公開日 2022年01月13日
〔西山一規君質問席へ移動〕
○西山一規君 私は通告書に従い、大綱1つについて御質問いたします。
過去にも時々質問しておりますが、経済に関することであります。タイトル、コロナ禍の経済に市がすべきことと、何か偉そうなタイトルですけれども、私自身は理系の人間でして、経済に関しては完全に素人でございます。難しいことは分かりませんので、自分が理解した中で質問をさせていただきます。
まず、経済に対してとても分かりやすい需要と供給について今回は御質問をしたいと思います。
まず、需要というのは何かというと、お金を払って物やサービスを得る買う側ということになります。個人であれば消費、企業とかであれば投資がこれに当たるかと思います。
供給のほうは、お金をもらって物やサービスを提供する売る側ということになります。
そして、次はインフレとデフレについてでございますが、まずインフレーションとはどういうことかというと、持続的な物価上昇、次第に物価が上がっていく、物の値段が高くなっていくという現象のことをインフレーションと言うようです。
なぜそれが起きるかというと、需要と供給で言うと需要のほうが多い、その場合にだんだんと値段が上がっていくという現象になります。
逆にデフレーション、こちらはその全く逆です。持続的に物価が下がっていくという状況であります。
なぜ起きるかというと、さっきの逆で、需要と供給で言うと需要のほうが少ない、物を買わなくなったという状況のときにデフレーションが起きます。
経済成長、全体が大きくなっていくためには、どういった状況がいいのかなというと、緩やかなインフレ。需要が徐々に増えていって供給がそれに追いついてどんどん経済が成長していくという状況が最もよい状況であるというふうに言われておりまして、実際に日銀の目標はインフレ率2%というのを目標にしております。
ちょっとインフレ、デフレとは別に、これちょっと本題とは離れますけども、スタグフレーションというのも過去に起きてます。需要が落ちて景気が停滞しているのになぜか物価が上昇していくという状況が、1970年代のオイルショックがこれに当たります。
ただし、これは需要と供給のバランスではなくて、原価の上昇です。石油の値段が上がったために物価が上がるしかなかったということで起きている現象であります。ですから、ちょっと需要、供給とは離れたものです。
と簡単に需要と供給について御説明させていただきましたが、まず1つ目の質問ですが、今の説明、インフレの原因は供給よりも需要が増えてる、デフレはその逆であると、このような説明をさせていただきましたが、この認識で合っておりますでしょうか。
○議長(石崎久次君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
まずは、これで合ってますかということでありますので、議員がおっしゃるとおりであります。
商品やサービスに対する需要が供給よりも多ければ物の価値が上がりインフレになります。逆に需要が供給よりも少なければ物の価値は下がりデフレになります。
また、需要が落ち込んだ状況でも、生産コストの上昇など、それ以上に供給を阻害する要因がある場合には、景気の停滞と物価の上昇が同時に進行するいわゆるスタグフレーションの状態になるものと認識をしております。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 西山一規議員。
○西山一規君 一応合ってるということで安心いたしました。
ほかにもハイパーインフレとかというのもありますけれども、それは需要と供給というよりは、その間を取り持つ通貨の価値が下がってしまう、めちゃくちゃ下がってしまうということであります。それも今回のものとはちょっと置いといて別のこととして扱っていきたいと思います。
今現在、個人や企業が節約するのは善なのか悪なのかということをちょっと話したいと思います。
インフレで不況のときに貯蓄に向かうのは合理的な行動であるというふうに思います。どういうことかというと、収入が下がっているのに節約しないほうがおかしい。収入が下がっていれば支出を絞る、節約するというのは当然の行為であると思います。
2つ目の質問ですが、この節約というのは、全体の景気にどのような影響を与えるのか、伺います。
