公開日 2022年01月12日
〔高橋時英君質問席へ移動〕
○高橋時英君 それでは、一般質問通告書に従いまして、大綱1点について質問いたします。市長並びに関係理事者の皆様には誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
大綱1、公共施設等総合管理計画の進捗状況及び財政状況についてでございます。
初めに、各自治体におきましては、過去に建設された公共施設等が更新時期を迎えることになりますが、厳しい財政状況が続く中、人口減少、少子・高齢化等による公共施設等の利用需要の変化が見込まれることを考慮すると、全体の状況を把握し、長期的な視点を持って施設の更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減、平準化しながら、時代に即したまちづくりを行っていく必要があります。
本市においても、高度経済成長期末期からバブル崩壊期にかけて、公共施設等の集中的な整備を実施しているため、将来の公共施設等に係る建てかえや改修などの更新費用が増加することが予測されます。さらに、社会情勢の変化や、今後の人口減少などにより、公共施設等の住民ニーズや必要量も変化していくことも予測されます。
そこで、計画期間平成29年度から令和8年度までの八幡浜市公共施設等総合管理計画の進捗状況や財政状況についてお伺いをしていきます。
まず、1点目でございます。建物系公共施設の現状及び将来の見通しについて。
建物系公共施設について、本市では昭和45年から平成7年ごろを中心に整備されており、昭和56年の新耐震化基準以前に建築された施設は全体の約40.2%を占めます。また、建築後30年を超える施設は、一般的に大規模改修が必要と言われているため、施設の老朽化が懸念をされているところです。
計画の中では、建物系公共施設の更新費用の推計として、現状規模のまま建てかえを行った場合、今後40年間で約1,496億6,000万円の投資的経費を要し、毎年37億3,000万円かかる試算となっています。
そこで、現段階の建物系公共施設について、平成29年3月から約3年が経過をしようとしていますが、管理計画の内容がどのように進捗、変化しているかお伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君) 財政状況が厳しくなる中、地域課題の解決や多様化する住民ニーズに応えていくため、当市のみならず、国や多くの自治体が苦慮しているところであり、公共施設などの老朽化対策もその要因の一つとなっています。
このような中、当市では、公共施設等に関するさまざまな分野の取り組みに対して横断的な指針を提示し、その現状や課題を客観的に把握、分析することを目的に、平成29年3月に、公共施設等総合管理計画を策定し、この中で、建物系公共施設、土木系公共施設、上下水道施設、これら3つの類型ごとに、今後の管理や更新に関する基本方針を示しているところです。
このうち、建物系公共施設については、新たな施設整備は人口規模に見合った適正な規模、配置で実施する。既存施設、未利用施設を有効に活用する。適切なメンテナンスで既存施設を長く利用するという3つの基本方針を掲げるとともに、学校施設、社会教育施設、子育て支援施設、保健福祉施設など、目的別に14種類に分類し、それぞれ今後の取り組み方針や整備予定を掲載しています。
これら建物系公共施設の計画内容が、現在どのようになっているかとの御質問ですが、まず前提として、施設の大半はそれぞれの目的を果たすために、今後も必要と判断しており、基本的には必要なメンテナンス、改修を施しながら、市民など、利用者が引き続き有効かつ安全に使えるよう維持していく考えであり、現時点で施設の数など、計画の内容が大きく変わっているものではありません。ただし、その一方で、一部の施設については、人口規模を初めとする諸事情を踏まえ、縮小や廃止など、適正化を図っているところであり、学校施設や保育所施設などがこれに当たるものです。
学校施設については、これまで平成24年度に策定した八幡浜市学校再編整備実施計画、さらに平成29年度に策定した八幡浜市学校再編整備第2次実施計画に基づき、小・中学校の統廃合を進めており、総合管理計画策定後の動きとしましては、平成29年4月に、保内中学校と青石中学校を統合するとともに、双岩中学校を八代中学校へ編入しました。また、先般の市議会協議会でも御報告させていただきましたが、真穴中学校につきましても、令和3年度に八代中学校へ編入する方向で地元の合意形成がなされたところです。この結果、計画策定時の学校数は19校でしたが、令和3年度には16校となる予定です。なお、学校再編計画に基づく他の学校の再編についても、教育委員会を中心に地元との協議を継続しているところです。
