一般質問 H17.9 宇都宮富夫議員

公開日 2014年09月05日

〔宇都宮富夫君登壇〕


○宇都宮富夫君

 私は、質問通告に従いまして、大綱4点について市長及び関係理事者に質問をいたします。

 ところで、8月の新市議選では、支援者の皆さんの力でトップ当選を飾らせていただきましたが、その喜び以上に責任の重さをずっしりと背中に背負ったような感じがしており、身の引き締まる思いをしております。

 新八幡浜市の発展と市民福祉の向上に、微力ではありますが、力を尽くしてまいりたいと考えております。今後とも支援者の皆様を初め市民各位、同僚議員各位の御指導、御鞭撻をこの場をかりましてお願い申し上げる次第でございます。

 質問に入る前に、私の一般質問への御理解をいただきたいと思いまして、私の議会活動への基本的姿勢について少し御説明を申し上げたいと思います。お許しをいただきたいと思います。

 御承知のように、国政は議院内閣制でございます。国会では内閣総理大臣を選出し、選出した政党が与党となって行政府である内閣を支え、内閣は国会に対して直接責任を負う、こういう構造でございます。

 一方、地方自治体は首長、議員とも住民による直接選挙で選ばれ、住民に対して直接責任を負うという構造でございます。いわば大統領制に近いというのが私の認識であります。

 したがいまして、地方議会では国政と異なり、首長に対して与党、野党という立場は基本的にないと考えております。私は市民に直接責任を負う立場から、市民の利益を代表して市長の市政運営をチェックし、市民ニーズに基づきました政策提言を行い、是々非々の立場で議会活動を進めてまいりたいと考えております。

 さて、質問に移りますが、まず大綱第1点は、市長の政治姿勢についてであります。

 4月に行われた合併後初めての新八幡浜市の市長選は、高橋市長以外に立候補者はなく、高橋市長の無投票当選となりました。新市になり初めての市長選で無投票となりましたのは、県下で八幡浜市だけではないかと思うのでございます。無投票という事態になったことに対し、八幡浜市は元気がなくなってきたなというのが私の感じであり、そう感じられたのは私一人ではないと、このよう考えております。

 高橋市長におかれましても、市長選を通じまして市民に御自身の抱負を語り、市民の厳粛な審判を受け、選挙戦を勝利した上で気持ちを新たに合併後の新八幡浜市の市長に就任されたかったのではないかと推察いたしております。

 新市議会初の選挙後、初めての定例市議会ということもございまして、改めて私は高橋市長の政治姿勢について3点にわたり質問をいたします。

 まず、第1点は、無投票当選についての所感と市長の政治姿勢についてであります。

 御承知のように、高橋市長は旧八幡浜市から通算いたしまして3期目の市長就任でもございます。さきの無投票当選の所感と市政運営の基本的政治姿勢について、改めて市長の御所見をまず初めにお伺いいたします。

 ところで、釈迦に説法でまことに恐縮でございますけれども、権腐10年という朝鮮の格言がございます。権力は10年続くと腐敗してくる。それは真実から遠い情報で物事を判断するようになるからであろうと言われております。どんな立派な人でも、権力の座に長くいると、側近政治に陥り、批判の声が届かなくなる。多選によるおごり、緩み、腐敗が生じやすくなると言われております。杞憂かと思いますが、この事例を他山の石として、これまで以上に清潔で透明な、しかも開かれた新八幡浜市の市政運営に当たられますよう、この際、市長に申し添えておきたいと思います。

 2点目は、合併のメリットとされているサービスの高度化、多様化、広域的なまちづくりを今後どのように具体化していくかについてであります。

 9月9日付愛媛新聞の報道では、平成の大合併についての世論調査が掲載されております。それによりますと、衆議院小選挙区愛媛4区では、合併についてよかったと答えた人が21.6%、悪かったと答えた人が23.9%、どちらとも言えないと答えた人が50.3%という数字であります。この世論調査結果からもうかがえますように、合併を積極的に評価している人は2割程度でございます。

