公開日 2014年09月05日
〔新宮康史君登壇〕
○新宮康史君
それでは最初に、一言ごあいさつを申し上げます。
まずは議会運営で、ことしの前半でありますが、市民の皆様に大変な御心配、御迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。今後はさらに市民の皆様の声が直接タイムリーに議会に、市政に反映できるよう精進してまいりますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。
さて、最近の出来事で、11月6日に行われましたアメリカ大統領選で民主党のバラク・オバマ上院議員が第44代大統領に黒人として初めて圧倒的勝利で当選されました。オバマ氏の勝利は奴隷解放宣言から140年余り、それでもなおかつ根強く残る人種偏見のアメリカで、国民の総意として差別の壁を突き破り彼を選んだことは画期的なことであると思います。また、アメリカに端を発しました世界的金融の危機、テロとの終わりなき戦い等大きな問題を抱えての船出となるわけですが、さらなる飛躍を期待されるものであります。
そして、彼の演説を聞いていてはっと気づかされたのは、1863年11月19日、ゲティスバーグのリンカーン大統領の演説引用であります。「government of the people,by the people,for the people」、人民から構成される人民による人民のための行政というのが直訳でありますが、この基本が我が市でおろそかになっている。人民を市民に置きかえれば、常日ごろ何を念頭に私たちは活動、業務を遂行していかなければならないか、アメリカ大統領選挙に感じ取られた反省でありました。
前置きが長くなりましたけども、それではさきに提出してあります発言通告書に従いまして、大綱4点について質問させていただきます。市長並びに関係理事者の誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
まず最初に、市長の今後の政治姿勢についてでありますが、現在世界を見ますと経済は先ほど申しましたようにアメリカのサブプライムローンに端を発し加速度的に危機的状態に陥り、その影響で日本国内でも日経平均1万円以上あった株が現在は7,000円台と暴落、またトヨタを初めとする輸出型超大手企業が減収減益、国内総生産、GDPも下降を続けている状況であります。
そんな中、当市の財政は平成20年9月末現在の財政事情で既に明らかになっていますように、今年度も歳入に対しまして歳出が上回り、企業で言えば赤字経営であります。結果としまして不足分は財政調整基金で穴埋めしなければならない状況であります。現地点における財政不足金は約6億3,000万円で、財政調整基金はいろんなものを入れてトータル15億2,000万円しかなく、単純に考えれば差し引き残額8億9,000万円しかない状況であります。
また、歳入の特徴は、御存じのように市税の収入が予算の19%しかなく、景気の落ち込みが厳しい現状では収入増は期待できません。財政力指数も類似都市が0.45であるのに対して、当市は0.39と弱い結果となっております。
一方、当市の大きな施策、事業、また喫緊の問題点を私なりに上げてみますと、事業のほうでは新火葬場建設工事、日土小学校改修改築工事、そして八幡浜港振興ビジョンであります。もちろん八幡浜港振興ビジョンはトータル130億円というとてつもなく大きな費用のかかるプロジェクトでありまして、それだけに市全体が将来を見据えて少しでも有効なもの、活性化につながるものをとあちらこちらで意見が出て、行政側がかじ取りに苦慮するという状況になっているようであります。私は、これはこれで意味のあるよいことだと思います。しっかり議論していただいて、市民が納得のいくプロジェクトにしていただきたいと、そのように思います。
また、市が取り組まなければならない喫緊の問題は、先ほど来出てます市立病院の医療体制建て直しだと思います。これは当市だけではなく国全体の問題として、医師研修制度のあり方や過重労働による医師の総合病院離れ等による医師不足が主因で、中核病院としての機能が維持できず、患者数も減り、財政面から市の負担を考えますと、存続の危機に面していると言っても過言ではないと思います。
現在専門委員会による市立病院改革プランの策定が先ほど出されたところでありますが、いずれにしろ現在の市政は逼迫した財政状態であり、加えて少子・高齢化、地方格差により将来の展望が開けない閉塞感にさいなまれた状況で、市民は不安を抱えた日々を過ごさなければならない現状であります。
そこで、市長に質問でありますが、来年4月には市長選があります。このまま続投されるも後進に道をゆだねるも市長がお決めになることでありますが、1つには市政の状況を正確に把握し、将来に向けて財政が破綻しないように万全の施策を引いておくこと。また、それだけでは市民があすに向かって夢と希望を持てませんので、明るい将来に向けての未来像を示しておく必要があると思います。