次に、保育所施設では、老朽化した松蔭保育所を平成30年3月末で閉所し、続いて平成31年3月末には、川之石、宮内、喜須来の3つの保育所を閉所するとともに、保内保育所と児童センターを併設しただんだんを昨年4月に開設しました。これらにより、計画策定時、12園だった保育所は、現在9園となり、さらに今後、児童数の実情に応じて、旧八幡浜市内の保育所や幼稚園の再編についても検討していきたいと考えています。
このほか、消防詰所などについては、消防団施設等整備計画に基づき、令和6年度末までに、現在の40棟から29棟に集約する予定であり、また老朽化の著しい北環境センターについては、南環境センターへの業務統合や倒壊の危険性を踏まえた施設の除却などを検討しているところです。
さらに、市営住宅では、老朽化し、今後需要の見込めない住宅を政策空き家として指定し、不必要な更新は行わないこととしており、その一つである穴井、北浦団地を、昨年8月に取り壊したほか、旧八幡浜市内の本町団地も来年度中に取り壊す予定であります。
また、利用者の少ない海老崎公衆トイレについても、ことしの夏ごろまでに供用を停止し、取り壊す予定としています。
なお、あけぼの荘と湯島の里、2つの養護老人ホームの集約や、現在の中央公民館を兼ねた総合福祉文化センターと保内別館のあり方などについてもこれから検討を進めていきます。
以上です。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 よく考えられて実行されているなという印象と、あと大半は今後も必要であるからメンテナンス維持費用がかかってくるよということであったと思います。
また、答弁の中にもありましたが、除却についてです。計画の中には、統廃合後の保育所や学校、老朽化の激しい北環境センター等の施設についても速やかに除却、売却を行うことで、今後40年間の更新費用が約94億6,000万円、1年当たり約2億4,000万円の更新費用を削減することができるとの記載があり、また新たに施設を整備するだけでなく、廃止施設の再利用による経費節減を図るとともに、未利用となっている施設や公共用地を売却することで、適切な資産管理と財政健全化に努めますともあります。
これに従い、原課で個別の実施計画を策定し、除却等の対応をすることになると思いますが、その個別実施計画の策定状況や、その個別計画の中で今後の更新費用の削減をどのように検討されているのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
また、近年では土地等の寄附を受けたりしているとも聞きます。資産がふえているということは維持管理費もふえると思います。それに伴いまして、更新費用の先送りはされていないでしょうか。あわせてお伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
建物系公共施設の個別施設計画としましては、現在、市内小・中学校を対象とする八幡浜市学校施設長寿命化計画を、令和2年度末の策定に向け、作業を進めているところです。
この中で、先ほど申し上げました学校再編整備第2次実施計画に基づき、学校ごとに施設の建てかえや大規模改修など、今後の更新費用を推計していく予定としております。ただし、統廃合につきましては、財政上の見地からではなく、これまで同様、子供にとって望ましい教育環境づくりを最優先としながら、保護者や地域住民の方々の御意見、御意向も踏まえた上で判断してまいりたいと思っておりますので、策定後も状況によっては更新費用の見込みは変わる可能性がございます。
また、学校以外の建物系公共施設についても、令和2年度末までに、類型ごとの個別計画を策定することとしており、施設単位で今後も維持するのか、廃止するのか、あるいは転用するのかなど、今後の方向性を示すとともに、更新費用や廃止した場合の効果について積算する予定としております。特に、施設の転用につきましては、当市においても効果的な事例がふえつつあります。例えば、旧舌田小学校の校舎を活用したみかんの里宿泊・合宿施設マンダリンは、全国から注目され、今なお多くの視察者が訪れるなど、ミカン産業の振興に大きく役立っております。
