一般質問(一問一答方式)  H27.9 遠藤素子 議員

公開日 2015年12月16日

 

質 問 事 項
憲法・地方自治法を活かした市政に
伊方原発3号機の再稼働は当市として認めない意志の表明を

 

 


 

〔遠藤素子君登壇〕

 

○遠藤素子君  おはようございます。
 私は、質問通告書に従い、大綱2点について質問いたします。市長並びに関係理事者の皆さんには、誠意ある御答弁をお願いいたします。
 今、国会は、大揺れに揺れています。その大もとには、国の最高の法律である憲法を政府自身が勝手に解釈を変えて、戦後の平和主義国日本を戦争をできる国に変えようとしていることにあると思います。
 8月30日には、12万人の老若男女が国会を包囲し、戦争法案絶対反対、戦争法案今すぐ廃案などと声を上げました。
 また、同じようなことが全国1,000カ所以上で取り組まれ、大阪でも3万人の集会、愛媛でも各地で多彩な取り組みが行われ、1960年の安保闘争以来だと言われています。
 しかも、今回の取り組みの特徴は、60年安保のときは労働組合や学生など組織された人々であったのに比べ、今集まっている人たちは、安倍政権の暴走をこのまま許しては後々後悔することになる、取り返しのつかないことになるとの危機感からやむにやまれぬ思いに駆られた人々が、立場の違いを超えて、自覚的で自由な意思で参加しているということです。
 このことは、今の日本において、深いところで憲法の基本的な原則である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義が国民の間に定着してきている、民主主義が育って息づいていることを示しているのではないでしょうか。
 特に、その集会に参加している若いママさんや学生など若者の発言には目をみはるものがあります。安倍総理の戦後70年談話を読んで、謝罪などの主語さえない誠意のない文章に心に響くものが全くなく、哀れささえ感じた私ですが、この若者たちの言葉に感動するのは、この社会の主権者として社会を動かすのは自分たち一人一人であることを自覚し、はっきりしたメッセージを自分の言葉で伝えているからだと思います。
 さて、前置きが長くなりましたが、同じ時代を生きている私たち八幡浜市ではどうでしょうか。
 大綱第1点は、憲法、地方自治法を生かした市政にということであります。
 最近、私のもとには、もう市役所には行きたくない、公平な扱いを受けなかった、人権を無視した扱いを受け、深く傷ついたといった意味の訴えが寄せられています。何が原因なのでしょうか。そこには、憲法の大原則、基本的人権や住民こそ主人公であるということが忘れられているのではないかと心配になります。
 具体的に質問したいと思います。
 まず、八幡浜市に部長制が敷かれて5年近くになります。漏れ聞くところによりますと、部長制の導入によって権力が集中し、物が言いにくい状況があるのではないかということです。ここでも大切なことは、職員一人一人が主役でなければならないと思いますが、部長制の導入の成果はいかがでしょうか。プラス面と同時に問題点もお聞きしたいと思います。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  平成23年4月に部長制を導入して5年目を迎えております。
 この制度は、組織として高いレベルでの的確な意思決定のできる仕組みづくりを行い、さらに決定事項の迅速な実行、実施内容についての必要な点検の実施、埋もれた課題の拾い上げなどを行い、全体として問題の発見と解決、実行型の機動的な組織にすることを目的にしております。
 導入成果としては、現在の行政課題は複数の課で調整しながら解決に当たらなくてはならない案件が多いことから、部長が広い視野に立ち、調整役を担うことにより、組織として適正なマネジメントを行ってる点が大きいと考えます。
 また、市長、副市長、教育長、部長による庁議を毎週月曜日に開催し、重要事項の協議を精力的に行っています。この庁議で決定したことは部長が主催する部内協議で各課長に伝達されることにより、全体の把握、事務処理の迅速な執行につながっております。
 なお、市という大きな組織として当たり前に必要な仕組みが欠けていた点が、大きく是正されたものと思っております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  問題点はないんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  問題点といった形では認識は余りしてないところではありますが、本来であれば教育委員会などほかの部署においても部長を配置したいというところでありますが、現在最小限の配置にとどめているため、今後の検討課題、これが問題点かと思っております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  毎週月曜日に庁議をされて、そしてそれを各部長が各課長に伝達するということですが、そこで全ての職員の声、それはどういうふうに吸い上げていらっしゃるんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  庁議の場でいろいろな案件につきまして協議を重ねておりますので、その場で職員の声も上がってきていると思っております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  実際に声が下から上がってきてるんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  はい。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  部長制導入のときに、今市長がおっしゃられたことのほかに、部長に権限を持たせ、各課のチェック体制を強化するとともに、地域主権時代にふさわしい人材育成に努めたいとも述べられました。