 今後、新市のまちづくりにおいて、市民が合併のメリットを実感できるように、合併の利点をどのように具体化し、その利点を市民に還元するか、このことが今市政に問われていると思うのであります。この点について市長の御所見をお伺いいたします。

 3点目は、合併による行政サービスの低下や切り捨て、負担増への心配についてであります。

 合併協議の中でも、行政サービスや負担について合併後の調整とされているものがございます。合併による行政サービスの低下や切り捨て、また負担増は避けるべきではないかと私は考えておりますけれども、市長はどのような方針でこれを調整していかれるのか、御所見をこの際お伺いいたします。

 大綱第2点は、今年度地方財政計画と当市の予算編成についてであります。

 さて、2005年度の地方財政計画の歳入歳出規模は約83兆7,700億円、前年度対比1.1%減であり、一般財源は2004年度水準を確保し、地方税、地方譲与税、地方交付税の増を見込み、他方、地方債の大幅削減、給与関係費の削減、投資的経費単独事業分の8.2%削減及び地方財政計画と決算の乖離是正などがその特徴でございます。

 御承知のように、地方財政計画は地方自治体における予算編成の指針であり、毎年度国が見積もるナショナルスタンダードとしての地方自治体総体の歳入歳出額を示し、国が地方に財源保障をする大枠としての役割を果たすもので、また地方交付税も地方財政計画でその総額が決定されるのであります。

 市長の総括説明でも触れられておりますように、当市の財政も地方財政計画と密接な関係にあり、財政問題を考える上で地方財政計画の内容を理解することは大変重要であります。

 このような観点から、次の4点について、市長及び関係理事者に質問いたします。

 まず、第1点目は、2005年度地方財政計画の特徴と本市への地方交付税、補助金、税源移譲等の影響及び財源不足額とその対応についてであります。この点についての御所見をお伺いいたします。

 2点目は、決算の乖離是正と保育所運営費の超過負担解消、市町村合併、電子自治体についての財政措置に対する対応についてであります。特に保育所運営費の超過負担解消に関連して、過年度の一般財源化による保育所運営費の減少額とその対応についてもこの際お伺いいたします。

 3点目は、投資的経費単独事業分の8.2%削減への対応についてであります。今後の予算編成が拡大ではなく縮小することを前提に、不要不急の公共事業の見直し、縮小は避けられない状況であります。この点につきましても説明を求めます。

 4点目は、予定されている所得税から個人住民税への税源移譲に対する対応についてであります。他市では税源移譲に備えて試算等を行っているところもあるようでございますが、当市での対応はどうか。住民税所得割の10%比例税率化の具体的な設計については、特に所得税非課税の納税者に対して増税とならないよう、税額控除や減免などの課税調整措置を工夫するとともに、そのための財源手当を交付税などで行う仕組みが必要でありますけれども、その対応について市長の答弁を求めたいと思います。

 大綱第3点は、行財政運営についてであります。

 大変厳しさを増す財政状況の中で、限られた財源をどのように配分するのか。政策的な優先順位をどのようにつけるのか。その基準となる物差しを明確にすることは、行財政運営上、今後ますます重要であり、多くの自治体では政策優先基準と事業評価システムを既に導入していると聞き及んでおります。

 また、健全財政を維持する上で、放漫経営を戒め、過大投資を抑制し、市債管理に注意を払うことが大切であると思うのであります。

 このような観点から、行財政運営に関し4点について、市長及び関係理事者に質問いたします。

 まず、1点目は、政策優先基準と事業評価についてであります。当市では、政策優先基準と事業評価についてどのような取り扱いになっているのか、市長及び関係理事者の説明を求めます。

 2点目は、当市の一般算定による標準財政規模と投資的経費充当経常一般財源の適正規模または使用可能原資の額についてであります。適正、妥当な投資的事業を管理する上の目安として参考にしたいと考えておりますけれども、この点についても市長及び関係理事者の説明を求めます。

