公開日 2014年09月05日
〔新宮康史君登壇〕
○新宮康史君
それでは、初めての一般質問をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
一般質問をさせていただく前に、市議会議員、また教育に携わる関係者といたしまして大変危惧されることがございますので、皆様にごあいさつを兼ねまして御報告申し上げます。
それは、義務教育費国庫負担金制度の件でございますが、去る11月30日に三位一体改革、政府・与党の合意で負担割合が2分の1から3分の1へ変更、8,500億円程度の減額で政治決着がつけられました。地方に一般財源化され、さらに児童手当も3分の2から3分の1に削減される予定でございます。中教審の鳥居会長は、「日本の子供の将来に危惧の念を抱く」と、このようにコメントしてございます。子供は生まれる場所も親も選べません。すべての子供が安心して平等に教育を受けられることは、日本国民の全体の願いでもございます。国民の負託を無視して政治決着の形は、改革とは言えないのではないかと私は思います。
一般財源化されると、力、財力のない県は教育費をカットせざるを得なくなると思います。そうすると、義務教育でありながら地方格差が生じることになります。これは、教育の根幹を揺るがせる憂慮すべきことでございまして、子供たちが安心して義務教育を受けられるよう最大限の努力を私はしていきたいと思います。皆様にはぜひ御理解をお願いしたいところであります。
前置きが長くなりましたけども、これから発言通告書に従いまして、大綱3点について質問させていただきます。
まず、大綱1でございますが、学校教育に関してでございます。
その中で、新学習指導要領下における市の現在の教育指針について。
これは、平成14年4月、新学習指導要領のもとに学校完全週5日制が実施されましてから、現在まで約4年半が経過してございます。途中一部改正もございまして、ゆとり教育からみずから学び考える力、いわゆる生きる力をはぐくむことということと、またあと学力向上、方向を修正しながら、趣旨の徹底を図るべく努力が今までなされてまいりました。
平成15年、おとどしですけども、OECDが行った生徒の学習到達度調査、また国際教育到達度評価学会、IEAと申しますが、実施の国際数学・理科教育動向調査の結果を見ますと、我が国の児童・生徒の学力は、全体として国際的に見て上位ではあるが、小学校理科、中学校数学は低下傾向である。文章の読解力は低下傾向にあり、世界のトップレベルとは言えない。授業を受ける態度はよいが、学ぶ意欲や学習習慣に課題があると、このようなことが出ております。さらに、ことし国の調査結果では、愛媛県の教育レベルは以前は国内トップクラスでございましたが、現在では平均より勝る点が少なく、特に文章の読解力が低下しているとの結果が出ております。
このような学力低下の具体的な数字を受けまして、昨年11月に前中山文部科学大臣が「甦れ、日本」という資料の中で、ゆとり教育からの方向変換、教育改革の方針を打ち出しました。その中に、「学力向上~世界のトップへ」と明確に打ち出しております。
以上のように、ここ数年で教育界はさまざまな環境の変化から、ゆとり教育からの脱却、学力向上教育に変化しているようでございます。
そこで、質問でございますが、市の学校教育として、この学力低下をどのように押さえておられるか、また教育方針にどのように反映しているのか、伺いたいと思います。
そして、最も困っておられるのが、学校現場での先生方ではないかと思います。私自身は、現在発表されている学力低下というのは、信憑性からしてそんなに身に迫った緊急を要する課題とは思えません。それより、子供には総合的な学習の時間等を通じて、社会実体験、自己責任で生きる力の教育の方が、社会との関係の希薄さを考えた場合、大切であると思えるのですが、具体的に学校現場には教育カリキュラムに対してどのような指示を出されているのか、伺いたいと思います。
また、国は平成13年12月に子どもの読書活動の推進に関する法律を制定し、同法第9条の規定に基づき、県が愛媛県子ども読書活動推進計画を平成16年3月に策定、これを受けて各郡市町にそれぞれ計画書を策定するように努力目標として出されてますが、市の取り組み状況を伺いたいと思います。
次に、学校安全に係る危機管理でございますが、平成13年6月に発生しました大阪池田での児童殺傷事件では、8人のとうとい子供の命が犠牲となりました。また、1年前での、まだ記憶に新しい奈良での小1女児誘拐殺人事件、つい最近立て続けに発生しております広島、栃木での小1女児殺害事件と、何の罪もないいたいけない子供の命がいとも簡単に奪われると、こういう事件が続出しております。このような悲惨なことはあってはならないことで、人の力を持って防ぎ得ることでもあると思います。
