一般質問 H18.12 遠藤素子 議員

公開日 2014年09月05日

〔遠藤素子君登壇〕


○遠藤素子君
 
 私は、質問通告に従いまして、大綱
3点について質問いたします。市長並びに関係理事者の皆さんには誠意ある御答弁をお願いいたします。

 大綱第1点は、市職員の採用についてであります。順番をちょっと変えました。

 八幡浜市の雇用状況は現在も大変厳しく、有効求人倍率は県下で最も低くなっています。それだけに市の職員採用については透明性を高め、何より公平な求人情報を市民に届けなければなりません。

 1016日の愛媛新聞によりますと、臨時の事務職員を採用するとき、大洲、八幡浜、宇和島の3市は公募していないことが明らかになった。総務省によると、試験を一般に周知しないのは地方公務員法19条、競争試験は平等の条件で公開されなければならないとの規定に抵触する可能性があると報じておりました。

 私は、以前の質問で、公募もないのにいつの間にか職員が採用されていたり、元職員が退職後も公務についていることに市民の厳しい目が光っていることを申し上げましたが、その後も改善されていないのでしょうか。

 元職員につきましては、年金制度が変わり、年金の支給年齢が5年遅くなったときに嘱託制度ができたことを私は承知しておりますが、それが長く続きますと、市民の目から見て、なぜ若い人に仕事を譲らないのというふうに映ると思います。

 また、臨時職については、公募もなく、だれか有力者が頼み込んでその関係者を雇用するなどということがあっては市民に不公平感を与え、市への信頼は失われます。今後は、臨時といえども広く市民に周知、公募して、市民に公平な機会を与えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 大綱第2点は、弱者に優しいまちづくりについてであります。

 景気回復とかイザナギ景気などの話をよそに、私の回りでは自分たちは生きていくのに一生懸命、この先どうなるか心配でたまらないなど、将来不安を訴える声が圧倒的です。大もうけをしている大企業には国際競争力の名のもとにIT減税とか研究開発減税などとさらなる減税を準備しながら、弱い立場の人々には増税、負担増と追い打ちをかけるような冷たい国策のもと、全国では親子心中や自殺などが相次いでいます。このようなときだけに、市民の命と安全を守るために私たちはともに力を集中しなければならないと思います。

 そこで、次の4点について伺いたいと思います。

 1点目は、以前の議会で公共施設のバリアフリー化について計画的な推進を求めておりました。緊急を要するところから順次やっていくとのことでしたが、その進捗状況をお聞きしたいと思います。

 また、市民の皆さんから次のような御要望が出ております。

 千丈小学校から松柏中学校に至る歩道、JR駅前の清水産業横から保健センターに至る歩道、本町橋などの周辺から橋に至る道路など、車いすでも移動ができるように急な勾配や道幅などを改善してほしいというものですが、いかがでしょうか。

 2点目は、障害者の施設利用に配慮をいただきたいというものです。障害のリハビリなどでプールを利用したいけれども、毎日となると利用料がかさみ大変だというのです。減免など補助すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 3点目は、障害者の日常活動への支援はどのようになされているでしょうか。先天的にあるいは大病や事故などで障害を持った人も障害を持っていない人とともに社会参加ができてこそ自然な地域社会であると思います。特に視覚障害者は、盲導犬で支えられている人など一部の人を除けば、ほとんどの人が外出のたびにガイドヘルパーを要します。その都度料金が必要となれば、家に閉じこもることにもなりかねません。現在はボランティアに支えられている部分が多いのではないかと思います。それはそれで大変結構なことですが、長続きさせるためにはもっと人数をふやして、一部の人に負担がかかり過ぎないような配慮も必要で、そのためには補助も必要だと思いますが、いかがですか。

 最後に、障害者自立支援法が施行されて、以前から心配されていたとおり応益負担などといって押しつけた利用料の1割負担のために利用を控えるという実態があります。当市の通所施設でも利用者が急に減っていると聞いています。特に障害の重い人ほど利用料が重くかぶさるこの制度は国会でも問題視されているようですが、全国的には22.3%、411カ所の市区町村、1日現在ですが、で独自の軽減策を設けています。その中身は、施設などのサービス利用料と精神障害者通院医療費の軽減、補装具購入費の補助などですが、障害者の自立を支援するというのならこの法の意味するとおり、必要なサービスが安心して受けられるよう当市でも支援すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 大綱第3点は、全国一斉学力テストへの対応についてであります。