その人材育成は順調にいっているんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  人材育成におきましては、人材評価等々を実施しております。これは部長、課長が人材を評価する、また反対に部下から課長、部長が評価されるというような内容も含んでおります。そういった観点で人材を育成する、そして自分の力が十分に発揮されていない部下がおった場合には、適切な指導ができていると思っております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  今、この場に幹部の方に女性の管理職がいらっしゃいません。男女平等の観点から、女性の幹部は育っているんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  遠藤議員が言われるとおり、女性の幹部はぜひ欲しいという思いがあります。ただ、年齢的に課長になる年齢、経験を積んでいない、そういう人員構成の難しいところがあって、まだ成り立っていない。これから課長さんになって、課長になるのを養成して待っていきたいと思います。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  ぜひ女性を登用していただきたいと思います。
 地方自治法第2条には、地方行政の基本原則として、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない、また常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならないとあります。
 市長は、部長制の再導入に反対の声が少なくない中で、当時、市政運営の中で部長制がマンネリ化するような場合には部長制はなくすることもあるというふうに、そういう意味のことを表明されました。今後なくす予定はありませんか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  ありません。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  それでは、部長を中心に、全ての職員が自由に物が言えるような、そういう雰囲気をぜひ大切にしていただきたいと思います。
 また、市長は2期目のスタートに当たって笑顔あふれるまちづくりを掲げられ、市役所もその具体的な目標として笑顔あふれる明るい職場づくりを表明されたと記憶しております。その点はどのように評価されているでしょうか。
○議長(上田浩志君)  総務課長。
○総務課長(舛田昭彦君)  笑顔あふれる明るい職場づくりにおいて、笑顔の挨拶は最低限のルールであります。挨拶は人と人とのコミュニケーションの始まりであり、まずはみずからを印象づけ、信頼感を醸成し、また職場の雰囲気を形つくっていくものです。
 かねてより市民から挨拶が十分できてないという指摘をいただくこともあり、職員への周知徹底を行ってきたところです。
 引き続き、気持ちのよい挨拶はもとより、来訪される市民の皆様への丁寧、迅速な応対などを通じ、明るい市役所づくりに努めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  庁舎に入りますといつも明るい笑顔で迎えられて、非常に気持ちのいい職場になったと、そういうふうに感じた時期もありました。今もその彼女は非常に明るい笑顔で迎えてくれますが、最近職場に笑顔がなくなったという声も聞きます。その点、感じていらっしゃいませんか、どなたか。
○議長(上田浩志君)  総務課長。
○総務課長(舛田昭彦君)  総務課のほうにはそういう声は届いておりません。ですから、かなり挨拶も浸透してきておりますし、笑顔で応対してもらっておるものと思っております。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  笑顔で仕事をしましょうといって笑顔が出せるものではないと思うんです。笑顔というのは内面が自然ににじみ出てきますから。みんなが仕事のしやすい環境、それをぜひ心がけて、特に上に立つ方が一人一人の職員が自由に物が言えるような、そういう配慮をお願いしたいと思います。
 次に、公共事業や物品購入などの入札の基準はどのようになっているでしょうか。市内業者の仕事をふやすように特別の配慮がなされていると思いますが、公平性を期すためにどのような工夫がなされているかお聞きしたいと思います。
○議長(上田浩志君)  総務企画部長。
○総務企画部長(中榮忠敏君)  入札の基準につきましては、2年に1度、一般競争、指名競争参加資格審査申請の受け付けを行い、市内工事業者については経営事項審査、技術者数等を総合的に評点し、格付を行い、当該工事の設計金額に対応する格付等級に属する業者を選定をしています。
 また、工事以外の業務、例えば建設コンサル、物品、役務等でございますが、これらにつきましては、業務内容に応じた業者を実績等を勘案した上で選定をしております。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  財政課長。
○財政課長(藤堂耕治君)  続いて、市内業者の仕事をふやすようにどのような工夫をという御質問についてお答えをいたします。
 業者の指名に当たりましては、工事、物品等問わず、市内業者で履行可能なものについては市内業者を指名するようにしております。
 以上でございます。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  それでは、最近といいますか、ことしに入って、市内に入札参加資格がありながら、市外の業者のみで入札されたという事例はありませんか。
○議長(上田浩志君)  財政課長。
○財政課長(藤堂耕治君)  議員が言われているのがどの入札のことかわかりませんが、市内業者でできるものにつきましては、工事、物品等を問わず、地域経済の発展、市内業者の育成の観点からも、市内業者に発注できるようにいたしておるところでございます。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  確認ですが、ないということですね。
