の伊方原発3号機の運転再開について、四国電力が八幡浜市に運転再開の是非についての判断をゆだねているとは聞いておりませんが、住民の安全を担う市長の立場から、運転再開の是非について積極的に発言しようとする姿勢は大切なことだと私も考えております。7月上旬には定期検査が終わる伊方原発3号機の運転再開の是非について、何を基準に判断し、いつごろ四国電力に伝えるおつもりなのか、市長の所見をお伺いいたします。

 

 以上で私の質問を終わります。

 

○議長(萩森良房君)  市長。

○市長(大城一郎君) 
 宇都宮議員の御質問の大綱
11点目、四国電力の説明を受けて伊方原発に対して不安を解消できたかについてからお答えをいたします。

 

 当日の四国電力からは、津波対策、地震を踏まえた安全強化対策についての説明がありました。津波については東南海・南海地震より、敷地前面の海域にある断層地震による津波のほうが危険度は高いが、十分な高さが確保されていること、水密扉への取りかえを行ったこと、海水ポンプエリアの防水対策を実施したことなどが上げられます。地震を踏まえた安全対策については、原子力安全停止機能、津波により3つの機能を喪失した場合の対応シナリオなどの説明がありました。説明を受けている限りにおいては、丁寧で非常にわかりやすく、説得力を感じたところであります。

 

 しかし、今回の福島の災害では想定外のことが発生しており、伊方発電所においても、地震動などで今想定している以上のことが発生したときどうなるか、そのような意味で率直な感想として不安を感じざるを得ないというふうに感じたところであります。

 

 2点目の伊方原子力発電所の安全対策についての課題ですが、お話のように原子力発電全体では核燃料サイクルの行き詰まり、使用済み核燃料の処理、保管、高経年化、万が一事故が起きた場合の対応の困難さ、被害の過酷さなど多くの問題を抱えていると考えております。そのような中で、伊方発電所の安全確保については、当面は今回の事故を踏まえ、国の基準等見直しの中でこれを適切に対応していくことが肝要ではないかと考えております。

 

 3点目の原子力安全協定の締結でありますが、今回の福島の事故では20キロメートル圏内が避難指示、その圏外でも計画的避難区域となりました。このようなことから、20キロメートル圏内にすべての市民が含まれる八幡浜市としても、原子力発電所の安全確保について当市の意見を表明し、これが尊重されるような枠組み、これが必要であると考えております。その内容につきましてはさまざまな形が考えられ、相手もあることであり、現在内容を検討している段階であります。

 

 最後4点目でありますが、定期点検中の3号機の運転再開につきましては、県、伊方町ともその了承が必要だとされており、当市においても当市の意向を踏まえていただきたいと発言をしているところであります。当市としての判断材料は、四国電力から説明していただく内容、政府から発表される各種の報告、指針など、さらに専門的判断能力を有する県の考え、市民の声などを参考に判断していきたいと考えております。

 

 以上です。

 

○議長(萩森良房君)  宇都宮富夫君。

○宇都宮富夫君 
 再質問をいたします。

 

 まず、第1点の不安の解消についてでございますが、この市民の率直な声を聞きますと、やはり安全神話が崩れて想定外の事故が起きたと、やはり事実としてそういう事故が実際に起きたと、想定外の、ですからこれまで国が示した安全基準についても納得がしづらいというのが根底にあると思うんですね。この点について、市長も率直に想定外の事故についての不安を表明されましたが、やはり今回の説明会を聞く限りでは、やはり市民はまだ四国電力に対する説明には納得していないというふうに思います。その点について、市長の、市長自身はよく説明、四国電力からなされたということで安全面についての理解が得られたかのような御答弁だと思いますが、想定外の事態ということを踏まえて、市民はまだまだそれに納得していないんじゃないかと、市民の受けとめ方についての市長の率直な考え方をお聞きしたいと思います。

 

 それから、第2点、安全確保について市長に問うたんは、まずこの原子力の安全確保は基本的にはやっぱり国策として進められておりますし、これは中央の省庁がきちっとした安全基準を再度立てて、これで安全だというふうなことを示すというのが法的な責任だと思います。ですから、そういう指針がいずれ出てくるでしょうから、その指針に対して、市長の立場はやはり住民の安心・安全、特に安全を確保する、災害対策基本法では明確にそういう責任もありますし、原子力災害特別措置法でもそういうふうに規定されておりますので、やはり住民の安全を確保するという観点から物を申すという姿勢が大事だと思う。ですから、物を申す前提として、市長はどういう問題意識があるかと、お持ちかという意味で安全確保について私は市長の見解をただしました。

 

 その中で、大体共通するとこも多いんですが、私が伊方原発で特に心配をしておりますのはやはり地震の問題、これについて納得を得られるような説明では、私自身はなかったんではないかと。例えば同僚議員から、地震動573ガルでしたかね、最大に見積もって570ガルだったですかね、こういうふうなことを想定しているんで、地震についてはもう大丈夫だというふうな考えでした。でも、福島事故を教訓にするというのであれば、現段階では詳しいことはわかりませんが、やはり原子炉施設に対する損傷について地震による損傷もあったんではないかというふうな指摘、まだこれは今後調査が進めばそれが明確になると思うんですが、やはり国の安全指針に示された地震の基準、それではやはり十分でなかったと、やはり地震による損傷もあったというふうに私は現時点でもそのように感じております。