そこで、文部科学省は平成16年1月に「学校安全緊急アピール」を出しました。学校による具体的取り組みについて留意点7点の中に、実効ある学校マニュアルの策定というのがあります。
また、県はこれを受けまして、「学校安全とスクールガードの活用」という方針を出し、事件、事故の予防や災害発生時の対応等、学校の安全管理について総合的にまとめた「愛媛県学校安全の手引」を活用して、各学校の危機管理マニュアルを作成しなさい、児童・生徒の安全確保に努めるように指示を出しました。
そこで、質問でございますが、国の指針や県からの危機管理マニュアルの作成に対して、市はどのように取り組みをしているのか。また、私は経験上、危機管理は常日ごろの管理、訓練をすることによって実の効果が高いと判断してございます。それゆえ、市として共通のマニュアルを作成し、各学校に指示した後は、それぞれが地域性を取り入れて独自のマニュアルを作成すべきだと思いますが、各学校現場でのマニュアル策定は現状どのような状況になっているのか教えていただきたいと思います。できれば具体的に、例えば校内体制、これは安全担当とか委員会等校内組織の整備とか、それから教職員の安全意識、実践的な研修、訓練、安全マップの状態とか、それから校門等の管理状況。
先ほど遠藤議員さんからも出てましたけど、広島、栃木で発生した事件では、通学路での死角ポイントが問題となってございまして、文部科学省も再度点検見直しを指示してございますが、今回の事件を受けまして、市として子供の命を守るために何か具体的な対策を講じているのか、お伺いしたいと思います。
次に、教育環境の整備についてでございますが、まず日土小学校の改築、改修の件でございます。
この問題につきましては、前年を含めさきの市議会で多くの先輩議員が質問され、状況は御存じであると思いますので、経緯説明は簡単にいたします。
日土小学校がモダニズム建築ドコモモ国内20選に選ばれまして、文化的遺産として価値があるので改修して残してほしいというグループと、子供の安全を考えた場合、江戸岡小学校を前例に全面改築してほしいというグループが、昨年来話し合いを続けてまいりましたが、折り合いがつかず、行政側も地域が絡んだ微妙な問題でございまして、将来に日土地区に遺恨を残すようなことがあってはならないと配慮しまして、現在日土小学校再生計画検討委員会をつくって、来年3月をめどに協議を継続している状態だと思います。
私は、昨年後半ですが、両方のグループにお会いし、お互いの言い分を伺いました。そして、お互いに問題部分もあるので、振り上げた手をどこかにおろせるよう、お互いに譲歩すべき点はないのか話し合うように助言させていただきました。現在、両方のグループ内に感情的なもつれが発生している状況でございますので、どちらかの方向に強制的に決めることは最も危険な状況でございます。
そこで、質問させていただきますが、私は委員会の議論のあり方について疑問を持ってございます。文化的価値のあるものを残すということと子供の生命に関する安全確保とは別次元で、一緒のテーブルに着いて、改築、改修と議論するには無理があるのではないかと思います。このまま最終的に多数決で答申を出しても余り意味がないのではないかと思います。
しかし、子供の安全という観点では、決してないがしろにしてはいけない問題で、実際にこの学校の保護者の子供が、ガラスで三十数針を縫うという大けがをしてございます。また、ことしの10月に、鳥取大附属中学校の1年生が校内で遊んでいてガラスに誤ってぶつかって死亡した例もございます。
委員それぞれが自分の立場で専門的に議論をしていただき、結論を無理に一つにするのではなく、建物の文化的価値、子供の安全確保のためにどうすべきかを答申していただき、行政側で最終的に審議すべきだと思うのでありますが、理事者の考え方を伺いたいと思います。
次に、神山小学校のプールの建設についてでございますが、神山小学校は校区が市内のベッドタウンとして発展してきた土地柄もございまして、児童数約390名で、次の白浜が290名、宮内が240名、松蔭が210名と、市内では一番のマンモス校でございます。
そんな中、学校にございますプールが、現在25メートル掛け4コースしかなく、水深の浅い低学年用のプールもございません。市の財政が厳しいさなか、非常に心苦しいのですが、夏季の校内教育に大きく支障を来してございます。学校、保護者からのたってのお願いということで私が代弁させていただきますが、高所大所の御判断のもと、市過疎地域自立促進計画にものせられており過疎債も使用できると思いますので、早期の建設実現ができないものか、お伺いいたします。
