公開日 2022年09月29日
〔遠藤 綾君質問席へ移動〕
○遠藤 綾君 私は、大綱3点について質問いたします。
理事者の皆様には、市民に分かりやすい誠意ある答弁をお願いいたします。
まず、大綱第1、市長の政治姿勢について3点伺います。
ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始した2月24日から約3か月半が過ぎました。連日報道される戦争に巻き込まれた人々の惨状に、多くの人が胸を痛め、戦争は絶対に起こしてはならないとの思いを強くしているのではないでしょうか。軍事的な脅威を前にしたとき、どのように対応するのか、大きく2つの方向性があると思います。
1つには、こちらも負けないようにさらに軍事力を強化し、憲法9条をやめて、敵がこちらを脅かすような動きをしているのだからとの理由をつけて、攻撃される前に相手の拠点をたたく、そんな選択肢も排除しないという考え方。
もう一つは、二度と戦争をしないと誓った憲法9条にのっとり、何事も話合いで解決して紛争を戦争にしない、平和外交、専守防衛に徹する。例えば年間1,000回の会議を行い、紛争の平和的解決を義務づけている東南アジア諸国連合ASEANのような友好協力条約をアメリカ、中国も含めて東アジア全体に広げ、既にある平和の枠組みを強化していく、このような考え方です。
そこで、市長に姿勢をお伺いします。
軍事的圧力が高まっているといって日本も軍事費を2倍化し、憲法9条を変えて、敵に撃たれる前に敵のミサイル拠点や指揮統制機能を攻撃することも選択肢から排除しない敵基地攻撃能力や、最近は反撃能力と名称を変えているようですが、このようなことも辞さないという考え方、これをどう思われますか、見解を伺います。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 現行憲法99条では、私を含む公務員について、憲法を尊重し擁護する義務が規定されております。
また、第9章において改正に関する規定を設けており、憲法について論じることは、憲法の枠内で想定をされているところです。
私としては、国民主権、民主主義の大原則を守った中で、憲法については、今お話しの9条も含め、その時々の時代背景の中で自由に議論されるべきものと思っています。
なお、9条については、戦争をしてはいけないとの思い、強い思いがありますが、国際情勢の中で広く知見を持って多面的に考えられるべきであり、まだまだ議論がなされているところです。引き続き、9条を含む憲法がどのようになっていくか、注視していきたいと思っております。
先ほどの敵基地攻撃能力や反撃能力も辞さないという考え方でありますが、私自身は、国民を守るという考えを第一義として議論、この議論を進めていってほしいと考えております。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 99条にはそのような要項もある。そして、9条も含めて議論をしていくべきであるというお考えを述べられました。
ただ、他国の軍事的圧力が高まっている、そういう下でこちらも軍事力を高める、そういう考え方に立ちますと、軍事対軍事のエスカレーションにつながることも懸念されます。
2015年9月に成立した安保法制は、日本への攻撃がなくても、同盟国のアメリカが戦争を起こした場合に日本が参戦する仕組み、集団的自衛権を容認するものでした。
台湾有事などを理由にアメリカがもし戦争を起こした場合に、災害救助などで頑張っている日本の自衛隊が参戦させられる可能性が出てきます。
一たび戦争が始まれば、日本を守るどころか、基地の集中する沖縄や日本本土にも戦争を呼び込む、そのような泥沼の戦争に陥る危険を呼び込むような可能性もあります。
日本の防衛費は、これまでGDP国内総生産の1%程度を推移してきましたが、安倍政権になってから防衛費は毎年過去最高を更新してきました。
その安倍元首相は最近、防衛費をGDP比の2%に増額すべきだとの考えを表明し、また自民党は、NATOの加盟国がGDP2%以上を目標にしていることを念頭に、5年以内に予算の増額を目指すとしています。
この2%というのは約11兆円であります。現在世界第9位の防衛力を持つ日本は、この11兆円になりますと世界3位の軍事大国となります。
その財源はどうするのかといいますが、岸田政権は語っていません。これは国債のさらなる増額や消費税の増税、福祉予算の削減につながることは明らかです。
日本は今、世界の賃金が上昇している中で、賃金の上がらない国になってしまっています。それは新型コロナやウクライナ侵略だけが原因ではなく、長年のアベノミクスによる異次元の金融緩和や異常な円安による失敗が根底にあると思います。
消費税は2度も上げられる一方で、年金は下げられ、今後もさらに削減しようとの骨太方針が最近発表されました。今後の軍事費拡大のための準備が狙われているのではないかと危惧します。
戦争は一たび始めればいつ終わるとも知れない軍拡と福祉と暮らし破壊への道であることは、過去の戦争や今のウクライナ侵略を見ても明らかです。