本日は、具体的な例としまして、八幡浜港振興ビジョン、また市立病院体制建て直しに特化して現時点でのお考え、また進退問題は既に来年3月に態度表明とマスコミに発表されてありますが、当市の現在の市長の責任としまして、未来像に対しどのようなビジョンを立てておられるのか、私はマクロ的な視点で所見をお伺いしたいと思います。どうか市民にわかりやすい、笑顔でお伺いできる御答弁をお願い申し上げたいと思います。
次に、国政、定額給付金の対応についてでありますが、この内容についてはお二方の同僚議員の方がさきに詳細に質問されましたので、重複する部分は割愛させていただきまして、私の質問のみ述べさせていただきます。
個人的にはもっとシンプルなやり方をしないと混乱と不正の温床になると危惧しております。市全体で6億円入る予定だそうでありますが、市長も先ほどの答弁で言っておられましたけども、自由裁量で使えるお金を準備したいと、そういうことに着目、着眼しまして、市の財政事情から考えますと一円の金だって無駄にできないし、欲しいところだと思います。
所得制限等を考えた場合、高額所得者に対しては一度いわく因縁のついたお金はもらいづらいもので、もし可能であれば、逆にその対象の方々にお願いして給付金を市のほうに寄附していただいたらどうかと思います。言い方は悪いかもわかりませんが、辞退して結局返金するようなお金なら、せめて市の台所に入れてもらえる道をつくったらいかがかなと思います。
今、少しのお金でもあれば福祉や教育、特に小・中学校の設備は一昔前のものを工夫して使っている状態でありまして、トイレから異臭がしたり、市のインターネットがまだ全部の学校につながってないというような、そういう小さなことまで解消できます。政府の勝手な言い分ばかりを押しつけられているのではなく、市も一地方自治体としまして法律に守られた範囲で財政の自助努力をしていかなければならないと思います。この点についての所見をお伺いいたします。
大綱3番目でありますが、教育に関する事項の1項目、学校支援地域本部についてであります。
近年、青少年の犯罪、いじめ、不登校などさまざまな問題が頻発してきているのは周知のとおりであります。こうした背景には、核家族化、少子化及び地域における地縁的なつながりの希薄化、個人主義の浸透等による地域の教育力の低下が指摘されております。
また、学校現場では、環境の多種多様化によりさまざまな問題を抱え、教員一人一人の業務負担も増加して過重労働が問題化しております。これらの問題状況を改善し、地域全体で学校教育を支援し、地域ぐるみで子供を守り育てる教育を推進し、地域教育力向上を目的に国の事業として平成20年度、ことしから学校支援地域本部が実施されております。
学校は、地域の支援を得ることで学校と地域の連携、協働体制が築かれ、地域の人たちは少しでも学校に対する関心が高まることが期待できます。また、教員を支援することにより、教員の業務量の軽減、子供たち一人一人に対する時間的余裕が生まれ、きめ細やかな指導ができることになるという事業目的でもあります。
そこで、質問でありますが、私はこれこそ今最も必要な教育施策の一つであり、地域を巻き込み子供たちが失いかけている社会規範を地域の人たちから学び取ってほしいと願っております。現在、市はこの国の取り組みに対してどのような状況になっているのか、御答弁をお願いします。
2項目でありますが、子供の読書活動推進計画についてであります。
これは、平成13年12月12日に子どもの読書活動の推進に関する法律が制定されまして、その第9条としまして、平成16年3月までにそれぞれの各市町村から推進計画を策定するよう通達が出されていました。私は今から3年前の平成17年12月に一般質問で策定をしていただくようお願いしましたが、それからどうなったかお話は伺っておりません。県のほうは、おくればせながらことし3月に策定しまして、その計画の期間は平成16年度から5年間となっております。
読書というものは、脳の研究で有名な東北大学の川島隆太教授の実証実験結果によりますと、人間としての特徴であります考える力、我慢する力、自立しようとする力をつかさどる脳の前頭前野を活性化する一番の効果があると出ております。
そこで、質問でありますが、これはきちんと考えてつくれば決して難しいものではなく、費用も多くは必要ではなくできると思います。前回市の子供たちの学習能力、読解力の向上、生きる力の育成に必要であると質問させていただいたのでありますが、現在どのようになっているかを御答弁お願いします。
最後に、第4項、市行政に対する諸問題についてでありますが、まず最初に第1項、自主防災訓練における学生の参加についてであります。
去る10月12日日曜日、午前7時30分より、南海地震に備え98の市内自主防災組織が各地区で防災訓練を行いました。その概要は、震度5から6の揺れ、海岸部に最大4.7mの津波が襲来するという想定で、市内一斉の防災無線発信により市民約7,200人が268カ所に避難、その後126カ所で消火、救助、応急手当て等のミニ防災訓練が6,000人の参加で行われました。参加率はそれぞれ18%、14%と昨年より1から2%の増加と、数字だけ見るとよい傾向にあるのでありますが、問題は集まった人の年代層であります。私は昨年3月の一般質問でも同じお尋ねをいたしましたが、人の命にかかわることであり、発生して多くの犠牲者が出てからでは遅いので、あえて同じ質問をさせていただきます。
