公開日 2014年09月03日
質 問 事 項 | |
1 | 八幡浜の地場産業に深刻な影響を及ぼすTPPに対する市長の政治姿勢について |
2 | 八幡浜市指定のゴミ袋の値上げについて |
3 | 住宅リフォーム助成制度の創設について |
4 | 中学校統廃合の動きに関して |
〔遠藤素子君登壇〕
○遠藤素子君
私は、一般質問通告書に従い、大綱4点について質問いたします。市長並びに関係理事者の皆さんには誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱第1点は、八幡浜市の地場産業に深刻な影響を及ぼすTPPに対する市長の政治姿勢についてであります。
菅内閣は貿易自由化を柱とするTPPの交渉に向け、包括的経済連携に関する基本方針を閣議決定し、さきのアジア太平洋経済協力会議、APEC首脳会議において関係国との協議を開始することを表明しました。TPPは、関税撤廃の例外を認めない完全な貿易自由化を目指しているため、将来本格交渉に参加し、関税などの国境措置が撤廃された場合、海外からの安い農林水産物が国内に大量に流入し、我が国の農林水産業が壊滅的な影響を受けると心配されています。
今全国各地でTPP参加反対の集会が開かれています。四国でも、香川、徳島、高知で開かれ、愛媛県でも近く開催が予定されているようです。農協が中心ですが、農林水産団体だけでなく、経済団体、地方議会、消費者、市民など多くの分野の人々が集まる大変規模の大きいものになっているようです。
先月12日には札幌で北海道民総決起集会が開かれ、TPP参加で北海道経済にどういう影響が出るか、北海道庁の行った試算が明らかにされました。それによりますと、道内農業生産や関連産業などへの影響は2兆1,000億円程度で、雇用は17万3,000人程度減少、農家戸数は3万3,000戸程度減少、すなわち農業生産額は半分以下に、農家戸数は7割以上減るという衝撃的な数字であります。日本の中で最も大規模経営がなされている北海道でさえこのような結果です。これは、11月19日に日本共産党の市田忠義参議院議員の質問に農水大臣が答えた内容です。
とにかく日本の食料自給率は40%から13%に低下、洪水防止や水質浄化、生態系の保全など農業の多面的機能は3兆7,000億円程度喪失、関連産業への影響は国内総生産で8兆4,000億円程度減少、350万人程度の就業機会の減少が試算できるということです。要するに、例外なく関税が撤廃されると、アメリカやオーストラリアからの農産物の大量輸入で日本の農業は立ち行かなくなり、里山荒廃どころか地方全体が見る影もなくなってしまうというものです。
前原誠司外務大臣が、日本のGDPにおける第1次産業の割合は1.5%だ、1.5%を守るために98.5%のかなりの部分が犠牲になっているのではないかと発言したことに対して、全国農業協同組合中央会の茂木 守会長は、10月21日、この発言は第1次産業の重要性を軽視したものであり、食料自給率の向上、安全・安心な食料の安定供給という国民の期待を損なう信じられない発言である、中略しますが、第1次産業は単なる数字で判断できるものではない、人が暮らし、営農している農村の多面的機能や地域経済、雇用など、農林水産業の果たす重要な役割を正しく認識してもらいたい、後略、との抗議コメントを発表されています。
当市はまさに第1次産業で成り立ち、ミカンと魚のまちとして誇りを持って築かれてきた町であります。その農林漁業に大打撃を受けると言われるTPPに対して、私たちは安穏としてはいられません。
そこで、お聞きします。
この八幡浜市の最高責任者として、市長はこの愛媛県で、また八幡浜市でどのような影響が出ると受けとめておられますか。また、国のこのような動きに対する御所見を伺いたいと思います。
大綱第2点は、八幡浜市指定のごみ袋の値上げに関してであります。
市長は今議会にごみの減量化のため、またごみ処理の費用として現在の袋の値段は適当でないとして、指定ごみ袋の値上げなどの条例案を提案されました。それは、10枚入り大を95円から350円、中を75円から250円、小を65円から150円に、2.3倍から3.7倍に値上げするという大幅なものです。
