公開日 2022年01月12日
〔菊池 彰君質問席へ移動〕
○菊池 彰君 平成の元号が使われる議会は、今議会で最後になります。国の内外、天地に平和が達成できますようにと込めた願いがかなわず、大規模災害が多発して苦しめられた平成でした。新しい元号のもとでは平穏で明るいニュースが報道されることを願っております。
では、一般質問通告書に従いまして、大綱3点についてお伺いいたします。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱1は、災害時におけるソフト面の充実強化についてであります。
平成30年7月豪雨から、早いものではや8カ月がたとうとしています。国土強靱化計画や防災・減災対策、農林水産業強化策が打ち出され、復旧、復興に向けて工事が始まり、着実に前進していると感じております。しかし、本格的な復旧にはまだまだ時間が必要です。行政の切れ目のない継続的な支援が、被災された方々に笑顔と元気を取り戻すものと思います。地球温暖化に伴う台風の多発や大型化、今後大きな確率で発生が予想される南海トラフ巨大地震など、大規模災害の対応は言うまでもなく、ハード、ソフト両面からの対応が不可欠です。今議会の当初予算においても、新規の地域防災力強化事業や、農地農業用施設、道路などの災害復旧費が組まれており、安心して安全に暮らせる環境が整えられ、これまでどおりに産地を守り継続することができるものと期待しています。
昨年の7月豪雨災害時には、職員の皆様が災害対応に不眠不休の対応をされたことに対して、改めまして感謝を申し上げますとともに、ソフト面の充実強化に対して市の考えを伺いたいと思います。
ここで質問ですが、市民からの情報提供に基づき、どの程度の調査をされたのか伺います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
市民から多数の情報が寄せられますが、重複しているものもあるため、現場を確認して実際に調査をした件数を各課別にお答えします。
建設課328件、農林課136件、水産港湾課9件、罹災証明書等の交付を行った税務課は233件となっております。
なお、この件数の中には、市が現地確認後、県が対応した被害も含まれております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま農林課、建設課、水産港湾課など、それぞれ調査した件数の報告をいただきましたが、現在3月末までに復旧が見込まれる件数、また次年度に持ち越しの件数、その中でも長期にわたり期間が必要と思われる事案について、報告をお願いいたします。
○議長(新宮康史君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) お答えします。
7月豪雨における災害件数は、公共施設災害復旧事業、道路災害ですけど、これが25件、崖崩れ防災対策事業で5件あります。全体で30件のうち、発注済みが13件、そのうち4件が年度内完成となっております。全体の約13%となっております。翌年度への繰り越しについては20件、他の6件については年度内の着手が困難なことから、平成31年度予算に組み替えしているところで、予算組み替えも含めた繰り越しは87%となっております。また、一番工期がかかるものとしては、平成32年度末完成の予定としております。
○議長(新宮康史君) 農林課長。
○農林課長(菊地一彦君) 農林課関係でございますが、7月豪雨における災害件数は、農地災害復旧事業が12件、農業用施設災害復旧事業が15件であります。全体で27件のうち、発注済みが農地2件、農業用施設1件で、3件とも今年度完成予定で約11%となっております。翌年度への繰り越しについては、今年度中の発注予定12件と、ほかの12件は平成31年度予算に組み替えをしているところで、予算の組み替えも含めた繰り越しは89%となっております。
また、一番工期がかかるものとしましては、当課におきましても平成32年度末の予定としております。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま報告をいただきました。遅くても平成32年度末までには復旧予定ということを報告がございましたが、現在建設業者が減っている中で予定どおりに進捗するように願いますとともに、またある程度期間がたったときに進捗状況についてお尋ねをしたいと考えております。
また、1カ所の被害場所に情報の重複はなかったか、その情報をどういった形で確認して、災害対策本部、担当課との情報共有を図ったか伺います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
災害の規模が大きくなれば、多くの市民から情報が寄せられることとなり、必然的に情報が重複することは多くあります。平成30年7月豪雨災害のときも例外ではなく、多くの情報が寄せられる中で、重複した事案が多数ありました。それらの情報で重要なものについては、順次ホワイトボードや地図上に記載をするため、おおむねその時点で重複情報かどうかの判断が可能です。
災害発生時は、地域防災計画に定める災害対策本部事務分掌により、それぞれの班で対応をしますが、原則として災害対策本部の事務局である危機管理室に全ての情報を集約することで、情報の一元化を図っております。
そうした各部署で収集した情報や危機管理室の持つ独自の情報は、災害対策本部会議などで関係部署に周知しており、全庁的に災害情報を共有することにより、速やかな災害対応を図っているところでございます。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今総務課長に説明いただきまして、十分に内容が把握できました。
次に、市公式フェイスブック八ちゃんねるや八幡浜防災SNSで何件程度の情報提供があったのか伺います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
平成30年7月6日から9月30日までの間に、八幡浜市公式フェイスブック八ちゃんねると八幡浜市防災SNSに対して市民から寄せられたコメントが38件あり、その中には河川の状況を写した写真などもあり、今後の災害情報を収集する方法として機能する可能性を感じたところです。
一方で、市災害対策本部として災害情報等の発信も重要であり、発信方法の多重化を図っているところです。
7月豪雨の際に市が防災関係の情報をフェイスブック等へ投稿した回数は30回で、その内容を見た人は16万4,017人、いいねを押した人は3,821人、シェアをした人は1,586人となっており、先ほどのコメント38件は市からの投稿に対してなされたものです。
