一般質問 H19.12 宇都宮富夫 議員

公開日 2014年09月05日

〔宇都宮富夫君登壇〕


○宇都宮富夫君 
 私は、質問通告のとおり、市長の政治姿勢について、市立八幡浜総合病院の経営に絞って質問をいたします。

 御承知のように、全国的に自治体病院の経営が悪化するとともに、医師の確保が困難となり、これまで地域における基幹病院としての地域医療の維持、確保に重要な役割を果たしてきた自治体病院が大変厳しい状況に置かれております。

 当市の市立八幡浜総合病院におきましても、医師不足による一部診療科の存続が危ぶまれ、患者、市民の間に不安の声が出ております。八西地域の中核的病院としての役割にかんがみ、市民ニーズ、医療需要の動向を踏まえ、市立八幡浜総合病院の医療提供体制を維持、発展させることは極めて今日的な重要な政治課題であると思います。

 市立八幡浜総合病院の経営につきまして、それに絞って、以下の点につき質問をいたします。

 1点目は、市立八幡浜総合病院の開設者の権限、責任と病院長の権限、責任の明確化についてであります。

 病院経営の人事、予算等の権限及び経営責任はだれにあるのか、またその根拠法は何か、改めて御見解をお伺いいたしたいと思います。

 2点目は、当病院経営の自己評価についてであります。

 平成11年度から18年度にわたる病院事業収支決算の主な科目の推移に基づく病院経営、悪化の自己評価について率直な御所見をお伺いいたします。

 3点目は、医師の確保及び定着化対策についてであります。

 医師不足による一部診療科の存続が危ぶまれ、患者、市民の間に不安の声が出ておりますことは皆さん御承知のとおりでございます。市長、病院長の御苦労も推察いたしますけれども、当病院の17診療科のうち、医師の退職等による医師不足の現状と医師の確保及び定着化への取り組みについて、医師のモチベーション、動機づけを高める対策を含め、端的にお伺いいたします。

 また、医師不足の原因、背景につきましても、あわせてお聞きしたいと思います。

 4点目は、看護師確保及び定着化対策についてであります。

 看護師の確保及び定着化への取り組みについて、医師確保と同様、看護師のモチベーションを高める対応策を含めて理事者に御所見をお伺いいたしたいと思います。

 また、募集人員に満たない応募の実態など、看護師確保の困難性につきましても、その原因、背景についての認識を問いたいと思います。

 5点目は、患者満足度の向上対策についてであります。

 先般、八幡浜市職員労働組合医療評議会がエデュネット協会代表を講師に招きまして、病院職員を対象にした自主的な接遇研修会を2日間にわたり開催しておりました。医療評議会の役員は、今回の研修は意識改革につながり、一人一人が思いを込めたサービスの向上になればと地方紙のインタビューに答えておりました。病院経営におきまして患者満足度の向上が重要なポイントであり、患者、市民の医療サービスへの信頼と支持が病院経営を支える大きな柱であります。当病院における患者満足度の向上対策の取り組みについてお伺いをいたします。

 6点目は、医療機関の機能分担と連携についてであります。

 病院と診療所、民間の医療機関と公的医療機関の機能分担と有機的連携を推進し、医療需要の多様化、高度化に対応する必要性が指摘されております。市立八幡浜総合病院と市内の病院、診療所の機能分担と相互連携及び患者紹介の比率向上に向けた取り組みはどのように進められているのか、この点につきましても理事者の御所見をお伺いいたします。

 7点目は、救急体制の整備、機能分担についてであります。

 医師の確保、定着化対策とも関連しておりますが、医師の過重勤務の原因に救急医療の過重な負担があります。当市には、初期救急施設として八幡浜地区施設事務組合の休日・夜間急患センターが市立八幡浜総合病院敷地内に設置され、2次救急病院として市立八幡浜総合病院がございます。初期救急、2次救急の機能分担や救急医療体制の整備を一層進め、医師の過重勤務を解消する必要がありますけれども、その対応策についてお伺いしたいと思います。

 8点目は、病院財政の経費負担区分についてであります。

 自治体の行う病院事業は、独立採算制の原則による公営企業としての経済性の追求と公共の福祉増進を目的とする公共性を優先するいわゆる不採算部門をあわせ持つ事業であります。地方公営企業法では、事業経費の負担区分が定められ、本来受益者負担になじまない経費及び性格上能率的な経営を行ってもなお不足する経費につきましては、一般会計が負担すべきものとされております。