それは、中学生、高校生をこの自主防災の組織にはっきり学生チームとして組み込んでほしいということであります。地区によって差はあると思いますけども、私の地区では女子中学生が1人途中まで参加しただけで、あと学生はだれもいませんでした。
実際に被災され、復興に当たられた経験者の皆さんのお話では、緊急時実際に動けるのは若い人たちだそうであります。我が市は3人に1人が65歳以上の高齢者であり、常日ごろから地域の中で若い人たちも一緒に訓練に参加してもらい、同じ地区のおじいちゃん、おばあちゃん、また子供たちの名前と顔を覚えていただく。そして、次にどこに住んでいるかもコミュニケーションを通じて覚えていただく。近くに助けてくれる親族等がすぐいればいいのですけども、少子・高齢化の時代、そうは都合よくいないと思います。地方は地方でいいところがありまして、当市の学生はまだ素直であり、助け合う土壌ができております。若いうちからいざというときには助け合う訓練、これが必要で、学力向上よりも何よりも地域に住む人間として参加すべき訓練ではないでしょうか。
昨年、これは教育関係者も協力して市の行事として最優先で取り組んでいただかないとできないので、最優先の課題としてお願いしてあったのですが、質問のときだけ過ぎればあとは知らないというのであれば、市民の代弁者として一般質問しているわけでありますので、いかがなものかと思います。
そこで、質問でありますが、まず訓練で市全体で中高校生の参加は実態としてどの程度あったのか。参加できない理由を聞きましたら、部活やテストと、そのような理由がありました。1年に1回1時間の訓練より部活やテスト勉強を優先するのか、市のお考えを伺いたいと思います。
最後に、2項でありますが、市内、これ愛宕山の時報周知用のメロディーチャイムの故障対応についてであります。
これは、もう説明する必要もありませんけども、愛宕山に設置してある同装置がいつのころからか故障しております。この時報周知は、旧市内の皆さんに生活の仕切り点としての情報を流し続けてきました。また、子供たちにとっても時刻を知らせるだけではなく、ふるさとを音で覚える格好の材料で、情操教育としても必要なものであります。市には確かに大型のプロジェクト工事も必要でしょうけども、しかしながらもっと大切なのは常日ごろの市民の皆さんの生活であり、朝夕の同装置が市民の生活にどれだけなじんでいるか、また必要であるのか、私は何を差しおいても最優先で修理をすべきだと思っています。
そこで、質問でありますが、合併して3年が過ぎました。どうせなら市内の時報チャイムのメロディーを統一して、八幡浜市として一貫性を持たせたほうがよいのではないかと思います。ただし、生まれたところからずっとなれ親しんだ地区のメロディーもあると思いますから、十分調査が必要ですけども、可能であれば、実施していただきたいと思います。
本当に必要なところに必要な費用を使う、これが原点だと思います。よろしく御答弁をお願いします。
以上であります。
○議長(上田竹則君)
市長。
○市長(高橋英吾君)
新宮議員の大綱1、市長の今後の政治姿勢について、市の未来像に対しどのようなビジョンを立てているか。
最近の我が国の経済は世界経済が減速する中で下向きの動きが続くと見られ、アメリカ、欧州における金融危機の深刻化や景気の一層の下振れが懸念され、株式為替市場の大幅な変動などから景気悪化が深刻化しつつあり、先行き不透明な状況であります。国政が実効的な解決策を打ち出せない中、市民が将来に安心と希望を感じていただくためには、やはり当市の場合、議員御指摘のとおり、市立病院の問題解決と港湾振興ビジョンを成功させることが私の市長としての第一の命題だと認識を新たにするものであります。
医師不足による市立病院の経営問題に関しましては、現在の取り組みに加え、事業管理者の設置など病院組織の改正までも視野に入れた対策を含め検討し、市民の安心を確保していかなければならない覚悟であります。
八西地域の中核病院でありますので、近隣市町を含めた住民の御理解と御利用を賜りますよう早急に検討を図っている所存であります。
また、港湾振興ビジョンにつきましてはさまざまな御意見をいただいているところですが、現在整備運営準備作業部会で、PFI、民設民営、公設民営など、どこが建てるのか、運営主体をどうするか検討中でございます。住民ニーズに即したプランを策定いただき、港町八幡浜の海の玄関口としてのにぎわい創出に努めてまいりたいと考えております。
ほかにも行政課題は山積しておりますが、まずはこの2つの問題を処理していくことで効果は期待できるものと確信しておりますので、皆様の御理解と御協力をお願いするものであります。
八幡浜港振興ビジョンについては、将来を見据えての地域の活性化、地場産業の振興を図るため、港町八幡浜の再生を基本理念とし、大きく3つの基本目標を掲げ、市の重要施策として取り組んでまいります。