災害時には、市民からの情報提供も重要ですが、被害状況などについて市内外へ情報を発信することも大切であると考えており、7月豪雨では、フェイスブックで発信した情報について、市内外からも高い評価をいただいたところです。
災害対応に追われる中、難しい面もありますが、今後も可能な限り情報発信に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私は、このフェイスブック八ちゃんねるとかSNS、何年度に開設したか情報を把握しておりませんが、開設当初と比較して、八ちゃんねるやSNSでの受理というのは、件数の推移といいますか、やはり年を追うごとにこういった件数はふえているのでしょうか、伺います。
○議長(新宮康史君) 政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君) 八ちゃんねるについては、当初いろんな課でいろんな情報発信を別々のアカウントでしてたのを、昨年度まとめて運用を開始したところです。災害情報については、実質的には昨年の7月豪雨でそういう発信をしたということで、まだ始めたばかりということであります。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 わかりました。ありがとうございます。
電話での情報収集は、現場確認や被害状況把握に時間がかかり、緊急を要する場合には指示がおくれる危険性があります。近年、災害時に投稿されるSNSでの情報を人工知能AIで集約して、災害の把握に活用する自治体の動きが広まっています。
阪神・淡路大震災を経験した神戸市での事例を紹介いたします。
昨年末、無料通信アプリLINEへの投稿から、建物倒壊や火災などの被害情報を地図上で可視化する実験をしており、将来的には市民との情報共有に生かすことを視野に、導入を検討しているとのことであります。この実験では、AIが自動で会話をやりとりするプログラム、チャットボットとLINEを使い、阪神・淡路大震災と同じ被害が起きた場合を想定し、市民役の職員宛てにチャットボットから被害について教えてくださいとのメッセージが届けられ、市民役職員が画像とともに被害情報を返信すると、市危機管理センターにスマートフォンの位置情報をもとに各地の被害が集約され、パソコンの地図上に表示され、90分間で2,815件もの情報が処理されたとのことであります。これは、豪雨災害や大地震発生時に一瞬で全体像を把握できる、すぐれたシステムであると思います。
ここで質問ですが、将来的な情報収集の手段として、AIを利用したシステムは必要不可欠であると思いますが、市の考えを伺います。
○議長(新宮康史君) 総務部長。
○総務部長(新田幸一君) お答えします。
市災害対策本部では、災害発生直後の情報収集や救急対応のため、継続的な職員体制が必要となりますが、大規模地震等の際には、職員の参集も困難となり、人員不足が予想されます。災害対策、防災分野の人手不足を補完するためにも、AIの活用について今後検討してまいりたいと考えております。
災害対策、防災分野へのAIの活用方法としては、大きく3つに分けられます。
1つ目としては、災害発生の予測、または災害発生時の被害想定に対する活用、2つ目としては、災害発生時の情報収集、整理や計画立案を支援するための被災状況把握への活用、3つ目としては、インバウンド観光客向けの多言語コミュニケーションへの活用と言われています。
近年の大災害時において、広域の被災状況の情報収集、共有に対し、ソーシャルネットワークシステム、いわゆるSNSですけれども、これの活用が有効であることが実証されており、特に2つ目の災害発生時の情報収集、整理や計画立案を支援するための被災状況把握への活用が市としては必要であると考えております。
現状では、情報の整理、統合については人手に依存しており、その点をAIで改善することができれば、市災害対策本部の意思決定の迅速化等に大いに役立つものと考えており、現在菊池議員から紹介のあったチャットボットのほかにも、ツイッターを活用したD−SUMMなどの実証実験が各地で行われており、その結果を注視してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま前向きな答弁をいただきました。今、各自治体で取り組みをされているということを聞いておりますけど、近隣の市、特に愛媛県において、こういった取り組む市の情報を今持っておられるのか伺います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) 近隣及び県内の自治体でこのような災害対応へのAIの活用がなされているかという御質問だと思いますが、それのお答えをしたいと思います。
その前に、災害時の情報収集ツールとして、被災者や地域住民が発するSNS、これはLINEとかフェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどになりますけれども、その投稿による情報を活用しようという動きは、先ほど議員からも御紹介がありましたけれども、平成23年の東日本大震災を受けまして、国立研究開発法人情報通信研究機構などが進めているようで、東京都などの自治体と協力をして実験を重ね、防災訓練なども行われているということです。
議員御質問の災害対応へのAIの活用ということでございますけれども、AIの場合は、人工知能ということでございますので、SNS等で集めた情報をどのように処理するか、どうさばいていくかということになろうかと思います。その情報を整理して要約をして、あるいは分析をして、災害状況の全体像をいかに早く把握するのかということになるものと理解をしております。
それで、御質問の県内の取り組みでございますけれども、愛媛県におきまして、愛媛県AI活用災害分析システム利用検討会を、昨年10月に県の音頭取りによりまして、学識経験者、県の関係各課、各市町の防災担当課などにより設立をし、検討を開始したところです。AIを活用して分析することにより、発災直後から土砂崩れや孤立地区の発生状況、救助等のための通行可能ルートを速やかに地図上に集約するなど、災害の全容を早期に把握、共有するシステムの導入について、今後調査研究を進めるということにしております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 愛媛県におきましてもそういった取り組みをする組織がつくられたということで、こういった検証結果が出るのはいつかわかりませんけれども、市長は常に安心・安全なまちづくりを提唱されております。県内自治体の中で一番最初にこういったものを導入すれば、大城市長の評価がさらにアップするものと私は考えておりますが、ここで市長の所見を伺います。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 私も災害時においてAIといった活用、本当に必要だと思っておりますので、県の動向を踏まえて、八幡浜市としても率先してこの事業に取り組んでいきたいと思っております。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ありがとうございました。