 この問題は、単なる学力テストではなく、憲法や教育基本法の改定と密接に結びついています。教育基本法改定を答申した中央教育審議会が作成した教育振興基本計画の参考例というのがありますが、その筆頭に全国一斉学力テストを実施するとあり、この具体化であるからです。政府は、来年4月に全国一斉学力テストを小学校6年生と中学3年生の国語と算数、数学の2科目で行うとしております。何のためでしょうか。文科省は児童・生徒の学習到達度を把握し、指導改善に生かすとしています。しかし、本当に学習到達度を把握するためなら、数%の抽出で十分です。にもかかわらず、40年前に5年間やって教育の害悪が吹き出たために国民から批判の声が上がり中止したことをなぜ今再びやろうとするのでしょうか。

 第1に、この問題をどのように受けとめておられますか、伺います。

 第2に、政府はまた全国一斉に学力テストを実施して、その結果を地域別、学校別、個人別に公表すると言います。このような一斉テストの押しつけと結果の公表は何をもたらすでしょうか。愛媛県は早くもこの12月に、来週あたりでしょうか、来年テストを受ける児童・生徒を対象に学力テストを実施します。東京を初め全国のあちらこちらで文化行事を削ってドリルをしたり、夏休み中に補習の授業をしたり、既に学力テストに備えた動きが始まっています。このような競争が続きますと、子供たちはもちろん地域や学校間、教師までもが勝ち組、負け組に振り分けられ、今以上に強度のストレスにさらされることになると思いますが、教育基本法を変え、国が目標を決めて上から全国一斉に何かをやらせるようなやり方が、今起こっているいじめやそれを苦にした自殺など深刻な事態を改善することになるでしょうか。

 子供たちを守るためにこのテストに参加しないことを表明した自治体も、少数ですが、あります。その理由は、既に自治体で実施している。自治体や学校が序列化される。地方分権の趣旨に反するなどだそうです。私は勇気ある選択だと思いますが、このような道を選ぶこともできますが、いかがでしょうか。

 第3に、政府はこの全国一斉学力テストを学校選択制とセットで進めようとしていることです。既に東京では幾つかの区で学区制を廃止して学校選択制を導入しており、激しい競争と学校格差、序列化が進んでいるということです。ことしの4月には成績のよかった学校には生徒があふれるほどに押し寄せる一方で、入学者ゼロの小・中学校が幾つもあったそうです。東京のど真ん中でです。この学校の子供たちはどんなにか傷ついたことでしょう。

 東京都教職員組合は、「学校からの告発−教育基本法改定で学校・子どもはさらに苦しむ」との冊子をまとめ、一昨日4日、教育基本法を改定しないでと国会議員一人一人にその冊子を手渡したとのことです。この冊子は、教育基本法改悪を先取りした東京都内で実施されている一斉学力テストや学校選択制について現場の先生方が告発したものです。教育基本法が改悪されれば、全国に押しつけられるというその実態は、成績優秀、その一方で心病む、ストレス抱え意欲失う、学力テスト対策で混乱など、本当に震撼とさせられる内容です。

 政府がこのような方法で学校を評価選別し、国が監査官を派遣して学校を監視し、厳罰主義などで教育に介入しようとしていることは、現在の教育基本法第10条で不当な支配として厳しく退けていることです。子供たちにはどの子にも一人一人さまざまな個性と能力があり、将来どのような花を咲かせるか限りない可能性を秘めています。それを早いうちから特定教科のテスト結果だけで選別して、その心を傷つけ、芽を摘み取ってよいものでしょうか。私はこのようなことを決して許してはならないと思いますが、いかがでしょうか。

 以上で私の質問を終わります。

○議長(宮本明裕君)  市長。


○市長(高橋英吾君)
 
 遠藤議員の大綱2、弱者に優しいまちづくりについて、(4)の障害者自立支援法への市の独自支援についてをお答えいたします。

 障害者自立支援法で負担が重くなりサービスの利用を断念したり利用を控える人が多くなっていると、930日から101日、松山市で開かれましたきょうされんの全国大会等での報告がある一方、厚生労働省が1023日に発表した実態調査結果では、利用断念は14都道府県のデータをもとに、単純平均で0.39%、また利用を控えた人の割合は1.05%で、全体的にサービス量も利用者もふえているとの発表もありますが、いずれにいたしましても利用者負担やサービス体系の見直しを求める声が多いことは事実と考えております。

