公開日 2022年01月12日
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○佐々木加代子君 それでは、大綱3点について私のほうから質問をさせていただきます。理事者の皆様の前向きの御答弁をどうかよろしくお願いを申し上げます。
大綱1、受動喫煙防止対策についてであります。
国立がん研究センターの発表では、たばこの煙の中には70種類以上の発がん性物質が含まれており、たばこを吸わない人でもたばこの煙や喫煙者が吐き出した煙を吸い込む、いわゆる受動喫煙による日本人の肺がんリスクは約1.3倍にもなるとされております。たばこの煙は、がん以外にも脳卒中や心筋梗塞、呼吸器疾患、アレルギーなどの病気にも影響するとわかっておりますので、受動喫煙は社会全体で取り組むべき問題でもあります。
日本人選手の活躍に沸いた平昌オリンピックも閉会し、次はいよいよ2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けての取り組みです。受動喫煙については、国際オリンピック委員会、IOCがたばこのないオリンピックを目指していることから、開催までには早急な対応も求められます。
たばこは嗜好品でありますので、もちろん吸う権利も存在しますが、その反面、吸いたくない権利も存在すると思うのです。ここにおられる同僚議員、理事者の皆様の中にも喫煙者の方がおられますが、ここにおられる喫煙者の方はしっかりとマナーを守っておられる方ばかりだと思っておりますし、決して子供たちに受動喫煙などをさせている方は一人もいないと信じておりますので、私としましては吸う権利を尊重した上で、未来ある子供たちを受動喫煙から守りたいという思いと、現在、国会においても議論されているように、社会全体で考えていく問題だと捉えているところです。
厚生労働省によると、受動喫煙が原因で年間1万5,000人が亡くなっているという推計があり、2014年度にはたばこが原因で100万人以上ががんや脳卒中、心筋梗塞などの病気になり、喫煙で年間約1兆1,700億円、受動喫煙で約3,200億円、合わせて1兆4,900億円もの医療費が費やされているとの推計がされているということです。
喫煙者が吸うたばこの煙、主流煙の中の化学物質は、たばこ製品の燃焼部分から出る煙、副流煙や喫煙者が吐き出す煙の中にも存在しており、受動喫煙はたばこを吸わない人の肺がんの原因の一つになります。副流煙はフィルターを通しておらず、燃焼温度が低いことから、主流煙よりも多くの有害物質を含みます。現在では、受動喫煙と肺がんの因果関係が科学的に明らかになっているように、がん以外にも虚血性心疾患、脳卒中などにも影響があることが明らかになっているようです。
それでは、先ほど申しました子供たちを受動喫煙から守るということについて、八幡浜市が特に取り組んでいることがあればお聞かせ願います。
○議長(新宮康史君) 保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君) お答えします。
当市では、母子手帳発行時の妊婦相談において、妊婦自身や同居者の喫煙状況を確認し、必要に応じてたばこが及ぼす影響についてお話をしています。
また、生活習慣病予防の健康診断後の個別保健指導において、本人の意向を尊重しながら禁煙も推奨するなど、個別の禁煙・節煙支援を主として実施しています。
市としては、市民全体や市内の事業所に対する受動喫煙防止の取り組みは実施しておりませんが、愛媛県において禁煙や分煙を実施している施設を認定する「えひめ愛の禁煙・分煙施設」認定制度により、県民への普及啓発と施設等の受動喫煙防止対策の取り組み促進を図っています。八幡浜市内では、平成29年9月30日現在で29施設が認定を受けています。
○議長(新宮康史君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 県の取り組みで、八幡浜市でも29の施設が県の認定を受けておるということですが、市内の飲食店などでは分煙とか時間帯禁煙など、先ほども29のお店が認定をされておるということでしたが、独自に取り組まれておられるお店というのもあるようですが、お酒を提供されるお店では喫煙可となっているお店がほとんどではないかと思われます。
先日、とある居酒屋さんで子供さん連れの方が来られておりました。そこは大きなスペースを複数のテーブルで仕切っているお店で、当然喫煙可であったので、大人の方二、三人が喫煙されているという中に子供たちが数時間食事をされていたという、そういう状況でありました。その子供さんの父親かなと思われる方も喫煙をされておりましたので、その家庭の考え方が大いにあるとはわかっていても、もう少し大人が配慮できることはないものかと私は思って見ておりました。
吸う権利と吸いたくない権利、大変難しいことなのかもしれませんが、少なくとも大人の取り組みで子供を受動喫煙から守るということはできると思うのです。
受動喫煙による健康被害は、子供に与える影響は大きいとされています。国立がん研究センターによると、受動喫煙が原因とされるリスクのうち、乳幼児への影響としては、乳幼児突然死症候群があります。過去に病気もなく、何の予兆もないまま乳幼児が突然死に至る病気で、両親ともにたばこを吸わない場合を1としたとき、両親ともに喫煙者の場合で4.67倍となっていて、その影響の大きさがわかります。
少なくても子供たちを受動喫煙から守るということは、大人の義務だと私は思っております。今すぐに八幡浜市でできることを考えたときに思い浮かぶことの一つに、市内の公園や市の施設に受動喫煙のない社会をなどといったシールや啓発看板の設置など、市民の皆様が受動喫煙に対して意識を持っていただけるような取り組みならすぐにでもできることではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君) お答えします。
健康増進法では、受動喫煙防止対策について、多数の者が利用する施設の管理者に努力義務が課せられています。市民に対し、看板等によって啓発を行うことが効果的かどうか、他市の取り組み状況も確認しながら検討してみたいと思います。
