一般質問(一問一答方式) R3.6 遠藤綾 議員

公開日 2022年01月13日

〔遠藤 綾君質問席へ移動〕

 

○遠藤 綾君  私は、一般質問通告書に従い、大綱2点について質問いたします。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
 大綱第1は、樋口英明著、私が原発を止めた理由から学ぶ原子力発電の未来についてであります。
 4月28日、福井県の杉本達治知事は、運転開始から40年を経過した関西電力・美浜原発3号機と、高浜原発1・2号機の再稼働に同意することを表明しました。
 福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めたルールの下での初めての特例20年延長となりました。ただ、3基ともテロ対策施設の建設が遅れているために、仮に稼働しても、高浜1・2号機は6月下旬に、美浜3号機は10月下旬に設置期限を迎え、停止する見込みであります。
 菅首相は、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を掲げ、既存原発の活用を進める方針を示したことが、今回の延長の節目になったのではないかと推測できます。
 国は、2019年度に6%だった原発の発電比率を、2030年度に20から22%に引き上げるとしてきたエネルギー基本計画の目標を、今後も維持するとしています。
 今後40年の運転期限を迎える原発が相次ぐ中、原発の延命がなし崩し的に進められるのではないかと危惧されます。
 原子力規制委員会から40年運転の期限を終え、運転延長を認められた原発は、関西電力の3基以外には、日本原電・東海第二原発のみであります。東海第二原発は、地元同意の手続は進んでいないという現状であります。
 老朽化が進む関西電力の3基の安全性や避難計画の実効性への懸念は解消されていません。
 関西電力役員らによる金品授受問題からの信頼回復もできていません。
 今回の福井県の杉本知事の同意表明は、県民の生命と財産への脅威など、様々な懸念を押し切って決断したもので、その政治責任は重いと言わざるを得ません。
 杉本知事は、使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の県外候補地を確定することを再稼働の条件としてきました。関西電力は、2023年度までの確定を約束していますが、その見通しは立っていません。
 電気事業連合会は、むつ市に建設中の東電・原電用の中間貯蔵施設を、電力各社が利用する共有化をむつ市に申し入れていますが、宮下宗一郎むつ市長は、反対を鮮明に表明しています。
 菅政権は昨年10月、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると打ち出し、今年4月には、2030年度に13年度比率で排出量を46%減らすと表明しています。
 また、政府は今年の夏、国のエネルギー基本計画の改定を予定しているということであります。
 2030年度の目標を、再生可能エネルギーを2019年度実績18%から、現在の目標値22から24%からさらに増やして30%台後半へ改定。また、火力、天然ガス、石炭、石油などは、19年度の実績は76%ですが、今の目標66%から40%近くへ減らす改定の予定です。
 一方、原発の発電比率は、19年度の実績6%を、20から22%の今のまま据え置くということであります。
 菅政権が掲げる温室効果ガスゼロの方針は、火力を減らし、再生エネルギーを増加させてはいますが、原発は現状9%からかけ離れた20から22%のままでこれを実現するには、老朽化原発を全て動かさないと実現しないという目標であります。
 現時点で、新増設、建て替えは想定していないと言いますが、自民党内では、新増設・建て替えを計画に明記するよう求める声も出てきているということです。
 この八幡浜市のすぐ近くにある伊方原発3号機は、あと13年で2034年に運転開始から40年を迎えます。今後、延長、建て替えなどという議論が出てくることも予想されます。
 福井県知事は、使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の県外候補地を確定することを条件にしていますが、見通しは立っていません。
 伊方原発は、今後1・2号機の使用済み核燃料を、乾式貯蔵施設に移す計画です。3号機で稼働後の使用済み核燃料はMOX燃料が含まれており、これは50年以上冷やさないと乾式貯蔵施設には入れられない、そういう危険性があります。行き場のない核燃料は、3号機プールにとどまり続けるか、その先の行き場はありません。
 延長、建て替えに対するこの市長の見解を伺います。
 少し先の話にはなりますが、今後そういった議論が出てきた場合、市長としてどのような立場を取るお考えでしょうか、個人的見解でも構いませんので、お答えください。
○議長(石崎久次君)  市長。