 3点目は、先ほどの御答弁にもございましたが、本市の経常収支比率、公債費比率、市債残高と基金残高の推移、単年度収支の推移及び市財政の状況についてであります。この点についても説明を求めたいと思います。

 4点目になりますけれども、合併算定がえと一本算定による標準財政規模との差額の運用についてお伺いいたします。合併後の財政運営のポイントとしては、一本算定を基礎にし、それを財政基準として一般財源の基礎体力として考えることが重要であり、一本算定と合併算定との差額は、それこそ余力として考えるくらいの方が、後の財政運営に禍根を残す程度は低くなると財政専門家は指摘しております。私もこの指摘に同感であり、差額分を財政調整基金等として積み立ててはどうかと思いますけれども、市長の御所見はどうか。

 最後の大綱第4点は、災害と防災対策についてであります。

 むやみに不安をあおることは慎まなければなりませんけれども、近年の相次ぐ台風災害や地震災害、それに世界的に災害発生の状況を見ますと、日本列島だけではなく、地球全体がおかしくなっているのではないかと不安を感じるところであります。

 また、今世紀前半に発生する可能性が指摘されている東南海・南海地震についての防災対策は、当市にとりましても大変大きな政治課題であると思うのであります。災害に備え、安全、安心の地域社会づくりは、地域政策の大きな柱に据える必要がございます。

 そこで、次の3点について、市長及び関係理事者に端的に質問いたします。

 1点目は、台風14号被害の状況と災害復旧についてであります。まず、この点をお伺いいたします。

 2点目は、自主防災組織の結成状況と今後の対応についてであります。自主防災組織の必要性は言うまでもないことでございますが、当市の結成状況と今後の対応について御説明を求めたいと思います。

 3点目は、危機管理体制、被害想定、情報伝達と避難誘導についてであります。アメリカのハリケーン被害は人災だとの批判が現在起こっておりますけれども、被害想定の甘さや判断ミスが重なり、甚大な被害となったようでございます。当市における危機管理体制や被害想定、情報伝達と避難誘導体制は心配はないのかどうか。

 以上、大綱4点につきまして私の質問を終わりますが、必要に応じて再質問を行いたいと思います。市長初め関係理事者の誠実な、端的な答弁を求めます。

○議長(宮本明裕君)  市長。


○市長(高橋英吾君)

 宇都宮富夫議員の質問にお答えします。

 質問する前に、無投票は西条市の市長さんは市会議員のときから連続無投票であります。私は34歳のときから選挙、今度で10遍目でありますから、そのうちそういうことも確率からしてあったんではないか。たまたま今度そうであったというふうに考えておりまして、それに対しておごるとかそういうことは一つもないし、伝統的に政治家のうちですから、常に市民のことを頭に置いて、そういう気持ちでやっております。

 宇都宮富夫議員の質問第1項、市長の政治姿勢についてお答えをいたします。

 その中で、権腐10年ということで、これは今言われましたように、韓国のことわざ、よく白石春樹知事が使われておりました。しかし、あの人もとうとう16年やりましたので、なかなか政治家というのはしぶといとこがあるんじゃないかと思っております。

 1点目の新市のスタートに当たり、無投票当選について私の所感と政治姿勢についてということでございますが、新市の初代市長として無投票で当選させていただき、新市の市政を担当させていただくことに大変喜びを感じますとともに、その責任の重大さを痛感しているところでございます。

 宇都宮議員も最高得票で、恐らく私と同じ気持ちではないかと思いますので、お互いに頑張っていきたいと、このように思っております。

 6月の議会でも申し上げましたが、私の政治姿勢につきましては、旧八幡浜市でもそうでありましたが、終始一貫して市民が主役であるという視点に立って行政運営を推進することであります。市民との対話も深め、市民に開かれた市政、市民に信頼される公平公正な市政を目指し、市民とともに歩む明るい未来のまちづくりに邁進する所存でございます。

 したがいまして、引き続きできる限り日本一の情報公開も推進してまいります。常に初心に返り市政運営に当たってまいりますので、議員各位の御指導もよろしくお願いをいたしたいと思います。

