公開日 2014年09月05日
〔新宮康史君登壇〕
○新宮康史君
それでは、最初に一言ごあいさつをさせていただきます。
最近の出来事でありますが、2月19日早朝に発生しましたイージス艦と小型漁船清徳丸の衝突事故でありますが、片一方は日本を代表するプロの集団でございます。海上衝突予防法を無視した航海は全くの論外で、後の処理も含め、そこのけそこのけお国が通る、そういう傲慢、甘え、奢りは、これは決して許せるもんではないと思います。
ちなみに、このイージス艦の建造費は約1,400億円、八幡浜市の一般予算の8年分であります。ここは真摯に事を受けとめていただいて、被害者が、あるいは国民が納得する恒久的な再発防止対策を打ち立てていただきたいと切に願っております。
そんな中、思い出されますのは、将来はまさかこのようなイージス艦の艦長にはなってほしくありませんが、ことしの成人式での出来事であります。音響調整がうまくいってなく、会場がこのままだと騒然となるのではないかとだれしもが思ったときでありました。とっさの防衛大学の制服姿の彼の機転で、出席しました新成人がだれ一人騒ぐことなく、逆に聞こえない声を一生懸命聞こうとする、その会場が一つになった姿は、力のあるリーダーによって組織はまとまるということを改めて思いました。これからの八幡浜の若い人たちもなかなか捨てたものではない、腹立たしさよりも清々しさが打ち勝ち、不思議といい気分でありました。改めまして、青年の主張をしてくれたお二人を初め、出席の新成人すべての方にエールを送りたいと思います。また、災い転じて福となる、このようなハプニングもたまにはいいもんだと関係部署にはちくりと言っておきたいと思います。
前置きが長くなりましたが、それでは先に提出してあります発言通告書に従いまして、大綱2点につきまして質問させていただきます。市長並びに関係理事者の誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。
まず最初に、教育に関する事項でありますが、最初にその1番ですけども、学習指導要領改訂に伴う市の方針、対応についてであります。
文部科学省は、2月15日、現状のゆとり教育から事実上転換しました学習指導要領を公表しました。この学習指導要領は、小・中・高校、特別支援学校などで子供に教えなければならない教科や学習内容、時間数など、教育課程の最低基準を示しておりまして、国公私立すべての学校を対象として文部科学省が告示してございます。
スタートは、1947年に試案として示されまして、ほぼこれまで10年ごとに道徳の時間の新設、それからゆとりある学校生活の実現、入学式や卒業式での日の丸掲揚、君が代斉唱の指導義務化、それから近年やっています基礎、基本を確実に身につけさせ、みずから学び、みずから考える力、いわゆる生きる力の育成、総合的な学習の時間の新設、こういうことで改訂され続けてきました。
今回、近年の知識基盤社会における生きる力の国際評価、経済協力開発機構、いわゆるOECDが実施しております生徒学習到達度調査、いわゆるPISA調査というものがありますが、それで日本の子供たちは数学的能力とか読解力、科学的能力、それから問題解決能力が外国の子供たちに比べて低いという結果が一つの大きな引き金になりまして、全面見直しにつながったものだと思います。
また、昨年ですけども、2007年に行われました教育基本法の改正を受けまして、公共の精神の育成や伝統文化の尊重も盛り込まれましたが、道徳の教科化は見送られました。
主な改訂点を上げてみますと、1つ目には現行版生きる力の理念を継承し、それプラス知識の習得、活用する力、学習意欲の向上等、40年ぶりに総授業数の増加がありました。
2番目に、あらゆる学習の基盤となる言語力の育成に注目し、いわゆる国語、数学、理科、社会、外国語、主要な科目の、それプラス体力低下防止のために体育の授業、こういう部分がふやされたということであります。
それから、伝統重視という点で、これが特徴があるんですけども、中学男女ともに武道が必修となりまして、中学の音楽では、3年間に少なくとも1種類以上の和楽器を、国語には古典の充実、小学校の家庭には米の御飯やみそ汁が我が国の伝統的な日常食であるということを触れると、それから中学校の技術や家庭では和服の着方、浴衣を着るそうですけども、を取り入れるとなっております。
それから、4番目に小学校5、6年生に週1時間ALT、これ外国語指導助手ですけども、を活用しまして、あいさつ程度の外国語に触れさせて、要するに親しむと、そういう授業を取り入れる。まだほかにあるんですけども、詳細には中央教育審議会の答申だけで150ページありますので、ここでは割愛させていただきますが。
そこで、質問でございますけども、まず実施までのスケジュールは現在約1カ月間、パブリックコメント中でありますが、この3月から1年間、教材開発や詳細な説明等がありまして、それぞれの移行期間を経まして、小学校は2011年4月から、中学校は2012年4月からの実施となるそうであります。私は、現行のゆとり教育についてまだ十分な実行が出されてないうちに、さらに基礎、基本プラス応用力とレベルアップされた内容を押しつけられているような気がいたします。
