公開日 2022年01月13日
〔遠藤 綾君質問席へ移動〕
○遠藤 綾君 おはようございます。私、日本共産党の遠藤 綾です。
質問に入る前に、本日、12月8日は、今から79年前の……
(「昨日言うたぞ」と呼ぶ者あり)
1941年に当時の日本軍がアメリカの太平洋艦隊の根拠地であるハワイ真珠湾を先制攻撃し、対米英戦争、太平洋戦争に突入した開戦記念日です。それから3年8か月後、1945年8月には、広島、長崎に原爆が落とされ、日本は敗戦を迎えます。この侵略戦争によって、310万人以上の日本国民と2,000万人以上のアジア太平洋諸国の人たちが犠牲になりました。
この時代、国民は、国の戦争推進の方向に反対を唱えたり、自由に意見が言えない時代でした。思想、信条の自由、表現の自由は圧殺され、戦争に総動員させられ、学問や研究の分野でも、科学者たちは軍事研究、兵器開発に協力させられました。そういった痛苦の反省に立ち、日本国憲法では、思想、信条の自由や表現の自由、学問の自由を明確に保障し、日本学術会議も時の政権からの独立性が日本学術会議法で保障されています。
しかし、現在の菅 義偉政権は、日本学術会議の人事に介入し、政権の意向に逆らった学者を納得のいく説明もなく排除する姿勢をあらわにしています。これは、単なる学術会議だけの問題ではなく、日本の自由と民主主義がかかった重大な問題です。日本共産党は、戦前から戦争反対と国民主権を掲げてきた政党として、このことを断じて許すわけにはいきません。菅政権は、歴史に学び、直ちに任命拒否を撤回すべきです。
そういう意味で、今日、開戦記念の日に思いをはせつつ、私は、質問通告書に従い、大綱2点について質問させていただきます。市長並びに理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱第1は、新型コロナウイルス感染症再拡大への対応についてであります。
1つ目は、市立八幡浜総合病院の感染症対策の変化と現状を伺います。
今議会冒頭で、市長の総括説明において、多数の発熱患者が発生することも予想されることから、医師会と協力し、新たな外来診療、検査体制の整備を進めているとの言及がありました。そのことも含め、市立八幡浜総合病院の感染症対策について伺います。
1点目、市立病院の感染症対策について。
機器を購入したなど新たな取組がありましたら、御説明お願いいたします。
○議長(石崎久次君) 市立病院事務局長。
○市立病院事務局長(山﨑利夫君) お答えをいたします。
当院では、平日昼間の1階エレベーター前の職員配置、夜間、休日の各自動ドアの閉鎖等によりまして原則面会禁止の措置や外来患者様のマスク着用の徹底、3密を避けるために待合室の椅子のレイアウトの変更等、院内での感染症対策に取り組んでいるところです。これらの取組に加えまして、今後の流行に備えまして、当院の出入口3か所に今回新たに体温自動測定器を1台ずつ設置をいたしました。3台のうち正面玄関に設置している測定器は、一度に複数人の測定が可能なもので、37.5度以上の発熱者を感知した場合には、音声、ランプ等で告知します。入館前に発熱者を感知することは、新型コロナウイルス感染症の院内持込みの防止の一助になると考えております。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 体温を自動で検知する機械が入り口など3か所に設置されたということで、体温が効率よく測定できることはよいことだと思います。
ただし、今回の新型コロナ感染症は、症状が出る数日前から感染させるおそれがあると言われております。無症状の感染者が感染を広げるという場合があるというのが厄介なところだと思います。無症状の感染者のあぶり出し、保護をしない限り、今広がっている感染拡大をなかなか止められないのではないかと思います。そこには、検査の拡充しかないと私は思っております。これは、後ほどまとめて伺いますので、次に移ります。
次に、市長が冒頭で言われた新たな外来診療、検査体制というものは、どういったものでしょうか。お願いいたします。
○議長(石崎久次君) 保健センター所長。
○保健センター所長(久保田豊人君) 冬の季節性インフルエンザの流行期の検査需要にも対応できるよう、国が都道府県に対して新たな検査体制の整備を要請しており、これを受けて、愛媛県では、インフルエンザの流行期に備えた発熱患者等の外来診療、検査体制を整備するため、11月13日現在、県内で対応可能な医療機関579か所を指定し、先月、11月16日から運用が開始されています。
この新たな外来診療、検査体制では、発熱等の風邪症状がある場合には、かかりつけ医等の身近な医療機関に電話連絡し、相談、受診をした上で、医師が必要と判断した場合には、新型コロナウイルスの検査を受けられる体制となっています。
また、かかりつけ医がない。どこに相談したらよいか分からないという場合につきましては、県が24時間開設している受診相談センターに電話連絡すれば、近くの受診可能な医療機関を紹介され、受診や検査ができるようになっています。