暮らしも経済も、日本の安全も守るには、力と力の対決ではなくて、9条を生かした平和外交で世界の国々と協力していく道しかないと私は強く思っております。
このような考えですが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 遠藤議員のお考えはよく分かりました。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 そうですね、軍事費が伸びれば経済が削減、消費税の増税や福祉予算の削減などにつながる、そういう面でも今大きな岐路に立っているかもしれない。後から振り返れば、ここが分岐点だったと思うような大きなところに立っているのかもしれません。
7月には参議院選挙もありますので、自治体の長としても、また市民の皆様におかれましても、しっかりと考えていただきたいという警鐘を鳴らしましてこの質問は終わりにいたします。
次に、ロシアが3月にウクライナの原発を攻撃したことは、原発立地自治体や関係者に大きな衝撃を与えました。
共同通信社が5月に、原発が立地する13道県と原発を持つ電力11社に、原発防衛体制に対する考えを取材したとの報道がありました。
原発の安全対策が武力攻撃を想定していない現状について、ほぼ全ての道県で国が検討すべき課題だとの考えを示したということです。
愛媛県は、国の防衛政策に関わる事項とした上で、国に対し検討結果や対応方針を国民や自治体に説明する責務があると求めています。
また、佐賀県では、そもそも武力攻撃のような事態に陥ることがないよう、国には外交などのあらゆる努力をしてほしいとした上で、国防の観点から国が責任を持って検討してほしいと答えています。
また、電力11社は、同じ質問に、申し上げる立場にないと回答したということです。
もし原発などの核施設が攻撃されれば、原発の過酷事故と同様の事態になります。どんなに防衛予算をつぎ込んでも、飛んでくるミサイルを100%の精度で撃ち落とすことは難しいと思います。
北朝鮮が怪しい動きをしているといっても、攻撃されていないのに敵基地攻撃を行えば、先制攻撃とみなされて相手からの反撃を受けて戦争につながります。
そこで、お伺いしますが、原発のすぐ近くにある自治体の長として、この同様の質問、原発攻撃からどう市民を守るのかと問われた場合に、どのように答えますか、見解を伺います。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 武力攻撃から原子力発電所を守るということは、国の防衛の問題であると考えています。
愛媛県は国に対し、全国知事会や原子力発電関係団体協議会を通じた要請に加え、国内外の連携を強化し、情報収集や国際協力を行うなど、未然防止に努めることを要望しているところであり、今後も国の対応を注視してまいりたいと思います。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 国の防衛政策の問題ではありますが、これまで世界一厳しい安全基準による安全対策として取られてきましたが、このような原発の武力攻撃を想定していない安全対策のままでは、万一攻撃がされれば、過酷事故と同じような状況になるということですので、私としては自治体の長という立場であれば、住民の福祉向上と安心・安全を守っていく責任がありますので、佐賀県のように、そもそも武力攻撃のような事態に陥ることがないように、外交などのあらゆる努力をしてほしい、そして加えて攻撃に対する対策が取れないのであれば、原発の運転をやめて廃炉の方針を選ぶべきだと答えていただきたかったのですが、市民の安心・安全を第一というのであれば、市長としても国に対してもそのように声を上げるべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 今遠藤議員がおっしゃったように、安全・安心のみを考えた場合にはそういう答弁になるかもしれませんが、原子力発電所を含めていろいろな観点がありますので、全ての広域的な目で見た上で判断をしていきたいと思っております。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 確かに原発があることによっての経済的な利点もあります。
ただ、一たびそのような爆撃を受けて大きな事故が起きれば、経済も駄目になる。ですので、やはり安心・安全が第一ではないかと私は思いますが、そのことを強く主張しましてこの質問を終わります。
次に、3点目に移ります。
昨年10月の衆議院愛媛4区で初当選した自民党の長谷川淳二氏を応援しますなどと記載した昨年12月25日付愛媛新聞の全面広告に対して、愛媛4区内の11市町、南予の市町が公費で広告を出していたことに対して、南予の市民グループが5月18日に、市町が公費で広告を出す必要はないなどとして、宇和島市に対して公費支出の廃止を求める陳情書を提出しました。ほかの10市町についても提出したとの報道です。