ところが、9月議会において市長は、他市町と比べて抑えた金額にしていると答弁されましたが、県内には無料の市が四国中央市、新居浜市、松山市と3市あり、そのほかにも西条市や東温市は年間100枚前後のごみ袋を無料で配布しています。11市のうち約半数が無料または無料に近い状況です。そもそもごみ処理は市の業務であり、当然税で賄われるべきものであるからです。9月議会で明らかになりましたように、ごみ袋の売り上げは約421万円の黒字であり、これがごみ処理の費用に充てられているではありませんか。もしこの答申どおりに実施されますと、今でも大変な市民の生活は負担がふえ困る、不法投棄がふえるのではないかなど、心配の声も高まっています。
また、旧八幡浜市と旧保内町の合併に際して、理事者はサービスは高い方に負担は安い方に合わせると繰り返し約束して合併を誘導してきました。その約束どおりごみ袋は安いほうの値段になり、市民はこの点に関しては大変喜びました。しかし、この約束が今わずか5年で破られようとしています。合併するときにはハードルを低くして合併を進め、合併してしまえばそのときの約束はほごにする、これでは市政への信頼などなくなってしまうでしょう。食べることにも事欠くこの時期に負担をふやすことはやめてほしいとの多くの声が、ついにごみ袋値上げ反対の運動に盛り上がり、11月1日からは署名運動に発展、26日、市長への要請、市議会への請願という形で表現されています。そのときに添えた署名は2,132筆でしたが、きょう現在で4,000筆を超えています。ごみの減量化は、市民の努力だけでは限界があるものの、これまで市民はごみの分別や生ごみの減量などに協力してきました。これからも市民でできることは何でも協力を惜しまないものです。
そこで、伺います。
ごみ問題検討委員会の議事録を読ませていただきましたが、大切なことがたくさん話し合われており、その御苦労のほどを感じ取りました。しかし、それを読み進むうち、ごみ問題はいま一度、市民参加のもと、根本から取り組まなければならない問題ではないかとの思いを強くしました。課題がたくさんあり、ごみ袋の値上げだけを先行させることは決してごみ問題の根本解決にはならないだろうと思うからです。平成9年にごみ収集が有料化されてから、ごみの選別や生ごみ減量のための協力など、一部にはごみの減量の取り組みが見られますが、本格的なごみ減量作戦はほとんどなされてこなかったと思います。市の理事者からごみを減量してごみ処理の費用を引き下げましょうといった市民への強いメッセージは何も伝わってきませんでした。このたびの検討委員会で古着のリユースや紙のリサイクル、生ごみの肥料化などによってごみの減量に取り組む方向が示されていることは大変すばらしいことであると思います。大いにやりましょう。
しかし、今回の委員会では何よりもごみ袋の値上げ問題が底辺に流れ、先行してしまっています。これはごみ行政の進め方が逆だと思います。ごみ問題検討委員会の委員の皆さんもそのことで随分悩み、迷われた様子がうかがえます。それは次のような委員の発言にあらわれています。ごみの減量を市民の責任だけに求めるのはおかしい。ごみ袋を値上げすれば必ず不法投棄がふえる、高齢者や低所得者への配慮が必要だ、なぜ八幡浜の焼却施設はトン当たりの焼却費用がよそより高いのかなどなど、今思い出すだけでもこのような発言が随所にあったと思います。なぜ八幡浜の処理費用がよそより高いかという問題では、双岩地区への迷惑料が10億円もかかっているからだという声もあります。とにかく市民ぐるみでごみ減量に取り組んで、コストを削減し、その上でごみ袋値上げの根拠を示し、市民に協力を得るのが筋だと思うのです。
しかも、未曾有の不況で生きること自体が厳しくなっている今、市が最も取り組むべきは、市民に公共料金の値上げで負担をふやすことではなく、だれもが安心して暮らせるまちづくりではありませんか。先日もごみ問題で集まった人たちのところである孤独死の話が出ました。すると、似たような話が3件も次々と出てきたのです。本当に市民の暮らしは想像以上に厳しい状況になっていると思います。
今この時期に値上げ案を提案される、その根拠をお示しください。市民がわかるように明快な答弁をお願いします。また、市長はいつからこの値上げを考え始められたのですか、伺いたいと思います。