まず、基本目標の1は、フェリー利用客の来訪者を引きつける港を目指しております。
次に、基本目標の2として、水産市場の近代化を目指しております。
さらに、基本目標の3として、安心な暮らしを支える災害時に重要な役割を果たす強い港を目指しております。
市の厳しい財政状況を踏まえ、現在実施中の埋立事業につきましては国、県の補助事業で実施しておりますし、今後の魚市場等建物の整備事業につきましても極力市の財政負担が少なくなるような整備手法を検討しております。
また、現在フェリーターミナル施設については振興ビジョン整備実行委員会、市場関連施設については魚市場整備実行委員会で御討議をいただいております。市場関連施設の埋立地は水産関連施設以外の目的には利用はできないため、漁協を初め水産関係者と慎重審議いたしまして、基幹産業であります水産業発展のための施設を整備する予定であります。
フェリーターミナル施設におけます交流施設用地約1万2,000平米につきましては、市民ニーズを反映できる用地ですので、市民代表31名で構成する八幡浜港振興ビジョン整備実行委員会を発足し、協議していただいております。市外からの来訪者はもちろん、市民に魅力ある施設整備ではなくてはならないため、市民ニーズを十分取り入れた整備実行案の御提言をいただけるものと思っております。
また、整備内容等につきましては適時広報等を通じ市民の皆様にお知らせし、周知を図る考えであります。八幡浜港振興ビジョンの実現こそが将来の八幡浜の活性化、再生につながるものと確信しておりますので、議員各位の御理解と御協賛を賜りますことをお願いいたします。
次に、市立病院体制建て直しについての現在の考え方についてお答えいたします。
議員御指摘のように、医師不足に伴い診療科の制限、救急医療の制限など市民の皆様には御心配、御不便をおかけてして申しわけなく思っております。また、今回9億3,000万円余りの欠損を計上せざるを得ないなど厳しい経営状況であり、また財政的支援も非常に厳しいのも事実でございます。
しかし、私は市長に就任させていただいた当初から、地域住民の皆さん方の多くが要望されております市立病院の整備充実を最重要施策の一つに掲げて市政に取り組んでまいりました。市立病院は八西地域の拠点病院として必要不可欠な病院だと思っております。医師確保などの諸問題に正面から取り組み、経営改善の施策を構築するとともに、施設の整備を図り、地域住民が安心して医療を受け、地域住民から十分な信頼を得る病院として次代へ引き継ぐことができるよう努力してまいります。
なお、現在脳外科や内科の医師は減少しておりますが、そのほかの整形外科や外科などの診療科はスタッフも医療機器も充実しております。産婦人科、小児科、耳鼻科等におきましては、八幡浜・大洲医療圏の病院で入院体制が整備されているのは市立八幡浜総合病院だけでございます。
それから、受診につきましては、広報の不徹底もあり、市民の皆様に一部誤解があるようですが、紹介状が必要なのは内科だけでございます。その他の診療科は紹介状は必要ありません。議員初め市民の皆様におかれましては、自分たちの病院だということで市立病院を信頼して御利用いただきたいと思います。
また、最近は減っているようでございますが、時間外の軽症での受診、いわゆるコンビニ受診は医師の負担が大きく、モチベーションを低下させる要因となっております。逆に、先ほど宇都宮議員の質問にもございましたが、医師らを励ますのは患者の感謝の言葉、喜ぶ姿であります。もう一度言いますが、医者を励ますのは患者の感謝の言葉、喜ぶ姿であります。要は相互理解、信頼関係が大切ということでございます。医師や看護師は生命を守るという高い使命感のもとで懸命に働いておられます。現在働いている医師や医療スタッフに残っていただくためにも、引き続き適正な救急の利用をいただくなど、市立病院を盛り上げるよう御協力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
その他の問題に関しては担当課長より答弁をさせます。
○議長(上田竹則君) 政策推進課長。
○政策推進課長(中榮忠敏君) 新宮議員御質問の大綱2、国政、定額給付金の対応についてお答えをいたします。
定額給付金の基本的な考え方でございますが、今回の交付金は実際に対象者へ給付をした額が国から市へ交付されるものでありまして、仮に受け取りを辞退される方がありましたら、その分は国に返還をすることとなります。
なお、給付金を受け取った後に御本人様が自主的に自治体等に対し寄附をしたいということについては法的に問題はないと思われますが、今回のこの定額給付金事業に関して、新宮議員が今ほど申されましたように、辞退をするのではなく、一度受け取っていただいたその後に市に寄附をお願いするような基準を設けることは現時点では考えておりません。
以上でございます。
○議長(上田竹則君)
危機管理室長。
○危機管理室長(尾﨑政利君)
新宮議員御質問の大綱4、市行政に関する諸問題についてのうち、1点目の自主防災訓練における学生の参加についてお答えいたします。
