公開日 2022年03月03日
〔井上 剛君質問席へ移動〕
○井上 剛君 初めて質問をさせていただきます。双岩地区出身、井上 剛です。通告書に基づき、2点御質問させていただきます。よろしくお願いします。
私は、ふるさと八幡浜市において、第1次産業、特に耕作放棄地問題と森林管理、地域の未来と子供たちの笑顔、そしてなりわいの存続、以上を活動の目標として少しずつ歩みを重ねております。
本日は、最初に申し上げました第1次産業のうち、森林についてまず御質問させていただきたいと思います。
近年、木材はサステナブル資源いわゆる持続可能な資源として注目されてまいりました。その木材たちが森林資源として利用できるようになるには、携わってこられました先輩の皆様から寄せられる私たち後進への温かい愛情と思いやり、また国や地域、里山の原風景を思う願いや祈りの中で黙々と積み上げてこられた長い年月があればこそと認識いたしております。
山々に苗を運び込み定植いたします。植付けが完了しました山では、次に下刈り作業、苗の周辺の下草を払い、十分な光を当てることを目的として行います。そして、複数年経過後、約10年から15年後、間伐という作業を行います。より多くの日光を自らが取り込み、下層植物に光を与えることなく自らの樹高をより太陽に近づけようと枝葉を張り、成長いたします。その特性を利用して、木と木の間を広げることにより大きく太くなっていくように育てていきます。
最近では鹿の増加によりまして、定植後の新芽を全て平らげてしまって全滅してしまうという被害の報告も伺っております。
持続可能な資源と言われている木材も、資源となるまでにはかなりの手間をかけてあげねば使えるようにはなりませんし、中長期的な時間軸の中で考えて進める必要がございます。
そこで、大綱1として、八幡浜市における森林環境譲与税の使途、現況についてお伺いいたします。
当市におきましても森林環境譲与税が交付されまして、森林の整備や林業に従事していただく人材の育成、作業環境整備など、各自治体独自の目線での活用が期待されています。
そこで、当市においての活用の現状についてお聞かせいただければと思います。どうかよろしくお願いします。
○議長(平家恭治君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) お答えいたします。
八幡浜市における森林環境譲与税の使い道と現況についてのお尋ねですが、まず初めに森林環境譲与税の概要について少し説明させていただきます。
森林環境譲与税は、平成31年3月に成立した森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に基づき、国から地方公共団体へ令和元年度から交付されているもので、交付のための原資は、令和6年度から国税として新たに創設される森林環境税となる予定ですが、現在は暫定的な措置として地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金が活用されています。
令和3年度における森林環境譲与税の国全体での交付額は約400億円の見込みで、各自治体への配分は、人工林の面積、林業従事者の数、自治体の人口により算定され、市町村と都道府県との譲与割合は創設当初が8対2で、段階的に9対1の割合に移行する予定です。
譲与税の使い道ですが、市町村では、間伐や担い手の育成、木材利用の促進、普及啓発などの森林整備及びその促進に関する費用に充てることとされ、都道府県では、市町村が実施する事業の支援のために使うこととされています。
八幡浜市への交付額は、令和元年度が769万1,000円、令和2年度が1,634万4,000円、令和3年度の見込みが1,639万4,000円で、3年間の累計では4,042万9,000円になると見込んでいます。
交付された譲与税は、これまで基金として積み立ててきたところですが、今年度から災害の未然防止を主眼に置いた間伐事業を実施し、その財源として活用する予定です。
具体的には、まず間伐事業を代行する場合、所有者の同意が必要となるため、人工林の所有者に対する山林の経営管理に関する意向調査を開始し、所有者自ら管理することが困難な山林の把握に努めているほか、この事業の周知普及のため、モデル林として約1ヘクタールの山林を対象に間伐作業を実施しているところです。
また、これに付随して正確な衛星画像データの取得費用や現地調査に必要なモバイルGPS端末など資機材の購入費用を支援し、森林情報の管理に役立ててもらう取組も行っています。
以上が現在の取組状況ですが、来年度からは本格的な間伐事業を順次実施していく予定で、令和4年度から6年度までは若山地区、続く令和7年度から9年度までは日土地区で毎年度200ヘクタールを目安に調査を進め、必要性や本人の意向などを踏まえ施行していくこととしています。
また、今後は間伐事業と併せて木という字に育てると書く木育に関する施策についても、関係機関と協議しながら検討したいと考えているところです。
