公開日 2023年06月09日
令和5年八幡浜市議会3月定例会会議録第2号
議事日程 第2号
令和5年3月6日(月) 午前10時開議
第1
会議録署名議員の指名
第2
一般質問
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本日の会議に付した事件
日程第1
会議録署名議員の指名
日程第2
一般質問
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出席議員(16名)
1番 井 上 剛 君
2番 攝 津 眞 澄 君
3番 平 野 良 哉 君
4番 田 中 繁 則 君
5番 遠 藤 綾 君
6番 菊 池 彰 君
7番 西 山 一 規 君
8番 佐 々 木 加 代 子 君
9番 竹 内 秀 明 君
10番 平 家 恭 治 君
11番 石 崎 久 次 君
12番 樋 田 都 君
13番 新 宮 康 史 君
14番 上 田 浩 志 君
15番 宮 本 明 裕 君
16番 山 本 儀 夫 君
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欠席議員(なし)
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説明のため出席した者の職氏名
市長 大 城 一 郎 君
副市長 菊 池 司 郎 君
教育長 井 上 靖 君
代表監査委員 中 島 和 久 君
総務企画部長 藤 堂 耕 治 君
市民福祉部長 二 宮 恭 子 君
産業建設部長 垣 内 千代紀 君
市立病院事務局長 福 岡 勝 明 君
総務課長 宮 下 栄 司 君
税務課長 河 野 久 志 君
政策推進課長 松 良 喜 郎 君
財政課長 明 礼 英 和 君
社会福祉課長 松 本 有 加 君
子育て支援課長 岡 本 正 洋 君
市民課長 倭 村 祥 孝 君
保内庁舎管理課長 二 宮 万裕美 君
生活環境課長 菊 池 和 幸 君
保健センター所長 小 野 嘉 彦 君
人権啓発課長 山 本 真 君
水産港湾課長 宇都宮 一 幸 君
建設課長 宮 下 研 作 君
農林課長 宇都宮 久 昭 君
商工観光課長 萩 森 久 人 君
下水道課長 菊 池 利 夫 君
水道課長 山 本 覚 君
会計管理者 坂 井 浩 二 君
学校教育課長 梶 本 教 仁 君
生涯学習課長 井 上 耕 二 君
監査事務局長 菊 池 敏 秀 君
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会議に出席した議会事務局職員
事務局長 田 本 憲一郎 君
事務局次長兼議事係長 菊 池 文 孝 君
調査係長 黒 田 昌 利 君
書記 田 中 聡 君
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午前10時00分 開議
○議長(平家恭治君) 皆さん、おはようございます。
これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、配付してあるとおりであります。
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○議長(平家恭治君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、議長において1番 井上 剛議員、16番 山本儀夫議員を指名いたします。
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○議長(平家恭治君) 日程第2 一般質問を行います。
順次質問を許します。
まず、佐々木加代子議員。
〔佐々木加代子君質問席へ移動〕
○佐々木加代子君 おはようございます。
それでは、トップバッターで質問をさせていただきます。理事者の皆様には、市民の皆様に分かりやすい御答弁をよろしくお願いをいたします。
私は、大綱2点について質問をいたします。
それでは、大綱1、投票率の向上につながる投票環境の改善について。
近年、投票率の低下が顕著で、どうすれば選挙に行ってもらえるのか、投票率はどうすれば上がるのか、選挙後の投票率が発表されるたびに考えさせられます。
八幡浜市においても投票率の低下は避けられず、市民にとって一番身近である選挙、市長選と市議会議員選挙の投票率を調査してみました。
市長選では2009年75.02%、2021年が65.74%で、マイナス9.28%、市会議員選挙では2009年が71.4%、2017年が64.17%で、7.23%低下しております。
県内においても、昨年4月に行われた松山市の市会議員選挙においては、最終投票率が39.45%と過去最低で、4割を切る結果には少なからずショックを覚えました。
それでは、八幡浜市の市長選と市議会議員選挙の投票率を今お示しをいたしましたが、地域によっては投票率の差があるようです。
例えば前回の市長選挙での投票率の高い地域と低い地域を数か所ずつで結構ですので、お聞かせを願います。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
直近の令和3年4月18日に執行された市長選挙の投票率の高い地域、低い地域を3か所ずつお答えします。
投票率の高い地域は、上から順に第8投票所の高野地地域が87.69%、第14投票所の日土東地域が77.71%、第6投票所の舌田地域が76.83%となっています。
