公開日 2022年01月12日
〔竹内秀明君登壇〕
○竹内秀明君 初めに、このたびの7月豪雨災害、また先日の北海道地震において被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
それでは、私は一般質問通告書に従いまして、大綱1点質問をいたします。市長並びに関係理事者の皆様の誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱1、災害に強いまちづくりについてであります。
今回に限らず、地震、台風、水害において甚大な被害が各地で起きております。こういった災害において最近特に思うことがあります。それは建設業の減少であり、これは全国的にも減少していて、国全体の課題にもなっているようです。
主な理由としては、若年層の建設在職者が減っていることや、リーマン・ショック後の建設需要が激減して離れた職人が戻ってこないという問題があります。人手不足を解消するためには、新しく雇用するだけではなく、人材の流出を防ぐことも重要だと思います。長時間労働、低い給与水準、福利厚生の不足といった待遇の改善が必須と言ってよいでしょう。
今回当市においても、各課迅速に対応し、休みもなく頑張っていただけたことに感謝いたします。
今回の災害において、当市に連絡があり、現場の確認に行かれたと思いますが、建設課、農林課、その他の課において、全体で何カ所くらいあったのでしょうか。
確認から現場の復旧作業で建設業者の数が少なく苦慮されたと思います。これから先も今以上に苦慮されると思います。
そこで、当市に現在、建設業者はクラス別に何業者おられて、この10年間くらいで業者の推移はどのように変化しているのでしょうか。
また、災害が起きたときの対応として協力業者というのは定めているのでしょうか。
これから先、建設業者が減少しつつあることに対して、当市での考え、対策はないでしょうか、お伺いします。
次に、河川の整備についてであります。
河川は県の管轄と承知の上で質問いたします。
今回、河川の災害も多く見られます。今回の豪雨より前の台風により河川に倒木が何本もあり、撤去されないままの状態で二次災害の危険性も危惧されます。
昔は河川に面した土地の所有者が大雨になる前に事前に撤去されていたと聞きます。しかし、林業関係者も高齢化が進み、そこまで手が回らない状態であります。今回の豪雨災害でも河川の中は行政が対応し、撤去された箇所も多く見られました。こういった災害を少しでも予防できないか。河川に面した所有者に自分の土地の管理を促すことはできないでしょうか。
また、河川の右岸、左岸何メートルは人工林の植林はしないとか、今ある材は伐採するなど、よい方法はないでしょうか。河川の両岸を明るくすることで川に光が差し、生物も喜ぶと思います。
次に、橋梁についてであります。
私の住む地域、日土町では、橋脚のある橋が数カ所あります。豪雨時には、流木を初めとした漂流物が河川に流出し、橋脚にひっかかることで河道を閉塞させて、水位上昇を招き、洪水被害を大きくしています。
市内には、まだ橋脚のある橋が多くあると思われますが、流木がひっかかり二次災害の起こりそうな橋は何カ所ありますでしょうか。
また、今後、橋脚のない橋に移行することを御検討いただけないでしょうか。
次に、インフラの老朽化であります。
平成26年4月、国交省の社会資本整備審議会道路分科会で、道路の老朽化対策の本格実施に関する提言が取りまとめられ、今や危機のレベルは高進し危険水域に達している。ある日突然橋が落ち、犠牲者が発生し、経済社会が大きな打撃を受ける。そのような事態はいつ起こっても不思議ではないと言われています。
戦後からの高度成長期にかけて多くの整備が進んだ道路や橋、トンネル、上下水道、このインフラが、耐用年数の目安である50年を経過しつつある今、見直す時期ではないでしょうか。
全国の7割以上の市町村では慢性的な財政難に陥っており、国交省が平成28年、全国自治体に現在の予算規模で修繕が可能か尋ねたところ、約6割の市町村が不可能と答えたそうです。
さらに、人口減に伴う技術者不足が追い打ちをかけ、国交省の調査では、市町村の土木部門の職員数は、平成8年度から25年度までに約3割減少、特に道路の維持管理業務を担当する職員が5人以下の市は全体の2割、村では9割以上にも及んでいました。
このように、インフラ整備には予算の確保、技術者の確保などさまざまな課題がありますが、市民にとってとても重要であり、これからの八幡浜市を担う子供たちのために、いま一度インフラ整備に力を注いでもらいたいと思いますが、この現状についていかがお考えか、見解をお聞かせください。