以上です。
○議長(新宮康史君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 ぜひとも前向きの御検討をどうかよろしくお願いをいたします。
受動喫煙の防止が平成15年に健康増進法の努力義務とされてからことしで15年が経過しようとしておりますが、厚生労働省としても努力義務としての取り組みでは限界があるとして、受動喫煙防止対策の強化に取り組んでいます。今国会においても審議されているところではありますが、なかなか進展していかないというのが現状のようです。
ここで、健康増進においての受動喫煙防止対策に対する市長のお考えをお聞かせ願います。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 受動喫煙による健康への悪影響は、涙が出たり、鼻詰まり、頭痛等の生理的反応や慢性影響としての肺がん、循環器疾患等のリスクが上昇する疫学調査もあるなど科学的に明らかとなっており、たばこを吸わない人がみずから希望していない受動喫煙により健康を損なうことはあってはならないことと思います。
先ほどの答弁にもありましたが、健康増進法では、多数の者が利用する施設の管理者に受動喫煙防止対策の努力義務が課せられており、対象の施設管理者には健康増進法の趣旨を認識していただき、受動喫煙防止に取り組んでいただきたいと思います。
特に、飲食店等の禁煙につきましては賛否両論があり、全面禁煙は困難だとは思いますが、換気設備の設置等によって空間分煙等の対応をすることは可能であります。
現在国会では、店舗内における喫煙について議論が行われており、受動喫煙についても国民のコンセンサスを得つつ、法整備を行い、社会全体としての取り組みを計画的に進めていくべきだと考えております。
また、先ほど議員もおっしゃられたように、市の職員でも、教職員でも、議員の皆さんの中にでもたばこを愛好する方がおられて、健康には悪いと認識をしながらも、なかなか煙を断つことが難しいというような現状であります。まずは、たばこを吸う人は横や周辺に座っている人のことを考えるべきだと思っております。
○議長(新宮康史君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 非常に鋭い御意見やったなというふうに思いますが、先ほど言いましたように、吸う権利と吸わない権利それぞれだと思いますが、もうお一人お一人喫煙される方のマナーに頼るしかございませんというのが今の現状だと思います。市民の皆様がお一人お一人受動喫煙から子供を守るという意識を強く持っていただいて、受動喫煙の怖さとか知識、それを共有していただくということを行政としては進めていただきたい。今後の積極的な取り組みを強く要望して、この質問を終わりたいと思います。
○議長(新宮康史君) 休憩します。
午前11時55分 休憩
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午後 1時00分 再開
○議長(新宮康史君) 再開します。
佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 それでは、大綱2、土曜塾の取り組みについてをお伺いいたします。
2013年に制定をされました子どもの貧困対策の推進に関する法律では、安倍総理を議長とする子どもの貧困対策会議が開かれ、それを推進する国民運動も展開されています。安倍総理は、子供への投資は未来への投資と繰り返し言われています。この法律では、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子供の貧困対策を総合的に推進することを目的とするとしております。
今、子供の6人に1人が貧困状態にあると言われておりますが、子供の貧困の背景には、ひとり親世帯の増加や働く親の所得の減少などがその理由であるとされていますが、教育の機会均等という考え方からも経済的な理由により将来に夢や希望が持てないといったことのない環境づくりを国や地域で整備していくべきだと思っているところであります。
今や小学生や中学生の塾通いは当たり前となっておりますが、八幡浜市の小学生、中学生で塾に通っておられる子供さんの割合を教えてください。
○議長(新宮康史君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 今年度4月に実施しました学校教育に関する調査を見ますと、習い事を除いて、学習塾に通っている小学生は全体の23.8%、中学生は45.8%となっております。
○議長(新宮康史君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 今、小学生が23.8%、中学生が45.8%ということで、私が思っていた数よりかは、中学生に関しては特にもう少し多いのかなというふうに思っておりましたが、半分弱というお話を聞きました。
松山市では、ひとり親家庭を対象に土曜塾というものが開催されております。八幡浜市でも、学校の授業だけでは十分な学力が定着しない子供や貧困問題による学力の格差解消のためにも、基礎学力の向上や学習習慣の定着を目的に土曜塾の開講を要望したいと思います。お考えをお聞かせ願います。
○議長(新宮康史君) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(松本有加君) お答えします。
ひとり親家庭等の児童が学習支援を受けられる、いわゆる土曜塾の取り組みとしましては、県内では県が実施主体であるひとり親家庭学習支援ボランティア派遣事業があり、平成29年度は新居浜市、西条市、東温市、伊予市、鬼北町、愛南町の6市町で開講されております。
そのほかにも、松山市ではひとり親家庭と非課税世帯を対象とした土曜塾や、宇和島市では学習支援の必要な児童全般を対象とした土曜塾が実施されております。