なお、県内で発熱患者等の診療検査に対応可能な医療機関のうち、診療から検査まで対応可能な医療機関は320か所、診療のみ対応可能な医療機関は259か所、計579か所です。八幡浜市には、診療から検査まで対応可能な医療機関は8か所、診療のみ対応可能な医療機関は16か所、計24か所が指定されています。このほかに、県内6つの医療圏域ごとに地域外来検査センターが1か所以上設置されており、県全体では12か所設置されております。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 私の周囲でも、熱が出たときにどうすればいいのかっていう問合せが結構あります。とにかく発熱があった場合は、かかりつけ医に相談、もしくはない場合は県の24時間対応の受診相談センターに電話し、対応できる病院を紹介してもらうと、そこの病院での診療、医師の判断によって検査ができるという流れだということです。
それでは次に、情報公開の原則について伺いたいと思います。
現在、八幡浜市立総合病院の病床に何人ぐらいいるのかというような情報は、風評被害が懸念されることから、現在非公開と聞いております。
しかし、臆測が飛び交い、かえって市民の不安をあおる可能性も考えられます。
今後どこからどこまでの情報が非公開で、どこからは公表するという原則でしょうか。
また、もし市民に感染者が出た場合の情報公開の原則について伺います。
○議長(石崎久次君) 副市長。
○副市長(橋本顯治君) 新型コロナウイルス感染症関係の情報公開ということですけれども、新型コロナウイルス感染症は感染症法の指定感染症に位置づけられており、同法第16条第1項の規定に基づき、厚生労働大臣及び都道府県知事が感染症の発症状況、動向及び原因に関する情報、予防、治療に必要な情報を適切な方法によって公表しなければならないとされていますが、第2項では続いて情報公開するに当たっては個人情報の保護に留意しなければならないと規定をされています。
感染症に関する検査や感染者、濃厚接触者の調査、入院調整等の業務は、都道府県や保健所設置市の保健所が行っております。愛媛県では、県が情報を一括管理し、地域の実情に応じて感染者の状況に配慮した上で、プライバシー保護や風評被害の防止などの観点から、個人が特定されない方法により情報公開がなされています。
市民に感染者が発生した場合についても、公表は県で行うことになり、県以上の情報公開を市で行うことは原則できません。市としては、市民に不要な混乱や誤解を与えないよう正確な情報を出していただくよう、必要な場合は県に要請することになります。濃厚接触者等についても、主に県で調査、対応することになりますが、市としても県や八幡浜保健所とも十分に連携していきたいと考えています。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 そうですね。風評被害などもありますので、個人情報の保護というのは確かに大事だと思います。そういったことに配慮しながら、厳正に御対応いただきたいと思います。
次に、感染症病床について。
市立病院には、現在、感染症病床が2床そして陰圧の病床が10床確保されていると聞きます。その陰圧の病床は、ふだんから常に空けておくということでしょうか。そういう場合は損失があるかと思いますが、そういった場合の補償はあるのでしょうか。どの程度の損失が予想されますでしょうか。お答えください。
○議長(石崎久次君) 市立病院事務局長。
○市立病院事務局長(山﨑利夫君) お答えをいたします。
当院では、新型コロナウイルス感染症対策として、感染症病床2床に加えまして、陰圧病床10床等を確保をしております。これらの病床は一般病床とフロアを分けることで、他の患者との接触を防ぎ、院内感染を防止をしております。
また、新型コロナウイルス感染症の流行が収束し、国や県からの病床確保の要請が解除されるまでは、現状の体制を維持する予定でございます。
今の空床確保をすることによって損失ということでございますけれども、今現在、半年確認しましたけれども、入院患者様につきましては、最大で約15%程度、平均でも1割程度の入院患者様が減少をしております。その分が基本的にはうちの損害という形になると思うんですけれども、県のほうでは感染症病床医療提供体制確保事業補助金というのがございまして、病床を確保することで県のほうから補助をいただく予定になっております。金額については、まだ年度末までどういうふうになるか全額確定はしておりませんけれども、それで対応をしていただくような予定でございます。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 ありがとうございます。
それでは次に、万一感染症病床に入っている方が重症化した場合は、対応は市外へ搬送するのか。それとも、市立病院で治療が可能なのか。人工呼吸器や専門の技術士などはどこまで整備されていますでしょうか。お願いいたします。
○議長(石崎久次君) 市立病院事務局長。
○市立病院事務局長(山﨑利夫君) 万一、新型コロナウイルス感染症の入院患者様の病状が悪化をしまして、急変をしまして、人工呼吸器やECMO等が必要になるほど重症化した場合につきましては、しかるべき市外の高度医療機関に搬送するよう考えております。機器につきましては、人工呼吸器はございますけれども、ECMO、体外式の人工肺については配置しておりませんので、その辺については、基本的に人工呼吸器についてはうちの職員で対応できるような状況でございます。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 分かりました。
