公開日 2014年09月05日
〔遠藤素子君登壇〕
○遠藤素子君
私は、質問通告書に従いまして、大綱4点について質問いたします。市長並びに関係理事者の皆さんには誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱第1点は、社会的弱者に優しい福祉のまちづくりについてであります。
市長は10年前、市長に就任された当時から福祉と教育のまちづくりを目指すことを市政の大きな柱に掲げてこられました。しかし、未曾有の大不況と言われる現在、当市でも市民の暮らしへの不安と窮状はこれまでとは大きな違いを見せ、あすを生き抜くこと、それ自体が脅かされている人々が多いように感じます。
私ども日本共産党八幡浜市委員会は今市民アンケートを行っているところですが、そこには生活が苦しくなっている様子が生々しく書かれており、国の悪政によって所得の低い弱い者ほどますます痛めつけられている実態が浮かび上がっています。このようなときだけに、市政はこの悪政から市民を守るためにこれまでの延長線上ではない格段の施策、努力が今求められていると思います。ところが、来年度の予算編成において、また今議会冒頭に行われました総括説明において、市民のこの窮状に触れる言葉はなく、私はとても残念に思いました。
そこで、伺います。
まず、すべての人に健康保険証の交付をという点であります。
後期高齢者医療制度が施行されて1年になろうという現在も、この制度の廃止を求める声はますます激しくなっております。人間を年齢で差別するようなこの制度は、その理念が根本から間違っており、いずれ廃止されるべきものだと考えていますが、しかし今現在抱えている問題を放置することはできません。全国保険医団体連合会が各都道府県の保険医協会などを通じ、昨年9月分の保険料滞納者を全国587自治体でアンケート調査したところ、その数はおよそ17万人に上り、保険料を直接納める人の約1割が滞納しているということが先ごろわかりました。この制度では、原則として滞納が1年間続くと医療費窓口負担が一たん10割になる資格証明書が発行され、事実上無保険状態になります。滞納者は75歳以上の人の中でも収入の低い人たちで、現実には医者にかかれない人を生み出し、命と健康を脅かす事態となることは明らかです。当市で現在まで保険料滞納者はどれくらいいますか、伺います。
次に、この制度が導入されるまでは、すなわち国民健康保険制度では被爆者と75歳以上の高齢者は保険証取り上げの対象外でした。命に直結するからです。病気になりがちな高齢者から保険証を取り上げることは、人道上許されないと思います。すべての人に保険証は交付されるべきだと思いますが、どのように対処されますか、伺います。
次に、12月議会で国民健康保険料滞納世帯の保険証に関する私の質問に対し、悪質なもの以外は交付しているとのことでした。このたび厚労省が日本共産党の小池議員の質問趣意書に答え、分納などに応じていない場合でも必要な場合は保険証を交付するよう通達を出していると思いますが、このことについて市民への周知はなされていますか。1月20日、子供のいる世帯に限らず、医療が必要で医療費負担が難しいと市長に申し出れば国保料を支払えない特別な事情に準ずると考え、緊急的な対応として短期保険証を発行できるというものです。保険料を払えないまま滞納しているけれど、医者にかかる必要に迫られた場合、我慢するのではなくて相談に来るよう周知すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
次は、介護保険制度についてです。
この制度が発足して10年目を迎えようとしております。果たして高齢化社会のニーズにこたえる制度になっているでしょうか。今月3日付の毎日新聞には、この3年間で介護殺人が97件も起きており、その多くが介護保険制度を利用しながら防げなかったとの報道があり、衝撃を受けました。
そこで、伺いたいと思います。
この4月から要介護認定の基準が変わるとのことですが、これまではコンピューターによる1次判定と統計的な参考資料をもとに認定審査会が行われ、1次判定が変更されることもあったようですが、4月からの新方式ではこの統計的な参考資料が削除されるため、諸条件を加味しての温かい判定ができないのではないか。実際の試案では実態より軽い判定が続出していて、サービスの制限を余儀なくされるのではないかとの懸念が出ているといいます。もしこのたびの改定が介護度を低くするためのものであるとしたら、この制度の導入時によく言われた保険あって介護なしの心配が現実のものになりかねません。この点をどのように対処されますか、伺います。