○議長(上田浩志君)  財政課長。
○財政課長(藤堂耕治君)  そういう事例につきましては確認はできておりませんが、ただ私どもも、これは一般論でございますが、入札において過去の納入実績がない場合におきまして、この備品であれば市内の業者でも調達可能なのかどうか、その全てを把握するということはなかなか困難でございますので、市内の業者さんにおかれましては、営業活動を展開される中で物品、役務を提示され、受注意欲を示されるなど、積極的な活動をお願いできればというふうに思っております。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  それでは、できるだけ市内の業者でできるものはそのように、市内の業者に仕事が回るように、ぜひ特別の配慮をお願いしたいと要望しておきます。
 それから次に、1年前、市立病院の建設に臨んで労務単価や原材料費の高騰などによって6億円の追加予算が計上されましたが、引き上げられた労務費はきちんと下請などの労働者に届いているでしょうか。お尋ねします。
○議長(上田浩志君)  市立病院新病院整備課長。
○市立病院新病院整備課長(菊池敏秀君)  昨年9月議会において、病院改築工事に係るインフレスライドの債務負担行為について御承認をいただきました。その際に、遠藤議員から増額した予算については下請、孫請業者に行き渡るようにする必要があるとの御意見を頂戴しました。
 そのため、今年度当初に市内業者数社をピックアップいたしまして、電話による聞き取り調査を行っております。
 中には、工事費にインフレスライド分が含まれていることを理解している業者もありましたが、ほとんどの業者が理解しておりませんでした。それは、今回実施したインフレスライドは改築工事の契約が平成24年8月に締結されておりますが、それからかなり長期間にわたり準備期間があったため、現場が実際に動き出すまでには1年以上のブランクがございました。その期間も建設関係の物価は上がり続けていたわけですが、工事の下請、孫請の契約を工事の受注業者が行ったのは実際に工事に取りかかる直前でした。その時点で工事積算の基礎金額は既に上昇していたため、下請契約後改めて積算金額が上昇することはほとんどございませんでした。電話をかけた際には、下請、孫請業者の多くがインフレスライドの基準日でありました4月1日以降に金額が上昇すると勘違いしておりました。
 インフレスライドは物価上昇を設計単価に反映するという制度でございますので、そのときそのときに当然含まれる性質のものであるため、業者ヒアリングで正確な回答を得ることは正直難しいと感じました。
 なお、下請、孫請業者に支払われた工事費のうち、労務費が各業者の社員一人一人にどのように届いているかを確認するということは、それぞれの業者の労務管理に当たりますので、市のヒアリングにおいて確認することは難しい点がございます。
 ただ、請負業者に確認しましたところ、下請、孫請業者と契約する際にはインフレスライドの労務費分は適正に支払うように指導している旨の回答を得ております。
 以上でございます。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  なかなか厳しいところはあると思うんですが、今後のこともありますので、それがきちんと把握できるような方法をぜひ考えていただきたいと要望しておきます。
 次に、市立図書館の図書の選定についてお尋ねします。
 図書の選定はどのようになされているんでしょうか。
 もう一つ、市民の希望はかなえられているでしょうか。
○議長(上田浩志君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(河野謙二君)  市立図書館の図書の選定と市民の要望に応えられておるかということでございます。
 市立図書館の図書の選定につきましては、八幡浜市立図書館資料選定基準を定めており、それに基づいて行っております。
 市民の希望はかなえられているかということにつきましては、書籍のリクエスト対応状況が一つの指標になるかと思われます。
 平成26年度実績では、市民図書館でのリクエスト件数が300件ございました。相互貸借制度によりほかの自治体図書館からの借り入れで対応したものが149件、他の図書館にも在庫がないということで御本人からの取り下げが32件、残りの119件が購入となっております。
 保内図書館ではリクエスト件数が295件で、他の自治体図書館からの借り入れで対応したものが221件、取り下げが8件、購入が66件となっており、ほぼ御希望に応えることができているのではないかと考えております。
 以上でございます。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  先ごろ、市民に大変読まれていた雑誌が消えたということで物議を醸したことがありました。これはどういうことだったんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(河野謙二君)  日刊ですとか週刊あるいは月刊等の逐次刊行物である新聞、雑誌等については、ある程度継続的に購入する必要がございます。また、現にそれを愛読されている方もいらっしゃいますので、御希望があっても直ちに他のものに変更することはできませんが、昨年、26年度に定期的な見直しを行いまして、雑誌全体の見直しの中で、内容が似ている雑誌については選別し、削減、広い分野で数を加増したという状況でございます。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  その中で、雑誌数はふえたのに、市民から非常に求められていたものがなくなったということで問題になったんだと思うんですが、それはどういうことなんでしょうか。