 

 ですから、これは今後政府の詳しい調査を待たなければなりませんので明確なことは今の時点で私からも言えませんが、やはり地震に対するその安全確保、これについても、市長、大事なやっぱり問題点ではないかと、このように思います。この点につきましても市長の御見解を、問題意識を確認をしたいというふうに思います。

 

 詳しい中身につきましては、今後政府の事故調査検証委員会の報告が来年の夏ごろまでに出ますので、それを待っての議論が、本当の意味の議論がそこで巻き起こると思いますので、その時点まではやはり調査を待ちたいと思いますが、その点について市長の見解を確認をしておきたいと思います。

 

 それから、安全協定の締結についてでありますが、市長の意欲は僕は大変大事なことだというふうに思います。そこで、改めて市長の意欲をお聞きしたわけですが、市長、安全協定への締結について具体的に、例えば四国電力とか県とか、そういうところへ、内容については検討しよるというんだから、そこまでの行動までにはまだ踏み切ってはないかもわかりませんが、自分は安全協定を結びたいんだと、参加したいんだというふうなことをやっぱり四電なり県に伝えているのかどうか、その結果、先方の反応というのは、仮にしていれば、していないんかもわからんけど、その点についてもこの際お聞きしたらと思います。

 

 それから、第4点の3号機の運転再開についてでございますが、中村県知事は再開について、国が新たな安全指針を示さない限り、運転再開については認められないというような見解を示しております。私は中村知事のこの姿勢は理解できる姿勢だなというふうに思います。市長も国のそういう見直しの動きを見て判断されるということですが、逆に言うとそういうものが出ない限りは再開には同意しないということだと受けとめますけれども、そういう考えですか、再開について、そのことを確認をしたいと思います。

 

○議長(萩森良房君)  市長。

○市長(大城一郎君) 
 宇都宮議員の再質問に対して答弁をさせていただきます。

 

 市民の不安の解消、やはり先般行われた四国電力との説明会におきまして、私も原子力に対して不安を感じざるを得ないというところを言いましたが、市民の方々も不安を抱いている方が多々おられると思います。その不安の解消に対しまして、本当に想定外のことがあってはならないということからも、今回国の基準が新しく見直されると思います。

 

 それと同時に、それに対応する四国電力のあり方、そしてやはり何より四国電力からの正確な情報、そういったものをいただいて、それを市民の方々に開示していく、そういったことで少しでも市民の不安を解消できるように市としても努めていく、そのためにもやはり四国電力との信頼関係を築いていく、そういったことが大切だと私なりに思っております。

 

 続きまして、指針に対して物申すというようなことを言われてまして、私も地震の関係について今回の福島第一原発が津波による災害、その津波以前の地震によって損害を受けていたのではないかというところは、本当に今回の事故の検証、これが進んでいって初めてわかることであって、それに対応する対策も出てこようかとも思っております。

 

 そして、地震の、先ほどから言われております揺れに対することなんですが、570ガルと言われておりましたが、これも地表面での揺れであって、はかるところによってその大きさが異なってくるというようなことも新しく言われておりますんで、このことはやはり国の指針に対して、出たことに対しては対応していきたいと思っております。

 

 そして、安全協定についてですが、現在この安全協定の枠組み、内容等については副市長のほうで検討していただいておりますので、副市長のほうから答弁をさせます。

 

 最後、再開についてですが、これは県知事も言われておりますが、やはり国の指針が出るのがまず一番であり、そしてより専門的な知識を持った県の判断というのがやはり我々の判断の基準になってくると思います。そういったところの判断を待って八幡浜市としても決断していきたいと思います。

 

 以上です。

 

○議長(萩森良房君)  副市長。

○副市長(橋本顯治君) 
 安全協定に向けて具体的に作業を進めているのかというお話でした。

 

 現在全国の原子力発電所の隣接、または隣々接の市町村から立地長が結んでいる安全協定に私らも参加すべきだという、いろんなところでそういう声が上がっております。ただし、今までそれが実現したという話は今のところ聞いておりません。そういう状況です。

 

 八幡浜市としましては、さっき市長からお話しあったみたいに、八幡浜市が説明を受けて意見を言い、それが尊重される、基本的にはそういう枠組みをつくりたいと思っています。

 

 ただ、これは相手のあることです。県の指導もいただきたい。そんな中で、いろんなコミュニケーションしながら新しいものをつくっていくわけですので、新しいところへ打ち出していくわけですので、コミュニケーションしながら作業を進めていく、そういう状況であります。まだこれからの作業と思っています。

 

○議長(萩森良房君)  宇都宮富夫君。

○宇都宮富夫君 
 最後、要望をしておきますが、やはり今回の事故の教訓というのは、もう想定外の事故だということに尽きると思うんですよね。ですから、もう抜本的なやはり見直し、原子力行政の、これが必要だと思うんです。そのためには、当市が原子力行政について専門的な知見、知識はありませんけれども、やはり住民が抱えている不安、住民の立場に立って、近い将来出されるであろう国のそういう安全基準等についても率直に物を申す、どんどんやっぱりそういう行動をとっていただきたい。発言力、電力事業者に対してでも市長の積極的な姿勢を評価するわけですけれども、やはりどんな発言していくと、そのことを最後に強く要望をしておきたいと思います。

 

 以上です。

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