次に、介護保険料の値上げが今議会に提案されていますが、32%もの値上げ幅はこれまでが基準額3,132円で県下で3番目に低く抑えられていたということであるにしても、被保険者にとっては大変な負担増になります。国の緊急特別対策によってこの2年間は値上げ幅が多少緩和されるとしても、低所得者にとっては大変です。そこで、緊急の特別対策として介護保険料の軽減策を実施して、不況下で苦しむ市民を救済すべきではありませんか。調べてみますと、松山では保険料の段階を7段階にし、第2段階を合計所得と課税年金収入の合計が80万円とあるところを150万円としているとのことです。また、全国には8段階に細かく分けることによって滞納者を減らし、介護保険制度から排除される人が出ないような工夫がなされているところもあるようです。当市でも検討すべきではありませんか。
次に、介護現場の問題です。
介護現場は深刻な人材不足だと言われています。これは低過ぎる賃金、高齢者の尊厳を大切にしたいという初心を生かせない劣悪な労働条件などが原因だと言われています。それをこのままにして外国から労働者を連れてきて安い賃金で働かせようという動きに私は心から憤りを覚えます。働きたい人は日本に幾らでもいます。根本から介護従事者の報酬を引き上げ、生きがいを持って働けるようにすべきではないでしょうか。世論と運動に押され、政府も4月から介護報酬を3%引き上げるようです。しかし、これでは焼け石に水だとの声も聞きますが、当市の場合、介護従事者の報酬アップにつながるのでしょうか、伺います。
もう一つは、障害者のためのグループホームの設置についてであります。障害者の我が子を懸命に支えて頑張っている人たちが、もし自分が倒れたらこの子はどうなるのか、この子を残して自分が先に行くことはできない、いつまでも元気でいたいけれど、次第に老いていく自分を自覚しないわけにはいかないなどと障害を持つ人が安心して入れる施設が市内に一つもないことにとても不安を抱いておられます。宿泊ができるグループホームのような施設を早急につくるべきではないでしょうか。それは雇用の創出にもつながると思うのですが、いかがでしょうか。
大綱第2点は、伊方原発でのプルサーマル計画の凍結、中止を求めるものです。
四国電力は耐震性やプルサーマルはすべて安全性が確保されているとして、フランスからのMOX燃料の海上輸送が近く行われようとしています。しかし、四電の耐震安全性に関する評価や高燃焼度燃料とMOX燃料併用実績、MOX燃料輸送などについては各方面から疑義の声が上がっています。一度過酷事故が起これば、この地域は人の住めない地域になってしまうような危険なものであるだけに、立場の違いを越え、批判的な意見を十分に聞き、それを納得させるだけのものがなければ実行に移すことはできないと考えるのが普通のあり方だと思います。
私は先月24日、伊方原発プルサーマル計画の中止を求める愛媛県民共同の会の皆さんとともに国会の国交省と原子力安全・保安院へこの計画の中止を求めて要請に行ってまいりましたが、国の原発政策に大変大きな不信を抱きました。それは国が事業所がこう言っているから安全だといった態度で終始したことです。中でも次の2点については会場がざわめくほどに驚いたものです。
1つは、プルサーマルの燃焼後の高レベル放射性廃棄物をどうするのか、全く見通しが立っていないということです。いわば核のごみをどうするのか見通しもないまま、立てないまま見切り発車しようとしているのです。その問題は2011年から本格的な検討を始めるとの答弁に参加者一同はあっけにとられたところです。ガラス固化体となるから大丈夫だなどと言いますが、現在の廃棄物を置く場所も、引き受ける自治体は全国どこにも出てきていません。ましてや、プルサーマルの廃棄物、ガラス固化体のそばに数秒いるだけで死に至るような危険な物質、しかも何万年、何十万年も危険度が続くというようなものをつくり出して後世に責任が持てるでしょうか。私たちは数十年しか生きられないのです。そんな危険なものが伊方にそのまま貯蔵されることになりかねません。このように、さらに危険度の増すプルサーマル計画はやはり凍結し、中止するしかないのではないでしょうか。