 議員御指摘の利用者負担の自治体独自の支援については、熊本県が実施予定のほか、県内で松山市が1128日、12月補正予算案に低所得者への半額補助を打ち出したことは承知をいたしております。

 一方、国でも障害者の利用控えなどが起きていることを認めてか、障害者自立支援法の円滑な運営のための改善策として、通所、在宅の負担軽減を図るため960億円を今年度補正予算に計上すると報じられておりますことは御案内のとおりであります。当市での対応といたしましては、現在八幡浜市独自の事業もある程度行っておりますが、全体的な負担軽減策につきましては今後の国の動向や県内各市の状況を踏まえて独自の支援策の必要性等十分に検討を行っていきたいと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。

 その他の問題に関しては、担当課長より答弁をさせます。

○議長(宮本明裕君)  総務課長。


○総務課長(山本一夫君)
 
 それでは、遠藤議員御質問の大綱
1、市職員の採用についてお答えをいたします。

 臨時の事務職員につきましては、履歴書を随時受け付け、空きが出たときに履歴書を受け付けした順に面接を行い、その結果により採用をいたしております。地方公務員法では、正職員の採用に当たりましては地方自治体に競争試験か選考の実施を義務づけておりますが、同法22条職員、いわゆる臨時職員につきましては自治体の判断に任されております。

 ただ、何らかの手段での能力の実証が必要とされており、当市においては、先ほど申し上げましたが、面接試験を行い、その結果により採用をいたしております。

 議員御指摘の透明性、公平性の確保を一層高めるため、臨時の事務職員においても19年度からの公募制の導入に向け準備を進めております。

 嘱託職員につきましては、地方公務員法22条職員に該当はいたしませんが、基本的に雇用期間3年間での運用を行っております。

 以上であります。

○議長(宮本明裕君)  福祉事務所長。


○福祉事務所長(小西宇佐男君)
 
 遠藤議員の大綱の
2、弱者に優しいまちづくりについての3点目でございます。障害者の日常家庭の支援についての御質問にお答えをいたします。

 障害者の日常活動の支援につきましては、本年4月に障害者自立支援法が施行されますまでは、身体、知的、精神の障害者によって異なっていたサービスが法の施行によりまして一元化されましたことは議員御案内のとおりでございます。

 福祉サービスにつきましては、個々の障害程度や勘案すべき事項を踏まえ、障害福祉サービスと地域生活支援事業に大別をされます。障害福祉サービスは介護の支給を受ける場合に介護給付、訓練等の支給を受ける場合に訓練等給付に分かれます。そのうち、日常活動の支援につきましては生活支援事業と介護給付に該当する内容が多いものと思われますけれども、介護給付につきましては、自宅で入浴、排せつ、食事の介護を行う居宅介護、いわゆるホームヘルプから共同生活介護までサービスの内容は10種類に区分をされております。

 また、地域生活事業につきましては、相談支援事業から福祉ホーム、その他事業まで6種類ございます。

 議員御指摘の視覚障害者への対応につきましては、市独自の施策といたしまして、盲人ガイドヘルパー派遣事業等を実施しておりますけれども、障害者自立支援法での円滑に外出できるよう移動を支援する移動支援事業につきましては原則1割負担となっております。

 今後とも、視覚障害者を初め障害者の日常活動への支援につきまして適切な対応を図っていきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。

 以上でございます。

○議長(宮本明裕君)  建設課長。


○建設課長(菊池賢造君)
 

 大綱
2、弱者に優しいまちづくりについて、公共施設のバリアフリー化の進捗状況についてお答えいたします。

 具体的な場所をお示しいただいておりますので、それぞれについてお答えいたします。

 まず、千丈小学校から松柏中学校の間です。松柏石見新聞社前の約55メートル間につきましては、現在愛媛県で歩道拡幅工事を計画しており、19年度に用地買収を終え、平成20年度完成を目指しているところであります。