○市長(大城一郎君)  伊方発電所3号機の運転延長や建て替え等については、仮定の話になりますが、伊方原子力発電所周辺の安全確保等に関する覚書に基づき、国の規制委員会の審査、愛媛県の伊方原子力発電所環境安全管理委員会での議論や市民代表者、市議会議員の意見等を踏まえ、八幡浜市として意見を総合的に判断することになります。
 原子力発電は、基本的に国の施策に基づき推進されており、将来的には脱原発を目指すべきと考えております。
 先般も政府の成長戦略案において、原子力発電に係る表記が、可能な限り依存度を低減しつつも、安全性向上を図り、引き続き最大限活用していくから、可能な限り依存度を低減しつつ、国内での着実な安全最優先の再稼働の進展と変更され、最大限活用という言葉が消えたことについて大きく報道がなされていました。
 原子力発電自体は国策の中で位置づけられているものであり、当市としては、原子力発電の可否といった大きな問題は、国政のより広い場面で議論していただくことであると思っております。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  13年後ということで、少し先ではありますけれども、そういう40年が目の前に迫ってきたときに、これは四電が延長ということを言い出す可能性はあると思います。
 国も20から22%という目標を下げようとしておりませんので、延長を言い出す可能性はあると私は思います。
 そのときに争点になってくる話ではありますが、やはり自治体の長として、こういう可能性が出てきたときに、自分としてはどう考えているかという立場を表明すべきではないかと私は思います。
 市民の生命、財産を守るのが自治体の役目ですので、私はぜひ反対をしていただきたいと思っております。
 それで、タイトルにもありますが、樋口英明氏という方、2014年5月21日に福井地裁において大飯原発の運転差止めの判決を出した裁判長ですが、この方が今年の3月に本を出版されまして、私が原発を止めた理由というタイトルであります。
 これを読ませていただきまして、私が印象に残っているのは、その判決の言渡しの当日、被告側の関西電力の弁護士は一人も姿を見せなかったというところです。
 樋口氏は、訴訟の当初から、大飯原発が危険だと思ったら止める、思わなかったら止めないと宣言し、一貫してその立場で訴訟を進めてきました。
 住民の原告側にも、被告側の関西電力にも厳しい態度で臨んできたので、原告側は最後の瞬間まで勝つか負けるか分からなかったはずですが、関西電力側の弁護士は、原発が危険かどうかで判断されたら負けると思っていたから出席しなかったのだと述べておられます。
 そして、そのほかその本の中でも特に強調されていたのが、福島第一原発は1・3・4号機は水素爆発があったが、これらは格納容器の外側の建屋が爆発し、結果的に圧力を抜くことができて大爆発にはつながらなかった。しかし、2号機は建屋の爆発はなく、電源も喪失されていたため、ベントと呼ばれる圧力を抜くこともできず、格納容器の爆発が迫っていた。もし2号機の格納容器が大爆発をしていたら、東日本が壊滅となっていたかもしれないと、当時所長だった吉田所長がおっしゃっていたということです。
 しかし、格納容器のどこかに脆弱な部分があり、実際は奇跡的に圧力破壊による大爆発には至りませんでした。
 また、4号機は定期点検中で、格納容器の隣のプールに使用済み燃料が入れられていましたが、全電源喪失によりプールの循環水の供給が停止、水が干上がることにより放射性物質の大量放出が危惧されていました。
 しかし、シュラウドという核燃料を入れる箱のようなものを交換する必要があって、ふだんは張られていない水が隣接する部分に水が張られていた。本来あってはならないことですが、原因が不明ですが、この間を仕切る板がずれて水が流れ込み、奇跡的に危機を免れた。本来は3月7日には水を抜いているはずだったが、これが残ったままだったことで危機が免れたということです。
 そして、このたまたま流れ込んだ水も、いつか蒸発してなくなる予想がありました。4号機の建屋で水素爆発があり、使用済み燃料プールの天井が吹き飛んだことによって天井がなくなり、東京消防庁の放水車で水を入れることができ、危機は避けられたということであります。
 両方とも偶然のたまたまそういうことで大爆発が避けられたということで、2号機、4号機が爆発していたら、30キロ圏だけではなく、東京のほぼ全域、横浜市の一部を含む250キロ圏にも汚染が発生する可能性があったということです。これは、当時の原子力規制委員長の近藤駿介氏が語っていたということです。
 そのほかにも、原発の耐震性が低い伊方原発は、650ガルの設定で、最近は1,000ガルにも耐えられると言っていますが、日本で観測された最も強い地震は、揺れの加速度4,022ガルというのがあります。そして、700ガルを超えた揺れ、2000年以降は日本で30回起こっています。ですので、耐震性も十分ではないということです。
 原発建屋、原子炉は1,500ガルでも壊れないでしょうが、実際に大変なのは、配管が壊れたときであります。配管が壊れれば水の供給ができず、メルトダウンそして大爆発につながるということです。