もう一つは、以前に高燃焼度燃料とMOX燃料の併用という実験もしていない、諸外国でも例のない伊方のプルサーマル計画の危険性について尋ねたところ、国は確認できなかったというものでした。ところが、その後四電がベルギーで実績があったとされ、だから安全だと言われてきました。しかし、その具体的な内容については公表されておらず、疑義があるとして今回の要請の中で、ベルギーでは現在もこの方法が使われているのかとの共産党の佐々木 泉県議の質問に対し、原子力安全・保安院からはそれはつかんでいないのでわからないとの答弁でした。四電はベルギーに実績があるから安全としてきたのですが、それが不透明であることがはっきりしました。
その上、国の総務省からの改善勧告や県の県民環境部長からも四電の耐震安全評価に対して伊方原発から遠く離れたところではなく、直近の活断層を標準にした再評価を求める要請がなされている現在、八幡浜としてもいま一度計画を凍結し、安全性の再確認と丁寧な住民への説明を求めるべきだと思いますが、いかがですか。
大綱第3点は、農業の振興についてであります。
食料の自給率が40%を切り、食の安全が叫ばれる今日、八幡浜のおいしいミカンは私たちの誇りであり、何としても守っていかねばならないと思います。ことしは品薄でしたからミカンが山に捨てられるということはありませんでしたが、これまでには山が赤く染まるほどに捨てられることがたびたびありました。そのたびに何とかならないものか、政府が買い上げて飢えている人たちに送ることはできないのか、国がだめなら市でやるべきではないのか、それもできないなら、せめてミカンをジュースにして活用すれば捨てなくて済むものをと本当に詳しい思いをしてきました。そのときの農家の皆さんの気持ちはいかばかりかと胸が痛みます。
そこで、お聞きします。
保内にありましたポンパックの後のえひめフーズが営業を始めて1年になろうとしています。創業に際し市は一定の支援を約束しました。そのとき、私はミカン農家の皆さんの前からの強い要望である小型のミカンジュース加工施設をつくることを提案しました。そのときの答弁は、もう少し時間を置いて、会社が落ちついてきたら提案あるいは依頼をするということだったと思いますが、その後の進捗状況をお聞きします。
次に、中山間地域等直接支払制度が施行されて既に9年になります。外国からのグレープフルーツや濃縮ジュースなどの輸入でミカンの価格が暴落し、再生産のための費用も取り戻せないといった声のもとこの制度がつくられ、価格保障あるいは所得保障との位置づけがなされていたと思いますが、この制度をどのように評価されていますか。毎年3億4,000万円余りが補助金として交付されているわけですが、あちこちに畑が分散しているある方のお話では、集落によってその補助金の使い方や参加者の総会や報告のあり方などが違っていて、市の指導がどのようになっているのか疑問を抱いているという方が少なくありません。各集落からの報告のマニュアルはあるのでしょうか。各集落に対してどのような指導をされているのか、伺います。
大綱第4点は、雇用と社会保険についてであります。
12月議会で私は官製ワーキングプアについてお聞きしました。そこでは、市の関係では違法な労働条件で働いている人はおおむねいないという答弁であったと思います。ところが、その後あちらこちらで公民館の主事さんが週20時間は優に超えて働いているにもかかわらず、雇用保険に入っていないということをお聞きしました。これは明らかに違法であり、すぐにも改善されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。このことは公民館が地域の自治活動の拠点としていかに機能するかという問題と深くかかわっていると思います。公民館の守り役として扱うのか、地域住民の総意を酌み上げ、いかにして住みよい地域づくりをしていくのか、その総代表と見るのか、市の姿勢が問われる問題だと思うのですが、いかがでしょうか。
以上で私の質問を終わります。
○議長(上田竹則君)
市長。
○市長(高橋英吾君)
遠藤議員の大綱2、伊方原発でのプルサーマル計画の凍結中止についてお答えいたします。
平成19年に発生した新潟県中越沖地震における東京電力柏崎刈羽原子力発電所の被災状況を見るとき、近い将来の発生が危惧される南海地震等における四国電力伊方原子力発電所の耐震対策について十分な対応を望むものであります。
議員御指摘の平成22年度を目途に伊方発電所3号機の導入を予定しているプルサーマル計画につきましては、エネルギーの安定供給などにかかわることであり、国民生活に重大な影響を及ぼすことから、国家的プロジェクトとして取り組まれているところであります。