現行のゆとり教育について市としてはどのように評価しているのか。学力低下と言われますけども、八幡浜の児童・生徒の実態はどうなのか、改訂案に対して何かパブリックコメントを出されるつもりなのか、実施に向けどのような方針で取り組まれていくのか、その辺をお伺いいたしたいと思います。
次に、内容的に学力低下に対する底上げと申しましても、従来の形ではなく今回求められているのは従来の学力テストではかれる知識、技能プラス国際的学習到達度調査、さっき出ましたやつですけども、で見る応用力となっています。私は、今子供の学びの土台がそもそも失われていること自体が最も問題で、これを復活させるには教師の量の増大、質の向上が不可欠で、文部省はこの部分については骨抜きにして現場の創意工夫で何とかしろと、そのように言っております。
試算しますと、全国で今教師が数万人程度不足している、そういう事態になってます。このように条件が整備されてない上に財政基盤が脆弱な当市でどのように対応されていくおつもりか、また地域や家庭の力も必要かつ重要になってくると思われますけども、この点についてどうお考えなのか、お伺いいたします。
2番目に、学校教育費削減に対する対応でありますが、平成20年度の市教育費予算は14億5,000万円ということで、一般会計総額比率で7.88%、平成18年度とほぼ同一であります。平成18年度ベースの調査では、松山では143億円とか新居浜で40億円、西条35億円と大きな市や財政力のあるところとは比較になりませんけども、類似団体に近い近隣市、例えば大洲が23億円、伊予が14億円、西予が24億円、東温市が11億円と5市の中で3番目に位置し、平均的であるとの判断であります。また、単に教育費の予算比較では、一般会計総額に準じて県下11市中9番目と、高いと言えないのはその市の判断でありますが、私は一般会計に占める割合が11市中5位でありまして、上の2位とか3位はそれほど差異がないということで、少ない予算の中、非常に努力していただいていると、そのように思います。
当市の場合、現在のところ、特にこれといって他所に誇れる産業もありません。市の勢いも先細りで、町の疲弊を感じているのは否定できない事実であります。しかしながら、将来の八幡浜市の繁栄を約束してくれるのは今の子供たちでありまして、世界に誇れる八幡浜っ子を輩出するのは私たちの責任でもあります。そして、そのためには教育が最も大切であり、市の不変の重要施策として教育に邁進していかなければならないと思います。
そこで、質問でありますが、学校教育費のうち平成19年度予算で、消耗品購入費は据え置きで教材費は半額と伺いました。予算書ではちょっと詳細がわかりづらく、読み取れないんですが、いきなり半額とは学校教育に大きく影響し、現場の責任者であります校長も対応に苦慮していると伺っております。財政逼迫の折、事情はあると思いますけども、実際の数字がどうなのか、また半減に至った経緯はどうなのかを質問いたします。
次に、市の行政に対する諸問題についてでありますが、まず一番最初に自主防災訓練についてであります。
去る1月27日に行われました南海地震を想定しての大がかりな防災訓練に6,600人を超す市民の皆さんが同時に参加され、盛大に行われたのは周知のとおりであります。これは、地域の被災や緊急対応は地域でやるしかないという危機意識管理と、そんなに遠くない将来に南海大地震の発生がありそうだという危険リスクをマスメディア等の情報媒体によって市民に浸透してきた結果ではないのかと思っております。
今回、自主防災組織が機能した初めての訓練でありましたけども、地震、津波発生に対する避難訓練、その後ミニ防災訓練が行われました。私どもの地区では2地区が一緒に小学校の講堂に集まり、地区在住の消防署のベテラン職員さんがボランティアで災害時の心構えとか避難の要領、それから応急担架のつくり方とか、負傷者の応急手当ての方法等、わかりやすく教えていただきました。同じ地域で顔見知りで、PTA役員の出身の方ですので、聞く方も遠慮なく質問ができ、こんなところにも地域活動のよさが出ていると感じました。
また、地域の方が一堂に集まりまして同じ目的で行動をともにする、こういうことに対して連帯感も生まれまして、本番で訓練が有効に生かされるんではないかと思いまして、1年に一度はこのような訓練を真剣にやらねばと思いました。
そこで、訓練を通しまして、あるいは訓練終了後、地区の方々の感想、意見から2件質問させていただきます。