○議長(新宮康史君) 休憩します。
○菊池 彰君 もうすぐ終わります、この項。
○議長(新宮康史君) もうすぐ終わる。
○菊池 彰君 内閣官房のまとめにおきましては、情報収集にSNSを活用する自治体は28年9月で11、29年11月には22に倍増、ほかに78の自治体が導入を検討しているとのことです。
昨年は災害が相次いだこともあり、今後検討する自治体はふえていくだろうと見ています。当市においても十分に活用を検討されるように、重ねて要望をいたします。
○議長(新宮康史君) 休憩します。
午後 零時10分 休憩
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午後 1時12分 再開
○議長(新宮康史君) それでは、再開します。
菊池 彰議員。
○菊池 彰君 次に、住民への災害情報伝達や避難対策の充実と、マイ・タイムラインの作成についてであります。
昨年の7月豪雨において、須川奥地区で人的被害がなかったことは、避難誘導に当たった消防団や自主防災組織の呼びかけのたまものであったと、改めて感謝申し上げます。
先日喜須来分団分団長がテレビの取材時に、土砂災害現場で変なにおいがした、泥水が出たら危ないとのお年寄りからの言い伝えがあり、異変を感じて避難誘導した、しかしそれが空振りであったとしても、避難することの必要性、重要性を強く訴えておられました。
また、住民自身でできるものとして、マイ・タイムラインがあります。これは、自分自身がとる防災行動を時系列的に整理し取りまとめた予定表のことで、台風接近や河川の水位上昇に合わせて、自分自身の行動のチェックリストとして、または判断材料として活用し、逃げおくれゼロに向けた効果が期待されるものです。
ここで質問ですが、市内全域に自主防災組織が設立され、さまざまな活動をされております。一人一人のマイ・タイムラインを作成して、避難までのシミュレーションが必要と思いますが、現在の状況、各地区での取り組みはどうか、お伺いします。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
当市における自主防災組織の結成率は100%となっており、防災訓練や地域の防災・減災啓発活動に御尽力をいただいております。
マイ・タイムラインは、一人一人の家族構成や生活環境に合わせて、あらかじめ時系列で整理した自分自身の防災行動計画であり、自分の身は自分で守るという自助の考え方に基づく非常に有効な防災の取り組みとなります。自助に対する取り組みについては、これまでも自主防災会が地域住民とともに実施している訓練において周知啓発を行ってきているところであり、既に住民の中にも行動計画の意識を持っておられる人も多いのではないかと考えております。
市では、現在避難行動要支援者名簿に基づく個別計画を、自主防災会や民生委員などの御協力をいただきながら進めております。これは、地域で助け合う共助の考え方に基づくものであり、避難時に支援の必要な方をどのように避難させるのかをあらかじめ決めておく計画であり、当市における災害発生時の犠牲者ゼロを目指した一種のマイ・タイムラインとも言えます。まずは、避難行動要支援者一人一人の避難支援プランである個別計画の作成を進め、あわせて市民が日ごろから災害に備え行動しているノウハウなどについても、自主防災会の研修等を通じてさらに啓発してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま高齢者や、また障害を持った方々へは、既に避難のシミュレーションができているという答弁でございました。自主防災会を通じて住民の方に防災意識の普及啓発を図り、もっともっとみんなが自分のためのマイ・タイムラインを作成するように、指導を重ねて要望したいと思います。
昨年7月の豪雨におきましては、最大時210世帯、554名の方が避難されておりました。避難された方からどういった要望があったのか、また避難所運営上の反省点についてどういったものがあったのか、それをもとにして改善策はどうであるのか、この点について伺います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
平成30年7月豪雨では、7月7日午前8時ごろに市内19施設の指定避難所に210世帯554人の避難者があり、毛布などが不足するなど、避難所における備蓄物資の課題が浮き彫りとなりました。
そこで、平成31年度当初予算案において、避難所における設備、備品等の充実を図るため、避難者のプライバシーを考慮し、体育館の中に張れるドーム型テントや、その下に敷くアルミロールマットを整備するほか、27カ所の避難所に災害時に優先的につながる無料の特設公衆電話を設置する計画としております。さらに、災害用トイレについても、1カ所で試験的に導入してみたいと考えております。これは、避難所が断水した場合でも、プールの水を利用して屋外トイレを使用できるようにするものです。
このほか、今回の災害の教訓を生かすため、移動式のIP無線機を導入するとともに、雨量、風向、風速、気圧、気温、湿度などの観測が可能な気象観測装置を市単独で3カ所程度に設置することとしております。
また、近年大型化する風水害や、近い将来高い確率で発生する可能性のある南海トラフ巨大地震などへの備えも今後順次進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま説明がありましたとおり、当初予算に避難所の備品購入費が組み込まれておりまして、避難所の運営はよりスムーズになると思っておりますが、東日本大震災後、こういった予算につきましては年々増加しているのか、また東日本大震災後、こういった予算はどういった形でつけておられるのか、今回が初めてであるのか、その辺について伺います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) 本市では、これまで比較的大きな災害に見舞われておりませんでして、昨年の7月豪雨を経験しまして、地域防災力を高める必要があることを痛感いたしました。