 次に、JR駅前清水産業から保健センターの間です。国道197号線で駅前の清水産業給油所から保健センターまでの歩道がない約100メートル間の歩道整備につきましては、平成15年に歩道設置要望を愛媛県に提出し、16年には測量の実施計画までは進んだものの、一部地権者の反対により計画が暗礁に乗り上がったまま現在に至っております。現場は、高校への通学路としても利用されているにもかかわらず、交通量が多く、歩道整備が望まれる区間でもあるため、愛媛県と連携し根気強く地権者の説得に当たり、歩道設置にこぎつけたいと考えております。

 最後に、本町橋などの橋の前後です。八幡浜市には、比較的大きな川として千丈川、五反田川、喜木川、宮内川などの二級河川がございます。河川沿いの堤防や市道は朝夕におきましてはジョギングや散歩を楽しむ市民の姿が多く見られ、健康増進に役立っているところであります。その際、橋の付近で盛り上がって歩きづらいと思われる方は多くおられると思います。

 まず、なぜ橋が高くなっているのかについて説明いたしますと、橋をかける際には何十年に一度降るか降らないかの雨を想定して、河積と申しますが、雨水を流すために必要な断面積を計算します。さらに、余裕高を考慮して高さを決めており、場所によっては左右の堤防より高く設置されているところもあります。

 さて、取り合わせの市道の勾配が急になっていて交通弱者では通行が困難な場所の対策ですが、隣接の家屋や商店の敷地高さが変わらない限りは難しいところであります。

 以上です。

○議長(宮本明裕君)  教育長。


○教育長(井上傳一郎君)
 
 遠藤議員御質問の大綱3、全国一斉学力テストの対応について、1、学力テストの受けとめについて、2、学力テストの選択について、3、学力テストと学校選択制についてお答えいたします。

 まず、1番目の学力テストの受けとめと第2の選択については関連があるかと思いますので、関連させながら話させていただきます。

 御質問のとおり、来年424日、全国的な学力調査を6年生と中学校2年生に2教科が行われます。また、愛媛県では今月の14日、15日に学習状況調査、小学校5年生に4教科、中学校2年生に5教科を実施する運びとなっております。当市もこれに参加します。

 全国学力学習状況調査については、義務教育の機会均等と教育水準の維持向上の観点から、児童・生徒の学力や学習状況を把握、分析しようとするものであり、愛媛県が実施する調査は前回実施の平成16年度との比較により指導上の問題点を明らかにしていこうとするものであります。

 当市としては、各校が学校経営の一つの柱として確かな学力の定着、向上に取り組んでおりますので、その成果と課題が明らかになればよいと考えています。全国あるいは県との比較は行いますが、公表によって過度の競争や学校間の序列化につながらないよう十分配慮するつもりです。

 また、学力学習状況調査はペーパーテストだけではありません。児童・生徒の学習意欲や生活習慣、教員の指導方法や指導形態についても調査します。一面的な学力調査ではなく、学びの意欲をはぐくみ、全人的な生きる力としての学力保障につなげていこうと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。

 この学力調査が最重要課題であるいじめ対策に逆行するのではないかというような御質問でもあるかと思いますけれども、8月の本県で起こった事故を受け、本市でも各学校及び教育委員会におけるいじめに関する総点検を実施いたしました。文部科学省の定義では、いじめとは自分より弱い者に一方的に身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じていることという文言がありますが、私は一過性のものであっても迅速に校長が先頭に立って学校ぐるみで取り組むよう指導しているところです。いじめが起きない学校づくりが一番で、いじめゼロはもちろん私の願いでありますが、どの学校にもいじめは起こり得ると考え、起こったときに必ず対応できる体制が大切かと考えております。

 学校は集団で学ぶ場であり、生活する場です。学力は学力としてしっかり身につけさせる。一方で、仲間づくりを通して連帯感や集団の中での生き方を学ばせる、どちらか一方に偏るのはよくありませんが、学力調査即いじめ対策に逆行とはとらえておりません。今後もわかる授業に力を入れ学力向上に努めるとともに、心の教育を充実させていきたいと思っております。