 

 (「舛田君に答弁させえや」と呼ぶ者あり)


○議長(上田浩志君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(河野謙二君)  今ほど申しましたように、広い分野で選択をするということで、同じようなものにつきましては総合的に判断して廃止をしたということでございます。見直しをした結果、発行部数の多い雑誌を選んだということでございます。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  市民の図書館ですので、市民が読みたい本がそろっているということが大切じゃないかと思います。ぜひ検討を。今後も市民のニーズに合ったものをぜひそろえていただきたいと思います。
 次に、労働者の所得はこの10年間減り続けています。その主たる原因は、正規の仕事でなく、臨時やパート、派遣労働などで働く人が40%を超える状況になっていることにあると思います。そのために自立できない、あるいは都会でリストラされて田舎に帰り、高齢の親と同居しており、場合によっては親子共倒れになる状況も起こっており、今、新たな社会問題として浮上しております。先日も、NHKの「老人漂流社会」という番組で取り上げられておりました。このまま放置すれば、税金で親子をサポートせざるを得ないことになるということでした。
 働く意欲がありながらうまく仕事につけないときに、最後のセーフティーネットとして生活保護がありますが、いろいろな制約があるために支給されず、結果として最悪の道へ転落することもあるようです。
 しかし、制度としての不備のみではなく、保護申請の際の問題もあるのではないかと感じることが少なくありません。
 生活保護法には、憲法第25条に規定する理念に基づいて、国が生活に困窮する全ての国民に対して、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とすると規定されております。
 当市の場合、生活保護にかかわるケースワーカーの資格保持者の人数、そして1人のケースワーカーが対象とする人数はどれくらいですか。また、その対応は十分にできているかどうか伺いたいと思います。
○議長(上田浩志君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(二宮貴生君)  八幡浜管内の有効求人倍率はリーマン・ショック直後の平成21年度平均では0.52であったため、働く意欲があっても就労先がない状況でありましたので、生活保護受給者も急増いたしました。その後は徐々に回復し、平成26年度平均は0.95となっており、生活保護受給者も減少しております。現在では、働く場がありますので、働くことが可能な方は原則生活保護には該当しない状況にあります。
 当市のケースワーカー数は5人で、そのうち社会福祉主事の資格保有者は4人です。新任の1名については、現在修得中でございます。
 定数につきましては、社会福祉法第16条に基づき、市については生活保護世帯80世帯につき1人となっております。8月末現在の生活保護世帯は、停止6世帯を含み355世帯となっております。これを80で除しますと4.4となり、充足している状況にあります。
 ケースワーカーが受け持つ被保護世帯は平均で71世帯であります。被保護世帯ごとに必要な援助方針を策定し、計画どおり家庭訪問もできており、就労に対する援助もできていることから、全ての国民に対しその困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することとの生活保護法の趣旨に沿った対応ができていると思っております。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  当市のひとり暮らしで1カ月の所得が6万6,000円以下の世帯が昨年度で7,000世帯を上回ると税務課からお聞きしました。その中で実際に生活保護を受けている世帯はどれくらいあるでしょうか。
○議長(上田浩志君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(二宮貴生君)  単身の年金受給者での生活保護世帯数は数値を承知しておりませんけれども、単身世帯を申し上げますと、305世帯ということで、全体で80.4%を占めているような状況でございます。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  1カ月の所得が6万6,000円以下の世帯で実際に保護を受けている世帯は305世帯しかないということです。保護を受けて当然の世帯であるにもかかわらず、受けていない世帯が多数いるということがおわかりだと思います。これが社会保障の貧困な日本の姿です。ヨーロッパあたりでは、政府があなたは生活保護の申請ができますよと、受けることを勧めるといいます。ですから、困ったときには安心して受けることができます。しかし、日本ではそうなっていません。
 憲法を暮らしに生かす、これは民主的な自治体が1970年代に一定誕生したとき、京都の蜷川知事が庁舎に掲げられていた府政のスローガンでした。当市でもこの精神で弱い立場の人に対してこそ優しく励ます対応が求められていると思うのですが、いかがですか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  生活保護というのは最低限の生活を営むために必要なもので、もし人生に窮したときには、このセーフティーネットがあるからこそやっていけるわけです。そういう意味で、生活保護の制度をきちんと運用するということは大事なことだと思います。
 ただし、生活保護のお金は全て税金であり、国費であります。大もとになる国の財政がパンクすれば、当然生活保護費も支払うことはできなくなります。その辺はきちんとバランスを見ながら、なおかつ最低限の暮らしは守れるような、両立するような方向を考えていけたらと思っています。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  40年働いて、税金を払ってきた、そういう方が体を壊して生活ができなくなって生活保護を申請してくる。そういう人に対して、困っている人に寄り添う姿勢、それが一番大切ではないんでしょうか。
 最近、何度か経験しました。それは、相手の権利として当然与えるべきものですが、恵んでやるというふうな視線が感じられて、そして真面目に働いて、これまで税金も納めてきた人であるだけに、非常にプライドが傷ついて、一時は死ぬことを考えられた、そういう人もありました。
 ですから、人によってもちろん問題のある人もごくわずかですがあると思います。しかし、大方は真面目に働いて、困ったときに助けを求めているわけですから、弱い立場の人に寄り添う精神をぜひとも大切にしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。
 大綱第2点は、伊方原発3号機の再稼働は、当市として知事への了承の回答を撤回し、認めない意思の表明を求めるものであります。
 原発はないほうがいい、これは中村知事の発言の中にもありますが、推進派の人々の中にも多数いらっしゃるようです。それではなぜなくすための努力をされないんでしょうか。万が一にも福島のような苛酷事故が起これば、誰も本当の責任はとれません。放射能の被害をもとに戻すことは不可能だからです。