現在八幡浜市においては、土曜塾開講など、子供の学習支援に関する具体的な要望は寄せられておりませんが、今回の議員の御提案を踏まえ、引き続きひとり親家庭等のニーズを把握しながら、例えば公民館と連携するなど、必要に応じた支援のあり方や実施方法等について検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 今おっしゃられたとおり、私は南予では宇和島市が土曜塾というものを実施されているというふうにお聞きをしておりましたが、愛南町のほうでもやられてるという今お話をお聞きしました。
この土曜塾ですが、実際に開講できるまでには、宇和島市もかなりな準備期間が必要であったというふうにお伺いをいたしました。八幡浜市に住む未来を託す子供たちのために、また塾に通う経済的余裕のない家庭のお子さんたちのために、しっかりと今から研究をしていくというお話でございましたので、これから調査研究をしていただいて、一日も早い開講を目指して取り組んでいただけたらなというふうに要望をさせていただきます。
それでは、大綱3に移ります。
インフルエンザの予防接種の助成についてであります。
八幡浜市では、60歳以上で一定の条件に該当する方、そして65歳以上の方全員を対象にインフルエンザの予防接種を自己負担1,000円で受けることができるようになっていると思います。この高齢者の方へのインフルエンザの助成について、対象人数と実際に予防接種をされた方の人数を、ここ二、三年の数字で結構ですので、お聞かせください。
○議長(新宮康史君) 保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君) お答えします。
高齢者インフルエンザの予防接種の制度は、予防接種法により伝染のおそれがある疾病の発生及び蔓延を予防するために定められたもので、主に個人予防のために、本人の意思と責任で接種を希望する場合に接種を行うものです。
対象者について詳しく申し上げますと、当市では予防接種法に基づき、満65歳以上の方は全員、60歳以上65歳未満の方は心臓、腎臓または呼吸器等の機能に自己の身辺の日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する場合となります。
なお、自己負担額について、生活保護受給者は無料となっております。
近年の対象人数と実績の人数について、対象人数、実績人数の順に申し上げますと、今年度、平成29年度は1月末現在で1万3,309人に対し7,274人、平成28年度は1万3,264人に対し7,571人、平成27年度は1万3,449人に対し7,519人となっております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 高齢者の方にとってはありがたい助成の制度であると思いますが、集団生活を送る幼稚園や保育所、小・中学校では毎年のようにインフルエンザが流行し、学級閉鎖や学年閉鎖になってしまいます。
特に高校受験の受験生のいる家庭では、お子さんの健康管理に大変気を使い、勉強の成果を100%発揮できるように見守ってあげてはおりますが、集団生活の中では予防することにも限界があり、受験を前に体調を崩すお子さんが少なからずいると思われます。
そこで、幼児から中学3年生まで希望者全員にインフルエンザの予防接種を助成してほしいと言いたいところではありますが、財政負担等の問題もありますので、まずは高校受験を控えた中学3年生の希望者に対して、自己負担1,000円でのインフルエンザ予防接種の助成ができないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) お答えをします。
予防接種には定期予防接種と任意予防接種があり、定期予防接種につきましては、ワクチンの安全性、有効性などを踏まえ、国が予防接種法により疾病、疾患を決定しています。任意予防接種は、本人や保護者が希望して接種するもので、接種費用は全額自己負担となっています。
子供のインフルエンザ予防接種については、平成6年の予防接種法改正により、定期予防接種から任意予防接種になっています。
現在、国内で用いられているインフルエンザワクチンは感染を完全に阻止する効果はありませんが、インフルエンザの発病を一定程度予防することや発病後の重症化を予防することに関しては一定の効果があるとされています。
しかし、麻疹や風疹ワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することはできません。
また、予防接種による健康被害が万が一発生した場合、予防接種法に基づかない任意予防接種におきましては、国の救済制度の対象とはなりません。
このようなことから、当市では予防接種費用の助成は今のところ、行っていないという実情です。
現在、県内11市のうち、子供のインフルエンザ予防接種の助成を行っているところはありません。また、町については、9町中5町が助成を実施しているようです。
特に中学3年生のインフルエンザ予防接種の助成についてということでしたけれども、その助成をするかどうか、中学3年も含めてですけれども、これにつきましては今後、国の動向や他市の状況などを注視しながら、適切に判断をしていかなければならないかと思っています。
県内でインフルエンザの定点に当たり、報告数は減少傾向にありますが、まだ警報レベルは継続しています。せきエチケットや外出後の手洗いの励行など感染予防、感染拡大防止の周知には引き続き取り組んでいきたいと思います。
○議長(新宮康史君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 まさに今週、県立高校の入学試験が行われますが、受験生の皆さんには持てる力を存分に発揮して、合格をかち取っていただきたいと心からエールを送りたいと思います。
インフルエンザの予防接種に関してはいろいろな問題点がまだまだあるという今副市長のお話でありましたが、今後も何か皆さんを応援できる施策はないかという調査研究をしっかりとしていただいて、取り組んでいただけたらなということを再度私からは要望させていただいて、今回の私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。