続きまして、2番に移ります。
検査体制の拡充についてです。
広報12月号には、発熱した場合の連絡先としての県の相談窓口が載せられていました。そして、その場合、窓口で市内の病院を案内され、そしてそこの医師がPCR検査が必要と判断した場合は、対応できる病院を案内するという対応がありました。
検査体制の拡充についてです。PCR検査の拡充などの対応が求められていると思います。当市でも、積極的なPCR検査をして無症状の感染者を見つけ出す必要があるかと思います。
北九州市におきましては、症状がなくても感染が疑われる場合は全員検査。また、福祉施設の職員や入居者を定期的に検査するなどの社会的検査を行い、検査数を第1波の頃の4倍以上に増やしたということです。保健所のルートのほかに民間企業と提携して検査を行い、早期発見、早期治療、早期保護で政令指定都市でありながら少数に患者数を抑え込むことに成功しているとのことです。そして、その費用は、一旦自治体が負担しますが、後に国から補填されるということです。
また、東京都ではありますが、民間企業の木下グループが12月から企業内の医療法人や事業のノウハウを活用し、新橋駅前の店舗でコロナPCR検査センターを開業したというニュースがありました。受付で検査キットを受け取り、カウンターで唾液を採取。それを受付に出すというシンプルな仕組みで、僅か3分程度で検体採取が終了し、翌日には検査報告を通知するという仕組みです。料金は2,900円税別で、現在予約が殺到しているということです。出張や会議などで安心して参加したいというビジネスパーソンの需要が多いとのことです。
さらに、企業や団体、自治体向けに1人2,500円で配送、集配式の検査も受けているということです。これまでに映画、エンタメ関連やスポーツ競技界の関係者への検査を実施してきたということです。現在、1日5,000件の検査が可能で、21年、来年1月には店舗と配送合わせて1日2万件の検査を目指すという報道です。
また、宇和島市では、300万円のPCR検査機器を購入し、検査体制の拡充をするということが9月議会で決定しました。ただ、注文が現在殺到しており、機械はまだ届いていないということであります。
このような他市や民間企業などの検査がどんどん進んでいます。当市でも、積極的なPCR検査をして、無症状の感染者を見つけ出す。保護することで、人の動きや社会活動を活性化させることができると思います。通常、年末年始に県外から帰省していた人でも、リスクの高い家族に感染させることを恐れ、帰省することをためらっていると聞きます。帰省者が安心して帰れるよう、公費または安い料金でPCR検査ができる体制を構築すべきではないでしょうか。
特に、成人式を控える方には、公費でPCR検査をする自治体もあると聞きます。せめて成人式を迎える当市の若者たちが安心して帰れるよう、PCR検査を公費でする考えはありませんでしょうか。お答えください。
○議長(石崎久次君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君) 積極的な検査の実施についてお答えをいたします。
愛媛県における検査体制については、県の検査体制整備計画により、先ほど説明いたしました新たな診療、検査体制により行われております。年末年始の県外からの帰省客が安心して帰省できるよう積極的な検査体制が取れないかとの御提案については、広域の移動となるため、まずは国、県において必要性を考えるべきものと思います。他県においては、高齢者施設や障害者施設、保育所などの利用者や職員を対象に独自のPCR検査を実施している自治体もあることは承知しております。
また、国は、高齢者や基礎疾患を有する方への検査助成事業を創設しましたが、愛媛県内には検査を依頼できる民間検査機関がないことや県の検査体制整備計画との整合性を図る必要から、県内で同事業を実施する市町は今のところありません。
感染拡大を防止する上で、検査体制の拡充も一つの重要な要素であると思いますが、最も重要なのは、市民一人一人が感染リスクへの危機感を持ち、日常生活での基本的な感染防止対策を確実に実施することであると考えます。これから年末年始にかけて、不特定多数の人たちが集まる行事や県外からの帰省者との飲食を伴う会合も増えることが予想され、感染リスクは一段と高まります。愛媛県も感染警戒期の対応を呼びかけておりますので、市民の皆様をはじめ帰省される方も含めて、感染回避行動の確実な実践をお願いしたいと思います。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 こういう検査について、本来は、第2波が落ち着いた時期に第3波に備えて、国がこういった検査体制の拡充を思い切って予算をつけて検査体制の枠を広げるべきだったと思います。
