公開日 2022年01月12日
〔菊池 彰君質問席へ移動〕
○菊池 彰君 それでは、一般質問通告書に従い、大綱2点についてお伺いいたします。
理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
まず、大綱1点目は、平成30年7月豪雨災害の復旧状況と見通し、建設業者の育成についてであります。
「天災は忘れたころにやってくる」、これは物理学者であり、俳人の寺田寅彦の言葉でございます。毎年全国各地で自然災害による甚大な被害が発生しています。地球温暖化が進む中で、昨年発生した令和元年房総半島台風と命名された台風15号、同じく令和元年東日本台風と命名された台風19号により、千葉県では最大69万世帯の停電が発生し、19号では農林水産業全体の被害額が3,961億円であったとのことであります。ちなみに、平成30年7月豪雨災害における被害額は3,409億円と聞いております。毎年のようにとうとい生命や貴重な財産が失われており、国土強靱化計画によるインフラ整備や災害復旧が計画どおりに一日も早く進むことを願っています。
「天災に時なし場所なし予告なし、忘れる間もなくやってくる」、最近ではこういった言葉が適切な表現であると感じているところです。
さて、前置きが長くなりましたが、平成30年7月豪雨災害からはや1年8カ月近く経過しました。家屋の全半壊や浸水被害、市道、農道の崩落、農林漁業被害額が約34億5,000万円で、昭和18年以来の大災害でございました。
一昨年の9月議会において、道路橋梁災害復旧事業は228カ所、農地災害復旧事業は13カ所、農業用施設災害復旧事業は120カ所、林業施設災害復旧事業は5カ所であるとの説明がありました。既に工事が完了しているところがある一方で、仮復旧工事をしたままになっているところや、ブルーシートをかぶせて被災直後と変わってない箇所が幾つも見受けられます。
ここで質問ですが、建設課、農林課の所管において災害の箇所と現在の工事の進捗状況を伺います。
また、間もなく年度末を迎えますが、計画どおりに進んでいるのか、これまでの入札の中で不落札は何件あったのか、伺います。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 建設課所管分についてお答えします。
道路災害復旧事業については、25カ所のうち22カ所の発注を行っており、そのうち18カ所において工事が完了、進捗率は72%となっております。未発注3カ所を含め、残りの計7カ所については、令和2年度中に完成する予定です。
次に、市単独災害復旧工事分の状況につきましては、226カ所のうち225カ所の工事が完了しており、残りの1カ所については令和2年度中に完成する予定です。
次に、これまでの入札の中で不調、または不落札になった件数ですが、道路施設災害復旧及び災害関連緊急がけ崩れ対策工事を合わせて28件の入札に対して6件が不調となっております。その後、再入札により、6件全て落札されており、これらも令和2年度中に全ての工事が完成する予定です。
○議長(石崎久次君) 農林課長。
○農林課長(菊地一彦君) 続きまして、農林課所管分についてお答えします。
農地災害復旧事業につきましては、12カ所中全てを発注しております。そのうち3カ所において工事が完了しており、進捗率は25%となっております。残りの箇所につきましては、令和2年度中に完成する予定です。
次に、農業用施設災害復旧事業につきましては、補助災害、単独災害を合わせて130カ所となっております。そのうち国庫補助災害復旧工事分15カ所のうち12カ所の発注を行っており、6カ所の工事が完了しております。進捗率は40%で、残りの箇所につきましては、令和2年度中に完成する予定です。
また、市単独災害復旧工事分の状況につきましては、115カ所のうち109カ所の工事が完了しており、約95%の進捗率となっております。残りの箇所につきましては、令和2年度中に完成する予定です。
次に、林業施設災害復旧事業につきましては、7カ所のうち4カ所の工事が完了しております。残りの箇所につきましても、林道管理者である森林組合より工事発注を行い、令和2年度中に完成する予定です。
次に、これまでの入札の中で不調、または不落札になった件数ですが、農地及び農業用施設災害復旧工事を合わせて22件の入札に対して8件が不調となっております。そのうち7件につきましては、再入札により落札者が決定しております。
なお、残り1件につきましては、3月中に再入札を行う予定です。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま両課長の答弁の中で、残っているものについても令和2年度中には完成予定であると、そういった答弁いただきました。
実は、私の近くの農地なんですが、赤道しか現場に行く方法がないと、大きな資機材も入るようなところでないので、それが先ほど言われた1件かどうかは把握はできませんけれども、そういったとこも間違いなく復旧ができるのかというのが1点と。
あと、地元でございますけれども、やはり県道の復旧工事が完成しないと市道の復旧に当たれないと、そういった箇所がありますが、県との連携、また令和2年度いつごろから県の事業を始め、完了するのがいつごろと、そういった情報については十分持っておられるのか、その辺についてお伺いいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 7月豪雨による災害箇所は、農地災害も含めまして現場までの道路が狭小であったり、現場自体が狭小であったり、また人力で作業しなければいけないような施工条件が制約されるなど、復旧に困難を要する箇所が数多くあります。そのための施工方法の検討に時間を要したところではありますが、未発注分も含めて令和2年度末までには完了できるよう努めてまいります。