投票率の低い地域については、下から順に第18投票所の磯津地域が58.63%、第4投票所の神山地域が60.08%、第1投票所の江戸岡地域が62.45%となっています。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 若者の政治離れ、無関心が選挙に行かないという行為につながり、投票率低下につながっているのではというふうにお話をしましたが、投票率低下には高齢化というもう一つの要因もあるかと思います。
20代、30代の若者に比べて40代以上の方が選挙に行かれるというイメージを持ってはおりますが、本年4月には愛媛県議会議員選挙が行われますが、直近の選挙で結構ですので、八幡浜市での年齢別投票率をお聞かせください。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
令和4年11月20日に執行された愛媛県知事選挙の年代別投票率は、18、19歳が28.74%、20代が24.93%、30代が35.02%、40代が41.42%、50代が47.38%、60代が49.83%、70代が48.31%、80代以上が34.31%となっており、おおむね年代が上がるほど投票率が高い傾向にあります。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 今パーセントを出していただきましたが、やっぱり先ほども私からも言いましたが、40代、50代、60代と少しずつ上がっていくのに対して、今度70代、80代になるとやっぱりどんどん下がっていくという傾向にあることは予想をしていたとおりなのかなというふうには思っております。
八幡浜市の高齢化率は40%を超えました。10人に4人が高齢者です。今まで以上に高齢者のための投票しやすい環境づくりと優しい配慮が必要になると考えております。
一部の若者の、選挙何か面倒くさい、誰がなっても同じ、誰に投票していいか分からないなどの意見がある一方で、投票に行きたくても行けない事情を抱えた高齢者が増加しているという現状もあります。
視力が低下した方や、ふだん行き慣れていない雰囲気での場所での緊張感で、誰に投票しようとしていたのか瞬間的に忘れてしまうこともあります。
我々の年齢でも、いわゆる度忘れは頻繁に起こります。特に人の名前が出てこないことなど、よくあることではないでしょうか。
また、衆議院選挙や参議院選挙などの2票制の投票の場合は、なおさら混乱を来して白票を投じたり、書き間違いによる無効票になってしまうこともあると思うのです。
せっかく投票所まで足を運んでいただいたにもかかわらず、残念な結果になることを減らせる方法を考えていくべきだというふうに思っております。
それでは、書き間違いや読み取れない文字などで無効票となると投票数は、過去に比べて増えてきているのではないかというふうに私自身臆測をしておりますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
そのときの選挙の立候補者の氏名や政党の名称等の状況によっては無効票が増えることもありますが、平成30年11月執行の愛媛県知事選挙以降のデータを見る限り、近年書き間違い等による無効票が増えているという傾向は見られません。
なお、無効票に占める大部分は白票となっております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 無効票が特別増えているということではないということですが、要するに全体の投票率が下がっておりますので、前回の選挙までは行けれてた、書けれてた方が、今回は非常に書くことも難しくなったという方が多くなって、実際には投票に行かれてない方が増えているのかなというような分析もできるのかなというふうに、今のお話でそういうふうにも考えております。
また、投票所へ候補者等の名前を書いたメモを持ち込むことはできないものかと検索をしてみました。千葉県の木更津市の回答が出てまいりました。それには、「選挙人が自らの備忘録としてメモを投票所に持ち込むことはできます。しかし、メモとしての常識を超える必要以上に大きな紙に書いたもの、メモと称するものを持って選挙運動まがいの行為を行うなどについては、投票所の秩序を乱す行為、投票干渉を行う行為、選挙の自由を妨害する行為等に当たるおそれがありますので、注意が必要です」というふうに書いてありました。
この木更津市のように、選挙人が備忘録として御自身で書かれたメモを持ち込む行為について、八幡浜市の見解をお聞かせ願います。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
木更津市同様、本市においても選挙人が自らの備忘録としてメモを投票所に持ち込むことはできます。
しかし、選挙は誰が誰に投票したか分からないよう秘密投票の原則等がありますので、メモとして必要以上に大きな紙に書いたものなどは、投票所の秩序保持のため、職員からお声かけさせていただく場合があります。
ただ、投票所において何かお困り事があれば、投票所の職員に気軽にお声かけいただければと思います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 それでは、御自分の手に収まる程度の小さなものであればオーケーだというふうな認識をさせていただきまして、これで助かる方も多いのかなというふうに思いました。
平成29年12月の一般質問で、投票率向上の取組についてという内容で質問をいたしました。年々増加傾向にある期日前投票について、有権者に占める期日前投票数の割合が全国トップである秋田県で、商業施設においての投票所開設を行っている事例であったり、松山市での大学や大型スーパーで行われている期日前投票について御紹介をいたしました。
