一般質問(一問一答)R4.12 遠藤綾議員

公開日 2023年03月02日

〔遠藤 綾君質問席へ移動〕

 

○遠藤 綾君  それでは、私の質問を大綱4点において行わせていただきます。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。

 大綱第1は、市長の政治姿勢についてであります。

 今回は、世界平和統一家庭連合いわゆる旧統一教会についてであります。今回の質問の中では統一教会と統一して呼ばせていただきます。

 統一教会と自治体、政治の関わりについて伺います。

 安倍元首相への銃撃事件を機に、統一教会と政治家との関わりがマスコミ等でも明らかにされ、問題視されるようになりました。

 この事件自体は卑劣な犯罪行為であり、決して許されるものではありません。安倍元首相の御冥福をお祈り申し上げます。

 さて、統一教会は、1954年に文鮮明、韓国ではムンソンミョンと読むそうですが、文鮮明によって韓国で設立され、日本では1964年に宗教法人の認可を受けています。

 アメリカの下院フレーザー委員会というところが、78年にこの統一教会を調査した報告書によりますと、この文鮮明の宗教の目的について、政教一致の世界的な国家をつくり、神の導きによって統治される世界秩序を樹立する。その中心が文鮮明と韓国である。このような位置づけの団体であると報告がなされているそうです。

 そして、この文鮮明が理想とする国家をつくるための資金集めを中心的に担ったのが日本の統一教会であります。

 教義の中では、日本はエバ国家であり、奉仕する立場という教えで、日本の教会は毎年数百億円を韓国に送ってきたとも言われています。

 それが文一族の生活遊興費や世界各地の資産買収の原資となり、政治家工作費にも使われてきたということです。

 これだけの巨額の資金を集めるために、統一教会は日本の信者をマインドコントロールで違法な霊感商法や高額献金に駆り立ててきました。その集め方は、テレビなどで既に何度も皆さん見られて御存じだとは思いますが、正体を隠して街頭でアンケートを取り、家族構成を聞き出したり、また大学でボランティアサークルと偽り学生を集め、数日から数十日の宿泊研修に連れていき、連日ビデオを見せたりして霊界の存在を信じ込ませ、文鮮明を救世主メシアと洗脳していったということです。

 そして、先祖の因縁がある、運気を払うなどと脅して高価な印鑑やつぼを購入させ、その中には文鮮明氏の言葉が書かれた3,000万円もする聖本を買わせることもあったということです。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会によりますと、1987年から2021年の35年間で、全国の弁護団などに相談がされた統一教会の霊感商法による印鑑、つぼなどの商品別被害件数は3万4,510件、被害額は約1,237億円とのことです。

 統一教会がコンプライアンス法令遵守を強化したと主張する2009年以降も、この被害は続いています。

 昨年だけでも約3億3,000万円の被害が弁護団に報告されているということです。これは、被害が報告、寄せられているだけの額なので、実際はもっと巨額かもしれません。

 宗教法人の正体を隠した勧誘、不安をあおって物品の購入や献金をさせることは、明らかに違法行為です。

 しかし、この統一教会では、この世の人も財宝も神のものなのに、現在はサタンの手中にある。そこでサタンの所有を神の所有に返すのだと教え込み、統一教会ではこれを万物復帰と言うそうですが、違法なことをしても神に返すのだからいいことだとするような異様な教義であります。

 また、祝福と称して、信者同士の集団結婚も相変わらず行われています。

 統一教会の教義を記した原理講論では、人間の祖先エバが天使と淫行を犯すことによって全ての人間がサタンの血統により生まれるようになった。そこから逃れるためには、統一教会が選んだ相手と結婚、これが祝福、集団結婚ということで、これが必須であるという考えです。