また、愛媛県や他の機関との協議が必要な箇所においても、協議を現在しており、同じく令和2年度末完成を目指して努力してまいります。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 令和2年度末までに全ての案件について完成をする予定であるという力強い、今、答弁いただきましたので、計画どおりに進むことを願っております。
こういった災害の復旧工事現場が多いにもかかわらず建設業者が減っていることが復旧工事のおくれにつながっているのではないかと、私は思っております。
一昨年の9月議会で、竹内議員から建設業者の登録数について質問がありましたが、現在の登録数を改めて伺います。
また、平成20年との比較についても伺います。
○議長(石崎久次君) 財政課長。
○財政課長(福岡勝明君) お答えします。
当市に入札参加を希望される建設業者については、原則2年に1度入札参加資格申請を提出していただき、市内に本店または支店、営業所を有する建設業者について、業種別に格付を行っており、現在は令和元年度から2年度までの2年間の登録となっています。
現在の建設業者の登録数と平成20年度との比較についてですが、市内本支店で登録されている業者数は、平成20年度93社が、令和元年度77社と16社減となっています。
また、業種別格付業者数は、1業者が複数の業種を希望している場合もあるため、延べ数になりますが、令和元年度土木工事は29社で4社減、建設工事は15社で3社減、電気工事は19社で3社減、管工事は26社で2社減、水道工事は20社で3社減となっています。
以上です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私ども地元でも大きな建設業3社減っておりまして、全体にはやっぱりこういった減になるのかなと思っているわけですが、やはり建設業者が減った要因は、公共事業費の削減や後継者不足と思われますが、このままの業者数でよいのか、行政として何らかの対策が必要と思いますが、市の考えを伺います。
○議長(石崎久次君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 建設事業の減少や少子・高齢化に伴い、担い手不足が強く懸念されており、当市だけでなく全国的に建設業許可業者は減少をしています。
そのような中、近年の異常気象による災害の増加や公共インフラの老朽化などを踏まえたときに、建設業は地域の社会基盤を維持し、改善していく上で今後も必要不可欠な役割を担っていると考えています。市としては、建設業の健全経営がなされるよう、余裕を持った工期の設定や施工時期の平準化など、年間を通じて安定的に工事量を確保できるよう努めているところです。ただし、今、議員のお話もあったように、受注だけではなしに、後継者の問題もあると思いますので、後継者問題については商工会議所や商工会などとも連携して対応していく必要があるのかなと思っています。
以上です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私は、行政といたしましては、人を守る、命を守る、産業を守ると、こういった観点から、やはり積極的な支援があればなと思っているわけですけど、愛媛県におきましては、大規模災害時における応急対策事業に関する協定の締結先である愛媛県建設産業団体連合会に所属する建設業者、これが1つ目でございます。2つ目としては、県の建設工事入札参加資格を有する者、3つ目として、県内に主たる営業所を有する中小企業者、この全てを満たす業者にリース料金や施工現場の生産性向上への取り組み、人材確保への取り組みとして上限200万円、補助率2分の1を補助していると聞いておりますが、市としてこういったサポートができるものがあるのか、それを伺います。
○議長(石崎久次君) 産業建設部長。
○産業建設部長(菊池司郎君) 現在、市として建設業者に対して何かしらの支援をするような制度は設けていません。国、県の補助事業のほか、貸付金などさまざまな制度がありますので、建設業者におかれては、これらの制度を有効に活用していただきたいと思います。先ほども副市長から申し上げましたが、市としては年間を通じて安定的に工事量を確保することが、まずは大切であると考えております。
以上です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり災害が起きた場合には、まずは被災された方への援助が第一番でございますが、そういった復旧作業に携わる方、業者への支援というのも必要だと思いますし、今、部長が言われました安定的な工事を供給するというか、今、被害が起きることを想定して事前復興、そういった言葉が盛んに使われております。そういった被害を最小化、最小限に抑えるためにも、事前復興の現場というのを十分に探していただいて、工事業者にそういった仕事をしていただくと、こういった形をとっていただければと思っておりますので、またその辺についてお伺いいたします。
○議長(石崎久次君) 市長。
○市長(大城一郎君) 今、まさに災害に強いというような自治体をつくるということで、八幡浜市も災害に強いまちづくり協議会に参加をしておりまして、先日は宿毛市のほうで会議に参加したところであります。この協議会も10年目を迎えまして、いよいよおのおのの自治体で事前復興といいますか、高台に市役所を移転する等の工事がもう始まっております。そういったところも参考にしながら、市として災害に強いまちづくりをどのように構築していくか、それに伴う工事に関しまして市の将来のまちづくりを見据えた上での工事、こういったものも考えながら市内の業者さんに工事を発注する、そういったところを踏まえて実施をしていきたいなというふうに考えております。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 これ以上建設業者の数を減らさないようによろしくお願いをいたします。
