公開日 2014年09月05日
〔井上和浩君登壇〕
○井上和浩君
皆さんにはそろそろお疲れのことと思いますけども、私は非常に生活に密着したところの質問で大綱1点のみにつき質問をさせていただきます。後ほど同僚議員が同じような質問をいたしますが、これは市民の声が非常に高いというあらわれでもあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
それでは、本題に入ります。
大綱1、高齢者交通弱者への外出支援バスの運行について。
少子・高齢化の問題が殊さらに叫ばれる現在、新八幡浜市にあっても地域の社会構造を見る限り、この後高齢化率30%にまで上昇すると予想がされます。
今、国は地方分権を主たる施策として、地方の特色や発想を重視した上で、障害となる規制を緩和することで地方独自の構造改革を支援する立場をとっております。
人口4万2,000人弱の新八幡浜市が誕生をいたしましたが、現状にあっては当地域の1次産業の衰退が経済全体に大きく波及、全国衰退都市ランキングの上位に名を連ねる結果となっております。合併後においても、過疎地域自立促進特別措置法の適用となり、9月の議会においてその説明を受けたばかりであります。地域の自立促進にはみずからの創意工夫と主体性を持った新しい施策の展開が必要とされております。
当八幡浜市においても、過疎地域自立促進計画の中、数ある基本方針に高齢者の豊富な知識と経験の活用、高齢者が安心をして定住できる生活環境の整備などがうたわれております。このことを背景に、計画の柱となる交通通信体系の整備の条項より、交通の確保に関連して述べます。
道路運送法の改正により路線バスの需給調整規則が廃止され、赤字路線の退出が企業側の裁量で可能となり、双岩地域は今年9月全便廃止になったところであります。利用率の低い赤字路線にもかかわらず、14年の法改正後も県単独の合併支援事業として適合条件のハードルが低く設定をされており、バス運行の維持ができてきたものの、合併成立後、運行維持するためのハードルは高く、利用者の少ない双岩地区がねらい打ちされた格好で完全撤退の運びとなったところであります。
この問題は、少子・高齢化がより加速する今日、特定の一地域のみの問題としてとらえることなく、新八幡浜市のあすを見据えた重要な施策課題としての取り組みが必要と思われます。
当八幡浜市では、既に福祉タクシー利用助成事業が15年1月より施行されていて、この福祉事業が大変評価をされていることも承知をしております。
本事業の条例規約に適合しないため、その恩恵を受けることのできない交通弱者のあることも見逃すことができず、特に高齢者が構成主体の中山間地域にあっては、利用方法などで改善要望の声も聞かれます。
以下、次の5点につき説明を求めます。
1、福祉有償運送についてですが、さきごろ全国規模の規制改革要望への対応として、福祉有償運送についてセダン型などの一般車両の使用を認めることとされたところであります。
本県にあっても、企画情報部のえひめ夢提案制度のもと、愛媛県福祉有償運送につき特別区域の申請につき説明会があったと聞いていますが、この件につき説明を求めます。
2、陸運局は交通機関空白の状況にあって、必要性、妥当性、住民ニーズから、過疎地有償運送を特別区域において、その内容をよく調査した上で許可を認めることとするとあります。このことは、法人格を持つ非営利団体においてセダン型自家用運行を認めるというもので、運送の対象者は会員登録が必要と聞くが、交通機関空白の状況における過疎地有償運送につき説明を求めます。
3、八幡浜市シルバー人材センターでは、その実績も順調に推移して、法人格申請の条件も整い、18年4月の法人化に向けて準備を進められております。
法人格取得の場合、セダン型自家用運行団体としての登録申請はできないものか、お尋ねをいたします。
4、支援バスのあり方についてですが、現在までに路線バスが廃止または廃止の方向で見直しされている地域は、バス利用者の少ないことが要因となっております。保内町で現在実施されている外出支援バスについても利用者は少ないと聞いております。
運行回数の見直しが必要と思われるが、八幡浜市全地域の実情調査を行った上で地域割りをし、1地域の運行を数日間に1回、あるいは週ないし月に1回程度にするとか十分に検討して、直ちに実現しなければいけない現状であると思われるが、お考えをお伺いいたします。
