公開日 2022年06月08日
〔西山一規君質問席へ移動〕
○西山一規君 私は、大綱1つについて質問をいたします。理事者の皆様は、市民に対して分かりやすい説明をお願いいたします。
大綱1、市の財政の厳しさについてであります。
よく市の財政は厳しいと考えている市民の方は一定数いらっしゃると思います。個人の家計であれば、支出を減らすために無駄遣いをせず節約し、貯蓄を増やし、将来余裕のある暮らしをするために、あえてうちは厳しいからと考えて行動することにも意義があると思います。
しかし、市の財政は個人の家計とは異なる部分があり、別の視点で考える必要があります。
それは、支出は市民のためであり、市の支出の多くは市民の収入となっております。支出抑制や個人の貯金に当たる財政調整基金を増やすことが必ずしもよいというわけではなく、地域経済のためにも適切な量の仕事を可能な限り市内の事業者に発注するということが大事であります。
財政が厳しいからあれもしないこれもしないというのは、ますます地域が疲弊してしまいますし、厳しいとしたらどれぐらい厳しいのか、個人の家計なら個人的な判断で構いませんけれども、市の財政で言えば客観的な基準を基に判断していく必要があるかと思います。
ちなみに財政破綻をした自治体というのもございますが、こういった極端な状況になると、会社、企業と違って倒産しましたといってなくなるわけにはいかず、いずれ元に戻すということが必要になりますんで、その期間大きな負担を市民に強いてやりながら徐々に回復するという大変な労力が要ります。ですから、極端な悪い状況というのは駄目ですけれども、客観的な基準を基に判断をしなければいけないと思います。
この市の財政を判断するための客観的な基準をまず市民に分かりやすく説明を求めます。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えします。
地方公共団体の財政状況を判断する主な指標としましては、財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率、将来負担比率などがあります。
まず、財政力指数は、地方公共団体の財政力を示す指標で、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3年間の平均値です。これは毎年の行政活動に必要なお金をどのくらい自力で調達できるかを示したものです。
次に、経常収支比率は、地方公共団体の財政構造の弾力性を示す指標で、市税や普通交付税等の経常一般財源のうち、人件費や扶助費、公債費等の経常経費に充てたものを経常一般財源全体で除して得た数値です。これはお金の使い道の自由度を表すもので、毎年得ることのできる収入に対する毎年必要な支出の割合を示したものです。
次に、実質公債費比率は、公債費による財政負担の度合いを示す指標で、地方公共団体が負担する地方債の元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模から元利償還金等に係る基準財政需要額算入額いわゆる交付税措置される額を控除した額に対する比率です。これは毎年安定して得ることのできる収入に対して借金返済がどのくらいになるかを示したものです。
次に、将来負担比率は、実質公債費比率と同じく公債費による財政負担の度合いを示す指標で、地方公社や損失補償を行っている出資法人等にも係るものも含め地方公共団体が将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模から元利償還金等に係る基準財政需要額算入額を控除した額に対する比率です。これは毎年安定して得ることのできる収入に対して、関係団体を含めた借金の将来の実質負担がどれくらいになるかを示したものです。
このほかにも、財政状況を判断する上で重要な項目となる市の借金と貯金に当たる地方債現在高と積立金現在高などがあります。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 西山一規議員。
○西山一規君 市民の皆様、今ので分かりましたかという感じですけども、やはり正確に表現しなければいけないので、幾ら簡単にといってもいろいろ限界があるのかなというふうに思います。
私がちょっと独自に簡単にやったのがですね、財政力指数というのが、収入と支出の差額が十分自治体の中で間に合う場合は国からはお金が出ませんよと。その差額で足りない部分が地方交付税交付金として入ってくるということで、ざっくり言うとそんなもんかなというふうに思うんですけども、結局自力で全部できますよという自治体は交付税はありません。