また、これは私の私案でございますが、市も合併して人口が約4万2,000人に膨れ上がりました。さきの市民プール管理委託業者の件では、情報の伝達方法や時間的問題等で一部の市民と行政の間で不信感が発生し、払拭できない状況が続いているものと思います。そんな中、今のプールでは実際に泳ごうとしてもなかなか混雑がひどく、泳げる状態でもございません。
合併して、余り明るい話題もございません。市民の健康維持こそ一番の節税につながる得策でもあると思います。過疎債を利用し、思い切って神山小学校のプールを新設の第2温水市民プールにできないものかと思います。投資的歳出は大きな金額になるかもしれませんが、先のことを思えば十分に採算のとれる事業ではないかと思います。いろんな制約があると思いますが、改革はこんなところで有効にやらねば、先の展望はなかなか見えないと思います。理事者の将来も見込んだ建設的な考えを伺いたいと思います。
次に、大綱の2でございますが、児童・生徒の虐待防止に関する件でございます。
最近、特に実の親を中心に大人からの虐待により子供たちの命が危機にさらされてございます。連日のように新聞等のマスメディアに事件が出てございまして、深刻な社会問題だと認識しております。児童虐待防止等に関する法律は平成12年11月に施行されまして、昨年10月、情報招集強化に関する法の改正が行われ現在に至っております。また、来年の4月からは新たに高齢者虐待防止・介護者支援法が施行され、子供だけでなく高齢者も保護されるようになります。
本題に返りますが、昨年、愛媛県の児童相談所への虐待相談件数は328件でございまして、そのうち実の母が215件、実の父が70件と、パーセントで言うと87%ぐらいになると思うんですが、そのうちの検挙者が5名、そしていたいけない子供の命が2名奪われております。虐待が表面に出たときには手おくれな場合がほとんどでございまして、いかに確かな情報を早く入手するかにかかってございます。
そこで、質問ですが、市は現在どのような方法で情報を得たり、また一般の方々が気兼ねなしに情報を提供できる環境をつくっているのか、その具体的活動も含めてお教え願いたいと思います。
また、虐待された児童らの適切な保護を図るために、自治体が関係機関などを集めてつくる要保護児童対策地域協議会が4月の改正児童福祉法で施行されまして、全国2,399市町村のうち138市町村、これ6月1日現在ですけど、5.8%しかまだ設置されてないとのことですが、市としてどのように対応されるつもりかお伺いします。
次、3ですが、最後ですけども、福祉関連で、これからは少子・高齢化が目に見えて実感できる時代と思います。八幡浜でも65歳以上の高齢者は27.7%、普通の市では大体21%ぐらいでございますが、約1万2,000人います。そして、65歳以上のひとり暮らしの高齢者は、男性593人、女性2,321人、女性の方が圧倒的に力が強いわけでございますけども、合計2,914人となってございます。もちろん今は子供も高齢者も地域が一体となってサポートしていく時代になりました。社会福祉協議会の方で、民生委員さんや見回りさんがふだんお世話していただいてございますが、いろんなひとり暮らしの方の困っている情報をお持ちだと思います。しかしながら、民生委員さんや見回りさんができるお手伝いの範囲は限られてございます。そして、最も困っていらっしゃるのは気兼ねして言えない御本人だと思います。手の届くふだんの暮らしを安心して送れる手助けが肝心で必要だと思います。
そこで、質問でございますが、私は民生委員さん、見回りさんにその情報をホウレンソウ、報告、連絡、相談をしていただき、ちょっとした専門的な作業や送迎等を各地区の社会福祉協議会にてサポーターを募り、登録、組織立てておき、サポーターによる迅速な対応を、材料費ぐらいでお金をかけないでも済むようなシステムに構築しておけば、ひとり暮らしの高齢者の経済的負担軽減と目の前の困ったことが気兼ねなしに解決するので、安心して暮らせることになると思います。
そして、できれば行政側で各地区社会福祉協議会同士のつながりを広げるサポーターのネットワークづくりをして一つの輪とすれば、福祉の向上、地域に対する活性化にもつながると思いますが、理事者のお考えを伺いたいと思います。
以上、市長及び関係理事者の誠意ある答弁をお願い申し上げます。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 市長。
○市長(高橋英吾君)
