公開日 2014年09月05日
〔遠藤素子君登壇〕
○遠藤素子君
私は、一般質問通告に従いまして、大綱3点について質問いたします。市長並びに関係理事者の皆さんには誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱第1点は、市長の政治姿勢についてであります。
まず第1に、今議会に提案されている国民健康保険税の引き上げについてであります。
市民の要望の中で最も強いものの一つに、国保税を引き下げてほしいというのがあります。高過ぎて払えない、このままでは病気になっても医者にかかれないという声です。
以前はどの自治体でも国保の基金がありました。ところが、政府が、高齢化が進めば医療費が上がることは当たり前のことであるにもかかわらず国庫負担の割合を引き下げてから、どの自治体でも基金を取り崩したり、一般会計から繰り入れたりしてやりくりしてきました。
その中で、昨年からは国が差し引いた7%の補助分を県が持つことになり、全国統一されたそうですが、その前には愛媛県の補助率は事務費に限られていて、全国の中で大変低かったために各自治体の国保会計を厳しいものにしたようです。
私は、税金というのは基本的に応能負担というのが原則だと考えていますが、平成15年に旧八幡浜市は応益割を42.3%から50.57%へと大幅に引き上げました。この年の6月議会で、私はこの引き上げは低所得者への負担を重くするとして反対いたしましたが、このたびそれをさらに0.2%引き上げる案が出されています。旧保内町でも、平成16年度に介護分、医療分とも値上げされており、昨年17年度には介護保険料も値上げされました。
こうして、今でも県下11市の中で最も高い国保税をさらに値上げすることは、住民を本当に苦しめることになります。
しかも、税収が減った主な原因が一昨年の台風被害などによるミカン農家の9億円という所得減だという説明でした。ミカン農家は国保の加入者ですが、国保税の引き上げは所得減で苦しむ農家へさらに追い打ちをかけることになるではありませんか。しかも、一昨年に引き続いて昨年は雪害で深刻な状況でしたし、ことしも天候不順などでミカンの花芽が少ないなどと心配されております。
ミカン農家だけではありません。老齢者控除など各種控除の廃止、削減で、今年度から1,800人余りが新たな課税対象者になり、国保税も上がることになります。
きのう14日には、参議院本会議において、医療保険制度の根幹を揺るがす医療改悪法案が自民・公明の賛成多数で可決成立しました。野党3党は反対いたしましたが、今後70歳以上の高齢者の負担が1割から2割に引き上げられ、混合診療の本格的導入により保険のきかない医療がふえることになるなど、所得の格差が医療の格差、命の格差になる危険性さえあります。
このような冷たい政治のもと、自殺者は連続8年も3万人を超えています。中高年の自殺が多いことはこれまでと変わりないそうですが、昨年の特徴は20代、30代の若者の自殺者が前年比で5%以上もふえている、こういう異常な状態です。こんなときだからこそ地方自治体は何をおいても住民の命を守り、生活を守るために、できる限りの方策を講じなければならないと思うのです。
また、一般会計からの繰り入れをどの自治体もやっていますが、県下の他市と比べてみますと当市は大変少なくなっています。例えば、被保険者1人当たりの繰出金は、松山市は4,194円、宇和島市は1,329円、伊予市では990円ですが、八幡浜市は204円ということです。
そこで、伺います。せめて他市並みに、一般会計から繰り入れてでも今は値上げをやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
第2は、教育基本法の改定の動きについてであります。
教育の憲法といわれる基本法改定案が、5月28日、突然国会に提案されました。私は教育基本法が制定された昭和22年に小学校に入学しましたから、戦前の教育勅語に基づく教育ではなく、新しい教育基本法のもとで、民主主義などという言葉が小学生にも教えられる、そんな時代の教育を受けて育ちました。今思えば、みんな貧しかったけれども、大変よい時代に育ったように思います。
教職を目指していたとき、初めて教育基本法を知り、その崇高な教育理念に心打たれ、身の引き締まる思いを抱いたことをはっきりと思い出します。その前文には、「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」として、日本国憲法の精神にのっとり、教育の目的を明示して、新しい日本の教育を確立しようとしました。
そして、第1条には「教育の目的」として、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と高らかにうたっています。
