一般質問(一問一答)R4.12 菊池彰議員

公開日 2023年03月02日

〔菊池 彰君質問席へ移動〕

 

○菊池 彰君  今年も残すところ3週間足らずとなりました。実りの秋、収穫の秋を迎え、11月からミカンの収穫が始まりました。今年はミカンの生産量が昨年より1割程度少ない状況ですが、生産者の努力が実って、高品質で市場での評価も高く、高値で推移をしているようです。たわわな実りが農家の収入に結びつくことを願っています。

 今年も国内外で憂えるべき事案が多数発生し、新型コロナウイルス感染者も増え始め、既に第8波に入ったと言われております。

 暗いニュースが続く中、サッカーのワールドカップでの愛媛県出身選手の活躍に感動を覚え、今月25日に都大路で開催されます全国高校駅伝に、16年連続出場の八幡浜高校女子陸上部のブラボーな走りに期待して一般質問を行います。

 それでは、通告書に従いまして、大綱2点についてお伺いします。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。

 大綱1、通園・通所・通学バスの安全対策についてであります。

 本年9月、静岡県で3歳の女の子が認定こども園の通園バス内に取り残されて、5時間以上閉じ込められ、熱中症で亡くなるという痛ましい事件が発生しました。運転手の都合がつかず、当日急遽運転をしていた理事長は、園児らがバスを降りる際に車内の確認をしておらず、またクラスの担任は女の子が教室にいなかったにもかかわらず、欠席したと考え、保護者に問合せをしなかったなど、複数のヒューマンエラーが重なったことが原因と言われています。

 送迎バスをめぐっては、昨年7月にも、福岡県の保育園で園児が車内に取り残されて、5歳の男の子が熱中症で亡くなる事件が起きています。

 灼熱の車内に取り残されたお子さんの気持ちを思うと、あまりにも痛ましい事件であり、悲しく、残念で、言葉が見つかりません。

 昨年7月の事件後、国は全国の保育所や幼稚園などに対し、安全管理の徹底を求める通知を出しました。

 具体的には、送迎バスを運行する場合、乗車時と降車時に人数を確認し、職員の間で共有することなどを求めていました。

 しかし、今回事件のあった園では、乗車した園児の名簿と実際にバスを降りた園児を確認するというルールを定めていませんでした。複数での車内点検や担任による出欠確認といった基本をおろそかにしたことは、怠慢としか言いようがなく、1年前の教訓が生かされなかったことは、悔やんでも悔やみ切れません。

 子供を守るということを自分ごととして考えないと、全国どこの保育所、幼稚園でも起きる危険性が潜んでいます。他山の石を以て玉を攻むべしという故事もございます。

 ここで質問ですが、当市での通園・通所の送迎バスについて、現状を伺います。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  お答えします。

 市内の保育所、幼稚園、認定こども園のうち、現在公立の施設では送迎バスを運行していません。

 私立の施設では、幼稚園等4園のうち3園で送迎バスを運行しています。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  今課長から、3園送迎バスを運行しているとの答弁でございました。

 利用している園児の人数についての把握はされておりますでしょうか。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  お答えします。

 利用人数については、月単位での利用や単発での利用等いろいろあるようですが、3園で約40名の園児が送迎バスを利用しているようです。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  ありがとうございます。

 私立の幼稚園につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第32条で、県の教育委員会というのが明記をされております。そういった中、昨年7月、本年9月と痛ましい事件が発生しましたが、当市としてどういった指導、通達を出されたのか、お伺いします。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  送迎バスの安全管理の徹底については、厚生労働省等から通知が出されており、本市の私立の幼稚園等へは、先ほど議員もおっしゃられたとおり、愛媛県を経由して通知されます。また、愛媛県からバス送迎に関する実地調査も通知をされています。

 本市としては、県からの協力依頼を受けて、11月中旬から12月上旬にかけて行われた実地調査に市の職員を同行をさせました。

 これにより、送迎バスを運行している本市の幼稚園等において、連絡体制や人数チェック等、安全に管理されていることを確認済みです。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  私も、県の教育委員会が所管ですので、市はどういった形での対応ができているかということで質問させていただきましたが、もう全て情報が共有されているということで、安心をいたしました。