この広告は、地方公務員法で定める政治的中立に反するのではないかという疑問視する声も報じられています。
そこで、お伺いいたします。
選挙後なら地方公務員法第36条第2項には違反しないという考え方もあるかもしれません。しかし、特定の政党に所属する国会議員を応援するという新聞広告への自治体名を掲載しての公費の支出はおかしいのではないかと私は感じます。どのような経緯で出すことになったのか、どの費目から出しているのでしょうか。
また、全ての国会議員に対して行っているわけでもありませんし、全ての市民が応援しているとも言えないので、倫理上問題ではないかと感じます。
全国的なニュースになっているところを見ても、全国的にもあり得ない事例だと思います。
6月3日の愛媛新聞には、伊予、八幡浜、西予、鬼北の4市町は、今後は廃止をすると回答したと報道がありました。その点について間違いがないか、その判断をされた理由についてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) まず、1問目の掲載経緯、支出費目についてであります。
新聞広告については、広告会社から掲載の依頼があり、広告内容を確認した結果、適正と判断し、掲載したものです。
支出費目につきましては、広告料です。
続きまして、新聞報道の件ですけれども、今回の新聞広告については、当選後また地域の代表として期待するという趣旨であり、特定の政党や議員を応援するものではありません。
過去の判例に照らしても違法性はなく、政治的中立性に問題はないと認識しています。
ただし、政治的な広告は市民から疑念や不信を持たれる可能性があるため、今後の対応は新聞報道にあったとおりです。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 選挙後であり、判例もない、地域の代表として応援していきたいというお考えで広告を載せたということですが、やはり市民の中には、1つの政党に対して応援広告を出している、それも八幡浜市というふうに名前を出して応援している、広告を出しているということで、もし応援したいのであれば、一個人として自費で広告を出すのは何ら問題ないと思いますが、やはり自治体の名前を出して広告を出すというのはすべきではなかったのではないかと思います。そのことはお認めになりますでしょうか。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 先ほども申しましたとおり、地域の代表として期待をするという趣旨でございますので、この八幡浜市も国会議員の先生には、どなたがなられようとも、代表になられた方にはお世話になりますので、広告を掲載することについては問題がないと考えております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 それでは、我が党の国会議員とか、無党派の方とか、そういう方も地域の代表ではあるわけです。そういう方に応援しますと広告を出されたことはあるんですか。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 私の知っている限りではありませんが、代表にこの地域からはなっておられないと認識しております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 例えば永江孝子さんはこの愛媛4区の参議院の政治家ですね。そのような方に応援広告を出されたことないですよね。そういう意味では不公平ではないかと思いますが、いかがですか。
(「4区ではない」と呼ぶ者あり)
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 先ほど副市長から答弁いたしましたように、基本的には市から依頼をしているんじゃなしに、広告会社から営業があったものに対して適正かどうか判断してやっております。
過去広告会社から結果的には自民党以外の広告掲載の営業はなかったというふうに認識をしております。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 自民党以外の方も出しているのであれば、その理由は分からなくもない気もしますが、やはり自民党しか出したことがない。全ての方に出しているわけでもない。広告会社の依頼があったからということで出したということは、やはり問題ではないかと私は思います。