近年多発する大規模地震や集中豪雨等を初めとする災害による被害を軽減し、市民の安心・安全を保持することは行政の一番重要な任務であります。特に近い将来発生が確実と言われております東南海・南海地震などに備えた防災体制づくりを急がなければなりません。
本年10月12日の八幡浜市総合防災訓練において、各地域の自主防災会が実施しました防災訓練には、自主防災会役員の皆様の御努力のもと、多くの市民に参加していただき、自助、共助を含めた防災意識の啓発ができたと喜んでおります。今後も1年に1回は自主防災会による防災訓練を実施していただきたいと切望しております。
しかし、議員御指摘のとおり、成熟した防災訓練を実施するには、今後さらに訓練を重ね、いろいろな問題点を検証し、改善する必要があります。現在または将来の防災力の担い手の小学生、中学生、高校生に防災意識の啓発を行うこともその一つであります。今回の防災訓練においては、教育委員会と連携を図り、教育委員会から各学校に児童・生徒を防災訓練に積極的に参加させるように協力要請をしていただきました。各学校においては、防災訓練参加案内チラシを児童・生徒を通じて各家庭に配布していただいております。
議員御質問の中学生、高校生等の防災訓練参加人数については、各自主防災会に年齢別の参加人員の報告を求めていませんので把握できておりませんが、防災訓練の写真や各自主防災会役員の方々の報告から判断いたしますと、前回の防災訓練より多数参加していただいたと推察しております。
また、学校教育の一環であります部活やテスト勉強と防災訓練参加についてどちらを優先すべきかにつきましては、防災訓練の開催時期と各種試験及び運動競技大会などの日程の兼ね合い等も含めましてそれぞれに意見の分かれることだと思われます。今後の防災訓練におきましても、より一層教育委員会や自主防災会と連携を深め、小学生、中学生、高校生の参加並びに防災意識の啓発に努めていきたいと思っておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(上田竹則君)
財政課長。
○財政課長(國本 進君)
新宮議員御質問のうち、大綱4、市行政に関する諸問題についてのその2、時報周知用メロディーチャイム故障対応についてお答えをいたします。
愛宕山に設置のミュージックサイレンは、平成4年度の旧市市制施行記念日に合わせ、工事費約1,600万円を投じ設置したものであります。これまでの修理経過を申し上げますと、本年9月下旬に音が出なくなり、直ちに市内の電気業者に修理を依頼しましたが、製造年式が古いこともあり部品の調達に2カ月を要しております。11月に電気関係の部品を交換し試験演奏を実施しましたが、音は出るものの、メロディーにならないので放送は今のところとめております。これ以上の修繕対応はメーカー業者でないと不可能とのことでありまして、メーカー代理店に本体内部の点検と修繕費用の見積もりを依頼しているところであります。
今後、早急に修繕し復旧していきたいと考えておりますが、設置後15年を経過し老朽化しており、修繕不可能な事態も想定されております。議員から御指摘のありました本当に必要なところに費用を使うという観点からも、ミュージックサイレンの必要性の検討と合わせ、それに変わる時報周知用チャイムとして防災行政無線を利用した市内統一のメロディーを流していく方法なども検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(上田竹則君)
教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
新宮議員御質問の大綱3の1、学校支援地域本部についてお答えいたします。
今年度愛媛県では1つ目に社会総がかりで取り組む教育の推進と、2つ目に教員が子供一人一人に向き合える環境づくりを重点施策に掲げております。文部科学省が進める新宮議員御指摘の学校支援地域本部事業はこのどちらにも関係する事業であり、その趣旨は十分理解しているつもりでございます。
ただ、本市の場合、20年以上前から中学校校区を単位としたブロック別教育体制を取り入れています。小・中教職員の研修から始まったこの取り組みも、現在いじめ、不登校問題を含めた児童・生徒の健全育成、登下校の見守り活動にも発展しています。また、読み聞かせや俳句の指導など、ゲストティーチャーやふるさと先生としてそれぞれの地域性や学校の特色に応じた地域住民による教育活動への支援が定着しております。特に公民館との学社融合もできていると思っております。言いかえれば、本事業の趣旨である学校と地域の連携体制の構築を図り、中学校校区ごとに地域全体で学校を支援する体制は国の施策を先取りして整っているのが本市の特色とも言えます。
本事業が生まれた背景に全国的な地域の教育力の低下が上げられますが、本市の場合、必ずしも教育力が低下しているとはとらえておりません。
また、もう一つの背景である教員の業務量の増大という点についても、新事業を実施すれば幾ら学校を支援する体制が整っていても、協議会の設置、運営、計画書や報告書の作成等に追われ、教員の負担軽減にはつながらないと判断し、見合わせております。