次に、この間の市民のごみ袋値上げ反対の運動の中で本当に痛切な声がたくさん寄せられました。一部を御紹介します。40代の女性、私は朝、昼、夜と3つの仕事をしてやっと生きている、子供が受験を控え必死の思いです、ごみを出さない生活はできません、何としてもとめてほしい。80代の男性、船を出そうとしたらロープにビニール袋などのごみがひっかかっていって困る、値上げされたらこれがもっとふえるのではないか心配だ。ミカン農家の方、ミカン畑にごみが捨てられていて困っている、値上げしようという人たちはこのような実態を知っているのか。高齢の女性からは、値上がりというから5円か10円かと思ったら、何倍もの値上がりであんまりことよ、市の人らは私らの暮らしを知らなさ過ぎる。高齢のやはり女性から、ひとり暮らしなので10リットルくらいの小さい袋が欲しい、夏などごみはためずに毎回出したいのでぜひ、などなどです。
市民のこの値上げに反対する要請行動をどのように受けとめられますか。値上げはやめるべきではありませんか。そして、地域によって可燃ごみの収集回数に違いがある、喜木では車で運ばなければならないところがあるとのことですが、改善されるべきではないでしょうか。
大綱第3点は、住宅リフォーム、改築・改造助成制度の創設についてであります。
現在多くの建設業者の営業と暮らしは先の見えない深刻な状況に陥っていると聞きます。そのような中、地域経済の活性化へ波及効果が大きい住宅リフォーム助成制度が全国に広がり、今では175の自治体で実施されています。この制度は、住宅をリフォームしたい住民に自治体が一定額の補助をするもので、工事を地元の中小零細建設業者に発注していくため、仕事が減って困っている業者から歓迎されています。実施している自治体では投資した額の何倍も波及効果があり、地域住民にも喜ばれて、大いに活性化に役立っているとのことです。
また、このほど成立した国の補正予算に盛り込まれた、住宅建築物の耐震化緊急支援事業による1戸当たり30万円を国が定額援助する耐震改修助成制度を活用して安全・安心の住宅をつくるという仕事づくりの事業もあるようです。これらの制度も活用すれば、当市でも実現できると思いますが、いかがでしょうか。
市内の中学校が3校に統廃合される動きがあるという話を複数の市民から聞きましたが、全くの初耳で驚きました。実際にそのような検討がなされているのでしょうか。地域の子供は地域、学校、保護者が一体となって取り組んでこそ教育効果を上げるものであることはだれもが認めるところだと思います。ところが、地域住民の知らないところで、地域住民の声を聞くこともなくそのような動きがあるとすれば大変大きな問題だと思いますが、いかがでしょうか。
以上で私の質問を終わります。
○議長(萩森良房君) 市長。
○市長(大城一郎君)
遠藤議員の御質問、大綱2、八幡浜市指定のごみ袋の値上げに関しての(1)この時期に値上げ案を提案される根拠は何か、また市長はいつからこの値上げを考え始めたかについてをお答えいたします。
八幡浜市は平成9年に指定ごみ袋の有料化を導入し、その後平成15年に料金改正を行いましたが、平成17年の市町合併において旧保内町のごみ袋金額に調整し、現行の料金となっております。
この合併協議書において、平成19年度を目標にごみの減量化対策への対応の観点から適正な料金を検討することが明記されております。また、平成21年3月に策定したごみ処理基本計画では、平成19年度のごみ排出量1万6,253トンを基準年度といたしまして、第1中間目標である平成22年度には1.7%のごみの減量、第2中間目標である平成27年度には14.5%の削減が必要であり、この目標達成のため、昨年11月、ごみ問題検討委員会を立ち上げ、ごみ減量対策等について検討していただき、答申をいただいたものであります。
この答申を受け、ごみ処理費用の一部といたしまして市民の皆様に適切な金額を負担していただくことは、ごみ処理に多大の経費がかかっていることを知っていただく上で有効であり、ごみ減量化へ向けた関心の出発点となるものと考え、今般答申に沿って料金改定の提案を行ったものでございます。