 今回の事件を教訓に、小倉少子化担当大臣は、全国の保育所や幼稚園、認定こども園などのおよそ1万6,000施設、約4万4,000台の送迎バスに置き去りを防ぐための安全装置を2023年4月から義務づけるよう指示を出し、必要な財政措置を含めた支援策の策定も指示しています。

 韓国では、日本と同じように送迎バスによる置き去りで幼児が死亡するケースがあったことから、4年前に道路交通法などの改正が行われ、スクールバスへ安全装置の導入が義務づけられました。

 エンジンを切った後、運転士は3分以内に車内の後部にあるボタンを押さないと警報音が鳴ります。最後尾まで歩いて往復せざるを得ず、その途中で残っている子供がいないかを確認できる仕掛けとなっています。

 どういった安全装置が装着されようと、最終的には人の目によるチェックが必要であり、子供の命を守るためには、確認の徹底に勝るものはないと誰もが認めることであると思います。

 また、11月12日には、大阪府で2歳の女の子が保育所に預けたと思い込んだ父親の車の中に取り残され、熱中症で亡くなりました。このニュースを見たときに、こんなことが本当に起こり得るのだろうかと、私以外にも多数思われたことと思います。

 しかし、今年5月には新潟県で、また2020年には茨城県で、同じように預け忘れで車内に置き去りにされて、2人とも亡くなっています。

 大阪府の事件では、園児の出欠については、保護者が登園時にチェックカードに記入する、保育士が園児の顔を見る、登園予定の園児がいない場合には保護者に連絡するといった方法で確認するのが基本的な対応でした。

 しかし、保育所が園児が無断欠席したことに気がつきながら確認の電話をしていなかったことも明らかになっています。

 小倉少子化担当大臣は、保護者はしっかりと子供の命や安全を守る高い意識が必要であり、一方で、保育所が当然やるべき所在確認をしていれば救えた命であり、保育所の責任は重いと述べています。

 ここで質問ですけど、保育所や幼稚園、認定こども園において、登園時のチェックの仕方、無断欠席した場合の保護者への確認など、どういった方法を取られているか、伺います。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  お答えします。

 公立、私立の施設とも、園児の出欠確認は担当者が出席簿で確認し、その後、園内で情報を共有しています。

 また、園児が欠席する場合の連絡方法については、保護者から園への電話連絡としています。

 連絡もなく園児が登園していない場合は、園から保護者へ電話をし、欠席かどうか必ず確認するようにしています。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  当初の置き去りの事件のときに、保育所の対応として、ちょうど電話をしようと思ったらほかの子がぐずついていた。別の保護者から電話があり、その対応をしたら忘れてしまったというのが、こういった原因でありました。

 今課長が言われましたが、無断欠席の場合に、連絡方法として、マナーモードであったり呼出しに出なかったりと、そういったことが発生することも危惧されるわけですが、そういった場合の対応についてはどうされているのか、お伺いします。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  お答えします。

 保護者と電話で連絡が取れない場合は、勤務先に電話をしたり、祖父母等家族の方へ電話をするなど、必ず連絡を取るようにしています。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  連絡が取れるまで、すぐに対応しているということで、安心をいたしました。

 11月8日には、岩手県において小学校1年生がスクールバスで下校時に寝込んでしまい、運転手が全員下車と勘違いして後部座席の確認を怠り、下車して施錠する案件が発生しました。

 幸いにも、小学生はバスのドアが閉まった音で目を覚まして、自ら運転席のクラクションを鳴らし、まだ近くにいた運転手が気づいて引き返し、事なきを得ました。

 閉じ込められたときにはクラクションを鳴らすように保護者から教わっていたことで大事に至らなかったわけですが、運転手が施錠した後も寝込んでいたり、助けを求めても近くに誰もいなかったらと思うと、背筋が凍る思いです。

 岩手県の小学生が自らクラクションを鳴らして助けを求めたことを受けて、全国各地の保育所、幼稚園で、車の中で1人になって出られなくなったときには、ラッパのマークを両手で強く押してと、クラクションを鳴らす訓練を実施したとの報道を見ました。

