公開日 2022年01月12日
〔遠藤 綾君質問席へ移動〕
○遠藤 綾君 まず、質問に先立ちまして、7月の西日本豪雨災害で被害に遭われた皆さん、そして9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震で被災された皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。
ことしの夏は災害級の猛暑に始まり、記録的な豪雨や強力な台風、大地震など、かつてない規模の災害が日本を襲い、多くの人々の命や暮らし、生活基盤を奪っていきました。被災された方々が将来に希望が持てるような支援と対策を、従来の枠にとどまらず、強めるために、立場を超えて協力していくことが今政治に求められていると思います。
そして、私も、先ほど河野議員がおっしゃいましたが、8月の臨時議会に欠席したことは、どんな大義があったとしても判断としては間違っていたと今は考えております。市民の皆様にはおわび申し上げます。
ただ、特別委員会ではしっかりと疑惑については明らかにするべきと考える立場であります。
それでは、私は発言通告書に従い、大綱3点について質問いたします。市長並びに理事者の皆様には、市民にわかりやすい丁寧な御答弁をお願いいたします。
大綱第1は、乾式貯蔵施設の問題点についてであります。
四国電力はことし5月、伊方原発の敷地内に使用済み核燃料1,200体を保存できる乾式貯蔵施設を2023年度運用開始でつくる計画を発表しました。今後八幡浜市は、愛媛県からの意見照会に答えるため、市会議員や市が選定した有識者と呼ばれる人たちで東海第二原発の視察を10月と来年1月に行い、同様のメンバーで四国電力などの説明を聞く説明会を行い、それらに参加した人の意見を集約して、市としての意見を県に回答するという流れになるのではと思います。
乾式貯蔵施設については、常に水で冷やし続けなければならない湿式保管、福島第一原発の冷水機能の失われたことによる溶融、そういうものと比較しますと、乾式貯蔵のほうが安全であるとする見解がありますが、実際のところはどうなのでしょう。市としての意見を決定する前に専門家などのさまざまな意見に耳を傾け、検証していくべきだと思います。
先日、9月1日、大阪府立大学名誉教授の長沢啓行さんが、当市にて乾式貯蔵問題について講演をされました。その中で長沢さんは、乾式キャスクに入れられるのは、ウラン燃料ならプールで5年から10年は冷やし、発熱量が2キロワットから3キロワットパートン以下に抑えられ、温度が200度程度になった使用済み核燃料でなければならない。もし十分に冷えてない状態でキャスクに移せば、キャスクの寿命が短くなるか、破損し大事故につながる。しかし、現在、伊方原発1、2号機のプール内の使用済み核燃料は、運転ストップしてから既に7年が経過しています。ですので、万一1、2号機がトラブルを起こし、プールの冷却機能が失われ、水がなくなったとしても、福島第一原発のような溶融事故を起こすことはない。そういう意味では、プールの水で冷却する湿式保存とキャスクに入れて空気の流れで自然冷却させる乾式貯蔵とでは、安全性に差はないのである。乾式にすれば安全になるというわけではないとおっしゃっていました。
そして、重要なことは、3号機を稼働させる手順として、新しい燃料を一旦3号機のプールに入れ、その上で使用済み燃料を原子炉からプールに移し、新しい燃料を原子炉に移すという新旧の入れかえ作業をする必要がある、新旧両方を入れる空き容量が必要になる。1、2号機の廃炉が決定しましたが、もし1、2号機プールの全ての使用済み燃料を3号機に移せば、全ては入りませんけれども、3号機を動かすための新旧燃料を入れるスペースがなくなる、そのため3号機は動かせなくなる。そのために乾式貯蔵施設をつくり、1、2号機プール内のみずから発する熱で溶融しないまでに冷えた燃料を乾式貯蔵施設に入れれば3号機を動かすことができる、それが乾式貯蔵施設をつくる本当の目的です、そうはっきりおっしゃいました。
そうなると、3号機のプールは常に熱い状態の使用済み燃料を入れ続けることになります。溶融による事故のリスクが高どまりした状態になり、特に3号機で使用する燃料はMOX燃料が含まれます。MOX燃料はなかなか冷えません。もし使用済みMOX燃料が乾式貯蔵できるまで冷やすとしたら、50年以上90年ほど必要になります、ウランの数倍です。万一3号機プールの冷却機能が失われれば、MOX燃料のほうが事故で放射能が放出された際、人体に与える毒性が高く、福島以上の大惨事になると指摘しています。
乾式貯蔵施設は、安全のためではなく、3号機をこれからも動かすためだと明確になったと思いますが、八幡浜市として乾式貯蔵施設を認めるべきではないと私は思いますが、見解を伺います。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 四国電力は、本年5月25日に乾式貯蔵施設の設置に係る原子炉設置変更許可申請書を原子力規制委員会に提出し、愛媛県伊方町に対し安全協定に基づく事前協議の申し入れを行いました。当市には、覚書の規定に基づいて、5月29日に県から意見照会がありましたので、原子力規制委員会、県の環境安全管理委員会など専門的知見を有する機関での決定を踏まえ、また市議会、市民各層の意見等を踏まえて、総合的に判断をして回答したいと考えております。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 伊方原発の使用予定の乾式キャスクは、耐用年数60年と聞いておりますが、長沢先生の話では、耐用年数も中性子線を当てて試験をしただけであり、実際に60年間保管して実地試験をしたわけではない。容器も中性子遮蔽材も劣化していき、いずれ放射能が強く外に出てくるようになるおそれがあると指摘しています。常に最悪の場合も考慮し、キャスクは100年先を考えた二重構造で、外側の遮蔽容器を取りかえられる仕組みなど、設計を根本から見直す必要があるとおっしゃっております。
また、六ヶ所村などの再処理工場もトラブル続き、延期続きです。50年、60年たってみて、再処理施設に移すめどが立たない場合、伊方に永久貯蔵は避けられません。そんなリスクを持った施設を後世に責任がとれないと思います。そのときに、ここにいる人たちほとんどが生きていないと思いますが、それでもキャスク施設の設置に同意されるのでしょうか。御回答をお願いします。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) ただいま言っておりますが、同意というよりも、これは先ほどから言っております、これから市民の方々、市議会として決定をしていくというふうに言っております。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 であれば、説明会など、四国電力の説明、そしてさまざまな知見を持った学者の説明、いろんなものを市民に情報としてしっかり開示し、判断を求める、そういう努力が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) そういった努力、わかりやすく説明責任はありますので、どういった人を呼んで説明会をしてもらうのか、どういった形の方を呼んで説明をしてもらうのか、それもじっくりと内部で検討して、実施をしていきたいと思います。