八幡浜市でも行ってほしいというふうな要望をいたしましたが、答弁では、スーパーフジさんに打診したところ、開所場所の確保が難しいという返事であったというお答えをされたという記憶があります。
店内が無理というのであれば、駐車場にテントを張る方法や車を使う方法など、いろいろな方法を御検討いただきたいと思いますし、粘り強く交渉してほしいとの考えは今も変わっておりません。
過去の質問でも何度も申し上げているように、できない理由を述べるのではなく、実現するためにはどうすればいいのかとの発想で、今後とも調査研究をお願いしたいと改めて強く要望をしておきたいと思います。
平成27年6月より18歳以上に選挙権が認められました。投票率向上の取組の一つとして、期日前出張投票所の開設を要望したいと思います。
現在の八幡浜市庁舎と保内庁舎においての2か所のみの期日前投票所に加えて、市内3高校に出向いて投票所を開設するというお考えはありませんでしょうか。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
期日前投票所を高校に設置することは、18歳を迎え選挙権を得た高校生にとって投票機会の確保につながるものであると思います。
愛媛県内では、上島町が昨年7月の参議院議員通常選挙から、新居浜市が昨年11月の愛媛県知事選挙から、市内の一部の高校に期日前投票所を設置し、投票事務や投票立会人の業務なども有権者である高校生自身に行っていただく方法を取っており、若年層の投票率向上につながる取組であったと思います。
ただ、高校に期日前投票所を設置することは、選挙人が投票したかどうかを全ての投票所で把握できるよう、投票所間のネットワーク環境を構築するなど、二重投票を防止するための対策を講じる必要があること、また高校にも投票所を設置することについて理解を求め、協力を得る必要があるなど、様々な課題があります。
まずは他の自治体の先進事例を参考に調査研究してみたいと考えております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 先ほど18歳から19歳までの投票率が28.74であったかなというふうに思いますが、私が思っていたよりはちょっと低いのかなというふうに思いました。
八幡浜市には大学がありませんので、高校生の、また初めての投票を迎えられた方も大勢いらっしゃいますし、投票できるのが18歳からとなったので、高校生でも対象となる方がおられるということで、こういう高校での出張の投票所の開設というのは、非常に有効でありますし、主権者教育という意味でも選挙には必ず行かなきゃいけないんだという思いを高校生にも持ってほしいなというふうに思っております。
上島町と新居浜市、愛媛県内ではこの2か所やられたということですので、しっかりと調査研究をしていただいて、環境が整うまで待つのか、整うように努力するのかとでは大きな違いがあると思いますので、しっかりと調査研究、早急に取り組んでいただきたいなというふうに要望をさせていただきます。
それでは、次に西予市の事例を紹介いたします。平成16年の合併後、投票率向上と投票機会の確保対策として、期日前投票所を従来の6か所に加えて9か所を増設し、合計で15か所期日前投票所を開設をされております。より地域に密着した形での投票環境整備を行ったというふうに伺っております。
新たに開設された期日前投票所は、半日のみの開所で、平成30年11月の県知事選挙においては、増設投票所の1か所が豪雨災害により集会所が被災したため、代替策として10人乗りワゴン車の車内で投票する取組を試験的に行ったと伺いました。
有権者32人のうち15人の方が投票されましたが、狭い車内での投票や、乗り降りに高齢者の方が御苦労されていたり、車外での防寒対策や悪天候時の対応等の課題も多く、本格的な実施については今後の検討課題としているとのことであります。
やってみないと課題も浮き彫りにはならないということではないでしょうか。
このワゴン車を利用した期日前出張投票所ということでございましたが、やはり10人乗りのワゴン車では小さかったということで、次はマイクロバス程度の大きなバスを利用しようかなというお声も聞かせていただきました。
大綱1の最後の質問になりますが、八幡浜市においては、西予市との地域性の違いがあり、行う方法はそれぞれあると思いますが、高齢化率の高い地域や庁舎から遠距離にある地域の自治館や集会所などへ出向く出張投票所または移動投票所を、まずは実証実験的にでも始めてみられてはどうかなというふうに考えます。お考えをお聞かせ願います。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
まず、答弁に当たりまして、期日前(キジツゼン)投票については、マスコミ等では読みやすさを優先して期日前(キジツマエ)で統一をしているようであり、佐々木議員もそのように読まれていると認識をいたしておりますが、法律用語としては期日前(キジツゼン)と読むということなので、理事者側としては期日前(キジツゼン)と読ませていただきたいと思います。
先ほど御紹介のありました西予市の事例は、ワゴン車やマイクロバスを利用した移動できる投票所、いわゆる移動期日前投票所のことであります。
移動期日前投票所は、直近の投票所までが遠く、これまで投票機会を逸失してしまっていた選挙人を多く抱える自治体にとっては、投票機会の確保、投票率の向上につながる取組であると思います。
先ほどの答弁の中でも御紹介をさせていただきました上島町などが高校に期日前投票所を設置した事例は、この移動期日前投票所のことであり、愛媛県内においても他の自治体も試験的に導入をしているところが増えております。