まず最初に、組織の体制になぜ中学生、高校生の学生を入れないのかということであります。この訓練には必ず学生も入れてくださいと私は最初からお願いしてましたけども、先ほどのミニ訓練の指導に当たっていただきました消防署の方とか、昨年行政視察で伺いました新潟中越地震の被災地の復興に当たられた小千谷市の担当課長の方も言われてましたけども、地域の若い方、特に中学生は力が十分であり、何より素直であると、ぜひ一緒に役割を与えて動いてもらえるよう組織の中に入れるべきであるとのことでありました。私は、高校生も八幡浜市の場合は十分過ぎるほど素直でありますので、一緒に入れたらいいと思います。私どもの2地区では、残念ながら訓練に参加した中、高校生・中学生は一人もいませんでした。
また、訓練を始める前に高齢者向けの説明会で、私は自分が助かりたかったら絶対近くの学生と仲よくなっていてくださいよと、そして何かあったら忘れないで助けてよということを常日ごろお願いしておいてくださいと話しました。この組織の構成メンバーについて理事者はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
それと次に、救助用資機材の取り扱い、保管上の問題であります。
2月に入りまして、市から生命に直結する救助用資機材が貸与されました。私の地区への貸与品は、調査しました範囲で2地区でヘルメットが20個とか、金てこ、これは1メートル80ぐらいあって、1つ相当十何キロぐらいあって重いんですけど、こいつが30式、ばらしバールが、これも1メーターぐらいあるんですけど、30式、掛矢、木ハンマーが24式、ジャッキ2トン用、これが24式、あとスコップ、腕章等々であります。
この貸与について、緊縮財政の中、大変ありがたいことだと感謝しておりますが、しかしながらこれらの用具は非常時に即使用できるよう保管、管理されてなければ意味がありません。消防の詰所や倉庫が地区にあるところは構いませんけども、私どもの地区では今のところ学校の倉庫に保管してもらってます。その倉庫には学校のほかの道具も一緒にありますので、こん包したまま、あるいは箱に入ったままで、申しわけありませんが、今すぐに使える状態ではありません。また、かぎもかかっていますので、今何か発生すれば、かぎを壊して入らなければいけないし、住んでいる場所によっては遠いので倉庫までたどり着けない可能性もあります。
私は、せっかくここまで自主防災組織が立ち上がってきておりますので、行政として保管場所や保管状況等管理状態を把握しておく必要があると思っております。また、保管の責任は地区でとってもらうしかないとしましても、実際に保管場所がない場合はどうするのか。指導、助言、相談の窓口を開くことは絶対に必要だと思います。避難用具というか、そういう器具を渡して終わりというのは余りにも無責任ではないでしょうか。どのようにお考えなのか、お伺いいたします。
次に、地区公民館、文化祭時の健康診断、これ血液検査でございますが、の廃止についてであります。
現在、市内18公民館の文化祭が年々盛況さを増しております。各公民館で地域の特色を出し、さまざまな催し物を行い、若い人からお年寄りまでいろんな形でかかわり、一つの形になっていることは生涯学習の拠点としての公民館が機能を果たしている証拠で、非常に喜ばしいことだと思います。
先日、私の地区でも公民館の文化祭が行われたのでありますが、子供たちや婦人会の方々の作品、それから公民館の活動の掲示とか、それからうどん、ばらずし、産直品の販売等、バザーの準備は前の日からかかりまして、当日は早朝より忙しく動き回ったわけでありますけども、バザーの売り上げの件数から想定しまして約1,000人ぐらいが入ったんではないかと思っております。
その中で、毎年恒例になってます健康チェックでありますが、これは市の福祉行政の一環として実施していただいていると思いますが、脈拍数、血圧、血液検査を無料で行ってくれるものであります。ただし、人数無制限というわけではなく、私どもの公民館では60名程度であります。そして、これが来年から廃止されるということで大きなクレームとなっております。
昨今の医療費高騰、それから老人医療制度の変更等暮らしにも費用面で影響が出てきております。公民館文化祭に作品やバザーを楽しみに来られる方も当然おられますけども、プラス健康チェックを楽しみに来られる方もおられるわけであります。ある意味、この健康チェックは病気の予防的措置でありまして、結果的には健康維持につながり、財政の健全化に寄与するところであります。突然に来年から廃止するのではなく、財政事情に合わせて経過的措置で少しずつ減らすとか、何か対応の仕方があると思うのでありますけども、いかがでしょうか。理事者のお考えをお伺いしたいと思います。
最後でありますけども、先ほど来出てますけども、市立病院医師確保の緊急性についてであります。
地方の中核病院としまして一般外来診療と救急医療をあわせ持つところでは近年加速度的に医師不足が発生してきておりまして、特に当市のような財政基盤が脆弱な地方自治体では、医師の離職率が非常に高く、病院経営を含んだ市の重要な政治課題として深刻、喫緊の問題となってきております。
その直接原因は、通常勤務プラス救急勤務による過重労働であります。対価報酬も勤務時間に見合ったものではなく、その対極には勤務条件のよい都会での最新医療病院への異動とか、勤務時間、報酬ともに約束される開業医への移行と、悪循環の様相であります。