そして、それが市民の、また市議会の皆さん方の判断材料としてすばらしく、判断材料として適したものになるようにしていきたいと努めてまいりたいと思います。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 さまざまな意見を持った方をできればトークさせ合うとか、そういった方法もぜひ御検討いただければと思います。
長沢氏は、60年たっても行き場がなく、伊方に今後残り続ける場合に、劣化したキャスクから新しいキャスクへ入れかえが必要になるときが来る、そのような際に作業員の被曝は避けられないだろうとおっしゃっております。乾式キャスクに最初に使用済み燃料を入れる際にも、労働者の被曝の可能性が高いともおっしゃっていました。
また、廃炉が決定している1、2号機建屋は、解体しても瓦れきなど大量の放射性廃棄物の持っていき先はなく、1、2号機はむしろ解体せず、強度を高め、使用済み燃料はプールに入れて冷やし続けたほうがいいと、長く冷やすほどキャスクの安全性、寿命が高まるということです。三、四十年とできるだけ長くプールで冷やして、その後、耐用年数100年くらいのキャスクに移し、100年後は外側だけを取りかえられる設計にして次々と保管していく。常に人の目で見えるところで監視し続けることがよいのではないかとおっしゃっております。そういった先のプランが、現在の四国電力のプランには含まれていないのではないかと思います。
政府は、最終処分地として地層深くに埋めて、いずれは土に返すことを検討しています。地震国日本において、安全な地盤などはありません。我々がみんな死んだ後、地殻変動などでそれが出てきて、将来世代の人たちが被曝するおそれもあると思います。そのようなリスクのあるものを私たちは本当に次の世代に残していくのか、私たちの世代できっぱりと決断するべきではないかと私は思います。
これ以上行き場のない核のごみとなる可能性がありますので、3号機の稼働は行わず、廃炉にして、原発にかわる発電方法を模索すべきだと考えますが、御見解を伺います。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 先ほどから申しておりますが、遠藤議員もさまざまな分野の人のお話を聞いたらいいというふうにも言われております。私もその中の一人として、今言われました長沢教授の話も伺いたいと思います。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 ぜひ市議会などで呼んだり、皆さんも勉強して、そして判断の材料にしていただければと思いますので、実現をお願いいたします。
そして、乾式貯蔵施設をつくって3号機を長期稼働させるのではなく、原発は廃炉にして、再生可能エネルギーなどの新しいエネルギーで運営していけば、労働者の被曝も起こらず、地域の資源も生かせる、世界はそちらの方向へ大きく動いております。この立場こそ責任ある立場だと私は思います。そういった意見をできれば四電に伝えていただければと思いますが、そのことについてはどうでしょうか。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) まず最初に、原子力施設における労働者の被曝の管理につきましては、厳格な基準のもとでされておりまして、それはその都度発表されておりますので、今遠藤議員が言われたような被曝の問題については、常にそういうチェックが働いていることは十分御理解していただいているとは思います。
原子力発電にかわる新しい発電の方法について検討してみたらどうかという質問ですけれども、6月議会で遠藤議員の御質問にもお答えしていますけれども、エネルギーの問題は単に単独の市町村の枠内で完結するわけではありません。地球温暖化、技術革新、コスト、環境に与える影響なども踏まえ、国全体で国民生活や産業をどのように維持していくのかを念頭に、大きな視野の中で考えていくべきものと思っています。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 わかりましたというか、そこからさらに一歩進んで決断をするということを最後に申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
大綱第2点は、豪雨災害の対応についてであります。
水路と川の整備、土砂災害防止について伺っていきたいと思います。
今回の西日本豪雨災害では、当市においても大きな爪跡を残しました。特に、7月7日の3時から4時ごろにかけては集中的な大雨が降り、通常ではあり得ない大量の水が一気に流れ、水路や川に集中し、川の氾濫や土砂災害につながりました。水路などの整備、土砂災害の防止対策の今後の対応について伺いたいと思います。
市内各所の山からの水が流れ、水路と川までの排水施設について、大量の雨が一気に降った場合にも耐えられる状態であるか、一度市内を総点検して、優先順位をつけ、次の豪雨に、これがまたいつ来るかわかりませんけれども、備えて、整備していくべきだと思います。今どういう計画が進んでいますでしょうか。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) お答えします。
公共下水道区域内の水路については、既に面整備が完了しておりますので、新たな水路整備の予定はありませんが、既存の水路の修繕及び詰まった場合には清掃を行うなど、機能の維持に努めております。
また、法定外公共物の水路、いわゆる青線につきましても、各所管課で機能管理をしておりますので、水路の修繕や詰まった場合の清掃等、要望に応じて行っております。水路の断面を拡張し、容量をふやすといった整備は予定しておりませんが、今後も水路としての機能を十分に維持していくよう、その管理に努めていきたいと考えております。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 要望があればまた検討していきたいというお考えだったとお聞きしました。同様の大雨が来年もまた来るかもしれません。市民から声があれば、早急な対応をお願いしたいと思います。
次に、今回の災害で保内町須川や南柏で大規模な土砂崩れが起こりました。今後、この地域の対応をどのようにしていく計画か、お答え願います。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) お答えいたします。
7月の豪雨により大規模な土砂災害が発生した南柏地区と須川地区におきましては、今年度、災害関連緊急砂防事業による対策工事を愛媛県が実施します。
南柏地区におきましては、不安定土塊が下流に流れないよう、JR山側に砂防施設を設置し、平成31年度末に完了する予定となっております。
須川地区におきましては、先ほどの河野議員の質問に対して答弁したとおり、砂防ダム、のり面工、アンカー工、横ボーリング工を施工する計画です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 また再びあのような災害が起こらないようにしっかりとした対応をしなければ、そこに住民の方々は住み続けることができない不安を感じていらっしゃると思いますので、早急な対応をお願いしたいと思います。