しかし、従来の保健所を通じた体制から拡充ができず、現在に至っております。そんな中でのGo To トラベルキャンペーンは人の移動を促し、観光業の面では確かに効果はあったと思いますが、一方で冬本番で感染の急拡大のきっかけになり、現在歯止めがかかっていない状態だと思います。全国の大都市圏を中心に感染が広がっております。当市にも今後感染者が出る可能性はあると考えて、その場合の備えをすることが自治体としての役割だと思います。
みかんアルバイターへの検査そして待機などに公費を出したことはすばらしいことだと思います。その仕組みを出張や旅行に出かける人たちにも使えるようにするなどの対策をすれば、感染者を封じ込め、保護しながら経済活動も回す、その方向へ道が開けると思います。
今回御紹介した民間企業の唾液での検査キット、これを自治体として購入して、気軽な検査ができる体制を取るなど思い切った手を打つべきではないでしょうか。私が市長ならその方向性を模索したいと考えます。市長はどのようにお考えでしょうか。
○議長(石崎久次君) 市長。
○市長(大城一郎君) それも一理あると思います。
しかし、今回の新型コロナウイルス、大変厄介な病気であります。一度PCR検査を受けて陰性と確認されても、その後に発症して、自分が陰性だと思っていても、さらなる拡大、コロナウイルスをまき散らすというような方向に向かう、そういったこともあるわけでありまして、実際に今検証が進んでおりますが、院内感染をしたある病院におきましては、そういった患者さん、PCR検査を受けて陰性だった患者さんを診た看護師さんが新型コロナウイルスになって、陰性だと思っていたから接したけど、それが陽性だったということで、後から分かって院内に感染したというようなこともあります。
まずは、PCR検査に全幅の信頼を置くということもあります。事前にそういった形で減らしていく、感染に対して気をつけていくということもありますが、一番には自分がしっかりと感染予防する。それが、こつこつと予防していく。丁寧に予防していく。根気よく3密、手洗い、うがい、マスク、こういったことを気をつけていくことが大切だと思っております。コロナに対する検査キット、こういったことも重要であると思いますし、愛媛県とも連携をしながら、そういったところ、できるかどうかも踏まえて今後検討していきたいと思います。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 確かに、検査を受けて一旦陰性でも、またその後すぐかかる可能性だってあるわけで、PCR検査が万能とは言いません。
ただ、県外に行ってきて、そして万一かかってないかという不安の日々を、検査を行うことで一旦解消できるとか、いろんないい面があるわけです。そして、これをしないと封じ込めに至らないし、経済も同時に回すことができないということは、これまでも私の質問でも申し上げてきたことであります。
そしてまた、ワクチンの認可が下りたというニュースもありますが、それが直ちに全国民に打ちましょうとはすぐにはならないと思いますし、副作用の心配や効果の持続性などもまだまだ未知数です。コロナとの戦いは今後数年に及ぶかもしれません。県や国に働きかけ、一日も早く検査体制の拡充にかじを切るべきだと再度申し上げまして、次の質問に移ります。
大綱第2、福祉の充実を求めてということです。
1つ目は、生活保護についてお伺いいたします。
1つ目は、生活保護とはどういった制度ですか。どういった人が対象で、どういった扶助のある制度なのか簡潔に御説明ください。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
生活保護は、憲法25条、生存権の保障に規定する理念に基づき、生活に困っている全ての国民に対し、その困窮の程度に応じて、国の責任で健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、その世帯の自立を助けることを目的とした制度です。生活に困窮する方が、その利用し得る資産、能力、その他あらゆるものをその最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われ、最後のセーフティーネットとして位置づけられています。原則として、世帯ごとに適用し、国が定めている最低生活費の額に比べて世帯全体の収入が不足する場合に、その不足する分を生活保護費として支給します。
生活保護には、生活扶助や教育扶助など8種類の扶助があり、その世帯の状況に応じて国が定める基準によって支給されます。そのほか、臨時的一般生活費として、支給要件を満たしていれば、基準額の範囲内で被服費、家具什器費、移送費、入学準備金などを支給する場合があります。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 憲法25条に保障された国民の権利であり、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が保障されているということです。そして、生活保護法などに基づいて全ての国民に保障されているというところが大事なところだと思います。
