公開日 2015年12月15日
質 問 事 項 | |
1 | 台風被害と今後の防災について |
2 | 八幡浜市の景観計画と町並み保存について |
〔西山一規君登壇〕
○西山一規君 私は、通告書に従い、大綱2点の質問をいたします。理事者の誠意ある回答、答弁を求めます。きっと時間はたっぷり残して終わることかと思います。
まず、大綱1、台風被害と今後の防災について質問いたします。
先日、8月25日に九州に上陸した台風15号ですが、私の感覚では朝非常に豪雨があって、そして昼ごろには雨は少なくなりましたが、断続的な突風が吹いてたというふうに記憶しております。この台風による八幡浜市の対応状況と被害状況はどうであったか、伺います。
○議長(上田浩志君) 総務企画部長。
○総務企画部長(中榮忠敏君) 台風15号の接近に合わせまして、8月24日就業後から総務課危機管理・原子力対策室職員が庁舎に待機をし、8月25日、翌日の朝、午前1時29分、大雨洪水警報の発表と同時に八幡浜市災害対策本部を設置をし、職員を参集いたしました。
災害対策本部の体制は警戒配備とし、午後4時11分、大雨洪水警報の解除に伴い解散をいたしました。
なお、避難所の開設につきましては、明るいときに、また台風の最も接近する前に開設する必要があるため、午前7時に市内24カ所を開設し、風雨が弱まり、気象状況が悪化するおそれがなくなった正午に閉鎖をいたしました。自主避難の方が1名おられましたが、避難所の閉鎖前には帰宅をされております。
次に、被害状況でございますが、落石や倒木等の報告はありましたが、通行どめ等の措置の必要はなく、また人的被害についてもございませんでした。
以上です。
○議長(上田浩志君) 西山一規議員。
○西山一規君 大きな被害がなくて非常によかったと思います、はい。
そして、川之石湾のほうは本町、赤網代の地区の防波堤で波しぶきが高く舞い上がって、霧状の海水が周辺住宅地に降り注いでおりました。風雨がおさまってから住宅の外壁にホースで水をかけ、海水を洗い流している方もいらっしゃいました。
過去、平成3年に大きな被害がありました台風19号がありました。これが、今回の台風15号と非常に似たコースを通って八幡浜市に接近してます。そのときは、海岸沿いの公営団地、こちらの窓ガラスに小石が飛んでガラスが割れたということがあったそうです。防波堤で波しぶきが高く上がって内陸まで海水が運ばれ、ミカンや農作物が枯れる塩害が発生しました。
その後、高潮対策として川之石湾の護岸工事が実施されまして、防波堤が高くなりましたが、その形状により、以前より波しぶきが立ちやすくなったという意見があります。今回も、大した被害ではありませんが、波しぶきが高く上がって、周辺に潮水が行ってしまったということがあります。
そこで、質問ですが、現在の川之石湾には西町地区にしか波消しブロックが設置されておらず、南西からの強風により、本町、赤網代地区の防波堤で波しぶきが立ちやすくなっています。塩害を防ぐために波消しブロック等の設置が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
○議長(上田浩志君) 水産港湾課長。
○水産港湾課長(和田有二君) 川之石湾におきましては、高潮対策事業により、議員お話のとおり、護岸の天端不足による越波からの被害の軽減を目的としまして県による護岸の補強工事が実施され、平成11年度に延長580メートル、高さ4メートルの赤網代護岸が整備をされております。
また、波消しブロックは、波のエネルギーを分散、減退させることを目的に海岸や河川の護岸に設置されるものでございますが、川之石湾では西町地区の漁港において昭和48年度に旧保内町が設置をしております。
御質問の本町、赤網代地区の塩害防止につきましては、飛沫の飛散には地理的条件や風向などが大きく影響しますことから、まずは被害の実際の状況、具体的にはどのようなときに、どれくらいの範囲で、どの程度の被害が発生するのか、こういったことを調査、把握した上で、港湾管理者である県とも協議をしまして、どのような対策が可能であるのか、検討してまいりたいと考えます。
○議長(上田浩志君) 西山一規議員。
○西山一規君 地域の住民の方からそういった声が届いておりますので、ぜひとも県に働きかけて、波消しブロックがいい方法かどうかは私は素人なのでわかりませんので、ほかに何かいい方法があるか、とにかく波しぶきができるだけ上がらないように対策をとっていただきたいと思います。
これで大綱1の質問は終わります。
次に、大綱2、八幡浜市の景観計画と町並み保存について質問いたします。
