一般質問(総括方式) R3.9 竹内秀明 議員

公開日 2022年01月13日

〔竹内秀明君登壇〕

 

○竹内秀明君  皆さん、おはようございます。私は、一般質問通告書に従いまして、大綱1点質問をいたします。関係理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
 大綱1、農家をつなぐ事業として農家丸ごとリースの整備について。
 今、日本の農業は深刻な高齢化と後継者不足という問題を抱えています。JAにしうわ管内においても、出荷契約者数が令和2年9月時点で1,978人おり、61歳超えが61.3%で、71歳超えになると36.6%というデータがあります。
 先祖代々の土地事情など、新規での農業経営参入は簡単なようで難しいのが現状であります。例えば、家族経営でつながってきたミカン農家、ここに来て温暖化、過疎化など環境の流動化により労働力が減少している現在、ミカン畑を維持することさえ不可能になりつつあります。
 現在JAにしうわが研修生、就農希望者の受入れ制度を行っており、助成額として年額国150万円、市町36万円、JA36万円、研修生の研修期間中の生活面支援として支援チームより約38万円、合計約260万円の助成があります。
 平成26年11月より研修生受入れが始まり、令和3年8月末で22名の受入れ、就農者は16組24名いて、現在研修生は6名いますが、この先このような研修生が新規参入就農するに当たり、さきに申し上げた土地事情などが問題になってきます。
 現在、農家の高齢化により、いつ引退したらいいのか分からない不安を抱えており、倒れるまで現役農家が理想ですが、残された者は固定資産税、組合費、管理費等、様々な費用が必要となります。
 そこで、農地、倉庫、トラック、モノラック、動噴など全てをリースしたらどうでしょうか。八幡浜管内の平均的な耕作面積2ヘクタールなら20万円から30万円程度を生産指導料込みで農家に支払い、継承いただければ、農家は耕作者に技術指導、運搬指導など様々な知恵を伝えることができます。それにより利益が出る継承が可能になると思います。あくまでも西宇和農協の専属利用契約を結ぶことが条件となります。なぜなら、八幡浜のミカンづくりに地域との関わりなくして進めることが、不要な意見違いを訂正してくれる機能を果たすためです。そして、その絶対条件が農家側の法人化あるいは青色申告であることも大事です。経営が見えないとどんな引継ぎができるか不明となりますので、必要かと思います。
 新規に始めたら最低農機具とか倉庫など1,500万円近くの投資が必要となり、挫折も早いと考えます。丸ごとリースであれば0円スタートも可能で、継いでもらう側も月々の収入を得られます。このリース契約は両者の合意により決定してもらい、例えば10年契約が終わる1年前より賃貸料を加味しながら、全ての移譲も含め市、農業委員会、貸す側、借りる側の4者会議で説明、農地の移譲により八幡浜市には固定資産税の滞納を含め改善されると思います。
 また、八幡浜管内では、南予用水事業で園地を継承できないと南予用水事業施設の再整備が必要になり、いずれ南予用水事業の稼働率の何割か切れば、維持管理により高い費用が必要になり、農家側の経費を増大させてしまうと懸念されます。
 質問が前後しますが、JAにしうわの研修生制度により事業継承が行われた実例を述べさせていただきます。
 令和元年に川上地区において研修生制度を知った高齢農家より、経営全てを継承してもいいという提案をいただき、早速研修先に設定し、その高齢農家で研修を行いながら双方の意思疎通・関係構築を進め、令和3年1月に第三者事業継承が実現しました。同じように真穴地区でも第三者事業継承が1組行われました。
 事業継承は、園地、倉庫、農業機械等をそのまま全て継承させてもらうため、研修生にとっては経営基盤が出来上がっている状況のためリスクが少なく、非常にありがたい。当然相当額の賃借料や将来の資産譲渡、買取りなどの条件があるため、双方の意向確認や決断は重要になってきます。