以上でございますが、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(上田竹則君)
文化振興課長。
○文化振興課長(松本俊一君)
新宮議員御質問の大綱3、教育に関する事項についてのうち2点目、子ども読書活動推進計画についてお答えをいたします。
子ども読書活動推進計画につきましては、子どもの読書活動の推進に関する法律によりまして、市町村における子供の読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該市町村における子供の読書活動推進計画を策定するよう努めなければならないと規定されております。
推進計画策定の現状でございますが、現在課内で推進計画原案の取りまとめがほぼ終わりまして、読書活動に携わっておられます市内の有識者の方々にお集まりをいただき、検討委員会を開催をいたしまして推進計画案の検討をいただく方向で準備を進めております。あすを担う子供たちが豊かな読書生活を送れるよう環境を整え、支援を行うためにも、早急に子ども読書活動推進計画の策定を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(上田竹則君)
新宮康史君。
○新宮康史君
それでは、二、三、再質問をさせていただきます。
まず、市長の答弁ですけども、本当にきめ細かい御答弁ありがとうございました。
私アバウトで市民の人のダイレクトの声をちょっともう一回再質問したいんですけど、八幡浜港振興ビジョンのうちですけども、HACCP対応の密閉型衛生魚市場の是非とかは専門家や実際に従事する業者さんによって賛否両論いろいろあると思いますけども、これは直接市民の皆さんには関係なく、市民の皆さんの意見はさっき言われたフェリー乗り場というか、自由になるところの部分の埋め立てで広い土地ができるのであれば、市民が憩える施設、例えばスーパー銭湯みたいなものをつくってほしいという要望があちこちから聞こえております。これは法的な規制とか民間の経済力をかりないとできないとか先ほどの話でありましたけど、ハードルは高いと思いますけども、市長はできない理由を並べるのではなく、いかにすれば少しでも実現できるのか、その旗を振るのも市長の役目だと思いますので、それの所見をまずはお伺いしたいと思います。
それと、市立病院のことでありますが、これ同僚議員が詳しく質問されたんで、私はアバウトでまた聞くんですけども、これは本当に現在の経済状況と医師不足を真摯に受けとめれば、毎年数億円の赤字が今後続くとしたら、もう市の財政は間違いなく破綻するんじゃないかと私は思っております。ということで、結果としてその病院の経営はできなくなるんじゃないかと、そういう心配があります。
その直近の対応策としまして、例えば地域医療の中核病院として、原子力発電所を抱えている電源立地の地区で初期被爆事故時の対応は当然その機能を確保しておかなければなりません。市のほうも専門の化学消防隊等の設置等いろいろ対応はしておりますけども、しっかりした根拠に裏づけされた再建計画を県とか伊方町、それとあと直接の業者さんである四国電力さんにお示しをしまして、応分の御負担をお願いするとか、まずはそういう直近の方策。
そして、最悪県病院に併合していただくとか、あるいは指定管理者制度、民間譲渡などの経営形態の見直しの選択をせざるを得ない状況になるかもしれません。市長としてどのような病院危機管理のお考えを最終的に思われているのか、マクロ的な観点で再確認の意味でお伺いしたいと思います。
それから、国政の件につきましては、そういうことは考えてないということだったんですけども、そういうことを考えてないから幾らたってもお金が足りないということで、ちょっと頭使って自分たちでお金を稼ぐ方法も考えないといけないと思うんで、合法的にお願いして、どうせそういうお金であれば、そういうシステムを構築して、心ある人だったら寄附をしていただけると思うんで、少しでも市のために、業務が煩雑になるかもわかりませんけども、ぜひ検討していただきたいと、これは要望であります。
それから、教育に対する事項でありますけども、最初の学校支援地域本部につきましては、さっき教育長言われたように、市内の学校の状況を見ていると既にその土壌というか地域本部についての基本的な構想はできていると思います。少しだけ手を加えればできる事業でありますが、これは私は国の補助事業になっていると思うので、その補助金が出ると思うんです。その補助金の程度は具体的にどの程度なのか、またその使途は限定されるのか、これも補助金が学校運営に使用できるのであれば、設備の充実等に活用できると思うんですけども、その辺の所見をお伺いしたいと思います。