 1990年代にメディアをにぎわせ、芸能人の桜田淳子さんらが合同結婚式で結婚をするということがあり、広く知れ渡りました。

 統一教会から我が子を取り戻そうという動きは60年代からあったそうですが、芸能人が入信、脱退などのエピソードが繰り返し報道され、広く認知されるようになりました。

 しかし、その後報道が減っていきます。そして、現在は宗教2世と呼ばれる信者の子供の問題が大きく報道されています。

 教団の限度を超えた献金の要求に応え続けた結果、離婚や家庭崩壊に至った信者の例が様々数多く報道されています。

 山上容疑者の母親は1億円を献金したと言われていますが、一般家庭がそれだけのお金を献金すれば経済的に破綻する可能性が大きいと思います。

 親が多額の献金を行い、経済的に困窮し、進学を諦める、家庭崩壊の中でつらい思いをしていることを告白する宗教2世が増えています。

 集団結婚の両親から生まれた子は、祝福2世と呼ばれるそうですが、祝福2世の30代の女性は、親は教団に献金しまくったので老後資金が全くない。私たち2世に養わせるのではなく、教会に金を戻させ、信者の老後が成り立つようにすべきだ。私には祖父が残してくれた大学資金や自分が借りた奨学金があったが、全て実家の生活費に消えたと憤ります。

 また、別の信者2世は、生まれたときから信仰を強要されるという問題も語り、20代の方は、自由恋愛ができず、結婚相手は自分で決められない。信者との結婚を強いられる。2世への人権侵害は明らかに憲法違反であり、子供の虐待である。これ以上新しい被害者を出さないよう、政党に関係なく被害者救済に動いてほしいと語っています。

 概要をここまで述べてきましたが、全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口 広代表世話人は、霊感商法や違法な勧誘で社会問題化したこのような団体に政治家がエールを送ることは、警察が手を出しにくくなり、被害を拡大させると指摘しています。

 愛媛県出身の国会議員のうち、自民党の3氏において、本人や秘書ら関係者がイベントに出席するなどしていたり、祝電を送っていたことなどが明らかになっています。

 そこで、市長にお伺いいたします。

 このような反社会的団体ということが明らかになったこの旧統一教会との関係はありませんでしょうか。そして、過去にも現在にも、そして今後においてもないでしょうか、お答えください。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  世界平和統一家庭連合、旧統一教会や関連団体の活動実績が社会的問題になっています。

 信教の自由は憲法で定められた権利ですが、不法行為や人権を侵害する活動はあってはならないと考えております。

 私自身、これまでに旧統一教会や関連団体の会合に出席したことや祝電等を送ったことはなく、それらの団体とは過去、現在、未来、関係ありません。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  それを聞けて安心しましたが、この統一教会、政治家に対して教義の布教や政策的な影響を与えること、社会的なお墨つきを得て、そして信者を獲得していく、そういった目的で政治家に近づき、また選挙の応援などを献身的に行うことで政治家と切っても切れない関係になる場合があると聞きます。

 統一教会は、先ほど申し上げたように、日本人を食い物にするカルト的な教義と詐欺的な手法で資金獲得活動で多くの人を苦境に落としています。今後とも、当市において反社会的集団に対して、市長をはじめ、私も含めた全ての議員の皆さん、そして行政の皆さんが一切関係を持つことがないよう、そのことを厳しく律していくことを強く望みたいと思います。

 それでは、次です。

 統一教会は国内に数百ものダミー団体をつくり、自治体との関係も持とうとしています。愛媛県内でも、統一教会の関連団体であるピースロード2022イン愛媛と言うそうですが、こういうものに対して後援をしていた自治体がありました。後に取消しをしたと報じられています。

 八幡浜市が後援する団体などに統一教会や関連団体との関係はなかったでしょうか、お答えください。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  文書が保存されている過去3年間に遡って市が承認した後援団体を確認した結果、旧統一教会や関連団体は一切ありませんでした。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  ありがとうございます。

 統一教会は団体名を偽り今後も接してくる可能性もあります。今後とも関係を持つことがないように、厳正に対処していっていただきたいと要望いたします。

 次に、当市における被害の実態をお伺いします。

 統一教会の被害者から相談などを受けるなど、被害の実態をつかんでいますでしょうか。どこの窓口が対応でありますか、お答えください。

○議長(平家恭治君)  商工観光課長。

○商工観光課長(萩森久人君)  お答えいたします。

 市役所商工観光課内に八幡浜市消費生活センターを設置しておりますが、これまでのところ旧統一教会に関する御相談はございません。

 なお、消費生活センターでは、市民の皆様からの消費生活に係るトラブルや特殊詐欺に関する相談等を広く受け付けておりますので、今後そのような相談がございましたら御連絡いただければと思います。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  消費者からの様々なトラブルや詐欺、そしてこの統一教会の問題も、商工観光課に一応相談窓口があるということです。