そのことをやはり強く認識すべきでありますし、今後はしないというお考えでよろしいでしょうか。広告を出すこと。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 先ほど副市長が答弁したとおりです。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 今後はこういう広告は出さないと判断したということでよろしいでしょうか。はっきり答えてください。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) はいそうです。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 やはり今までやってきたからとか、ほかの市町もやっているからとか、一つ一つやっぱりしっかりと市民にとってこれがどういうふうに思われるか、全ての市民の皆さんにとって納得できるものであるか、税金を預かっているということですので、そこはしっかりと今後は精査していただきたいと強く苦言を申したいと思います。
この大綱1、この軍事費の問題、それから伊方原発の問題、そして広告の問題ですが、どれもこれまでやってきたことだからとか、国策だからとか、そういうことで決めるのではなくて、一つ一つの政策に市民の声がしっかりと反映されるようなものになるように、自治体の長としてしっかりかじ取りをしていただきたいと強く申し上げて、大綱1を終わります。
次に、大綱2、いじめ不登校の児童・生徒への対応と支援について伺います。
文部科学省のホームページのQ&Aを見ますと、不登校の子供とは、病気や経済的理由を除き、ある程度の期間何らかの心理的、情緒的、身体的もしくは社会的要因で、または背景によって学校に行かないか、行けない状況にある子供のことと定義されています。
不登校の子供やその家族は、行きたくても行けない現状に苦しみ、繊細な気持ちになっている場合があるので、学校、家庭、社会が寄り添い、共感したり受け入れたりすることが、子供の自己肯定感を高めるためにも大切だと記載されています。
また、全国の学校での不登校児童・生徒の数は、文部科学省によると、2015年度には不登校を理由に30日以上欠席した小・中学生は約12万6,000人とのことです。全体に占める割合は1.26%と、2015年度当時の過去最高だということです。
そこで、お伺いします。
当市の小・中学校のいじめ不登校の児童・生徒数について、ここ数年間の変化について伺います。
また、コロナ禍やスマホなどの影響等は見られるかについても併せてお答えいただきます。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) いじめの認知につきましては、平成30年度は13件、令和元年度が12件、令和2年度が12件、昨年度令和3年度が9件という状況です。
不登校につきましては、平成30年度が20人、令和元年度が19人、令和2年度が24人、令和3年度が23人となっており、この2年間では、中学校は変化はありませんが、小学校で増加する傾向にあります。
コロナの影響による不登校については、ないと捉えております。
学校現場が長期化するコロナ禍において子供たちの心や体の変化、サインを見逃さないよう、日常的な健康観察の徹底を図り、変化の兆しを見逃さない体制を整え、指導に当たっている成果だと考えています。
一方で、ゲーム依存による昼夜逆転の生活による不登校はおりますので、スマートフォンを含むネットワーク機器による影響はあると考えており、市校長会、市PTA連合会が中心となり、関連図書の配付、貸出し、専門家を招いての講演会を行うなど、家庭と連携した啓発に努めています。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 この平成30年度からのいじめ不登校の数字的にはあまり大きな変化は見られないけれども、小学校のほうで増加傾向がある。また、ゲーム依存の不登校なども課題として上げられていました。
文部科学省の調査、これは全国のほうですが、2020年度の不登校児童・生徒の数が19万6,127人で、先ほど申し上げた2015年が12万人ですので、大きく増えています。過去8年連続で増加し、2020年度で言うと過去最高になっているということです。
この19万6,127人という数字は、100人に2人の児童・生徒が不登校で長期欠席しているということになるそうです。
また、全国的な傾向で、学年別で見ると、小学校1年から中学3年生までグラフにしますと、学年が上がるほど不登校の人数が増えるという傾向が出ています。また、大都会ほど不登校児の数と割合が高いということです。
一方で、いじめの認知件数は7年ぶりに減少、15.6%減少しているということです。これはコロナ禍で授業や学校行事、部活動が制限され、やり取りが減ったことも影響しているのではないかと見られています。
しかし、全国のいじめの認知件数が減る中で、パソコンやスマホなどでの中傷や嫌がらせは増加しているということで、ここにもスマホやそういったIT機器での影響は見られるかと思います。
そして、当市における不登校児童・生徒について、今後どのような考えに基づき対応していくというお考えでしょうか。具体的な対応の例も挙げてお答えください。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
不登校の子供たちに対する支援の最終目標である将来の社会的自立を目指し、保護者と連携を図りながら子供たちへのきめ細かな支援を行っていますし、今後も行っていきたいと思います。
