一般質問  H19.3 井上和浩 議員

公開日 2014年09月05日

〔井上和浩君登壇〕


○井上和浩君 
 質問に先立ちましてですけども、今回私の方から
5点ばかり質問を通告をしております。中の2点につきましては今回で3回目あるいは4回目となるような大変しつこい質問をしております。それだけに、私どもの方としては重要な問題であるという認識のもとでやっております。どうかお許しをいただいて、質問通告書に従って質問させていただきたいと思います。

 それでは、当市にとっても財政改革が喫緊の課題であるこの時期、新型交付税措置も期待どおりの結果にはなりませんでした。新八幡浜市総合計画における政策で問題とすべき重要な大型プランが山積みであることも十分承知をしているつもりであります。今回は、あえて市民の皆様の日常の生活に密接した課題の中から、次の大綱5点につき、一般質問通告書に従って質問をさせていただきます。

 第1点は、交通弱者への対応についてであります。

 株式会社の裁量で赤字路線の公共交通機関が自由撤退できるようになり、双岩地区が運行中止、これに関連をして1712月議会において将来推測をされる社会構造、人口構成などから、先の時代を憂慮してその対応につき質問をしたところであります。

 これを受けて、素早く翌1月にはこのことに対し各課で構成する若手グループにより検討委員会を立ち上げていただき、生活交通手段に関する検討結果報告書が提出をされております。その報告書によると、市が運営をする生活交通及びそれに対する支援事業ほか多岐にわたり詳細に調査をいただき、その労力に対し心から感謝をいたしているところであります。検討班においてのこの問題に対する総括的なまとめで積極的な具体策に及ばなかった大きな理由として、住民ニーズの大きさが掌握し切れないことが大きな原因として上げられております。交通弱者とされる高齢者の人口はますますふえ続ける中、将来を見通し、一元的に対応のできる組織の必要性も結論づけてあります。

 地域住民ニーズの調査、交通弱者対策に対する組織づくり、この2点につき今後の取り組みとその考えをお尋ねをいたします。

 第2点は、交通の安全と渋滞対策に関連をして、高規格八幡浜自動車道の建設も着実に進捗をしており、当市における交通渋滞の緩和に影響が大きいものと完成の時期を期待をして待っているところであります。

 しかしながら、完成までにはまだまだ年月を要し、モータリゼーションの波が目に見えて衰えを見せるということは考えにくいのが現状であります。

 そこで、当市における幹線道路での交通渋滞の要因の一つに、抜け道として有効に利用できる道が少ないことが大きく影響しているかとも思われるのでありますが、特に通勤、通学に利用頻度の高い市道に、祇園橋から広瀬に抜ける市道があります。ここ数年の間に矢野医院のあたりより祇園橋に向けて市道の拡幅改善がなされて車の流れがスムーズになったと同時に、交通の安全がより確保できたように思われ、協力いただいたそれぞれの関係者の皆様に心より感謝の気持ちでいるところです。

 ただ、一部祇園橋交差点に近い手前数十メートルの道幅が狭いため、離合が難しく、交差点の信号のリズムと車の進行、タイミングが合わず、通勤時間帯など交通渋滞の大きな原因になっております。この狭い道を自動車やオートバイが並列走行したり、車の間を縫って走ることも多く、交通安全という面からも改善の必要があると思われるが、早い時期の市道拡幅の考えはないかお伺いをいたします。

 第3点は、市道の補修と舗装整備について、当市の市道にあっては、市民の皆様の多くの方が気づかれていると思いますが、継ぎはぎの舗装がやたらと目立ちます。天候の悪い雨降りなど、アスファルト舗装でありながら水たまりができているところが多く、往来する車によって走行車がたまり水をはねかけられる光景を見ることがあります。

 旧八幡浜市における図書館と市民会館に挟まれるようにある幾分道幅のゆったりとした数十メートルの市道においても、やはり水たまりのできるような同様の状態であるように思われます。この場所、この空間は、市内、市外から大勢の方が訪れ、年間を通して何度となく文化に触れる機会の多い場所として、また旧八幡浜市にとっては玄関口とも言える大切な位置関係にあると思われます。周辺にあるそれぞれの文化施設と調和のとれた舗装に計画されてはどうでしょうか、考えをお伺いをいたします。