 国が設置した電話相談窓口がありまして、9月5日から22日までの間に、教団に関する相談が全国から1,317件寄せられたということです。そして、その7割が金銭トラブルで、生活困窮の相談もあったということです。

 そして、私が様々な人から聞いた話では、当市ではありませんが、近隣市町の方から、大学に行っていた子供が帰ってきたら親をサタンだと罵り、全く言うことを聞かなくなったという相談があったり、妻が統一教会に知らない間にはまり、お金を全て献金してしまったという例があると聞いています。

 もしかしたらまだ相談すべきか迷っている人や、どこに相談したらいいか分からない人がいるかもしれませんので、そして今後大学に行った子や遠くに離れた家族が被害に遭わないとも限りませんので、しっかり対応をお願いします。

 そして、国は今後は法テラスに設置される霊感商法対応ダイヤルで対応するとのことです。先ほどの市の窓口も、生活困窮の相談がある場合には各課で連携をし、また専門家にもつないだりしながら親身に市民の相談に乗っていただきたいと要請いたします。

 次に、統一教会と自治体との今後の関わりについてです。

 日本のジェンダー平等の問題や選択的夫婦別姓制度の問題、また学校での性教育などがなかなか進まない原因の一つに、保守層の一部に日本の伝統的家庭観、家族観を重視する政治家の存在と、統一教会の働きかけの影響があると指摘されています。

 共同通信社の都道府県議へのアンケートの中で、統一教会側から家庭教育支援条例の制定や自民党が成立を目指してきた家庭教育支援法という法の制定を促す意見書の可決について、統一教会から働きかけを受けたと回答した議員が10県で計16人いたそうです。そのうちの4県で条例制定や意見書の可決が実現していたということです。教団が背後で影響を及ぼしていたことが報道で明らかとなっています。

 また、産婦人科医の河野美代子さんという方が、学習指導要領に妊娠の経過は取り扱わないという歯止め規定があるため、避妊方法や性暴力、性被害について伝えることもできないと述べています。

 河野さんは、学校現場で性の知識を知ってもらおうと全国各地で講演会を開いてきましたが、そのたびに統一教会から執拗な妨害を受けてきたと証言しています。

 講演会に紛れ込んできた統一教会の信者により、中学生にセックスを唆していると歪曲され、県委員会などにも通報されるなど、このような行為が現場の教師たちをこの性教育に対して萎縮させてきたと言います。

 そして、2000年代には全国で組織的な性教育バッシングが広がり、今国会で統一教会との深い関係を指摘されている山谷えり子議員が、過激な性教育が学校に広がっていると国会で質問をされています。

 2005年には、当時自民党幹事長代理だった安倍晋三氏を座長とし、山谷議員を事務局長とする過激な性教育ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトというものが結成され、全国の教育委員会に対して性教育の実態調査が行われます。その結果は、山谷氏が問題視したような過激な性教育はなかったにもかかわらず、性交や避妊指導は不必要として、学校指導要領や教科書から消えたということであります。

 統一教会と政治家との結びつきは、反社会団体にお墨つきを与え、霊感商法などの被害を広げるだけではなくて、このように法案をつくる政治家の政策にも影響を与え、ひいては社会そのものの在り方にも影響を与えることはあると言えると思います。

 ですので、行政も我々政治家もきっぱりとこの統一教会とは関係を断つべきだと思います。

 そこで、お伺いします。

 今後、統一教会と行政の付き合い方はどのようにしていくべきだとお考えでしょうか、お答えください。

○議長(平家恭治君)  副市長。

○副市長(菊池司郎君)  10日に閉会した臨時国会において、いわゆる旧統一教会問題をめぐる被害者救済法が成立をしました。

 旧統一教会は、高額献金や霊感商法など、社会的に極めて問題のある団体と認識しており、市としては、今後も旧統一教会や関連団体とは一切関わりを持たない考えです。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  ぜひそれを実行をお願いいたします。

 まとめます。日本の社会にもしかしたら裏から強い影響を与えていたのかもしれないこの統一教会は、教義の内容の異様さも、そして連日の報道で改めて明らかにされ、霊感商法による詐欺的な高額献金についても違法性が明らかにされ、反社会団体であるということが明確になりました。