具体的な方策としましては、学校に登校しづらくなった子供たちには、家庭訪問などの対応をするとともに、各学校の不登校支援委員会で情報を共有し、対応策を考えるなど、学校全体で対応する体制を取っています。
また、県と連携した不登校等対策非常勤講師、小学校1校と中学校3校に配置し、また保健室支援を中学校2校に配置しています。
保健室支援といいますのは、教室に上がれない子供たちが保健室とか別室に来た際に、養護教諭が本来の業務ができなくなる、それに対する支援として2校に配置しております。
さらに、おおずふれあいスクールの活用、ICTを活用しオンラインによる授業参加も行っています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 不登校というのは、先ほど申し上げたように、100人に2人の割合で2020年度は起きているということで、どの子にも起こり得る可能性がある。そして、不登校は決して問題行動ではなくて、不登校の子供の支援を行う際は、そのように受け止められないように、子供の最善の利益を最優先に行うこと、支援の際は登校だけを求めるのではなくて、子供が自身の進路を自ら考えて社会的に自立することを目指すことが大切とされていますので、そのような方向でぜひお願いしたいと思います。
また、2017年に施行された教育機会確保法では、不登校の児童・生徒が通いやすい民間のフリースクールや公立の教育支援センター、特別な教育課程を持つ不登校特例校など、学校以外の教育機会を確保する施策を国と自治体の責務として必要な財政支援を努めるように求めています。
この教育機会確保法では、学校復帰を大前提としていた従来の不登校対策を転換し、学校外での多様で適切な学習活動の重要性を指摘し、不登校児童・生徒の無理な通学はかえって状況を悪化させる懸念があるため、子供たちの休養の必要性を認めています。
こうしたことを踏まえて、国や自治体が子供の状況を継続的に把握しつつも、子供とその親には学校外の施設など様々な情報を提供するようにとこの法律は求めています。
また、いじめられている子の緊急避難としての欠席が、弾力的に認められてもよく、そのような場合には、その後の学習に支障がないように配慮するよう、文部科学省は都道府県教育委員会に求めています。
そのほか不登校の子供への支援については、先生以外にもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどに相談したり、また現在通っている学校に行くことが難しい場合には、そのようなフリースクールなども活用することをうたっています。
平成27年度に文部科学省が実施した調査では、全国で474の団体施設が確認されているということです。
そこで、お伺いいたします。
当市において不登校の子供たちが通える学校以外の支援施設、民間の団体なども含めて、先ほどもおっしゃっていただいた大洲のふれあいスクールはもう既におっしゃっていますが、ほかにどのような施設がありますでしょうか。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 一時的に保内庁舎の教育支援室で子供たちを預かる場合もありますけども、市内には学校以外の支援施設はありません。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 それでは、当市の近隣市町にある不登校児童・生徒の支援施設についてお伺いします。
現在どのくらいあり、当市からどのぐらいの子供が通っているのか、認識していますでしょうか。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 近隣では、大洲市におおずふれあいスクールという適応指導教室があります。適応指導教室というのは公的な機関で、費用はかかりません。
この3年間の本市のおおずふれあいスクール登録者は四、五名で、今年度は現時点で1名の登録となっています。
昨年度フリースクール、松山市ありましたけども、卒業しておりますので、現在はフリースクールはおりません。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 現在当市の不登校の子供たち、おおずふれあいスクールか松山市のフリースクールに通うしかない状況なのかなと思います。今年度はないということですが、おおずふれあいスクールは、車のない家庭や親が共働きで朝連れていけない場合など、子供が通うのが難しいという面があるのではないでしょうか。そうすると、不登校の子が家にずっといる時間が増えて、生活のリズムがつくりづらい、そのような状況があると思います。
また、実際に子供を大洲のふれあいスクールに通わせたことのある親御さんからは、先生と子供との相性が合わない場合は通えなくなることもある。相性が問題かなという御意見が寄せられました。