 この本に書かれていた幾つかの点で、原発は非常に危険なものであるという警告をしていて、それを理由に樋口氏は止めたということで主張されています。原発は決して安全とは言えないということを警告しています。
 ですので、原発は延長などもってのほかで、期限が来たら廃炉にする、そのことを強く私は訴えたいと思います。
 原発の質問は以上であります。
 では、第2綱に移ります。誰もが気軽に外出できるまちづくりについて質問いたします。
 現在、公共交通に偏りがあり、住んでいる場所によって市役所や病院、図書館などに行くのにかかる費用に差があり過ぎるのではないか、不公平ではないかという声が一部であります。
 今回は、誰もが気軽に外出できるまちにするためにというテーマで考えてみたいと思います。
 1つ目は、外出支援事業の対象範囲の見直しと助成券が使いづらいという声についてであります。
 まず最初に、高齢者外出支援事業について伺います。
 現在当市では、高齢者外出支援事業として、65歳以上の者のみで構成している市民税所得割非課税世帯に属する75歳以上の方に、タクシーやバス、船舶で使用できるチケット(助成券)を支給し、市内のみでの利用を条件に年間1万3,200円分のチケットを支給しているということであります。
 この高齢者外出支援事業について、直近の利用の実績について伺います。
○議長(石崎久次君)  保健センター所長。
○保健センター所長(久保田豊人君)  八幡浜市における令和2年4月1日現在の75歳以上の人数は7,257名で、令和2年度中の高齢者外出支援事業助成券発行数は1,534名分となっており、全75歳以上のうち21.1%の方が利用している計算となります。
 なお、1人当たりの助成券使用率は約60%となっております。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  高齢者支援事業の対象者が、この65歳以上で構成している市民税所得割非課税世帯に属する方で75歳以上という条件ですが、これに当てはまる人が何人であるかということを税務課に確認したところ、当てはまるのは令和2年度で5,500人と伺いました。
 実際に申請した人は1,534人ということで、二十数%かと思いますが、条件に合うのに申請していない数が少ないと思いますが、この理由はどういうものが考えられますでしょうか。
○議長(石崎久次君)  保健センター所長。
○保健センター所長(久保田豊人君)  今ほど言いました5,550人というふうな方は、御本人が所得割非課税という方でございまして、仮に単身者であれば該当するかと思われますけども、御本人が例えば非課税でありましても、世帯員が例えば課税であったり、あるいは65歳未満の方と同居されている方など、それからもちろん御本人の意思でございますので、申請されてない方などもおられるかと思いますので、その意味では実態とはちょっと違うかというふうには思っております。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  そういう同じ世帯に住んでいる方が対象外であるという場合に申請できないという可能性があるということです。
 対象者が全員申請するわけではないと思いますが、本当は必要なのに、このことを知らなくて申請していない、そういう人がいないように、周知を徹底していただきますように要望したいと思います。
 次に、各交通機関ごとの実際に使用した人数、金額についてお願いします。
○議長(石崎久次君)  保健センター所長。
○保健センター所長(久保田豊人君)  令和2年度の実績で申しますと、タクシー券が1,159名、890万6,150円、バス券が337名、257万9,900円、船舶券が38名、38万6,230円の計1,534名で、助成額は計1,187万2,280円となっております。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  ある市民から、息子さんと同居の75歳以上の高齢者で、チケットを申請しましたけれども、息子と同居の場合、この助成券は対象外と言われたと。しかし、息子は単車のみしか持っていなくて、車を持っていないため、この方は外出が不便である。息子と同居だと対象外というのは不公平ではないかという声が私の下に寄せられました。
 実際にこの方は独居でなければ対象外なのか。条件を見ると、そういう条件はないと思いますが、この方が対象外だった理由はどういう理由が考えられますでしょうか。
○議長(石崎久次君)  保健センター所長。
○保健センター所長(久保田豊人君)  高齢者外出支援事業の助成対象につきましては、市内に住所を有する65歳以上の方のみで構成されている市民税所得割非課税世帯に属する75歳以上の方となっておりますので、条件を満たしておられれば複数世帯の方でも対象となります。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  ということは、この方は息子と同居だからもらえなかったのは不公平ではないかとおっしゃっていますが、ちょっと違っていたということになります。