平成22年3月に作成されました八幡浜市景観計画についての概要、そしてそれをもとに平成24年4月に施行の八幡浜市景観条例に従った市からの指導や勧告の実績について伺います。
○議長(上田浩志君) 建設課長。
○建設課長(矢野 武君) お答えいたします。
八幡浜市では、景観法に基づき、平成23年3月に景観計画を策定しております。この景観計画は、良好な景観形成に向けての行為の目標やルールを定めたもので、八幡浜らしい良好な景観の形成を推進するため、八幡浜市内中心部から保内中心部に至る789ヘクタールの景観計画区域を3つの地域に区分し、旧八幡浜市の中心市街地を市街地景観形成地域、旧保内町の中心市街地をまち筋等景観形成地域、両中心市街地を挟む権現山や矢野崎半島を海・山景観保全地域として、それぞれの特性を考慮した景観ガイドラインを設けております。
また、景観計画区域内に建築物を建築する際には、届け出等を義務づけ、延べ床面積1,000平米以上の大規模な建築物では色彩を制限しております。
次に、市の指導、修正の実績ですが、平成24年4月1日の八幡浜市景観条例施行後、行為届け出書の受理が49件、大規模な建築行為による事前協議が3件あり、その事前協議の中で具体的に指導、修正を求めております。
以上です。
○議長(上田浩志君) 西山一規議員。
○西山一規君 続けて質問しますが、この八幡浜市景観条例、これは現存する建物に関して何らかの効力があるのかどうか、伺います。
○議長(上田浩志君) 建設課長。
○建設課長(矢野 武君) お答えいたします。
八幡浜市景観条例は、八幡浜らしい良好な景観の形成を推進し、豊かな居住環境をつくることを目的としております。良好な景観を形成する施策の一つとして、景観計画区域内に建築物を建築する際には届け出等を義務づけ、大規模な建築の行為を制限しています。このため、現存する建造物に関して直接の効力はありません。
以上です。
○議長(上田浩志君) 西山一規議員。
○西山一規君 現存する建物に対しては効力がないということを今回答いただきましたが、それとは別に、最近5年間延長されました八幡浜市・保内町新市建設計画、これがことし3月に5年延長分の変更がなされたものがあります。この中の37ページに(5)の町並み文化の創造というところがあります。それをちょっと読み上げたいと思います。
明治期以降の繁栄を物語るれんがづくりの建物や洋館、橋梁などの町並みは本地域独自のものがあり、その保存継承を図ってきましたが、近年、近代産業遺産への関心が高まりを見せていることから、市街地に存在する明治期以降の歴史的建造物の保存、活用など、町並みの整備と合わせ、各種産業遺産など地域ゆかりの歴史文化資源を見て回るコースの設置など、それらを「つないで」いくことによって、背後のミカン山と調和した歴史文化に裏づけられた港町の「町並み文化」が感じられるまちづくりを実施しますというふうに書かれております。
ここでちょっと質問いたしますが、現在町並みを形成する歴史的建造物の中で個人所有のものが多数存在します。そのような建造物の保存、活用について、市としてはどのように取り組んでいるのか、伺います。
○議長(上田浩志君) 市長。
○市長(大城一郎君) 当市における歴史的建造物は、保内町川之石地区の明治期以降の洋館などの建造物、旧市内の本町地区などに残っている建造物及び重要文化財である日土小学校などのモダニズム建築が代表的であると思います。
市といたしましても、歴史的建造物を生かしたまちづくりは記憶に残るまちづくりであり、それらの保存、活用は、景観を含めたまちづくりの根幹であると考えております。
日土小学校、これは設計が松村正恒氏でありますが、これの保存再生により大きな価値を生み出し、また川之石地区については旧白石和太郎洋館の用地の購入、改修及びトイレの建設などにより保存、活用を進めてきております。
しかしながら、御質問の個人所有の建造物につきましては、近年、老朽化や管理上の問題により取り壊される事例があります。個人所有の建造物の保存、活用につきましては、御相談の有無も関係しますが、どうにか残せないかというお願いしかできないのが現状でありまして、最終的には所有者の意向によることであるため、市としては限界を感じているところもございます。今後は、歴史的建造物の重要性を粘り強く市民に啓発していくことが重要と考えております。
なお、町並みの形成上、どうしても残すべき重要な建物、建造物につきましては、経費負担の兼ね合い、活用すべき内容などを勘案して、地元とも協力しながら、市として購入することも検討すべきではないかと考えております。