それで、昨年度の防災対策費の当初予算数値を覚えておりませんが、今年度の当初予算案では、合計で1,325万1,000円ということで、地域防災力強化事業ということで予算計上をお願いしております。例えば、災害マネジメント計画の策定であったり、今申し上げましたように避難所設備等の充実として、ドーム型テント、アルミロールマット、水中ポンプ、特設公衆電話、災害用トイレなど、また先ほど申し上げましたようなIP無線機の導入、あるいは気象観測装置など、これらは予算の制約もありますので、全てが全て一遍にはもちろんできませんけれども、今後もこのような避難所を初め、防災力を強化するための予算計上を考えてまいりたいというふうに思っております。
以上です。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 現在、市の災害対策本部と各地区の自主防災会の会所、事務局に関しましては、もう無線機の配布ができていると思うわけですが、今課長のほうから、IP無線の準備をするということが答弁で出ました。IP無線については、現在八幡浜市消防団も活用をいたしておりまして、大変使い勝手がいいということを聞いておりますが、このIP無線の台数については、職員さん、またそれぞれの自主防災会の役員さんが使用するということでよろしいんでしょうか。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) このたび、IP無線機として30台の予算をお願いしたいというふうに思っております。これにつきましては、今議員からもございましたけれども、消防団とか自主防災会については既に導入させていただいておりまして、市の職員、例えば危機管理室であったり、あるいは各現場に行かれる事業畑を初めとする職員であったり、そのようなときにそれぞれの間で交信できるために整備をしたいと考えておりまして、例えば公用車にある車載無線であったり、トランシーバーのような個々が使えるものであったり、そのようなものを整備したいと考えております。これにつきましては、これまでアナログで実はやっておったんですけれども、導入から30年以上たちまして、既に故障しがちで使えない状況でありましたので、このたび既に消防団等で実績があり、費用が比較的安価で抑えられるIP無線の導入を考えたということでございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 先ほど、今回の備品購入に関しまして災害トイレという言葉が出まして、私も災害トイレに関しましていろいろ調べてみますと、ポリマーシートタイプであるとか粉末凝固剤タイプ、タブレットタイプ、また吸水パックタイプがあり、これには大人用のおむつも代用品で使えると、もしなくなった場合にはいろいろと手元にあるものを使って十分対処ができると、そういったことも書いてありました。今回、今の時点ではどういったものを購入するとか決まってないと思うわけですけど、避難所に長い間かかわった方、そういった方の、もちろんこの近辺にはないと思いますけど、熊本地震とか、また東日本大震災、そういった中での情報を入れて、一番使い勝手のいいもの、そういったものを購入していただけますように、これは要望でございますが、よろしくお願いいたします。
ソフト面でのきめ細やかな対応が地域住民の方々の不安感を払拭し、安全・安心な暮らしに結びつきます。行政は、生命、財産を守るためのマニュアル作成や、災害発生に備えての避難訓練、各種災害への早期対応など、取り組むべきことは多岐にわたります。昨年9月議会一般質問でも提案いたしましたけれども、防災行政に特化した危機管理課新設について、改めて考えを伺います。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 昨年の9月議会でお答えしたように、現在の危機管理・原子力対策室は、平成22年度にスリムな行政組織を目指す行革の一環で総務課に編入し、それ以降、改組なく現在に至っています。その後、日本各地で大規模な自然災害が頻発しており、また近い将来高い確率で起こると予想されている南海トラフ巨大地震など、あらゆる災害に備えるため、平成18年から21年の課と同等だったときと比べ、職員を4名から7名に3名増員するなど、組織強化を図っています。
再度お尋ねの新たな課の設置についてですが、行革の観点に加え、総務課内に設置することで、緊急時にはまずより人数の大きい総務課内にて弾力的な対応ができるという利点があります。御指摘のとおり、特化した課の設置にもさらなる専門的な知識の蓄積や緊急時の司令塔の明確化などの効果があると思いますので、引き続きこうしたメリットなどを比較衡量しながら、慎重に検討していきたいと思います。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今回2回目の要望になりますので、ここですぐに引き下がるわけにはいきませんので、何点か質問をさせていただきます。
午前中の答弁の中で、総務課長よりいろんな情報収集については危機管理室に集約すると、そういった答弁がございました。一番大切なのは、情報収集と指揮命令系統の一元化でございますので、危機管理室に集約した情報を誰が命令するのか、各課への指示は誰が出しているのか、この点について伺います。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 危機管理室に集積した情報は、災害対策本部において危機管理室から市長以下の対策本部の要員に全部報告されて、危機管理室において、まずはこうした、もしくはこうしたいの話がありますので、それをその場に応じて判断していくということになります。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私といたしましては、危機管理課が設置されれば、危機管理課長が集約したものを全て指示を出して、それを各課が動いて、それを災害対策本部に管理課長のほうから伝えると、現在こういった状況で動いておりますということの、やはり危機管理課長がそこで手腕を発揮するべきだと思うんですけど、現在の危機管理室長ではそれはできないと思いますので、この点についてはどうお考えか伺います。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 危機管理課長に相当する者は、現在の総務課長です。危機管理室長と総務課長の間で、内部的な対応策のやりとりは幾らでもできますけれども、最終的に課長職の者に全て権限を委ねて、災害対策本部ではその報告を受けるという形では、誤った方向を招くだろうと。基本的には、課であろうが室であろうが、現在総務課長がいますけれども、その中で緊急の場合には先にどんどんやることもあるし、もちろん口頭で、市長なり私なりがずっとその場にいますので、報告をしながらやるということなんで、管理課長がおったとしても、そこで全て全権的にそれで終わるということではありませんので、現在の体制で基本的に回っているという認識を持っていますので、この中で今言われたような、もしデメリットが出るのであれば、それは改めて考えていきたいと、そういうようなことであります。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 わかりました。