また、昨年4月に、白浜小学校の空き校舎を利用して開設した病児・病後児保育施設キッズケア・しらはま、旧喜須来保育所の園庭を利用したグループホームの誘致、さらには旧双岩中学校用地の四国電力等への売却なども地域福祉の向上や雇用の場の維持、拡大に寄与するものとして期待できますので、今後も遊休施設などについて効果的な活用ができないか、個別計画の策定に当たっては、幅広い視点で検討してまいりたいと考えております。
最後に、土地などの寄附に伴う管理費や更新費用に関するお話もございましたが、市として有効活用できるのかどうか、またそのまま放置されることで将来の都市計画上、支障にならないかなどといった観点から、寄附の受け入れについて判断しており、その際には、必要となる経費なども考慮しております。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 個別計画であるとか、令和2年度末までに長寿命化計画とか、計画がたくさんあって、すごく大変だなという素直な印象を受けました。また、答弁の中に、財政的な理由ではなく、子供たちとかそういう話、市民ニーズに合ったものを整備していく。その際は更新費用は変更していくかもしれないということは、とても私も賛成をしたいと思っております。この点については、本当にともに頑張ってまいりましょう。
再質問にまた移りますが、八幡浜庁舎についてですが、この庁舎は昭和60年の建築で、新耐震基準は満たしておりますが、建築後約35年が経過をしています。お気づきになっている方も多くおられると思うんですけれども、外構も地盤沈下の影響か、タイルの割れや排水ますの傾き、基礎の鉄筋が切れているようにも見受けられます。新耐震基準を満たしているといっても、倒壊しないというだけで、施設機能の維持は担保されておりません。特に、八幡浜庁舎は災害時等の重要施設であり、新耐震基準を超える耐震化が必要だと思いますが、市としてどのようにお考えでしょうか伺います。
○議長(石崎久次君) 財政課長。
○財政課長(福岡勝明君) お答えします。
八幡浜庁舎は、昭和59年竣工、昭和60年供用開始で、新耐震基準で設計、建築されています。平成28年に発生した熊本地震では、震源付近で最大震度7を2度観測しましたが、同県市町村課によると、一連の地震で4自治体の庁舎が損傷により使用不能となり、さらに1自治体は目立った損傷がなかったものの、従前より耐震性がないとの理由で、震災後、庁舎機能を移転することとなったとのことです。また、一般財団法人消防防災科学センターの報告等によると、さきの熊本県内5自治体庁舎は全て、昭和56年6月以降の新耐震基準に基づく設計ではなかったとのことで、それ以外の自治体については、庁舎機能の移転が必要となっていません。
一方、平成25年度に愛媛県が南海トラフ巨大地震を初めとした県内に大きな被害が想定される5つの想定地震被害推計愛媛県地震被害想定調査の結果を公表しました。その中で、当市は最大震度7とされていますが、2度の震度7を被災した熊本地震の事例を踏まえると、八幡浜庁舎において庁舎機能移転が必要な程度までの影響は受けないものと認識しています。
以上です。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 さすが熊本地震が発生した際に危機管理室におられた財政課長の答弁であったと思います。わかりやすかったです。
2点目に移ります。
土木系公共施設の現状及び将来の見通しについてでございます。
土木系公共施設について、計画の中では、全て現状規模のまま更新を行った場合、本市が所有する道路については、令和37年度までに約305億6,000万円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約7億6,000万円かかる計算、また橋梁については、約32億7,000万円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約8,000万円かかる計算、港湾施設については、約36億7,000万円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約9,000万円かかる計算、漁港施設については、約16億円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約4,000万円かかる計算、農道、林道については、農道の場合約49億4,000万円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約1億2,000万円かかる計算、林道の場合約56億5,000万円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約1億4,000万円かかる計算となっています。