そして、第10条には、戦前の教育が天皇のために喜んで死ぬことを最高の美徳とした軍国少年を育てることを教育行政が推進したという痛苦の反省の上に立って、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接責任を負って行われるべきものである。教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない」とされたのです。このすばらしい教育基本法を今なぜ変えなければならないのでしょうか。
小泉政権は、教育基本法について、与党内で70回も会議を開き、検討を重ねてきたと言いますが、その中身について国民には何も知らされておりません。教育関係者、特に直接教育の主人公である子供の親や先生方にさえ全く知らされていないのです。今の教育基本法のどこに問題があり、だからこう変える、こういう説明もありません。70回の会議は完全な密室で、しかもそこで出された資料は会議が終わればすべて回収されるという異常な状態の中で行われたということで、マスコミ関係者にも知らされませんでした。
それが突然後半国会に上程され、何が何でも通そうという感じでした。会期末が近づき、少し様子は変わってきていますが、その内容は憲法改悪案と同じように戦前に逆戻りさせるような内容に180度変えられようとしています。
私は、この問題が子供たちの未来と日本の進路、それゆえ国民すべてにかかわる大問題だと考えているのですが、このたびの教育基本法改定の動きをどのように市長は受けとめておられますか、御所見を伺いたいと思います。
第3は、プルサーマル導入に関する検討委員会の設置についてであります。
6月4日に伊方町で経済産業省が主催するシンポジウムが開かれ、私も参加しました。そこでは、賛成推進派の学者は、政府と四国電力の人たちと一緒になって、プルサーマルは必要です、安全ですと述べました。一方で、慎重な意見を持つ学者は、今の国の原子力政策の中で危険が大きくなるプルサーマルを導入する必要はないと述べ、両者の深刻な対立点が改めて浮き彫りになりました。また、住民の安全が守れるかどうかで、県や伊方町、八幡浜市など周辺自治体が住民主人公の立場に立ってよく研究することが大事だと意見を述べた学者もいました。
このシンポジウムの翌日5日に伊方原発1号機で、湿分分離加熱器という装置からゴロゴロという異常音が発生し、原子炉を手動で停止させるという事故が起こり、県民を驚かせました。
私は、翌日、県に対して事態の徹底解明と安全対策強化、プルサーマル導入の中止を求める申し入れを行ってきました。四国電力は、原因調査を始めていますが、この事故が示していますように、予測できないのが事故ですから、プルサーマルを導入するのは、実験で確かめることもなく、また運転実績もないのにいきなり営業炉で運転すれば、取り返しのつかないことになりかねません。
伊方の原発で苛酷事故が起これば、真っ先に被害を受けるのは地元と周辺の私たちです。プルサーマル計画は、発電所で働く人と地域住民の安全第一で慎重に考えるべきではないでしょうか。関西電力や東京電力では、プルサーマルは住民の反対でストップしています。世界で原発を持っている国は36カ国ありますが、プルサーマルを続けようとしているのはフランスとスイスの2カ国のみです。世界の国々が中止しようとしているプルサーマルを、わざわざ伊方でやる必要はないのではないでしょうか。
また、去る12日早朝の大分県中部を震源とする震度5弱の地震には驚かされました。しかも、伊方沖には日本で最大級の活断層が走っており、住民の不安は一層大きくなりました。ところが、先日のシンポジウムでは、政府や四国電力及び推進派の学者も地震の問題に関する住民の不安に対しては十分な説明はできませんでした。
今、新しい地震に対する指針が25年ぶりに改定されようとしておりますが、伊方の原発についても新しい基準で点検されなければなりません。プルサーマル導入の是非を問う以前の問題があるのです。
また、使用済み核燃料を長期に伊方原発で保管することは、安全性はもちろん、地域の発展にとっても大きなマイナスになりますが、その対策もまだ決まっていないことが明らかになりました。原発が古くなって、事故が多くなることも心配です。おまけにプルサーマルでは原発の炉の傷みが早くなることも否定できませんでした。なぜこんな危険なことをやろうとするのでしょうか。本年度内にプルサーマル受け入れを決定すれば、60億円の交付金を出すと政府が言っていますが、それは危険性がそれだけ大きいということでしょう。
プルサーマル受け入れを拒否した新潟県刈羽村の元村長さんは、住民をモルモットにするなと言っておられます。また、福島県では一度はプルサーマルの受け入れを認めていましたが、知事や部長による検討会を実施して、さまざまな立場の専門家を招いた意見交換などを重ね、プルサーマル導入を白紙撤回しています。
市長は、6月4日のシンポジウムに参加されていました。あの席で慎重派の一人が、国任せでなく、地元自治体では自前で専門的な研究組織を設けるようにとの提言があり、愛媛新聞の社説でもこのことを指して傾聴に値すると言っています。