それでは、ちょっと違った角度から意見を述べさせていただきます。
災害が大きくなればなるほど、職員の方の各地域への配置は大変難しいと思います。そういった中で、災害に負けない人づくり、組織づくりが必要と思いますが、現状の把握、課題の抽出、対策の検討、こういったものは、自主防災組織の役員、また防災士の方が担うべき部門となってくると思います。そういった災害に強いまちづくりもそうですが、災害時に対応できる人づくりのために、誰が何をどれだけどうするか、こういったことを決めるためにも、防災士や自主防災役員の方のこれからの研修の充実を図ると、こういった分野について危機管理課があれば、そういった細かい対応ができるかなと思っておりますので、もう一点この点だけ伺います。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 現在の危機管理室の体制の中で、先ほど3名増員した、充実した危機管理室になっておると話ししましたけれども、単に課長が上にいるよりは、その組織自身が充実した組織とするということが大事であります。だから、課長が1人ふえたからといって、極端に仕事が進むわけではありません。そういう意味では、現在の危機管理室の中で先ほどお話にあったようなことは、地域防災の人たちといろいろ話し合いながら十分進んでいるのかという認識を持っておりまして、危機管理室の職員も非常によくやっていると思っています。そういう意味では、今の枠の中でやっていけるのかなという思いがありまして、実際に職員の中からも危機管理室を課にという声が具体的に聞こえてくる状況ではありませんので、多分総務課の中でたくさん、いざとなれば危機管理室プラス総務課の人数で動けるんだと、もちろん市長も私もすぐそばにいますけれども、そういう体制がある程度機能しているような気がしますので、もしどこかでだめなところがあればいろいろ見直していきますけれども、そういういろんなところをこれから考えながらやっていきたいと思います。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今回はこれぐらいにしておきますが、時間がたてばまた改めて要望等をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
大綱2点目は、認知症の施策についてであります。
昨年11月に、日土町内の方が大洲市の息子さん宅から行方不明になったと防災無線放送がありました。警察、消防、大洲市消防団を初め、地元消防団も大洲市へ入って捜索した結果、翌日に無事発見されたとの放送があり、安心した次第です。まだ70歳前半の方ですが、認知症のせいか、直前にも保内町喜木でミカン採りをしていて行方不明となり、家族で探していたところ、自宅まで約7キロのところを歩いて帰っていたとのことでございました。介護も大変になり、施設にお世話になろうと家族で相談をされていたやさきであったと聞いております。
たびたび徘回がありますと、家族の方の心配も尽きないだろうなと思っておりましたところ、愛媛新聞の記事で、西条市におきまして身につけた小型タグとスマートフォンなどを使い、行方不明になった高齢者を地域で発見するシステムを運用していると紹介されておりました。タグは、直径3.7センチのボタン型で、服やかばんなどに取りつけられるものです。行方不明になった高齢者の家族が警察に連絡しますと、まず市が一斉にメールで住民にスマホの専用アプリの起動を依頼します。行方不明者がスマホや公民館に設置した受信機の30メートル以内に近づけば、位置情報を自動で家族に知らせるシステムで、市が進める情報通信技術ICTを活用したまちづくりの一環であります。昨年10月に消防団や住民130人が参加して、半径500メートルに区切って訓練をしたところ、電波を発信する小型タグを身につけた高齢者を開始3分で見つけ出したということです。こういった結果を踏まえて、2019年度には市内全域で導入予定とのことであります。私も消防団在職中に何度も捜索活動に出動いたしました。今振り返ってみまして、ICタグがあったら、早期に発見できたのではないかという事例を御紹介します。
山の中で高齢者が行方不明になり、家族、地域の方とともに捜索いたしました。携帯もなく、無線機数台で情報交換しながら、半日が経過しても見つからない、一度下におりようと移動しておりましたら、集団の中に、いつ、どこでかわかりませんが、行方不明者が紛れ込んでいたと、そういった事例がございました。
また、ある地区では、目を離したすきに1人で家からいなくなり行方がわからない、時間もそうたってないので、範囲を決めて海岸線から山の中まで探しましたが、その日は発見できませんでした。翌日活動を再開しようとしたら、空き家に隠れていて出てきたという事例もありました。もちろん、その家の前は何度も名前を叫んで通っておりました。
また、つえをついて歩くのが精いっぱいの高齢者が行方不明になりまして、川や道路の下に転落したのではないかと3日間探しましたが、発見できませんでした。数日後に残念な姿で発見されましたが、想像すらしなかった道路より上10メートルの果樹園で見つかりました。現場の道路下は、何度も探した場所でございました。
昨年、八幡浜市におきましては、認知症の方の捜索依頼が1件あり、46名の消防団員が出動したと聞いております。2025年、もう6年先のことですが、全国で認知症患者が700万人になろうと推測され、現在、年間1万人が徘回で行方不明になっている状況でございます。八幡浜市におきまして現在の高齢者の割合は、40%近い約1万3,000人と認識しております。この中で認知症の方は何人ぐらいおられるのか伺います。
○議長(新宮康史君) 保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君) お答えします。
平成30年4月1日現在、認知症高齢者の数は1,520人です。65歳以上の高齢者数が1万3,251人ですので、その割合は11.5%となっております。
なお、参考に申し上げれば、県内平均では12.3%、宇和島市、大洲市、西予市では、いずれも12ないし13%となっています。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今答弁がございました認知症の方の中で、軽度とか重度、そういった区分はされているのか。また、先ほど言いました2025年、そのときには、八幡浜市におきまして65歳以上の人口と、また認知症であろうかというような推測人数は何名か、お伺いいたします。