それでは、新宮議員の大綱2、児童・生徒の虐待防止に関すること、(1)の児童虐待の対策の現状について御説明を申し上げます。
市では、平成15年10月に八幡浜市児童虐待防止連絡協議会を設置をしております。この協議会は、総合的な対策を協議する委員17名の協議会と、さらに具体的なケースを支援する専門部会から成り立っております。当初は、保健福祉課が事務局を担当しておりましたが、合併後は今までの活動を生かし、児童虐待防止を妊娠届け出や乳幼児健診時の早期から対応することや、虐待に至る前段階の予防的視点に重点を置いた対策をとるために、保健センターが窓口となり、福祉事務所や学校教育課等と連携を取り業務を継続をしております。
現在の児童虐待に関する情報源は、専門部会のメンバーである産婦人科・小児科医師や保健センター、福祉事務所、保育所、学校等の関係者、地域の民生委員さんたちとなっております。
また、一般住民や保護者が気軽に相談できるよう、子育て虐待電話相談室の専用電話を保健センターに設置しております。平成16年度の専門部会での対応件数は32世帯でした。しかし、児童虐待に至るケースは複雑な問題があり一挙に解決するケースは少なく、長い年月、見守りや支援が必要となっております。
今後は、要保護児童・生徒及びその保護者への支援を充実させていくため、さらに多くの関係者の協力を得る体制を福祉事務所と協議しているところでございます。
次に、(2)の要保護児童対策地域協議会の設置についてどのように対応するのか。
議員御指摘のとおり、平成17年4月1日に改正児童福祉法が施行され、地方公共団体は要保護児童の適切な保護を図るため、関係機関等により構成され、要保護児童及びその保護者に関する情報の交換や支援内容の協議を行う要保護児童対策地域協議会を置くことができるようになったところでございます。
現在県内で地域協議会が設置されておりますのは、宇和島市、今治市、西条市、四国中央市の4市であります。当市におきましては、平成15年に県内の市としては2番目に設置しました児童虐待防止連絡協議会がございますので、これを発展させ、遅くとも平成18年度の初めには要保護児童対策地域協議会を設置したいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
その他の問題に関しては、各担当課長より答弁をさせます。
○議長(宮本明裕君) 助役。
○助役(谷口治正君)
それでは、大綱3のひとり暮らしの高齢者に対する生活サポートについてお答えをいたします。
当市では、ひとり暮らしの高齢者が安心して暮らすことができるよう、地域住民が一体となって見守る体制をつくり、ニーズの発見からサービスの提供へと結びつけることにより高齢者福祉の向上を図ることを目的に、八幡浜市独居高齢者等福祉ネットワーク事業を実施しております。この事業は、地区社会福祉協議会ごとに見守り推進員を配置し、民生委員と連携しながら、対象者のニーズを把握し、在宅介護支援センターに報告していただき、サービスの提供につなげております。
議員御指摘の生活サポートにつきましては、この独居高齢者等福祉ネットワーク事業におきまして、地区社会福祉協議会ごとに開催されているネットワーク連絡会議がございますので、この場で協議していきたいと考えております。
また、保内地区では地区社会福祉協議会が結成されておりませんので、34の単位老人クラブの会長さんに見回り推進をお願いいたしております。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
新宮康史議員御質問の大綱1、学校教育に関して、新学習指導要領下における市の現在の教育指針について、ア、学力低下をどのようにとらえているか、今後の教育方針にどのように反映していくか、イ、学校現場には教育カリキュラムにどのように指示を出しているか、御質問2点について、関連がありますので一括してお答えいたします。
平成16年度、県下小学校5年生、中学校2年生を対象に国語、社会、算数、数学、理科、英語の学習状況調査を実施いたしました。その結果、八幡浜市の児童・生徒の学力は、ほぼ県レベル以上の学力を有しており、全体的にはおおむね良好な学習状況であるととらえております。
ただ、議員御指摘のように、すべての教科の基盤となる読む力を初め、学校により異なりますが、十分身につけていない領域、分野も見られます。
教育委員会では、今回の学習状況調査の結果を踏まえ、子供たちの生きる力の基礎基本となる確かな学力の定着と向上を目指し、さらに学習指導の充実を図る必要があると考えております。各学校に対しましては、自校の課題を明確にして、学習指導の工夫、改善に取り組むよう指導しております。一時間一時間の授業を充実させ、確かな学力の定着向上を図るため、具体的には学習指導案を書き、評価、検証をしながら、個に応じたきめ細かな指導の累積を図るよう指導しております。