3月議会で市長におかれては、国の言うことを信じる、また住民の安全に責任を持つと言われましたが、シンポジウムで慎重派の学者の声も聞かれた現在、どのような感想をお持ちでしょうか。専門的な研究組織をもって検討していくおつもりはありませんか。改めて伺います。
大綱第2点は、介護保険法の見直し、障害者自立支援法によるサービス低下への対応についてであります。
市民の声として次のような訴えを聞いております。介護保険法の見直しに関して、80代の高齢の方ですが、私は介護保険でベッドを借りていますが、ベッドの支えがあるからやっと起き上がることができます。ところが、10月からこのベッドを取り上げられると聞いて、夜も寝られない。それから、これは60代と思いますが、男性です。電動車いすが借りられるようになって、長年我慢していた歯医者に通うことができた。ところが、頼りの電動車いすを取り上げられそうだ。もしそうなったら、タクシーを使うことになり、余裕がないからもう外出はできなくなる。家に閉じこもっていた以前の状態に戻ってしまう。また、ヘルパーさんに通院の介助をしてもらっていて、2つの診療を受けているが、一方が終わってもう一方の診療を受けたいのに、その介助はできないと言われ困っているなどです。
前に介護保険制度の見直しでサービスが低下するのではないかとの私の質問に対して、サービスの低下はないといった旨の御答弁でしたが、実際にはいろいろなところでこのような弱い立場の人たちを苦しめているのではないかと思いますが、このような実態をどのように把握され、対応されるおつもりですか、伺います。
次に、障害者の自立支援法に関してです。
授産施設に通っている40代の女性です。これまで施設で働かせてもらって、工賃収入が2万5,000円だった。このたびの自立支援法で施設の利用が応益負担になり3万7,200円を支払わなければならなくなり、その額は収入を超えている。余りに無慈悲ではないかとか。授産施設の運営などにも、これまで月ごとに計算されていた補助が日割り計算になったために、通所している人が休むとその分補助が減らされるなど、ここまでやるかと思うくらいに事細かい削減がなされています。
また、以前精神障害などの授産施設についても建てかえなど検討するということでしたが、プランはあっても基盤整備のおくれや準備不足などでサービスが受けられない人も出ているのではないかと心配されますが、いかがでしょうか。
大綱第3点は、放課後児童クラブ(学童保育)の拡充についてであります。
5年前には旧図書館跡の児童クラブが市内に唯一の放課後児童クラブでしたが、その後小学校低学年の児童を持つ若い親御さんの要望や国の後押し、理事者の御努力のおかげで次々と新設され、現在では5カ所になりました。
つい先日、新設された白浜児童クラブと5年目になった神山児童クラブを訪問したのですが、子供たちはすっかりクラブになじみ、楽しそうに放課後を過ごし、迎えにきた上級のお兄ちゃんやお姉ちゃん、あるいはおばあさんと、またお母さんと、さよなら、また明日と手を振りながら帰っていきました。その姿を見ながら、よい施設ができてよかったなとうれしく思うと同時に、自分の子育て時代にこのような児童クラブがあったらどんなにか安心できただろうにと思いました。それだけに、まだできていない地域のことを考えますと、一日も早く設置して、子育てを応援してほしいと思わずにはいられません。
そこで、2点について伺います。
これまで実施してきた放課後児童クラブについて、どのように評価されているでしょうか。また、それぞれの地域の方々からどのように評価されているでしょうか。
2つ目に、待たされている松蔭と宮内校区への設置予定は計画どおりに進んでいるでしょうか。また、これまでの実績や問題点を踏まえ、今後放課後児童クラブをどのように育てていこうとされているか、その方針などについて伺いたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
○議長(宮本明裕君) 休憩いたします。
午前10時46分 休憩
午前11時00分 再開
○議長(宮本明裕君) 再開いたします。
市長。
○市長(高橋英吾君)
遠藤議員の質問に対してお答えいたしますが、先ほど誤解を招いたらいかんのですけど、三位一体改革で3年間で16億円減らされたということでございます。1年に16億円ずつ減らされたんじゃない、3年間かけて16億円減らされたということです。
遠藤議員の質問に対してお答えいたします。
最初の質問は、ほとんど国の法律に基づいて私どもが法律にのっとってやったということと、最後の方は非常に優しく学童保育のことということで、非常に硬軟交えての質問でございます。
最初の市長の政治姿勢についてでありますが、2番目の教育基本法改定については、教育基本法の中身についてですが、今国会で成立していないので結論めいたことは申し述べることはできませんので、文部科学省からの情報をもとに、現行法と国会に提出された政府・与党案との比較の中で教育委員会の方で述べさせていただきます。
それから、プルサーマルの導入に関する検討委員会の設置についてであります。