○議長(新宮康史君) 保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君) わかる範囲でまずお答えをいたします。
認知症の高齢者、先ほど人数を1,520人と申し上げました。その中で、中程度以上を認知症の高齢者の数にカウントいたしております。これは、県下統一でしております。その人数が1,520人のうちでありますと897人、約59%が中程度、そして重度の方が623人、40.98%になります。
なお、2025年度の人数に関しましては、出現率等が今手元にございませんので、今の時点ではちょっと、回答は後でまたさせていただいたらと思います。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ありがとうございました。
現在、ICタグ以外にも、GPSを活用して位置情報端末をつけ、行方がわからなくなったときにコールセンターやインターネットを通じて居場所を把握できるシステム、携帯基地局とタグの三角測量で居場所を特定できるシステム、また端末を身につけていないと機能が発揮できないので、外すことの少ないリストバンドに発信器を埋め込む機材も商品化されております。ことしの冬は温暖な気候で推移いたしましたが、昨年の豪雪や猛暑の中で行方不明になった場合、脱水症状や低体温症を発症して命を失うおそれがあります。現在の捜索方針を維持しつつ、新たなツールを使い、捜索活動に従事される方の負担軽減や、家族が安心できるよう、早期発見の一助となるようなツールを導入すべきと思いますが、考えを伺います。
○議長(新宮康史君) 保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君) 先ほどの議員御提案に関しましては、今年度から認知症の方を対象としたGPS等端末機の導入補助制度について検討を始めているところでございます。
現在の端末機には、持ち歩き型、靴への内蔵型、ブレスレット型等があります。また、受信方式も人工衛星を利用したGPS型、携帯基地局を利用した携帯電波受信型、微弱電波であるブルートゥースを利用したICタグ等があり、それぞれ購入価格や電波状況等に一長一短がございます。全国での自治体の認知症対策としての導入実績では、警備会社が提供している持ち歩き型を導入する自治体が多くなっていますが、認知症の方が常に持ち歩くのは非常に困難であるため、利用者がほとんどない状況でございます。
そのような中、来年度あたりには携帯基地局を利用したブレスレット型が発売されるとの情報を得ております。この位置情報端末は、耐久性、防水性があり、行方不明時の検索誤差も町なかで最大20メートル程度、山中では400メートル程度ということであり、当市のような中山間地の多い地域では有効ではないかと考えております。
今後新型機の研究も進むと思われますので、あらゆる機種について、コストを含め比較し、当地域に適した位置情報端末の導入補助制度の検討をさらに進めたいと考えます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 大変前向きに検討をしていただいているということで、安心をいたしました。できるだけ早く、地域を限定して模擬訓練を実施していただきますようにお願いをいたしまして、私の要望といたします。
また、これは埼玉県入間市の取り組みですが、爪に張るネイルアートに住所、名前がわかるQRコードを取りつける、通称爪Qシールと申しますが、市民に行方不明者の情報を流して、声かけをお願いし、身元確認に役立てているとのことです。
県内におきましても、こういった事例があるかと探しておりましたが、西条市においては既に実施をいたしておりますし、今治市におきましては今年度3月の当初予算に28万円を計上してあります。体につけるということに抵抗がある、また人権の配慮が必要ですが、この件についても検討していただいたらと思っております。
大綱3点目は、消防の広域化についてであります。
昨年3月30日に総務省消防庁より、市町村の消防広域化に関する基本指針が告示されました。人口減少社会の到来、低密度化、高齢化の進展等を鑑みて、小規模消防本部の体制強化を図ることがこれまで以上に必要となっており、最重要課題であると明記されております。基本指針の中では、人口10万人未満の消防本部、消防吏員が100人以下の消防本部については、可能な限り広域化対象市町村に指定する方向で検討する必要があるとされておりまして、八幡浜地区施設事務組合におきましても、広域化を検討する対象の組織となっております。
以前、市役所から広域化推進のために消防署へ出向されておりましたが、これまでどういった協議がなされていたのか、また現在は、広域化についてはどういった状況であるかをお伺いいたします。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
最初にお断りをいたしますが、消防広域化の事務につきましては、八幡浜地区施設事務組合消防本部が所管をしておりますので、答弁に当たっては消防本部と事前に協議をしております。
なお、同消防本部は、昭和31年に市が単独で設置していた八幡浜消防署から、常備消防と救急体制の確立を図るため、昭和58年に当時の本市と西宇和郡5町により設立され、昭和59年4月1日から業務を開始しております。
御質問の消防の広域化につきましては、平成18年の消防組織法改正により、市町村の消防の広域化が位置づけられ、平成20年に愛媛県が広域化推進計画を策定しました。この計画では、県内14消防本部を1つにした消防本部体制を目指す方向で調整を進めましたが、一部の消防本部が慎重姿勢を崩さず、まとまることはありませんでした。
平成22年度からは、東、中、南予の3ブロックに分かれての協議を進め、南予地区では意見交換会や検討会、担当者会議を開催し、広域化のメリット、デメリットの洗い出しなどを検討しましたが、最終的には南予地区消防長会でメリットが見出せなかったことから、協議が中断となりました。
平成25年度からは、南予全体の広域化にこだわらず、南予北部など、実現可能な他の枠組みも検討してきましたが、実現には至っておりません。
平成27年5月に西予市消防本部から、西予市三瓶町の消防体制の見直しについて依頼があり、広域化、現状体制の維持、三瓶町を西予市消防本部に管轄がえの3つの選択肢で検討協議を進めようとしましたが、明らかな進展はありませんでした。