このこととともに、議員御指摘のとおり、児童・生徒の社会性や責任感等の育成は大変重要な教育課題であると受けとめております。それにはまず学級、学校生活の中で、児童・生徒一人一人が集団や社会の一員として集団活動への関心や所属感を持ち、集団や仲間とかかわる中でルールを守ることや自己の責任を果たすことの大切さを学ばせ、よりよい生活を築こうとする自主的、実践的な態度を育てることが大変重要だと考えます。さらに、学校内では得られないさまざまな人々とのかかわりや社会体験を通して、豊かな社会性等を培う必要があると考えております。そのためにもコミュニケーション能力や豊かな心の育成を目指した体験活動の一層の充実にも努めなければならないと考えております。
年度当初には、各学校に対し平成17年度学校教育の目標、努力点として、知・徳・体の調和を図り、さらには食育にも配慮し、地域に根差した創意ある教育ができるよう指導するとともに、学習指導要領等に従い特色ある学校づくりを進めることができるよう、適切な教育課程の編成、実施に努めるよう指導しております。そのためにも、教師の意識改革、教師の資質、指導力の向上に努めてまいりたいと思っております。
次に、大綱1、(2)学校安全にかかわる危機管理について、ア、国、県からの活動方針や県からの危機管理マニュアルについてどのような取り組みをしているか、イ、各学校の危機管理マニュアルの策定はどのような状況になっているか、その具体的内容は、ウ、広島、栃木で発生した小1女児殺人事件を受けての市の対策はどうかについて、まずア、イについてお答えいたします。
教育委員会では、国、県からの指針等を受け、これまで校内への無断出入りの禁止看板の設置、防犯ブザーの貸与、さすまたの配付、非常通報装置の設置とともに、八幡浜市の全幼稚園・小・中学校に対し、各学校や子供の実態に即した危機管理マニュアルを作成し、それが機能するよう指示いたしました。
各学校では、安全指導の責任者を公務分掌に位置づけ、連絡体制、緊急避難体制の整備とともに具体的な対応マニュアルが作成されております。不審者らしき人物が学校周辺を徘徊しているとの情報を得たときの登校前及び登校中、登校後の対応、校内に侵入しているときや乱暴行為が予想される場合の対応などと、状況に応じた対応、また通学路の点検など、児童・生徒の生活時間帯に応じた日常の安全点検や具体的な対応など、学校の実情に合わせたマニュアル作成をさせております。また、各学校では、警察署と連携し、教職員の防犯に関する研修や防犯訓練を重ね、マニュアルの検証、改善を図っております。
校門等の管理状況についてですが、門、塀で囲まれている幼稚園、学校は出入り口を限定し、登下校時間以外は原則として施錠するなどの門の管理を行っております。他の学校については、来校者の動きがわかりやすいように職員室等の窓を透明ガラスにしたり、児童・生徒の出入りを施錠し、来校者の出入り口を1カ所にしたりするなど、校舎内への不審者の侵入を予防しているところであります。
今後も児童・生徒の安全能力を高めるとともに、危機管理マニュアルを実効性のあるものにして、幼児・児童・生徒の安全確保に万全を期すよう指導してまいります。
次に、ウの広島、栃木で発生した小1女児殺人事件を受けての対策につきましては、午前中に遠藤議員さんにお答えしたことと重複すると思いますが、お答えいたします。
広島市での事件の翌日11月24日、教育委員会は各学校に対して通路の再点検の徹底と学校と家庭、地域との連携の一層の推進、不審者情報の共有化を図るよう通知いたしました。その後、12月2日の教頭会で、登下校時1人になる児童・生徒の確認と指導もあわせて、その取り組み状況を文書で報告させ、把握いたしました。各学校では、教職員がチームを編成して下校時に児童を引率したり、要請段階のところもありますが、家庭の送り迎えはもちろんのこと、PTA、補導員、児童・生徒を守り育てる協議会等関係諸機関と協力して登下校時の見守りをお願いしたりしているところでございます。
今後、さらに学校と警察、保護者、地域が連携協力し、児童の登下校の安全確保が図られるよう積極的に働きかけたいと考えております。御理解、御協力をよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 学校教育課長。
○学校教育課長(清水義明君)
新宮議員御質問の大綱1の(3)教育環境の整備について、アの日土小学校の改築、改修の件についてお答えをいたします。