プルサーマル、なかなか言いにくいんですけど、プルサーマル導入に関して専門的な研究組織をもって検討していくべきではないかとの質問にお答えいたします。
国が主催する6月4日日曜日に開催されましたシンポジウムは、私を初め三役及び課長職の多く、また市会議員さんもたくさん参加されました。推進派、慎重派のパネリストの先生から、MOX燃料、資源の活用、経済性の比較、事故時の影響等の観点から発言がなされ、両者の意見が比較でき、非常に参考になったと実感をしております。
さて、議員御指摘の専門的な研究組織をもって検討すべきとの御意見ですが、プルサーマルの導入については、国のエネルギー政策に関するものであり、国において十分調査研究に基づき実施されるべきものと認識しておりますので、検討委員会の設置は現在のところは考えておりません。
市といたしましては、国及び事業者が住民に対してその安全性についてあらゆる手段を通じて十分説明され、住民の不安を解消していただくことを求めてまいりたいと考えております。
その他の問題に関しては、担当課長より回答をさせます。
○議長(宮本明裕君) 市民課長。
○市民課長(谷 明則君)
遠藤議員さんの質問の大綱1のうち、国保税の引き上げについて、一般会計から繰り入れてでも税率引き上げをやめるべきではないかとの質問にお答えをいたします。
国保の保険給付に要する費用につきましては、原則公費50%、保険税50%負担となっております。しかし、国民健康保険の被保険者には低所得者層が多いこと、地域の病院ベッド数が多いことによる医療費の増加等、保険者の責めに帰すことができない特別の事情があることによりまして、各市町村においては一定のルールに基づいたもの及びそれ以外の各市町村の事情で一般会計から繰り入れされているものがあります。
当市におきましても、保険税軽減に対する保険基盤安定分、一部事務費、財政安定支援分等ルールに基づいたもののほか、ルール外の分として国の交付金が減額措置される費用分につきましては繰り入れが行われております。
一般会計からの繰り入れの考え方としては種々あるかと思われますけれども、先ほども申し上げましたとおり、本来国保の保険給付等に要する費用は公費と保険税で折半で賄われるのが原則となっており、なおかつ一般会計におきましても三位一体改革等によりまして財政状況が大変厳しいことから、現状ではさらなる繰り入れについては困難と考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 保健センター所長。
○保健センター所長(永井俊明君)
それでは、遠藤議員の大綱2の1、介護保険の見直しに関してお答えをいたします。
今回の制度の見直しの一つとして、介護予防、自立支援の強化を目指しております。これはできる限り要介護状態にならないようにする、たとえ要介護状態にあってもそれ以上悪化しないように取り組むものであります。サービス面から見れば、できないことを補うサービスからできることを引き出すサービスへの移行であります。自分ができることはできる限り自分が行うことにより生活機能の低下を防ぐことができ、要介護状態の重度化の防止につながるものであります。
議員御指摘の福祉用具の貸与につきましては、軽度者への自立支援に十分な効果を上げる観点から、今回の見直しで一定の例外となるものを除き保険給付の対象としないこととなりました。例外となるものの範囲は、特殊寝台及び附属品の場合は日常的に起き上がり寝返りが困難な者、車いす及び備品の場合は日常的歩行が困難な者であります。
市としての対応につきましては、理学療法士、福祉用具専門相談員、介護支援専門員などから成る福祉用具検討委員会を立ち上げ、事例検討を重ね、暮らし方のコツや特殊寝台、車いすなどの福祉用具の代替用品などの情報を提供しながら、その方に合った自立した生活を送れるよう支援していきたいと考えております。
以上です。
○議長(宮本明裕君) 福祉事務所長。
○福祉事務所長(小西宇佐男君)
遠藤議員の大綱2のうちの障害者の自立支援法に関しての御質問にお答えをいたします。
御指摘の授産施設につきましては、当市の八幡浜市知的障害者授産施設いきいきプチファームのことかと思われます。今年度より施行されました障害者自立支援法の基準によりまして、本年4月から利用者の負担額の決定をいたしております。
御質問の内容の中で3万7,200円という金額が出ておりましたけれども、これはあくまでも1カ月の1割負担の上限額が3万7,200円ということでございまして、いきいきプチファーム等の知的障害者授産施設、通所小規模の場合につきましては、1カ月の利用が23日と最大に見積もりましても、利用者の負担は2万838円が最高となります。
1カ月の上限額の決定につきましては、申請をしていただいた利用者及び同一世帯の課税状況、利用者及び生計中心者の収入や資産などによって制度上決定をいたしております。
また、決定をされました利用者負担額が、世帯の生計が営めない状況になるように圧迫するような場合におきましては減額ができる制度がございますので、決定時において窓口にて相談を受けるような体制にいたしております。