愛媛県におきましては、国を初め愛媛県や地元関係者など有識者が参画する伊方原子力発電所環境安全管理委員会において安全の確保を大前提とした十分な審議と議論を尽くした計画であると認識いたしております。本市といたしましては、四国電力にプルサーマル計画、新検査制度、高経年化対策、耐震安全性評価などに対する安全性について市民の不安を解消するために積極的な説明を行うとともに、原子力発電所の安全運転についてあらゆる機会をとらえ要望していきたいと存じます。
今後とも国、県及び諸般の情勢を見きわめつつ注意深く見守ってまいりたいと考えておりますが、現時点において、国、県及び四国電力に対してプルサーマル計画の凍結中止について申し入れを行う考えはございませんので、御理解のほどよろしくお願いをいたします。
その他の問題は担当課長より答弁をさせます。
○議長(上田竹則君)
市民課長。
○市民課長(柏木幸雄君)
大綱1、福祉のまちづくりについて、まず1点目のすべての人に保険証を、その中で後期高齢者医療保険料を未納の人は何人ぐらいか、それからすべての人に保険証を交付すべきであるがどうかと、3点目としまして国保の短期被保険者証による緊急的な対応について、まとめてお答えを申し上げます。
まず、後期高齢者医療保険料の2月末での未納者につきましては104人でございます。このうち第1期から第7期分までの未納者は28人であります。未納者には納期到来後督促はがきや未納通知書を出し収納対策を講じております。ただ、年度途中での保険料軽減措置の拡大や年金天引きから口座振替の選択制など制度改正が行われておりまして、大変複雑化しております。勘違いなどによる未納者も多くあると思われますので、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。
2点目のすべての被保険者の保険証の交付についてでありますけども、資格証明書の発行基準につきましては、後期高齢者の医療の確保に関する法律に規定されており、後期高齢者医療の保険者であります愛媛県広域連合で資格証明書の交付を行うことになっております。
ただ、20年6月の政府・与党の見直し方針において、相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めないいわゆる悪質の者に限って適用をする、それ以外の方々については従前のとおりの運用とし、その方針を徹底すると示されてございます。これを受けまして、広域連合としましては分納誓約を履行している方々には通常より有効期限の短い短期被保険者証を交付し、支払い能力があるにもかかわらず納付しない悪質な被保険者や、特別な事情がないにもかかわらず分納誓約を履行しない者に限って資格証を交付する方向で検討をいたしております。
また、国において交付基準を検討されており、今後国の見解を待って県広域連合においても基準を定めることとなってございます。
3点目の国保の短期被保険者証による緊急的対応についてでございます。昨年12月、議会でも答弁いたしましたが、資格証明書の交付につきましては、1年以上の滞納があり、かつ納税相談にも応じていただけない、いわゆる悪質な世帯のみを対象といたしております。緊急に医療が必要で医療費の一時払いが困難であるとか、保険料が払えない特別な事情があれば、窓口に来ていただき、事情の申し出と納税相談に応じていただければ、短期被保険者証を交付いたしてございます。
また、滞納者に弁明書の提出等の機会を付与いたしておりまして、なおかつ応じない人に資格証明書を交付をいたしてございます。この交付の際に緊急的対応についての文書を同封したいと考えており、改めて周知は考えてございません。
以上でございます。
○議長(上田竹則君)
保健センター所長。
○保健センター所長(松本常美君)
遠藤議員の大綱1の(2)介護保険制度について御質問にお答えいたします。
最初に、要介護認定の基準変更についてでございます。