5、福祉有償運送及び過疎地有償運送の有償部分に、青年会議所のまちづくり委員会が検討をしている地域通貨などを組み入れると非常にユニークな取り組みとなり、商店街コミュニティーの形成や地域経済の活性化にもつながると思われるが、この件についても見解をお伺いいたします。
以上で私の質問を終わります。
○議長(宮本明裕君) 市長。
○市長(高橋英吾君)
井上和浩議員の大綱1、高齢者交通弱者への外出支援バスの運行についての(3)のシルバー人材センターの福祉有償運送についてお答えいたします。
新八幡浜市になりまして、旧八幡浜市のシルバーと旧保内町のシルバーは非常に素早く合併をしたのが現状であります。
それによって、シルバー人材センターの現在の登録人員ですけれど、法人化には登録人員120人以上、就労時間5,000時間以上等の要件がありますが、どうもそれを満たしておるようでありまして、今八幡浜市シルバー人材センターの法人化については、議員の御質問にありましたとおり、現在着々と準備が進められております。
もしシルバー人材センターが福祉有償運送を実施する場合は、法人格の取得、道路運送法の許可、福祉有償運送運営協議会でのボランティア組織としての認定及び運行に対しての議決を経る必要がございます。
全体的に八幡浜市の郊外はバスが徐々に運行をやめております。いわゆる赤字路線であります。それを続けるとなると、相当数の補助が必要なので、行政としてはなかなか難しい。
そして、現在一つ一つ、例えば双岩地区、それからこの前やめました津羽井、高野地、その他日土も左側ですか、それから右側もどうなるかよくわからんですけれど、そういうことで将来徐々に人口が減ると、乗る人が少なくなってくるという現実がございます。これをどがいするかという問題ですけれど、今私どもの政策推進課では、これを一応将来の人口の問題とかそういうことでどうしたらいいんだろうということで今議論をしておるところであります。
したがって、一地域だけに特別にやるというんじゃなしに、井上和浩議員の中でありましたように、全体を見て週1回とか月1回とか、そういうローテーションは組めないのかなと。費用はどの程度要るのかなということですけど、これも三位一体改革によって3割自治が6割から7割自治になれば具体的にできてくるんではないかと思いますが、すべて三位一体より権限移譲、権限移譲よりかお金の移譲、これの方が一番大事だと思いますから、これから重大な問題でありますので、市としても慎重に、そして真剣に取り組んでいかなければいけない問題だと思っております。
その他の問題に関しましては、担当課長より答弁をさせます。
以上です。
○議長(宮本明裕君) 政策推進課長。
○政策推進課長(田中正憲君)
井上和浩議員の大綱1の(2)と(4)、(5)につきましてお答えをいたします。
まず、2点目の過疎地有償運送についてお答えをします。
過疎地有償運送につきましては、議員の御質問のように、交通機関空白の過疎地において、地方公共団体からの協力依頼を受けたNPO等の営利を目的としない法人が、運輸局の許可を受け低料金で運送サービスを提供するものでございますが、これには幾つかの要件がございます。
まず、必要性でございますが、地方公共団体がタクシー等の公共交通機関では住民の十分な輸送サービスが確保できないと認めることが必要でございます。
次に、地方公共団体や関係機関、利用者の代表、さらにバスやタクシー等関係交通機関等で構成する運営協議会を設置して、事業の必要性や乗客の利便の確保の方策等について協議する必要がございます。
対象者は、すべての住民でございますが、議員御指摘のように会員として登録する必要がございます。
使用車両につきましては、福祉有償運送と違い制限はございません。
また、運賃につきましては、タクシー料金のおおむね2分の1を目安に、地域の特性等を勘案し定めることになっております。
次に、4点目の生活バス路線廃止地域における今後の取り組み及び5点目の地域通貨の活用についてお答えをいたします。
生活バス路線が廃止された地域の交通手段の確保につきましては、今ほど説明いたしました過疎地有償運行制度や廃止路線代替バスの運行、また外出支援バス、コミュニティーバスの運行などいろいろな方法がございますが、それぞれ費用対効果あるいは民間事業者との競合など諸問題がございます。