ただ、昨年度に比べまして利用者の負担額が実質0であったものが、先ほど説明いたしました額にふえるわけでございますので、利用者の方にとりましては大変大きな負担増と思われると考えております。
ただ、自立支援法での当該施設の考え方といたしまして、授産施設といいますのは、就労が困難な障害者の方が就労に結びつくまでの職能訓練、生活訓練を行う、あくまでも福祉制度にのっとった施設でございまして、就労場所ではなく、障害者福祉サービスとしての位置づけとなっております点を御理解いただきたいと思います。
市といたしましては、現段階では制度以外の減額補助については考えておりませんけれども、今後も障害者自立支援法にのっとった基準で運営を行っていきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
次に、精神障害者の授産施設についての御質問がございました。
この御質問につきましては、12月議会にお答えいたしておりますけれども、同種の施設が民間により建設をされたことと、18年度以降は国、県の補助が採択をされないということで市の単独事業となるわけでございまして、現在検討をしているところでございます。
ただ、基盤整備のおくれでサービスを受けられない人が出るのではないかという御質問でございますけれども、先ほど申し述べました本市に開設をいたしております民間の医療法人が、自立支援法の対象となる社会復帰施設として本市と隣接市に9施設開設をいたしております。現時点で本市在住の方の利用は46名の利用となっておりまして、利用者がサービスを受けられないというようなことにはなっておらないと考えております。
次に、大綱3の放課後児童クラブについてでございます。
まず1点目のこれまで実施してきた放課後児童クラブについてどのように評価をされているか、また地域の方々の評価はとの御質問でございます。
まず、平成17年度の各児童クラブの利用実績を申し上げたいと思います。八幡浜児童クラブが291日の開設で2,012名、1日平均で6.9人でございます。神山児童クラブが4,979名で、1日平均17.1名、千丈児童クラブが3,305名で1日平均11.4名となっております。八幡浜児童クラブにつきまして、場所的な問題とか施設が老朽化しているということで利用者が若干少ないようでございますけれども、神山児童クラブにつきましては、在籍児童数が20名を超えるような月もございまして、各児童クラブともおおむね良好な利用状況と評価をいたしております。
地域の方々からの評価につきましては、特段の調査を実施をしておりませんけれども、苦情等を聞いておりませんのでそれなりの評価をしていただいているものと考えております。
次に、2点目の松蔭と宮内への設置予定は計画どおり進んでいるかとの御質問でございます。
平成18年度建設を予定しております松蔭小学校と宮内小学校の設置につきましては、教育委員会の理解のもと、5月に設計を担当してもらいます監理開発課の技術職員とともにそれぞれの学校を訪問し、建設場所等について打ち合わせを行ったところでございます。
今後は、9月に建設工事費を、12月に備品購入費を予算計上する予定で準備を進めているところでございます。計画どおり19年4月からの開設という運びになりますように事務事業を進めてまいりたいと考えております。
また、今後とも少子化対策、次世代育成支援の観点からも放課後児童クラブの拡充に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
遠藤素子議員御質問の大綱1の2、教育基本法改定についてお答えいたします。
私も、遠藤議員と同時代の教育を受け、よい時代に育ったと思っている一人であります。
教育基本法は、戦後我が国の教育の基本を確立するために昭和22年に公布施行され、一度も改正されないまま半世紀を過ぎて今日を迎えています。その間、社会状況は大きく変化し、教育全般にわたってさまざまな問題が生じていることは議員さんも御承知のことかと思っております。教育の根本である理念、目的にまでさかのぼって教育のあり方を見直すことが必要との考えから、教育振興基本計画の策定とあわせて教育基本法の見直しが始まった背景がそこにあります。平成13年11月、文部科学大臣から諮問を受けた中央教育審議会は、平成15年3月にその答申を取りまとめるという経緯をたどったことをまず最初に押さえておきたいと思います。
さて次に、教育基本法の中身についてですが、先ほど市長が申し述べましたとおり、今国会で成立していないので結論めいたことは申し述べることはできません。ここでは文部科学省からの情報をもとに、現行法と国会に提出された政府・与党案との比較の中で述べさせていただきます。
まず、現行法と改正案の違いは、前文と全11条から成る現行法に対して、改正案は前文と全18条で構成されています。