介護保険制度では、寝たきりや認知症などで介護を必要とする要介護状態になった場合や、日常生活を営むのに支障があると見込まれる要支援状態になった場合に介護サービスを受けることができます。そのため、この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、要介護状態にあるとすればどの程度なのかについて認定を受ける必要があります。要介護認定は介護サービスの給付額に結びつくことから、その基準については公平公正に、また客観的に行われるよう全国一律に定められたコンピューターによる1次判定と、それをもとに保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が行う2次判定の2段階で行われております。その中には、必要により介護度が変更されることもあります。平成21年4月より要介護認定に対する全般的な見直しが行われることになりました。特に要介護認定の適正化と認定の効率化を図るため、認定調査項目や要介護認定基準時間の見直し等を行うこととしています。
議員御指摘の認定基準の見直しは認定に地域差が出ているのをもう一度要介護認定基準と呼ばれる介護の手間を時間に換算する方式で審査するという原則に戻すことと、1次判定に使われている調査データを新しい実態に即した内容にデータ更新することが大きな目的であります。
ただ、全国で実施したモデル事業の集計では1次判定が調査項目の変更などにより低く出てくる傾向もあると言われております。八幡浜市では、今後ともコンピューターによる1次判定後の保健・医療・福祉の専門家による介護認定審査会の2次判定を慎重に行い、段階を踏まえ、実態に即した公平、適切な介護認定を進めていきたいと考えております。
2点目の介護保険料値上げの対応についてでございます。
議員御指摘のとおり、今回提案させていただいております介護保険料引き上げは、後期高齢者の方の増加に伴い要介護認定者が増加し、介護給付が伸びたこと、また介護給付費準備基金の減少により保険料の財源として利用できなくなったことなどにより大幅引き上げになるもので、高齢者の方々には御負担をおかけすることになります。
しかし、介護保険制度では負担割合が法的に定められており、65歳以上の第1号被保険者が20%、40歳から64歳までの第2号被保険者の30%を合わせ、保険料での負担が50%、国、県、市で50%と大枠が決まっております。市独自の施策により保険料の減額をすることができない制度となっておりますので、御理解のほどお願いいたします。
また、介護保険料の段階の細分化についてでございますが、第4期の介護保険料設定については、従来からの基本の6段階に加え各段階を細分化する料金設定も可能であるとされております。具体的には、第4段階で本人所得が80万円以下の者について基本保険料額となるべきところを85%程度に、また第5段階の本来基本料金の125%となるべき段階のうち、本人所得が125万円以下の者については110%程度に設定している自治体もあります。
しかしながら、保険者全体での保険料徴収必要額はこれらの軽減によっても変わりません。結果としては軽減分は全段階に振り分けられ、低所得者層の実質的引き上げとなってしまうために八幡浜市では従来どおりの基本6段階での料金を設定しております。御理解のほどお願いいたします。
3点目の介護従事者の処遇改善を目的とした報酬引き上げは、介護従事者の処遇改善となるかについてでございます。今回の介護報酬の引き上げは過酷な労働環境と言われる介護の場で働く方に対し給与を初めとしたもろもろの処遇改善を行うことを目的として介護報酬を引き上げるものです。しかしながら、実際の事業所レベルでは介護報酬の引き上げ算定は人員の配置や書類整備など加算条件が厳しく、加算算定できる報酬が少ないのが現状です。従事者へどのような形で対応されているかについては、今回の引き上げを含め介護報酬全額が介護事業者へ直接支払われるため、介護従事者へどのような形でどれだけ反映されているかを把握することは保険者としては困難なものであります。今回の引き上げ方針にかかわらず、八幡浜市の介護従事者の処遇改善は働く方、また介護を受ける方にとっても関心の深い事案であります。県などとも連絡をとり合い、適正なものになるよう保険者の立場で見守っていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(上田竹則君)
福祉事務所長。
○福祉事務所長(水野省三君)
遠藤議員御質問の大綱1の3点目、障害者のためのグループホームの設置をについてお答えをいたします。
現在八幡浜市出身の障害者の方々が夜間のサービス、いわゆる寝泊まりできるサービスを利用されている状況を申し上げますと、全国で32施設、121人といった状況となっております。そのうち、八幡浜市における施設といたしましては、主に精神障害者を対象とした4施設で利用者37人となっております。