 その上、四国では、2012年、平成24年1月13日からもう既に3年9カ月近く原発ゼロは現実となっているんです。このまま廃炉にすることが最も安全な道であり、市民を守る最も確かな道だと思いますが、なぜそれを主張されないんでしょうか。
 福島の現実から何を教訓として学ばれたのでしょうか。3・11の事故から4年半になろうとしていますが、今も被災者の中には先行き不透明なため、みずから命を絶つ人が絶えません。原発事故のあった夜、助けを求める声や車のクラクションを聞いていながら、翌朝5時に立入禁止命令が出たために助かる命を助けに行けなかった、見殺しにしてしまったという人の苦悩は、今も続いています。現在事故処理に当たっている作業員がこの8月だけで3人も亡くなっています。事故を起こしてからの廃炉作業はとても危険です。事故を起こす前の今こそ、廃炉にする道を選択するべきではないのでしょうか。お尋ねします。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  県への回答にも示していますとおり、私も将来的には脱原発を目指すべきだと思っておりますが、今回市議会、市民有識者からの意見も踏まえ、現在直ちに廃炉にすべきと主張するつもりはございません。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  福島の事故から何を教訓として学ばれたんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  確かに、福島の教訓として、遠藤議員がおっしゃられたように、原発事故、一度大きな事故が起こると、ふるさと、八幡浜でいえばミカンも魚もなくなってしまう、同じような事故が起こればですが、働く場所もなくなってしまう、そして帰る家さえもなくなるというようなことは学んでおります。だからこそ、今回も、国に対してそして県に対して、四国電力に対して要望という形で厳しい要望を出させてもらっています。その上での了承という形をとっております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  安倍首相の世界一厳しい新規制基準という言葉に惑わされてはならないと思います。この基準自体、福島原発事故の原因究明さえ尽くされてない中で策定されたものです。原因の検証がなされてないのに、なぜ新しい基準ができるんでしょうか。多くの地震学者は、基準地震動の甘さを指摘しています。まさに、政府による新たな安全神話の復活だと思います。
 また、規制基準は安全基準ではないと、規制委員会の田中委員長自身、繰り返し表明しています。規制基準に合格しても、安全が保証されるわけではありません。なのになぜ再稼働を了承でしょうか。一度動かしてしまえば、事故が起こるまで稼働し続けることになりかねません。危険はますます大きくなります。
 この地図を見てください。
 これは、東京大学地震研究所の世界の震源分布図、震度4以上の地震を赤い点で示したものです。そして、その地図の上に、地質学、地震の研究で有名な立石雅昭氏が最近起こった巨大地震を描き加えた、この黄色いのが最近起こった巨大地震です。下からずっと見ていきますと、1960年チリ地震、マグニチュード9.5、2010年チリ中部地震、マグニチュード8.8、この地震帯の中にあります、1964年アラスカ地震、マグニチュード9.2、1957年アンドレアノフ地震、マグニチュード9.1、1952年カムチャッカ地震、マグニチュード9.0、そして2011年東北地方太平洋沖地震、マグニチュード9.0、2004年スマトラ島沖地震、マグニチュード9.0。
 この辺になるんでしょう、伊方原発は。日本の地図が赤い丸で隠れてしまっている、そういう地震帯の中に日本はあるわけです。いつ、マグニチュード9レベルの地震に襲われるか知れない、そういうところに原発が隣立しているということ自体が異常なことだと思います。そういう意味で、この地方にもいつ想定外の大きな地震が来るかわからない。そういう状況で動かしてはならないと思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  日本が地震国であるということは、今、初めてわかったことではありません。今回の規制委員会の審査の中で、あらゆる状況を想定した地震を考えられて規制基準がつくられていますので、この規制基準に沿って今回合格が出ておりますので、それは十分審査されてのことだと思っています。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  四国電力の説明を聞きました。そのときに私は質問もしたんですが、福島事故の原因は津波だと規制委員会は結論づけたと言われました。しかし、多くの学者が、津波が来る前に地震によって配管が壊れ、冷却水が届かなくなって事故を起こしたんだと、そしてその記録も見出されております。それにもかかわらず、四国電力は、そういう危険だという学者の声に耳を傾けない。
 八幡浜市議会が、一度、田中三彦氏を招いて講演会をしていただきました。あの田中三彦氏ははっきりと言われております。論文を出しておられます。しかし、規制委員会はそれを見向きもしないと言われておりました。だから、推進するために何が何でも津波が原因だと言ってしまう。地震が原因だと言うと、全国の原発を改めて配管から全て、何万個あるんでしょうか、それを見直さないといけなくなる。そういうことで津波が原因だと言い張っている、そういうふうに感じます。非常に非科学的な立場、そういう四国電力の態度を私たちは黙って見過ごしていいのか、本当に心配になります。
 次に、原発は大切な雇用の場であるといいます。しかし、原発ゼロの決断がなされれば、廃炉作業は続き、雇用の場はなくなりません。なぜ安全な道を求めないんでしょうか。
 また、原発がこの地域に来たことで、この八西地方は本当に豊かになったでしょうか。原発交付金に頼るまちづくりは、本当の豊かさとは言えないと思います。原発はやがてなくしていかなければならないものです。いつまでも頼るべきではないということを早く自覚するべきではないでしょうか。
 立地自治体では、原発の誘致をめぐって人間関係の断絶が家族間にも、友人間にも起こったと聞きます。また、今でも原発については隣近所でも一切タブーだそうです。労働の対価でなく手に入るお金、これらが原発立地の人々を真の豊かさに導いたでしょうか。大いに疑問です。
 また、火力発電に頼ることで二酸化炭素の問題もあります。しかし、火力発電でも世界最高水準の発電効率をさらに高め、CO2を削減する技術や再生可能エネルギーの導入に本格的に取り組み、蓄電の技術開発も今後進んでいけば、原発に頼らなくとも地域に産業を興すことができる、地域の活性化にもつながると、まちおこしに取り組んでいる地域も次々と出ています。当市こそ、その方向にかじを切るのが最も未来ある道だと思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  まず、原発ゼロによる廃炉作業で雇用をというような話がありました。いずれにせよ、必ず廃炉の時期が来ると思っております。きのうの石崎議員の答弁でも言いましたが、1号機が38年経過しておりますし、2号機も33年、3号機が21年経過しておりますので、いずれは廃炉の時期が来るわけでありまして、その際、今お話しのあったような廃炉作業に伴う雇用が発生してくると考えております。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  続けて、雇用の場についての中で、原発で地域は豊かになったかという分ですけれども、雇用の場が限られている当市にとっては、外部から所得が発生し、地元で大きな消費、調達、雇用の場となる企業は非常に大切であります。伊方発電所があることにより、当市には大きな経済効果が発生していると考えています。