次に、次世代の人材育成のために、地域の安心と安全を支える建設業の魅力や役割を伝える新聞「ひめ建新聞」を愛媛県の建設産業団体連合会と県が共同で発行をしております。本年の1月9日号では、えひめジョブチャレンジアンダー15事業で、大洲北中の2年生2名が住宅リフォームと、車庫の建築に5日間汗を流したとの記事が掲載されており、学んだことが将来の職業選択の参考になるとの感想を述べていました。市内における中学2年生の職場体験にこういった建築や建設業者での体験はできているのか、伺います。
○議長(石崎久次君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 当市では、昨年度からえひめジョブチャレンジアンダー15事業として、7月上旬の5日間、中学2年生全員を対象として職場体験学習を行っています。今年度は、市内112の事業所に御協力をいただき、中学2年生236名が参加しました。建設業者も2社御協力をいただき、5名が参加しております。
以上です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 5名の中学2年生が要望したということで、大変いい経験ができたなと思っているわけですが、この5名の中での仕事の体験、内容についてはわかりますかねえ。
○議長(石崎久次君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 会社名はわかりますが、仕事の内容はよくわかりませんけども、昨年度も3社8名が建設関係でお世話になってます。そのときの資料は、ちょっとお待ちください。
具体的には、例えば八幡浜市沖新田の八幡浜港フェリー岸壁築造工事の現場事務所で研修を行ったとか、その感想としては、女の子は物をつくる創造力を学んだ、男子生徒は工事に時間や費用はかかるけれど、やらないといけないことに必要があるというふうに熱く語ったというふうなことは記録として残ってます。その程度でよろしいですか。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 はい、ありがとうございました。
先ほど112事業所での体験ということを教育長から答弁いただきました。私も職種が何社あるかまでは把握をしておりませんけれども、これは中2の中学生からの希望を募って職種を決定しているのかということを伺います。
○議長(石崎久次君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 昨年度から始めたと言いましたけれども、それまでは2日間、3日間の職場体験でしたので、学校が事業所は探しておりました。5日間連続ということになりましたので、昨年度より教育委員会のほうで市内や近隣市町の事業所に何日間の受け入れが可能かというアンケートをとりまして、受け入れ可能な事業所の一覧表を教育委員会から学校に配ってます。その受け入れ一覧表をもとに、子供たちはその事業所の中から参加希望先を募って体験する事業所を決定しています。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 さまざまな職種で中学生が体験できますことを、将来の職業選択の本当に参考になると感じております。建設産業を担う若者がふえて、公共事業を初めインフラ整備、災害復旧が計画どおりに進む社会になることを願いまして、次の質問に移ります。
大綱2点目は、空き家の状況と対策についてであります。
空き家の増加は、全国的な問題であり、総務省統計局のデータによると、平成25年の820万件から平成30年4月には846万件にふえており、空き家率は13.6%、少子化・高齢化が進む中で、ますます増加する見込みとなっております。景観はもとより、特に昭和56年以前に建てられた古い家は、耐震対策もされておらず、巨大地震に抵抗できずに倒壊し、重要な道路を塞いでしまうおそれもあり、周辺住民の避難や救出の障害になる可能性もあります。現在の市内の空き家の件数と5年前の件数、空き家率、また空き家の分類について伺います。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 総務省が5年ごとに行っている住宅・土地統計調査の平成25年と平成30年の当市の結果を比較すると、平成25年は住宅総数1万9,350件に対し、空き家総数3,770件、空き家率19.5%、平成30年は住宅総数1万8,530件に対し、空き家総数4,160件、空き家率22.5%となっています。
なお、市で平成28年に市内の全ての家屋を対象とした実態調査では、住宅総数1万7,771件に対し、空き家総数1,186件、空き家率6.7%という結果になっています。これは、住宅・土地統計調査が調査区を抽出して算出した推定値であるため生じたもので、現状により近い空き家率については、平成28年に実施した実態調査結果であると考えます。