 次に、2点目の合併のメリットを今後まちづくりに具体的にどう生かすかということについてでございますが、合併によるメリットとして、サービスの高度化、多様化や重点的な投資による基盤整備の推進、広域的視点に立ったまちづくり、行財政の効率化等がございます。

 まちづくりの一環として、八幡浜港振興ビジョンによる交流施設整備と保内町の町並みを連携させて広域的な交流施策の推進とが考えられますが、これらの合併によるメリットを最大限利用し、今後のまちづくりを展開してまいるので、よろしくお願いいたします。

 なお、保内町との合併は、非常によかった点は、お互い土地が狭いと、非常に手の届く範囲であると。西予市に比べて4分の1の広さでありますから、ありとあらゆる点に気配りができるんではないかと、そういうメリットはございます。

 また、集中的に人口が一定のとこに集まっておりますので、お互いの人間的関係は大都会と比べてある程度できるのではないかと思いますが、しかしやはり徐々に隣は何をする人ぞという傾向がありますので、そういう点で、合併してそういう点も気配りをしていきたいと、このように思っております。

 3点目の合併による行政サービスの低下や切り捨て、負担増はないかとの御質問でございますが、合併協議の中で、サービスは高く、負担は低く、これを基本に調整してまいります。

 また、国保税、固定資産税など旧市、町での差のあったものについては、不均一課税という制度を利用して、合併時点での急激な変動がないようにしております。

 ただし、受益者負担と申しますか、国保などのように保険税等の財源により運営すべきものもございますので、合併に関係なく負担が変動するものがあるということは御理解賜りたいと存じますが、できる限りそういう気持ちでやりますし、また無理なことは皆さん方に御報告し、御理解を求めたいと思います。

 その他の問題は非常に専門的ですし、各課長に答弁をさせたいと思いますので、よろしくお願いします。

○議長(宮本明裕君)  政策推進課長。


○政策推進課長(田中正憲君)

 宇都宮富夫議員の大綱3の1点目、政策優先基準と事業評価についての御質問にお答えをいたします。

 現在、政策及び事務事業に対する客観的な優先基準等は設けておりません。しかし、深刻化する少子・高齢化、長引く景気の低迷により、極めて厳しい財政状況が続く中、市民に満足度の高い行政サービスを提供するためには、本格的な地方分権の進展に弾力的な対応ができるよう、自治体の体質強化を図ることが重要となり、そのためには行政運営全般を診断し、明確な指針のもと、合併のメリットを生かした新しい時代の行政システムを構築する必要があります。合併を契機にいま一度全職員が現状を正確に認識し、統一した意識のもとで常に市民の立場に立った発想を心がけ、これまで以上の情報公開や住民の積極的な市政参加を推進し、公正で透明性の高い市民に開かれた信頼される行財政運営を心がけてまいります。

 また、最少の経費で最大の行政効果を上げるという地方自治の基本原則に沿って、合併後の組織機構、事務事業等を早急に見直し、適正な定員管理や給与の見直しを図り、多様化、高度化する住民ニーズに的確にこたえ、むだのない簡素で効率的で地方分権に即応した行政の実現のため、新たな行財政改革計画の策定を急いでおります。

 現在、新市の総合計画の策定作業に取り組んでおりますが、その過程においても、市民アンケート調査を実施し、市民ニーズの把握に努め、民意の反映された計画を策定し、実行してまいりたいと考えております。

 以上であります。

○議長(宮本明裕君)  総務課長。


○総務課長(柏木幸雄君)

 宇都宮議員の大綱4、災害と防災対策についてお答えを申し上げます。

 まず、第1点目の台風第14号被害の状況と災害復旧についてでございます。9月6日の台風第14号の被害の状況についてでございますが、旧保内地域の海岸線地域を中心に、住家において床上浸水6世帯12人、床下で35世帯70人の被害がございました。この浸水地域につきましては、環境市民班で防疫活動の実施を行ってまいりました。また、23世帯33人の方々が4施設に自主避難され、それぞれの施設で職員による対応を朝まで行い、全員が無事帰宅されております。