 地方公営企業法の経費の負担区分による一般会計からの繰入額について、当病院の一般会計の繰入額は全国的平均値と比べてみてどのような状況にあるのか、また病院側からの繰り入れ要求額と実際の繰入額はどうなっているのか、過去3年につきまして明らかにしていただきたいと思います。

 9点目は、病院給食業務の民間業者への委託化に伴う問題点についてであります。

 来年4月から市立八幡浜総合病院の患者給食業務が民間業者に全面委託されることが今議会初日の議員協議会で理事者より明らかにされました。業者選定等の委託化に向けた準備が今後進められると聞きますけれども、委託化に伴う問題点について理事者の見解を問いたいと思います。

 1つ、入院患者のために職員が長年にわたり汗を流し、培い、練り上げてきた病院給食業務の技能が切り捨てられて、直営の職場がなくなることは、職員のやる気、モチベーションにも影響すると思うのであります。職員が安心して働ける職場づくりに責任を持つ経営者として、直営を維持するためにこれまで最大限の努力をどのようにされてきたのか。

 2、年間の病院給食食材購入額は幾らか。また、病院給食業務の民間業者への委託後、地元の食材納入業者との取引停止が考えられますけれども、そうなれば地元食材納入業者の死活問題となり、地元経済に及ぼす影響も大きいと思うのでございます。この点についての対応はどのようにされるのか。

 3、業務委託後、病院側から給食委託業者への指示、命令についてでありますが、問題発生時におきまして医療現場と給食現場の管理組織が異なることが障害となり、病院サイドの指示、命令が現在よりも迅速に実行されないおそれがございます。

 以上の諸点につきまして理事者の御所見をお聞きしておきたいと思います。

 10点目は、今後の市立八幡浜総合病院の目指すべき将来像、方向性と実現可能な方策についてであります。

 医師不足や経営悪化等公立病院を取り巻く状況は全国的な問題であり、地域医療の中核的役割を担う公立病院の医療提供体制の維持が大変厳しい状況に置かれており、当市の市立八幡浜総合病院も例外ではございません。

 私は、地域医療の中核的病院として市立八幡浜市総合病院を維持、発展させていかなければならないと考えております。地域医療が大変厳しい状況を迎えている中で、一日も早く今後の市立八幡浜総合病院の目指すべき方向性と実現可能な手だてを早急に打たなければならないと思います。地方公共団体の財政の健全化に関する法律の成立、施行を受けて、病院事業も法適用の対象となり、さらに先般の総務省が出しました公立病院改革ガイドライン()が示されるなど、いわば上からの公立病院改革への動きが加速しております。

 そこで、端的に質問いたしますけれども、市長は市立八幡浜総合病院をどのような方向に導こうとされるのか。当面の課題に対する早急な対応と中・長期的視野での市立病院の将来像、方向性をお示しいただきたいと思います。

 また、地域医療を守るため、市立八幡浜総合病院関係者、八幡浜市行政はもとより、患者の皆さんを初め市民、関係機関各位の幅広い理解と協力を得て、八幡浜市全体で市立八幡浜総合病院の厳しい状況を乗り越えていかなければならないと思うのでございますけれども、市長の御所見をお伺いいたしたいと思います。

 以上で私の質問を終わります。

○議長(宮本明裕君) 市長。


○市長(高橋英吾君) 
 宇都宮議員の市立八幡浜総合病院の経営について、
10点ばかりあるんですけれど、私総合的に10番を中心にして回答していきたいと思います。

 10点目の今後の市立八幡浜総合病院の目指すべき将来像、方向性と実現可能な方策についてでございますが、議員御指摘のとおり、医師不足や経営悪化等、当院を取り巻く環境も非常に厳しい状況でございます。当面の対策でございますが、本年2月に自主経営健全計画を策定しております。医師の確保対策と医療連携による機能分担と連携が急務であるとし、計画の柱となります常勤医師確保と医師の定着化や病病・病診連携の強化推進など8つの取り組み項目を掲げ、努力しているところでございます。

