公開日 2014年09月05日
〔中岡庸治君登壇〕
○中岡庸治君
新生八幡浜市が3月28日にスタートして3カ月余りになろうとしており、一日も早く旧市町の垣根を取り払い、一体感のまちづくりを進めることが高橋市長の責務であり、また期待という大変大きなものがあると思います。これから3点ばかり質問させていただきます。
大綱1、八幡浜港湾再開発についてお尋ねいたします。
アメとムチにより新生八幡浜市が誕生して、国の財政支援制度を活用して、合併後の新しいまちづくりが展開できるよう鋭意協議が進められているところですが、そういった中、現在地方分権、三位一体の改革の実行がなされているところであり、それに国、地方を合わせた債務残高は約770兆円にも達すると言われており、また地方が大きく依存している地方交付税制度も多額の借金で賄われているなど、国、地方とも著しく悪化しておることは、今後の町の将来像の骨子となる新市建設計画が地域の活性化策になるのかどうか、憂慮されるところであります。
当面数少ない事業の一つに、八幡浜港再開発が現在進行中であります。厳しい財政事情の中でもまちづくりとして取り組んでいかねばならない事業であると認識しておりますが、港再開発の中身についてと、財政的に計画通りにできるのかどうか、お尋ねいたします。
大綱2、保内町喜木川の整備促進についてお尋ねいたします。喜木川の環境保全という視点に立って質問をいたします。
平成で言えば、平成元年8月の台風14号による道路、農道の決壊、翌年7月の梅雨前線の影響で同じく道路、農道の決壊、損壊、平成3年9月の台風19号による床上、床下浸水、堤防損壊、農作物樹体被害6億5,800万円、また昨年は日本へ上陸した台風が10個に及び、10月20日の台風23号は、かんきつ類や家屋、床下浸水等、大きな被害をもたらしたことは御承知のとおりでございます。そのたびに、災害後、復旧工事がなされてきました。市内では一番大きな喜木川も県の河川工事により部分改修がされ、場所的には神越側の新山崎橋までは護岸の整備をされてきましたが、山崎橋の完成次第順次護岸の改修を続けてやるとのことでしたが、その後ストップしたままでいるのが現状です。災害は忘れたころにやってくると言われます。今や保内町の神越地区は宅地化され、また商業地域として発展を遂げております。災害から生命、財産の保全を図る護岸工事こそが地域の安全に不可欠であります。
また、保内町内では浸水防止策として、宮内地区の清水町川東、駄場下地区は、満潮時と集中豪雨が重なると住宅の床上、床下浸水が起こることがあり、平たん部が水田のころは、水田が遊水池の役割を果たしていたが、そのほとんどが宅地となり、埋め立てされたことも一つの要因であると思われます。そこで、都市下水道事業として面積23.3ヘクタール、約35億円をかけて平成16年に完成したのであります。その後、町内では和田町、清水町、駄場地域、そして神越地域の浸水防止策として、ドンドン川第1ポンプ場ができましたが、1カ所だけでは浸水防止の役割が果たせないのが現状です。しかるに、第2ポンプ場を計画されていますが、早急に対応すべきであると考えます。喜木川の護岸工事とあわせて、市長の考えをお尋ねいたします。
大綱3、八幡浜市のかんきつ産業の振興についてお尋ねいたします。
本市における果樹農業については、ハウスミカンを初めカキなど、数多く栽培されております。ハウスミカンは5月から出荷され、9月下旬以降、出荷される露地ミカンがあり、その後イヨカン、ポンカン、はるみ、せとか、デコポン、清見と多品種の晩かんがあり、ミカンについてはJA西宇和の主な基幹作目の重要なものであり、昨年度の全体のかんきつ出荷額138億円の中で品目中91億円の産出額、晩かん類が47億円となっております。
このような中、本市におきましても産地育成のため、補助事業を活用してのミカンの改植、イヨカンの改植、高接ぎ事業、マルチ栽培の推進、園内道の整備等が図られてきました。生産から販売までを通じて、生産段階では肉体労働軽減のスプリンクラー施設及び園内道の新設等、それぞれ補助を受け、実施してきたのでありますが、多目的スプリンクラー施設の制御盤、コンピューターが古いものでは二十数年にもなろうとしており、故障等もたびたび起き、メーカーによる部品等も変わっていて、部品そのものの調達が難しいといった現状です。修理をすれば数十万円も費用がかかり、大変農家負担の財務体質面での課題があります。