このたび、広域化の推進期限が平成36年4月1日まで延長となり、今後県が広域化推進計画を再び策定する際には、管轄人口が10万人未満の小規模な消防本部は可能な限り広域化対象市町村に指定するよう国から求められているところです。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今までの広域化の流れについて、十分把握できました。私は、この後に広域化のメリット、デメリットについて伺う予定でしたが、今、メリットは見出せない、デメリットばかりであったというような答弁がありましたので、その中でもメリットについて前向きなそういった意見があったのか、協議の中で、もしあればで構いませんので、お伺いいたします。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) これまでの協議の詳細については、消防本部のほうから説明を受けておりませんので、具体的にどのようなメリット、どのようなデメリットの意見交換がなされたかについては今はお答えできません。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 わかりました。
それでは、今回の基本指針の中で、高機能消防指令センターの共同運用が消防の連携、協力の中でも広域化につなげる効果が特に大きいことを認識した上で、各市町村の指令センターの更新時期を把握して推進計画に反映させることが必要であるとされております。八幡浜市の消防本部の指令センターは、運用を開始してまだ期間が浅いと思いますが、現状について伺います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) お答えします。
通信指令装置につきましては、平成14年度事業で整備し、平成21年度及び平成28年度に指令管制系、例えば自動出動指定装置、地図検索装置、指令伝送装置などを部分更新しております。また、平成22年度には、国の実証実験により、統合型位置情報通知システムを導入しております。さらに、平成25年度に津波対策として、通信指令室を1階から3階へ移設しております。
消防救急デジタル無線につきましては、平成24年度から平成26年度の3カ年で整備し、指令台への無線接続に必要な回線系の改修を行い、平成27年3月16日に完成し、現在に至っております。
119番受信処理は、指令台卓3席、補助電話3台で、119番回線は、固定電話用2回線2チャンネルの4回線、携帯電話用2回線2チャンネルの4回線となっており、通常は2名で勤務し、災害規模により増員をしております。
各署所への指令伝送及び無線遠隔装置は、専用線光回線で接続しており、有線回線が切断となった場合は布喜川、堂々山、伽藍山の各基地局を使用し、折り返し通信が可能となっております。
なお、次回の更新時期は、平成35年度から37年度を予定しております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 現在の状況がよく把握できました。
この南予には、大洲、西予、宇和島、愛南の消防がございますが、更新時期だけで構いません、平成何年ということで報告をいただけたらと思います。
○議長(新宮康史君) 総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君) 南予の各消防本部、5つの消防本部の通信指令台の更新予定の時期ということで、消防本部のほうからいただいておる資料に基づきまして、導入時期とその更新予定時期についてお答えをいたします。
なお、更新予定時期につきましては、和暦と西暦の両方で申し上げますとわかりづらいと思いますので、全て和暦で申し上げますことをあらかじめ御了承ください。
大洲地区消防本部は、現在の通信指令台は平成13年に導入したもので、これまで平成22年に部分更新、今後さらに平成31年、35年に部分更新を行う予定で、本格的な更新は消防本部庁舎の建てかえにあわせて行う予定としており、その時期は平成38年を予定しているとのことです。
西予市消防本部は、現在の通信指令台は平成19年に導入したもので、これまで平成25年に部分更新しており、本格的な更新は、大洲地区消防本部同様に消防本部庁舎の建てかえにあわせて行う予定としており、その時期は平成34年度を予定しているとのことです。
宇和島地区消防本部は、現在の通信指令台は平成7年に導入したもので、これまで平成20年と30年度に部分更新しており、本格的な更新につきましては、大洲地区消防本部、西予市消防本部と同様に消防本部庁舎建てかえにあわせて行う予定としており、その時期は平成36年度を予定しているとのことです。
愛南町消防本部は、現在の通信指令台は平成27年に導入したもので、本格的な更新は平成36年度を予定しているとのことです。
八幡浜地区消防本部につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、平成35年度から37年度に本格的な更新を行う予定ということでありますので、南予の5消防本部につきましては、これはあくまで現段階での予定ということにはなりますが、おおむね平成34年から平成38年ごろの間に一斉に更新を行う予定となっております。
以上でございます。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ありがとうございました。実は、昨年12月に西予市及び宇和島市議会の一般質問の中で、消防本部の広域化を問う質問がありました。西予市管家市長からは、市民の安心・安全を守り続けるには、より大きな枠組みで消防力を配備できる体制が必要と思う、愛媛県の協力を得ながら協議の場をつくり、広域化へ向けて一歩を踏み出すことが重要である、一気に広域化を進めるのか、それとも指令センターの共同運用を進めるのか、お互いによい方向になるように議論していくとの答弁でございました。
宇和島市岡原市長からは、人口30万人を基準として広域化を考えた場合、人口密集地や点在地もあり、本署、分署数を維持するのは厳しいと思う、維持するための議論や署員の方々の自治体を超えた身分、処遇についても検証が必要であると考える、ただ広域化の流れは、人口が減少していく中で議論がされていくと思う、指令センターについては非常に費用のかかるものなので、前向きに検討すべき問題と思う、広域消防であり、隣接の町としっかり議論しながら進めるべき問題だと思うとの答弁でございました。
現在、本市の常備消防については、西予市、伊方町とともに八幡浜施設事務組合を組織し、事務の共同処理を行っております。消防組織法によりますと、もともと常備消防については非常備消防の消防団と同様に市町村が責任を持って処理する事務とされておりますので、消防の広域化及び指令センターの共同運用につきまして市長の考えを伺います。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) 昨今の災害は、多様化、大規模化、さらに広域化しており、1つの消防本部の消防力をもって対応することが非常に困難な状況になっております。また、高齢化や人口減少など、消防を取り巻く環境の変化に的確に対応するためには、消防の広域化は避けて通ることができないものと思っております。