しかしながら、日常の点検、計画的かつ予防的な修繕の実施により、試算額より更新費用を大きく抑制することができるとの記載もあります。
そこで、現段階の土木系施設について、管理計画の内容がどのように進捗、変化しているかお伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) まず、道路、橋梁についてお答えします。
道路については、市道延長約443キロメートルあり、簡易舗装、未舗装を含めて舗装工事をすることは実現困難なため、主要な道路や交通量が多く、人口集中地区である路線34キロメートルについて、平成26年度に路面性状調査を実施し、昨年4月に、八幡浜市舗装長寿命化修繕計画を策定しています。この計画では、先ほどの34キロメートルについて、予防保全型の修繕を実施することとしており、現在、公共施設等適正管理推進事業債を活用して、舗装の打ちかえ工事を行っています。
令和10年度までの10年間で、水道管の耐震化工事に合わせて7路線、延長約2.4キロメートルの舗装を打ちかえることとしており、総事業費は約4,800万円となっています。残りの409キロメートルにつきましては、毎月の道路パトロールや住民からの通報等により、適時、修繕する事後保全型の修繕を実施することとしており、年間6,000万円程度の道路維持費の予算内で路面状態の悪い箇所を優先し、交通に支障の生じない範囲で道路を適切に維持管理していくこととしています。
次に、橋梁についてですが、橋梁については、5年に1回の頻度で近接目視による点検が義務づけられており、平成26年度から30年度に実施した点検結果に基づいて、昨年12月に八幡浜市橋梁長寿命化修繕計画を策定しております。この計画によると、市管理の道路橋230橋について、令和元年から令和50年までの50年間で約46億円の修繕費が必要との試算が出ております。今年度、詳細設計を行い、来年度以降に修繕工事を実施する予定としております。
○議長(石崎久次君) 水産港湾課長。
○水産港湾課長(倭村祥孝君) 港湾、漁港についてお答えします。
八幡浜市公共施設等総合管理計画については、全ての施設を更新することを前提に試算したものです。現状としましては、個別に維持管理計画を策定することや、職員が随時、関連施設の点検やパトロールをしながら、必要に応じて予防保全的な管理を行っています。
個別計画の進捗状況について説明します。
港湾施設については、現在、維持管理計画書を策定中でございます。来年度中に、各施設の点検を終え、長期的に必要な費用を算定する予定です。なお、現在整備中のフェリー桟橋については、高い水準の損傷劣化対策を行うことにより、計画にあるような供用期間中に大規模な修繕が必要とならないよう設計をしております。
漁港施設については、平成23年度から28年度に個別の維持管理計画を策定しました。平成28年度から令和37年度までに必要な費用としては、約13億円を見込んでいます。なお、現在整備中の大島漁港の浮き防波堤についても、フェリー桟橋と同様に高い水準の損傷劣化対策により、供用期間中に大規模な修繕が必要にならないよう設計されています。
引き続き、港湾、漁港関連施設の維持管理については、計画的かつ費用の平準化を図りながら実施していきたいと考えております。
以上です。
○議長(石崎久次君) 農林課長。
○農林課長(菊地一彦君) 農道、林道についてお答えします。
議員の質問にありました農道、林道の更新費用につきましては、路線の総延長及び総面積から全路線を更新した場合の費用を試算したものであります。現状としましては、年間500万円程度の予算を活用し、地元の農道利用組合などが実施した修繕費用に対して補助金を交付するなど、予防的な修繕の実施を行っております。
また、日常の点検など、現地の状況把握につきましては、農道、林道は農業用施設及び林業用施設であり、利用者が特定されますので、地元利用者からの情報提供が主となります。定期的な点検、観察を行い、必要に応じて予防保全的な管理を行っております。
今後も、地元利用者との連携をとり、既存施設の管理と予防的な修繕を行うことで、施設の機能維持を図っていきます。
以上です。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 そもそものこの計画の策定時の更新費用の算出の仕方がやっぱりちょっと実態とかけ離れているのかなというところを思っていまして、そのような中、それぞれの課がそれぞれの事情がある中でいろいろ工夫をされて取り組んでおられるんだなということに関して敬意を表したいと思います。