国もさすがに最近過重労働にあえぐ勤務医の救済支援策を打ち出しました。主な内容は、診療報酬面では外来診療や当直明け勤務軽減に取り組む中核病院を評価する、これ1日1,200円ですけど、また診療報酬以外では都道府県に医療機関を集約する重点化計画の作成・指示、それから医師不足の地域へ短期の医師の派遣、大学医学部の入学定員の増、女性医師バンクの充実、助産師の活用等、それなりに打ち出しております。内容的には即効性があるものは望めるものではなく、一口で言えば絵にかいたもち状態であります。
当市は、市立病院の建てかえ、また先日市内地方紙に市民の方が生きるために県立病院へ編入したらどうかというような貴重な御意見を書いてくださいましたけども、この問題ももちろん重要ではありますが、直近の問題としまして医師の離職者急増というゆゆしき問題に陥っておりまして、この先診療科目の休診も含んで早急に対応しなければならない問題であります。もちろん当市の離職の原因も全国レベルと同じ過重労働がまず一番に上げられると思います。
私は、その地方地方で勤務状況にいろんな事情、背景もあると思いますけども、当市の場合も基本的には緊急を要する患者さん、つまり2次救急医療の医療対象者とかはやむを得ないとしましても、一般外来や軽度な患者さん、1次救急医療対象者の方は市内の一般病院、開業医の方とか大洲も含んだ広域で医療体制を組み、提携医療機関で診てもらうとかの医師の過重労働負荷を軽減することに早急に具体的に取り組まなければならないと思います。そのためには、今の体制のままでは打開策を迅速に得にくく、例えば市の喫緊重大政治課題としまして、八幡浜市立病院医師過重労働軽減委員会、私が勝手につけた名前でありますが、そのような別組織を立ち上げまして、この件に関しましてはその組織に市長に準ずる権限を持たせる等、思い切った施策が必要だと思います。そして、タイムリーに効果を上げていかなければ、病院自体の存続が次には危ぶまれてくると思います。
理事者サイドとしてこの問題をどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
以上であります。
○議長(宮本明裕君) 市長。
○市長(高橋英吾君)
新宮議員の大綱2、市政に関する諸問題についての(1)自主防災組織について、ア、防災力の担い手に中学生、高校生をについてお答えいたします。
八幡浜市は、近年大災害に襲われた経験がない土地柄でありますが、日本各地では巨大地震が発生しており、地震の活動期に入ったと報道されております。市民の安心・安全を保持するには、行政の一番重要な任務であり、我々も近い将来発生が確実と言われております東南海・南海地震に備えた防災体制づくりを急がなければなりません。
その中で、特に地域の防災力向上のかなめになるのが自主防災組織であります。各地域の自主防災会が1月27日に実施しました防災訓練には、自主防災会役員の皆様の御努力のもと、多くの市民に参加していただけ、自助、共助を含めた防災意識の啓発ができたと喜んでおります。今後も1年に1回は自主防災会による防災訓練を実施していただきたいと切望しております。
しかし、議員御指摘のとおり、結成して初めて防災訓練を実施した自主防災組織が多く、今後いろいろな問題点を検討し、改善する必要があります。防災の担い手として中学生、高校生を活用することもその一つであります。災害時においては、老若男女を問わず隣保協同の精神のもとで、救出、救助、初期消火、応急手当て等の共助に努めなければなりません。特に体力のある中学生、高校生は防災力の担い手として幅広く活躍することが期待をされております。
今後とも、教育委員会と連携を図りながら、中学生、高校生の防災訓練参加並びに防災意識の啓発に努めていきたいと思っておりますので、御理解を願いたいと思います。
その他の問題は各担当課長より答弁をさせます。
○議長(宮本明裕君) 副市長。
○副市長(谷口治正君)
それでは、大綱2の市行政に関する諸問題について、その中の3、市立病院医師確保の緊急性についての質問にお答えをいたします。
全国で病院の閉鎖や診療科の縮小を初め救急病院からの撤退など社会的問題となっており、市立病院においても例外ではない環境であります。医師不足の要因は、大きく3点があると思います。1つが医療の高度化、専門化などによる医師絶対数の不足、2つ目が新臨床研修の研修先が自由化されたことにより地域医療への派遣元である大学医局の医師が減少、3つ目が労働環境の厳しい地方病院は敬遠されていることなどであります。
市立病院医師の現状でございます。平成15年4月に37名の常勤医師が、ことし4月では27名と10名の減少となり、特に内科の減少が著しく、15年に12名の医師が4月では6名となり、今後厳しさがさらに増すものと考えております。平成18年12月末で内科消化器専門医の退職を初め、ことし3月末での眼科医、5月末予定の脳外科医の退職による非常勤化の対応策として圏域病院との連携をとることにしております。吐血など消化器領域での入院や高度で専門性が必要な場合は市立大洲病院、脳出血など緊急手術対応症例の場合は大洲中央病院、心臓系で当院が受け入れできない場合は大洲喜多医師会病院とそれぞれの機能分担を図り、さらに3次救急救命病院である市立宇和島病院、県立中央病院、愛媛大学病院との連携強化を図っております。