○議長(石崎久次君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 個人や企業の節約は全体の景気にどのような影響を与えるのかという御質問であったかと思います。お答えをさせていただきます。
現在のような先行きに不安がある状況では、個人がお金を節約し、貯蓄に回すことや、企業が投資をせずに内部留保を増やすことは、それぞれの視点で見れば合理的な行動と言えますが、全体の景気の面から見れば、需要の減少につながり、停滞もしくは後退に向かう要因になると考えられます。
これを解消するためには、まずは政府において実需の創成に向けた各種の施策を実施し、この後企業の投資、市民の消費行動が誘発されるよう努めていく必要があります。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 西山一規議員。
○西山一規君 私も全く同じように思います。
まず、現在はデフレを脱却するということが一番のやらなければいけないこと。そのためには政府が頑張るしかない。これ個人とか企業がやっても、この合理的な節約という方向にどうしても向かってしまいますので、それを脱却するのは政府しかないというふうに思います。
そして、先ほど言いました日銀の目標、インフレ率2%を達したところからまた別のコントロールをしていく。そうなりますと、自然と弱いインフレということになりますので、経済は徐々に成長していく方向になるのではないかなと思います。
そして、政府がやるコントロールですけども、インフレとデフレのコントロールについては、ちょっと質問したいと思いますが、インフレが進み過ぎた場合、弱いインフレ自体は理想的なことですから、それが過熱して進み過ぎた場合はどのようにすべきか。要は供給に対して需要が物すごく多くなってしまったという場合はどうするか。
逆にデフレのとき、供給に対して需要が少なくなってしまった。そのような場合はどうすべきと考えるか、伺います。
○議長(石崎久次君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 教科書的なお答えにはなりますけれども、インフレが進み過ぎたときは商品やサービスに対する需要を抑制するため、金融や財政の引締めなどを実施し、場合によっては過剰な投資を抑制するため規制強化を行うということも考えられます。
また、逆にデフレを解消するためには、需要の拡大のために積極的な財政出動や金融緩和などを実施し、また投資等を誘導するため各種の規制緩和を行うことも考えられます。
○議長(石崎久次君) 西山一規議員。
○西山一規君 今お答えいただいたこと以外での需要を下げるということで言いますと、小さな政府にするというのもその方法になろうかと思います。
そして、どんどん民営化をして企業の競争をあおる。そうしますと、今度は供給を増やすということになります。
広く考えますと、グローバル化、要は世界を相手に競争してもらうと供給が増えるということでインフレ対策になろうかと思います。
答弁ありませんでしたけども、需要を下げるためには増税というのも一つの方法であるかと思います。
デフレの場合は全く逆です。減税をする、あるいは金融を緩和する。政府が財政出動してお金を使う。様々なものを国営化して大きな政府とする。供給を減らすためには、規制を強化して競争を減らすというものです。グローバル化の逆で、国内市場を保護していくということがデフレ対策になろうかと思います。
こういう流れを考えますと、一般的にこれからこういう世の中になるなと言われていますグローバル化、規制緩和、こういった言葉をよく聞きますが、デフレのときにはこれは両方とも逆効果なんじゃないかなというふうに考えることができるかと思います。
実際のデフレの対策、何をやったことがあるかというと、ニューディール政策というような名前聞いたことがあるかと思います。実際アメリカでやったことですけれども、公共投資で政府支出を拡大する。金融緩和をする。産業を統制する。供給をコントロールですね。価格の規制。労働者の保護。こういったことを行って当時起きていた世界恐慌の対策として取り組まれておりました。
ちょうど同時期に日本でも昭和恐慌というのがありまして、これに取り組んだのが、名前御存じかと思いますが、高橋是清。1931年に金本位制から管理通貨制度にしました。それによって円安ドル高となって輸出に対して大変有利になったと。そして、赤字国債を発行して財政支出を大きくしました。