 公共施設である市道、漁港、港湾関係の被害は、合わせて20件1,770万円、農道関係被害は5件で190万円であります。市民生活に影響があります緊急を要するものにつきましては、既に対応をしてまいっております。ただ、予算化の必要な復旧事業については、補助事業への申請、緊急性等を考慮し、復旧してまいりたいと考えております。

 2点目の自主防災組織の結成状況と今後の対応についてでございます。住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織につきましては、災害対策の最も基本となる法律である災害対策基本法において、市町村がその充実に努めなければならない旨規定されております。平成7年1月に発生しました阪神・淡路大震災クラスの大規模災害が発生すると、公的な防災機関の適切で迅速な対応は困難となるというそういった教訓から、全国各市町村において地域の実情に応じて自主防災組織の結成が進められております。

 八幡浜市におきましては、昨年度は地震に伴う津波災害を想定をしました主に海岸線地域に、今年度は孤立地区になりそうな山間地域に出向きまして、自主防災組織結成支援の説明会を実施いたしました。旧保内町におきましても、区長会において自主防災組織の意義や必要性について説明を行い、現在までのところ新市全体で13組織、世帯ベースで14.0%の組織率となっております。

 しかしながら、これは全国的に見ますと、まだまだ低い組織率でありますので、今後も順次説明会を実施し、広報等を通じ防災意識の高揚を図り、組織結成への取り組みを支援してまいりたいと考えております。

 3点目の危機管理体制、被害想定、情報伝達と避難誘導についてお答えをいたします。集中豪雨時等における情報伝達及び高齢者等の避難支援に関しましては、有識者による検討報告が平成17年3月に国の中央防災会議に報告をされております。避難勧告等の判断、伝達マニュアル作成ガイドラインが示されたところでございます。

 市町村長が避難勧告等の迅速、的確な判断をするためには、洪水、土砂災害等の災害事象の特性、収集できる情報を踏まえつつ、避難すべき区域や判断基準を明確にしたマニュアルを作成する必要がございます。こうした考えに基づきまして、県内では西条市、新居浜市、四国中央市において、雨量に基づいた避難勧告等の具体的な暫定基準が定められております。当市におきましては、過去の水害の状況、特に昨年度の台風災害での雨量、高潮による浸水の発生状況を一定基準とするとともに、さらに河川、海岸線の警戒すべき地域の状況に応じた基準の策定を地域防災計画の見直しとあわせて実施したいと考えております。

 しかしながら、避難勧告等の判断につきましては、この数値基準だけではなく、事態の進行や現地の状況も踏まえて総合的に判断すべきものと考えております。

 以上でございます。

○議長(宮本明裕君)  財政課長。


○財政課長(山本一夫君)
 それでは、大綱2、1点目、地方財政計画の特徴と本市の交付税、補助金、税源移譲などの影響、財源不足とその対応についてお答えをいたします。

 今年度の地方財政計画は、地方交付税が前年度比0.1%増と、前年度以上を確保されているというのが特徴として上げられております。しかし、平成16年度の三位一体の改革による地方交付税などの大幅な減額は継続をいたしております。

 それでは、本市の影響といたしましては、まず普通交付税では、旧保内町の生活保護費の需要がふえたことなどから、昨年度に比べまして2億1,295万円、3.2%の増の67億7,001万1,000円、また地方交付税の振りかえであります臨時財政対策債は、前年度に比べ1億7,070万円、23.1%減の5億6,690万円、普通交付税と臨時財政対策債を合算いたしますと、4,225万9,000円、0.6%の微増となっております。

 次に、補助金の影響につきましては、老人ホーム措置費負担金など9,545万6,000円の減額と試算をいたしております。

 税源移譲につきましては、所得譲与税が前年度に比べ8,146万6,000円、110.1%増の1億5,545万5,000円となっております。財源不足額につきましては、約8億円を見込んでおりまして、うち三位一体の改革による影響額は8億4,000万円程度と試算をしております。