市民の中には、こういった条件を知らないで申請をしないままでいる方がいるということが予想されます。基準額を少しでも下回れば、働いている方でも保護を申請でき、様々な扶助を受けられる場合があります。たとえ条件に合わなかった場合でも、社会福祉協議会と連携して支援を受けたり、ほかの支援制度の紹介をしたり、生活に困った市民が気軽に相談しやすい窓口にしていくべきだと考えます。
そして次に、生活保護を受給している方にはどんなケースがあるのか。原因等について、代表的な例を幾つか挙げてください。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
生活保護に至った主な理由としましては、入院により医療費の支払いが困難になったという事例が一番多く、そのほかには、少額の年金では生活ができなくなった。就労していたが、傷病等により働けなくなり退職してしまった。子供や兄弟などに援助してもらっていたが、援助がなくなったなどでございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 生活困窮に至るケースは様々人によってあると思いますが、今挙げていただいたように、入院とか年金不足そして援助がなくなったり、仕事をしていたけれども病気になったりして働けなくなったという様々なその方によっての事情があるわけです。働いていても営業がうまくいかなくなったり、非正規などの不安定な雇用で十分な収入が得られなかったりという場合もあったり、また家族の失敗で自己破産するしかなく、家を手放さざるを得なくなったという例も聞いております。
今、安定して暮らせている市民でも、将来突然のアクシデントなどで、誰もがもしくは自分の身内が困窮に陥る場合もあるということであります。そういう意味で最後のセーフティーネットとも言われる生活保護は、私のための制度でもあり、あなたのための制度でもある。みんなのための制度であるということです。
今、保護を受けることにちゅうちょする声を多く聞きます。そうではなく、困った人はちゅうちょなく申請しやすいものに改善していく必要があるのではと考えております。
次に、生活保護費支給の財源について伺います。
財源はどこから、全額国からなのか市からの持ち出しがあるのか、それについてお答えください。
○議長(石崎久次君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君) お答えします。
財源につきましては、保護費全体の4分の3は国から、残り4分の1のうち、居住地がないかまたは明らかでない被保護者に係る保護費や施設事務費については県から、その他は市の負担になります。また、市が負担する4分の1相当額については、地方交付税の算定基礎になります。
令和元年度の決算におきましては、保護費として被保護者に支給されたのが6億5,152万4,000円、財源としては国費4億8,310万5,000円、市費1億4,616万3,000円、その他となります。生活保護世帯は延べ3,658世帯であり、1世帯当たり月平均17万8,000円の支給となります。なお、これには生活扶助費だけではなく、医療費などを含めた額になります。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 保護費の4分の3が国費そして4分の1が市、ただし地方交付税で措置されるということだと思います。ですから、全額国からの費用であります。市の財政的にはあまり影響がないのであります。
一時期、生活保護を受けることをちゅうちょさせるような生活保護バッシングがありました。水際作戦などで申請をさせないような動きもあります。これは、憲法違反だと思います。お困りの市民の方は遠慮せず、基準を満たしている場合は全て申請していただくほうが地域経済にもいいと思います。生活保護の人は、貯金などでため込むよりも、日々の生活に使う場合が多いのですから、市の経済を回す意味でも、積極的に受給をしてもらい、市の経済に貢献してもらうべきだと思いますが、それについてどう思われますか。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
いわゆる生活保護費につきましては、このように国のほうからの補助ということではございますけども、なかなか補助につきましてもいわゆる国民の税金から来ておるものでございますので、そういった適正に使用されるべきものであると考えます。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 もちろん国の税金でありますので、適正な条件、基準を満たした人には全て積極的に受給してもらうべきだと思います。
次に、生活に困窮した市民で条件に当てはまる市民は誰でも気軽に相談しやすい環境をつくるべきだと思いますが、環境の整備について、課題についてどう捉えているかお聞きしたいと思います。
まず、面接室の改善です。
ある市民の方から、相談に行った際にフロア中に聞こえる声で自分のこれまでの身の上を話さなければならず、とても恥ずかしい思いをした。二度と行きたくないという声がありました。そういった声を幾つか聞きます。こういった面の改善についてどうお考えですか。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