また、いつからこの値上げを考え始めたかという御質問でございますが、南予の近隣市の料金水準に比較しても非常に低額となっている現状、またごみ処理基本計画の推進におきまして適切なごみ処理手数料の設定は排出抑制の有効な施策となり得ると考えておりましたが、改定の必要、不必要、また改定する場合、どの程度が適当かを含め、まずは委員会に審議をお願いしたところでございます。
その他の問題につきましては、各担当課長から答弁をさせます。
○議長(萩森良房君) 生活環境課長。
○生活環境課長(大森幸二君)
それでは、遠藤議員の御質問、大綱2の2と3についてお答えします。
1点目の値上げ反対の要請行動に対する市長の受けとめ方についてでございます。
本年9月14日に八幡浜市ごみ問題検討委員会より答申をいただきました。この答申は、各界各層からの委員によりごみ問題を広範囲にわたり広い視野で御議論を尽くされた内容であると考えております。ごみ料金の改定につきましては、答申内容を踏まえ市で検討した結果、今回御提案させていただいたものであります。ごみ処理のため適切な金額を負担いただくことは、ごみ処理に多大な経費がかかっていることを知っていただく上で有効であり、ごみ減量化に向けた出発点と考えております。
本市においても今回のごみ料金の値上げに対しさまざまな御意見があることは承知しておりますが、市民生活に欠かせないごみ処理を安定、継続性のあるものにして快適な環境整備を図るためにも、市民の皆様の御協力と御理解を賜りたいと考えております。
次に、2点目の可燃ごみの収集回数の地域間での相違についてでございます。
可燃ごみ収集回数に違いがあり、改善されるべきではないかとの御指摘でございますが、平成19年4月よりごみ分別の統一を実施し、市内各地区の可燃ごみ収集回数につきましては、原則週2回といたしております。ただし、世帯数や高齢化などによりごみ排出量が少ない地区におきましては、住民の皆様の御協力により、コンポスターの設置などによって自家処理をしていただき、週1回の収集としている地区もございます。
今後につきましては、見直しが必要かどうか、また可能かどうか、地元の皆さんの御意見もお伺いしながら対応してまいりたいと考えます。
また、ごみステーションまでの距離が遠く、ごみ出しに不便である場合などにつきましては、地元でごみステーションを構えるスペースの確保をしていただければ、ごみかごの設置などを行い、対応したいと考えております。
○議長(萩森良房君) 農林課長。
○農林課長(二宮嘉彦君)
大綱1の八幡浜の地場産業に深刻な影響を及ぼすTPPに対する市長の政治姿勢についてお答えをいたします。
TPP、環太平洋戦略的経済連携協定は、御指摘のように関税撤廃の例外を認めない完全な貿易自由化でありますが、国では内閣府、経済産業省、農林水産省それぞれが試算を行っております。
内閣府では、TPPに参加するとGDPが2兆4,000億円ないし3兆2,000億円増加するとし、経済産業省では、TPPに参加しないと2020年までにGDPが10兆5,000億円減少すると予想をいたしております。一方、農林水産省の試算では、国内農業生産の減少は約4兆1,000億円、食料自給率は40%から十三、四%に低下するとし、我が国の農林水産業を危機的な状況に導く危険な選択であるとも言われております。
市独自での試算はいたしておりませんが、八幡浜市のような農業や漁業が基幹産業の過疎地域への影響は大きいと考えられ、これに対する支援措置などの検討も重要と考えております。
愛媛県議会でも11月の臨時議会において国民への説明責任、国民の合意、農業の持続的発展などを要望するTPPに関する意見書を採択したところであり、市といたしましても関係団体と連携をとりながら慎重に対応してまいりたいと存じます。
以上です。
○議長(萩森良房君) 監理開発課長。
○監理開発課長(中岡 勲君)
遠藤議員御質問の大綱3、住宅リフォーム助成制度の創設についてお答えいたします。
議員御指摘のように、今日の建設業界の状況は大変厳しいものがあると認識いたしております。議員御提案の住宅リフォーム助成制度の効果につきまして、十分には承知しておりませんが、ある程度の効果が出るものと想像できます。