 力が足りず押せないときには、ハンドルに腰をかけて音を出す方法も学んだとのことです。

 万全を期しても人がすることに絶対の安全はありません。起きてはならない事故を防ぎ、幼い命を守るために、万が一に備え、自分でできることを体で覚えることが必要です。

 助けを求める方法を知っていれば、家族との外出時や災害時に必ずや役立つものと思われます。

 ここで質問ですが、保育所、幼稚園でクラクションを鳴らす訓練を実施したところはあるのか、伺います。

○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。

○市民福祉部長(二宮恭子君)  お答えします。

 実地調査の結果、どの園もクラクションを鳴らす訓練は行っていませんでした。

 園児が車を降りた後の車内確認については、同乗している職員が必ず行っていること、またバスの施錠前には、運転手が座席等のアルコール消毒と併せて改めて見回りを行っていることを確認しています。

 ただし、議員おっしゃるように、絶対に見落としがないとは限りません。万が一に備えて、国からも子供たちへの支援の一例として、クラクションを鳴らす訓練が示されていますので、該当する施設に対し、市からも再度通知をいたします。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  二宮部長のお答えいただきまして安心をいたしましたし、それぞれの該当の幼稚園では、すぐこういった訓練をしてほしいと思っております。

 広島市安佐北区のバス会社では、相次ぐ置き去り事件を受けて、広島市立上安小学校の2年生32名を対象に、バスに取り残されたという想定で、クラクションを鳴らす体験学習を実施したとの報道を見ました。

 広島市内でも11月に、特別支援学校の児童1人が、同乗職員が降車時に確認を怠ったため、最後尾の席に約45分バスに取り残される事件が発生をしています。

 ここで質問ですが、当市におけるスクールバスを利用して登校している地域はどこになるのか、また利用している小学生に対してこういった訓練もしくは事例の報告をされたのか、伺います。

○議長(平家恭治君)  学校教育課長。

○学校教育課長(梶本教仁君)  お答えします。

 今年度小学校のスクールバスの利用状況は、宮内小学校では、磯崎、喜木津、広早、鼓尾地区5名の児童を対象に運行しており、運転はシルバー人材センターに委託しています。

 また、日土小学校では、日土東地区と榎野、森山、小坂地区13名の児童を対象に、にこにこ日土に委託しています。

 一方、スクールタクシーについては、千丈小学校では高野地、古谷地区3名、神山小学校では舌間、合田、栗野浦地区11名の児童を対象に、業者に委託して運行しています。

 クラクションを鳴らすなどの緊急時訓練は実施していませんが、国、県からの安全管理の徹底に関する指導を各委託業者に伝えており、運転者に対して指導していただいています。

 今後も引き続き安全管理の徹底に努めていきます。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  しっかりと通達ができているということで安心をしましたけれども、やはりこれも何年間に1回かは周知の意味でそういったことを続けていっていただきたいと考えております。よろしくお願いします。

 政府は、再発防止に向けた取組を緊急に取りまとめ、予算と人員が限られる保育所等に過度な負担をかけずに、かけがえのない子供たちの命を守るために、来年4月から全国の保育所、幼稚園等の送迎バスに安全装置の設置を義務化するとともに、財政支援をすると発表しました。

 併せて降車時の子供の点呼など義務化、統一された職員向けの安全管理マニュアルを作成し、再発防止策を講じる計画です。

 一方で、事件の背景には慢性的な人手不足など、保育の現場が長年抱える別の課題もあり、国のハード重視の対策に根本的な改善を求める声も上がっています。

 今までの人数で安全管理の強化をしなければならない、チェック項目も増えていくし、現場は大変である等々、保育士の方々が安心して子供たちの成長、発達を見守ることができる環境づくり、ソフト面の強化にも政府が注視、改善することを願い、二度とこのような痛ましい事件が発生しないことを願って次の質問に移ります。

 大綱2、デジタル教科書への取組、電子図書館の導入についてであります。

 2019年12月に文部科学省が発表した教育改革案、1人1台の端末タブレットやノートパソコンをというGIGAスクール構想を立ち上げ、当初2023年度末までにネットワークを目指すとされていました。

 しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、臨時休校が長期化する状況を鑑みて、スケジュールの前倒しが必要と判断され、2021年3月時点で全国ほとんどの小・中学校で端末の導入が完了しました。

 本年9月15日、文部科学省の公開データによると、パソコンやタブレット端末で使うデジタル教科書について、全ての公立の小・中高校などで導入した市区町村が、3月時点で292に上り、昨年3月の31から急増していることが分かりました。全1,741市区町村の16.8%に当たり、学校数で見ると3万2,732校中1万1,737校で、35.9%に上っています。