 また、今回の市立病院の整備に当たっては、原子力関係交付金を医療機器の整備に充てており、日常の市民の健康確保に非常に有益な使い方をさせていただきました。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  最後に、再生可能エネルギーの導入の本格的な取り組みをというお話でありますが、私自身としても脱原発を目指しておりまして、知事への回答にもその方向で新技術の開発に力を注ぐべきである旨を要請しております。
 現在の太陽光、風力などの再生可能エネルギーにはまだまだ大きな制約があることから、先ほど遠藤議員もおっしゃったように、蓄電池等を含めて今後の技術の開発に期待をしたいと思っております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  そういう方向を目指すのならば、なぜ3年9カ月もとまっている原発を動かさないで、なぜ廃炉に持っていかないんでしょう。
 この安全対策に四国電力は1,800億円ですか、2011年以降使っていると聞いています。そういうお金を自然エネルギーを開発する方向に思い切って向ければ、もっともっと早く代替エネルギーはできるし、今、十分足りてるわけですから、なぜそれを動かすのかという、そこが私にはどうしても理解ができないんですが、わかるように教えていただきたい。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  それは、私にもわかるかと言えば、わかりかねます。国のほうでも、この間も説明がありましたが、資源エネルギー庁が2030年には原子力発電所のエネルギーの配分を22%から20%にするというような国の方針、エネルギーに関する方針が決められておりますので、それに対して私が今やめていくというようなことも言い切れない。国のエネルギーの政策ですんで、それは遠藤さん自身が国に対して、どのようにこういうふうに決まったのかというのをお聞きなされたらと思います。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  国が決めているから物が言えないということですか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  そういったわけではございませんが、国が2030年のそのようなエネルギーの配分を決めたということですから、これから私たちもそれについてどのような過程でそういうふうな結果が出たのかは個人的には調べさせていただきます。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  市長は、知事に対して再稼働オーケーのサインを出されたわけですよね。本当に原発をなくしていくべきだということならば、今電力は足りてる、そして一度苛酷事故が起こればこの町は壊滅的な打撃を受け、ミカンも魚もだめになる、そういう危険な道、万が一にも起こることがあるかもしれないそういう道は避けて、市民を守るというのが市長の役目ではないんでしょうか。そういう意味で、オーケーを出すことは間違っていたと私は思うんです。どうでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  先ほどから言っておりますが、国が決めたエネルギーの配分、これも原発が今一つも稼働してない、その中で足りているとも申されますが、国としてあらゆる指標、エネルギーを外国から化石燃料を買っている、そういった外国との貿易の問題、いろいろな問題を含めての内容でエネルギーの配分を決めているんだと思っております。だからこそ、今足りているからではなしに、今後を見据えた形で、どのような形で国が存続していくかを含めてのエネルギーの配分だと思っておりますので、そういったことからも考えまして、直ちに原発を全部廃止するといったことはどうかなと思います。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  4月14日、高浜原発の再稼働差しどめを認めた福井地裁の決定は、憲法の理念に立って、人間の尊厳、安全を基礎とする人格権が最高の価値を持つのであり、電力を生み出すための一手段たる経済活動の自由は憲法上は人格権の中核部分より劣位に置かれると宣言しました。すなわち、経済的な利益より、人の尊厳、命や健康が優先するという立場に立って、裁判所の審査は、原発事故の具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象であり、操業は決して安全とは判断できないとしました。これは伊方原発でも、先ほどの地震の起こる危険性、可能性、それから見てもそっくり当てはまると思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  今おっしゃられました高浜原発に対する福井地裁の判決というのは一つの結論でありますけれども、他の地裁においては、それとは別な結論がいっぱい出されています。だから、福井地裁一つの判決をもって、日本全国が全てそれを結論としたわけではありませんので、大きな中での判断の小さな一つであったというふうに理解をしています。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  確かに、川内原発では逆の判決が出ました。しかし、ここでも、適合性判断に不合理な点はないとして再稼働を鹿児島川内原発は許しました。その上で、鹿児島地裁はなお書きを加えています。今後原子炉施設についてさらに厳しい安全性を求めるという社会的合意が形成されたと認める場合においては、そうした安全性レベルをもとに、周辺住民の人格的利益の障害またはおそれの有無を判断すべきこととなるというふうに言っておりまして、社会的合意、これが大事だというふうに述べております。
 ことし2月の愛媛新聞による原発に対するアンケート調査では、不安を感じる人が86%、約9割、再稼働反対が68%、7割にも上っています。この中には八幡浜市の住民も入っているはずです。
 また、先ごろある住民団体が伊方町の全世帯を対象に一軒一軒家庭訪問して対話し、集約されたアンケートでは、伊方町で52%の方が再稼働に反対と表明されたといいます。もし、八幡浜で同じようなアンケートをとれば、もっと反対は多くなるものと私は思います。
 この民意を市長はどのように考えていらっしゃいますか。
○議長(上田浩志君)  総務企画部長。
○総務企画部長(中榮忠敏君)  市民の意見を受け取る際にはさまざまな方法があり、遠藤議員が今申されました新聞社や団体によるアンケートもその中の一つであると認識をしております。
 八幡浜市も意見照会に当たってはさまざまな方法を検討いたしましたが、原子力発電については、1人の市民の中に反対と推進の部分があり、人によってそのニュアンスが異なること、これを受けとめて対応すべきとの考え方から、マル・バツ式のアンケートではなく、記述式で意見をいただくことと今回いたしました。