3点目についてです。
上下水道施設の現状及び将来の見通しについてです。
上水道施設について、計画の中では、全て大規模改修を実施し、現状規模のまま更新を行った場合、令和37年度までに約229億3,000万円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約5億7,000万円かかる計算、下水道施設については、約191億2,000万円の更新費用を要し、年平均をすると毎年約4億8,000万円かかる計算となっています。
そこで、現段階の上下水道施設について、管理計画の内容がどのように進捗、変化をしているかお伺いをします。
○議長(石崎久次君) 水道課長。
○水道課長(菊池利夫君) 上水道のほうからお答えをいたします。
上水道施設について、総合管理計画では、現況施設規模のまま更新を行った場合の年平均更新費用は約5億7,000万円と試算しておりますが、水道課では、個別の実施計画である平成22年度策定の八幡浜市水道ビジョン及び平成24年度策定の耐震化計画において、施設、設備の延命化、統廃合、ダウンサイジング等のコスト削減を図りながら、全体事業費の平準化を行うアセットマネジメントの手法を用いまして、更新費用を約3億4,000万円に圧縮しております。
これらの計画に基づきまして、平成27年度より、基幹管路、老朽化施設の更新、耐震化事業を開始しておりますが、その後、平成28年1月の総務省通知を受けまして、八幡浜市水道事業経営戦略を平成29年度末に新たに策定し、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上に取り組んでおります。
当計画は、平成30年度から令和9年度までの10年間を第1期の計画期間とし、総事業費約27億円をかけまして、基幹管路約30キロメートル、配水池につきましては2池、水源地1カ所を更新する予定でございます。
経営戦略での1年当たりの更新費用は約3億円であり、水道ビジョンで試算した1年当たりの更新需要と同程度となっております。
なお、計画の1年目に当たる平成30年度の実績につきましては、約3億2,000万円であり、計画どおり着実に進捗をしております。
施設等の耐震化計画では、耐震化率の数値目標を令和9年度までに基幹管路43.5%、配水池等の施設43.6%と定めており、進捗状況は、直近の平成30年度末現在では、基幹管路が28.9%となっております。また、配水池につきましては、愛宕第4配水池の完成予定の令和3年度末には34.0%まで向上する予定であり、安全・安心な水道施設等の再構築に向けた事業を、鋭意推進しているところでございます。
なお、昨年9月より、市内の各地区公民館におきまして、水道事業経営戦略住民説明会を開催しております。水道事業の現状や将来の見通し等につきまして、広く市民の方々に周知を図る中で、水道事業再構築に向けた事業推進に対する応援の声へとつながる貴重な説明会となっております。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 下水道課長。
○下水道課長(山口 晃君) 下水道施設における管理計画としましては、平成30年度に、八幡浜市公共下水道施設ストックマネジメント実施方針を策定しており、これによりますと、令和37年度までにかかる更新費用は、管渠、マンホールポンプ場を含む管路施設に97億6,500万円、処理場、ポンプ場施設に111億3,100万円、計208億9,600万円かかる見込みであり、平均すると、1年当たりの更新費用は5億2,240万円となります。なお、計画1年目に当たる今年度の実績は4億9,500万円であり、着実に進捗しています。現在、施設の調査、診断を踏まえた事業実施計画を策定中であり、今後の改築工事につきましては、これに基づき、施設の健全度、リスク、緊急度を総合的に診断し、ライフサイクルコストの縮減を図るとともに、施設を計画的かつ効率的に管理してまいります。
以上です。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 上下水道につきましては、全協であるとか、各種委員会において結構説明をされておりましたので、とても安心をしているとこです。
私も、退職前、水道課におりました。水道ビジョンであるとか、アセットマネジメントであるとか、経営戦略であるとか、耳にたこができるぐらい課長から聞いておりました。とても懐かしく、汗がとまらない感じでございました。
4点目の質問に移ります。