 県内においては、松山市、今治市、松前町、伊方町、松野町の5市町で導入率100%になっています。

 デジタル教科書は、図や文字を拡大し、音声や動画も視聴できるのが特徴です。読み上げ機能やタッチペンによる書き込みもでき、学習方法の広がり、デジタル機能の活用による教育活動の一層の充実が期待されています。

 ここで質問ですが、当市においてのデジタル教科書への取組状況、今後の計画について伺います。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  お答えします。

 国は、ロードマップに基づき、児童・生徒用デジタル教科書の普及促進、その効果、影響について検証するため、令和2年度より、学びの保障充実のための児童・生徒用デジタル教科書実証事業を実施しています。

 これは、学校ごとに活用したい教科を希望する仕組みで、今年度当市では、他市町同様、この制度を利用しています。

 教科別の実施状況を言いますと、小学校算数6校、中学校数学2校、小学校外国語12校、全小学校、中学校英語4校、全中学校、中学校理科1校で導入しており、5月より本格的な活用が始まっております。

 今小学校の外国語、中学校の英語で申しましたように、全ての学校で導入しておりますので、本市においても導入率は100%です。

 今後は、デジタル教科書を使った効果的な学習活動の実現に向け、教師が実際に使用する機会を確保するために、指導者用のデジタル教科書導入が必要であると考えています。

 児童・生徒用のデジタル教科書については、令和6年度小学校の教科書の改訂が行われますので、その後の国や県の動向を見ながら導入を検討していきたいと考えています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  現段階では2024年度からの本格導入ということで、今実証実験段階でありますけれども、今教育長言われましたように、全ての小・中学校でいろいろと算数や英語とか、いろんな形でもう100%全ての学校がこういったデジタル教科書で授業をしているということで、あと2023年と今年度の残りですので、2024度からはしっかりとみんなデジタル教科書を使うことができると感じているところです。

 文部科学省は、2024年度から本格導入を予定していますが、現在使用している紙の教科書は国公私立の義務教育の全児童・生徒について全教科の教科書を国が購入して無償で供与しています。

 小学校では、教科書1冊当たりの平均定価は379円、児童1人の1年間の平均教科書費は約4,000円となっています。

 ちなみに、2020年度政府予算として460億円が計上されています。

 しかし、現段階で文部科学省は、学習用デジタル教科書は無償供与の対象外、学習用デジタル教科書を使用するかどうかは学校判断。購入に係る費用は市町村、教育委員会等が負担としています。

 また、中長期的には、普及・定着の状況も勘案しながら、選択制を含めた制度面の検討と併せて、紙の教科書とデジタル教科書のいずれか一方、または双方を無償措置の対象とすることを検討することが望ましいとの見解を示しています。

 ここで質問ですが、文部科学省は子供たちの学力向上、先生方のICT情報通信技術スキル向上のため、効果的に指導するため、4校に1名のICT支援員を構えることを推奨していますが、現在の状況、今後の予定について考えを伺います。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  お答えします。

 デジタル教科書のメリットを最大限発揮し、児童・生徒の学力向上に寄与するためには、教師のデジタル教科書を含むICT活用指導力の向上を図ることが必要不可欠です。

 1人1台端末の効果的な活用、個々の教師によって指導力に差が生じることがないよう、現在ICT支援員を2名配置し、各校を月2回程度訪問しております。

 ICT支援員の配置で助かっている、できれば増員してほしいという声が学校現場からも上がっており、教育委員会としては、適切な配置ができないか検討しているところです。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  教育長から、既に2名の方が支援員として各校を訪問し、先生方も大変助かってるという声も届いているとのことでございました。

 ここで、ICT支援員、なかなか言葉は知っていても、どういった方がされているのかなということで質問をさせていただきますけれども、ICT支援員はどのような方が担当しているのか、どのようなサポートをしているのか、そしてこの支援員というのは必要な資格が要るのか、この3点についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  お答えします。

 ICT支援員は、過去に小・中学校への派遣実績がある、人材育成やサポートの仕組みなどのノウハウが蓄積されている、そういう人材派遣会社を入札で選定し、委託しております。

 現在、学校のICT環境に関して全般的なサポートをする専門的スキルを持っている人材を、先ほどお答えしましたように、2名配置していますが、必要とされている資格要件はありません。