ちょうど景気が回復したという頃、1936年に景気が回復したという判断をしまして、緊縮財政に転換をしましたが、このときに軍部が軍事費削減に反発して二・二六事件で暗殺されるということが起きております。もっと詳しい議員さんもいらっしゃいます。
これは別の要因であるというふうな見方もありますが、私はこれが納得できる説明かなというふうに思います。
今お話ししたのが、インフレ、デフレの一般論とその対策についてであります。
ここからは、タイトルにありますコロナ禍においてどのような状況になるかということに移っていきたいと思います。
この新型コロナウイルスの景気への影響です。お伺いしますが、市内の景気にどのような影響があったのか、伺います。
○議長(石崎久次君) 産業建設部長。
○産業建設部長(菊池司郎君) 新型コロナウイルスによる全国的な地域経済の悪化は、消費者が感染リスクを警戒するため、飲食店、旅行などに行きたいけれど行かない、あるいは感染拡大の抑制を図って関連業種が休業を強いられるために行けないという供給制約から始まった点に大きな特徴があります。
市内経済の厳しい状況は、当市の緊急経営資金の申込状況からも明らかであり、11月末時点で272件、約12億1,600万円の申込みとなっています。
申込件数が多い業種としては、卸売・小売業が96件、飲食・宿泊業が54件、サービス業が37件です。このサービス業の中には旅行業も含まれております。
中でも売上高の減少率が大きい業種は、売上高が9割以上減少している事業所を含むサービス業や建設業、8割以上減少している事業所を含む飲食・宿泊業となっており、市内の中小企業者等に大きな影響が出ている状況です。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 西山一規議員。
○西山一規君 大変な影響が出ているということが分かりました。
しかも今の影響というのは、八幡浜市内誰も患者がいない、感染してないという状況でこのようになるということですから、今後もっと大きな影響が出てくることも予想されますので、なかなか厳しいものではないかというふうに感じます。
今起きている現象、これ先ほどのインフレ、デフレの話で言うと、要はお金を使う、今まで使ってたお金が使えなくなった、お金を使わないということで需要が減っているというふうにも取れるかと思います。
それは何かというと、先ほどの需要と供給のバランスで言うと、需要が供給よりも少なくなっていると。デフレの状況と同じことではないかと思います。
せっかく今まで使っていた夜の繁華街で食事をしたりお酒を飲んだり、あるいは旅行に行ったり、イベントをしてた、そういったものも多くが取りやめになっておりますので、需要がすごく減っている。
では、どうすればいいかというと、景気対策としては需要を増やさなければいけないというのが一番これ今やらなければいけないことではないかということになります。
質問させていただきますが、今回市が行った対策としてはどのようなものがあるでしょうか。
○議長(石崎久次君) 市長。
○市長(大城一郎君) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に起因して事業活動に著しい影響を受けた市内中小企業者等に対する支援策としては、市内の中小企業者等の資金繰りに対応するため、市中小企業振興資金融資制度に関して融資枠の増額及び融資条件の緩和、また同融資に対する補助金を創設しました。
次に、国や県が実施する新型コロナウイルス感染症関連融資を受けた市内の中小企業者等の金利負担を軽減するため、これら融資に対する利子補給制度を創設、その他市内の雇用の安定及び事業活動の継続を支援するため、国が実施する雇用調整助成金に対する上乗せ補助制度等を創設しましたが、これらは事業継続と雇用の維持に取り組む事業所を支援するための下支え的な施策であります。
その他、低迷する市内の消費活動を喚起し、地域経済の活性化を図るための施策としては、市民全員を対象としたプレミアム率100%の八幡浜市スーパープレミアム付商品券事業や、さきの臨時議会で承認をいただきましたプレミアム率50%の八幡浜市プレミアム付飲食券事業があります。
新型コロナウイルス感染拡大前の水準に戻り、経済が正常化するには時間がかかると予想されますが、特にスーパープレミアム付商品券事業やプレミアム付飲食券事業については、市内経済の下支えに効果があるものと思っています。