このような中、今月23日、愛媛県木材協会八西支部から、新しくできるフェリーターミナルビルに県産材でつくられたベンチを贈呈していただくこととなりました。木材のよさを広く市民へ周知することが木育の柱でありますので、このような取組もぜひ今後の参考にしたいと思います。
なお、法律の趣旨にも明示されているように、森林の有する公的機能は、林業振興という側面だけではなく、地球温暖化の抑制、災害防止や国土保全、水源の涵養など、多面的で人々に広く恩恵を与えるものです。
当市におきましても、森林環境譲与税を効果的に活用しながら、適正な森林の整備・管理、市民への啓発などに努めてまいります。
以上です。
○議長(平家恭治君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 詳しく丁寧にお答えいただきまして本当にありがとうございます。
今ほどお答えいただきましたとおり、森林の持つ多面的な価値が改めて認識をされてきております。
様々な諸問題に解決につながりますようにぜひお願いできたらと思いますし、市民の皆様におかれましても、担当されます部署からの情報提供のお願いの書類や森林の管理に対する調査票等がお手元に届きました際には、御記入や御返送、御協力をお願い申し上げます。美しい里山の景観保持に向けお力添えをどうかお願いしたいと思います。
続きまして、大綱2として、新規就業者支援の環境整備についてを御質問いたします。
私の活動の目標では、なりわいの維持につながるかと思っております。少子・高齢化、就業人口の減少、過疎の進行など、人口減少抑制の取組が各地域において急務となっております。
Iターン、Uターン、Jターンなど各種政策が打たれ、また定住促進事業なども近隣自治体でも数多く見られます。
そこで、当八幡浜市において新規に就職され八幡浜市民になられる若い人たちに、応援資金的なサポート資金の制度が各種あるのではないかと思いますが、改めて御紹介いただきますとともに、就職に伴い新たに当地に移住されてこられる市民の方々に、例えば新規に住宅を借りられる際に月々の賃料の一部を支援するような資金を年度を区切って拠出するとか、当市に若い就業者をお迎えするための動機づけ、きっかけになるような政策の導入等、お考えをお持ちでしたらお聞かせいただけたらと思います。どうかよろしくお願いします。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 現在、新規就業者のうち農業分野への支援としては、就農サポート事業補助金として、就農前の研修中は月額最大6万円、独立就農後は年間最大50万円を最長2年間補助する制度のほか、農業次世代人材投資事業として、就農前の研修中は最長2年間、独立就農後には最長5年間、年間最大150万円を補助する制度があります。
また、漁業分野への支援としては、漁業新規就業者支援事業補助金として、漁業後継者なら月額5万円、新規就業者なら月額10万円を最長3年間支給する制度があります。
新規就業者に関する直接的な支援としては、農業及び漁業に限定されていますが、例えばその他の支援策としては、令和3年度から八幡浜市民間賃貸住宅整備促進補助金として、賃貸住宅の建設やリフォームに対して助成することで、良質な賃貸住宅の供給拡大を図り、八幡浜市に住もうとする若者や子育て世代などの移住・定住を促進しています。
また、愛媛県との連携制度として、平成28年以降に県外から移住してきた人が空き家バンクを通じて取得、賃貸契約した家を改修する場合に係る費用の3分の2、最大420万円を補助する移住者住宅改修支援事業、これもあります。
今、井上議員から御質問のありました民間賃貸住宅を賃貸される方を対象とした家賃補助制度につきましては、就職先を選ぶ際の動機づけ、さらに移住・定住支援につながる可能性があると思われますので、前向きに制度設計を検討したいと思います。
○議長(平家恭治君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 力強いお答えありがとうございました。
現在、我が国は長引くデフレからなかなか脱却できず、好景気を実感できるまでにはまだまだ程遠い状況だと思います。
当市を含め地方行政は、国からの力強い支援が必要であり、地域の活性化にとっては予算の獲得、確保は大変な重要な事項だと思っております。
さきの衆院選以来、国においても財政出動の機運が高まりつつありますし、国債発行は国の借金であるというイメージから脱却して、国債発行は通貨発行であり、国民を豊かにしていくツールであるという我が国の現状、現況を踏まえた通貨発行権を有する国家財政への新たな議論も進んでまいりました。
市長をはじめ理事者の皆様には、今後とも予算獲得に向けて、より一層のお力添えをお願い申し上げます。
御回答いただきました皆様、御清聴くださいました皆様に対しまして、改めて感謝を申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。