 この高齢者支援事業という名前がついていますけれども、実際に使える対象者の範囲は、先ほど来言われております65歳以上のみで構成している市民税非課税世帯に属する75歳以上の方という条件でありますが、この対象は非常に狭いのではないかと思います。
 この事業の名前が高齢者外出支援事業となっているので、高齢者であれば誰でもがこの支援が受けられると誤解して申請しようとしますが、事前に対象外と言われ、この方のようによく理解してないのかもしれませんが、不公平であると感じている方もいるのではないかと思います。
 現在の申請数は、全75歳以上の高齢者の約20%ということであります。高齢者外出支援事業という名前にふさわしい制度として、対象を高齢者全体に広げたらどうか。例えば75歳以上の高齢者全体に広げた場合、予算はどれぐらい必要になるんでしょうか、お願いします。
○議長(石崎久次君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君)  お答えします。
 所得制限等をなくし、75歳以上の方全員を対象とした場合、令和3年4月1日現在7,245名が対象となり、仮に全員に1年分の助成券を支給し、現行の使用率60%で算出した場合、5,600万円程度の予算が必要となり、現在より4,400万円程度の増額となります。
 財源の観点からも、また必要性の観点からも、所得制限は維持すべきと考えています。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  75歳以上の全員を対象としたとしても、実際には高齢でも車を運転している人もいれば、外出に便利な地域に住んでいたり、家族に乗せてもらえる条件がある方など、実際には必要としない方もいると思います。
 そして、申請しても、先ほど来言われてますが、60%ぐらいしか使わないということで、使い切らない人もいるということです。
 一方で、市民税非課税世帯ではないが、高齢で車を持たない世帯で、通院や買物のたびにタクシーを使わざるを得ない方で、経済的負担を感じ、不公平感を持っておられる方もいます。
 市民の中には、あの人は使えるのに私は使えないというのは不公平ではないかという声もあります。
 75歳以上の方で助成券が欲しいという方には、全員に渡したらいいのではないでしょうか。そして、どんどん市内をバスやタクシーで移動していただき、市内の経済を回してもらったらよいのではと思います。
 当市は高齢化が進む中、条件を枠を広げて車のない高齢者にぜひ外出してもらう、そういう券としてこの制度を見直していくべきだと思いますが、再度どうでしょうか。
○議長(石崎久次君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  どの程度までこの制度を広げるかという質問ですけれども、基本は制度設計のところに立ち返ってくると思います。75歳以上の方全てに、希望者全てに配るというのが適当なのかどうかというのは議論の分かれるところがあると思いますので、現在の所得制限をつけながら、なおかつ同居で運転できる世帯の年齢層の人がいる場合には、その世帯を外していくのも一つの合理的な考え方ではないかと思います。
 財源が今後ますます制約されていく中で、基本的に単費、少し国費もありますけど、単費で運営していますので、これからの厳しい財源が予想される中で、大きい意味で制度設計をどうするかということについては、今の意見を踏まえながら考えていきたいと思います。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  75歳全員というのは難しいかもしれませんが、所得割をもうちょっと緩めるとか、条件を緩やかにするとか、その中で使いたい人をなるべく使わせていってあげてほしいというふうに再度再検討をしていただきたいと要望をお伝えしたいと思います。
 次に、高齢者外出支援事業の助成券の使い勝手が悪いという意見が寄せられています。
 助成券は、タクシー・バス・船舶の以前はどれか1つを選ぶものでしたが、現在はどれでも使えるよう緩和したということです。以前よりは使いやすくなったと声を聞きます。
 しかし、ほかにも1回の外出でタクシーは550円分しか使えないので、市内から保内の友達の家に行くときなど、ちょっと遠方に行くときには足りない。お金がかかる遠方は行くのを諦めることがある。チケットの範囲内でこの使える上限額を上げるなど、もう少し自由に使わせてくれないかという声が寄せられておりますが、これに対してはどうでしょうか。
○議長(石崎久次君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君)  お答えします。
 この助成制度は、合併前の旧八幡浜市で実施されていたものを、合併時に旧保内町にも拡大したもので、同様の事業は県内20市町の中でも、西条市ほか数市町でのみ実施されているものです。