それから、子ども読書活動推進計画につきましては、これは児童・生徒の学力低下が問題になるということで、特に応用力、生きる力の根源の部分ですが、これが読書によるところが大きいということで、3年もたってまだできてないという事実は職務怠慢であると言われても仕方ないと思います。私はどうも今の所管が教育委員会の中の文化振興課が御担当されているのですけれども、このような児童・生徒の教育に直接関係することは学校教育課あたりでやれば無理なくできるんではなかろうかと思います。それがいろいろなことで無理であれば、横の連絡とか協力をもっと密にして対応するべきだと思いますが、教育委員会としてどのようにお考えなのか、所見をお伺いしたいと思います。
それから、自主防災に関することでありますが、これは私は各地区組織の中に先ほど学生のグループをつくっていくことが必要と、前回も今回も同じことを言ってるんですが、どうもそれが浸透してないというのは、危機管理課と教育委員会、それとあと教育委員会の中でも高校生は県の教育委員会の所轄にあるので、その辺が言いづらいんじゃないかというふうなことが思います。
これは、先ほど言いましたように命にかかわる訓練でありますので、全部の市全体が重要度というか、一番上のランクに位置づけして訓練をしなければ、将来についてなかなか成熟したものにならないと思うんでありますが、この点について、私はぜひ教育委員会にきょうお伺いしたいのは、この訓練と部活、テスト勉強、どっちが重要と考えておられるのか、この際はっきり言っていただきたいと思います。先ほど危機管理課の話ではいろんなことの条件があるのでという話だったんですけど、私の質問の中でもありましたように1年に1回1時間がそれほど大切なというか、テストとか部活に影響するのかどうか、ぜひ御質問にお答え願いたいと思います。
それから、最後のメロディーチャイムのことでございますけども、まさか1,600万円もかかるとは思わなかったんですけども、今の時代ですからいろいろあると思います。私たちも協力をいたしますから、何とか修理あるいは何らかの方法で皆さんに時間を知らせるというようなことができるようにしていただきたいと思います。
以上でございます。
○議長(上田竹則君)
市長。
○市長(高橋英吾君)
市立病院のことですけれど、基本姿勢はとにかく経営よりかは継続という大前提があります。その中で、市立病院の赤字対策として四国電力への応分の負担をお願いしてはどうかとの御提案ですが、災害拠点病院や初期被爆医療機関としての機能維持のための経費につきましては、御提案のとおり、明確な根拠を示し、関係機関に十分の負担をお願いできればなと考えております。
もう一点の県病院への併合や指定管理者制度や民間譲渡と経営形態の見直しを選択せざるを得なくなるのではないかとの質問ですが、経営形態の見直しについては改革プランの策定の中で検討したいと思います。
しかし、基本的には市立病院の場合、はっきりしておるのは、お医者さんが来たら劇的に変化するだろうと。もう一点は、お医者さんが来ない場合は、やはり国とかその他の機関が赤字に対して負担していただければ、10年間何とかもつだろうということです。そのほかによい手がありましたら、ぜひお知らせを願いたいと思います。
その他は、振興ビジョンは委員長であります副市長から、その他の問題は各課長から回答をさせます。
○議長(上田竹則君)
副市長。
○副市長(谷口治正君)
今予定をしておりますフェリーターミナル関連施設にスーパー銭湯をという御意見が多いというようなことでございましたけれども、八幡浜港振興ビジョン整備実行委員会の当初の段階、自由に意見を述べていただく場でこの意見も出ておりました。しかしながら、市として整備する、検討する中で、市がそこへスーパー銭湯を持っていくということについては無理があるのではないかということで、現在議員協議会にお示しした事業計画、平面図の中で現在の物産館、それから観光市場の配置を決めております。
ただし、前面に駐車場がございますけれども、そこの場には民間の方がそこでやりたいというようなことがあれば、建てるような用地は残っておりますので、そこらあたりで検討をいただいたらと、そういうふうに思っております。
○議長(上田竹則君)
危機管理室長。
市はこの訓練を命にかかわる訓練としての重要度をとの問いでございますが、地震などの災害から市民の生命、財産を守ることは行政の一番重要な任務であるとの認識のもと、防災訓練を実施しております。
市は今後とも、自主防災会、教育委員会などの関係機関と連絡を密にして、全市民に参加していただき、防災意識の啓発ができるような防災訓練を目指していきたいと存じますので、御理解お願いいたします。
○議長(上田竹則君)
教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
まず、学校地域支援本部の国の補助金がどう使われるかという質問であったかと思うんですけども、この施設に対するものには補助金は使えないと、もしこれが使えるんでしたら、確かに言われるとおりどこの学校にでもいろんな施設、設備のためにいいと思うんですけれども、これは先ほど本市が活動しておるようなことを申しましたようなことが内容で、それのための組織をつくるためにいろんな補助金が出ると。