以上です。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 竹内議員御質問の災害に強いまちづくりについて、そのうち、災害時の建設業者との協力体制についてお答えをいたします。
平成28年8月26日に、愛媛県建設業協会八幡浜支部と大規模災害時における応急対策業務に関する協定を締結しており、大規模な地震、風水害等が発生した場合には、応急対策に係る業務の協力を求めることができることとなっております。
なお、同協定の実効性を高めるために、同八幡浜支部には平成29年度の八幡浜市水防訓練に参加いただき、要請方法や現場での対応方法等について再確認を行ったところであります。
次に、災害に強いまちづくりについてのインフラの強化についてお答えをします。
道路インフラの現状として、高度経済成長期に集中的に整備された橋梁やトンネルの老朽化が急速に進行し、10年後には建設後50年が経過する施設が全国で4割以上になるとも言われております。
市内で特に長期的に使用されているものとしては、例えばJRの夜昼トンネル(2,870メートル)は、1939年の開通後79年、国道197号夜昼トンネル(2,141メートル)は、1971年の完成後47年などとなっています。
道路橋梁やトンネルに限らず、漁港、港湾施設、上下水道施設等においても施設のメンテナンスは不可欠となっており、各地方公共団体においては公共施設の長寿命化計画を策定して、施設の点検と長寿命化を進めることが義務づけられており、当市においても計画的なインフラ整備に努めているところです。
土木技術者の不足については、御指摘のとおり、維持管理業務を担当する技術者の不足が問題となっておりますが、当市においては、土木技術者の採用枠を毎年確保するなど、積極的に技術者の採用に努めているところです。
その他の質問に対しましては、担当の部課長のほうから答弁をさせます。
○議長(新宮康史君) 産業建設部長。
○産業建設部長(菊池司郎君) 当市の被害状況についてお答えします。
7月豪雨災害における被害は、8月末現在で、県関係も含めまして、公共土木施設328件、約22億5,000万円、農道、農地152件、約6億7,000万円となっております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 財政課長。
○財政課長(井上耕二君) 建設業者の現状についてお答えいたします。
当市に入札参加を希望されている建設業者につきましては、原則2年に1度、入札参加資格申請を提出していただき、市内に本店または支店、営業所を有する建設業者について、業種別に格付を行っています。
建設業者の現状と10年前となる平成20年度との比較についてですが、平成30年度市内本支店で登録されている業者数は82社で、11社減となっています。
業種別格付業者数は、1業者が複数の業種を希望している場合もありますので、延べ数になりますが、土木工事は28社で5社減、建築工事は16社で2社減、電気工事は20社で2社減、管工事は27社で1社減、水道工事は20社で3社減となっています。
以上です。
○議長(新宮康史君) 企画財政部長。
○企画財政部長(今岡 植君) それでは、建設業者の減少対策についてお答えをいたします。
近年の建設事業の減少や少子・高齢化に伴い、当市だけではなく、全国的に建設業許可業者数は減少を続けている状況です。
また、就業者につきまして、全国的な傾向として、全産業を大幅に上回るペースで高齢化が進行しており、将来にわたって担い手不足が強く懸念される状況であります。
そのような中、当市において、建設業は近年の異常気象による災害の増加や公共インフラの老朽化への対応など、地域の社会基盤を維持、改善していく上で今後も重要な役割を担っていくものと考えております。
建設業者の確保のためには、健全経営がなされることが前提ではありますが、市としては余裕を持った工期の設定や施工時期の平準化など、年間を通じて安定的に工事量を確保することができるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 農林課長。
○農林課長(菊地一彦君) 河川に面した土地の森林保全についてお答えします。
森林の管理については、その土地の所有者の責任において行っていただくことが原則です。河川周辺の個人所有の森林における植林の規制や伐採については、所有者の権限であり、市として制限できるものではありません。