 統一教会の被害者救済法が、先ほどおっしゃいましたように可決しました。

 日本共産党は、被害の実態に照らして今回の法案では不十分だと反対をしております。

 さらに実効性を明確にするために、マインドコントロール下の献金を禁止とするような修正を提案し、臨時国会を延長して審議を行うよう求めましたが、延長はされず、閉会しました。

 日本共産党は同日、被害者救済法は成立したが、これで終わりではないとして、1、直ちに見直し、実効性ある救済制度をつくること、2、統一教会の解散命令を請求すること、3、自民党など統一教会との癒着を解明し、うみを出し切ることなどを主張していきます。

 そして、統一教会2世の小川さゆりさん(仮名)は、被害者の痛切な訴えが当初新しい法律は必要ないと言っていた政府・与党を動かした結果だ。しかし、成立した法律は被害者救済にはあまりに不十分なものだ。なるべく早い時期に見直してほしいと述べています。

 また、日本国憲法には当然信教の自由が保障されています。どんな宗教を信じるのか、何にお金を使うのかは本人の自由です。

 しかし、団体名を隠した勧誘や監禁まがいの洗脳、親をサタンと否定したり、先祖の霊を救うためと法外な献金をさせ家庭を崩壊させるなど、教団が決めた相手以外の結婚を許さず、信者2世の自由恋愛を禁止する人権侵害など、様々な問題が指摘され、反社会的な活動をする宗教団体と日本の政治は本当に手を切ることができるのか、被害者救済法ができても終わりとはなりません。

 また、先ほども申し上げましたが、日本の学校現場では妊娠の知識、また正しい避妊方法や自分や相手の体を大切にするというような考え方を教える性教育を行っていないことが、若者に深刻な影響を与えているのではないかと危惧しています。

 望まない妊娠が増えたり、また最近20代から30代の有名なスポーツ選手が女性を妊娠中絶させたことが度々ニュースにもなっていますが、私にはそういった影響を感じざるを得ません。

 また、ジェンダーの問題については、若い世代ほど決めつけや固定観念ではなくて、多様な選択肢から個人が自由に選択できるような社会になってほしいという意見が多く見られるというアンケート結果が様々に出ています。

 統一教会と政治の関わりが明らかになった今、これからは日本のジェンダー問題や幸せな家族観、性教育についても、一旦フラットに戻して、どのような在り方が私たちが一人一人にとってこれから、またこれからの子供たちにとってよりよい社会になっていくのか、みんなで議論していくべきときではないかと思いますということを指摘して、大綱第1を終わります。

 次に、大綱第2、国保税の減額について伺います。

 国民健康保険税、国保税は、自営業者、農業・漁業者、また退職して健康保険をやめた方、パートやアルバイトで職場の健康保険に入っていない方などが加入し、医者にかかるときの医療費の負担割合を軽くするなどの制度です。

 しかし、国保税は国が国庫負担率を減らし続け、加入者の所得が下がり続けているのに、ほかの協会けんぽなどと比べても一番負担の重いものだと思います。

 もともと高い国保税ですが、特にその中でも均等割というものが、国保に加入する全ての家族に定額の負担をかけ、人頭税のような仕組みであると思います。

 生まれたばかりの赤ちゃんにも、生まれてすぐ保険料が発生します。ゼロ歳児を含めた家族一人一人に均等にかかるため、子供の多い家族、家庭ほど国保税が高くなります。

 そのため、国民健康保険税の負担は子育て世帯にとって、とりわけ重いものになっていると思います。

 子供の均等割は、子育て支援に逆行すると思います。子供の均等割の減免については、私も一般質問で何回か取り上げてきました。全国の知事会や市町村会などからも要望が出されてきました。

 そして、ようやく国は、2020年4月から、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児前までですが、均等割を5割公費で減額と決めました。その財源は、国が2分の1、県が4分の1、市が4分の1補助ということです。

 国保税は、前年の所得にかけられる所得割、そして固定資産税にかけられる資産割、先ほど申しました国保加入者の人数で決まる均等割、そして1世帯当たり幾らという平等割によって決まります。

 その上で低所得世帯に対してはもともと均等割、平等割の軽減措置として7割、5割、2割の軽減がされていますが、この世帯にはそこからさらに未就学児については5割軽減という制度です。