それで、内容から見ますと、補助金は謝金とか旅費とか、そのための消耗品、そしてそういったいろんなコーディネーターをつくったり研修したりする研修費とか会議費とか、そんなのには使えるそうですけれども、備品とか何かには使えないということでございますから、本市についてはそういった中学校を中心としたものができてるからということを県のほうへも説明しております。県のほうもそれ以上のことはもう八幡浜はできているからということで、八幡浜のこういったら本当に自慢げに言うようですけれども、先進的な形としてとらえていただいているんじゃないかなと。もちろん充実するためにそれをよりする方法もあるかと思いますけれども、先生方にコーディネートやいろんな研修をさすことは今以上に仕事をふやすことにもなりますので、今の段階でやってることを充実したのでいいんじゃないかと私はとらえているわけです。
要らんこと言いましたけども、補助金としてはそういうものが使えるということが1つでございます。
それから次に、図書館についての読書活動の推進計画でございますが、確かに怠慢でないかと言われましてから年数がたっておりますのでまことに申しわけないと思いますけれども、言いわけさせていただきますと、この推進計画につきましては、前岩本館長さんが中心になって計画をつくっていただいていたんですが、体調を崩されまして、今文化振興課長が図書館長になってくれましたので、そういった形できょう答弁していただきました。
私といたしましても、図書館運営審議委員会がございますので、そういったところではこの話もこの最近も出てきておりましたし、進んでおるという感じでとらえておりました。そして、この運営審議委員会には小・中学校の先生方の図書係の先生も来ておりますし、校長代表も来ておりますので、そういった意味でこの推進計画が必要であるということと同時に、内容がどういうことかというようなこと、意図的にはわかっておりますので、学校と図書館との連携は今ももう既にやっておりまして、図書館のほうから学校へ司書教諭に来ていただいている学校もありますし、また学校としても図書館のほうへ必要なものを借りにいくとか、そういうこともやっております。
そういったような形で図書館と学校との連携、そんなことも含めて子供たちの読書活動を充実させておる。小学校も中学校も一斉の読書活動をしたり、また必要に応じてボランティアの方に読み聞かせに来ていただいたり、図書館のほうからも来ていただくというような形で進めておりますので、実際問題としては活動は進めてくれてると私はとらえておりますが、ただこの計画をはっきりしたものとして出すことはできてなかったというのはもう言われるとおりでございますので、今年度中に努力していくつもりでおります。
それから最後に、市内の自主防災組織についてでございますが、部活動や勉強と防災訓練のどちらが大切かと言われましたら、私の立場としてはどちらも大切と答えさせていただきます。どちらもこれは大切にするし、やっていかなければならないと思っておりますので、そうとらえさせていただけたらと思っております。
ただ、この防災につきましては、指導、啓発、そういったことを十分教育委員会としても一昨年の結果を、先ほども答弁がありましたけども、教育委員会のほうにも報告がございましたので、私としても校長指導もいたしましたし、この秋にしました学校訪問に行きましても、必ずできる範囲で参加してくれと言って呼びかけてきたつもりでございますし、今後ともやっていきたいと思います。
と同時に、これは地域の自主防災でございますから、本当に先ほどいい、質問の中にあったと思うんですが、地域を挙げて取り組む組織だと思いますので、そういう意味では公民館を中心に、またこういった組織を中心にひとつ大人がお互い意識をつなぎ合わせ、出会いを大切にして取り組んでいただく。その中に子供を巻き込んでいくというような形で呼びかけていただけたらいいんじゃないかなと。教育委員会としてはもちろん学校を通じてそういうふうな指導をしていくことをお約束していきたいと思いますので、今後とも御指導よろしくお願いしたらと思います。
以上です。
○議長(上田竹則君)
新宮康史君。
○新宮康史君
最後に1点だけお願いしときたいのですけど、要望としまして教育委員会のほうに、確かに学校地域支援本部ということはそれでそういう費用は使えないかもわかりませんけども、私が言いたいのは、これからのことを考えますと、先ほど教育長は20年前から既にこういうことができてたということであれば、これからの20年先のことを考えるんであれば、地域が学校を育てて学校運営費等々も考えて対応するようにしないと、もう市とか行政に頼ってたって無理だと思うんです。そういうシステムを今のうちに少しずつでもつくっていって、今ボランティアで皆さんやってくれてますから、今のうちにそういう、寄附してくれという意味じゃないんですけど、そういうことをして少しでも地域で学校を守り育て、お金の面でもそういう形にしていかないと、もうこれから先無理だと思うんで、そういうことを少し御配慮というか御検討を願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
以上です。