○議長(石崎久次君) 西山一規議員。
○西山一規君 今まで説明させていただきました需要と供給ということに関して言えば、スーパープレミアム付商品券とこれからの飲食の商品券、こちらは市がお金を出して消費を誘発するということで、需要の掘り起こしということにプラス市からそれに支出をすると。市がお金を使って需要を掘り起こすということではないかと思います。
その前の金利の補助とか、いろいろありましたけれども、それは需要と供給というよりは、頑張って潰れないでいてくださいねという取組ではないかと思います。
世の中、弱肉強食です。国会議員の中でも発言があったようなんですが、この状況でもたない会社は潰すからというような厳しい発言も一時期話題になりました。それでいきますと、需要と供給で考えますと、事業者が倒産すると供給側が減ると。需給バランスで言うと、供給が減りますのでデフレを解消する方向なのではないかというふうにも取ることはできますが、しかしそこの従業員の方、失業いたします。そして、失業者が増えると何が起きるかというと、買手市場になります。就職に対しては買手市場になりますので、賃金の低下、そういうことにもつながってくるので、需要も減ると。供給も減ったけど需要も減るという方向になろうかと思いますので、このような会社が潰れていくということはよくないことであるというふうに認識して、私はそう思っておりますし、理事者のほうもそういったことをされないように下支えをしているという対応であろうかと思います。
ちょっと通告とか文書には、今日お渡しした中に書かせていただいてるんですけども、対策として1つ、これがいいかどうかはまた大きな検討は必要だろうとは思いますが、例えばちょっと思ったのが、CATVからショップチャンネルをなくすと。そうすると、経営的にちょっと厳しくなる面がありますので、その分を市が補填するということをやったらどうなのかなということ1つあるんですけども、CATVのショップチャンネル、これは極端に言うと市からお金が出ていく仕組みだということが言えるかと思います。
買物をして、本来市内で買物をするべきものが、市外の業者に吸い取られてしまうというふうな表現もできるかと思います。
そのトータル金額が幾らなのか。これ計算するのが非常に難しいですし、はっきりと分からないのかもしれません。
しかし、大体これぐらい出ていくだろうというのが分かれば、それとチャンネルをなくしたことによる経営に対する補填を行うと、結局市としてはやめたほうがプラスになるということも可能性としてはあるのかなと。よく調べないといけませんけれども。
そして、過去に私もCATVの質問をさせていただきましたが、平成26年6月、このときのショップチャンネルの委託料収入が年間400万円あるというふうな答弁がありました。
逆に考えると、400万円払ってでも利益があるというふうにも取れるかと思います。そうでなければ業者は撤退していくのではないかと思いますので、それを補っても出ていくお金をもっと多く抑制することができるのではないかというふうにも言えるかと思います。これはあくまでもある一面だけを見た提案ですから、いろんな方面も検討しなければならないので、じゃ分かりましたやりましょうというわけにはいかないと思いますが、検討の余地はあるのではないかというふうに思います。
このように需要と供給の話を中心に述べてまいりましたが、経済にはいろんな側面があるかと思います。経済学ということでいろいろ本とかを読んでみましたけれども、いろんな種類がありまして、新古典派とかケインズ、マルクス、最近はリフレ派とかというのもあります。そういった多面的な見方がなければ、こういうばらけたりせず、経済学というのは一本化するものではないかと思いますので、ですからある一面だけを見て判断するというのはあまりよろしくないのが経済ということではないかと思います。
市としてどうすべきか、何ができるか。そういったのをしっかりと取り組んでいただいて、市でできないことは県や国にも働きかけて、コロナ禍でもうまく回る経済の実現を望みます。
最後になりますが、経済の語源は世を治めて民を救うと、救世済民という言葉が経済の語源です。治める側の行政の皆さんは、この言葉を肝を命じて取り組んでいただきたいなと強く思います。
これで私の一般質問を終わります。