 いただいた御意見は、非常に迷われた中で、その経過も含めて意見を表明いただいており、先般の県知事への回答もこのことを踏まえて作成をしたものでございます。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  今回、ある女性から、議会で発言してほしいと次のように依頼されました。
 私は、これまで何もしないできた。けれど、福島の事故から180度変わった。あのような悲惨な状況がありながら何で再稼働を了承できるのか。市長のあれは何ですか。これからはできることは何でもするから言ってくれ。こういう声です。多くの市民がこのような怒りの声を上げていらっしゃるように私は感じます。
 次に行きますが、8月5日、6日に行われた原発再稼働に関する説明会のあり方について、指名された51名の選出基準についてお聞きしたいと思うんですが、どのようにして選出されたんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  総務課長。
○総務課長(舛田昭彦君)  参加者の選考でございますが、市内の各団体の役員である方、またたくさんの方々を束ねておられる方、そのような方を中心に選んでおります。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  それでは、なぜそれを公表されないんでしょうか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  いずれ時期が来れば必ず公表させていただきたいと思っています。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  その時期はいつですか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  原子力の問題について一応の結論が出て事が進み出して、世の中の世論が鎮静化したらその段階で出していきたいと思います。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  私は、西予市、それから大洲市で行われた説明会にも会場の近くまで行きました。西予市では各地区の区長、それから公民館の館長、農協の会長であるとか、一覧表がきちっと出ておりました。当然じゃないんでしょうか。公平に人選をしたと言われるんでしたら、当然公表されてしかるべきだと思うんですが、なぜそれを公表しないんですか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  これは考え方の違いによると思いますが、公表すればその人に対して周りからいろいろな働きかけとかがあれば、賛成の人が反対になり、また反対の人が賛成になるというようなことがあればいけないというようなことも考えまして非公開にしております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  西予市でも大洲市でもそういうことがあったとは聞いておりません。代表の人というのは見識ある人を選ばれたはずだと思うんですが。きのうの石崎議員の質問で、選ばれた代表者の中で市から補助金を受け取ってる団体はどれくらいあるのかという質問、きょうお答えをいただくことになっていたと思うんですが、どうでしょうか。
○議長(上田浩志君)  総務企画部長。
○総務企画部長(中榮忠敏君)  きのう石崎議員が言われたんは、あくまで質問ではなしに、そういうことをあしたの遠藤さんに委ねるみたいな意味合いでございましたんで、ただ、今の段階で幾ら補助金を出しておるとかということのお答えをするつもりはございません。といいますのは、今回いろんな各種団体にお願いをいたしましたが、その方の団体の意見を集約をしてくださいという意味で説明会に臨んでいただいたわけではございません。あくまで有識者の個人としての立場でお願いをしておりますので、仮にそこが例えば5割補助金を申請している団体であったからといって、それが直接今回のアンケートの回答には結びついていないと思われます。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  アンケート用紙には記名欄がありました。もしその団体が補助金を受けたりしている団体でしたら、記名を書いて、なかなか正直に答えにくい人も中にはあったんではないかと思います。
 公表されないということは、市長の考えに近い人が選ばれたというふうに勘ぐられても仕方がないと私は思うんです。安倍首相が諮問会議をするときに自分のお友達をたくさん選ばれるように、そういうことがもしあったらいけないので公表してくださいと言ってるわけで、これは、議長さん、公表していただくべきではないでしょうか、議会として。
○議長(上田浩志君)  傍聴人に申し上げます。静粛に願います。
 市長。
○市長(大城一郎君)  今回、補助金云々の話がありました。選ぶ場合に、私も見たんですが、なるべく私が任命権者として任命したような人、当然ですがそこは外させていただいておりますし、市内の各種団体といえば、補助金を出しているような団体が多いと思っとりますので、補助金の有無に関係なく今回は出させてもらっております。
 この後、皆さん方がそれほど言われておりますので、名前を抜きにして、団体名、どういったところの団体に出したかというのはこちらから提示をします。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  その団体の長ではないんですか、長ですか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  先ほど総務企画部長もお話ししたように、今回は市の有識者、八幡浜市を代表されるような有識者の方から、それなりの経験を経た有識者の御意見をいただきたいということで、その有識者を選ぶに当たって団体の長の方がまさにふさわしいだろうということで選んだわけです。
 だから、そうです。だから、長としての意見ではなしに、あなたは市の有識者として選ばれましたと、ただし団体の意見を集約するのではなしに、有識者としてのあなた個人の意見をお聞かせくださいとの趣旨を御説明させていただいております。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  団体の代表の方を選ぶ場合に、私は前の議会で質問したと思います。せっかく長が来られるんなら、自分の所属する団体の多くの意見を聞いて、そして参加されたら、市長としてはより多くの人の意見を聞くことになると思います。市長は前々から、できるだけ広く市民の声を聞いて、それを集約したいというふうにおっしゃられました。その意味からしても、個人の意見に限ることなく、周りの意見を聞いて参加してくださいというほうがさらに広く聞けたんではないかと。
 また、各地区の市長を囲む会でもいろいろな意見が出たと聞いております。その場所でも、市長はこれも一つの方法だと。この市長を囲む会で市民の皆さんの声を聞くことも市民の声を聞く一つだと言われたとおっしゃいましたが、まだ市長を囲む会は完全に終わっていませんね。まだ残っている段階で答えを出してしまったということは、みんなの声を聞きますよと言いながら、それを無視して答えを出したということになりませんか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  まさに言われるところもあろうかと思いますが、市長を囲む会では今の市政の報告、状況を説明しておりますので、今までの市長を囲む会ではそういった話も聞いてきました。現に、その市、その地区以外からも来られて、まさに八幡浜市以外からも来られて話を聞きたいという人もいましたし、その人たちを排除したりもしておりません。そういった話も聞いてきました。