こういった状況の中、議員御指摘のように保護者の高齢化に備え市内にグループホームをといった潜在化されたニーズは少なくないものと認識をいたしているところでございます。
しかしながら、グループホームの施設整備に係る補助制度につきましては、新設、改修にかかわらず市が設置主体では補助対象とならず、社会福祉法人または医療法人に限定をされております。また、障害福祉サービス事業におけるグループホームは夜間を過ごすためだけのサービスであるため、食事の提供や昼間のサービスは加味されていない比較的安い単価設定となっております。したがって、新たにグループホームを設置するためには、民間事業者の協力が不可欠である上、運営面においても経営を考慮して昼間のサービスを組み合わせた形で事業を提供する等の調整も必要になってくると思われます。
現在、市では障害者団体、事業所、行政等で構成する障害者地域自立支援協議会を立ち上げて、地域で障害者の福祉に取り組む体制を整えているところでございます。議員の御提案はグループホームのようなものということで若干定義はあいまいでございますが、グループホームの設置等につきましても地域における障害福祉の施策を重要な課題の一つとして当協議会で取り上げて検討してまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
以上です。
○議長(上田竹則君)
農林課長。
○農林課長(二宮嘉彦君)
大綱3、農業の振興についてお答えをいたします。
まず、1点目のミカンの加工施設についてでございますが、議員御指摘のような事情で愛媛県では愛媛飲料のポンジュースというものが過去からございます。
さて、昨年の3月議会において、えひめフーズの業務がスタートいたしましたら相談に行きたいと回答をさせていただきました。昨年の11月に商工観光課長とともに会社にお伺いし、いろいろお話をさせていただきました。趣旨にも御理解をいただき、会社としてもできるだけ地元のお役に立ちたいということでありましたが、残念ながらその時点ではまだ難しいということでございました。今後とも機会をとらえてお話をしたいと思っております。
続きまして、第2点目の中山間地域等直接支払制度についてお答えいたします。
まず、制度の評価はどうかということでございますが、八幡浜市のような農地のほとんどが中山間地域では、耕作放棄地の防止、農道の管理、補修などに大変役に立っており、高く評価をいたしております。来年で第2期が終わるわけですが、第3期の継続を国に要望しているところでございます。
次に、2点目の各集落への指導はどうかということでございますが、集落での取り組みについては初年度にそれぞれ集落内で話し合い、協定を作成し、それによって集落の農地の保全等に取り組んでおります。補助金の使い方につきましては、基本的には農業に関連し、各集落で話し合い、決定をすればある程度自由に使えます。市の指導につきましては、毎年5月に52集落の代表者との説明会を実施し、報告等の様式を示しております。
また、12月末には活動報告や支払い等の関係書類を提出していただき、チェックを行っております。不明瞭な点があればその都度指摘をし、改善をしていただいているところであります。また、日々御相談もありますので、その都度指導をするようにしております。
以上です。
○議長(上田竹則君)
教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
遠藤議員御質問の大綱4の雇用と社会保険についてお答えいたします。
従来、地区公民館の主事においては勤務時間が不明確であるということなどから社会保険等への適用がなされていない状況でありました。今後、勤務時間の把握などに努め、議員御指摘のとおり適切な運用を図ってまいりたいと考えております。
なお、今回勤務時間などにより被保険者となる者が妥当とされた者については、平成21年4月より社会保険へ加入手続を行うものでございます。御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(上田竹則君)
休憩いたします。
午後 零時01分 休憩
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午後 零時59分 再開
○議長(上田竹則君)
再開いたします。
遠藤素子君。
○遠藤素子君
再質問をさせていただきます。