御承知のとおり、現在日土小学校再生計画検討委員会を立ち上げ、18年3月末をめどに同校校舎の今後のあり方を専門家及び地元関係者等で協議をしているところであります。議員御指摘のとおり、文化的価値のある建物と子供の安全確保のためにどうすべきか非常に難しい問題ではありますが、検討委員会で十分議論を交わしていただき、後世に対して誤りのない結論が得られるものと思っております。
今後の予定といたしましては、再生計画がまとまりましたら、地元説明会を開催し御意見を伺い、これらの資料を参考に改築、保存、両住民の理解が得られるよう方針を決定してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
続きまして、(3)教育環境の整備について、イ、神山小学校プール建設についてお答えをいたします。
旧八幡浜市総合計画中期実施計画では、神山小学校プール建設事業が計画されておりました。合併により今回新市総合計画の中でも位置づけをしてまいりたいと考えております。
なお、建設予定地は、現在のプール用地と旧神山地区公民館の跡地とを合わせたものであります。広さにつきましては、現在のプール用地が467.19平方メートル、旧神山地区公民館の跡地が342.81平方メートル、合わせて810平方メートルほどであり、プールの希望等については今後新実施計画の段階で検討してまいりたいと考えております。
次に、神山小学校のプールを新設の第2温水市民プールにしてはとの質問についてでございます。
市民の健康増進としてのプールと学校教育の一環としてのプールはおのずとその目的が相違しており、教育の観点からすると難しい問題があるのではないかと思われます。
なお、諸設備の完備した温水市民プールとしては、現プール予定敷地では対応することは困難でありますし、現在の財政状況では建設費、維持管理費等多額の費用が見込まれることから考えておりませんので、御理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 文化振興課長。
○文化振興課長(水野省三君)
それでは、新宮議員御質問の大綱1、(1)3点目ウ、子供の読書活動の推進計画策定の状況についてお答えをいたします。
平成13年12月に公布施行されました子どもの読書活動の推進に関する法律第9条第2項において、市町村は国及び県の計画を基本として、当該市町村における子供の読書活動の推進状況等を踏まえ、市町村の推進計画を策定するよう努めなければならないとされております。国は、平成14年8月に子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画を策定し、これを受けて愛媛県は平成16年3月に愛媛県子ども読書活動推進計画を策定いたしました。愛媛県下の市町村の取り組み状況は、現在松山市のみがこの計画を策定済みであります。
本市八幡浜市におきましては、合併後において検討することといたしておりますが、今後策定に向けて前向きに対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○議長(宮本明裕君) 休憩いたします。
午後 3時24分 休憩
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午後 3時40分 再開
○議長(宮本明裕君) 再開いたします。
新宮康史君。
○新宮康史君
先ほどの件につきまして再質問させていただきます。
まず、学力の低下についてでございますが、これは要望の形なんですけども、余り学力重視の余り人間評価を点数でする、数字でするような管理に戻るようなことがないように、これからも、今生きる力を本当にはぐくむということで、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと、そのように思います。
それから、学校に関する安全の件ですけども、八幡浜から出てないからいいじゃなくって、出たらもう大変なことになると思いますし、絶対出してはいけないということもございます。
今回の事件にかんがみまして、本当に緊急に防犯対策等その辺の検証等、それから改善策を講じることが必要だと思うんですけども、先ほど理事者の教育長から言われた話で、対症療法的にはある程度いろんなことができてると思うんですけども、やはりこういうことは抜本的というか原因療法というか、そういう形が一番必要ではないかと思います。やはり、地域の子は地域で守り育てると、そういう原則から、現在の八幡浜市の場合は市いじめ対策委員会というのが平成8年の事件でできたと思います。それが形を変えてきて、今安全の対策の方に重視されてるような活動になっていると思います。それはそれで私は大変結構なことだと思いますし、それをちょっと調べてみますと、全部の3ブロックで900名ほどの会員の方がおられます。皆さん御存じじゃないかと思うんですけども、各ブロックごとに一番トップに立ってるのが市会議員の皆さんでございます。そういうことで、今児童・生徒たちが3,600人です。1人が地域の子供を四、五人受け持って名前さえ覚えれば、確認、それから安全の確保がある程度できるんじゃないかと、そういうふうに思います。