前文の中で変わらない点は、民主的で文化的な国家の発展と世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする願いであり、そして戦後私たちの家庭、社会生活の基盤とされた個人の尊厳を重んじている点です。
大きな改正点は、新たに加えられた内容は、公共の精神の尊重がうたわれている点だと思います。このことについては、個に応じた指導や一人一人を大切にする教育が極めて重要であることですが、一方で自然や社会など他とのかかわりを大切にできる子供、望ましい集団の中で個性を磨いていける子供たちをはぐくんでいくことをおろそかにしてはならないという警鐘ではないかと私はとらえています。
また、11条あった条文の中で改正案で削除されているものは、男女共学の項目です。これは完全に我が国の社会に定着しているからだと思われます。
新たに加えられた8項目のうち、教員の使命と身分の尊重については現行法の第6条の第2項から独立したものであり、そういう意味で真に新しい項目となると、生涯学習の理念、大学や私立学校の使命と振興、家庭教育や幼児教育の大切さ、学校、家庭、地域社会の連携協力、そして政府や自治体が定める教育振興の基本計画の7つだと思います。
これらの新しい項目は、ここ数年強く叫ばれているものばかりであり、本市にあっても家庭が果たす役割や子供の安全あるいは健全育成を目的として学校と家庭、地域社会のあり方を見直す取り組みは既に実践されているところであります。
改正案反対の中には、第2条教育の目標の中で、国を愛する態度など徳目を列挙し、その達成を国民全体に義務づけているのが問題という指摘もあるようですが、子供たちが加害者となる事件が相次ぐ中で、生命尊重などの徳目は歓迎される向きもあります。
逆に、伝統、文化の尊重については、ふるさとをこよなく愛する子供たちの育成を重視する本市においても、具体的にどのような指導をすべきか現場が苦労する部分も考えられ、教員養成の段階や教職員研修の充実など長いスパンで見ていく必要もあると考えます。
いずれにしましても、教育における不易なものを大切にし、変化の激しい社会に対応する流れにも目を向け、八幡浜市教育の方向性と教育の本質を見誤ることのないよう努めていきたいと思います。
以上、冒頭に申しましたように、今国会では成立しておりませんので、現行法と改正案との比較の中での所見にとどめさせていただきます。
○議長(宮本明裕君) 遠藤素子君。
まず、大綱第1の国保税の引き上げについてですが、国の法とか原則にのっとってやっているんで上げざるを得ないという御答弁だったと思うんですが、もし自分の家に病人が出たら、何をおいてもその病人を助けるために家計は動いていくと思うんです。家を建てようと思っていても、それを後にしてでも命をまず大事にする、それが普通だと思うんです。ですから、よそはどうであれ、八幡浜の本当に国保の加入者が今非常に困っている。下げてほしいという願いが本当に私どもが行いましたアンケートでも一番多くなっておりますが、そういうときにさらなる値上げというのはどうしても私は納得できません。
この値上げを抑えるために、もし一般会計から繰り入れするとするとどれぐらいかかるのか、ちょっと大まかな数字でいいんですが、教えていただきたいと思います。
それから、教育基本法の改定についてですが、確かに今回は通りませんでした。しかし、廃案にはなりませんで、秋の臨時国会に継続審議ということになりました。今教育長さんお話になりまして、社会がこのように変わって、それに対応した教育基本法に変えないけないと肯定的にとらえておられるように私は感じたんですが、現行の教育基本法をよく読んでいただきたいと思うんです。本当に今おっしゃったようなことはすべて含まれております。本当に今に通用する理想の高い、これを本当に実施すればいい教育ができるという内容になっていると、決して古くなっていないし、大事にすべきものだと思います、憲法と同じように。
細かいことは抜きにしますが、そういう意味で、国民にも知らさないで国会だけで通してしまおうというやり方、それ自身がもはや教育的でもないし民主的でもない。どれだけの国民が教育基本法がこう変わるということを知らされてるでしょうか。国民に知らすこともなく、私この間、先生方ともわずかですけど話をしてきました。校長先生も御存じないんです。そういう中で教育基本法が変えられようとしている。教育の専門家の声さえ聞こうとしない。こういうやり方自体がやはり間違っている。国民に知らせないのは、知らすことにたえられない、そういう内容になっているんだと私は両方を見比べながら思います。
国民全体に対して責任を負うようになっている今の教育基本法が、国家の方に向く、そういう内容に変えられようとしている。教育行政は、その教育の目標を達成するために条件を整備することですよと決まっているのが、徳目を設けて、そしてそれを押しつけようとする。愛国心だけではありません。もちろん愛国心も私は大事だと思います。だけど、法で決めて、そして押しつけて、そして評価していくというふうな内容のものではないと思うんです。