 そこで、お伺いします。

 未就学児の均等割保険料を5割軽減することになって、市として新たに4分の1負担することになったことによって、市の支出はどれくらい増えたのでしょうか、回答ください。

○議長(平家恭治君)  市民課長。

○市民課長(倭村祥孝君)  お答えします。

 今年度から実施されました国民健康保険に加入する未就学児の均等割保険料軽減措置に対しましては、国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1の割合で負担することとなっています。

 当市における軽減措置の状況としましては、対象となる未就学児は189人、均等割保険料軽減額200万1,666円となっており、市の負担は4分の1の50万417円になる見込みです。

 なお、市の負担部分につきましては、一般会計から国民健康保険事業特別会計への繰り出しにより措置することになります。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  国民健康保険税に新たな公費を投入することは一歩前進です。

 しかし、軽減の対象が未就学児にとどまることは、子育て支援策としては十分とは言えないと思います。

 全国の自治体では、子供の均等割の軽減を進めている自治体があります。未就学児だけでなく、全ての18歳までの子供に同様に5割軽減をした場合、市の負担はどれくらいになりますでしょうか、回答ください。

○議長(平家恭治君)  市民課長。

○市民課長(倭村祥孝君)  軽減措置の対象範囲を現行制度の未就学児から18歳までに拡充した場合は、対象者数は771人、均等割保険料軽減額は概算で約870万円となります。

 先ほどお答えした未就学児に対する均等割保険料軽減額は約200万円でしたので、差額の約670万円が新たな負担として生じます。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  もっと高額な額を予想していたんですが、670万円でできるのであればぜひやれるんじゃないかという気もいたしますが、北海道東川町というところ、人口が8,500人ということですが、ここではコロナ禍での住民の暮らしが厳しいときだからこそ、基金を取り崩しても国保料を引き下げるべきだとの日本共産党の町議の要求に対して、町長がこの要求を聞き入れ、21年度の保険料を1世帯当たり1万6,380円引下げを行いました。さらに、子供の均等割については、国の22年度から就学前の子供5割軽減の予定を、1年前倒しして21年度から行い、さらに18歳以下の子供まで対象を拡大し、5割軽減を実現し、住民から喜ばれているということです。

 さらに、愛知県大府市というところでは、もともと国の施策前から18歳未満の子供の均等割を減免対象としていましたが、今回の国の未就学児の均等割軽減に上乗せして、未就学児を3割減免、18歳までを8割減免としています。

 このような例もありますし、当市でもぜひ18歳まで5割軽減を拡大すべきではないかと思いますが、お考えをお願いいたします。

○議長(平家恭治君)  市民課長。

○市民課長(倭村祥孝君)  国民健康保険制度は、平成30年度の制度改革により、都道府県が財政運営の責任主体となりました。

 現在、県が主体となって法定外繰入れ等の解消や保険料水準の統一に向けた取組が推進されているところでありますので、市独自での実施は考えておりません。

 一方、全国市長会では、今年、国に対する重点提言の一つとして、子供に係る均等割保険料を軽減する支援制度に関して、対象年齢や軽減割合を拡大するなど、制度拡充を要望したところであります。

 当市といたしましては、国の動向等を注視するとともに、適切な制度運営に努めてまいりたいと考えております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  平成30年度に県が主体となった制度改正、これによって全国の自治体でも、それまで独自に軽減措置を行ってきたものができなくなったという例がたくさんあるようです。

 ただ、やっているところもありますので、できないわけではないかと思うんですが、これをもし実施するときにペナルティーみたいなものは実際あるのでしょうか、分かる範囲で教えてください。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  仮に市独自で就学時から18歳まで均等割保険料の軽減を実施した場合でありますが、当然ながら減収した保険税に対する国、県の財政支援はございません。

 また、財政運営主体である県からは、愛媛県国民健康運営方針に沿った財政運営が求められておりまして、国からの制度の要請ではないわけですから、一般会計からの繰入れによって公費で賄うこともできない状況であります。

 そうなりますと、減収した保険税を保険料率の引上げによって補うことになり、結果的に保険加入する皆様の負担となってはね返っていくということにつながります。

 このような状況ですので、市独自での実施は考えておりませんが、全国市長会などを通じて国の制度としての充実を求めたいと思っております。リスクはそういったところに、市民に返っていくところが最大のリスクだと考えております。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  これは市民に返ってこないようなやり方でぜひ進めていただきたいというのはもちろんそうなんですが、均等割、先ほど申し上げましたように、ゼロ歳の子供から家族の数だけかけられるということで、人頭税のようなものであるということで、やはりこれは何とか、子供を産んだら税金が上がるということで、少子化対策に逆行する制度であるというふうに感じますので、何とかならないかなというふうに思いますが、今言ったようなペナルティーもあるということなので、さらに検討をしていただきたいなと思います。