 助成方法や助成額については、申請時に希望する乗り物を選んでいただき、その乗り物でのみ使用可能な助成券を支給するなど、これまで合併当時から大きく変わっておりませんでしたが、先ほど議員もおっしゃったように、今年度よりタクシー・バス・船舶のいずれでも使用可能な共通券とし、またタクシーについては、1回につき550円の固定助成でございますが、特に乗合タクシーにおいては、550円を上限とすることで、400円程度で使用できる乗合タクシーも使用可能とするなど、利便性の向上を図っております。
 また、この事業につきましては、交通費の負担軽減をという趣旨で創設されたものではなく、第1には、外出のきっかけづくりを目的とした事業になっております。
 1回の利用上限額等を増やすことについては、現在のところ予定をしておりませんが、利用者の御意見なども参考にしながら、今後の検討課題とさせていただきます。
 以上です。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  私のところに届いた意見では、その方はふだんは近所に行くには自転車で出かけていると。ただ、旧八幡浜市内から保内の友人宅へ行くときにはタクシーを使うと。今タクシーの初乗りは590円ぐらいで、その友人宅までは2,000円弱かかるということです。お金がなかなかないので、行く機会が減っているということで、タクシー券で行ける距離をもう少し延ばしてほしい、550円では足りないということです。
 550円だと初乗りですので、もう少し1,000円とか1,500円とか、上限額を上げて自由に使えるようにしたらいいのではないかと思います。
 例えば片道1,000円とすると、自費でプラスアルファで往復2,000円分のチケットを使うとしたら、その人はそのチケットで6回友人のところへ行けるということになります。
 逆に保内から旧八幡浜市内というか、市内も同じです。
 市内のちょっと遠く、タクシーの1,500円程度のところへ行けるあたり、そういうところにも行きたいと。市内の遠方の友人にも会いに行きたいというこういう応えにぜひ応えてあげていただきたいのですが、どうでしょうか。
○議長(石崎久次君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  今のお話をお伺いしている中では、市内の方が保内の友達のところに遊びに行きたいということですけれども、その場合に公費でどのくらいその方の思いをただにすべきなんか。500円だけは公費で見てあげますというのがいいのか、それを考える必要があるのかなと思います。
 何でもかんでもただというわけにはいきませんので、そのとおり今遠藤議員言われたように、今550円のやつを650円にするか750円にするかみたいなレベルでの改正はあり得るのかと思いますけれども、基本的には高齢者といえども自分の所得の中で自分で考えて今日は保内の友達のところへ行こう、明日は大洲の友達へ行こう、あさっては松山の友達のところへ行こうとか、いろんな要望はあるわけですが、この中で役所がその部分のどの程度の部分を見るべきかみたいなことを基本的に判断して、現在の550円というのが、そもそもその頃の初乗り運賃だったかもしれませんけれども、決め方をしていますので、ある一定のエリアを越えていく場合に、どの程度まで役所の税金でそれを負担するべきかということについては、少し議論があってもいいのかなと思います。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  このチケットの全額は1万3,200円ということですので、このチケットの中でその方がどのように使うか、ある程度自由性を持たせて、その方の行きたい場所に行けるようにしてあげるのがいいんじゃないかと思いますので、公費でどこまで見るのかという。1万3,200円は公費でその方の自由に使えるようにしてあげてほしいということなんですけど、それについてはどうですか。
○議長(石崎久次君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  先ほど市民福祉部長がお答えしましたように、基本的には外出のきっかけづくりなんです。外出しようとするものの外出のお金を全部見てあげますよという趣旨でこれを支援しているわけではありません。その550円があるから、ちょっと遠くになるけれども自分の負担は500円ぐらいで済むから、バスでもちょっと長距離乗ると500円行きますんで、そういうことでこの550円があるんできっかけになるんだということになればそれはそれで一つの意義のある形かなと思いますので、給付している全額が個人の勝手に何でもいいから1回1万3,000円使って例えば遠距離を往復したらそれで終わってもそれでもいいんだということが本来のこの給付している趣旨に合うのかどうかについては、議論が分かれるのかなと思います。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  この制度ですが、私の母である遠藤素子が議員のときに一般質問で、どこに住んでいても誰でも図書館や町なか、気軽に外出できるようにすべきであると。中心部の人ばかりが便利なのでは駄目だという質問をする中で、当時の高橋市長でありましたけれども、そのときにできた制度だと聞いております。