議員御指摘の実情調査や住民ニーズの把握、さらに5点目の御質問の地域通貨の活用を含め、現在設置しております総合計画策定検討会など、庁内のワーキンググループにおいて交通弱者の交通手段の確保、廃止路線の代替策について検討をしてまいりたいと思いますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
以上であります。
○議長(宮本明裕君) 福祉事務所長。
○福祉事務所長(小西宇佐男君)
井上議員の1点目の福祉有償運送についてお答えをいたします。
去る11月30日に第1回目の愛媛県福祉有償運送連絡会議が開催をされました。福祉有償運送の概要とえひめ福祉輸送協議会からのゆめ提案、いわゆる県下全域での移動福祉サービスの展開について御説明をさせていただきます。
福祉有償運送とは、訪問介護事業者やNPO等の非営利法人が、高齢者や障害者等公共交通機関を使用して移動することが困難な人を対象に、通所、通院、レジャー等を目的に有償で行う車両による送迎サービスでございます。
ただし、福祉有償運送に当たっては、要介護者、身体障害者、その他単独では移動困難な者と対象者に限りがございます。短期間で治癒が予想されるけがとか障害を持たない妊産婦及び乳幼児、それから単なる高齢者等は対象としておりません。
また、福祉有償運送につきましては、特区認定を受けないことには、福祉車両しか使用をできないことになっております。
そこで、県では、まず1点目といたしましてセダン型の一般車両を認める、2番目といたしまして、県下全域をカバーした運営協議会を県段階で立ち上げ、福祉運送の運営促進を図るといった構造改革特区認定の申請の手続の準備を進めておるところでございます。
この特区申請につきましては、8月下旬の県とハイヤー・タクシー協会との協議におきまして、セダン型の特区申請に対しましては結論が出ておらないような状況でございます。そういう観点で、10月の内閣府に提出する特区申請の期限には、残念ながら間に合っておりません。
県といたしましては、次回の申請、これは1月でございますけれども、これに間に合うように引き続き協議を行っているようでございますけれども、協会側としましては、12月に行われる全国のタクシー協会の会議での統一見解が出るまで待ってほしいというような段階であると現在は聞いております。
少しでも早い段階で話し合いがまとまり、申請手続ができることを期待しているところでございます。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 井上和浩議員。
○井上和浩君
ただいまそれぞれの関係理事者の方、市長さん、大変前向きな回答をいただきましてありがとうございました。
この問題につきましては、私が住んでおります双岩地区において非常に声が一段と高くなっておりまして、つい先日、民間の主導によって赤字路線廃止できるというような法律のもとで、合併と同時にもう県の支援がなくなったというようなことで非常に撤退しやすくなったというような形になっておるわけなんですけども、やはり最初の問題に言いましたように、この過疎の状態は八幡浜市は一段と進んでまいりますし、また赤字路線の撤退ということが目に見えて進んでいくというふうに思います。
先ほど政策推進課長の方からタクシー利用という話も出ましたが、地域によってはバスが通うバス停まで出るのに非常な時間がかかる、また距離があるというようなとこも非常にありまして、この特区をぜひ申請をしていただきまして、そういった狭い道路にまで入っていけるような、そういう対策をしていただきたいと、そのように思います。
それから、市長さんが財政的な問題も言われましたけども、過疎地域自立促進特別措置法という法律の中で、自立促進のための財政上の特別措置というようなものもありまして、バス購入とかそういうことにつけては地方債が認められるというような、地方債が必ずしもいいとも限りませんけども、そういう法律もありますし、ぜひ早い時期に協議会を立ち上げていただきたいということをお願いをして質問を終わります。よろしくお願いいたします。
協議会の件について、説明お願いいたします。
○議長(宮本明裕君) 休憩いたします。
午前11時48分 休憩
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午前11時50分 再開
○議長(宮本明裕君) 再開いたします。
井上和浩君。
○井上和浩君
ぜひ市当局で検討委員会を立ち上げていただきまして、市民も含めた協議会の立ち上げに向けて努力をしていただきたいということを申し添えまして、質問を終わります。