そして、千丈川洪水ハザードマップというのを今回じっくり見ましたけれども、今回の災害が起きた地域とほぼ一致していると私は思いました。これを見ると、市内にはまだまだたくさんの地すべり危険箇所や土砂災害特別警戒区域がありますが、こういった地域への防災対策はどのように進める計画でしょうか、お願いします。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) お答えします。
土砂災害危険箇所及び区域における防災対策につきましては、主に愛媛県が行う地すべり対策事業と急傾斜地崩壊対策事業があります。土石流等大規模な被害が発生した箇所や、保全対象家屋が多く、地元の協力体制が整っている箇所など、優先順位をつけて事業化しています。
現在、津羽井地区、中津川地区で地すべり対策事業を実施しており、また松柏地区、谷地区、八代地区、川名津地区で急傾斜地崩壊対策事業を実施しています。
また、当市におきましては、これら県営事業の対象とならない箇所について、市事業として県補助による崖崩れ防災対策事業を市民からの要望を踏まえて実施しております。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 今回は大災害につながらなかったとしても、次の機会にそういったことになってはいけませんので、早急な対応をお願いしたいと思います。
次に、避難のあり方と避難所運営についてお伺いします。
7月7日午前3時ごろ、千丈川があふれる可能性があるとのマイク放送があり、私自身も市の広報車の避難の呼びかけで起こされまして、家の周囲を見回っていますと、家の周り、道路が山からの水であふれ川のようになっているのに気づきました。おかげさまで、家の地下に流入している水を防ぐ、そういった対応をとることができましたが、一歩間違えば床下浸水などにつながったということで、対応について感謝申し上げます。
また、当市では、幸い一人の死傷者も出ませんでしたが、須川では消防団の皆さんなどの呼びかけでぎりぎり難を逃れた方もいらっしゃったと聞いております。今回の災害対応に当たられた方々に深く感謝申し上げつつ、この災害の避難のあり方について質問させていただきます。
今回の避難の判断、そして周知の仕方についてですが、誰がどのように判断されたのでしょうか、今回の対応はどのように総括されていますでしょうか。
○議長(新宮康史君) 総務部長。
○総務部長(新田幸一君) お答えします。
7月6日10時37分、当市に大雨土砂災害警報が発表されまして、同時に市災害対策本部を設置し、警戒態勢の強化を開始しました。松山地方気象台などと連携をとりながら、今後の対応等を協議し、気象状況が悪化する前である6日17時に市内24カ所の避難所を開設し、あわせて防災行政無線、市ホームページ及びSNSなどを使用して早目の避難を呼びかけました。
その後、気象状況が悪化し、まず従前から早目の避難が必要とされていた保内町枇杷谷地区など2カ所に避難勧告を発令をしました。
7日未明からさらに強い雨となり、災害が発生するおそれが高くなったことから、市内全域に避難勧告を発令し、その周知を図るため、防災行政無線を使用してサイレンを3回吹鳴、広報を2回実施するとともに、車両による広報もあわせて実施をしてきたところです。
避難勧告など市が発令する避難情報は災害対策本部会議の中で図られ、本部長である市長が意思決定をします。発令の基準については八幡浜市地域防災計画に定められており、その詳細については、八幡浜市避難勧告等の判断・伝達マニュアル、気象庁発表のデータ、このデータには今後の雨の予測であるとか、土砂災害警戒判定メッシュ情報であるとか、大雨警報、浸水害の危険度分布であるとか、そういったものがデータとしてあります、それに現場から上がってくる情報を見て判断をしております。
今回の7月豪雨は、当市としては昭和18年以来の大災害となり、市内の至るところで市道、農道等の損壊や土砂崩れ、浸水被害が発生をしました。また、初めて市内全域に避難勧告を発令したところですが、当時の気象庁の情報や現場から寄せられる千丈川、喜木川の状況などから判断をしたものです。
夜中ではありましたが、サイレンを吹鳴したことで、単に放送する場合に比べより広く危機が迫っていることをお知らせできたものと思っております。また、広報車で川沿いなどの危険な区域にマイク放送をしたことも効果があったものと思っております。
避難勧告を市民へいち早く知らせる方法としては、防災行政無線があります。現在のところ、屋外設置の防災行政無線に頼らざるを得ない地域もありますが、市内全戸へ戸別受信機を配備するために、今議会において新しい防災行政無線のシステム整備に関する契約議案を提出しております。これが完成すれば、気象状況に影響されることなく、聞き取りやすい放送を全戸に提供できるものと期待をしております。
今回の豪雨災害での経験を今後の避難誘導、災害対応等に生かしていきたいと思います。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 戸別受信機もつくということですけれども、お年寄りの方では日ごろうるさいといって外してしまう方もいると聞きますので、ソフト面での行き届いた指導なども必要かと思います。
一人の被害者も今後出さない、そういう決意のもと、今回以上の大災害が起こった場合にも、トラブルなどにも対応できるよう一層の御努力をお願いしたいと思います。
そして、ある避難所に避難した人の話では、市の車で避難を呼びかけられ、指示に従って避難したが、避難所では今どういう状態か情報が一切入らず、何もわからないまま不安な夜を過ごした。翌朝も雨がやんだが、いつ家に帰ったらいいのか、特に指示がなかったため、みんなそれぞればらばらに帰っていったという話がありました。その方は御年配の方ですけれども、避難解除などの判断は誰がどのようにするようになっているのでしょうか。お願いいたします。
○議長(新宮康史君) 総務部長。
○総務部長(新田幸一君) お答えします。
まず、避難する必要があると判断した場合、最初に市内24カ所の避難所を開設し、原則として市職員を配置して、早目の避難を呼びかけることとしています。
避難所から自宅へ帰ってよいかどうかの指示はなされないのかとのような質問と思いますが、市としましては災害対策本部において、現在及び今後の気象状況等を確認しながら、避難する必要がないと判断した場合には避難勧告等を解除し、避難所を閉鎖しますので、これを自宅へ帰る判断基準としていただきたいと思います。
今後は、避難所に設置している職員からも、避難者に対して必要な情報をお伝えをしていきたいと考えております。
また、避難所の情報は、そういった環境があれば、市のホームページであるとかテレビなどでも確認をすることができます。
なお、避難勧告解除が夜間である場合などで、朝まで避難所に滞在をしたいという希望者がいる場合については朝まで滞在をしてもらっております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 お年寄りですので、ホームページなどは難しいと思いますので、職員の方の配慮でそのような方にお伝えいただく、もしくは自主防災会など地域の自治会で対応ということになるかと思います。
当市の場合、須川や南柏で自宅に戻れない方々がおられましたが、避難された方の多くは公民館や体育館などでの長期の避難生活とはならず、おにぎりや乾パンなどでずっと過ごすというようなことはありませんでした。しかし、今後、大規模な災害が当市でも起き、長期避難となった場合の避難所の運営についてお聞きします。