 これからの市長を囲む会では、こういったことで皆さん方の意見を伺って、有識者の意見を伺って、市議会議員の意見を伺って、このような形で愛媛県に対して八幡浜市の回答をしましたというふうな説明をこれからの市長を囲む会ではしていく、それが私としての説明責任かなというふうに考えております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  次に進みます。
 私は、改めて全市民を対象にした自由参加で自由に話し合える説明会の開催を求めたいと思います。
 また、その場合には、推進勢力、国の側、事業者側の説明だけではなく、原発の危険性を主張している学者も交えた公開の討論会をされるべきだと思います。
 プルサーマルの導入のときには、世論に押され、ついに両方の意見を持つ学者の公開討論会が開催されました。その開催を求めたいと思いますが、いかがですか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  これは私の感想であり、また職員とも協議した話の中で出たことですけれども、公開の討論会というお話でしたけれども、結局反対とそれから推進という対立する中で、双方の主張が衝突するあるいは単に意見を述べ合うだけということで、お互いが相手の意見を認めて、一定の方向を模索するといったような議論が成り立たないと、そのように感じておりますので、この問題で公開討論会の開催には否定的であります。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  国のエネルギー庁、それから規制委員会、そして四国電力、これは全て推進側の人たちです。その人たちだけ市民に聞かせて、そしてアンケートをとる、これは偏った考えを押しつけることになりませんか。両者の意見を闘わせる、その両者の声を市民が公正に聞いて、判断するのは市民。別にこれが一つにならなくても、両者の意見を聞いてこそ、市民は判断ができるんではないでしょうか。
 プルサーマルの集会は県の主催でしたので、県に対してこういう公開討論会を持つように提案をしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○議長(上田浩志君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  今のお話の中で推進派が全てと言われましたけれども、規制委員会は実際にできる施設が基準に合致してるかどうかを判断する機関でありまして、原子力を推進するサイドの人たちではないというふうに理解をしています。
 それから、討論会につきましては、今言ったお返事と一緒のことであります。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  次に移りたいと思います。
 市長は、9月議会が開会された翌日の2日、県知事に対して、伊方原発3号機の再稼働を了承する旨の回答を県下のどの自治体よりも先に提出されました。その内容については議会に報告して了承を得ることもなく行われましたが、これは議会軽視ではないでしょうか。なぜ回答の内容を事後報告にされたんでしょうか。
 また、市長は、中村知事に回答書を手渡した際、了承した理由について、市議会や市民有識者へのアンケート結果や再稼働反対の請願を不採択とした6月市議会の議決を踏まえたと述べられております。しかし、これまで市長は、議会でも各地区での市長を囲む会でも、広く市民の声を聞いて意見を集約したいと述べてこられました。このたびの突然の知事への回答は、余りにも拙速、市民の声を反映しているとは思えません。知事への回答は撤回し、改めて市民の声を集約し直すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  まず、なぜ回答内容を事後報告にしたのかということですが、これは事後報告ではなく、同時に皆さん方にも報告していると認識をしております。
 2日の前の1日の全員協議会におきまして、あす知事に対して回答を届けるということを報告させていただきました。そして、2日の日は午後2時に県庁のほうにお伺いしたわけでございますが、その前日、1日の夕刻には議員皆さん方にこの同じ文を発送をいたしております。そういった点で、事後報告といった認識はございません。
 それと、市議会の軽視ではないかというふうに言われておりますが、この件に関しましても、請願の否決に当たっては、平成26年2月以来、1年4カ月間継続してこの請願は慎重審議をなされたものだと思っております。その1年4カ月継続して議論されたものをさきの6月議会で議決されたということは、これは議会にとっても非常に重たい議決だと受けとめております。その議決を無視するということは、かえってこれこそが議会軽視に当たるのではないかと考えております。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  事後報告ですよ。1日の全協で、あす知事に会って報告、回答をすると言われましたが、その中身は言われませんでした。事後報告でないなら、あのときにこういう報告をします、これでいいでしょうかということを言われるべきではなかったんでしょうか。
 私たちは、翌日の午後、初めて目にしました。ですから、事後報告ではないと言われるのは当たってないと思います。
○議長(上田浩志君)  市長。
○市長(大城一郎君)  その回答に対しましては、先ほどからも言っておりますが、市民の有識者並びに議会16名の皆さん方の意見を参考に意思決定をさせていただきました。この意思決定をしたことに対して承認、これは必要ないと思っておりますので、その段階であす持っていきます、そして2時までには皆さん方に御報告できるように前日の1日の午後には発送しているということです。
○議長(上田浩志君)  遠藤素子議員。
○遠藤素子君  私たちは、非常に闇討ちに遭ったような、本当に、驚きと憤りとむなしさと、本当に残念でたまりません。市民の皆さん、限られてはおりますが、何人もの方からあれはどうしたことかという声が寄せられております。
 市長は、福島のような苛酷事故が起こった場合は国が全面的な責任をとることを確認するというふうに言っておられます。しかし、この責任とは何でしょうか。お金による賠償ですか。
 福島では長引く避難生活の中で賠償に線引きがなされ、賠償の打ち切りも言われております。賠償の格差が生まれているとのことです。さらには、放射能汚染の濃淡とが絡み合って、住民の間に分断をもたらしており、二次災害とも言える状況も生まれているといいます。
 このような状況に市民をさらすようなことは絶対に避けなければなりません。そのためには、このまま廃炉にすること、その道しかないと思います。
 市長、知事への再稼働了承の回答を撤回してください。そのことを強く求め、私の質問を終わります。

 

 

 

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