公共施設の更新、除却時の有利起債の活用についてお伺いをします。
まとめますと、インフラ系公共施設といった公共施設等全体の更新費用を見れば、計画上の試算ではありますが、今後40年間で約2,410億円かかる試算であり、年平均をすると、毎年約60億2,000万円かかる計算となっています。
今後、一般財源及び市税収入等の減により、財政状況が厳しさを増すことが予想されることから、施設の更新、除却等の際には有利な起債の活用は必須になります。そこで、施設の更新、除却の際に活用できる有利な起債の活用について、現時点でどのようなものがあるかお伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 財政課長。
○財政課長(福岡勝明君) お答えします。
施設の更新、除却に活用できる起債は、過疎債、辺地債、合併特例債、先ほど建設課長の答弁でありました公共施設等適正管理推進事業債等があります。過疎債の充当率は100%、交付税措置率は70%、辺地債の充当率は100%、交付税措置率は80%、合併特例債の充当率は95%、交付税措置率は70%、公共施設等適正管理推進事業債は、更新に係る充当率は90%、交付税措置率は50%ですが、除却に係る充当率は90%、交付税措置率はゼロとなっております。
それぞれの起債の発行期限については、今後、更新がなければ、過疎債は令和2年度まで、合併特例債は令和6年度まで、公共施設等適正管理推進事業債は令和3年度までとなっております。
今後も施設の更新や除却の際には、市の実質的な負担が少ない優良な起債を可能な限り活用することによって、市の負担をできるだけ抑え、将来世代への負担が大きくならないよう努めてまいります。
以上です。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 起債にも時限措置があるということで、今後、更新、更新されていけばいいかなとは思いますが、その点、注視をしておいていただきたいと思います。
参考までにお伺いをしますが、再質問です。
後年度に交付税の基準財政額に算入される場合、交付税措置率はあらかじめ決められていますが、基準財政需要額の算定に用いる理論値は、償還利率の設定条件については借り入れの時点では示されていないため、実際の借入条件とどの程度乖離があるか事前に把握することはできないと思います。後年度交付税措置とされた事業について、当市が実際に償還する総額が、措置率とされた値どおりとなるのか疑問を持っているところです。安易に有利な起債だからといって多用することについては、正直怖いと思っています。この点についてどのように検証されているかお伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 財政課長。
○財政課長(福岡勝明君) お答えします。
起債の交付税措置額の積算方法には、実額償還方式と理論償還方式の二通りの方法があり、それぞれ起債の種類によって決められています。
実額償還方式は、実際に支払う元利償還金に交付税措置率を掛けて積算するもので、合併特例債、過疎債、辺地債などが主なものです。
理論償還方式は、国が想定した利率、借入条件によって、後年度の元利償還金相当額を算定するもので、臨時財政対策債、緊急防災・減災事業債などが主なものです。
実額償還方式については、実際の元利償還金が基本ですので、措置率との相違はありません。理論償還方式については、借入時期や条件が国の想定と一致しない場合もありますので、借入年度や事業によって若干の増減があります。例えば、平成30年度借入分の臨時財政対策債では、交付税措置率100%に対して、理論値では99.9%の算入率となっております。また、平成30年度借入分の緊急防災・減災事業債では、交付税措置率70%に対して、理論値では71.3%の算入率となっています。このように、若干の相違はありますが、起債全体を押しなべてみれば、ほぼ規定どおりの額が交付税に算入されています。
以上です。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 実額方式相違なしということで、理論方式も結果的にプラ・マイ・ゼロぐらいというふうに受け取りました。値どおりということで安心をしたんですが、反面、逆に怖いと感じるところもございます。そもそも交付税というのが、使い道を細かく定めた補助金とは違いまして、自治体は一般財源として自由に使うことができるというのがそもそもの交付税でございます。交付税の算定基礎というのは毎年のように変わっております。ふえたり減ったりしています。将来、当市が受け入れる交付税総額がもし減少した場合、その交付税の中の公債費の割合というのが多くを占めてまいります。ということは、自由に使えるお金が少なくなる、そういった可能性もあるわけですので、その点については御指摘を申し上げておきたいと思います。