避難所の生活環境の整備についてという7月7日付の政府からの通知が出ていると聞きました。そこには、そういった食料についての避難者の不満とか、そういったものに対応する、炊き出しのための食材、調味料から炊き出しスタッフの雇い上げ、衛生的な環境の維持や避難者の健康管理のため、もしくはプライバシーの確保、暑さ対策、入浴と洗濯の機会の確保、その他必要な設備、備品についても、被災者の要望に基づいて国の負担でできるとの通知ということです。
また、高齢者や障害者のための福祉避難所については、避難所の中に福祉スペースを設けるなどの対応や社会福祉協議会や公的宿泊施設の協力も得ることができるということです。
今後、もしこのような長期の避難生活が当市においても必要になった場合に、こういったものを参考に、避難生活がなるべく快適になるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 今、遠藤議員が言われたとおり、避難が長期になる場合には、まさにそのような食事から入浴までを含めて対応する必要があると思います。
先ほど部長からも答弁がありましたように、今回の避難では、マンダリンという、基本的には農業アルバイター、ミカンアルバイターのための施設として当初想定してつくったものですけれども、これが非常に効果を上げまして、長期避難になる場合でも快適にある程度暮らしていただけたかなと思っているところであります。
そのことの経験を踏まえますと、実はミカンアルバイターの施設もまだ不足しているという声がありますので、もう少しそういうマンダリンのような施設を、できれば改修もしくは新しくつくるかして、万が一のときの対応に備えるし、あるときには別の方法でも使えるみたいなことも一つの方法ではないかと思います。もちろんそれができるまでの間に災害が起こった場合には、今言われたような避難所において快適な生活ができる方法についてはこれからもいろいろ考えて取り組んでいきたいと思います。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 マンダリン第2施設は需要があると思いますので、ぜひ前向きな御検討をお願いいたします。
次に、災害対応の課題と教訓についてであります。
日土町のほうで民有地の倉庫が崩れ、下の道路に落ちかかっているのを、市民から、個人で取り除くには限界があるため、市が業者を頼んで撤去してほしいとの要請がありました。
市は最初、市道に落ちれば市が片づけられるが、民有地内のものは市ではできないとの回答でした。
しかし、8月2日、参議院災害対策特別委員会において、我が党の仁比聡平議員が民有地に流入した土砂や瓦れきを現場裁量で全額公費での撤去を可能にするよう求め、国土交通省の秋本 司副大臣は、環境省の災害等廃棄物処理事業と国交省の堆積土砂排除事業、公共施設の災害復旧事業は、契約事業者を分けず、一体で土砂等を撤去し、事後的に費用を各事業者で案分できることを周知したと述べました。
大災害の場合、道路に落ちそうになっているそういったもの、危険な箇所がある場合、二次災害のおそれがあると思いますので、民有地であっても、市が率先して対応すべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 生活環境課長。
○生活環境課長(山本 真君) お答えします。
環境省の災害等廃棄物処理の補助制度では、全壊家屋を除く半壊家屋や倉庫等の解体費用については補助対象となっていなかったところ、今回の7月豪雨災害については、被災状況から、市町村が行う全壊家屋、または大規模半壊家屋、家屋以外でも環境保全上支障があるものについては補助対象となりました。
この国庫補助制度の拡大を受け、当市においても、所有者の意思確認を行った上で、所有者にかわり八幡浜市が全額公費で解体撤去を行います。また、既に自費で解体等をしている場合においても、それに要した費用について償還することとしています。
そのための予算4,000万円を専決処分させていただき、罹災証明発行等の調査で対象となると思われる被災者の方々に通知したところです。現時点で7件の相談をいただき、2件の申請を受け付けております。
なお、家屋一部のみの解体やリフォームは対象としておりません。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 崩れた倉庫の撤去に親戚総出で急傾斜地で危険な片づけに御苦労されておりました。松山市では、7月24日に野志市長が、二次災害の危険があり、民有地に流れ込んだ土砂や建物などを所有者にかわって市が撤去する、個人で復旧工事を発注できる場合などは補助を検討すると発表しました。市民がどれだけ心強かったか。当市でも結果的には対応できるとなりましたが、もっと早い段階で見解を発表して、市民に周知することもできたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 松山市の野志市長が7月24日というふうに言われましたが、八幡浜市といたしましては、7月6日の発災以降、すぐに民地に入った土砂等の撤去を市のお金でやっていく、今回は民地においても市のお金を使っていくといった形でやっていきました。いち早くそれはやれたのかなというふうに思っております。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 それでは、できたと、やれたということですかね、日土の倉庫に関しても、それはできないと言われたんで。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 議員さんが今言われる箇所は日土町になるんですけど、うち建設課が対応したのは、市道へ落ちた瓦れき、土砂を撤去しました。市道が潰れたら当然生活上困るので、そういう対応をしました。家屋が崩れてる箇所は、赤道を通って上へ行かなければいけないところで、機械等も入りません。もし整備するとしたら、人力でやるしかないところです。そういったところで、まず道路を守るためにそれを早急に対応いたしました。その後、先ほど生活環境のほうから言われた補助事業がありましたんで、それで対応するようにしたところです。
○議長(新宮康史君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(舛田昭彦君) 今説明しました被災家屋等の解体撤去についての補助事業については、国のほうが、環境省のほうがことしの8月3日にこの補助対象を拡充したという通知がありましたので、それを受けまして、市のほうでもその対応をするようにいたしております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 その日土の撤去作業をしている方々は8月3日以前ではありましたけれども、こういう大災害の場合は危険性を第一にして、早急な対応をしていただきたいと強く申し上げて、次の質問に行きたいと思います。
それでは、あるお宅では家の裏で土砂崩れが起き、床下に土砂が流入し、畳を剥いで乾かす、しかし悪臭がひどくてしばらく住めない状態であった。罹災証明をとりましたが、半壊と判定され、補償が出ることとなりました。このような場合は、住めないわけではありませんが、しばらく家が落ちつかない状態であります。片づけをしたり、家の改修などの間、民間アパートを借りられれば精神的に楽になるのではと相談されましたが、その間の家賃をみなし仮設として自治体が補償すべきではないかと思いますが、そういった対応についてお願いいたします。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