また、不登校の子供で、放課後児童クラブに行こうとしたこともあるが、どうして学校に行かないのかと聞かれたりするので、だんだん行きづらくなるという面もあるというお答えでした。
最近は通信制の学校もありますので、そういったことを活用しながら、生活のリズムをつくるというのはあると思いますので、子供さんが身近に行けるところに毎日通える場所があるというのが理想であると思います。
そこで、お聞きします。
空き家や空き店舗、例えば川之内小学校などの廃校になった学校などを活用して、市内に不登校になった子供たちが気軽に通えるような支援施設を教育委員会主導でつくれないか、もしくはつくろうとしている団体などに財政的支援ができないか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 学校教育課長。
○学校教育課長(梶本教仁君) 先ほどお答えした大洲市のおおずふれあいスクールは、国立大洲青少年交流の家にあり、一番近隣の施設になります。国立大洲青少年交流の家と大洲市教育委員会が平成9年に共催で開設した適応指導教室で、平成27年度から大洲市、西予市、伊方町、内子町と当市の3市2町で経費を負担して運営しており、年30万円を運営負担金として支出しています。
この適応指導教室に登録している児童・生徒数は、令和3年度が5名、今年度が1名と、少人数であり、近隣市町との共催で広域的に運営したほうが、よりよい活動ができると判断しています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 そうですね。今現在1人ということで、現在の八幡浜市の不登校児が23人ということで、そのふれあいスクールに通っていない子は必然的に自宅で一人で勉強などされているということで、この方をどうやって支援していくのかというのが八幡浜市の課題ではないかと思います。
2017年に施行された教育機会確保法では、不登校の児童・生徒が通いやすい民間のフリースクールや公立の教育支援センター等々で学校以外の教育機会を確保する、国と自治体の責務、必要な財政支援も求めていますが、全国の教育委員会では、実績のある民間のフリースクールと連携して費用を補助する取組や、フリースクールガイドラインを作成して、そのフリースクールに通う児童・生徒について望ましい在り方などを情報発信したりしています。当市でもこのような方向を検討すべきだと思います。
当市から松山のフリースクールに以前通っていた子供さんで、結局松山に移住してしまった方が複数名おられると聞きました。どの子も不登校になる可能性があると言われる時代に、この八幡浜市のそういった子供さんたちが、ふれあいスクールももちろんありますけれども、ちょっと離れた場所にあるというのがありますし、この八幡浜市内に自転車などで行けるぐらいの距離でそういったフリースクールがつくれたら多くの方が喜ばれると思いますが、ぜひこういった方向を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 先ほどの議員さんのしゃべられたことにつきまして、例えばおおずふれあいスクールに登録をしている児童・生徒は今年度1名ということで、それ以外の二十数名の不登校児童・生徒は、学校に行ってないというふうな捉え方をされてたような気がしたんですけども、決してそういうことではありません。
おおずふれあいスクールの話が出ましたので、昨年度の5名について言いますと、5名のうち1名は完全に学校へ復帰できてるけども、2年生のときに不登校になったので、3年生のときも登録した。5名のうち2名は高校に進学しました。3名につきましては、3名のうちの2人については、今年度学校に行けている。ですから、結果的に1名の登録で終わっているという状況です。
23名の不登校児童・生徒につきましても、みんなが学校に来れてないわけではなくて、ほとんど学校に来れてない家庭も学校とは連絡は取り合ってますし、学校に来て自教室に入れる子もいれば、別室なら入れるというふうに様々ですので、それは理解していただいたらと思いますし、今年度の数で言いますと、小学校は2名です。中学校は10名ちょっとだったと思うんですけども、そういう状況ですので、おおずふれあいスクールでの対応、またそれ以外の学校内での対応で今後とも不登校児童・生徒に関わっていこうと考えています。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 詳しい内訳を教えていただきました。
23人が全く行けてないわけではない。保健室なら行けるとか、復帰していった子もいると、そういう面もいい面だとは思うんですけれども、この少子化の中で、全国的には不登校の数が年々増えている。大都会のほうが多いわけですけれども、やはり田舎であってもやはり何人かはいるわけです。
そして、その子供さんの行けなくなった理由などをあるお母さんに聞きますと、中学校でしたか、先生に、多少学習障害がある方でしたが、そんなことではこの世の中生きていけんぞみたいな、強く言われたことがきっかけでショックで行けなくなったという方がいらっしゃったと、お母さんから聞いたことがあります。