ただ、八幡浜市にも八幡浜市民間建築物アスベスト対策事業や八幡浜市日常生活用具費給付事業などの住宅改修制度を実施しているところであります。これは、健康被害防止や障害者などに対する支援のために実施しているものであり、今回議員提案による住宅リフォーム助成制度が仮にすべてのリフォームを対象とするものであれば、税金を使って補助すべき必要性があるのかどうか、収入が限られる中では慎重に考えるべきではないかと思っております。
次に、議員御指摘の安全・安心の住宅づくりにつきまして、今回成立した国の補正予算に盛り込まれました住宅建築物耐震化緊急支援事業につきましては、12月7日火曜日でございますが、県より通知がございました。しかし、この制度は今年度予算のみでの対応で、期間が短く、また実施条件面において制約があり、八幡浜市において取り組みができるか不確定である状況でございます。県内の状況及び情報を収集し、慎重に対応してまいりたいと考えておりますので、御理解をよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○議長(萩森良房君) 学校教育課長。
○学校教育課長(若宮髙治君)
遠藤議員の御質問の大綱4、中学校統廃合の動きに関してについてお答えいたします。
これまでの市議会一般質問でお答えしておりますが、全国的に少子化が進行する中で、八幡浜市においても児童・生徒の減少により学校の小規模化が著しく進んでおります。今年度は167名が減少、昨年度は165名が減少しており、言いかえれば1つの学校に相当する規模で児童・生徒数の減少が続いている状況でございます。このような状況が続きますと、各学校間の教育条件や教育環境の不均衡の拡大を招くこととなり、教育効果への影響が危惧されます。教育委員会では、来年度、保護者代表、学校関係者代表、地域代表などで組織する八幡浜市学校再編整備検討委員会を設置し、次代を担う子供たちにとってどうすることが最善であるかを基本に据えて、八幡浜市の今後における幼稚園及び小・中学校の適正規模等について検討していただくこととしております。
御質問の市内の中学校が3校に統合されるとのお話については、町の話として聞かれたとのことでありますが、市教育委員会ではそのような事実はございません。統廃合計画は、来年度設置する学校再編整備検討委員会の答申に基づき計画案が作成され、その後市議会への報告、パブリックコメントの実施などを通じて多方面からの御意見をいただき、統廃合計画を決定する予定でございます。
以上でございます。
○議長(萩森良房君) 遠藤素子君。
○遠藤素子君
今回はごみ問題に限って再質問をさせていただきたいと思います。
ごみ問題検討委員会、4回にわたって約2時間ずつの会議を持たれていて、本当に意見交換がなされておりますが、初めの1回、それから2回目の途中ぐらいまでは何を検討しているのかわからないというふうな委員さんの言葉が随所に出ています。それは、市のほうが値上げが根本にあって、値上げしたいんで、先ほど値上げありきという同僚議員からの発言がありましたが、まさにそういう状況で、それを市がはっきり示さないもんだから、委員さんたちは何を一体話し合っているのかというふうな、そういう意見がかなり長い間続いておりました。そういう中で、一体値上げをすることが課題なのか、ごみ減量が課題なのかというふうなことで、副市長さんが両方だというふうに答弁されておりましたが、そういう状況で、まず値上げありき、そしてそういう中でいろいろ話をするうちにこういう答申が出たという印象を強く持ちました。
値上げをされる根拠を示してほしいということを申し上げましたが、全くわかりません。ごみ処理に費用がかかっているということはわかりますが、他のごみ処理施設と比べて八幡浜市は非常に高いと、それは上島町に次いで高いということですね。それが、少なくない人が、双岩の人たちはごみ袋をただで年間分もらって、そしていろいろ優遇されている、そういう約束があって、それで処理費が高くなっている。それは、しかし住民の責任ではない。