 このような状況の中から、住民サービスの急激な低下を緩和するため、緊急避難的に基金の活用をいたしております。

 それでは、大綱2、2点目、決算の乖離是正と保育所運営費の超過負担解消、市町村合併、電子自治体についての財政措置に対する対応についてお答えをいたします。

 保育所運営費に充てる国庫負担金であります。児童保護費等負担金は、平成16年度に一般財源化され、普通交付税の需要額に算定をされております保育所の運営につきましては、多額の運営費が必要でありますが、児童保護費など負担金が一般財源化されたことによる保育サービスの低下を招くことのないよう、財源の措置を講じております。なお、減少額につきましては、6,790万円と試算をいたしております。なお、これは所得譲与税の5,571万1,000円を充てたといたしますと、減少額は1,219万3,000円となります。

 そのほか市町村合併、電子自治体についての財政措置に対する対応につきましても、従来より積極的に取り組んでおりまして、特に電子自治体につきましては、今後さらに取り組んでいく必要があると考えております。

 それから、大綱2、3点目、投資的経費単独事業分の8.2%削減への対応についてお答えをいたします。

 普通建設事業費などの投資的事業のうち、市単独事業につきましては、事業効果及び緊急性等を再検討いたしております。補助事業の実施においても、市単独事業の継ぎ足しの見直しを行っております。

 また、今後策定が予定されております市総合計画等で、事業の必要性、規模、効果などを十分検討いたしまして、実施計画の肥大化につながらないよう留意をする必要があると考えております。

 それから、4点目、住民税所得割10%比例税率化と所得譲与税による税源移譲への対応についてお答えをいたします。

 税源移譲につきましては、平成18年度税制改正において、個人住民税所得割の税率をフラット化することを基本といたしまして、平成19年度より実施される予定でありますが、現在のところ所得譲与税の減額と個人住民税の増収予定分の試算はできておりませんが、移譲をされた場合の格差につきましては、地方交付税の本来の目的であります財源保障機能と財源調整機能は不可欠でありまして、これらの堅持及び充実強化を今後も強く国に対して要望するものであります。

 続きまして、大綱3、2点目、当市の標準財政規模と投資的経費に充当する経常一般財源の適正規模、使用可能原資の額についてお答えをいたします。

 平成17年度当市の標準財政規模は107億6,192万円、これは一本算定での計算値であります。投資的経費に充当する経常一般財源の適正規模につきましては、市税や三位一体改革の影響を受けております地方交付税などの経常一般財源の歳入の状況、人件費、扶助費、公債費などの義務的経費や国保会計、老人会計、介護保険会計など特別会計への繰出金などの歳出の状況により増減するものと考えており、投資的経費に充当する経常一般財源の適正規模といたしましては、10%以下を目安といたしております。

 次に、大綱3、財政指標、市債残高と基金残高の推移、単年度収支の推移、市財政の状況についてお答えをいたします。

 旧八幡浜市と旧保内町を合算した場合の財政指標についてお答えをいたします。

 まず、経常収支比率につきましては、14年度89.4%、15年度84.2%、16年度、これは合併の年でありますが、89.4%となっております。

 次、公債費率につきましては、14年度17.1%でありましたが、平成15年度13.4%、16年度12.7%と改善をいたしております。

 市債残高につきましては、交付税措置は100%の赤字地方債であります。減税補てん債及び臨時財政対策債を除きますと、14年度が221億1,645万2,000円、15年度211億8,419万2,000円、16年度207億584万7,000円となっております。

 基金残高の推移につきましては、14年度44億3,620万1,000円、15年度43億2,307万5,000円、16年度26億2,760万3,000円となっております。なお、特別会計に属する基金、土地開発基金は含まれておりません。

 最後に、単年度収支につきましては、14年度9,816万4,000円の赤字、15年度2,689万3,000円の黒字、16年度2,576万9,000円の赤字となっております。