また、国の調査における空き家の分類は、賃貸のために空き家になっている賃貸用の住宅、売却のために空き家となっている売却用の住宅、別荘や一時的な寝泊まり用の2次的住宅、これら以外のその他の住宅の大きく4つに分類されます。平成25年は、賃貸用の住宅1,320件、売却用の住宅100件、2次的住宅150件、その他の住宅2,200件、平成30年は、賃貸用の住宅1,330件、売却用の住宅70件、2次的住宅が120件、その他の住宅が2,640件となっています。これら4つの分類の中でも、特にその他の住宅の増加が社会的に問題視されています。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいまの答弁の中で、その他の住宅の項目で2,640件という答弁でございました、平成30年ですか。この2,640件の中で老朽危険空き家についての件数は、何件把握されておられるでしょうか。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 老朽空き家の件数は、今現在その2,640件の中では把握しておりません。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 それでは、現在、建設課のほうで市内全域の危険老朽家屋についての把握件数をお伺いいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 28年に空き家等の実態調査した中で、空き家数が1,186件、その1,186件の中で空き家の程度をA、B、C、Dと4ランクに分けております。一番危険であると判断されるDランクで151件です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 特に老朽危険空き家の除去事業についてですが、現在、年間で30件の枠で対応をされておりますが、令和元年度の受け付け件数についてお伺いいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 老朽危険空き家除却事業の本年度の受け付け件数は、56件です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今年度56件ということは、30件を対象とすれば26件は未着手、また今までの中で対応できていない件数もございますので、これから先も年間30件の枠でこの事業を進めると危険家屋がふえていく一方ということになりますが、これから先どういった対応を考えておられるのか、あわせて伺います。
○議長(石崎久次君) 産業建設部長。
○産業建設部長(菊池司郎君) 老朽危険空き家除却事業については、申請のあった全ての物件を調査し、その結果、緊急度の高い空き家から優先順位をつけて補助を交付しています。物件調査の結果、補助要件は満たすけれど、年間予算の枠内に入らなかった物件は、平成28年度6件、平成29年度5件、平成30年度26件、今年度20件となっていますが、次年度に再度申請をしていただくよう案内を送付しております。今後の見通しにつきましては、当面の間、予算に対して申請件数が超過することが予想されますが、繰り越しができない単年度の国、県の補助金を原資としていることや昨今の建物解体業者等の多忙な状況を考慮しますと、この制度を活用した除却は年間30件程度が限度であると考えております。
以上です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 この除却事業を実施している建設業者というのは、何社現在ございますでしょうか。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 解体業者で登録されている業者は2社です、市内で。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 これがもし3社、4社と協力していただける工事業者がふえれば、枠の拡大、補助金の増額要望とかそういった展開にはすることができるんでしょうか、伺います。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 解体業者は2社なんですが、その他の建築業者で取り壊しをできる業者もおります。実際には、そういう業者が解体を手がけているところもありますので、必ずしも2社だけしかやってないということではありません。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 はい、わかりました。
この除却事業が余り件数がふえない中で計画どおりに進むことを願っておりますし、またその辺の対応をよろしくお願いをいたします。
次に、昨年大島に行く機会がありまして、島内を自転車で散策をいたしました。空き家が想像以上に多く驚いたわけですが、大島地区における空き家の件数、老朽危険空き家の件数についてお伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 平成28年度に当市が実施した空き家実態調査における大島地区の住宅総数は329件、そのうち空き家は56件です。また、空き家のうち老朽化等により危険な空き家は10件です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 はい、わかりました。