 現在の高齢者外出支援事業は、その趣旨から比べるとちょっと違っているなというふうに思います。使える方が所得によって狭められているということ、そしてタクシーは初乗りほどしか使えないように制限がされているということで、現在実際に使用されている方の率は、申請者の6割程度しかないと言いますが、もう少し使いやすいように市民の声が寄せられていますので、改良して全額に近いぐらい使い切れるように制度を見直していくべきだと思います。ですので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 次に、重度障害者・障害児外出支援事業について伺います。
 この件の事業の概要と要件、実際の対象者、全体の人数、申請数、実際に助成券を発行した人数や割合、使用した金額についてお答えください。
○議長(石崎久次君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(松本有加君)  事業の概要は、障害者の社会参加の促進、在宅福祉の増進等に寄与することを目的に、在宅の重度障害者に対し、市内のタクシー、ハイヤー、乗合バス及び船舶の利用料金の一部を助成しており、高齢者外出支援事業と同様、年間1万3,200円分を上限に助成券を交付しております。
 対象者は、身体障害者手帳1級及び2級のうち、下肢・体幹・移動機能・視覚の障害がある方、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1・2級の手帳を所持している方で、施設入所や高齢者外出支援事業により助成券の交付を受けている方は対象とはなりません。
 対象者数は、令和2年度末時点で1,210人、助成券を申請された方はこのうち約4割の449人で、令和2年度の利用額は256万8,470円で、5割弱の利用率となっております。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  障害者外出支援事業は、割引があるとはいえ、こちらもタクシーの上限額がありますので、こちらも例えば高齢者外出支援事業が見直されるのに合わせて変更してもいいのではないかと思います。こちらも併せて御検討いただければと思います。
 次に移ります。バス路線がなく、乗合タクシーもない地域が現在あります。こういう地域をどうするのかという質問です。
 まず1つ目に、乗合タクシーは、最初地域限定で試験的に始まったと記憶していますが、現在市内で運行している乗合タクシーの始まった時期、対象地域、世帯数はどうなっていますでしょうか。世帯数に変化はありますでしょうか。
○議長(石崎久次君)  政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君)  まず、乗合タクシー事業の始まった時期と対象地域ですが、平成25年11月に中津川、若山、釜倉地区、平成27年12月に津羽井、高野地、古谷地区、そして昨年令和2年4月に保内町川之石、宮内、清水町地区へそれぞれ導入しました。
 次に、導入した年と現在の世帯数ですが、中津川、若山、釜倉地区においては、平成25年3月末時点で509世帯、令和3年3月末で485世帯、津羽井、高野地、古谷地区においては、平成27年3月末時点で187世帯、令和3年3月末も187世帯、保内町川之石地区、宮内、清水町地区においては、令和2年3月末時点で1,680世帯、令和3年3月末で1,669世帯となっています。
 津羽井、高野地、古谷地区の世帯数は導入時と変わっていませんが、そのほかの地域では若干減少している状況です。
 以上です。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  それでは、利用実績について伺います。
 それぞれの利用人数や金額、その実績に変化はあるかなど伺います。
○議長(石崎久次君)  政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君)  まず、中津川、若山、釜倉地区の利用実績ですが、運行開始直後の平成26年度が、運行便数607便で、利用人数は延べ1,194人、タクシーの運行委託料は約121万円、直近の令和2年度が運行便数684便で、利用人数は延べ1,545人、タクシーの運行委託料は約155万円となっており、運行開始時に比べて便数、利用人数、委託料とも増加しています。
 次に、津羽井、高野地、古谷地区では、運行開始直後の平成28年度が運行便数350便で、利用人数は延べ591人、運行委託料は約59万円、直近の令和2年度が運行便数214便で、利用人数は延べ490人、運行委託料は約46万円となっており、運行開始時に比べて便数、利用人数、委託料とも減少していますが、これは令和2年度から津羽井と高野地、古谷それぞれから出発していた路線を統合した影響によるものです。
 次に、令和2年度から導入した保内町川之石、宮内、清水町地区では、運行便数949便、利用人数は延べ2,308人、運行委託料は約246万円となっています。