また、市立病院は入院を中心とした2次医療の提供と当地域で唯一の2次救急告示病院として365日、24時間を担っており、平日の救急車搬送の救急患者を初め、休日、夜間の救急患者を受け入れ、当直医の負担は非常に大きく、また診療科全般にわたり救急呼び出し、オンコール体制をとっており、勤務外においても常に拘束の多い緊張感を継続し、医師が疲弊する大きな要因となっております。
地域医療、救急医療は地域社会の継続、発展に重要な基盤であり、この対策は議員御指摘のとおりであり、行政として最重要課題であるとともに行政の責務でもあり、本年4月より私直属の特命部署としての組織を置き、取り組むこととしております。
具体的な業務内容としては、先日の議員協議会でも申し上げましたように、救急医療対策室もしくは班を設け、まず救急医療対策協議会の設置を行い、病院として大きな負担となっている1次、2次救急医療への具体的対策を初め、市立病院と一体となり地域医療危機への医師不足対策、経営健全化への取り組みなど県、圏域市町、医師会、行政内部などとの連携強化を図り、一日も早く具体的な対策の構築に努めてまいります。
○議長(宮本明裕君) 危機管理室長。
○危機管理室長(尾﨑政利君)
新宮議員御質問の大綱2の市行政の諸問題についての1点目の自主防災組織についてのうち、イ、救助用資機材の保管についてお答えいたします。
今後30年以内に発生する確率が50%と予想されています東南海・南海地震に伴う人的被害は、死者125名、負傷者1,646名と愛媛県が発表しております。平成7年1月17日に発生しました阪神・淡路大震災では3万5,000人の人が倒壊家屋に閉じ込められ、自力脱出困難者となりましたが、実に77%の人を近隣住民が早い段階で救助したと報告されています。大災害が発生した場合、いかに近隣住民の力が大切かを物語っています。自主防災組織は、こうした阪神・淡路大震災の教訓を生かして、自分たちの地域とみずからの命は自分たちで守るための組織であります。
議員御指摘の救助資機材は、倒壊家屋等に閉じ込められた自力脱出困難者の救出、救助を目的として、地域の自主防災会に貸与したものであります。
貸与した資機材の保管場所については、それぞれの自主防災会により事情が異なり、集会所や自治公民館などがあるところは同施設に収納されており、集会所や自治公民館などがない地域におきましては、御寄附いただいた防災倉庫や学校施設及び個人の倉庫などに保管していただいております。いずれも自主防災会の責任において保管していただくようお願いしているところであります。
今後とも、自主防災組織と連携を密にして、貸与した救助用資機材の取り扱い講習などを行い、災害時有効に活用できるよう努めていきたいと思っておりますので、御理解をお願いいたします。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 保健センター所長。
○保健センター所長(松本常美君)
新宮議員の大綱2の2番目、地区公民館文化祭時健康診断、血液検査廃止についての御質問についてお答えいたします。
身近な公民館での文化祭において、健康づくりの一環として血糖検査など血液検査や血圧測定、体脂肪測定の簡単なミニ健診を実施しており、毎年11会場、400名程度の方に御利用をいただいております。日ごろ健康診断を受ける機会のない方に優先して受けていただき、未受診者対策として一定の効果を上げておりますが、一方ではお祭りムードの中、飲酒、食事をしている方もありまして、健診結果が生かされない課題もあります。
そんな中、平成20年度から特定健康診査、特定保健指導が開始され、市といたしましても地区公民館単位での健康診断を予定しておりますので、それら血液検査を優先して積極的に健康診査を受けていただきたいと考えております。
また、地区公民館の文化祭は健康づくりをPRする場として、食生活改善推進員さんらの協力を得ながら、体脂肪測定や血圧測定などを通してメタボリックシンドロームの予防に関する情報提供など、健康チェックの場として継続していく予定でございます。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
新宮議員御質問の大綱1の1、学習指導要領改訂に伴う市の方針、対応についての1つ目の御質問にお答えいたします。
現行の学習指導要領は平成10年に改訂され、完全実施されたのは学校週5日制が始まった平成14年のことです。このとき、議員御指摘のとおり、ゆとりの中で特色ある教育を展開し、児童・生徒に生きる力をはぐくむことが大々的にうたわれました。