 今後、団塊の世代のリタイアを一挙に迎えることになり、今まできっちり管理されている園地の耕作中止が想定されます。そのためにも、現在行っている研修生の受入れ制度の農家周知を徹底し、第三者事業継承の形があることを広くPRすることで移住者の増加にもつながると思います。
 また、市独自で第三者事業継承に対する助成やメリットを設定することで農家の意識醸成を図ってもらいたいと思いますが、何か助成などできないものでしょうか。
 この農家丸ごとリースにより、農家にとっては丹精込めた農地が維持され、ある程度の収入が見込めます。研修生は就農のリスクを抑えることができ、早期の経営基盤の確立が図られます。行政や地域にとっても、産地の維持、産業の維持、南予用水等の共同施設の維持につながり、三者三様にメリットがあると思います。どうかこの第三者事業継承農家丸ごとリースを真剣に取り組んでいただけないか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  竹内議員御質問の農家をつなぐ事業として農家丸ごとリースの整備についてお答えをいたします。
 当市のミカン産業は、全国トップクラスのブランド力を誇る一方、他産地と同様、担い手不足が深刻化しつつあります。将来にわたり産地を維持していくためには、新たな担い手の確保が最大の課題であると認識をしております。
 このような状況において、これまでの家族経営方式だけでは産地を維持していくことは困難なため、就農を希望するIターン、非農家出身者の確保・育成を目的に、集落組織の生産者や役員で構成する担い手支援チームによる研修を実施しています。
 また、担い手支援チームは、研修期間中に空き農地や余剰倉庫、農機具等の情報を収集し、各所有者と研修生とのマッチングを行うことで、研修後円滑に就農できるような仕組みを構築しています。
 さらに、農業委員会では、農地等の利用の最適化の推進に関する事項が必須事務とされており、年間を通して、1、担い手へと農地利用の集積・集約化、2、遊休農地の発生防止解消、3、新規参入の促進に関する活動を行っています。
 これらの活動の中で、新規就農者を含め農地を売買したい、貸し借りしたいとの要望があれば、農業委員と農地利用最適化推進委員が中心となって農地の出し手と受け手のマッチングに努めています。
 今後はさらなる農家の高齢化や後継者不足により、従来の就農支援だけでなく、第三者継承の検討も進めていく必要性を感じております。
 議員御提案の農家をつなぐ事業として、農地、倉庫、トラック、モノラック、動噴等を全てリースする農家丸ごとリースの整備につきまして、既に同様の取組を実施していますが、市としましても、農家周知を徹底し、さらにJAにしうわや農業者の代表である農業委員、農地利用最適化推進委員と連携し検討してまいりたいと考えています。
 続きまして、リースを行った場合の助成制度の創設についてお答えをします。
 第三者継承を含む経営継承については、発展的な取組に対する国の補助制度が整備されており、来月10月号の「広報やわたはま」に、経営継承発展等支援事業制度について農業者への令和4年度の要望調査を兼ねて事業内容を周知する予定で、来年度当初予算に計上予定としております。
 市独自の助成制度につきましては、JAにしうわ等と協議し、さらなる制度が必要かどうか検討してまいりたいと考えています。
○議長(平家恭治君)  竹内秀明議員。
○竹内秀明君  最近かんきつ農家の方から、誰かミカンつくりする人はいないだろうかといったお声を多数聞き、質問に至ったわけですが、今行政が行っているものに加えて、こういった農家の事業を継承してもいいという方の倉庫、先ほども言いましたが、トラックとか、そういう機材類の有無や農地の面積、かんきつ類の品種など詳細に把握していただき、やってみたいと考えている若者を引きつける魅力的なPRや広告を広く行っていただき、スムーズな事業継承をサポートしていただきたいと思います。
 それによって移住者・定住者または人口の増加にもつながると思いますので、ぜひとも前向きに取り組んでいただきますよう重ねてお願い申し上げてまして私の一般質問を終わります。

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