まず、大綱1の福祉のまちづくりについてですが、後期高齢者医療制度が始まりまして、75歳以上の被保険者のうち2月末で104人の滞納者があるということでした。そのうち一切払ってないのは28人だというお答えだったと思いますが、その中で分納に応じた者については保険証を認めると、渡すというお答えだったと思うんですが、もう75歳以上の人に窓口へ来いとかということは言わなくても、これはもう命にかかわることですから、お年寄りが本当にそんな悪質なことをするっていうのも私には考えられないわけですが、ぜひともこの75歳以上の資格証明書を発行というのはやめるべきだと思うんですが、市長におかれましては県の広域連合の委員でいらっしゃいますから、ぜひ県に向かってこのことを言って、すべての人に保険証を渡せるように努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
それから、介護保険についてですが、新しい認定によりますと、一番私が驚きましたのは寝たきりの人を自立と判定するようなことが出ていました。こんなことがあっていいんでしょうか。寝たきりだから動かなくていいから自立に判定するというふうな、そういうふうなことが結果として出てるということです。八幡浜では所長さん初め非常に実態に即して判定されているようですから、この点くれぐれもサービスが低下することのないようにお願いしたいと、これは要望しておきます。
それから、介護保険料の値上げについてですが、先ほどちょっとよくわからなかったんですが、6段階を7段階、8段階に分けると低所得者のほうが割合が高くなるみたいな御答弁だったかと思うんですが、ちょっともう一度説明をしていただきたいと思います。それは、低所得者に負担が重くならないような配分をすればいいことではないかと私は思うんですが、その点お願いします。
それから、大綱2のプルサーマル、つい先日も東京電力は27日、柏崎刈羽原子力発電所の放水口に付着した貝などから微量の放射性物質が見つかったと発表した、こういう記事が載っていました。貝から人工放射性物質であるコバルト60が見つかったという報道です。伊方の場合もそういうことがないのかどうか、民間の団体が定期的に調査をされているようですけど、伊方の四国電力でもそういうことがされてるのかどうか、つかんでおられたらお聞きしたいと思います。
また、チェルノブイリの事故から二十数年がたちましたが、今ごろになって子供たちにがんの発病、子供たちだけでなくがんの発生率が非常にふえているという報道もあります。非常に長い期間にわたって影響のある放射性物質ですから、やはり今よりさらに危険になるプルサーマルについては、国、県任せでなく、やっぱり八幡浜市として物を言っていただきたいと強く思うんですが、いかがでしょうか。
それから、大綱3の中山間地域等直接支払制度への指導についてですが、5月ごろに52集落の代表者を集めて説明をし、12月ごろにはチェックもしているという御答弁でした。これはある地域のある集落の総会の資料ですが、ここにはいつ何をしたかということがすべて書かれてあります。そして、きちんと一円に至るまで収支決算がなされ、それから監査報告書もつけてこれを総会の席で配り、また全参加者にこれを各戸に配っているというものです。こういうマニュアルを報告させるということにすれば、不透明さはなくなっていくんじゃないかと思うんです。ぜひそういう指導をしていただけたらと思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(上田竹則君)
市長。
○市長(高橋英吾君)
最初の75歳以上の人で払わん人は窓口に来いとか、そういうのは保険証を取り上げるとかということなんですけど、現場に行った人に聞いたほうがいいので、もちろんそういう人にはそういうことはしないと思いますので、ちょっと担当者から現場の75歳、二十何人ですか、75歳以上のそういう人がおるかどうか、お金持ってて払わん人以外はそういうことはしないというふうに聞いておりますので、現場担当から答弁させます。その他の問題は担当課長より答弁をさせます。
○議長(上田竹則君)
市民課長。
○市民課長(柏木幸雄君)
先ほど申し上げました104名という形で申し上げております。そのうち全く今まで払ってない28名と申し上げました。