 第3の学力テストと学校選択制の問題ですが、先ほどの学習状況調査の結果によって学校を評価し学校選択制につなげることがあってはならないと考えております。あくまでも児童・生徒の理解度、到達度を点検し、教職員の指導を振り返るために活用すべきと思っております。また、文部科学省や教育再生会議で議論されている第三者評価やいじめた児童・生徒への出席停止、教職員の懲戒処分等に関する内容も慎重に審議されるものであり、教育現場の実態に立った、地に足のついた取り組みを期待しております。

 本市においては、学力テストの結果が学校選択制の手段に使うつもりはありません、あってはいけないと思っております。当市教育委員会としては不易なものを大切にし、教育の正常化に努める必要があると思っております。御理解のほどよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

○議長(宮本明裕君)  生涯学習課長。


○生涯学習課長(谷口光一君)
 

 遠藤議員の大綱
2、弱者に優しいまちづくり、障害者の施設利用について配慮をの御質問にお答えいたします。

 市民スポーツセンターの市民プール利用料金の減免をとのことでございます。このことにつきましては、近隣市町村の実施状況をかんがみ、方法等について現在検討いたしておりますので、御理解をお願いいたします。

○議長(宮本明裕君)  遠藤素子君。


○遠藤素子君
 
 再質問をさせていただきます。

 大綱1の臨時職員についても今後は公募するということでしたので、ぜひ周知を徹底するようにお願いしたいと思います。これは答弁は要りません。

 大綱3ですが、教育長のお気持ちはよくわかりますし、学力テストすべて悪だとは私も思いません。テストというのはそれが本当に適切に行われれば、到達度を把握したり、教師がみずからの指導を反省したり、子供たちにできる、わかるところとわからないところをはっきりさせたり、場合によっては励みになるということもあるということは十分承知しております。

 しかし、東京で起こっていることとか40年前に愛媛県で起こったこと、それを思いますと、本当に慎重にやらないと、成績が公表されるような段階になって、どうしても人間ですから、弱いですから、競争心が芽生えてくる。もし参加するのならば、そういう競争が起こらないような本当に配慮された、教育委員会がその到達度を把握する、その程度でいいんじゃないかと。もし今後これが続くようなことになりますと、どうしても競争が激化して子供たちのストレスになると、それを本当に心配しています。

 本当に学力をつけるためには、自由な明るい雰囲気の中で伸び伸びと子供たちを育てたい、そういう思いが強いんですが、世界の学力テスト1位であったフィンランドは日本の教育基本法を参考にして、過度な競争をやめ、できる子ができない子を教えるというふうな集団教育、それを徹底されて、非常に子供一人一人を大切にしているという報告を聞いています。

 それと、教育再生会議がいじめ問題で緊急提言を出しましたが、それを見て本当に私はびっくりしました。びっくりしたというか、寒々しい気持ちになったといいますか、今子供たちが苦しんでいるその状況に思いを寄せずに、何かいじめた方も悪いんだから罰するみたいな、そういう本当に教育的な配慮の欠けた提言だというふうに感じました。

 ですから、現八幡浜ではいじめ対策委員会だとか子育て推進協議会だとかいろいろ努力されているのは知っておりますし、心配するようなことはないと思いますが、しかし国がやっていることは東京で現に非常にゆがんだ状況になっていることが全国に押しつけられる可能性があるということになると思います。そのために教育基本法を変えようとしている。そういう流れの中で、それに染まらないようにするということは本当に難しいことだと思うんですが、最近新聞「門」欄なんかでも愛媛のある年配の方が、自分はちょうどその1960年代に学力テストを受けた年代だと。そのときに、受け持ちの先生は成績のいい子には学校を休むなやと言い、成績の悪い子には暗に学校を休めと言わんばかりのことを指導されたと、そういう経験者が学力テストを一斉にやるということについて心配を述べておられましたし、そして新聞にはいろいろと高校生なんかもタウンミーティングでやらせをやるようなこういう国をどうやって私たちは愛したらいいのというふうなことを直接述べたり、いろんな動きが今日本じゅうで巻き起こっていますが、そういう上からの強い圧力があっても八幡浜市はそういうことはさせないというふうに、教育長さん言えるでしょうか。もう一度御答弁をお願いしたいと思います。

○議長(宮本明裕君)  教育長。


○教育長(井上傳一郎君)
 
 ありがとうございます。今言われましたこと、私も肝に銘じていきたいと思いますし、そのつもりでおりますので、今後とも教育の正常化に努めていきたいと思っておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

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