いろいろ子供さんによっても様々な理由だと思いますし、一概には言えないのは分かっているんですけれども、何が言いたいかというと、その子供さんに寄り添う対応をするには、やはり様々な場があったほうが、逃げ道といいますか、行きたくない、無理していくとかえって悪化する場合もあるということで、やはりそういうフリースクール的なものがあったらより、学校だけで見るのではなくて、そのようなこの八幡浜市で子供たちを温かく見守っていくような場があればいいのではないかと思いますが、今の段階では考えていないということかもしれませんが、全国的にはフリースクールは増えていますし、通信制の学校に通いながらそういったフリースクールに通学することも出席日数とカウントされるという例もあります。
今後、そういった方向も含めてぜひ御検討していただきたいと思います。これは要望としてお伝えしたいと思います。
それでは、大綱第2を終わります。
○議長(平家恭治君) 休憩いたします。
午前11時10分 休憩
—————————————————————
午前11時21分 再開
○議長(平家恭治君) 再開いたします。
遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 それでは、大綱第3、特別障害者手当について質問いたします。
他市に住む知人から、近所の要介護4の高齢者が特別障害者手当の対象になるか調べてほしいとの連絡があり、その自治体に問い合わせたところ、対象になることが分かりました。そのことをお知らせしたのですが、その高齢者が亡くなったという連絡が入りました。手当の受給資格があったのに、申請しないまま受給に至ってない方が、当市においてもいるのではないかと思い、今回の質問をいたします。
1つ目は、特別障害者手当の概要についてです。要件などを御説明お願いいたします。
○議長(平家恭治君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(松本有加君) お答えします。
特別障害者手当は、国の制度に基づき実施するもので、精神または身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の方に対して、重度の障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害者の福祉の向上を図ることを目的としています。
支給額は月額2万7,300円で、原則として毎年2月、5月、8月、11月にそれぞれ前月分まで支給されます。
なお、受給資格者の前年の所得が一定の額を超えるとき、もしくはその配偶者または受給資格者の生計を維持する扶養義務者の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 なかなかこの特別障害者手当について、一般の市民がなかなか理解するのは難しい面があるかと思うんです。
例えば、要介護4、5の人で車椅子に乗ってる人などで、障害者手帳がなくても医師の診断に基づいての満たしていれば対象になるとかという面もありますし、所得の目安がどれぐらいなのか、自分はもらえるのかとか、いろいろ自分での判断が難しい場合があると思います。
それで、市民の方がこの制度を利用したいという場合に、どのように申請手続をすれば一番分かりやすいと思われますでしょうか。お願いします。
○議長(平家恭治君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(松本有加君) 申請から認定までの流れについてお答えします。
申請を希望される方は、窓口で診断書用紙を受け取り、病院を受診していただきます。その後、認定請求書や所得状況届、医師の診断書、手帳をお持ちの方は障害者手帳のほか必要な書類を添えて申請をしていただきます。
申請受付後は、調査員が御自宅まで伺い、聞き取り調査を行い、嘱託医による診断書の調査、本人及び配偶者や扶養義務者の所得審査の後、該当者には認定通知書を、対象外の方は却下通知書を送付する流れとなります。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 なかなか手続がかかるので、まずは窓口に行って相談するのが一番ではないかということで、それに沿って診断書や様々な書類を出すということで、ぜひ自分がなるのではないかと思われる市民の方は、窓口に御相談していただけたらと思うんですが、3月20日付のしんぶん赤旗日曜版の19面に今回の特別障害者手当の記事が載っていました。要介護4、5の方も可能性があり、障害者手帳なしでも受給できる。
また、厚生労働省のホームページでは、支給対象者について、在宅と説明していますが、これは在宅というのは自宅にいる方だけではなくて、有料老人ホームやグループホーム、サービス付き高齢者住宅におられる方も対象になるということです。ただし、特別養護老人ホームは対象外と明確になっています。