 主な業務内容は、授業支援、入学・進級時の様々なアプリを活用するための年度末更新作業、日々のICT機器の操作、トラブルのサポート、ICTに関する校内研修支援、オンライン研修、菊池議員にも委員になっていただいておりますいじめ対策委員会、6月の会議で協議した後、SNS、ネットモラル関係の講演会を実施しましたが、いじめ対策委員だけではなくて、全ての小・中学校で希望者に見せれるようなオンライン研修を行いましたが、あれについてもICT支援員が関わってくれています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  細かく説明していただきありがとうございました。

 この件であと一点だけなんですが、今こういったデジタル教科書が普及という時代ですので、こういった人材派遣会社、先ほど教育長から入札でということを言われましたが、こういった人材派遣会社というのは多数といいましょうか、どれぐらいあるものか、情報をお持ちであったら教えていただきたいと思います。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  3社でやっていると聞いてます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  ありがとうございました。

 デジタル教科書が幾ら音声付で、よくできましたと自動的に花丸をつけてくれるようになったとしても、小学生の子供が最も喜ぶのは、やはり親の頑張ったねという温かみのある言葉ではないかと思います。

 子供たちの力を最大限に引き出し、誰一人取り残すことのない創造性を育む未来の学びが人にも優しい心が通い合うツールになることを願い、次の質問に移ります。

 電子図書館の導入について伺います。

 一般社団法人電子出版制作・流通協議会の発表によると、本年10月1日現在で、自治体の公共図書館における電子書籍サービスを実施している図書館は、全国で436自治体344館となっています。

 館の数が少ないのは、広域電子図書館があるためで、長野県においては「デジとしょ信州」という図書館名で、1県19の市、22の町、35の村が加入しており、導入率は100%となっています。

 愛媛県においては、現在導入自治体数は7で、導入率は33.3%となっています。

 多くの自治体が行政サービスの一環として電子図書館を導入していますが、メリットとして、利用者からは、図書館の開館日、開館時間、天候、距離などを気にせず、いつでもどこにいても24時間365日インターネットを通じて電子書籍の検索、貸出し、返却、閲覧が可能です。音声読み上げ機能や文字サイズ拡大機能で、読書困難者や高齢者の方々でも気軽に閲覧することができます。

 図書館にとっては、貸出し、予約、返却、督促といった業務が必要なく、返却期間を過ぎた電子書籍は自動で返却されます。蔵書スペースが不要のため、図書館の規模は関係ありません。利用者の書き込みなどの心配もなく、安心して取り扱うことができます。

 自治体にとっても、図書館に行きたくても行けない人に対しても、情報や資料を提供する非来館サービスができます。障害者サービスや子育て支援、子供の教育の充実、教育格差の是正につながるのではないかと思います。

 電子図書館は、全ての書籍や資料を電子化しているわけではなく、貸出しや閲覧できるものの数が限られていることは理解しています。

 ここで質問ですが、これまで内部で協議された中で、どういったことが問題点として浮かび上がっているのか、伺います。

○議長(平家恭治君)  生涯学習課長。

○生涯学習課長(井上耕二君)  お答えします。

 問題点の1つ目、これは電子化された書籍いわゆるコンテンツの数が非常に少ないということです。

 刊行される書籍のほとんどは、紙の本と同時に個人がダウンロードして購入するタイプの電子書籍でも販売されていますが、電子図書館に提供される場合は、改めて著作権者の許諾を取る必要があり、時間と労力がかかってしまいます。

 特に、子供たちが調べ物でよく利用される児童書につきましては、執筆者のほかに監修、写真撮影など複数の権利者が関わることが多く、その他の本よりもさらに著作権の処理に負担を要することがコンテンツ数が伸びない原因の一つとなっています。

 なお、多くの出版社は、電子図書館で読む人が増えることにより書籍の売上げが減少するという点も懸念しているようです。これもコンテンツ数の増加につながらない事情だと思われます。

 問題点の2つ目は、コストパフォーマンスの悪さです。

 電子書籍の導入には、1冊ごとにライセンス料を支払う必要があります。本市の図書館の場合、紙の書籍の値段は1冊平均で約1,700円でありますが、電子書籍は平均で約3,300円となります。しかも、電子書籍で人気の本や新しい本は貸出回数は52回まで、または2年を過ぎるとライセンスが切れて利用ができなくなってしまいます。人気書籍を例えば10年間利用できるようにするためには、ライセンス料を5回購入しなければならず、1冊で1万6,500円もの費用が必要となります。