現在、大島地区での除却事業は、廃材処分を島外で行うため、市内に比べかなり割高となることから、補助率が除却工事費用の5分の4、上限が160万円の事業となっておりますが、大島地区内でこの事業内容が周知徹底されているのか、お伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 昨年6月に、八幡浜市老朽危険空家除却事業補助金交付要綱の一部を改正して、大島地区内における除却工事に対する補助上限額を最大160万円まで引き上げております。この補助制度の改正については、昨年12月末に、お正月の帰省等に合わせて地区内へ回覧したほか、今月開催される大島区の総会へ出席し、説明する予定としております。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり大島といいますと、空き家が何件もこうつながっている状況もありますし、高齢化でもございます。その説明会の中で、島外へ産廃を搬出する場合、平均的な家として30坪が目安かなと思うんですけど、一体どれくらい費用がかかるのか、その辺についての説明はどうされておるか、お伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 大島地区における除却費用につきましては、建物の位置、場所とか、あと現場状況によって一概に幾らというのは言えませんが、取り壊しにおける重機の、また建物の廃棄物の海上運搬です、起重機船等の取り扱いにもよりますが、そういう費用がたくさんかかります。それで、現在建設課で考えているのは、延べ床面積30坪の平均的な建物で大島以外の除却費用と比べて2倍から3倍の費用がかかるものと判断しています。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 除却費用が2倍から3倍ということで、大変驚いておりますし、高齢化、平均年齢70以上と聞いておりますので、こういった事業を進むのか、また行政としては、もちろん1件だけで終わることはありませんので、そういった対象者に対してのお願いといいましょうか、周知といいましょうか、こういった制度を理解していただいて、この9件について一日も早く除去できるような対策といいましょうか、住民へのお願いというのはどういうふうに考えておられますか。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 1件当たりで除却事業をすると、今言ったような金額がたくさんかかります。そん中で、2件、3件とまとめてやれば、それなりに重機の運搬も1回で済みますし、また廃材を運ぶのも1回で済む。その分起重機船等が大きくなる可能性もあるんですが、ただそういったとこを今後島民の方に説明をして、まとめてやれないかなというところを説明していきたいと思います。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 この事業におきましても、計画どおりに除去作業が進むことを、願っております。
ちょうど散策中に、災害時の高台への避難経路の階段脇に、老朽化した空き家がありました。もし地震で倒壊するようなことがあれば、避難の障害になるのではないかと不安になった次第です。安全に避難できるように島内全体の確認を要望いたします。
議長、まだ続けて構いませんか。
○議長(石崎久次君) はい、どうぞ。
○菊池 彰君 次に、空き家バンク事業についてであります。
この事業は、平成29年度9月1日から開始されましたが、現在の登録件数と契約が成立した件数、空き家バンクの利用希望登録の問い合わせが何件あったか、お伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 平成29年9月の制度開始から現在までの空き家バンク登録件数は64件、契約成立件数は31件となっています。また、空き家バンクを利用して空き家を買いたい、借りたいと利用を希望されている方は、契約が成立した方を含めて105件となっています。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 この空き家バンクの登録数につきましては、開始後どういった数で推移をしているのか、生活可能な空き家の件数からすればもっと登録があってもよいと思いますが、空き家所有者への登録依頼はどうされているのか、お伺いいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) 登録件数の推移については、平成29年度23件、平成30年度は21件、本年度20件とほぼ横ばいになっています。この空き家バンクについては、固定資産税の納税通知書にパンフレットを同封したり、東京やわたはま会や首都圏で開催される県人会、同窓会等におけるパンフレットの配布のほか、さまざまな集会等へ出向いて制度の説明をさせていただいています。登録に関しては、所有者等から相談を受けて、空き家バンクへ登録することが主な流れとなっていますが、本年1月には市内の不動産業者にお集まりいただき、当制度に関する意見交換会を実施するとともに、可能な限り各業者で取り扱っている物件を空き家バンクへ登録させていただくようお願いをしたところです。
空き家バンク制度は、空き家等の有効活用だけでなく、移住・定住の促進といった側面もあり、非常に有用な制度であることから、今後もさまざまな工夫を凝らしながら登録件数がふえるよう努めてまいります。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 さまざまな機会を捉えて登録依頼をされていること、よくわかりました。
関連にもなるわけですけど、この移住相談会に参加される方は、住居についても関心が高いと思われます。移住希望者の選択肢を広げるためにも、空き家バンクの登録物件はもっともっと必要と思いますが、考えを伺います。
○議長(石崎久次君) 政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君) 移住者の住居に対する関心は、仕事に対する関心と並んで高く、移住希望者から住居に関する相談があったときには、空き家バンクの登録物件についても紹介しているところです。