最後、5点目でございます。
中長期財政計画における実質公債費比率、将来負担比率の見通しについてです。
今後、公共施設の適正な管理のため、多くの費用がかかるのは、さきに申し上げたとおり明らかです。このような前提のもと、令和元年10月号の「広報やわたはま」では、財政健全性をアピールしていますが、早期健全化基準や財政再生基準を下回ってさえいれば財政は健全であるとの誤解を招きかねません。また、基金の積み増しや交付税措置を差し引いた市債残高を示して健全化をアピールする手法が散見されますが、指標を基準に類似市との比較で判断すべきだと思います。
平成30年度決算では、将来負担比率は、県下20市町中19位、実質公債費比率は、県下20市町中16位です。また、起債については、償還を3カ年程度据え置くため、大型事業の起債償還が本格化するのは、令和3年度以降ピークになり、実質公債費比率は令和5、6年度以降ピークになるのではないかと懸念をしているところです。
また、計画に上げられていない公共施設の修繕、更新、除却費用は潜在化していると思われ、将来発生する施設の適正管理費用は先送りされているだけで、中長期では財政の健全性を保てるかどうかわかりません。
そこで、公共施設を適正に管理していく上で、中長期財政計画における実質公債費比率、将来負担比率の見通しについて、どのように見通しを立てられているのかお伺いをいたします。
○議長(石崎久次君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
直近の決算である平成30年度の実質公債費比率は10.1%、将来負担比率は80.9%となっております。県内他市町と比較して高い水準にあることは認識をしており、決して楽観的に捉えてはおりませんが、現在、フェリー埠頭再整備事業や防災行政無線のデジタル化など、将来の八幡浜市に必要不可欠なインフラ整備や防災対策などを中心とした大型事業に取り組んでいるため、指標が高くなっているものと考えております。
中長期的な見通しとしましては、令和4年度から、投資的事業については減少していくものと見込んでおり、それに伴い、地方債の発行も減少し、指標についても将来的には改善していくものと考えております。
実質公債費比率のピークは令和6年度の13.2%、将来負担比率は令和4年度の109.2%を見込んでおり、10年後のそれぞれの比率は、実質公債費比率が8.8%、将来負担比率は72.6%と見込んでおります。
中長期財政計画において、将来の公共施設の修繕、更新、除却費用を現時点で正確に捕捉することは困難です。ただし、実際の予算編成あるいは事業実施に当たっては、当然ながら、その年度ごとに、市税、交付税など、一般税財源の状況や国、県の動向、基金残高などを見きわめた上で各事業を精査し、計画等についても随時見直しを図るなど、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 高橋時英議員。
○高橋時英君 いろいろ細かくお伺いしてまいりましたが、各担当課長がほぼ答弁に立たれて、すごくうれしく感じます反面、市長答弁がなくて少し寂しくも感じました。
まとめに入ります。
少子・高齢化に伴う社会保障費の増加、生産年齢人口の減少に伴う税収の減少などによって、将来の財政状況はさらに厳しくなることが予測をされています。国においては、新しくつくることから賢く使うことへの重点化が課題であるとの認識のもと、平成25年11月には、インフラ長寿命化基本計画が策定をされました。
各地方公共団体においては、こうした国の動きと歩調を合わせ、耐用年数を迎える施設については機械的に更新するのではなく、計画的な再配置、長寿命化対策が求められます。
また、公共施設等の整備時には、建設コスト、いわゆるイニシャルコストだけではなく、光熱水費、保守点検費、修繕費等といった施設の運営管理に係るコスト、いわゆるランニングコストも含めた整備から除却までの一連のコスト、いわゆるライフサイクルコストの考え方を意識した公共施設等のあり方も検討をする必要があります。
機会あるたびに申し上げており、重ねての指摘、要望になりますが、住民ニーズに適合した、人口規模に見合った適正な規模で公共施設等の更新等を行っていただきますようお願い申し上げ、私の一般質問を終わります。ともに頑張りましょう。