まず、ゆとり教育については決して否定するものではありませんが、本市といたしましてはそれを前面に出すことなく、確かな学力の定着、向上と豊かな心の育成を貫いてまいりました。
では、確かな学力とは何か、それは基礎、基本をしっかり身につけ、思考力、表現力等を養い、子供たちの学習意欲を高めることだととらえています。それは、今回の改訂でも何ら変わるものではないと考えます。また、そのような学力とともに豊かな人間性、たくましく生きる健康や体力など、いわゆる生きる力をはぐくむという理念は新しい学習指導要領にそのまま引き継がれています。
さて、本市のこれまでの取り組みと今後について一例を挙げて説明します。
昨年11月、学力向上拠点形成授業指定校の研究発表会が八代中学校と校下の小学校で開催されました。本市が長年取り組んでいるブロック体制による小・中の連携、とりわけ小学校の教員が中学校で、中学校の教員が小学校でペアを組んで授業をするという光景は、参加した市外の教員はもちろん、指導助言の愛媛大学や県教育委員会の先生方からも高い評価をいただきました。それもこれも子供たちが生き生きと目を輝かせて授業に取り組んでいることにほかなりません。
したがって、来年度から新しい学習指導要領に向けて準備はしてまいりますが、本市としてはパブリックコメントを出す考えはありません。現在の取り組みに改善を加えるとともに、新たに導入されるものについてはどうすることがベストか、検討を重ねていきたいと思います。
御質問にもありましたので参考までに申しますと、昨年4月に行われた全国学力・学習状況調査では、小学校の算数、主として知識の問題が全国、県レベル、それ以外はすべて小学校も中学校とも全国、県レベルよりも高い結果を残しております。
次に、2点目、教師の量、質の向上の御質問についてですが、議員御指摘のとおり、これからの時代、教師の増員、質の向上は必要不可欠です。教員の資質、指導力の向上については現在の研修体制をさらに充実させていきたいと思いますが、教員の増員については市単独では難しい部分があります。機会があるごとに正教員の確保を関係機関に訴えていくつもりであります。
日本PTA全国協議会厚生委員長も歴任されました新宮議員さんにもぜひお力添えをお願いしたいと思っております。
また、家庭、地域との連携につきましては、これまでの本市が積み重ねてきた実績の上に学校評価システムを導入し、開かれた活力のある学校づくりを進めていきたいと考えております。どうかよろしくお願いいたします。
○議長(宮本明裕君) 学校教育課長。
○学校教育課長(三堂嗣夫君)
新宮議員御質問の大綱1の2、学校教育費削減に対する対応についてをお答えいたします。
学校教育費の来年度当初予算を分析いたしますと、中学校営繕工事費及び施設改修費は減少しているものの、小学校建設費と幼稚園工事請負費において増額となり、学校予算トータルで前年比約2,000万円増加した当初予算となっております。
学校予算は、学級数や児童・生徒数を基礎数値として各学校に予算配分をいたします。最近の傾向では、児童・生徒数の変動が著しく、年間約100人ずつ減少している現状であります。その割合から考えますと、教育の重要性にかんがみ、水準を落とさないよう配慮した予算となりました。
学校予算の消耗品費は据え置きで教材費は半額であるとの指摘でございます。その詳細について調査いたしますと、消耗品費と備品購入費のうち教材費という部分の過去に補助制度があった部分の教育振興費については前年並み予算となっており、授業に影響するものではないと考えております。
一方、市単独事業分の学校管理備品につきましては、御指摘のとおり半減してございます。各学校の管理備品購入要望にこたえるには大変多くの予算額が必要であります。予算要求どおりの予算がつけば問題ないわけですが、厳しい財政状況下にはおいては配慮すべきと考えます。景気が好転するまでは国庫補助事業である理科教育振興備品事業の活用や備品購入を厳選して購入するよう工夫したり、また施設改修工事では必要なものから優先順位をつけ対応したりするなど、限られた予算の中で効率的な予算執行をしなければならないと考えます。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 新宮康史君。
まず、学習指導要領の改訂ですけども、現在のその教育システム、それから大学入試制度から考えますと、要求されています総合的な趨向でそういう目標を達成する前に前の詰め込み教育、そういう点数至上主義の以前の教育に逆戻りする、そういう懸念というか危険性を私は感じております。
また、理科とか数学の充実とか、各教科で記述、それから討論をする学習というのは、私は勉強が苦手な子供には難しいことばかりで、一層二極化というか格差が子供たちの間で広がりやすいんではないかと思っています。
それと、必修となりました武道で、柔術とか剣道、相撲とかなぎなた、これらの専門の先生の確保とか武具とかけがの防止、それから女子生徒への指導等、ちょっと考えただけでも問題は山積していると思うんでありますけども、この件についてはどのように対応されていくおつもりなのか、再質問をさせていただきたいと思います。