 子育て世代の親御さんからは、うちは子供が3人いて、高校生になったらすごく教育費にお金がかかる。子供が成長するに従って家計の負担が重くなるとの声があります。

 産むときだけの支援でなくて、その先を考えると、子供を産むという決断に迷いが生じるということを聞きます。

 ですので、18歳までせめて高校生まで均等割を軽減するということは、子育て支援にとって大きな支援策になると思いますので、ぜひ今後の検討をお願いいたします。

 それでは、次の質問に移ります。

 大綱第3、高齢者の補聴器助成についてです。

 2年前の2020年12月議会の私の一般質問において、補聴器の公的支援について質問していますと同時に、加齢性難聴者への補聴器購入に対する公的補助制度創設を求める請願が出されて、議会で賛同を得て、意見書が国に提出されています。

 そして、一般質問においては、加齢による難聴が認知症につながる可能性があること、日本の補聴器の使用率が欧米諸国に比べて低いが、その理由が、補聴器の保険適用がなくて高額であること、国の制度である障害者総合支援法の規定に基づいて、身体障害者手帳を取得した聴覚障害者には補聴器助成がありますが、難聴のレベルがかなり重度にならなければ対象にならないため、軽度、中度の難聴者は助成の対象外であること、難聴は日常生活を不便にし、コミュニケーションを困難にするだけでなく、鬱や認知症の遠因になることなどを指摘して、国の制度を待たず、市独自の助成を求めました。

 当時の市長の回答では、中程度の難聴者については手帳の交付とならないため、その数を把握していない、市独自の支援は今のところ考えていないなどというお答えでした。

 加齢による難聴者の増加は全国的な問題でもあり、国において聴覚障害の補正による認知症機能低下の予防効果を検証するため研究を進めているということなので、その動向を注視していきたいとの回答でした。

 まさに全国の自治体で中程度の難聴者の実態を把握し切れていないことが問題であると、厚労省の委託を受けた専門家らの会議において、2021年3月に発表された自治体における難聴高齢者の社会参加に向けた適切な補聴器利用とその効果に関する研究の中でも指摘されています。

 その報告によると、認知症の要因の一つとして難聴が指摘され、難聴は認知機能に影響を与え、介護予防や生活の質を維持していく上でも重要なテーマである。補聴器の早期利用により、高齢者の生活の質の低下を予防することが重要である。一方、加齢性難聴のように、本人が気づかないうちに症状が悪化し、適切な支援や受診につながらないケースもあると指摘して、今後の課題として、難聴の早期発見そして難聴が疑われたときに医療機関へスムーズにつなぐ連携の仕組み、それから補聴器装用後、装用を継続するためにフォローを行うことなど、5つの項目で今後の課題が指摘されています。

 認知症の予防、健康寿命の延伸、そういったためにも、ぜひ早期発見、連携が必要であるという指摘です。

 そこで、伺います。

 難聴の早期発見のために、特に高齢者には特定健診などで聴力検査を受けるよう推奨してほしいと思いますが、どうでしょうか。

○議長(平家恭治君)  保健センター所長。

○保健センター所長(小野嘉彦君)  お答えします。

 特定健診では、生活習慣病の発症予防と重症化予防を目的に行っていますので、聴力検査は特定健診の検査項目には含まれていません。

 議員御指摘のとおり、難聴は認知機能の低下に影響を与えることが分かってきましたので、特定健診の受診者に対して聴力検査の必要性について周知啓発したいと思います。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  加齢でだんだん聴力が低下し、無自覚のまま会話がうまくいかなくなり、だんだんとコミュニケーションを取ることがおっくうになり、社会に出ていく気力が失われる、そういったことにならないように、早期発見、そして聴力検査の重要性がますます重要ですので、周知に努めていただきたいと思います。