 次に、大綱3、4点目、合併算定がえと一本算定による標準財政規模との差額の運用についてお答えをいたします。

 17年度の普通交付税は、旧市、町で合算した額の合計額は67億7,001万1,000円、新八幡浜市のみで算定するいわゆる一本算定では63億2,175万7,000円となり、合併算定がえにより高い方の額67億7,001万1,000円となります。差額であります4億4,825万4,000円の減額を受けない激減緩和措置がとられております。

 御存じのように、当市の財政は市税の減収や三位一体の改革などにより、深刻な財源不足に陥っており、現在のところ基金による補てんをせざるを得ない状況にあります。現実的には基金の積み立てなどの運用はできない状況であります。

 以上であります。

○議長(宮本明裕君)  宇都宮富夫君。


○宇都宮富夫君

 再起をしまして初めての議会ということもございまして、また午後の質疑でございますので、なかなか午前中のようにぴしゃっとこう決めることができませんが、少し若干確認の意味で再質問をしたいと思います。

 まず、市長の政治姿勢に関してでございますけれども、日本一の情報公開ということで、非常に市長が1期目の選挙に出られたときにそういう公約を掲げられて、私は非常に新鮮味を感じまして、日本一の情報公開ということを高く評価する一人でございます。新八幡浜市におきましても、従来どおり日本一の情報公開という姿勢は変わらないという御答弁をいただきました。

 この日本一の情報公開の確認したいのは、日本一の情報公開、本当にすばらしいことだと思いますが、実態もそれに近づけていただけるように、私ホームページ見るわけですけれども、だんだん八幡浜市も透明性を高めて、本当に努力されていると思います。

 しかし、項目すべてにわたって日本一の実態があるかというと、まだそういう実態はございません、残念ながら。しかし、努力を多といたしまして、今後それに近づけていただくように、念のため改めてその姿勢について確認をしたいと思います。

 それから、政策の優先基準の問題でございますけれども、その基準はないという課長の答弁であったように思います。

 このやはり基準というものが明確でないと、こういう財政事情の厳しい中、非常に財政運営というものがあいまいになって、市民の目から見ましても、政策優先順位についてやはりなかなか理解ができない点がございます。今後検討課題ということでございますが、ぜひこの政策の優先基準あるいは事業評価の基準というものを明確にして、やはり予算配分等につきましてその基準を活用すると、こういうことを強く求めたいと思います。答弁では、そういう方向性は出ておりますが、残念ながら具体的な姿勢というものがうかがえません。重ねて政策推進課長にそういう具体化に向けての決意をお伺いしておきたいと、このように思います。

 それから、もう一点再質問いたしますが、行財政運営のうち、いわゆる合併算定がえと一本算定の差額の運用についてでございますけれども、現状では一本算定の標準財政規模に即合併後の自治体の財政体質がそれに即そぐうようになるということは、まず私もないと思います。徐々に標準財政規模にそぐう体質をこれからつくっていくと、こういうことになろうかと思いますが、やはり合併算定がえ後の財政を基準とするのではなくて、本来のやはり標準財政規模を基準としてそういう体質化を図る必要があると。この認識については理事者と一致していると思うのでございますけれども、その具体的な方策につきましては、私総務委員会に属しておりませんので、突っ込んだ議論を継続的にできないのが残念でございますけれども、ぜひ財政運営のポイントとして留意していただきたいと思います。

 それから、ちなみに地方債の現在高ですね、これが242億円ですか、平成16年度であると思うんです。それで、標準財政規模の大体2倍程度が地方債の適正規模だというふうに言われております。ですから、財政運営のもう一つのポイントは、やはり市債管理をどうするかです。やはり適正規模に抑え込むと、これがやはり財政運営のもう一つの非常に大事なポイントだと思います。