 特に医師不足に関しては、研修医制度ができまして、非常に大学へ定着する人たちが全部あちらこちら散らばっております。来年度も何と研修医さんは東予、南予、そのうち宇和島病院だけ3名だけ、あとはゼロでございます。ほとんど松山とかよそへいくという、非常に悲惨な形ができております。これが大体四、五年続くそうでありまして、4年後か5年後には大丈夫と言うんですけど、非常に不安がございます。いわゆる医師そのものが地方へ来てくれない。私はよく言うんですけれど、松山は小型ブラックホール、東京、大阪は大型ブラックホールで、何でもかんでも吸い込んでいくと、我々地方は非常にそれによって抵抗できないというのが現実であります。

 そういうことで、最も重要な課題は、地域医療を担う我々公立病院としては医師の確保が最大の目的でありますが、そういう状態であります。

 私は、個人的な考え方では、今奨学生制度がありまして、年間3名か4名ぐらいはおったんですけれど、その人たちも地方へ、たった三、四名ですから、どこへちらほらということです。だから、国が法律を変えて、これがお医者になる人は最低強制的に10年間は地方へ行って勉強しなさいという以外は、もうすべて都会志向型ということで、やっぱり国の法的措置がないとできない。奨学金制度は、最近日本も豊かになっておるので、それを借りてお医者になるという人は非常に少ないと。ほとんどお金を持っておるので、そういう点で、医学部へ入って卒業していくと。非常にそういうことで、これからもこのままだとひずみがずうっと続くということです。

 また、八幡浜市立病院は八幡浜管内に県病院がございませんので、まして三崎半島はほとんど病院がない、それから大洲市は大洲市立病院があって、それで似たようなのが2つ、3つあるわけです。大洲市立病院はいわゆる採算性の合わないのは切って捨てておると。しかし、八幡浜市の場合は、もうできる限り、お医者さんがいない科はしょうがないけれど、ほとんどもう持っていかないといけない。今度も眼科の先生がやめるんですけど、この眼科の先生も救急医療の場合は当番しなきゃいけないんで、内科や外科が来たらなかなか難しいと、そういうジレンマもあったということです。

 そういうことで、医師不足と救急医療、八幡浜市の公立病院ですから365日やっておるんで、できたら週に2回ぐらい、大洲か松山かに救急を、話し合いによってお願いしないと、市立病院の先生はとてもじゃないけど疲労こんぱいでもう嫌になったということでやめられるおそれがあります。

 そういうことで、一番大事なのは医師不足、それに伴う救急医療の体制、ここらこれから具体的に出てくると思います。

 もう一点は、老朽化、狭隘化している病院の改築整備でございますが、これにつきましては、本年、市立八幡浜総合病院の整備検討委員会を立ち上げ、御検討をいただいておるところであります。また、病院の目指すべき方向性につきましても整備検討委員会で協議いただいているところですが、当院はこの八西地域の中核病院として唯一2次救急医療を担っている病院であります。また、災害拠点病院でもありますし、原子力災害の初期被爆医療機関というような政策的な医療機能も有しております。

 そういうことで、病院をやりたいなと思っているところで、三位一体改革によって交付税、補助金、その他が非常に減らされております。現在約180数億円のうち自由に使えるお金は24億円程度です。それが、平成23年度までに毎年4億円から5億円減らされますから、4年たったら16億円減らされて自由に使えるお金が8億円です。そうしますと、市立病院をやる場合に、概算ですけれど約130億円かかると、合併特例債が認められても20億円ですから、110億円を市民の税金から出さないといけない。現在のところでは非常にこういう状態になって頭を痛めておるところであります。したがって、お医者さんの問題、それから新しく建てかえるにも財政の問題、この2つがあるわけであります。このことだけでもその他のものは、例えば港湾振興ビジョンはある程度順調にいっておりますが、最大はこれから市立病院をどうするのか、これが私ども行政の最大の問題であります。

 御指摘の公立病院改革のガイドラインを示されておりますように、経営手法や病院の規模等の見直しは必要でございますが、市民の皆様の理解、医師会等の関係機関の協力をいただきながら、良質、安全な医療を継続的に提供し、市民の皆様が安心して日常生活が送られるようにすることが市としての責務であり、また当院の使命であると考えています。

 したがって、市の最大問題はこの市立病院をどうするかということで、我々もそうですけれど、議員の皆様、それから市民の方々に御理解を得ながら今後進めてまいりたいと考えております。