 第4点は、バス路線について。

 当市には、九州に開けたフェリーの発着港がありながら、フェリー利用客が港まで歩いている光景をよく見かけます。港方面行きのバスは、三崎八幡浜高速バスとJR高速の数便が松山から連絡をして運行されているだけの状態であります。人の流れの変化や社会構造の変化、また今後計画されている港開発などをあわせて将来構想を考えてみても、大黒町角愛媛銀行より八幡浜港道路を経由する市内バスが必要と思われるのですが、お考えをお伺いいたします。

 第5点は、市立総合病院の恒久的対策についてであります。

 八幡浜市の重要施策に、八西地域の中核病院としての市立総合病院のあり方にはとりわけ市民の関心も強く、本会議の総括説明においてもその必要性が努力目標を示して述べられたところであります。

 地方財政計画は、三位一体の改革以来普通会計予算においても大変厳しい状態が続いて、公営企業のあらゆる分野で統廃合、縮小、民営化が進められております。

 自治体病院においても、その環境は国の医療制度、医療費抑制施策などによる影響で経営という側面から見る限り大変厳しい現状があります。地域の実情に応じ不採算地区の医療、救急医療を含む地域の医療水準の向上を大きな目的として運営がなされてきた歴史があります。自治体病院の経営改善は、行政も地域住民も現実を直視した上でしっかりと議論をする必要があると思われます。

 病院事業に対する一般会計からの繰出金は、地方財政計画に計上することができ、その一部が交付税によって財政措置が講じられております。しかし、このことは能率的な経営を行っても、なおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費となっております。19年度事業会計予算書を見る限り、18年度に続いて本年も一般会計からの繰り入れをした上で赤字予算が組まれていますが、その場しのぎの政策ではなく、今後の病院の健全計画においてはこのような状況が慢性的な症状とならないような努力が求められるところであります。地域の医療をリードすると同時に、頼れる公立の中核病院として健全化に向けての具体的対策についてお聞かせをください。

 以上で私の質問を終わりますが、時間も大分迫っておりますので、どうか再質問をしなくても済むような誠意のある御回答をお願いをいたします。

○議長(宮本明裕君)  市長。


○市長(高橋英吾君) 
 井上和浩議員の大綱
512年連続の赤字予算計上について、健全化に向けての具体的な今後の対策についてであります。

 御案内のように、病院事業の収入支出予算は、平成18年度35,537万円、19年度11,889万円の2年連続の単年度赤字予算の計上を余儀なくされているところでございます。

 この赤字経営が長期的に続けば、内部に留保されるべき減価償却費等の現金支出を伴わない資金が欠損金に食われて資金不足が生じ、健全な財政運営ができないこととなり、大変憂慮すべき事態であると考えております。

 議員御指摘のとおり、漫然とした赤字予算調製は許されるものではないことは自覚いたしております。ただ、現在の医療費抑制を中心とした医療制度及び脳外科、内科、消化器科、泌尿器科医師の減少の中で患者の増加による収益の増加が見込めないことから、やむを得ず2年連続の赤字予算を調製せざるを得なかった環境であります。

 当院の存在意義である良質で安全な医療を継続的に提供していくため、今回策定した自主健全化計画に基づき、医師の確保、定着化を初め職員の定数管理、経営の削減対策、収入増対策など実現性を高めるため、計画、実行、評価、改善のサイクルを実践し、収支均衡に努め、公立病院としての機能性と役割を果たしてまいりたいと考えておりますが、要は計画は立てれます。一番の大事なことはお医者さんがいないということなんです。

 そして、いろいろ専門家に聞いたり、東京でいろいろ話を聞きますと、やはりインターン制度というんですか、研修医制度、これが三、四年たつと機能が循環してお医者さんが戻ってくるだろう。まず、大学病院へ戻ってくると、大学病院から地方へ派遣されるということが大体わかってきております。一度私が聞いたときによりますと、毎年5,000人のお医者さんがふえて、リタイアが、退職するのが1,000人、とにかく最近新聞を見ておりますと7,000人ふえておると、数字が最近の新聞を見ておりますとこの前の情報とちょっとは違いますが、どっちにしても日本全国ではふえておるということなんです。我々の力ではある程度我慢をしなければいけないし、努力にも限界がありますが、この3年から4年一生懸命頑張れば、次の明るい日が見えてくるんではないかと期待しております。現状でございます。