介護保険の要介護4、5の人は、全国で言えば約146万人で、対象外である特養ホームの入所者36万人を除いても約100万人になります。
手当の受給者は12万8,757人であり、もっと多くの人がこの特別障害者手当を受け取れる可能性があるのではないかと指摘されていました。
そこで、お伺いいたします。
当市における特別障害者手当の受給者は、現在どのくらいか、また要介護4、5の人数、そして明確に対象外とされる特養老人ホームの入所者の人数はどれくらいでしょうか。
○議長(平家恭治君) 社会福祉課長。
○社会福祉課長(松本有加君) お答えします。
令和4年3月末現在、特別障害者手当の受給者数は25人、要介護4の認定者は346人、要介護5の認定者は200人、特別養護老人ホーム入所者は182人です。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 今の数字、単純計算はもちろんできませんけれども、当市の要介護4が346、5の人が200で、合計546人。そのうち明確に対象外である特養老人ホームの入所者182人を除くと364人となります。
現在の受給者が25人ということなので、単純計算すると339人の方がもしかしたら受給になるけれども申請してないという可能性もあるわけです。
もちろん所得制限や認定基準にのっとって医師の診断が必要でありますので単純ではありませんが、もっと受給できる人がいるのではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。
支援の要件として在宅のみと記載されていますが、有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅の方は対象になります。また、入院や老人保健施設、介護療養型医療施設でも、3か月以内なら対象になるということです。
このことを知らずに、また障害者手帳がなくても条件が当てはまれば受給の資格がある、このことを知らずに申請をしないでいる、諦めている人がいるのではないか、このことをもっと周知徹底すべきではないかと思います。
また、特別障害者手当の認定基準は、肢体不自由の場合では、肢体不自由の基準のどれか1つに該当して、その上で日常生活の動作評価表が10点以上であることなど、決められた基準を満たす必要があり、本人や家族だけでは判断がつかない場合が多いと思います。
そして、最初は介護度が軽くても、だんだんと要介護度が4や5に上がったり、障害が重くなったりしたときに、ケアマネジャー等の知識を持つ方のサポートが欠かせません。
福祉課と介護の窓口、ケアマネさんとの連携で新たに受給要件を満たすようになった方にも案内をする体制になっていますでしょうか。この周知徹底や案内体制についてお伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君) お答えします。
周知につきましては、市のホームページや広報等への掲載、障害者手帳の交付時には福祉サービスのチラシを配付し、制度の説明をしております。
障害者手帳をお持ちでない要介護認定を受けた方が、ケアマネジャーの案内によって申請し、手当を受給された事例もありますが、議員御指摘のように、周知方法が十分でないとの声もありますので、今後もケアマネジャーや関係機関と連携して周知に努めてまいります。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 これまでは人に支えられるなどして何とか歩けていた方でも、ある日いろいろな理由で車椅子で移動が必要になって要介護4になった方が、障害者手帳がなくてもこの特別障害者手当について受けられることが分かり、新たに受給できて大変喜んでいる、そういった声も聞いております。
今おっしゃっていただきましたように、様々なケアマネジャーや窓口とも連携して周知徹底に一層取り組んでいただきたいと御要望いたします。
今例として挙げました要介護4の方がこの手当を受けられるようになって、医療と介護の負担が月9万円になるという方です。国民年金が月6万5,000円で、なかなか負担が重いということで、この特別手当を受けられるかどうかで本当に生活の質が変わり、介護を必要とする人にとっては本当に大事な制度だと思います。
この特別障害者手当については、厚生労働委員会でも、障害者手当がないともらえないと勘違いしている人も多い、国としても周知徹底をしていくとの答弁もあります。
精神または体に著しく重度の障害を有するために、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある20歳以上の方、障害者手帳がなくても要介護4や5の方で、条件を満たせば該当する可能性があるということで、ぜひ市民の皆様にも申請をしていただきたいと思います。
そしてまた、在宅という要件で自宅介護のみと勘違いしている方も多いと聞いておりますので、丁寧な説明をしていただきますように重ねてお願いしたいと強く要望いたしまして私の質問を終わります。