 その他の問題に関しては担当課長より答弁をさせます。

○議長(宮本明裕君)  病院事務局長。


○市立病院事務局長(柏木幸雄君) 
 大綱
1の市長の政治姿勢についての市立八幡浜総合病院の経営について、あと9点ございます。回答を申し上げます。

 まず、1点目の開設者の権限、責任と病院長の権限、責任の明確化についてでございます。

 地方公共団体の長は団体の統轄及び代表であり、自治行政権等を有しております。また、市立八幡浜総合病院の開設者は市長であります。市長は、地方公営企業法の適用を受けている病院の運営についての医療方針を初め、予算、人事、給与などの管理及び監督の責任が課せられております。

 また、院長の職務権限につきましては、条例によりまして市長の命を受けて院務、いわゆる医療を中心とした病院事業全体を総括し、職員を指揮、監督するほか、病院の管理運営の責めに任ずると定められてございます。

 それから、2点目の病院経営の自己評価についてでございます。

 平成11年度から18年度の病院事業決算収支における状況でございますけれども、11年度末の累積欠損金は49,700万円でございました。その後、平成12年度から13年度にかけては単年度黒字となり、累積欠損金は約1700万円と軽減されてまいりました。翌14年度から単年度赤字経営となり、18年度末での累積欠損金も累増し、76,800万円程度となってございます。

 この経営悪化は、当院の経営努力の問題だけでは解決しない、医療費削減を目的とした医療制度改革など外的環境問題による影響が大でございます。具体的には、病院収支の基礎となる診療報酬が平成10年度以降マイナス改定が続き、18年度までで、全体で7.96%と大幅なマイナス改定がなされております。単純試算では毎年4億円程度の影響を受けておるわけであります。

 さらに、医師の減少、圏域人口の減少、一方固定費であります給与費などの義務的経費の占める割合が高いことなどが主な要因と評価をいたしております。

 3点目の医師確保及び定着化対策についてでございます。

 当院の常勤医師は、121日現在で32名と、それから研修医4名の36名体制でございます。平成153月末では39名の常勤医師が在籍、このピーク時と比較しますと7名が減少いたしております。特に、脳外科、内科、消化器、循環器科専門医などが補充できない状況であります。

 この確保対策といたしましては、関連大学医局への招聘を初め、国、県の緊急医療対策との連携強化、さらには自治体病院協議会、民間医師紹介業者への登録による募集を行っておりますが、補充できない厳しい環境が続いております。

 さらに、203月末までに内科、脳外科、眼科などが退職が予定されておりますが、常勤医の補充は非常に困難な状況であります。中核病院としての機能性の維持と役割が果たせるか懸念をいたしておるところでございます。

 この医師不足の要因につきましては、先ほど市長が申しました新臨床研修制度の創設による医師の都会志向、それから診療科偏在による地域勤務医の不足、さらに当院の過酷な勤務体制、特に年間を通じての救急医療受け入れのための当直、それから当直明けの連続勤務、オンコール呼び出し体制、さらに専門以外の診療行為によるリスク、ストレスなどが重なり、大変疲弊をしておるというのが現状でございます。こういった勤務体制、さらに退職医不補充により残った医師への負担が増加するものでございます。

 対策といたしましては、常勤医師の処遇改善を初め救急医療の輪番制の確立、医療の集約化、病院、診療所との連携による役割分担など、近隣自治体との一体的な医療体制づくりが喫緊の課題であると考えております。

 4点目の看護師確保及び定着化についてでございます。

 当院の看護師体制は、今年121日現在で正職員181人、臨時職員24人の205人体制に加えまして、看護助手41人の246人体制であります。最近の看護師確保につきましては、診療報酬上、より有利な71の看護基準に大病院を中心に選択をしておりまして、看護師が大病院に集まり、地域、特に南予地域には看護師不足状況に陥っております。当院におきましても、毎年定期的な公募を行っておりますが、近年は定員を下回る応募となり、医師確保対策同様、厳しくなっているのが現状でございます。今年度は、6月公募で7人を採用予定、さらに11月、再募集を行い、7人の応募があり、先日122日、採用試験を行ったところでございます。