平成30年7月豪雨災害におきましては、当市では災害救助法や被災者生活再建支援法などによる被災者に対する各種の支援メニューが適用されております。
みなし仮設住宅とは災害救助法によるもので、借り上げ型仮設住宅とも言います。この借り上げ型仮設住宅の対象者は、住宅が全壊または流出したものであることとなっており、半壊の場合は、住み続けることが困難な程度の傷みがあることが条件となっているため、このようなケースでは対象とはなりません。
なお、罹災証明書で半壊以上と判定された世帯へは、災害救助法、被災者生活再建支援法のメニューをまとめた「平成30年7月豪雨で被災された皆様に対する支援制度について」という冊子を郵送しており、この内容は市のホームページでも掲載をしております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 半壊の場合、住み続けることが困難である場合のみそういった対応になるということがわかりました。そういったことを広報でしっかりと市民の皆さんにもお伝えいただきたいと思います。
次の質問です。
今回の災害で山からの水路、山自体の日ごろの手入れが大切であることが明らかになったのではないかと思います。端々の住民が減り、高齢化が進み、手入れができなければ、地域の土砂災害につながりかねない。山からの木が川に流れ込み、下流の橋脚にひっかかり、周囲に水があふれる、そういうことになりかねません。こういった課題に対してどのような対策を考えておられるでしょうか、お願いいたします。
○議長(新宮康史君) 農林課長。
○農林課長(菊地一彦君) お答えします。
山林、農地については、地権者の責任において管理していただいており、関係者が定期的に水路などを管理していることで、これまでは甚大な被害につながっていないと認識しております。
災害を未然に防ぐため、今後も県や森林組合、JAなど関係機関と連携し、山林及び農地の所有者に適切な管理の指導を行います。
今後の対応については、昨日、竹内議員の質問にお答えしたとおり、新たな森林管理システムの実現に向け、森林組合と連携を密にしながら、体制づくりを進めていきたいと考えています。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 山を歩きますと、山林があちこち荒れているのを目にします。早急な対応が必要だと思います。
そして、末広の夢色団地の近くを流れる川がありますが、ふだんは木が鬱蒼と生い茂ったり、倒木などもあったりして、川底が余り見えない状態でした。災害の後行ってみますと、川がきれいな状態になっていたということで、そういったものが全て下流に流されたのではないかと思います。日ごろの手入れがしっかりしていれば、橋脚にひっかかる木も減っていくのではないかと思いますので、そういう日ごろの手入れが必要だなと感じた次第です。
次に移ります。
川の容量の確保についてです。
千丈川の川幅も、短時間に大量の雨が降った場合に耐えられる十分な容量が確保されていたのか。川幅や深さ、堤防等の高さなど、容量の点検、河床の掘削、しゅんせつなどの整備が必要ではないかと思います。
ある市民は、川の両側をコンクリート等で固めている、川の水の容量が少なくなっている中、そのコンクリート部分をもっと減らしてもいいのではないかと、そういう声もありました。
現在、川の容量はどのくらいあるのか、今回のような豪雨災害に耐えられる容量を確保するための調査、改修が必要であると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 県管理の河川については、県が地元の意向も踏まえつつ現地を確認し、必要と判断すれば河床掘削を行っています。
7月集中豪雨により千丈川及び喜木川が氾濫したことから、市としましては、先ほども申し上げましたが、河川の断面不足については今後検証していく必要があると考えます。このことについては、愛媛県に対し、豪雨時においても十分な流下能力を保持できる断面を確保するよう、市から改めて要望することとしております。
なお、河川内にある支障雑木等は、市が毎年河川清掃を行っており、今後も継続してまいります。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 千丈川も含め、支流も含め、支流からそういったさまざまなものも流れ込み、そして新川の氾濫にもつながってしまったと思います。再び同じようなことにならないために早急な点検を県に要望して、対応を急いでいただきたいと申し上げ、次の質問に移ります。
大綱3、人口減少問題と学校の統廃合について伺います。
人口減少をどのように食いとめ、増加に転じていくのか、重要な課題だと思います。
現在当市でも、人口減少を食いとめるためのさまざまな施策をされていると思いますが、現在どのような方向性を目指し、どのような取り組みをされているのか、またその成果について伺います。
○議長(新宮康史君) 企画財政部長。
○企画財政部長(今岡 植君) お答えします。
当市の人口減少は、高校卒業後の進学、就職による人口流出や土地が安価な近隣自治体への転出といった社会減と出生数の減少による自然減、その両方に要因があります。社会減の抑制には産業の活性化が必要不可欠であり、自然減の抑制には婚姻数、出生数の増加、さらに若者の移住・定住促進による子育て世代の増加が必要です。
平成27年度に策定した八幡浜市人口ビジョンでは、2060年の推計人口1万4,253人に対して2万948人にとどめる数値目標を設定し、八幡浜市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、雇用の場の確保や子育て支援に力を入れることに加え、ミカン、魚を中心とする地場産業のさらなる振興を図り、後継者をふやし、市外からの移住者を呼び込むなど、一度は市外に出た方にもまた戻ってきたいと思っていただけるような魅力あるまちづくりに向けて、全庁を挙げて取り組んでいるところです。
また、4月には、人口減少問題を含めた地方創生に関する施策について、部局を横断して効果的、効率的に推進するため、関係部課長で構成する地方創生推進担当チームを設置しました。現在、住民や大学生、まちづくり団体等と連携した6つのプロジェクトチームによる調査研究、課題の分析を踏まえた施策の検討を進めており、これらの取り組みも通じて人口減少の抑制につなげていきたいと考えております。
これまでの主な成果としましては、総転出者数から総転入者数を引いた転出超過数が、平成27年度以降、348、290、270と減少していること、空き家バンク制度の創設による空き家の有効活用、宿泊・合宿施設マンダリンの整備による農繁期の労働力確保、大規模見本市等への出展支援を通じた商談成立件数の増加などが上げられます。
人口減少対策には即効性のある特効薬はありませんが、地道な対策を打ち続けていくとともに、中長期的、総合的な視野に立ち、必要に応じた施策を講じていくことにより持続可能なまちづくりの実現に努めていきたいと考えております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 さまざまな取り組みをされて、転出超過数ですか、そういったものにも出ているというお答えでした。この人口減少問題について、何が原因なのか、私なりに考えますと、これは決して自然減少だけではない、歴代の国の行ってきた数々の政策の必然的な結果であると私には思えます。