 その他の問題に関しては、各担当課長より答弁をさせます。

○議長(宮本明裕君)  政策推進課長。


○政策推進課長(田中正憲君) 
 井上議員の大綱の第
1の交通弱者への対応についてお答えをいたします。

 御質問のように、昨年1月に総合計画検討班の班員の中から関係部長等の職員8名を選抜し、生活交通手段検討班を設置して生活交通手段について検討をいたしてまいりました。

 検討班では、現状と課題を分析し、検討テーマを交通弱者への対応をどうするかということに絞り込んでパソコンのネットワークシステム等も活用しながら、大変公務が忙しい中、鋭意検討を重ね、昨年3月に報告書としてその成果をまとめてございます。

 検討結果は、行政組織内のワーキンググループには限界があり、具体策についての必要性、すなわち住民ニーズを正確に把握するところから検討を行うべきということで、行政、住民及び事業者で構成する実践的な組織をつくり、住民のニーズを見詰めつつも、時々の風潮に左右されない、住民の福祉と費用対効果のバランスが図られた施策を検討すべきであるとの結論でまとめてございます。

 さて、御質問についてでございますが、まず1点目の地域住民ニーズの調査でございますが、路線バスにつきましては、過去に廃止路線や減便される場合、当該地区へ出向き事情を説明しておりますが、結論としては利用者が少ないことが最大の原因であり、業者も赤字路線を維持することはできず、市もその路線に対する多額の補助を続けることができないため、廃止やむなしというケースがほとんどでございます。実績イコールニーズというわけではございませんが、路線バスの利用実績あるいはバスやタクシーの利用助成である外出支援事業の実績等も踏まえまして現在対応を検討中でございまして、地域の皆さんのニーズの把握については今後検討してまいりたいというふうに思っております。

 次、2点目の交通弱者対策に対する組織づくりにつきましては、行政改革を進め、組織のスリム化を図っている現状におきましては、役所内に新たな部署を設置することは無理と考えております。が、既存の関係部署間で連携を密にし対応できるよう、若手ワーキングと同様に対策委員会等の立ち上げについて検討してまいりたいと考えております。

 また、庁外的な組織としましては、道路交通法の改正により自家用有償旅客運送を行う場合には、地域公共交通会議または運営協議会を設置することが必要になりました。この協議会は、市町村、地方運輸局、利用者、地域住民、バス、タクシー等関係交通機関等で構成されますので、この設置、活用についても検討をしてまいりたいというふうに思っております。

 次に、大綱4点目の路線バスについてでございますが、議員が御提案のように、八幡浜港振興ビジョンを考える上におきましても、港を起点としてJR八幡浜駅あるいは中心市街地の商店街を結ぶ交通手段は必要であると考えております。八幡浜港振興ビジョンを進めていく中で、交流拠点としての港を中心として、フェリー利用客だけでなく市民の皆さんにも多く利用していただくような方法について、関係機関とも協議をしてまいりたいというふうに思っております。

 以上であります。

○議長(宮本明裕君)  建設課長。


○建設課長(菊池賢造君) 
 大綱
2、交通の安全と渋滞対策についてお答えします。

 矢野脳外科前の交差点改良に関しましては、すべてについてはまだ完成しておりませんが、多くの方からよくなったなあとの声をいただき、やってよかったなあと公共事業に携わる者としてやりがいを感じているところであります。

 御質問の箇所は、平成17年度に測量を行い、拡幅の計画案は既にでき上がっております。測量調査の立ち入りに際して、関係地権者の皆様には事業の趣旨についてある程度御理解いただいております。今回古い家屋を取り壊しされた地権者には、将来道路として必要な部分を考慮して建築計画をお願いしているところであります。

 その他の箇所では、支障家屋が2軒、立派な塀が1カ所、駐車場スペース2カ所ほどがあり、そう簡単にはいかないだろうなあとは思いますが、前段の箇所ができたのですから不可能ではないと思っております。公共事業、とりわけ道路事業に関する予算が厳しい現状ではありますが、市全体での優先順位を考慮し、家屋補償費、用地補償費、工事費を明確にし、関係課と協議しながら前向きに進めてまいりたいと思っております。