私が思いますのは、やっぱり過去のいきさつがあると思うんですね。当初からきちんと対応をしてこなかった行政の方に問題があったと。例えばこの施設を双岩地区に受け入れていただくときに、よそのごみは焼かないとそういう約束で受け入れてもらっていたはずなのに、大きな焼却炉をつくって、そしてごみが足りないからよそからも受け入れますというふうな形になって、それが地域の人たちの不信感を招いたと、それが私は一番大きな根本問題だと思います。そういう中で、現在に至るまで年間1億円ですか、そういう迷惑料としての費用がかさむために、それだけではないと思いますけど、非常に処理施設が高くなっている、そのために今回値上げと、そのためだけではない、もちろん減量のためだと言われますが、今の社会の消費生活をしていけば、多少は減らせても、これを半分に減らすとかということはできない仕組みになっております。
ごみ袋が安いから反省として、剪定をしたものなんかをそこへ置いとけば腐るんだけど、安いから袋に入れて私も出しましたとかというふうな、そういう反省の弁を聞くことはありますけど、今の選別の状況でしたら、ごみを減らすことは余りできないと思います。
今回古着とか紙をリサイクルに向けて使うという案ですから、その辺は非常にいいと思うんですけども、ごみの袋を値上げしたからごみを減量できるというふうには私は思えませんし、多くの方がそういうふうに言われます。多少生ごみを減らすということはできると思います。
そういうことで、どうして今市民がこんなに、悲痛な声ですよ、本当に、食べることもままならないと、そういうふうに言ってるときにこんな大幅値上げ。ある高齢者の方が言われましたけど、5円か10円の値上がりかと思うとったと、そしたら4倍近い値上がりでもうびっくり、そして双岩の方も出会った方が、私たちはただだから知らなかったと、こんなに値上がりするのはやっぱりおかしいと双岩の方も言われています。ですから、一度にこういう値上がりをすることについて認められないというのがみんなの声なんですが、市長さん、先ほど大山議員の質問だったかと思いますが、市民の声が反映されるような市政を目指すというふうに答弁されたと思うんですね。今回1カ月ちょっとの間に4,000人の署名が集まっているわけですが、こういう市民の声に対して、環境課長さんやなくて市長さんはどう受けとめられるか、そこのところをお聞きしたいと思います。
それから、取り組み方が逆ではないかという点ですね、減量作戦をやって、本当に市から強いメッセージ何も来てません、この間、そういう取り組みを一生懸命やって、それでもなおごみが減らないから処理料を少し負担してほしいという、そういう持っていき方なら市民も理解はできると思うんですが、いきなり4倍に値上げしますというんでは理解は得られないと思うんですが、その点どうでしょうか。まず、その点お聞きします。
○議長(萩森良房君) 市長。
○市長(大城一郎君)
遠藤議員の再質問に対してお答えをいたします。
ごみ問題の検討委員会、4回開催させていただいておりますが、内容的には私も伺っております。各委員の皆様が本当に苦労されて真摯に議論をされて答申を出されたというふうに思っておるところでございます。
そして、ごみ問題につきまして私の考えでございますが、やはり昔は八幡浜市がこの有料ごみ袋を採択したときには、その当時の課長さんなり職員の方々が市民の方々にこれだけごみの費用がかかってますというふうなことを十分に説明されて、各近隣の市町よりも先にこの制度を取り入れられて、私も当時議員をしておりましたが、非常にいい方向づけ、ごみの処理のあり方について、市の、いい方向性を示されたと私も議員として感心したところがございます。
その後、いろんな変遷がありまして一気に安くなったというところがありますが、そのときにおきましても、私は議員として市に対してこのごみ処理行政はおかしいのではないかということを二度、三度と一般質問もさせていただいております。せっかく市民の方々がそういった気持ち、ごみに対して気持ちを高めていって、ごみ処理費用も自分たちで受益者負担という観点から自分のごみ袋の中のごみ処理費用に対しては責任を持っていこうという観点を持ちつつあったわけなんです。それが、平成17年の合併のときにいろいろな観点から安くなったと思います。当時のごみの費用が開始された平成10年度でごみ袋の売り上げが大体5,000万円ぐらいありました。そして、17年度、合併後の決算では、ごみ袋の売り上げが1,300万円というのが私も把握しとるわけなんですが、やはりその差額が市からの持ち出しになりまして、当時も私言っとるわけなんですが、その差額はやはり使うべき社会保障にしても、小学校の費用にしても、そこらから捻出しなければならないんですよというようなことを私も申しました。
