公開日 2022年01月12日
〔菊池 彰君質問席へ移動〕
○菊池 彰君 初めに、7月豪雨災害や北海道の地震で多くの方が犠牲となられております。御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧、復興を願っておるところでございます。
早いもので、市議会議員に当選させていただきまして2回目の9月議会です。身近で、経験から学んだことしか一般質問に取り上げておりませんが、常に市民の方々の安心・安全な暮らし、防災・減災への提言、地場産業の発展のために邁進する覚悟です。これからも市民の方々の意見にしっかりと耳を傾け、要望に応える、期待を裏切らない議員になれるように、もっともっと努力しなければと言い聞かせているところでございます。大変大事なことですので、自分自身に言いますが、もう一回言わせていただきます。市民の方々の意見にしっかりと耳を傾け、要望に応える、期待を裏切らない議員になれるように、もっともっと努力しなければと思っているところです。
平成30年7月豪雨におきましては、8月8日現在で、全国では220名、行方不明者の方が10名、愛媛県においては28名の方が犠牲になられました。
当市は、幸いにも人的被害はありませんでしたが、須川奥地区においては、消防団員が避難誘導をして間もなく土石流が発生し、その後、家屋が倒壊しました。間一髪のところで人的被害を防ぐことができましたことについて、地域防災力のかなめである消防団の方々に改めて感心し、感謝をしているところでございます。
今回、7月豪雨災害で被害を受けた農地の復旧や支援について質問を予定しておりました。大規模な災害復旧工事については、既に専決処分で補正予算が組まれています。個人の被害については、9月14日まで補助事業の申請窓口が開設されていて、現在、件数や補助率が確定しておりません。質問できないのが残念です。農道や園内道が、そして産地がもとどおりに復興するために、理事者の皆様には今までの枠にとらわれない最大限の御配慮をお願いいたします。
では、一般質問通告書に従いまして、大綱2点についてお伺いいたします。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
まず、大綱1は、危機管理・原子力対策室を危機管理課への昇格についてであります。
平成27年9月議会において、同僚議員より、防災関連の質問の流れで、室から、大きな役割を担う危機管理課設置への提言がありました。
副市長の答弁として、管理職総数をふやしてはいけないという思いから、危機管理部門は総務課の中に室として存在している。危機管理・原子力対策室の機能も含めて、何かあるときには総務課全体で、場合によっては総務部全体で、そして最後には市全体で対応する仕組みができている。新たに課をつくることに関しては、独立だけの仕事はあると思うが、全体として大きい目で検討させてほしいとのことでした。
当市は、幸いなことに今まで大きな自然災害もなく推移してきましたが、今議会における市長の総括説明の中で、平成30年7月豪雨においては土石流の発生、河川の氾濫による家屋の全半壊や浸水被害、市道、農道の崩落、農林漁業の被害額が、現在までに約34億5,000万円となっているとお話をされました。これでも南予4市の中では被害は少ないほうですが、当市にとっては昭和18年以来の大災害であります。
今月6日には、北海道におきまして最大震度7の地震が発生して、大規模な土砂崩れが発生いたしました。昨晩の政府の発表ですが、42名の方が亡くなられ、1名の方が行方不明となっています。この1名の方もけさ発見されたというニュースが流れておりました。
また、関西国際空港に大打撃を与えた台風21号では、瞬間最大風速が58.1メートル、これを時速に換算しますと170キロメートルになります。
近年においては、地球温暖化により台風が多発し、大型化しており、甚大な被害が発生しております。また、線状降水帯の発生により、50年、100年に1度と言われる豪雨で、時間雨量が100ミリを超えることも珍しくありません。
このような中、市民の生命、財産をしっかりと守るために、今まで以上に災害に備えた体制づくりを強化する必要があると思います。
さて、今回、私が危機管理課設置を強く要望するのは、総務課の中の一部署ではなく、防災行政に専念する独立した組織が市役所の中に存在することで、市民は安心でき、そして市民の安全な暮らしに結びつくと強く思ったからであります。そして、いつか必ず来るであろう南海トラフ巨大地震の発生に備えての避難訓練や、原子力発電所の隣接地として原子力防災も担わなければならず、業務は多岐にわたっています。
大変言いにくいことですが、県下11市の中で危機管理課を持っていないのは八幡浜市だけであります。議会に出席されない課長級の管理職職員もふえていると聞いております。危機管理課昇格への機運は十分に熟したと思いますが、お考えを伺います。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 菊池 彰議員の質問、非常によくわかるところがあります。
まず、答弁させていただきます。
過去からの流れを説明しますと、新市が施行された平成17年度には、総務課内に防災対策室を置いていました。翌平成18年度に、名称を危機管理室に変更するとともに、総務課から独立させ、室長に消防署の課長級職員を配したことで実質的に課と同レベルの組織となりました。その後、平成22年度に、人事組織の見直しの中で危機管理室を再び総務課に編入し、現在に至っています。
この間、地震では、東日本大震災以降、熊本地震、今回の北海道の地震、また大雨、台風では、広島水害、九州北部豪雨、ことし7月の豪雨災害、それから台風21号による、今お話のあった高潮、強風など、さまざまな自然災害が次々に発生しており、7月豪雨では八幡浜市として初めて市内全域に避難勧告を出したところです。
早期の適切な災害対応が求められる中で、市としては危機管理室について、課と同格であったときに比べ4名から7名に3名増員し、体制の充実を図ってきたところであります。
また、あわせて、消防団や自主防災組織など、市民と連携した防災体制の充実にも取り組んできたところです。
7月豪雨では、消防団、自主防の皆様を初めとする市民の連帯・連携により、今お話のあったようなことも含めて人的被害を免れることができましたが、これまで取り組んでいただいたことの成果ではないかなというふうに感じているところであります。