○議長(上田浩志君) 西山一規議員。
○西山一規君 市で購入することも考えるということですが、それにしてもたくさん物件があると思います。現在、八幡浜地区は八幡濱みてみん會というところと、保内のほうは保内ボランティアガイドの会、こういった方が町並みを観光客、その他いらっしゃる方へ案内しておりますが、その中で案内する場所はたくさんあるんですけれども、それぞれ持ち主は現状維持ができないとなってきますと市に買ってほしいというような問い合わせがあるかと思います。全部は対応できないということになりますと、残念ながら取り壊してしまうと、そして貴重な建造物が徐々に消えていってるのが現状かと思います。
新市計画で町並み文化の創造というふうになっておりますが、歴史的な魅力がどんどんなくなってきております。
町並み保存に取り組む地域では、ほかの地区ですけれども、取り壊さなくても維持できる新たな活用方法を積極的に提案されてるところがあります。建物の持ち主と、それを活用したいという人との橋渡し、コーディネートをして、今維持が難しくなっている建物をまた新たな価値をつけて、Iターンの希望者の賃貸住宅として用いたり、飲食や物販の店舗として再生させるということを行っているところがあります。
そのときに、改築や用途変更がやりやすいように、消防法その他の法律の特例を生かして、物によっては条例で定める場合はそちらに従うというふうな文言がついてるところがあるんですが、そういったところを活用できるように条例を制定したりしている市もあります。
このような積極的な取り組みをされてるところがありますが、八幡浜市としてはどのように思われるか、伺います。
○議長(上田浩志君) 市長。
○市長(大城一郎君) 先ほどもお答えしましたが、歴史的建造物を残していくというのはなかなか難しいところがあろうかと考えております。先ほども市が購入してというような話もさせていただきましたが、これも近隣の住民との相互理解が必要かと思っております。旧八幡浜市で言うなら菊池清治邸、また保内地区で言うのなら、雨井地区にありますが、西のおやけとか東のおやけ、そういったものを今後、歴史的建造物として市が携わって購入して、地域の人とともに残していく、そのようなことも考えなければならないのかなというふうに考えております。
今ほど言われましたIターンの希望者に対して賃貸住宅にというような話もありますが、これもやはり所有者の意向がかなり重要な要因となってこようかと思っております。そして、それを市が管理して貸すようになりますと、中古物件になりますんで、やはり水道管、あるいはガス管、あるいは電気、そういったこともそのまま貸せないということになりますと、やはりこれも所有者が修理をして、直して賃貸していくというふうになってこようかと思いますので、Iターン希望者の賃貸も含めて、その所有者の方の意向を十分踏まえながら、市としても検討はしていきたいなと思っております。
○議長(上田浩志君) 西山一規議員。
○西山一規君 ニュアンスが私の思ってるのとちょっと違う捉え方になっておりましたが、このIターン希望者の賃貸住宅とか飲食、物販の店舗としてというのは、市がかかわってという意味ではなくて、よそでやってるのは間を取り持つと、持ち主はそのまま所有していただいて、今までの現状維持が費用的に難しいというときに新たな活用方法を提案して、そして経済的に回るという方法を提案されるということをされてるところがあります。一応そういう意味です、はい。
ちょっと周辺の市町では実例があるんですけれども、市町村が条例で定めることができる伝統的建造物保存地区、略して伝建地区と呼ばれるところがあります。これは、市町村の条例で定められますので、八幡浜市でもやろうと思えばできます。ただ、国がまたその中でも重要なものを選定して、頭に重要がつきまして重要伝統的建造物保存地区、略して重伝建地区と呼ばれておりますが、それが愛媛県内では内子と卯之町、これが重伝建地区になっております。どちらも観光地として人気があり、多くの方が訪れております。
歴史的な建造物は八幡浜市の歴史を語る生き字引であり、懐かしい思い出の詰まった八幡浜市民の財産であろうかと思います。そして、八幡浜市を知ってもらう、八幡浜市に訪れてもらう観光資源でもあります。新しい施設をつくることも大事ですが、今ある八幡浜市の宝を磨き、生かすことも同じように大事かと思います。ぜひこのように町並みをできるだけ保存していくという方向でこれからも八幡浜市として取り組んでいただきたいと思います。
短いですが、以上で私の質問を終わります。