 今後の課題については、運行を担うタクシー会社の人員不足により、地域や規模の拡大が難しいという点が上げられますが、現在導入している地域においては、時折増便や停留所の増設などの要望はありますが、利用者からおおむね好評をいただいており、順調に推移しているものと考えています。
 以上です。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  利用者も増えている地域もあり、拡大の要望もあるということで、課題はタクシーの人材不足という面もありますが、好評しているということであります。
 現在、市内のバス路線のバス停からある程度離れているなど、公共交通機関がない、そして乗合タクシーもない地域、これはどのくらいありますでしょうか。
○議長(石崎久次君)  政策推進課長。
○政策推進課長(垣内千代紀君)  乗合タクシーのほか、NPO法人によるデマンドバスが運行している日土地区、診療バスが運行している磯津地区を除きまして、公共交通機関のないいわゆる公共交通空白地域は、行政区単位でいえば現在16か所あります。
 例えば千丈・川之内方面では南裏、古藪、末広、上郷など、五反田方面では上大峠、国木、牛名など、双岩方面では谷、横平など、そして保内方面では鼓尾、両家、枇杷谷がこれに当たります。
 以上です。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  16か所あるということで、結構多いなという感じがします。
 バス路線まで離れた地域に住む方で、車を持たない方、高齢のため車を手放した高齢者が、外出機会が減り、利便性の面でも、健康寿命を延ばすという意味でも、この空白地域に対して早期に改善しなければならないと思いますが、今言われたようなこういった地域、今後どうするお考えでしょうか、お答えください。
○議長(石崎久次君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 先ほども申し上げましたとおり、これまでバス路線が廃止になった地域を対象に、順次乗合タクシーを導入してまいりました。
 この制度は、利用者からの予約に応じて、予約があった便のみを運行するため、コストパフォーマンスがよく、地域住民からも高い評価を得ていますが、委託業者の運転手不足が深刻化するなど、これ以上の導入は難しい状況となっております。
 また、当市には国土交通大臣表彰を受賞されました「にこにこ日土」のような全国的に注目されている先進事例もありますが、担い手や運営面の負担を考えると、他地域への導入は難しいというのが実情です。
 こうしたことから、今のところ明確な対応策は決まっておりませんが、全国各地で実施されている事例なども参考に、場合によっては経費と実際の利用状況なども調査し、せっかく導入しても、予算を使って空気を運ぶだけのことになってもいけませんので、それぞれの地域の実情に合った方法について引き続き検討をしていきたいと思っております。
 以上です。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  どの地域に住む方も同じ税金を払っています。どこに住んでいても病院やスーパー、役所、図書館や文化センターなど公共施設へ行くのに気軽に外出できるように公共交通を整備するのが市の役割ではないかと思います。
 実際今お答えになったように、担い手不足や運営の方法など難しい面があるというお答えですが、さらに地域の実情をよく聞いて検討を進めていただきたいと思います。
 次に、他市の公共交通の取組を参考にということで、幾つか紹介したいと思います。
 1つは、新潟県燕市の予約制乗合ワゴン車おでかけきららん号についてであります。
 こちらも予約制乗合タクシーのようなものですけれども、違うのは市が直接運営していて、市内を2つのエリアに分け、エリア内ならどこから乗っても同じ料金、そしてこの2つのエリアをまたぐ場合はもう一回料金が必要という仕組みです。
 バス並みの低料金でタクシーの便利さを自宅や出先から決められた範囲内の希望する目的地まで行ける予約制乗合ワゴン車ということです。
 利用料は大人、中学生以上が300円、小学生100円、未就学児は無料。運行日は月曜から金曜の7時から夕方5時まで1時間置きに運行して、1日10便となっています。
 予約は運行日の1週間前から当日運行1時間前まで、予約センターに電話をしてオペレーターに住所や目的地を伝える。利用する可能性のある人は事前の利用登録をして、運転手に足が不自由であるとか、その人の事情を伝えておくなどしておきます。登録は予約をスムーズにするという理由もあるそうです。
 この燕市のように全市民を対象にした予約制乗合タクシーを当市でもできないかという質問ですが、先ほどもお答えは既にありますが、これをもし実現するには何が課題となるというふうにお考えか。予算、他の公共交通との兼ね合い、仕組みづくり、担い手などあると思いますが、お答えください。
○議長(石崎久次君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  まず最初に、現在八幡浜市では、宇和島自動車と伊予鉄南予バスが路線バスを運行しており、仮に全市民、全市域を対象にした乗合タクシーを運行することになると、この路線バスと競合するため、バス事業者、そもそも現在も赤字がたくさん出ているわけですけれども、バス事業者の撤退につながる可能性はあると思います。