 当院の看護師が求められる役割は、医療の高度化による看護の複雑化を初め、高齢化による身体介助など日夜大変ハードな勤務を強いられております。また、医療過誤等に対する個人責任問題への全面的支援対策など、安心してより安全な看護の提供ができる環境整備が定着化につながるものと考えております。

 5点目の患者満足度の向上対策についてでございます。

 議員御指摘のとおり、病院運営におきましては患者満足度は大変重要なポイントの一つでございます。医療の提供は、患者と提供者双方の信頼関係で成り立っており、医療提供においては患者の立場、個人の人格、人権を尊重し、医療に関し自己決定できるインフォームド・コンセントが大変重要でございます。医療高度化に伴う日々の研さん初め、患者本位への意識改革、接遇研修などを継続的に実施し、信頼の構築に努めるものであります。

 6点目の医療機関の機能分担と相互連携についてでございます。

 当地域の医療は、県立病院、大学病院を初め市立宇和島病院など3次医療機関を中核として、当院を含めた公立病院などが2次医療を受け持ち、さらに1次医療を診療所などで対応するものでございます。役割機能分担を図りながら、相互連携により医療を完結いたしております。

 こうした中、医療技術の進歩と同時に市民の医療ニーズもより高度で専門化し、ニーズにこたえられる機能性については広域の中での連携強化が必要であります。市立大洲病院などとの連携を初め、八幡浜医師会と共存できる体制の確立が重要でございます。さらに、院内機構といたしまして、医療情報管理室の設置による連携強化に努めております。

 具体的には、病院、診療所などとの連携実績は、1811月から1911月の間で、当院への紹介を受けた患者数は3,651人、月平均で280人、関係医療機関では市内42施設、大洲11施設、西予11施設、伊方9施設、その他から紹介を受けてございます。

 一方、当院から紹介した患者数は2,830人、月平均で217人でございます。四国がんセンター、県立中央病院、愛媛大学病院、市立大洲病院などへ専門医療受診への紹介、さらに当院での治療後の市の市内医療機関への逆紹介をしており、この病診連携は年々増加いたしております。

 7点目の救急体制の整備、機能についてでございます。

 救急体制についての当院の役割は、2次救急医療、これにつきましては手術や入院を中心とした重症の急性期医療を言うわけであります、この提供にありますけども、現実といたしましては、1次救急医療を含んだ2次救急医療全般について年間を通じた毎日の医療提供を行い、医療上の安心を保障してきております。

 しかし、消化器、循環器科、脳外科などの専門医師の減少により、夜間、休日時の救急対応に影響が出ていると同時に、常勤医師への負担が増加し、大変疲弊をいたしておるというのが現状でございます。現在、消化器、脳外科の高度専門医療の必要な救急医療につきましては、当院で初期医療対応後、3次救急医療病院を初め市立大洲病院、大洲中央病院などとの連携により対応をいたしております。

 救急問題は、行政としての喫緊の課題でございます。現在副市長を中心として、県、近隣自治体との救急のあり方初め、救急体制の問題などについて協議を開始いたしているところでございます。

 8点目、病院財政の経費負担についてでございます。

 病院事業は、公営企業法第3条で常に企業の経済性を発揮するとともに、本来の目的であります公共の福祉を増進するように運営しなければならないと規定をされております。病院事業への繰り出し基準の考え方につきましては、議員御指摘のとおり、地方公営企業法で定められ、さらにこの基準にも一定の制限が設けられております。当院の繰り出し基準に該当する経費総額は、16年度で34,9277,000円、実質繰入額23,0581,000円、17年度52,9594,000円に対しまして繰入金27,5379,000円、18年度46,7517,000円に対しまして36,1085,000円の繰入措置を受けております。基準額より約1億円以上の差が出ておるという状況でございます。

 また、17年度決算での一般病床当たりの繰入額でありますけども、全国公立病院平均で1床当たり2983,000円、それから全国の市立病院平均では2131,000円でございます。当院は17年度で794,000円、18年度におきましては特別繰り入れによりまして増額をいただいております。それでも1041,000円となっております。いずれも低い額で推移をしておるわけでございます。このことは、一般会計への依存度が低い状況であります。その時々の経営努力は十分認めていただきたいと考えております。