 そういう点から見ますと、まだまだ市債残高が高いと、数字の上では。しかし、この市債の運用につきましても、償還財源が明確で、きちっとした裏づけがあれば、必ずしも数字の上の市債残高が高いということが必ずしも不適切な財政運営であるというふうには限りません。その点、この市債残高の償還の財源がどうなっているのか。私手元に決算別の状況一覧表がございますので、その数字しかわかりませんけれども、そういうことを気をつけて財政当局としても財政運営に当たっていただきたい。この点につきましても、財政当局のお考えを確認したい、このように思います。

 この経常収支比率も減税補てん債等を含めた経常収支比率は89.4%ですけれども、それをのけますと95.7%。大体妥当な経常収支比率の範囲は80%ということが目安でございますので、そういう観点から見ますと、非常に財政の硬直が進んでいると。それと、基金の取り崩しも非常に進んで、非常に財源不足等から考えますと、本当に財政状況は厳しいということでございますので、健全財政を維持する上で、市長初め市政運営に当たりましては、本当に適切な財政運営を求めて再質問を終わりたいと思います。

○議長(宮本明裕君)  市長。


○市長(高橋英吾君)

 政治姿勢でございますけれど、少し褒めていただきましたが、まだまだ私としては努力が足りないと思っております。

 なお、日本一ということは一つの目標でありまして、まだまだ私たちがこれは要らないんじゃないかと思う場合、また皆さん方から見たらこれは要るぞと、公開した方がいいぞということ、そういう点がありましたら、気がつかん点ありますので、どんどん言っていただきましたら公開をしていきたいと思います。

 それから、政策課長に政策の基準はないと言うんですけれど、一応指針として、私はできる限り、例外はあるんですけれど、できる限り福祉と教育に関してはなるべく削らんようにお願いしますよと財政当局に言っておりますし、それから大きなプロジェクトは、港湾振興ビジョンを一応一本に絞ってやろうという明確なことでおるんです。

 あと細かいことは新市の計画の中に、何年度は大体これをやりますよということは少し出ておるんですけれど、まだ議員御指摘のようにぴっちりしたものはできないと。その理由は、三位一体改革でどの程度たたかれるかということが、一年一年じゃないとなかなかよくわからないと。それが落ちつかないとできないと。ただし、基本的には福祉と教育はなるべく落とさんようにと、例外的に落とさんようにということ。

 よく聖域というんですけれど、福祉と教育は私は聖域じゃなしに、ある程度これは絶対今後必要であるというふうに考えておりますので、聖域じゃなしに政策として順位は上の方であるというふうに考えております。

 その他の問題に関しては、各担当課長より答弁をさせます。

○議長(宮本明裕君)  政策推進課長。


○政策推進課長(田中正憲君)

 宇都宮富夫議員の再質問、政策優先基準と事業評価、今先ほど市長の方からも答弁されましたが、私が言うた客観的という意味は、数値とそこら辺の数字を上げてという意味で答えさせていただきました。

 宇都宮議員のこの提言、やはり客観的な基準とか、あるいは事業の評価、これも今まではそれぞれに社会資本整備率、そこら辺も考慮しながら、あるいは財政の状況を考慮しながら、それぞれの政策を毎年度計画しながら重点施策として計上していたと思います。

 当然そういうものでは、なかなか今厳しい行財政の中では不透明な部分が出てくるんじゃないかと御心配でございますので、このシステムについて調査研究をしていきたいというふうに思っております。

 以上であります。

○議長(宮本明裕君)  財政課長。


○財政課長(山本一夫君)
 それでは、宇都宮議員の御質問にお答えをいたします。

 市債の管理につきましては、これは財政運営上、予算の執行管理ともう一本の柱でございます。それは十分私どもも認識をいたしております。

 その中で、今後の市債管理につきましては、これは合併によりまして特例事業債がございます。それと、今回最終日に予定しております過疎計画のことがございます。この2本が交付税措置で元利償還金の70%が補てんをされることとなっております。

 ただ、これにつきましても、残額の30%については一般財源持ち出しということになりますので、事業の選択をしながら、必要不可欠なものから事業を充てていくと。合併特例債、過疎債ありきの運営は今後は難しいというふうに考えております。

 以上であります。

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