 次に、当市において認知症とされる方の実態は把握していますでしょうか。ここ数年の推移など、どうなっていますでしょうか。

○議長(平家恭治君)  保健センター所長。

○保健センター所長(小野嘉彦君)  当市の認知症高齢者数は、要介護認定者のうち、認知症高齢者の日常生活自立度を基に把握しています。

 65歳以上の認知症高齢者は、各年度4月1日現在ですが、令和2年度は1,537人、令和3年度は1,535人、令和4年度が1,520人と推移しており、大きな変化は見られません。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  港区の医師会では、独自に65歳以上の区民を対象に、区内21か所の耳鼻咽喉科で聴力検査を無料で行っているそうです。この港区の医師会の調査では、65歳以上の高齢者の78.9%が難聴であった。そして、約16%が難聴によって仕事や生活に支障がある、約16%は仕事を難聴のために諦めたと回答している結果が出ているそうです。

 そのためにこの補聴器というのが重要になります。この間、補聴器も様々な種類が発売され、最近は会話やサポートイヤホンなども発売されるなど、様々な種類が出ていると言います。

 とはいえ、年金で暮らせる高齢者や低所得者にはまだまだ高額で、手が出ない状況です。

 今後、当市の高齢化もますます進むことが予想される中、高齢者のニーズに合わせて種類が自分で選べるような支援制度を実現していただきたい。市独自の難聴支援制度ができないか、伺います。

○議長(平家恭治君)  保健センター所長。

○保健センター所長(小野嘉彦君)  県内で助成制度を導入している市町はありませんが、全国各市町村の導入状況や補助内容について、まずは調査研究を行いたいと思います。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  まず実態把握が大事で、早期発見、そしてサポート体制が必要だという結果が出ておりますので、ぜひ周知徹底など行っていただいて、定年退職後もまだまだ元気で働ける高齢者や地域で生き生きと活動できる高齢者を増やすためにも、この難聴をコミュニケーションの阻害要因にしないために御努力をお願いしたいと思います。

 次に移ります。

 大綱4、学校給食の在り方についてです。

 学校給食費の無償化について伺います。本年6月議会の一般質問で、同僚議員の給食費の無償化を求める質問に、理事者より、1食小学校や幼稚園で245円、中学校で270円、そして令和3年で2,355人分、1億800万円を保護者、教職員から徴収し、給食に関わる食材費の総額は1億1,100万円で、差額の300万円は一般会計からの学校給食費地産地消推進事業補助金と廃油回収代で賄っているとの回答でした。

 また、経済的理由で就学困難な児童・生徒の保護者については全額補助、それで1億円を超える給食費の無償化は考えていない。ただ、物価高騰分の20円は補正でというお話で、それが実現しています。

 そのときの市長の答弁で、給食費を無償化することについて、学校で教えることは、給食を通してやはり全てが教育だと思います。食事に関して、子供たちが食事をする、自分たちが食べた分、その材料代、原材料についてはやはりしっかりと払っていくことも教育として教えていくべきじゃないかと考えているとの答弁がありました。

 この内容について、全てが教育であるということは私も同じ考えですが、材料費を自分で払うことを教育として教えていくべきだというところについては、私としては一面的ではないかと感じております。

 食育とは、経済の仕組み、社会の厳しさを教えるというものもありますが、それだけではなく、もっと広い意味があるかと思います。

 そこで、お聞きします。

 義務教育の一環として学校給食費は無償化すべきである。食育という観点からもすべきであると思いますが、食育とはどういうものかということも含めて、これについてお答えください。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  学校給食は、望ましい食習慣や豊かな人間関係を形成していくなど、食の指導を通して生きる力を育む健康教育の一環として極めて重要な役割を担っていると捉えています。

 しかしながら、教育費の無償化は、同じ無償化であっても、昭和38年度に制度化された教科書の無償化や、本市でも令和3年4月より始めた小・中学校の医療助成制度、通院の無償化とは質的に異なるものです。よって、現時点では給食費を無償化する考えはありません。

 ただし、物価の高騰により、さらに給食費の値上げが必要になった場合は、本年8月に補正予算を御承認いただいたように、値上げ分については市で対応したいと考えています。

 なお、経済的な理由によって就学困難と認められる児童・生徒の家庭には、これまでにも就学援助制度により全額補助をしているところです。

 いずれにしましても、これまでどおり保護者と行政が協力して感謝の心を持って食事ができる子供の育成を目指していきたいと考えています。

 食育ということも言われておりましたので、平成17年に食育基本法が、平成18年に食育推進基本計画が制定されまして、本市においても平成26年に食育推進計画が策定をされております。