今般の新型コロナ感染症対策として、相談室の換気を促すために窓をすかし、入り口のドアを開けておりましたが、難聴ぎみの相談者の場合、職員が大きな声を出す必要があり、プライバシーが漏れるおそれがあることから、12月からは、窓のない相談室で空気清浄器を稼働させることによりドアを閉めて相談業務を行っております。
さらに、窓がある相談室は目隠しフィルムを窓に貼るなど、改善を講じております。
気軽に相談、来所ができないことが原因で支援を必要としている方に不利益が生じないよう、さらなる環境整備に努めてまいります。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 ある方は、警察の取調室みたいという声もありました。あそこに行くのがちょっと嫌だという意見があります。コロナ感染防止という観点で閉め切るのが難しいということで空調を入れていただいたということですが、プライバシーにも配慮し、なるべく話しやすい面接室になるように、さらなる改善を求めていきたいと思います。
次に、人員体制ですが、対応する職員について十分に配置がされているのか。負担がかかっていないかなどについてお答えください。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
生活保護ケースワーカーの所員の定数については、社会福祉法等の規定により、市の設置する福祉事務所にあっては、被保護者世帯数80世帯につき1人とされています。当市の被保護世帯数は、11月末現在で270世帯、ケースワーカーは医療担当者を含め5人体制となっております。ケースワーカー1人当たりの平均担当世帯数は54世帯となり、現在のところは基準を満たしており、新規相談にも十分対応可能と考えております。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 職員の方の入れ替わりが激しいという声も聞いております。職員の中には大きなストレスがかかる場合もあるかもしれませんので、過重負担とかメンタルにも配慮が必要かと思いますので、その点も御配慮いただければと思います。
次に、ケースワーカーの態度についてですが、訪問の際に大きな声で言われたとか高圧的な態度があったというような声も聞きます。そういうようなケースワーカーの態度についての改善を求めたいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
ケースワーカーの態度、資質として、生活保護法等の法令を遵守すること。常に公平公正でなければならないこと。実態を把握し、事実に基づき必要な保護を行うことなどが必要とされています。憲法で保障されている制度実現のために、ケースワーカーは、単に被保護者の相談相手にとどまることなく、被保護者が自力で生活を立て直していけるよう、見守り、指導、指示する必要があります。今後とも生活困窮者に対しては、相談者の心情に寄り添った対応ができるよう心がけてまいります。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 受給者や相談者の中には、時に大きな声で感情的になる人がいるかもしれませんが、そういった方に対しても、大きな声でどなり返したり、上から押さえつける対応が果たして正しい対応なのかどうか疑問に感じます。そういう人にこそ、落ち着いて理論的に話し、説得するべきではないかと思います。
そして、そういう一部の人以外は、大抵はおとなしい人が多いという印象を持っておりますので、人権に配慮し、そしてその人一人一人の状況に寄り添って、公平な観点ももちろん必要ですが、一人一人の条件に寄り添いながら対応していただきたいと思います。
次に、通知書類の改善をというテーマでございます。
こういう事例がありました。
ある保護受給者の方から、昨年10月、消費税が10%に上がった際に、所得が低い高齢者に、生活を支援するため、年金生活者支援給付金が支給されました。保護受給者にも通知が行き、通常の年金に上乗せして支給されました。
しかし、保護受給者は支援の対象外のため、後日上乗せされた分を全額保護費から引かれて支給されました。そういったことを知らずに、年末にお金が要るときに助かったと先に使ってしまい、後から引かれた保護費ではどうやって過ごせばいいのかと苦悩する声が寄せられました。
これは、直接福祉課の責任ではないかもしれませんが、年金生活者支援給付金、これが支払われた場合、どういった事態が想定されるのか想像がつくはずです。市から保護受給者へ通知の際に、これは後から引かれますよと注意喚起をするとかそういった配慮を願います。
また、冬期加算については、通常より何円プラスなのか。市からの通知が分かりにくいという声も聞こえております。こういった市からの通知にその方に配慮した一言を付け加えるとか、国の支援制度で直接福祉課の担当でない制度でも注意を促すとか、もう少し親切な通知の仕方を工夫できないものかと思いますが、これについていかがでしょうか。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