普通足りないので国から補助しますよというような感じで思っていただければいいのかなというふうに思います。
将来負担比率は、名前のとおり、将来どんな返さなきゃいけないお金ができるかなと。
実質公債費比率、こちらは借金返済にどんだけ充てるかということなのかなというふうに思います。
あと経常収支比率、これはお金の使い方の自由度がどれぐらいありますかと。それは先ほど説明の中にもありましたけど、その辺だけ分かっとけばいいのかなというふうに思います。
ちょっとこういう形で、実際のこの基準に照らし合わせて、その前に今の財政に関することは、愛媛県のホームページに全部図がついて出ております。目で見て分かる市町財政というページがありますので、検索していただくと市民の方もすぐ見れますので、ぜひ御覧になっていただければと思います。
この基準に照らし合わせて県下11市の中で八幡浜市はどの辺の位置にあるのか伺います。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 本市の令和2年度の財政力指数は0.338で、県下11市を数字のよい順に並べた場合、上から10番目となります。
市税等の自主財源よりも地方交付税や国、県からの補助金など依存財源の割合が高い状況です。
次に、令和2年度の経常収支比率は94.0%で、11市中8番目となっています。
しかしながら、総務省の公表している令和元年度のデータによれば、同規模の地方公共団体の全国平均が93.7%であり、全国的には平均的な数値であると言えます。
次に、実質公債費比率及び将来負担比率は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律で公表が義務づけられている指標のうちの2つであり、実質公債費比率が早期健全化基準である25%を超えるか、将来負担比率が同基準である350%を超えた場合、財政健全化計画を作成し、自主的な改善努力により財政の健全化を図っていくこととなります。
本市の令和2年度実質公債費比率は9.2%、将来負担比率は65.9%であり、両指標は11市中8番目であるものの、健全化の基準上は問題ない数値と言えます。
次に、令和2年度末の一般会計における地方債現在高は約243億2,000万円で、耐震フェリー桟橋整備事業や防災行政無線デジタル化事業等の大型投資的事業の実施により、地方債残高は増加傾向にあります。
しかしながら、交付税算入率の高い地方債を優先発行するなど、財政状況の改善に努めてきた結果、交付税で措置される額を除いた実質的な市の負担額は243.2億円の4分の1程度である約59億円の見込みとなっています。
最後に、令和2年度末の一般会計における積立金現在高は約60億400万円で、年々増加傾向にあります。このうち使い道が自由な基金である財政調整基金の現在高は約30億2,000万円で、平成20年度末から約19億1,000万円を積み増すことができました。
今後、コロナ対策や災害復旧事業など突発的な財政出動が必要となる場合には、この基金が効果的に活用できるため、財政調整基金を大幅に積み増すことは今後の財政運営の面でも大きな意味があると言えます。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 西山一規議員。
○西山一規君 最後におっしゃいました財政調整基金についてですが、多ければ多いほど不測の事態に対応できるということもあろうかと思いますが、ちょっと逆の意味で言うと、本来使えるお金を使わなかったというふうな言い方もできるのではないかと思いますので、多くの額をため込むというのではなくて、適切な値でやっていただくのがいいのかなというふうに個人的には思っていますので、そういったところを御検討いただければと思います。
そして、市民の声について、ちょっと次に行きたいと思います。
いろんな施策をやられておられますが、それに対する予算について市民からいろんな声を伺います。よくあるのが、そんなところは無駄だと、無駄なお金だから別のところに回せというような意見をよく伺うことがあります。あるいは、無駄に使うなというような意見もあります。
私は個人的には使うなというのはちょっと違うのかなというふうに思っております。
その中でも、商品券事業などについては、ばらまきのツケは後で払うことになるよということとか、買えなかった人がいて不公平だというような意見も伺っております。
そこで、質問になりますが、商品券事業に関してちょっと絞って質問させていただくと、市民からの様々な意見に市が対応する場合に、どのような返答を想定されているのか、伺います。