 そこでは、子供たちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることが重要であると考えており、学校においても、計画に沿って積極的に食育に取り組んでいるところです。

 具体的には、食事の重要性、心身の健康、食品を選択する能力、食べ物を大切にする感謝の心、食事のマナーなどの社会性、食文化理解などを身につけることが大切と考えています。

 しかしながら、1年間の給食提供日数が約200日であり、1日3食、1年365日食事をすると考えれば、年間1,095食になり、1年間に取る食事のうち、学校給食が占める割合は約5分の1にすぎません。あとの5分の4は家庭等での食事が占めることとなります。したがいまして、よく「早寝早起き朝ごはん」と言われますが、朝御飯をきちんと食べる。また、家族や友達とみんなで楽しく食事をする。食べるときには気持ちのいい挨拶をする。そして、食事の手伝いを率先してするなど、家庭における教育が前提となり、学校、家庭、地域が連携の上で食育は成り立っていくものと考えております。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  この間答弁された内容とは明らかに違うかと思いますので、そのような幅広い内容が食育には含まれているということですので、そして学校給食法の中にも、学校給食の目的として、食育の推奨を図ることとされ、7項目について掲げる目標が決められていて、学校給食が大事な教育の一環であるという位置づけをされているかと思っております。ですので、憲法26条では、義務教育は無償と定められており、学校給食法でも、学校給食は食育の推進が目的であるというふうに書かれておりますので、やはり学校給食費は義務教育であり、無償化されるべきものであると考えます。

 ただ、財政的な負担も大きいものでありますので、いずれは当市の学校給食も無償化されることを願っているというふうに申し上げたいと思います。

 次に、学校給食費の食材について伺いますが、有機野菜を中心とした食材をという運動が、日本だけでも広がっておりますし、フランスや韓国などでも広がっております。

 そして、有機野菜というものに関しては、農薬や化学肥料を使わず、遺伝子組換え技術を使わないもの、有機、オーガニックと表記できるものは、堆肥などで土をつくり、そして2年間禁止された農薬や化学肥料を使わない畑で種がまかれたりした植物、環境への負荷をできるだけ低減した植物が有機農産物ということでありますが、こういった有機野菜を中心とした食材を使って子供の健康を守るためにも、こういったオーガニックな方向を目指していただきたいと思いますが、当市の学校給食の食材は、現在どのような食材が使われているのか、また地産地消も含めて、現状と今後の取組についてお答えください。

○議長(平家恭治君)  学校教育課長。

○学校教育課長(梶本教仁君)  それでは、お答えいたします。

 給食に使用する野菜は、市内の青果店9業者から購入しています。

 有機JAS規格の条件を満たした野菜を使用することは、安全・安心な給食を提供する上で理想的であると思いますが、1日約2,300食の食材を確保する上で、量の面でも取扱業者の面でも困難であると考えています。

 また、地産地消については、平成27年度から地産地消推進事業を実施しており、学校給食に地場産物や郷土食を取り入れています。

 かんきつ類では、西宇和各共選ブランドミカン、紅まどんな、甘平、せとかを提供、水産物加工食品では、地元産養殖マダイを使用したタイのムニエル風マーマレードソースかけ、潮汁、鯛めしなどを提供、また地元養豚業者が生産する豚肉を使用したメニューも提供しています。

 なお、地元産食材を使用したメニューは、給食だよりやメニュー表で紹介をしています。

 今後も、児童・生徒が地元産食材に対して誇りを持てるよう、学校給食のさらなる充実を図っていきたいと考えています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。

○遠藤 綾君  有機食材、野菜などを使ったものは理想ではありますが、業者の問題や食の確保の上で難しいというお答えでした。

 そういった現実もありますが、子供たちの今後の健康、そして同時に、この地域の農業を守っていく、そういった面でも、今後有機給食、オーガニック給食というものが大きくテーマとして出てくると思っております。ぜひ今後の学校給食の在り方の参考にしていただいて、御検討のほどよろしくお願いいたします。

 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  先ほど遠藤議員の大綱4、学校給食の在り方についての義務教育の期間は無償化とすべきと思うがという問いに対しまして、給食費の無償化というところを教育費の無償化と間違って発言しておりますので、訂正をお願いします。

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