例えば、1980年代から90年代の貿易の輸入自由化によって安い外国産が大量輸入され、日本の農林漁業や畜産農家が大打撃を受ける。また2000年には大店法が廃止されたことによって資金力のある大型店、チェーン店が無制限に出店し、地元の商店街や身近な小売店の衰退を招いています。また、非正規雇用が拡大し、正規雇用が減少、福祉の予算は削り、市民の負担をふやすなど、市民の可処分所得が低下し、消費の低迷につながっている、こういった悪循環が生み出されています。
さらに、消費税の導入、3%から5%、8%への増税が追い打ちをかけ、国内経済の低迷を招き、市の税収も減少し、地方交付税の大幅削減もあり、地方自治体の財政は厳しい状況です。
また、平成の大合併の地方への押しつけによって、周辺となった地域の過疎化、サービスの低下が進んでいる、そういった面があることは否めないと思います。
そういう意味で、私は政府が地方創生の名で進める集約化には、市の活力の喪失につながるおそれがあるため、慎重であるべきだと考えておりますが、こういった国の政策と地方の衰退についてどのようにお考えでしょうか。
○議長(新宮康史君) 企画財政部長。
○企画財政部長(今岡 植君) お答えします。
今国のほうで進めている地方創生につきましては、自治体における自主的、自立的な経済圏をどうつくっていくかということで、さまざまな交付金ですとか、制度がつくられていると考えております。
そんな中で、地域がみずから国に過度に依存することなく稼げる仕組み、そして自立する仕組みをどうつくっていくか、国の地方創生推進交付金などをうまく活用しながら、そうした自立した地域をどうつくっていくかということが大事だと思っておりますので、これまでそうした政策に取り組んできたところでもありますし、これからもそういう方向性で八幡浜市としては政策を推進していくべきというふうに考えております。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 自立的な経済を、国の交付金などを活用してどうつくっていくかと、そういうお答えだったと思います。
私はそういう地方創生などのさまざまな政策も自由度を持って、そして交付金を活用できるようしていくべきだというふうに考えますし、この人口減少の解決の即効薬ではありませんが、こういった先ほど私が申し上げた国の政策の逆をやればいいのではないかと思っております。つまり、集約か平準かではなくて、地域の特徴を生かした魅力あるまちづくりに努力すること、行政も地域の積極的なまちおこしを支援していく、そういう方向が必要だと考えます。
また、公的福祉や医療の充実で高齢者にも優しいまちづくり、そういったものが老後の安心感にもつながる、若い世代の定住をふやし、子育てしながら、安心して暮らしやすい環境を整えていくことが重要だと考えます。
このような政策を一つ一つ行うことで市民に将来への安心感を与え、人口の減少を食いとめる一助になるのではないかと、みんなで知恵を絞っていくべきだと考えております。
私なりに考えますと、都会の人がどういった理由で当市のような地方に移り住もうと考えるのか、それを考えてみましたが、都会での競争に疲れ、この美しい自然の中などで癒やされたいとか、自然の中で子育てしたいとか、農業に転職して生計を立てたいとか、地域の人の温かさに触れたいなどのさまざまな思いを持って移住してこられるのではないかと想像いたします。
ですから、都会の人を呼び込みたいというのであれば、市の中心部の活性化だけではなく、周辺地域こそ自然が豊かで子育てしやすい、暮らしやすい環境になるよう、住環境、耕作放棄地などは整備し、地域の特色をより打ち出し、そういった方向で市としても支援していくべきではないかと思っておりますが、それについてどうぞ。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) まさしくそのとおりだと思います。市としても八幡浜市の特色を生かして、八幡浜市のおいしい魚、ミカン、そしてすばらしい自然を生かしたまちづくりを今現に進めておりますし、地方が大事だと言われました。大島も今活力が徐々に出てきておりますし、新たに地域おこし協力隊で今回磯津にも入っていただきまして、磯崎から元気を発信してもらってますし、日土東地区でも地区住民が旧の日土東小学校を活用して地域を盛り上げていく、そのような活動もしていただいております。そういったことからいっても、まさしく今遠藤議員が言われた施策を今市としても進めているところだと私も思っております。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 そういう方向性は一致していると私も思います。
ただ、例えば五反田地区の方から、五反田にある市営団地ですか、奥にありますよね、そこからいろんなところに行くのに 、車がない方が神山小学校の前まで行って、そこからバスに乗るわけですが、その本数も1時間に数本と数えるほどであるということで不便である、そういった御要望もいただいておりますので、八幡浜市の周辺に住んでおられる方、そういった方も十分な利便性、そして子育てしやすい環境、そういったものの整備が必要であると思います。それを申し上げて、次の質問に移ります。
次に、学校の統廃合と地域への影響についてお伺いいたします。
経済的意味でも、地域活動の中心という意味でも、それまであった学校がなくなるということはとても大きなことです。統廃合した際、地域への大きな影響があると思いますが、そのことについていかがお考えでしょうか。
○議長(新宮康史君) 学校教育課長。
○学校教育課長(菊池敏秀君) お答えします。
経済的な影響としてまず考えられることは、収入面では、学校数によりカウントされる国から交付税が減額になります。概算値ですが、1校当たりの交付税減少額は、小学校で1,400万円程度、中学校で1,200万円程度であります。これに対して、支出面では、不用になる学校の維持管理費は、小学校で1校当たり1,100万円程度、中学校で1校当たり1,500万円程度です。差し引きしますと、小学校では300万円程度の赤字、中学校では300万円程度の黒字で、これを合わせますと、結局のところほとんど差が生じないことになります。
また、教職員1人当たりの給与を考えた場合、例えば双岩中学校の場合では、10人の人員の減があり、年間6,600万円分の雇用の場が失われたことになります。
ただし、統合先の学校では教員が増員される措置がとられる場合があります。
なお、学校の統廃合は、児童・生徒の成長、教育環境の向上を念頭に計画しているものであり、経済的な事柄については対象外としています。
また、経済的な面以外でも、住民の皆さんの心情的な事柄もあると思います。
現在進めております学校再編整備第2次実施計画は、あくまで次代を担う子供たちを育てていく教育環境、特に児童・生徒に生きる力を育み、切磋琢磨できる教育環境を考える中で示した方向性ですので、今後もこの方針に沿って統廃合を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 学校がその地域にあることで子育て世代が移り住み、地域に活気が生まれたり、また先ほど言われました国からの交付金、学校の数やクラスなどで算定がされる、先生の給与が県から支給されるなどプラス面があり、また備品などの市の納入業者にとっても学校が多いほうが仕事はふえる面があると思います。市からの持ち出しも言われましたけれども、耐震化や校舎の改修経費などがかかっております。