 紙の本であれば、一度購入すれば何十年も図書館に残りますが、電子書籍は著作権が消滅するまでライセンス料を払い続ける必要があります。

 そのほかにも、電子書籍はダウンロードする方式ではなく、通信しながら利用する方式となっており、利用している間通信料がかかってしまうため、Wi-Fi環境が必要になります。

 また、電子図書館になれば、いつでも誰でもどこででも借りられると思われている方もいらっしゃると思いますが、実際には1ライセンスにつき同時に複数人がアクセスすることはできませんので、誰かが利用中であれば、その方が返却するまでは借りることができず、この点では利便性の向上には必ずしもつながらないなど問題が上げられます。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  今課長より、なかなかこの電子書籍には制約が多いということを言われました。その中でも、ライセンスの関係で2年間もしくは52回の閲覧、これを繰り返すと本当、先ほど10年間たつと1万6,500円になりますというような答弁でございましたけれども、もし八幡浜市でこの電子図書館を導入した場合、どれくらいの経費が必要なのか。

 そして、先ほど申しました長野県は、1つの県で全市町村が入っておりますが、こういった広域化での対応の動きというのはあるのか、そういった点についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  生涯学習課長。

○生涯学習課長(井上耕二君)  お答えします。

 まず、市単独で導入した場合の経費でございますが、システムの初期費用が77万円、毎月の利用料が5万5,000円でございます。

 そのほか、電子化された書籍を購入するためのコンテンツ料が必要となります。

 例えば、当初導入の際に1冊平均3,300円の書籍を1,000冊そろえるとすれば、システムの初期費用に加えて330万円程度の費用がさらに必要となります。

 次に、広域での導入についてですが、今年度に開催された県内公共図書館長会議におきまして、広域電子図書館の導入について検討してはどうかという意見が出され、現在愛媛県立図書館において、広域電子図書館を導入している地域の調査研究を始めたところでございます。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  単独での導入も本当に経費がかかりますし、また広域であっても、なかなか閲覧に制約が多いということで、どちらがいいのか分からないわけですけど、またいろいろと御検討をお願いをいたします。

 新型コロナウイルス感染拡大でリアルの図書館が休館となり、電子図書館が急速に増えています。2020年度に電子図書館を導入した自治体は53で、2019年度の10倍以上に上っています。

 利用者からは、人が触った本を触らなくてよい、数冊単位で借りるときと返すとき、重くて持ち運びが大変なので、電子書籍だと助かるといった声もあります。

 今後は、学校でデジタル教科書の導入が進んで、子供やその家族の電子書籍への理解やニーズが高まることが予想されます。

 図書館の利用は地域によって差はありますが、市民の1割強程度と推測をされています。電子図書館は、残りの人も利用してもらえるような極めてハードルの低い公共サービスではないかと思います。

 ここで質問ですが、市民の方の現在の図書館と移動図書館の利用状況、今後の電子書籍のニーズについてどう分析されているか、また電子図書館の導入についての計画があるのか、考えを伺います。

○議長(平家恭治君)  生涯学習課長。

○生涯学習課長(井上耕二君)  お答えします。

 令和3年度実績で、市民図書館、保内図書館の2館合計で来館者数が14万4,462人、1日平均488人でございます。

 貸出利用人数が3万7,002人です。貸出点数は15万7,703点、1日平均528点となっております。

 両館ともコロナ禍による利用制限により、令和2年度と比較しますと2割程利用者が減少をしております。

 そして、令和4年5月から車両をリニューアルしました移動図書館ですが、保育所、小・中学校、地区公民館等ステーションを増やして市内22か所を巡回していますが、11月末現在での7か月間の実績は、利用人数3,001人、令和3年度は351人、貸出冊数5,425冊、令和3年度は1,560冊となっており、利用人数、貸出冊数ともに大幅に増加している状況です。

 次に、今後の電子書籍のニーズについてですが、既に導入している県内の図書館を調査したところ、導入初年度は、市民の期待感で利用者が急増しますが、2年目以降に入ると、コンテンツの少なさゆえに利用者が激減しています。