現在の状況として、被保護世帯の収入については、変動があった際に収入に関する申告義務があり、その申告を基に収入を認定し、毎月保護費の決定を行っております。被保護者からの収入申告に対し、収入認定の対象か否か、収入認定額、認定の時期などについて窓口や電話等で説明し、計画的に保護費を活用していただけるよう努めているところです。
今回の年金生活者支援給付金など、特別な制度変更の際には、通知文書に加え、必要に応じて説明文書を添付するなどして、伝わりやすい方法を工夫していきたいと考えます。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 先ほどの支援金についてとか、後ほど困る方が出ないように、そういった工夫をしていただきますように重ねてお願いいたします。
次に、コロナが要因でこれまでは普通に暮らしていた市民が困窮する可能性が出てくると思います。コロナが原因で保護関連で相談に来られる場合、どのような対応をするお考えかお答えください。
○議長(石崎久次君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君) お答えします。
原因は何であっても、対応としては同じようにはなるわけですけれども、まず都市部では生活保護申請者が増えているとの新聞報道もございましたが、当市では、本年4月から11月末までの相談件数は全数で25件、そのうち保護を開始したのが14件です。昨年の同期間と比較しますと、相談が22件、そのうち保護開始が20件であり、内容的にも今年はコロナの影響で増えているといった状況ではございません。
生活困窮で相談に来られた方で、生活保護の適用には至らない方には、緊急小口資金や総合支援資金の説明に併せて、賃貸住宅の方には住居確保給付金制度も御紹介し、該当になりそうな場合は必要な書類をお示しするとともに、申請窓口である八幡浜市社会福祉協議会におつなぎをしております。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 今のところ、コロナの影響での保護申請は増えていないというお答えですが、今後増えてくることも予想されますし、今、社会福祉協議会につないでいるものが防いでいる可能性もありますので、そちらが切れた場合にまた増えてくることも予想されます。
それから、国からの通知で、コロナ禍で困窮に陥った場合に、自立のための資源である車や家などはコロナが過ぎれば立ち直る資源であるので、こういった車や家については、一般の生活保護に対応するような形ではなくて柔軟に対応するようにという通知も出ていると思います。十分な配慮と柔軟な対応をお願いしたいと思います。
本日、様々見てきたとおり、生活保護は誰もが将来陥る可能性のある最後のセーフティーネットであり、命を救う最後のとりででもあります。あした食べる物もないといった追い詰められた人が、こういった制度の支援を受けられることを知らずに死に至るケースも全国で報道されていますが、こういった人が一人でもいないように、困った人がちゅうちょなく申請に来れ、必要な人全てに支給が行き渡るよう、本日指摘した改善点にもさらに取り組んでいただきまして、生活保護法の本来の趣旨に沿った改善をお願いいたしまして、次に移りたいと思います。
3つ目には、補聴器の公的支援について質問いたします。
今議会に、加齢性難聴者への補聴器購入に対する公的補助制度創設を求める請願が出されました。全員協議会で賛同が得られて、本議会で正式に可決したら、国に対して意見書が送られるという見込みです。その内容につきましては、加齢性難聴は日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするだけでなく、鬱や認知症の危険因子になることなどが指摘されております。
そして、日本の補聴器の使用率は、欧米諸国に比べて低い。イギリス47.6%に対して、日本は14.4%ということです。この背景は、補聴器の価格が片耳15万円から30万円と高額であるということです。補聴器の保険適用がないために、全額自己負担となっているということがあると思います。聴覚障害者である高度、重度難聴の場合には、補装具費支給制度により負担が軽減され、中等度の場合には、購入後に医療費控除を受けられるということになっています。
しかし、実際には約9割の人が自費で購入しているということで、特に低所得者への配慮が必要だと思います。
この制度ですが、現在紹介した2つの制度、現在八幡浜市で利用できている人はどれくらいいるのかお答えください。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
現在の制度ですが、いわゆる障害者総合支援法の規定に基づき、身体障害者手帳を取得された聴覚障害者を対象に、補聴器の購入費用を支給する制度となっております。助成額は、補聴器の種類ごとに異なり、およそ3万6,000円から12万円程度を支給しており、課税世帯においては1割負担で、非課税世帯は自己負担なし、助成額の上限を超える場合については自己負担となっております。
支給決定件数と金額についてですが、昨年度は13件、92万3,044円、今年度は12月1日時点で11件、75万1,092円の支給決定を行っております。