そうではあるのですが、市としては確かに持ち出しでありますが、市全体の経済の活性化に貢献していると、大きく見ればそのことも経済に貢献していると思います。
逆に、広域化、集約化の流れに乗って、子供が減っているからといって今後も減り続ける前提で学校などの統廃合を安易に進めると、地域の衰退は一気に進み、地域が崩壊してしまうのではないかと、よその地域を見ていてもそれが懸念されます。地域が衰退し、人がいなくなれば、山林や畑、家屋の荒廃につながり、山や景観が損ねられます。地域のコミュニティーやお祭りなどの伝統文化が失われ、地域のよさがなくなる。また、地域や山の荒廃は、今回の水害で大木が川に流れましたけれども、そういったことにもつながる、海の水質悪化にもつながるという面もあると思います。
そういった面で、学校は少人数であっても、各地域で何とか残す努力をすべきではないかと私自身考えておりますが、いかがお考えでしょうか。
今後の説明会などの日程も、もし決まっているものがありましたら、お答え願います。
○議長(新宮康史君) 学校教育課長。
○学校教育課長(菊池敏秀君) 子供たちの数が上向きになると本当にいいんですが、なかなか推計していくとそういうことにはなっておりません。やはり学校の統廃合も含めまして、市の施策というものは科学的に推計した将来の人口等を見ながら決めていくものなので、現在の学校の統廃合ではこういう計画になっておるということを御理解いただきたいと思います。
あと、学校再編の説明ですが、再編第2次計画の前期に名前が上がっております4校は、既にどこも説明会を終わっております。
2回目ですが、今後、大体ミカンの収穫時期になると忙しくなりますので、それまでに2回目を開催したいと考えております。主に1回目で保護者の皆様から出た要望や質問に対してお答えして、またそれで協議を進めていきたいと考えております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 これは重大な問題ですので、しっかりと説明し、また慎重な対応をお願いいたします。
次に移ります。
統廃合にも関連して、学校の規模や教育目標など、中学生にとって望ましい教育環境とはどのようなものだと考えておられますか、見解を伺います。
○議長(新宮康史君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 学校教育では、変化の激しいこれからの社会を生き抜く力を身につけるために、確かな学力、豊かな心、健やかな体をバランスよく育成することを目指しています。
また、今年度から、中学2年生においては、5日間連続の職場体験学習を導入するなど、将来の職業観、勤労観に結びつくような取り組みも実践しています。
さて、望ましい教育環境についての御質問ですが、今回の学校再編の実施計画にありますように、中学校においては1学級30人、1学年3学級程度を本市の現実的な学校規模と考えました。これによって、多様な意見交換、学校行事の活性化、部活動の選択、クラスがえなどが可能になります。国は、小学校、中学校ともに12学級以上18学級以下を基準としておりますが、現在、本市には12学級を有する学校はないこと、今後さらに生徒数の減少が見込まれることを考慮し、これからの本市の目指すべき方向として設定しております。
小規模校のよさを否定するものではありませんが、余りにも少ない生徒数では、子供たちにとってよりよい教育環境とは言いがたいと考えております。
今後も、地域に愛着を持ち、本市の将来を担う人材を育てるべく、多様な価値観を大事にしながら、家庭、地域との連携、そして八幡浜市独自の取り組みであるブロック体制によって小学校同士の連携、小学校と中学校の連携を大事にしながら、八幡浜教育を推進してまいります。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 よく競争力をつけるためになるべく大人数の学校でもまれるべきという意見を聞きます。市長におきましては、中学校の統廃合の説明において、八代中学といえども小規模であり、統廃合を進め、いずれは旧八幡浜市に1校、保内に1校に集約することを考えているとおっしゃったと思います。
しかし、集約し規模を大きくすることが本当に中学生にとって望ましい教育環境となるのだろうかと、少人数学級で一人一人丁寧にわかるまで勉強を教え、地域と一体になって農業などのさまざまな実体験の楽しさ、地域の文化を一緒につくりながら、人間的に豊かな子供を育てるという考えもあると思います。
親御さんには、難関大学に入って、いい会社に就職してほしいと考える方もいれば、その子のよいところ、好きなこと、興味があることで可能性を広げ、生き抜く力をつけ、自活してくれればと考える親御さんもいます。その子にもよりますが、多様化しているのではないでしょうか。
毎年、数百人の高校生が大学や専門学校などで当市を出て、そしてそのまま市外で就職し、八幡浜にUターンする子供はとても少ないと思います。それが当市の人口減少の一因ではないかと思います。自分が生まれ育った町や人、地域に愛着を持ち、将来、八幡浜にUターンしたいという意思のある子、Uターンしても自力で仕事を生み出していけるような経験やスキルを身につけて、そしてみずから町をよくする工夫ができる、そういった子供を育てること、そういった若者の移住、Uターンを支援し、人材育成にも努力することが当市にとっての大きな課題であると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 統廃合について、私も私なりに生きてきて、統廃合についていろんな思いがありますので、その一端を述べさせてもらいたいと思います。
私も双岩小学校、双岩中学校で育ちました。1学年21名、22名で小学校6年間、中学校3年間を過ごしたわけなんですが、ちょうど小学校6年生のときに、双岩小学校は21名、6年生がおったわけなんですが、その当時で八代中学校と松柏中学校に中学校になったら統廃合があるというような話がなされました、子供の中で実際にあったわけなんですが。JRがつながってますんで、若山地区の子供はJRに乗って松柏中学校に行く、そして中津川の子供たちは、バスが当時ありましたので、それで八代中学校に行くというような話がありまして、子供心に中学校に行ったらそういった松柏中学校に行くということで、大きな中学校になるということでわくわくした思い出がいまだに思い出されました。そういったことがあって、実際には双岩中学校に進学するわけになりますが、それから数えて、昨年、双岩中学校が八代中学校と統廃合しましたが、40年間かかったわけであります。
その中で、やはり双岩中学校は人数も減っていきますし、昨年、私の息子も中学校2年から3年に上がるときに八代中学校に行きましたが、同級生は6人といった形でありました。そういった中で、競争が子供から大人へ変わっていく時期に、子供たちの中で普通の中学生としての競争環境、そして勉強環境ができたのかなというと、やはり八代中学校へ統廃合してからのほうがまさに子供が生き生きしていたというふうに感じます。