そういうことがたくさんありますので、今後もお互いにこのことについては勉強し、議論していきたいと思っています。きょうはこの程度にします。
それから、プルサーマル導入に関して、前回と同じように市長は国が決めることだと、だからやらないと、そういう検討はしないとおっしゃいました。私は、これだけ学者の間でも対立している、そういう問題について、隣接の自治体が国任せ、地元では何もしないということでは本当にこれはいけないんじゃないでしょうか。そんなのはないんじゃないでしょうか。
地震に対する基準も変わってくる、耐震基準も変わってくるわけです。そうしたら、国が許可したことも揺らいでくるわけです。そういうときに早々と国の言うことにオーケーを出すというふうな態度では、私は市民の安全は守れないんじゃないかと思うんです。せめて慎重に今後対応するという姿勢を見せていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
また、私たち議会の方でも、議長さん、運営委員長さんを初め中心になって特別委員会をつくってこれから検討しようと。議会はこれから検討すると言ってるときに、その理事者側の長である市長がもう国に任すんだと言われたんではどうしますか。議会でもしいろいろな意見が出てきたときに、それを無視されるんでしょうか。議会での動きをどのように評価されるんでしょうか。ちょっとそこをお聞きしたいと思います。
それから、介護保険法の見直しと自立支援法について、確かに病気が重くならないように予防をするということは大事なことだと思いますが、今私が上げましたような人たち、例えばベッドを取り上げられそうだと言った人は、やっとそのベッドの端の支えを持って起き上がることができると、それがなかったら起き上がれないと言ってるんです。その方は、これ以上足腰は弱くなったらいかんからと言って、手押し車を引いて毎日その一角を散歩されてます、たびたび見ます。そういう努力をされてる方が、もしベッドを取り上げられたら一人で起き上がれない、そしたらもう寝たっきりになってしまうと。自立を支援するどころか、逆に重症にしてしまうと、そういうことにもなりかねません。そういう意味で、一つ一つ丁寧に利用者の声を聞いて今後対応していただきたいと思います。これは要望にしておきます。
それから、放課後児童クラブ、本当に努力をしていただきまして充実してきたことを喜びたいと思いますが、私見学しまして、もし自分の子供がそこで預かってもらっていたとしたら、ちょっと不安も感じたんです。というのは、指導員が1人だということ。そして、放課後そこにいつも見ていただくわけですからいいんですが、うちの子供たちのことを思い出してみますと、もう学校から帰ったらかばん放り投げて、外に走り出して、元気に野山を駆け回って遊んできた、そういう子供たちでした。ですから、あの部屋の中に5日間ずっといるということは、子供の成長にとって果たしてどうなのか、そのことを指導員の方にもぶつけてみました。そしたら、指導員の方は、1人ではとにかく外にはよう出さないということでした。ですから、せめて2人だったら1人外についていくと、1人中にいたい子のために中にもいるというふうなことができるんだけど、1人ではとても外へはよう出しませんということでした。
そういう意味でやっぱり2人体制が必要ではないか。なかなか厳しい財政状況ではありますが、例えばボランティアを組織するとか、あるいは市全体で何人か回っていって、その人が来たときは外に連れ出せるとか、いろいろ方法があると思うんです。
そういう意味で、本当にできたからいいというんではなくて、さらに充実に向けて頑張っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
それから、うれしい悲鳴ですが、神山ではもう定員がオーバーして入れない人がいるということです。最初は希望は7人だったそうです。今36人ぐらいに膨れ上がってる。だから、3年生はもう受け入れられないということでした。ですから、やっぱりよくそういう学童保育、放課後児童クラブという制度が理解されていないために最初は申し込まなかったけれども、見ていると楽しそうだし、安心だしということで、どんどん希望者がふえていったということではないかと思います。
ですから、やはり余裕を持って施設をつくっていただきたいし、2人体制のことなどぜひ検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
以上です。
○議長(宮本明裕君) 市民課長。
○市民課長(谷 明則君)
それでは、遠藤議員さんの再質問についてのお答えをさせていただきます。
まず、先ほどの答弁の補足も含めまして報告をさせていただいたらと思いますが、医療費と、これは退職者に関係される医療費は除きますけれども、一般医療費、それから老人拠出金、介護納付金、これに対します国、県、市の公費投入の割合でございますが、先ほど言われました一般会計繰入分等も含めましてでございますけれども、16年度では64.2%、17年度では62.9%となってございまして、他の市町村でも同様の割合とはなっておると思いますが、かなりの割合で公費の投入がされてございます。