次に、補聴器の購入費用に係る医療費控除についてですが、平成30年度から正式に控除の対象となりましたが、補聴器を購入した方が全員対象となるわけではなく、医師が治療の過程で直接必要と判断され購入した場合に限られており、当市の税務課で確定申告等を受け付けた中では、該当者はいませんでした。
以上です。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 中等度の方の医師が判断した基準というのはあるんでしょうか。どういった方が、何デシベル以上の方とかそういう基準値がありましたらお示しください。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
補聴器が診療等のために直接必要か否かについては、診療等を行っている医師の判断に基づく必要があるとなっており、一般社団法人の耳鼻咽喉科学会が認定した補聴器相談医が、補聴器適合に関する診療情報提供書により、補聴器が診療等のために直接必要である旨を証明した場合については、当該補聴器の購入費用が医療費控除の対象となります。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 非常に分かりにくいなっていう印象を受けますので、医師の判断などで受けられる受けられないというのが変わってくるのかなという気がしますので、こういったことに対しての公的補助がますます必要だなと思います。
現行の2つの制度、現在市民への広報についてはどのように工夫されていますでしょうか。
○議長(石崎久次君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野久志君) お答えします。
周知方法につきましては、身体障害者手帳交付時に窓口にてパンフレットを配布し、補装具費支給制度の説明を行っております。補聴器の購入費用に係る医療費控除につきましては、医師が治療の過程で直接必要と判断され購入した場合のみ控除を受けることができるため、対象者はかなり限られると思いますが、なお周知に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 せっかくある制度ですので、市民に広く知らせるように、あらゆる機会を通じて周知していただきたいということ。あと、民生委員さんなどにもお知らせいただければと思います。
3つ目に、国に対して今回は請願そして意見書を出すというような流れになりますが、国の制度ができることを待たず、市独自で支援策を検討してはどうかということであります。軽度であっても補助器具の購入を何割か補助するといった制度を検討してはいかがか。また、低所得者への配慮も必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(石崎久次君) 市長。
○市長(大城一郎君) 両耳の聴力レベルが40デシベルから70デシベル未満の場合などの中等度の難聴者については、身体障害者手帳の交付対象とならないため、その数を把握はしておりません。また、現行の制度以上の市独自の支援は、今のところ考えておりません。
しかしながら、加齢に伴い難聴の高齢者が増えてきているということは全国的な問題でもあり、現在国において、2018年度から3か年計画で聴覚障害の補正による認知症機能低下の予防効果を検証するための研究を進めているところです。このような状況を踏まえ、今後国の研究結果及び近隣市町の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(石崎久次君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 私が調べた範囲では、現在、全国で20以上の市町で補聴器の公的補助を行っております。1つ例を挙げますと、これは東京都新宿区ですが、70歳以上の方で自己負担2,000円で現物支給、また静岡県長泉町では、65歳以上の方で非課税の方、購入費の2分の1、3万円を上限に補助をするなど様々、その自治体ごとに自治体の条件に合わせて工夫しているということです。こういったことも参考にしながら、ぜひ御検討いただきたいと思います。
誰もが年齢が上がると、程度の差はあれ、聴覚の衰えは出てくると思います。そして、耳から入ってくる情報が減ることが、脳の機能低下や鬱、認知症につながるのではないかということが言われております。これを補助する補聴器、もっと中程度の段階から使えるようにして、高齢者の社会参加や再雇用を支援する必要があるのではないでしょうか。健康寿命の延伸、そして元気に生き生きと暮らすお年寄りを支援することで、ひいては医療費の抑制にもつながるとの指摘があります。ここにおられる方々もいずれは年を取り、補聴器のお世話になる方も出てくると思いますし、御家族に必要な方もおられると思います。財政的な問題はあると思いますが、社会参加を支える仕組みをつくることは、高齢化率の高い当市においても大変喜ばれる制度になると思います。他市の例を参考に、ぜひ御検討いただきたいと思います。
以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。