○議長(平家恭治君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) これまでのコロナ対策で3度実施した商品券事業につきましては、御批判を含めいろいろな意見があることは承知していますが、感染拡大の影響が業種を問わず出ていたことを受け、市民の消費を喚起し、市内事業者に広く経済効果を行き渡らせるため、大型店舗と小規模店舗で差別化を図り、共通券、限定券を設定するなど、より効果的な制度となるようその都度検討を重ね、実施してきました。
このうち第3弾のやわたはまわくわく券事業については、感染拡大の長期化による市内事業者への影響を考慮し、事業効果を速やかに発揮するために、販売方法を先着順としたところです。
多くの方に御利用いただくため、一部の販売所では土日を含む夜10時まで販売するとともに、1日また1回当たりの購入制限も設けましたが、予想以上の売行きにより購入できなかった方もおられ、それが批判や不満につながっているものと思います。
ただし、多くの事業者から感謝の声も届いており、これまでの商品券事業により、疲弊していた経済の回復に大きく役立ったものと評価しているところです。
なお、今回のわくわく券事業は、国からのコロナ関連交付金と販売収入で全て賄うことができます。
以上です。
○議長(平家恭治君) 西山一規議員。
○西山一規君 ちょっと思ってたのと違う答えだったんですが、よろしいかなと思います。
次、問4のほうに移りたいと思います。これ最後ですけれども、先ほども答弁ありましたが、市民全員が納得するというのはまず無理であるというふうに私も思っております。
しかし、できるだけ多くの市民が賛同していただけるような予算編成及び説明、こういったことが特に大事であると考えますが、それに対する取組を伺います。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 本市においては、市税や地方交付税など限られた財源の中で、市民や事業者の要望を全て実現することは困難でありますが、その時々の状況に応じて優先順位の高い事業から予算措置を行っています。
予算編成では、市長をかこむ会や各種団体との意見交換会等でいただいた御意見はもちろんのこと、各部署に寄せられた市民や事業者からの声を把握し、緊急度や市民生活への影響など必要性が高いと判断した事業から順次予算化を図っています。
さらに、昨今のコロナ禍による様々な事象を災害と捉え、令和2年度は13回、令和3年度は12回の補正予算を編成することで、時期を失することなく感染防止対策や事業者支援等に取り組んできました。
令和4年度当初予算におきましても、新型コロナウイルス感染症対策を最優先課題に位置づけ、各種事業を継続するとともに、災害対応や医療・福祉分野など市民の命や安全に関わる事業、八幡浜港みらいプロジェクトや愛宕山プロジェクトなど市の将来に必要不可欠な事業、DXの推進や脱炭素に向けた新たな施策について予算を計上しています。
厳しい財政状況でありますが、ゼロベースでの事業の見直し、事業のスクラップ・アンド・ビルドの徹底によって予算配分の選択と集中を強化するとともに、大型投資的事業に関してはできる限り国、県の補助金や優良起債、これを活用することで財政運営の安定化を図りたいと考えています。
今後も市の予算については、市民の代表者である議員の皆様に賛同いただけるよう、議会で丁寧に説明することはもちろん、もっと市民に関心を持っていただけるように市広報紙やホームページ、LINEなどSNSを含む各種媒体を活用して広く発信していきます。
また、コロナが落ち着いてからにはなりますが、市長をかこむ会など各地区に出向いて直接説明する機会を設け、市民の皆様からいただいた御意見、御要望等を踏まえて事業を検証することによってさらなる事業の改善につなげていきたいと思っています。
○議長(平家恭治君) 西山一規議員。
○西山一規君 今御答弁にありましたけれども、やはり市の財政は厳しいですね。その中でも優先順位をつけて行う。ですから厳しさの度合いによって個々あるレベルよりもやるかやらないかはぎりぎりのところはそれで優先順位によって判断して進めていくという形でよろしいですかね。
それで、結局お金の使い方について、その中でもやはり多くの市民が納得するということが必要なのではないかと思います。
やはり少ない情報で判断するとなると、自分が目に見える部分だけで判断して、あれはおかしい、こっちに回せとかという話がよく出てくるんじゃないかなというふうに思っております。
ですから、十分な情報公開と説明をしていただきまして、より多くの市民の方に納得いただけるように取り組んでいただくことを望みます。
短かったですが、これで私の質問を終わります。