財政厳しいときではありますが、かんきつ産業の振興にはこれまでに取り組んできた生産対策助成に加え、消費宣伝なども必要ではないかと考えます。市として現在の状況をどう把握し、かんきつ産業の振興と助成をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
答弁によりまして再質問させていただきます。
○議長(山本儀夫君) 市長。
大綱1の八幡浜港再開発について、開発の中身と財政的に計画どおりできるのかどうかということであります。
平成14年3月、産業分野で地域の振興と活性化を図り、港町八幡浜を再生させるため、八幡浜港振興ビジョンを策定をいたしました。この振興ビジョンは、フェリー利用客等の来訪者を引きつける観光魚市場等の整備、水産魚市場の近代化、防災拠点港湾としての整備という3つの基本目標を掲げ、にぎわいある交流区間を創出し、交流人口の増加、経済活動の活性化を促す港の整備計画といたしております。
計画では、港湾関連用地2万1,000平米、漁港施設用地2万5,000平米を埋め立て、港を4つの整備エリアに区分いたしまして、フェリーターミナルの改装、観光魚市場、レストラン等のフェリーターミナル関連施設約3.7ヘクタール、HACCPに対応した荷さばき場、製氷施設、加工工場等の魚市場関連施設約3.5ヘクタール、マイナス7.5メートル岸壁の耐震強化や多目的に使える防災緑地等の公共埠頭関連施設約2.3ヘクタール、プレジャーボート収容のボートパーク関連施設0.7ヘクタールを整備する計画でございます。総事業費131億4,100万円と見込んでおりますが、事業費の財源内訳は国庫補助金が31%の43億5,300万円、県補助金が16%の21億2,100万円、市単独費が7%の8億7,400万円、起債として34%の44億2,100万円、民間等で12%の13億7,000万円を見込んでおります。
なお、起債としての34%、44億円のうち約43%が交付税で返ってまいります。おおむね15年で整備を完了する予定でございます。
また、計画どおりできるのかについてでございますが、国庫補助事業として採択され、国の予算も順調についておりますので、事業計画どおり実施できるものと考えております。
その他の問題に関しては担当課長より説明をさせます。
○議長(山本儀夫君) 農林課長。
○農林課長(菊池敏和君)
中岡議員質問、大綱3の八幡浜市のかんきつ産業の振興について、多目的スプリンクラー施設等の更新及び農業生産総合対策事業等の取り組みによるかんきつ産業振興策についてお答えをいたします。
合併後の新八幡浜市におきましても、国営、県営かんがい排水事業などの基盤整備事業に対する補助などの支援措置や産地間競争、消費者ニーズの多様化など、厳しい環境にあります。かんきつ農業に対しての振興施策は、今議会の冒頭の総括説明でも市長が申し上げているとおりでございます。
御指摘の多目的スプリンクラー施設の制御盤等につきましては、設置後かなりの期間が経過をしてございまして、老朽化しているものも出ております。かんがい排水事業の施設等につきましては、土地改良区の財産ではございますが、市といたしましても、今後の施設等の維持管理は重要な課題として対応していかなければならないと考えておるところでございます。
市の単独事業として取り組むには、余りにも費用がかかると予測をされますので、施設の更新、また修繕等につきましても、補助対象事業として採択されるように、国、県に対しまして働きかけていきたいと考えておるところでございます。
なお、施設の維持管理につきましては、中山間地域等直接支払制度を積極的に活用いただけたらと考えておるところでございます。
次に、生産対策助成及び消費拡大宣伝等によります農業振興施策でございます。