それと、学校教育費の削減の対応についてでありますが、先ほど言いましたように今後の地方財政というものはますます逼迫されると、そして自治体としては教育費につぎ込める予算というのも限界があると思います。
そこで、私は学校教育の健全化は、先ほど申しましたようにやはり地域からということに考えております。そこで、これはもう学校長がやっぱり中心となって、学校運営が少しでも自力でできるように地域の企業とか個人も含んで収益を目的とした事業を一緒にするとか、税法上有利に扱っていただいて、毎年何らかの形で企業とかに協力していただくとか、そのような形で地域ぐるみで学校を守る、保護するという形に持っていかないと、これからの学校運営というのはもうできないんじゃないかと思うんでありますが、いかがでしょうか。
それと、これはここまでは市教委でもいいんですけど、これから後は市長にぜひお答え願いたいんですけど、教育立市として我が市を考えた場合、教育費に関しましては予算面でほかの事項に比べて最優先でやっぱり配慮していただかないといけないと思うんですけど、この点についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
それから、自主防災の件でありますけども、先ほどの構成メンバーのことなんですけど、学生を入れるということでお答えいただいたんですけど、多分この行事をやるのは日曜日だと思うんでありますけども、そうした場合、学生に出てくれということになったら、部活とかそれから学校行事等々が入ってきて出れないというのが大概の今までの言葉だし、危機管理室長にそこら辺は横の連携をきちっととっていただきたいと思うんですけども、その辺については命にかかわる訓練でありますので、最優先でこの行事に取り組んでいただきたいと思うんでありますが、お考えをお伺いしたいと思うんですけど、学校教育課の方でお答え願いたいと思います。
それから、救助用の資機材でありますが、危機管理室長から御答弁いただいたんですけども、私はもうどうせこれ使えないというか使えるようにするのが一番の目的だと思うんで、ばらばらになってもできるんであれば、各にはなると思うんですけど、要所要所の個人にもう保管するところがなければ預かっていただいて、実際にその個人から持ち出して使うと、それを管理しながらいくというようなことでもしないと、なかなか1カ所にまとめて、それを管理しながら、みんなが取りに行ってさっとするということはなかなかできないんじゃないんかと思うんですけども、その点についてどのようにお考えなのか、再質問をさせていただきたいと思います。
それで、最後にこれは要望ですけども、この医師の不足というか、市総合病院の件でありますけども、これは全国的な問題で、先ほど市長からのお話もありましたようになかなか難しい問題だと思うんでありますけども、難しいからといってほっとけばもう何もできないのでありまして、行政はもちろんでありますけども、これだけ一生懸命取り組んでいるわけでありますから、我々議員、それから市民、この問題を再認識というかきちっと認識して、例えば縁故関係とか知り合いを引っ張ってくるとか、そういう先生を一人でも引っ張ってこれるように、こういうことをみんなで一つになって取り組まなければこの問題は解決しないと思います。そういうことで、そういう啓発活動をこれからも行政が主体となってやっていっていただきたいと、これは要望ですけど、そういうふうに思います。
以上、再質問させていただきます。
○議長(宮本明裕君) 市長。
○市長(高橋英吾君)
予算のことですけれど、基本的には教育と福祉はなるべく削らないようにしておりますが、全体的にことしは珍しく交付税がどうも余り減らされないということですが、その他固定資産税とか住民税とか、そういうのが少しずつやっぱり減っております。しかし、一番高いのはやっぱり人件費でありますから、また公共事業も相当かかるということで、絶対とは言えないんですけれど、最後までこの2つのとりでは守りたいというのは私の考え方です。
それから、お医者さんですけど、これ愛大に聞いたんですけれど、研修医が東京へ皆行っちゃうんですと、戻ってこないというんですよね、2年たっても、これが現実。それから、大学の医学生というのは年に7,000人卒業します。リタイアが3,000人です。その4,000人が、消えた年金じゃないけど、地方から見たら消えたお医者さんになっちゃって、どこへ行ったんだろうと、恐らくほとんどブラックホール的に都会へ全部吸い込まれると、このようなことで、やはりこれは国が法律で何か決めないとまずいということです。
今回も愛大は5名、地域枠ということでお金を出して、9年間ですか、地方の公立病院へ縛りつけるというんですけれど、この人が入ってからも6年後か7年後ですから、一人前になるのは10年後ということでなかなか厳しいんですけど。もうこれは強権発動して国が法律を決めてやらない限りは難しいと思います。例えば、これからの医学生は10年間地方の公立病院に行きなさい、ただし1年間には3カ月は国内のどこでも自由に研究せえと、10年間のうち3年間は海外での勉強もいいですよと、それぐらいやらないとなかなか難しいんじゃないかと思います。