議員が言われるとおり、登録物件がふえれば、移住希望者の要望に応えられることも多くなると思いますし、特に県外からの移住者であれば、空き家バンクの登録物件に居住する場合、八幡浜市移住者住宅改修支援事業費補助金を活用することができますので、移住の推進につながるものと思います。
以上です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 いろんな制度がございますので、やはり希望者から選択肢の幅を広げていろんな物件の中から選べる、件数が少なければそれだけ幅も狭まりますので、今、要望いたしましたように、空き家バンクへの登録物件がふえることを切に願っております。
次に、移住者住宅改修支援事業費補助金を利用された方について、子育て世帯、働き手世帯別で何名であったかお伺いいたします。
○議長(石崎久次君) 政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君) 八幡浜市移住者住宅改修支援事業費補助金は、先ほど申し上げましたように、県外からの移住者が空き家バンクの登録物件に居住する場合に住宅の改修費などを補助するものです。
具体的な補助要件ですが、まず対象者は5年以上居住する意思のある平成28年4月1日以後に県外から当市へ移住し、構成員のうち少なくとも1人が50歳未満である働き手世帯、または構成員に同居する中学生以下の子供がいる子育て世帯の方となります。補助対象となる住宅は、市の空き家バンク、または県の空き家バンクを通じて、購入または賃借した一戸建て住宅で、補助対象経費は住宅の改修及び家財道具の搬出などに係る経費です。補助率は3分の2で、住宅改修に係る補助限度額は、働き手世帯が200万円、子育て世帯が400万円、家財道具搬出などに係る補助限度額は20万円となっています。
この事業は、平成28年度より実施しており、補助金の交付実績としましては、平成28年度が働き手世帯1件で200万円、平成30年度が働き手世帯1件で158万1,000円、令和元年度は2月25日の時点で、働き手世帯が1件で162万円、子育て世帯が1件で400万円、合計2件で562万円、これまでの累計は4件で920万1,000円となっております。
以上です。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 思ったほどは多くないというのが、今、感想なんですが。
実は、これは大洲市の事例でございますが、移住者住宅改修支援事業費補助金について、先ほど課長から答弁ございましたように、県外からの移住には八幡浜市と同等に最大で子育て世帯が400万円、働き手世帯には200万円の支援がございます。さらに、大洲市では、この事業を拡大して、県内からの移住や空き家を購入した市民の改修工事にも50万円から100万円の支援がありますし、改修工事の支援だけでなく、空き家の購入についても県外からの移住には最大100万円、県内や市民の購入にも25万円から50万円の支援があると聞いております。移住を希望される方は、どうしても各自治体の取り組みを比較されるのではないでしょうか。当市においても、人口をふやすため、また空き家の有効利用を促進するためにも、思い切った施策が必要と思われますが、お考えを伺います。
○議長(石崎久次君) 市長。
○市長(大城一郎君) 補助の内容は、それぞれの市町によって異なるようでありますが、県内では大洲市以外に、伊方町、内子町、久万高原町、東温市などにも、県内からの移住者の住宅改修などに対する補助制度があると伺っております。当市においても、1度移住者住宅改修支援事業費補助金の対象者を県内からの移住者へも広げるなど、要件の緩和について検討をした経緯があります。その際には、予算が多額となり、費用対効果などの点から見送った、そういった経緯があります。その後も、移住促進策についていろいろと検討、実施をしているところですが、特に移住に関しては市内において移住者だけでなく、若者や子育て世代に適した住宅が不足しているというような声をよく聞きます。民間との連携、あるいはすみ分けなど、整理すべきこともありますが、一定の質があり、なおかつリーズナブルな家賃で借りることができる若者及び子育て世帯向け住宅の整備ができないか、まずは調査研究に取り組みたいと考えているところです。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 大洲市の施策の中で1点お伺いしますが、県内、また市内の方へのこういった補助というのにつきましては、あくまでも自主財源でしょうか、国からの何かこういった補助というものを活用されているのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(石崎久次君) 政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君) 基本的には、市町独自の財源でやっている制度かと思います。
○議長(石崎久次君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私は、こういった金銭的な補助だけが移住を決意する、移住先を八幡浜市に決める、空き家の購入の決定打にはならないと考えております。移住を考えておられる方は、今の環境では実現できない、かなえたい夢があるからこそ大きな決断をされると思っております。八幡浜市には、豊かな自然の恵みがあり、日本一のミカン、おいしいお魚、そしてまたおいしいチャンポンもございます。あわせてさらなる子育てに優しいまちづくり、農業の魅力を伝えてIターンをふやす施策やきめ細やかな情報発信が空き家バンクの利用登録、移住・定住に結びつくことを願いまして、一般質問を終わらせていただきます。