農業生産総合対策事業によりまして果樹生産コストの低減を目指して、改植及び園内道の整備等を行っております。16年度におきましては、苗木7,131本を、植栽では3.74ヘクタール、園内道4,023.3メートルを整備してございますが、今後も引き続いてJA等と連携をしながら整備を促進してまいりたいと考えておるところでございます。
ミカン等のかんきつ類の宣伝につきましては、愛媛県の温州ミカンが昨年35年振りに生産量日本一の座を和歌山県に明け渡し、価格についても低迷が続く、厳しい状況ではありますが、消費拡大のための施策は非常に重要と認識をしております。東京大田市場における初売りや八幡浜高校修学旅行生による販売促進キャンペーンへの助成など、各種イベント等での温州ミカンや晩かん類の販売など、消費拡大に向けた取り組みを支援をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
今後もこのような事業に積極的に取り組むことによりまして、農業振興につなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○議長(山本儀夫君) 建設課長。
○建設課長(石田 修君)
大綱2、保内町の喜木川の整備促進について、その1、喜木川護岸改修について、その2、神越第2ポンプ場の設置についてお答えをいたします。
まず、第1点目の喜木川の護岸改修につきましては、山崎橋の上流左岸側が確かにブロック等による改修はなされておりませんが、県によりますと、今のところ既設の石積み護岸が河川護岸としての機能を有しているものと思われますので、護岸の改修につきましては今のところ計画はないとのことでございます。
市といたしましては、護岸の補修等が必要な箇所につきましては、県に対して改修の要望を行っていきたいと考えておりますので、御理解のほどをよろしくお願いいたします。
2点目の神越第2ポンプ場の設置についてでございます。
議員御指摘の保内町神越地区は、地盤高が低いこともあり、集中豪雨の都度浸水被害を受けておりますが、地区の唯一の河川である通称ドンドン川は、流出量に対して断面が不足しており、また住宅等が接近しているため、全面的な改修が不可能な状況でございます。
そのような中、平成14年度に神越第1ポンプ場を設置しましたが、平成15年の梅雨前線豪雨、平成16年のたび重なる台風等の集中豪雨により、道路が広範囲にわたり冠水する被害があるなど、浸水被害の解消に至ってはおりません。
今回計画しております神越第2ポンプ場でございますが、平成16年度にポンプ施設の設計委託を行っております。この計画はドンドン川の中流域の流量をカットするためポンプ場を設置し、喜木川に強制排水する計画でございます。排水ルートは、現在工事中の地域高規格道路の側道を予定している関係上、平成18年度末の地域高規格道路完成後、工事に着手する予定でございます。
以上です。
○議長(山本儀夫君) 中岡庸治君。
1点目の八幡浜港再開発整備事業の促進は、本市の将来を決める重要な事業であると思います。大変厳しい状況下の中で、この事業には課題も多いと思いますが、今後の地域の活性化、地場産業の振興につながり、元気な活気のあるまちづくりが期待されるものと思います。
2点目の喜木川の護岸整備ですが、指摘の堰堤は昔の石積み方式のままで、土手の一部に桜が大きく茂っており、自然環境保全を考えながら護岸の整備ができるよう粘り強く関係機関へ働きかけていただきたいと思います。
3点目のかんきつ産業の振興についてでございます。財政は非常に今厳しいときではあります。川上地区では畑地帯総合整備事業で実施されたようですが、これからも粘り強く農業基盤の整備の実施をしていただくようお願いをしておきたいと思います。
消費宣伝については、「愛媛県産には愛がある」といったキャッチフレーズで、加戸知事を先頭に高橋市長ともどもに東京大田市場の初売りで販売宣伝に力を入れ、全国へ発進する官民一体の姿勢は大変心強く感ずるものがあります。細かいことは申し上げませんが、これからも市長みずから消費宣伝に力を注がれ、ミカンと魚の町にふさわしい活力のある八幡浜になるよう期待いたすものであります。
以上で私の質問を終わります。答弁は要りません。ありがとうございました。