それで、その中でも御説明申し上げましたけども、今年4月からこの制度がスタートいたしまして、その中でいわゆる7月で本算定をしたんですけども、8月の時点で先ほど申しました政府の改善がございました。そういう中で非常に煩雑になっております。そういうことで、本人の皆さん方には先ほど申しました通知とか納付依頼についてはしておりますけども、そういった具体的な制度改正による本当の、今回の場合におきましては勘違い等があるんではないかなと思っておりますし、私どもとしまして、今直ちにそういう資格証を発行するということは考えておりませんが、先ほど申しましたように、政府の与党の見直し案にありまして、納めない悪質な者については当然今までありますこの制度に基づいた短期証の交付であるとか資格証の交付、そういったものについては対応しなければならないと考えてございます。
まずは、そういった状況の中で、国のほうもいわゆる先ほど遠藤議員も言われました従前どおりの運用ということが基本原則にございますので、そういったところの国の方針がどういう形の従前通りになるのか、そういったところを今現在は見守っておるという状況でございます。
○議長(上田竹則君)
危機管理室長。
○危機管理室長(尾﨑政利君)
遠藤議員再質問にお答えします。
排水口、集水口、東京電力ですが、その貝殻から放射性物質が検出されたがということでございました。伊方発電所においてはこのような異常があったという報告は受けておりません。
また、プルサーマル計画の凍結、中止をすべきではないかとの再質問でございますが、先ほどの答弁にもありましたように、プルサーマル計画は国家的プロジェクトであり、国がその必要性、安全性について慎重に審査し、許可したものと認識しております。
八幡浜市といたしましては、市長が伊方発電所環境安全管理委員会の委員でありますので、この委員会の席上で伊方原子力発電所の耐震対策を含む安全な運行及び市民に対して不安を解消できるわかりやすい説明を行うことをたびたび要望されております。
また、四国電力株式会社の社長、常務、伊方発電所の所長などにも機会あるごとに同様な要望をされております。今後も引き続き要望していただきたいと思っとるわけでございます。
しかし、現時点において、プルサーマル計画の凍結、中止要請を国、四国電力、県等に行うつもりはありません。
以上でございます。
○議長(上田竹則君)
保健センター所長。
○保健センター所長(松本常美君)
遠藤議員の再質問にお答えいたします。
保険料の段階の細分化についてでございますが、例えば4段階、標準的な保険料でございますが、そのところに本人以外の、本人は非課税ですけども、世帯の中に市民税のかかる方がいらっしゃった場合に4段階となりますが、その中で本人の所得が80万円以下の者については、本来基準の金額であります4万9,800円のところをその分の85%にするということになりますと、1人につき1万3,000円程度低くなります。それぞれ細分化することで低くなった金額は改めまして一番下のところに再度振り分けるという方法になっておりますので、最終的に一番低い段階の方にまで若干上乗せが来るということなので、八幡浜市としては6段階にさせていただいたということになっております。
以上です。
○議長(上田竹則君)
農林課長。
○農林課長(二宮嘉彦君)
中山間地域直接支払制度の再質問についてお答えをいたします。
本事業は、従来の補助事業と少し異なり、集落の裁量に任された点が多々あるのは承知いたしております。したがいまして、集落によって多少温度差があるのも承知をいたしております。
ただ、御指摘がありましたように、本制度がよりよい制度になるように今後さらに指導をしたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○議長(上田竹則君)
遠藤素子君。
○遠藤素子君
今回の質問に対しまして市としていろいろ考えていただいたとは思うんですが、国保にしましても、それから後期高齢者医療制度にしましても、それから介護保険制度につきましても国庫負担がどんどん減らされて、例えば介護保険では国庫負担が最初50%であったと、それが25%に減らされ、三位一体の改革で22.8%まで国の負担が減らされている、こういう状況のもとでやっぱり下のほうにしわ寄せが来てるんだと思います。
それですから、ぜひ市長におかれては全国市長会議だとか、それから県の広域連合の会議など、それからプルサーマルにつきましては県の環境管理委員会、そういうところでぜひとも地域の自治体ではもう力が及ばないということを強く訴えていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。