消防業務だけでなく救急業務においては、受け入れ医療機関について従来の枠組みがあることから、簡単に広域化できる状況ではございません。スケールメリットを考えますと、消防の広域化は県内1消防本部体制が理想ではありますが、これまでの経緯や現状等を踏まえると、実現は困難であると考えており、南予地区あるいは南予北部、八幡浜地区、大洲地区、西予市等、より現実的な枠組みでの広域化を目指す必要があると思います。
なお、本市では、昨年の7月豪雨において消防団の高度な判断と活動により、とうとい市民の生命が守られたことは周知のことと思います。消防団は、災害発生時重要な役割を担っており、欠くことができない存在であり、広域化を検討するに当たっては、常備消防の消防署と非常備消防である消防団がスムーズに連携できる組織管理、装備、出動態勢などを十分議論する必要があるものと考えております。
消防の広域化を進めるためには、県の協力をいただきながら協議の場を設置し、まずは一歩を踏み出すことが重要と考えています。この協議の中で、一気に広域化を進めるのか、多額の費用がかかる指令センターの共同運営を進めるのか、まずは現在一緒にやっている西予市さん、伊方町さんの意見を聞きながら、さらに多くの自治体が参加して協議を進めることが大切であると考えています。
なお、先ほど質問がありました広域化のメリット、デメリットにつきましては、八幡浜地区施設事務組合のほうで消防署のほうが所管していると言いましたが、私も組合長であります。私のかわりに議会には副市長も出ておりますので、今考えることのできる広域化のメリット、デメリットのほうについて、副市長のほうから答弁をさせます。
○議長(新宮康史君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 広域化のメリット、デメリットについて、少し詳しく触れさせていただいて、そのころの状況についても覚えている限りお話をしたいと思います。
まずは、広域化のメリットについては、まず初動出動台数が充実し、統一的な指揮のもと応援体制も強化され、大規模災害、特殊災害の対応が可能になること。次に、管轄区全域を見渡した署所の適切配置が可能となり、指令の一本化により、直近の車両の現場直行が可能となること。次に、本部機能の統合や指令の共同運用による効率化で、隊員の現場への手厚い配置が可能になり、消防力が強化されること。次に、専門性が強化され、災害対応力が向上し、体制の増強により、非番出動も減少すること。次に、車両や資機材の共有や共同整備により、効率的な運用整備が可能となり、高度な車両や資機材の整備が可能になること。次に、組織が大きくなることで勤務先がふえ、人員も確保しやすくなることから、組織も活性化し、研修等による人材育成も可能になるなど、今お話しした6項目などが挙げられています。
一方で、広域化のデメリットについては、消防本部によって異なる職員の身分や給与の一本化が改めて必要になること。組織が大きくなることで、個別の自治体との細やかな連携が従来どおり継続できるのか懸念があること。構成市町の増加により、調整業務が増大し、負担金などの調整も必要となってくること。職員の長距離通勤や地理把握の不安が懸念をされること。各市町の招集システムの違いにより、消防団招集の統一化が図れないおそれがあること。次に、指令の共同運用をされたとしても、各署所に通信担当職員を配置しなければならない可能性があることなどがデメリットとして挙げられています。
これまで全県、それから南予一円、それから南予北部、さらに八幡浜市と西予市みたいな格好で広域化がどの程度可能かなみたいなことを議論し、実際にそれぞれの市と話をすることもありましたけれども、実際に実現に向かっては、これらのデメリットもありますけれども、理想型がまずは県下一本であること、県下一本理想型を抜きにして、南予だけでやっていいんかみたいな議論が、まずはあったと記憶しております。
それから、実際に、じゃあその枠組みでやるとしても、どこに本部を置くのかということになったときにまとまりにくいところはみたいなところで、もう少し県の指導力をいただきながら、県と一緒になって話していくのがいいのかなという感じを持ったところであります。
以上です。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 済いません。よく今の状況がわかりましたし、メリット、デメリットについても御説明いただきまして判断ができておりますが、まずは県からのこういった指導、働きかけがあったときに、スタートラインに着くかどうかという判断については市長はどう思われますか、伺います。
○議長(新宮康史君) 市長。
○市長(大城一郎君) これは、先ほども答弁したとおり、まずは一歩踏み出すべきだと考えております。
○議長(新宮康史君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 わかりました。こういった流れについては、まだ急に広域化するわけではございませんので、流れというものをずっと見守っていきたいと思いますし、また数年後にどうなっているか、また改めて質問をさせていただきたいと思っております。
今回私は、安心して安全に暮らせる地域づくり、地域全体で高齢者を見守る意識づくり、人口減に伴う消防広域化への体制づくりについて質問させていただきました。
市民の方々がこれからも生き生きと元気に笑顔で暮らせるまちづくりのためにしっかりと提言することを誓いまして、平成最後の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(新宮康史君) それでは、休憩します。
午後 2時00分 休憩
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午後 2時15分 再開
○議長(新宮康史君) それでは、再開します。
先ほどの菊池 彰議員の質問の中の2025年当市の高齢者人口について答弁がありますので、これを許可します。
保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君) 先ほどの件でございます。
総務省の統計によりますと、2025年には当市の高齢者人口が1万2,733人になると予想をされております。それに、年々ふえてきております認知症高齢者の割合を仮に13.5%としますと、1,718人の認知症高齢者の数になると思われます。
以上でございます。