 続きまして、大綱3、市道の補修と舗装整備についてお答えします。

 御指摘のとおり、八幡浜市の文化施設、図書館、市民会館などが建ち並ぶ市道広瀬本町築港線、長さ95メートル区間の舗装は、損傷が目立ち、周りの文化施設と調和のとれた舗装とは言いがたい状態であります。

 当課では、その状況を理解し、同時に自転車、歩行者の安全性向上、さらにバリアフリー化を図る目的で、平成16年度より同区間の舗装改良計画を立案しておりますが、厳しい財政状況の中で他の道路改良要望箇所との調整で工事着手ができてないのが現状であります。

 今後、文化ゾーンとしての重要な位置づけとして、道路改良箇所の優先順位を再考してまいりたいと考えております。

 なお、観光バスなど大型車が頻繁に進入することから、カラー舗装などは適当でないと考えております。

 以上でございます。

○議長(宮本明裕君)  井上和浩君。


○井上和浩君 
 
1点だけお伺いをしたいと思います。

 1番の交通弱者の対応の件につけてですけども、いわゆる先ほどの課長の説明によりますと、委員会等をまた立ち上げていただき今後検討するというふうに解釈をいたしたわけなんですが、その前にお答えをいただきました地域住民ニーズの件につけてなんですが、当初廃止する段階において地域に説明に上がって、そのときの状況から現状がこうなったというふうな説明であったように思うんですが、今回特にお願いをしましたのが、その地域住民ニーズの調査をとにかくやってほしいというところに私は質問の重点を置いたつもりでおるわけなんですけども、今現在福祉関係から年間13,200円というタクシー券等が出されておりまして、それの利用されてる方もあるとは思うんですが、その使い方も含めて利用しやすい方法。というのは、前回18年の当初に改正をされたばかりではありますけども、まだ1回の使用が1メーター550円までとか、あるいは乗り合わせて使うことができないとか、いろんなことがあって、使い方に対しても少し一考を加えてほしいなという希望と。

 それから、もとへ帰ります、住民ニーズの調査につけては、各地域に民生委員さん等もたくさんおられますし、地域の実情把握を区長あるいはそのボランティア的にやっていただく方等に連絡をとりながら、もう少しそのニーズにつけては調査を加えてほしいということ、1点だけを回答をお願いします。

○議長(宮本明裕君)  政策推進課長。


○政策推進課長(田中正憲君) 
 地元のバス、公共バスが廃止された議員さんでございますので、力が入っておるのは重々わかっておりますが、住民ニーズを損なうということになれば、市としてもやらなければいけないという前提が先に立つわけです。だから、それより先に、先ほどありました福祉的な高齢者支援バスとか外出支援、それとコミュニティー地域バス、いろいろごちゃごちゃになったら、何を整理していいやらわかりにくい部分もあるし、最終的には費用対効果があります。これお金をかければいろんな方法はとれますが、果たして継続してやる部分を毎年赤字的なもんを補てんできるかどうか、以前、前回高野地バスの件もございますので、そういう部分も含めてちょっと慎重な対応をさせていただきたいということで御答弁したつもりでございます。御理解のほどよろしくお願いします。

○議長(宮本明裕君)  井上和浩君。


○井上和浩君 
 もう一点だけ、今の点ですが、例を挙げていいか悪いかはわからんですが、この報告書を提出された中に、現在高齢者に対する交通手段のあり方とか、いろいろ書かれておるわけなんですが、その中で保内町においては磯崎の診療所がなくなったという経緯の中で、病院の通院のための外出支援バスという形で現在運行をされておりまして、県の補助金というのは昨年度なくなりましたんで、今一般会計から繰り入れて運行されている。そのバスは、病院の通院プラス買い物のためにそれが利用されているというようなことで、年間
132万円だったと思うんですけども、そのくらいな経費の中で運行をされている経緯もあります。

 そういうこともひとつ考えに置いていただいて、今後検討をしていただきたいという要望を加えておきます。

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