 それから、9点目であります。病院給食業務の民間委託化に伴う問題点についてでございます。

 この中で、3点ございました。最大限の努力をしたのか、それから給食材料費の総額、地元業者の影響、対応、それから給食現場との指示命令の迅速実行への懸念ということでございます。まとめまして回答申し上げます。

 健全化への取り組みにつきましては、時代時代の医療環境に合わせ、病院全体として改革に取り組み、業務委託化などによる経費削減、一方、病棟再編、看護基準の101の上位基準への変更などによる増収対策を講じてまいりました。

 給食部門では、管理栄養士による外来・入院指導の拡大による増収対策、経費削減対策といたしまして、各病棟での配茶業務の廃止、調理員の減員など改善に取り組んでまいっております。

 次に、18年度の材料購入総額でありますけども、5,750万円が決算でございます。内訳として、26業種、43社から購入をしておりまして、そのうち市内業者から3,950万円、率にして68.7%を占めております。33社から購入をいたしております。

 また、市内業者への対策といたしましては、受託業者に対し地元業者優先的利用について求めてまいります。しかし、市内業者におきましても競争力に勝てる努力を願うものでございます。

 最後に、現場への指示命令の迅速化につきましては、病院側栄養士、受託業者側栄養士が同じ部屋で勤務をいたしております。目的としましても、良質な給食の提供を目的といたしておりますので、現在と同様な迅速な対応ができるものと確信をいたしておるところでございます。

 以上でございます。

○議長(宮本明裕君)  宇都宮富夫君。


○宇都宮富夫君 
 この病院をめぐる状況というのは、知れば知るほど非常に厳しいものがあると、医師確保につきましては非常に見通しが立ちにくいと、それによるやはり一部診療科の今後の見通しも非常に厳しいものがございます。そして、そのことによってまた経営が苦しくなるということで悪循環をして、本当に地域医療の中核である市立病院というものの運営が予想以上に厳しいというのが、今回の質問を通していろいろ実態を調べた結果の私の実感でございます。

 それで、個々の課題につきましては理事者から答弁がございましたが、私はあえて再質問はいたしません。今の時点ではいかにこの市立病院を市を挙げて支えるかというのが大事な課題だというふうに考えております。ですから、その支える体制、患者さんはもちろんのこと、市民も広範なやはりそういう意識を醸成する、地域医療を守ろうという声を上げるように、市長を先頭にそういうようなことを喚起する必要があるんではないかというふうに思います。

 八幡浜市誌で調べてみますと、旧八幡浜町で病院を昭和の初めにつくりましたが、その市誌によりますと地元住民の熱意と関係者の努力でこの町立の八幡浜総合病院ができたと。その市誌の記述では、八西地区の中核病院というよりは南予地区の中核病院として発展させようという意気込みが記述されております。私は、そういう意味で、市立病院が設立された原点に立ちまして、市民、それから開設者の市、患者さんはもちろんですが、そういうことで一致結束してこの難局に当たってほしいという気持ちでいっぱいです。また、そのことを市長初め病院関係者に切に望みまして要望にかえたいと思います。市長決意のほど、最後決意ひとつ、そういう意味の決意をひとつお伺いしたいと思います。

○議長(宮本明裕君)  市長。


○市長(高橋英吾君) 
 ただいまの要望に対してですけれど、この八幡浜市立病院は設立当時から南予の中核病院ということで、西宇和郡伊方町、八幡浜、現在西予市、それから大洲市と、この中心で、特に伊方町、それから旧宇和町、旧三瓶町からは患者さんが非常に多いということで非常に頼りにされておると。

 そういうことで、私が最初に申しましたように、やはり我々の努力だけではいけないけれど、最低として市民の応援、特に市立病院へ行ったら病気が治らないとか、治るとか、そういうこっちゃなしに、私が聞いておりますと、特に心筋梗塞なんか具体的に2人から近くにあるので助かったという経営者の方がおりますが、そういうことで、ぜひ皆さん方も協力するとともに、議員さんもなるべく市立病院を使っていただいて経営の一助としていっていただきたいし、これから我々も努力してやっていきたい。

 特に、救急に関しては、副市長に命じて、お医者さんがとにかく365日耐えられないというぎりぎりのとこに来ておりますので、我々は総力を挙げて、県に対して救急をもっと、人ごとのように言わないでしっかり考えていただきたいと、こういうことでぜひ交渉していきたいと思います。ありがとうございました。

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