そういうところで、昔からこのごみ処理行政については私なりの思いもありまして、今回委員の皆様が真剣に考えていただいたごみ問題のごみ処理費用、そしてごみ袋の検討結果を十分に受けとめまして、今回ある程度の値上げになりますが、この値上げと言いましても、近隣の市町、大洲市、西予市とも比較もしてみましたが、それよりも控え目にしてあります。その他市においてもいろんな方がおられまして、やはり厳しい方もおられると思います。遠藤さん御指摘のように本当に厳しい生活をされておられる方もおいででしょうが、そういった方々もそれなりの社会規範としてごみ袋の料金を受けとめられておられると思います。そういった観点からも、今回八幡浜市でも皆さん方にこういった御負担をお願いするということになろうかと思います。先ほど市長は市民の声を聞いていくということを言われましたが、厳しい情勢の中で市民の方々に協力のお願いをこちらからもしていかなければならない局面があると思いますので、どうかその点御理解をいただきたいと思います。
○議長(萩森良房君) 遠藤素子君。
○遠藤素子君
9月議会でも同じような答弁だったと思うんですね。近隣の宇和島や大洲市なんかと比べると抑えているということですが、全国でも4割以上の自治体で無料です。県内でも約4割ぐらいですかね、3市と2市が100枚配ってるわけですから、無料で、無料に近いやり方ですね。ですから、決して、近隣、そりゃ宇和島、大洲と比べればよそが高いというふうになりますが、無料のところが半分近いわけです。そういうふうに考えていくと、決して合理性はないと私は思います。
厳しい生活をしている人もあると言われましたが、厳しいというのが普通ではないんですね。食べることに事欠いてるわけです。そういう人たちが決して少なくない。そういう人になぜこの4倍近い値上がりをお願いすることができるのか、私はそのことが一番残念なんです。市長であれば、今市民が一番苦しんでいるそのときに、そういう値上げ案は出せないと私は思うんです。まず、食べて、寝て、働いてという、そういうことが保障されるような町にしなければ、前回も申し上げましたけど、年間所得が28万円という、そういう方がたくさんおられるわけです。年間所得ですよ、それが28万円。28万円で1年間生活している人が30%を超えているんです。そういうところへ持ってきて袋を値上げすれば、食べれなくなるんじゃないですか、そこのところを考えてほしい。ですから、今言われた根拠というのは私はどうしても納得できません。
そして、先ほど言いかけたんですけど、大きな炉をつくって、そしてこれは国の指導方針でもあったと思うんですね。大型焼却炉をつくれというふうな指導があって双岩のごみ焼却炉は非常に大きいものがつくられた。八幡浜市の人口が減っていくにもかかわらず大きなものをつくって、そしてよその町のごみも受け入れた。地域の人たちは約束が違うじゃないかということになった。また、周りの施設を含め100億円もの投資をしてつくった焼却炉、これを簡単に廃炉にできないはずであるにもかかわらず、25年3月までしか使わないと、そういう約束をしてしまった。これも国及び県の大型焼却炉を、愛媛県を幾つかのブロックに分けて、さらに大型化するというふうな国や県のやり方がこういう結果を招いたとも私は思います。
こういうことが根本にあって、双岩の地域の人たちに過大な迷惑料を払うような結果になったんだと。行政のほうの、本当に国や県の言いなりになってきた、そのツケが今こういう形であらわれていると思うんです。
ですから、なおさら本当に根本的なところから考えて、上の言うままになるんではなくて、本当に合理的、科学的に考えて事を進めていく必要がある。そうすることで地元の人たちのこちらのそういう本当に基本的なことをきちんと守って、誠意ある対応をすることでしか地域の人たちの理解を得ることもできないと私は思うんです。
ですから、これでもう質問できないわけですが、市民のそういう人たちの切なる願いをもう一度考え直すという方向に持っていっていただけないか、値上げの幅をせめてぐっと落とすと、普通の常識で3倍、4倍に上げるというのは考えられないことだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(萩森良房君) 市長。