いろんな国とか県が施策とかそういうことをしてますけども、八幡浜としてこんな方法で子供を守り育てるということを取り組んでいるとか、それからあと携帯電話による緊急情報配信システムの採用などをしてますけども、なかなかそういうことをPRというか、できてないような状況でなってると思います。今大人がやっぱり真剣に取り組まないと、こういうことはなくならないと思いますし、取り組まざるを得ないような状況に何とか教育委員会の方でしていただきたいと思うんですけど、その辺のことに関して理事者の考えをお伺いしたいと思います。これは再質問でございます。
それから、神山小学校のプールですけども、これはこれでいいんですけども、やっぱりこれからの少子・高齢化、それから市民の健康維持を考えた場合、今のプールでは、やっぱりもう一つ市民第2プールが要ると思います。ぜひ温水プールということをこれから、財政厳しい折ですけども、検討していっていただきたいと、そういうに思います。
それからあと、児童虐待防止に関する件でございますが、これはやはり今市の協議会の体制等を拝見させていただきますと、実は子供の情報をつかみやすいのは、手前みそじゃないんですけども、PTAだと思います。PTAというのはいろんな情報を持ってますけども、実際それをどこに出していいか、そういうことがいろんなことでできてないのが現状だと思います。それから、今の児童虐待防止連絡協議会に表面的には名前が出てないんですけども、実際に入れていただいた方が、私たちというか、活動もPTAの方がしやすいと思いますんで、ぜひそういうことで組み入れていただきたいと思うんですけども、理事者のお考えを伺いたいと思います。
以上であります。
○議長(宮本明裕君) 保健センター所長。
○保健センター所長(永井俊明君)
それでは、新宮議員の再質問、児童虐待連絡協議会の組織にPTAを組み入れてほしいとの件についてお答えをしたらと思います。
この八幡浜市児童虐待防止連絡協議会は、先ほど答弁の中で総合的な施策を協議する委員会と具体的なケースを支援する専門部会から成っておることは説明をいたしました。
そこで、総合的な対策を協議する協議会の方に参加していただくよう進めてまいりたいと思います。
○議長(宮本明裕君) 教育長。
○教育長(井上傳一郎君)
学力の問題につきましては、学力の定着、向上について今後とも、先ほども申しましたように教職員の意識改革といいますか、自覚を持たせていくよう、またいろんな面で研修を重ねながら、資質の向上に努めながら子供たちにかかわっていきたいと思っております。
と同時に、やはり学校だけではどうにも学力も向上いたしませんので、家庭との連携とか、そういったものも大切にしていったらと思っております。また、御指導いただいたらと思います。
それから、補導を含めての子供を守る件でございますけれども、地域の子供は地域で育てると、本当にそういうふうな姿に八幡浜市がなっていただくようにこちらの方も考えていきたいと思っておりますが、そのためにはPTA、市P連、また単Pの方のPTAの役員さん方にも働きかけるし、補導委員会にも働きかけるなどしていきたいと思っております。
そして、先ほど言われましたいじめ対策協議会、児童・生徒を守る育てる協議会と名前もなっておるわけでございますけれども、そういったところを踏まえながら、八幡浜のブロック体制は本当に学校の研究におきましてもいい成果を上げております。先日もちょうどこの会がありましたので、マンネリ化にならないようにお互い意識を、共通理解を深めようということでまた話し合ったわけでございますけれども、あいさつ運動の中に子供たちを見守っていくというようなことから始まっていろんなことを地域でそれぞれやっていただいておりますから、今後ともそういったものをより深めていきたいと思います。
ただ、広島や栃木の件につきましては、帰りに1人になる子供がおりますので、そういったことについては、学校また家庭が把握を確実にして、子供の送り迎えを大事にしていくというようなことのかかわりも大切にしていきたいと思っておりますので、今後ともひとつ御指導、御協力のほどよろしくお願いしたらと思います