そして、部活動にしても、その当時から双岩中学校ではテニス、卓球、水泳、3つしか選択できない。私も中学校、松柏に行けば野球ができるだろうし、バスケットができるだろうし、いろいろな部活があるということにも大いに期待をしたものでありました。
そんなことも振り返りながら、今中学校の環境を見てみますと、どこの学校もそんなに大規模校ではなくなってきている。少人数でと言われましたが、90人、80人いる、1学年でも3クラスに分かれたら、1学級が30人程度ということで、それほど多い中でもない、先生が目が届く範囲の中でやれる学級だと私は思っています。
そして、何より地域の経済という話がありました、いろんな懸案を言われましたけど、こういった学校のあり方というのは子供たちを一番に考えるべきだと思っております。子供たちを、小学校6年間、そして中学校3年間でどのような環境の中で育てることができるのか、これがやはり我々大人の責任だと思っておりますので、自分の経験も踏まえながら、これからの子供たちに次の世代、八幡浜市を強く担ってもらう、力強い、たくましい子供たちがどのようにしたらできるのか、それを考えて小・中学校の統廃合を進めていきたいと思います。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 市長のお考えをお聞きいたしました。確かに四、五人でいるよりは、大勢の友達ができるとか、部活動ができるとか、そういったことは大変重要であると私も認識しております。
ということで、4つ目に中学校の部活動の公平性についてという設問を設けております。そちらに移らせていただきます。
現在、中学校によって選べる部活動の数には差があります。統廃合する場合も、まだ数年かかります。統廃合する、しないにかかわらず、今現在中学生である子供たちが、部活動の選択肢に差があるのは不公平ではないか。統廃合するのだから、今はこのまま置いておこうとか、放置されてきたのではないかと思います。校区を越えて、この競技はこの学校などと部活動の集約化が、集約化という言葉は嫌いですけれども、いろいろ選べる選択肢を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) まず最初に、各校によって部活動の公平性がないんじゃないかということなんですけども、実際に中学生が2,000人いた30年前でも、各校によって部活動の種類には差はありました。その上でお答えします。
少人数のため、単一校で活動できない部活動に対しましては、合同部活動の取り組みを推進しています。昨年度からの例で言えば、軟式野球の愛宕・松柏の連合チーム、バレーボール男子の八代・真穴の連合チーム、柔道は愛宕と八代が合同で練習をしています。文化部においても、この夏の吹奏楽コンクールには愛宕中と松柏中が合同チームで出場しました。
しかしながら、合同チーム、合同練習になると、学校間の移動という安全確保の心配な面が多くなってきます。そういう意味では、統合により部活動が自由に選択できる場が広がる、ある一定の人数で競い、励まし合い、協力し合いながら部活動運営ができるという点では一番無理のない解決の方法であると考えます。
なお、国のガイドライン、県の方針にのっとり、ことし8月に八幡浜市運動部活動の方針を策定しました。これについては、文化部の活動についても含みます。今後とも、学校の実情、生徒のニーズ等を考慮しながら、生徒の心身の健全な成長を目指し、多様な学びの場としての部活動の健全な運営に努めたいと考えます。
以上です。
○議長(新宮康史君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 合同チームが既にできているということです。
ただ、あるお子さんで、どうしても柔道をやりたい女子生徒さんが、柔道部がなかったので、放課後、自己責任で他校の部活に通っているとか、サッカーをするために越境して通学しているという方もいます。子供の可能性を伸ばすためにも、部活動の公平性は大事な課題だと思います。
今回は人口減対策と学校の統廃合問題を一緒に取り上げました。どうやったら人口流出を食いとめ、少しでもプラスをふやしていけるのか。そのために、若者に対する支援、高齢者、そして女性への支援など、誰もが暮らしやすい町にしていくことこそ何より大事であるというふうに思います。私も知恵を出して、皆さんと力を合わせて協力していきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。
以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(新宮康史君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、議長において2番 遠藤 綾議員、15番 山本儀夫議員を指名いたします。
遠藤議員から、きのうの一般質問での発言について取り消しの申し出がありますので、発言を許可します。
遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 昨日の私の一般質問において、一部不穏当な発言が含まれておりました。その部分の取り消しをお願いいたします。
○議長(新宮康史君) この際お諮りいたします。
遠藤 綾議員から、不穏当な発言について取り消したい旨の申し出がありました。この発言の取り消しを許可することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(新宮康史君) 御異議なしと認めます。よって、遠藤 綾議員の発言の取り消しを許可することに決定いたしました。
(「議長」「議長は何か言え」「内容」と呼ぶ者あり)
山本儀夫議員。
○山本儀夫君 今、議長の許可を得て、遠藤議員から申し入れが、一部発言の削除を多分求めたのではないかなというふうに理解いたします。どの部分をどのような文言で取り消し、さらにつけ加えるのか、あるいはつけ加えられないのか、表現の文言を求めます。
(「当然や。議長何しとんや」「ええかげんにせえ」と呼ぶ者あり)
○議長(新宮康史君) 休憩します。
午前10時02分 休憩
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午前10時03分 再開
○議長(新宮康史君) 再開します。
大変失礼しました。改めて遠藤議員からこの部分についての発言がございますので、遠藤議員よろしくお願いします。
遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 私の一般質問、大綱第3の人口減少と学校統廃合についてのくだりの中で、五反田地区のある方が、車がない方がいると。その後言い直したわけですが、そこの言葉について不穏当であるということに思いますので、その不穏当な言葉の部分を……。
(「不穏当なところ言うがよ」「ちょっと休憩」と呼ぶ者あり)
○議長(新宮康史君) 休憩します。
午前10時04分 休憩
—————————————————————
午前10時04分 再開
○議長(新宮康史君) 再開します。
この不穏当な発言の取り消しにつきまして、改めて、この際お諮りをいたします。
遠藤 綾議員から不穏当な発言について取り消したい旨の申し出がございました。この発言の取り消しを許可することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(新宮康史君) 御異議なしと認めます。よって、遠藤 綾議員からの発言の取り消しを許可することに決定いたしました。