○市長(大城一郎君)
1点、双岩の環境センターの継続の問題について私のほうから答弁をさせていただきます。
遠藤議員御指摘のように、過去は八幡浜市だけのごみを焼くということで始まった現在の南環境センターですが、途中から近隣市町のごみを焼くということで、広域化されたいということで地元の皆さんの理解がとりにくい状態になったということで、平成24年度末をもって廃炉とするというような確約書があるわけでございます。それにつきまして、今現在私が市長になって初めてなんですが、25年度以降も継続して南環境センターを使用させてくださいということを表明し、地元と現在粘り強い交渉を続けているところでございます。議員御指摘のとおり、誠心誠意市の事情を説明して、地元の方との協議を進めているというのが現状でございますので、どうか御理解をお願いいたします。
○議長(萩森良房君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君)
それでは、今遠藤議員が言われたことに何点かお答えしたいと思います。ただし、御意見を開陳された分について、それはそのまま御意見として承りたいと思います。
何点かお答えしますけれども、まず値上げに合理性がないという部分がありました。愛媛県内の4割の市町ではほぼお金を取っていない状態であると、それで大洲市、西予市、その辺に比べれば安い、それは合理性がないというなお話でありました。これは、今比較された愛媛県内の4割の市町というのは、例えば松山市であるとか西条市であるとか、非常に経済的に豊かなところが多いと思います。八幡浜市レベルの市として実際に比較してふさわしいのは西予市であり大洲市であり宇和島市ではないかと、そういうふうに考えます。これはそれなりの合理性があるというふうに思います。
それからもう一点、年間所得28万円で暮らしておられると、食べることに事欠いておられるというお話がありました。確かにもしそういう方がおられるというのであれば、非常に厳しい状況だと思います。ただし、これは貧窮問題、生活の貧窮の問題の中でとらえられるべきことだと思います。例えば生活保護とか、例えば生活支援とか、そちらの視点で考えられるべきことで、ごみ問題に直結することではない。そもそも生活をどう支えていくべきか、そちらで議論されるべきことだと思います。
それから最後に、値上げ幅について考えることはできないかということでありましたけれども、検討委員会で非常に真摯な議論をいただきました。市としては検討委員会の見解を、その答申をそのまま提案させていただきたいと思います。
以上です。
(遠藤素子君「答弁漏れがあります」と呼ぶ)
○議長(萩森良房君) はい、どうぞ。
○遠藤素子君
取り組み方が逆ではないかという問題についてはどうでしょう。市民に対して啓発活動がほとんどなされてこなかったと思うんですよ、導入されてから。選別についてはいろいろありました、確かに。だけど、ごみを減らすために生ごみをこうしましょうとか、そういう強いメッセージはなかったと思います。そういう中で、突然ごみ袋値上がりが出てきたということで市民はびっくりしてるわけです。本当に市民にごみ減量やりましょうという強いメッセージを送って、市民ぐるみでやって、それでもなおごみ焼却費がこれだけ要るから少し負担してほしいというやり方なら市民も納得できると思うんですが、逆だと思うんですが、どうでしょう。
○議長(萩森良房君) 生活環境課長。
○生活環境課長(大森幸二君)
ただいまの御質問でございますが、今までに何もやってないということはございません。ただ、今回はいろいろな総合的な施策、こういったものを具体的に実施をしていく、そのことによってしっかりとごみ減量をしていきたいというふうに思っておりますので、今回その周知の方法、そういったもについても皆さんに理解を得られるような方向で進めていきたいというふうに思っております。
(遠藤素子君「やったと言われますが、どういうことをやってこられましたかね」と呼ぶ)
○議長(萩森良房君) 遠藤さん、5回ですよ。
(遠藤素子君「いやいや、やったと言われるからにはやった中身を言っていただかないとわからない」と呼ぶ)