このような適切な管理ができていない森林については全国的にも問題となっており、その対策として、平成30年5月に森林経営管理法が国会で成立しました。内容は、平成31年度から、新たな森林管理システムとして森林管理の責務を明確化し、森林所有者みずからが管理できない場合には、市が委託を受けた上で、意欲のある林業経営体に再委託し、条件が厳しい森林においては市が管理するというものです。
今後は、この新たな森林管理システムの実現に向け、森林組合と連携を密にしながら調査研究したいと考えております。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 公共施設における橋梁についてお答えいたします。
現在、市管理の道路橋230橋のうち、橋脚のある橋は28橋あります。平成26年7月に道路法施行規則が一部改正され、これらの橋梁等に関しては、国が定める統一的な基準により、5年に1回の頻度で近接目視による点検が義務づけられました。
今年度、1巡目の点検が終了しますが、点検結果に基づき橋梁長寿命化修繕計画を策定し、保全工事を実施する予定としております。
橋梁長寿命化修繕計画は、基本的に橋梁の長寿命化を図るための修繕工事を行うものでありますが、計画策定時において、橋脚のない橋への移行の必要性があると判断された場合には改築も検討していきたいと考えております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 竹内秀明議員。
○竹内秀明君 それでは、2点ほど再質問したいと思います。
まず、上水道についてであります。
先日、全員協議会でもお聞かせいただいて、内容は重複する箇所があるかと思いますが、市民の生活において、特に水は命の水として重要であります。
そこで、当市における水道施設の強化に向けての取り組みをお聞かせください。
○議長(新宮康史君) 水道課長。
○水道課長(菊池利夫君) 再質問の上水道施設の強化についてでございます。お答えを申し上げます。
現在当市では、八幡浜市水道ビジョンに掲げます「命の水、安心・安全を未来まで」を基本理念に、将来の理想的な水道が備えるべき安全、強靱、持続を実現するための取り組みを進めております。
具体的には、平成28年度より、上水道施設耐震化整備計画に基づきまして、地域防災計画等に位置づけられました災害拠点病院である市立八幡浜総合病院や避難所、中枢機能の集積している箇所など、重要度、それから優先度の高いルートの選定を行い、優先順位を定めた上で計画的に基幹水道施設の更新、耐震化を図り、漏水防止の向上と地震災害等に強い水道の再構築に取り組んでおります。
また、本年度には、総務省通知に基づく水道事業の経営基盤強化のための中長期的な基本計画である今後10年間にわたる経営戦略を策定しており、その中の投資的な取り組みとして、平成39年度には現在の基幹管路の耐震化率を19%から43%に向上させることを目標とする継続的な耐震化事業の推進を掲げております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 竹内秀明議員。
○竹内秀明君 次に、橋梁についてであります。
今年度で5年目の調査は最終段階に入っていると言われましたが、これまでに点検した橋についてどのような結果が得られているのか、わかる範囲で教えてもらえないでしょうか。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) それでは、橋梁点検の結果についてお答えします。
平成30年3月31日時点ではありますが、点検では部材単位の健全性の診断と道路橋ごとの健全性の診断を行っております。市が管理する、先ほど申し上げましたように230橋を対象に調査をしまして、調査結果を4段階に分けて判定しております。
健全なものから1段階、2段階、3段階、4段階と定めておりまして、1段階目は、健全であるとして監視や対策を行う必要がない状態で19橋、2段階目は、予防保全段階として状況に応じて監視や対策を行うことが望ましい状態で128橋、3段階目は、早期措置段階として早期に監視や対策を講じる必要がある状態で48橋、最後の4段階目は、緊急措置段階として緊急に対策を行う必要がある状態で、これは0橋です。
残りの35橋につきましては、今年度調査実施する予定であります。
これらの結果をもとに、長寿命化修繕計画を立てて、修繕等を行っていきたいと思っております。
(竹内秀明君「では、私の一般質問を終わります」と呼ぶ)