それからもう一つ、補足でございますけれども、当市のルール外の繰入分の1人当たりの費用でございますが、先ほど遠藤議員さんの御質問の中に204円、これは平成16年度分でございますが、平成17年度につきましては約750円程度になってございます。一応これ補足でちょっと説明をさせていただいたらと思います。
それから、御質問のどれぐらいの繰り入れをすれば引き上げしなくて済むかということでございますけれども、平成18年度決算見込み、赤字決算の見込みが総額で8,874万9,000円となってございます。このうち今回引き上げをお願いしておりますのは一般医療費の分でございまして、その赤字見込みが約7,100万円となってございますので、7,100万円程度を繰り入れをいただければ引き上げをしなくて済むという計算にはなろうかと思います。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 市長。
○市長(高橋英吾君)
プルサーマルの件ですけれど、隣接地ということになりましたが、これは国と国の許可、それから地元、県ということで、伊方町、県ということで我々は権限がないわけです、やめろとか、賛成とか反対とか。しかし、私どももこの小さな市でありまして、そこへいろいろな人を呼んで、費用をかけて賛成反対しても、大体同じような人が来るんじゃないかと思います。似たようなことで、私どもはもう結局国、県、伊方町、その意向に沿ってやっていきたいと、このように思っております。
それから、議会ですけれど、遠藤さん御存じのように国は三権分立です。地方は二権分立、いわゆる行政と議会とはお互いに線がありまして、そこへ介入できないということです。したがって、議会の方で特別委員会をつくるかどうかは私はわからんですけれど、つくって中で議論して、そして何か私の方に答申を出されるというふうな話でございますが、その内容を見て私どももどうするかということを決めたいと思いますけれど、基本的にはやはりいろいろな情報をとって市民の安心安全を守っていくのがもう基本でありますから、議会側ができたことに関しては、やっぱりお互いに話し合いをしていきたいと、どうするかということを決めていきたいというように思っております。
以上でございます。その他の問題は課長より答弁させます。
○議長(宮本明裕君) 福祉事務所長。
○福祉事務所長(小西宇佐男君)
遠藤議員の再質問で放課後児童クラブの2人体制といいますか、それと屋内ばかりで屋外の方へも出してやりたいというようなことかと思いますけれども、まず長期の休暇中、夏休みとか冬休みとか、その辺の長期の休暇中につきましては2人体制をとっております。また、利用者の中に障害を持っておるような子供がおられるようなときには、特段の配慮をいたしまして、臨時的に2人体制にいたしております。
費用的な面につきましては、議員さん方の中で予算書を見ていただいたらわかることはありますけれども、ただいま5カ所の児童クラブの予算が1,498万8,000円でございまして、県の補助金とか自己負担、おやつ代等でございますけれども、その辺を除きました一般会計から一般財源といたしましては947万8,000円でございます。
ということで、約1カ所当たり200万円の持ち出しということでございますけれども、これが果たして高いのか安いのか判断はいろいろあろうかと思いますけれども、その辺も踏まえまして、議員さんの中身でボランティアというような話も出ましたので、もろもろを含めまして今後の検討課題ということで今回の御答弁にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(宮本明裕君) 遠藤素子君。
○遠藤素子君
最後に、やはりプルサーマルの問題を。ただいまの御答弁は、議会の方はこれから検討するということだから、その声も聞き、いろいろな情報も取り入れて検討したいということと受け取ってよろしいんでしょうか。別に講師を呼んでするだけじゃなくて、今インターネットも発達しておりますし、情報はいろいろ取り寄せることはできると思うんです。
ですから、国任せではなく、住民の安全に責任を持つという以上は、やっぱり市長としても十分検討、今後検討すると言われるべきではないかと私は思うんですが、このことを質問して私の質問を終わります。
○議長(宮本明裕君) 市長。
○市長(高橋英吾君)
それは中身によりますし、日本は自由と民主主義の国でありますから、ここを代表する国会議員もおります。県会議員もおります。その方々が国において、県においていろいろやっております。そして、ここは二権分立で議会として住民の負託を受けてやっておりますし、私もそうでありますから。皆さん方は二権分立でありますから、特別委員会でどういう内容で議論されるのか、まだ全くわかりません。だから、中身を見てからじゃないと、今それを取り入れるとか入れないとかということはできないことは当たり前の話であります。
以上です。