 また、運行を担うタクシー業者においては、先ほどもお話ししましたとおり、近年運転手を募集しても集まらないなど運転手不足が深刻化しているため、そもそもこの燕市の例にあるように、月曜日から金曜日まで朝7時から夕方5時まで1時間置きに、なおかつ運行当日1時間前までに予約すればオーケーだということは、実際運行する会社にとってはすごい負担になりますので、そもそもそれを担うだけの運行主体となる事業者があるかどうかも非常に懸念材料だと思います。実際になかなか大変だと思います。
 そこで、燕市の様子を電話でお伺いしたんですけれども、燕市のおでかけきららん号の運転に要する費用は、車両運行、配車システム、予約センターの運営費用などで年間4,000万円、そのうち市の実質負担は3,000万円ほどかかっているということでありました。
 現在、八幡浜市で実施している乗合タクシーの費用が合計で450万円、料金を差し引いた実質負担が350万円であることを考えますと、そもそも経費の負担というのは、お金さえ使えば立派なシステムはできるし、人が乗らない場合でもバスが走るというようなそういうこともあるわけですけれども、燕市の場合はデマンドですけれども、お金を使えばそれだけのことはできるということで、その事業費をどうするかというたら、基本的に大きな課題やと思います。
 逆に言えば、当市が現在やってるシステムは、非常にタクシー会社とも連携しながらコストパフォーマンスの優れたものを実施しているということもまた逆に理解いただけるのではないかと思います。
○議長(石崎久次君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  比較することで逆にこの八幡浜市の取組がどういうものかというのが明らかになって、コストパフォーマンスの面でも御苦労はされてるんだなというのが分かりました。
 ただ、この空白地帯をどうするのかというのは残るわけです。
 それで、各地で地域の公共交通を見直す動きが多く始まっています。地域の特性や既存の公共交通との兼ね合いなども考慮して、最もふさわしい公共交通の在り方を公募型プロポーザルで民間事業者に提案させる自治体も増えています。
 また、公募以外にも、市民参加型の検討委員会を開いて参加したい人は誰でも参加でき、様々な立場や年齢の市民、公共交通の当事者などにも、また金融機関などにも加わってもらって自由なアイデアを出し合い、市民が本当に望む公共交通の在り方とはどういうものか、どの地域からも町なかに出やすい公共交通をつくるにはどうすればいいのか、こういう検討するプロジェクトを立ち上げるという方法もあるのではないかと思います。
 当市でも公共交通の在り方を総合的に再検討する時期に来ているのではないかと思います。
 それで、現在高齢化と人口減少、また車社会ということで、当市の商店街など町なかのにぎわいが減っているという声もあります。
 また、以前は家からバス停まで距離があっても元気に歩いていけた方が、高齢になって足腰が弱ってバス停までも行けず家に閉じ籠もりがちになっているという話も聞きます。
 この2つのお困り事をつなぐのが公共交通だと思います。
 今は若い人で車を運転してどこへでも出かけられる人も、いつか年をとり、免許証の自主返納となったときにも、気軽に町に出かけられる、公共交通網が発達していれば外出の機会もふえ、健康寿命も延びるということになります。
 家に閉じ籠もって、ネットで買物ばかりではなく、町なかでお買物をして地域にお金を落としてもらう。ちょっと離れたところにいる友人にも気軽に会いに行ける、そんな八幡浜市にしていくためにも、今ある公共交通含めた総合的な見直しが必要なのではないかと思います。
 既存の民間公共交通との兼ね合いももちろんあると思います。今ある路線バスの車も生かしつつ有効に使える方法はないのか。これだけ各地で公共交通の見直しが行われるということは、これは全国的な課題であるということだと思います。
 ですので、国に対して、これまでのような民間事業者に赤字分の補助金を出すというやり方がこれまでずっと続いてきましたけれども、もっと地域の実情に合った公共交通の在り方を検討し、使い道を柔軟に使えるものに予算をしてもらえないかと、こういうことを要請していくことも今後の課題ではないかと思います。ぜひ市長会などでも御提案していただければと思います。
 公共交通は、町という体に酸素を運ぶ血液のようなものだと思います。偏ったり血が滞ったりしないよう、どの地域に住む方も誰もが気軽に図書館やお買物に行ける八幡浜市になるように御検討を進めていただきたいし、私も一緒に考えていきたいと思います。共に頑張りましょう。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

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