とにかく全体的な数も少ないし、最初言いました愛大の研修生も東京から戻ってこないと、そういう悲劇的な現実があることをお伝えしたいと思います。
以上です。
○議長(宮本明裕君) 教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
まず、詰め込み教育についてからの問題が出たと思いますけれども、このことにつきましては私も議員さんの言われるとおりだと思うんですが、このことにつきましては早くから教育界ではそういったことを危惧しておりましたので、基礎、基本、教えることはもう徹底して教える、そしてそれをもとにして自分たちで学習できることをということ。ということは、自分から学ぶ教育といいますか、そういうことの指導をしていくと。言葉で言いますと課題解決学習とか、その他体験活動とかそういったもの、子供たちに教えながら学習の仕方を身につけていく、そして社会生活に対応できるような生きる力、それにつながるような学習を今もう既に八幡浜市としては取り組んでおりますから、この学習要領が八幡浜のためにと言ったらオーバーかもしれませんけれども、そういった方向が見えると私はとらえておりますので、各研修を通しながらそういったことはより充実させていきたいと思っております。
それから、体育、そういったものについての武具、その他指導者のこともあったかと思いますけれども、この武具とかにつきましては、確かに購入する費用等問題が出てくるかと思いますけれども、これにつきましてはこうなった以上文部省の方からの補助金とかいろんなことがあるかと思いますから、そういった指導を受けながら、今後また市の方の持ち出しの方とのお願いもしていかなければならないと思います。
また、指導者につきましては、これは柔道会とか剣道会とか、そういった協会の指導者とのいろんなお願いもしながら進めていきたいと思いますし、またそれにつきましては、これもこういうふうな方向性が出たということは文部省でそういった指導の教師の研修とかいろんなことがあるかと思いますから、そういったとこを十分受け入れながら取り組んでいきたいと思っております。
また、地域の協力、特に企業の話が出たかと思いますが、こういったことにつきましてはもう市民総がかりで子供たちの指導にということでございますから、そういう意味ではもう言われるとおり地域の方々、企業の方々の御指導も受ける必要があるかと思っております。
現在は市内の地域、公民館を中心にしながら、いろんな力をおかりして学校では生きる力につながるような活用ができておりますし、学校によりましたら地域の方の協力が延べ二、三百人になるとこもあるかと思います。特に議員さんのおられる松蔭校区等につきましては、学校へ来ていただいていろんなPAの指導とか、その他歴史的なこと、また産業のこと、そういったことを地域の皆さんが力になっていただいて子供たちに御指導いただいておりますから、今後ともそういったのはお願いしていきたいと思っております。
それから、防災につきましては、言われるとおりでございますので、学校としてもその協力はできるかと思いますけれども、日曜日の関係もございます、これはそのとおりでございますが。まず、今年度も川之石小学校が地域ぐるみの学校防災推進指定を受けましたので、津波や火災、いろんなことを危機意識を持って訓練をやってくれました。そういった中で、地域の方、保護者の方の協力を得てやっておりますから、そういった成果を全市内の学校に生かすように先日も指導したところでございます。
と同時に、やはり防災関係につきましては、これは各公民館が主体になってられると思いますので、そこへかかわられる保護者の協力も得ながら、日曜日、休み等での訓練等にも参加ができるような方向へ呼びかけていかなければならないと思っておりますので、また地域の皆さん、その地域でひとつ御協力をお願いしたらと思っております。よろしくお願いします。
○議長(宮本明裕君) 危機管理室長。
○危機管理室長(尾﨑政利君)
新宮議員の再質問にお答えします。
身近な場所に救助資機材の保管をの質問であったかと思います。家屋等の倒壊により自力脱出困難者を地域住民が救出するために備えた救助資機材でございますので、議員御指摘のとおり、小組合とか、10人組とか、町内など小規模な世帯単位の身近な場所、個人の倉庫も含むと思うんですが、そういうところに資機材を保管してあり、災害時素早く使用することがベストであると考えております。
現在もある自主防災会によりましては、それを分散されまして個人の倉庫等に保管されているところもあるわけでございます。保管の管理という点もございますが、今後自主防災会の充実強化の中で個人所有の倉庫等も視野に入れながら問題を検討して対処していきたいと思いますので、御理解のほどお願いいたします。