室から課への昇格というお話でしたけれども、現在、総務課という大きな組織の中で機動的、柔軟に機能しており、実際に7月豪雨の際は、7人の危機管理室だけでは対応は困難でありましたので、総務課全体で職員を割り振りし、この期間を乗り切り、対応したということがあります。今お話のあったこのことについては、今後とも、市全体として組織の活力が十分に発揮できる、そういうことを念頭に、適当なあり方について、県内他市が全部そうであったというお話もありましたけれども、問題意識を持って考えていきたいと思います。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私もこの提案をしたときに、担当は総務課かと思いましたら、この課を設置するに当たっては政策推進課の担当ということを聞きましたんで、もしこういった協議をされる場合には、2つを1つにするとか、新たに課を設置するとか、そういった場合にはどういった構成メンバーで協議をされるのか、その辺をお伺いします。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 課の有無というか、課長級にどうするかというのは非常に重大なことでありますので、当然総務課と政策推進課だけの協議ではなしに、市長、副市長、私も交えて、一緒に協議して、最終的なあり方を検討します。
例えば、ここに出てこない課長級の職員も何人かおりますけど、ほんな感じで、危機管理室長を課長級扱いにするといったことも、場合によってはもとあったようなことも可能ではありますけれども、それも含めて、本当の災害のときに、人数が足りなくなったときにどうしたら機能的に動くことがいいのかなと、どうしたらできるのかなみたいなことを含めて考えていくのがいいのかなという思いがありますけれども、先ほどの答弁と一緒ですけれども、また考えさせていただきたいと思います。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 これほど自然災害が発生すれば、市民の方も本当に不安だと思います。どうか前向きな御検討をしていただきますように要望をいたします。
大綱2点目は、ドローンを活用した被害状況の把握並びに防災についてであります。
3月議会において、災害及び捜索活動におけるドローンの活用について質問をさせていただきました。風雨の強い中での飛行は難しい状況である、また災害現場においてはマンパワーが必要であり、操縦に専任で配置することは人員確保が難しい、保有している民間業者と連携することを検討するとの答弁でございました。
今回の豪雨により、地元、日土町出の奥ですが、土石流が発生し、3軒の家屋が全半壊しました。被災した家の周りには大きな岩石がごろごろして、上を見上げるとむき出しの岩が数多くあり、二次災害の危険を感じた次第です。途中に雑木林があり、それから上は見ることができなかったわけですが、反対側へ移動して見上げると、頂上からの崩落により農道も寸断されていることがわかりました。このため、車で現場へ行くことができず、頂上の詳しい状況を確認することができませんでした。
災害現場では、不安を感じながら、黙々と土砂の撤去作業をされておりましたが、もしドローンで確認できたら、今以上の崩落の危険性があるかどうか、作業を続けるか避難するかの判断もできるものと思われます。
今回、至るところで崩落があった吉田町では、愛媛大学工学部のスタッフがドローンを飛行させて、立体的な地形の画像作成や風化した岩盤の確認をされているところがテレビで放映をされておりました。また、広島県のある現場では、豪雨で土砂崩れが発生したが、小規模であったため車両の通行には問題がなかった。しかし、ドローンで確認すると山肌に亀裂を発見して、すぐに全面通行どめの措置を行ったと聞いております。
このように、ドローンは市道、農道の崩落現場確認や斜面の地すべり状況確認に役立ち、被害の拡大を防ぐことができると思います。こちらも機は熟しているのではないでしょうか。今後、ドローンを操縦する職員を養成して、八幡浜市も導入を検討するべきと思いますが、お考えを伺います。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 今回の7月豪雨の災害状況調査におきまして、私も7月8日に職員とともに、今議員が申されました日土町の地区を初め被災地区の視察調査に行きました。そのときにも、近づくことが困難な土砂災害現場を、市職員の私物ではございますが、ドローンを活用して上空から撮影することで被害状況の全貌を詳細に把握することができ、その有効性を強く感じたところであります。
その画像は、8月に議員にお配りした7月豪雨災害報告資料や広報8月号の表紙等にも使用し、被害状況がつぶさにわかる資料となっておりますことは御承知のとおりと思います。
建設課、農林課等においても、災害箇所の調査は非常に危険である上、人が到達できる地域には限界がありますが、ドローンを活用することで調査員の安全性が確保され、科学的で広範囲に確認することが可能となります。
また、市道、農林道、農地、農業用施設の災害復旧事業申請時における資料作成が、ドローンで撮影した画像を利用することで迅速かつ正確になり、スムーズな災害対応、復旧作業に着手できるものと思っております。
今後でありますが、3台程度の購入を予定しており、ドローン操作の研修、保険加入等必要な条件を整え、早期運用を実現していきたいと考えております。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 本当に前向きな御答弁ありがとうございます。
けさ、7時前のNHKのニュースを見ておりましたら、徳島県の自動車学校ですが、若者の免許数が減ったということで、ドローンスクールを開校すると、3日間で24万円、ちょっと高いなという気がするんですけど、で講習をして、認定証を交付すると、そういったニュースもありましたので、もしかすると10年後には若者はみんなドローンが操縦できるのかなと、そういった時代が来るのかなと思っているところでございます。どうか一日も早く購入していただき、災害の際には十分な役割を果たすことができますので、御検討をよろしくお願いいたします。
今回、農業関係の質問ができなかったということでこの2点で終わるわけですけど、重ねてのお願いになるわけですけど、どうか農地の災害に対しましてスピード感を持って対応していただきますようにお願いいたしまして、簡単ですけど、一般質問を終わらせていただきます。