 電子図書館を導入しているある自治体では、登録者数は住民の約2.6%、実利用人数は1%未満というのが実情だそうです。

 コンテンツ数が年々増加はしていますが、まだまだ利用者が満足するレベルには達していないと認識をしています。

 電子図書館につきましては、コンテンツ数が非常に少ないことやコストパフォーマンスの悪さ等から、現時点では導入予定はありませんが、著作権が消滅した作品や、著者が許諾した作品のテキストを無料で公開している電子図書館青空文庫というのがあるんですけれども、これは約1万6,000作品があります。この青空文庫については、市のホームページからアクセスし、利用できるようになっていますので、市民の方にはぜひ青空文庫で電子図書館を体験していただきたいと考えています。

 将来的に電子図書館のコンテンツ数が増え、コストパフォーマンスが改善され、市民から多くの要望が出されるようになれば、導入に向けて検討したいと考えています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  今課長から答弁いただきましたが、やはり初年度は物珍しさもあって利用者もいるが、翌2年目からは激減しているところもあるということは、なかなか慎重な決断をしなければならないと思いますし、また新しいサルビア号、本当に人気で、利用者数もかなり多いということでございました。

 また、なかなかつくったけれども利用者数が伸びない。経費はたくさん要ると、そういった自治体が多数あれば、なかなか二の足を踏むわけですけど、その辺ももっともっと調査研究をしていただきたいと思っております。

 電子書籍から離れた質問になりますが、松山市において、今月1日より図書館情報システム更新に伴い、セルフ貸出機の利用やカードレス貸出し、マイナンバーカードを使っての貸出しのサービスが開始されました。

 利便性の向上や窓口の混雑緩和、職員との接する機会を減らして読書傾向のプライバシーを保護することが狙いのようです。新しい試みとして取り入れ可能なものがあるか、考えを伺います。

○議長(平家恭治君)  生涯学習課長。

○生涯学習課長(井上耕二君)  まず、セルフ貸出機につきましては、松山市の事例を御紹介いただきましたが、松山市の主たる導入目的が、窓口の混雑緩和でありまして、八幡浜市の図書館ではそのような状況にはないことから、導入の必要性は現時点ではそれほど高くないと考えております。

 導入自体は可能ですが、かなり高額なシステム改修費がかかることや、所蔵している30万冊全てにICタグを貼り付けていく作業にもさらに多額の諸費用が必要となりますので、費用対効果は低いと考えております。

 次に、カードレス貸出しにつきましては、来館される利用者から、カードを忘れることがあるので、バーコードアプリで貸出しができるようにしてほしいとの要望があります。

 バーコードアプリとは、利用者カードに印字しているバーコードをスマホ画面に表示し、利用者カードとして利用するアプリですが、初期費用は40万円程度で導入可能で、現在の図書館システムの改修などは特に必要がなく、毎月の維持費も1万円程度で運用できるというような状況です。

 最後に、マイナンバーカードを図書館の利用カードとして活用する貸出サービスについては、本市の図書館システムでも対応可能ですが、システム導入費用が50万円程度必要となります。

 マイナンバーカードは、現在市民に普及が進んでいるところですので、このサービスを導入している図書館での利用状況等を、今後調査したいと考えております。

 今後は、DXを推進していく中で、最適なものを取り入れることができるよう調査研究していきたいと考えております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  やはり初期の投資費用を考え、また利用人数等も考えますと、これもなかなか導入には難しいかなと思いますが、これから市民の方のニーズがたくさんあるようでしたら、また対応をしていただきたいと思っております。

 コロナ禍をきっかけとして増えた電子図書館。しかし、出版社では電子図書館で本を読む人が増えることで、紙の本と個人がダウンロードして購入する電子書籍の売上げが減少するのではないかという懸念があるようです。

 電子図書館が増えても、著作者や出版社が安定して収益を得られる施策が確立されれば、貸出しや閲覧できるものの制限が緩和されるものと思われます。

 市民の利便性向上のために、電子図書館の導入に前向きな検討をお願いいたしまして、一般質問を終わります。

お問い合わせ

議会事務局
住所:愛媛県八幡浜市北浜一丁目1番1号
TEL:0894-22-5998
FAX:0894-22-5963
このページの先頭へ戻る