本市におきましても、高齢化や交通弱者の問題、さらに投票率向上を図る観点から、他の自治体の先進事例を参考に前向きに検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 それでは、期日前(キジツゼン)投票、次からそういうふうに言わせていただきます。ありがとうございます。
また、前向きに御検討いただくということで、なかなか選挙が近づかないとこういう問題に取り組む機会というのは、ふだん忙しい仕事をされておる理事者の方々については、なかなかぱっとこれを先にやっていこうというような取組にはなりづらいのかなというような思いもしておりますし、それも当然であるなというふうに私自身も考えておりますが、次の選挙が、大体次ある選挙というのは、一つの選挙が終わった後にはすぐに思い浮かぶことではあると思いますので、その例えば1年、2年の間に次への選挙の取組を考えていただく機会にもしていただけたらなというふうに思います。
投票率の向上につながる投票環境の改善についてと題して今回は質問をさせていただきました。
3月3日の愛媛新聞に、松山市の選挙管理委員会が、来月の県議選から投票お手伝い希望カードやコミュニケーションボードを導入するとの記事が掲載をされておりました。投票お手伝いカードは、代理投票を利用したい、投票所の中を案内、誘導してほしい、点字で投票したいなどの項目が記載されています。A4サイズで、選管のホームページからダウンロードでき、事前にカードに希望する項目にチェックを入れ、投票所で係員に提示する仕組みであるというふうにお伺いをいたしました。
また、コミュニケーションボードについては、A4サイズで、入場券がない、字が小さくて見えない、筆談したいなど、よくある問合せや困り事など8項目について、文字とイラストで回答や対応を表現しており、指を指して要望を伝えることができるというものだそうです。
この取組を、県内では四国中央市選管も県議選から導入すると記事にはありました。実に有権者に優しい取組ですね。高齢者の方に、何に困っているのか、まずは簡単なことから有権者に優しい取組、投票環境の改善に取り組んでいただきますよう要望をいたしまして、大綱1の質問を終わります。
それでは、大綱2、高齢者にやさしいまちづくりについてに移ります。
令和3年6月議会において、市営住宅の補修・改修についての質問をいたしました。前回の質問時でも申しましたが、公営住宅とは低所得者を対象に割安な賃料設定で提供される公共のための住宅であると定義をされております。
私は、今回の質問で、高齢単身者の市営住宅入居についてを焦点に質問をさせていただきたいと思っております。
比較的市街地に近い住宅は単身者が入れる戸数が極端に少ないか、1室もないという住宅もあります。市街地に近い住宅は、御家族で入居される方にも人気があるため、一度入居されると、利便性が高いこともあり、長期間の入居となるケースが多いと聞いております。空室が出る確率も大変低いですし、たとえ空室になっても、募集をかけると、人気があり、抽せんでの入居となるため、希望する住宅への入居はなかなか実現をいたしません。
自動車、単車、自転車など何らかの交通手段をお持ちの方には、少し不便な立地であっても大丈夫というふうに思われますが、交通手段を持たない単身高齢者にとっては、優しい町とは言えない現状があるんだということを初めに申し上げておきたいと思います。
それでは、初めに、市営住宅は公営住宅、改良住宅、その他の住宅に分類されているというふうに伺いましたが、公営住宅の中で政策空き家以外の空き家戸数はどの程度あるのか、教えていただきたいと思います。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えいたします。
令和5年2月末現在で公営住宅の管理戸数は965戸、入居戸数は749戸、空き家戸数は216戸あります。
政策空き家を除きました空き家戸数は147戸です。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 実質的な空き家は147戸ということで、一部の住宅では非常に、県道を走っておりますと、あそこもここも、ここも空いとるなというのが非常に目につきます。
今課長からもお話がありました政策空き家という言葉、この意味が分からないという市民の方も多いと思われますので、この政策空き家というのはどういうものなのか、御説明をよろしくお願いします。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えいたします。
政策空き家とは、市営住宅の中で既に耐用年限を迎えた住宅、または近いうちに耐用年限を迎える住宅で、老朽化に伴う公営住宅の用途廃止など、政策的な理由により新たな入居者の募集を停止している住宅のことを言います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 次の質問につながりますが、政策空き家の場合は、今言われたように、新たな入居者を募集しないというふうになっていると思いますが、全戸空室にその住宅がなった場合には、直ちに解体をされるという方向になるのか、それをお伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えいたします。
空き家になっても跡地利用が決まっていない場合などは、危険性がない限りすぐに解体はしておりません。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 それでは、全戸空き家になったとしても、跡地利用が発生するまではそのままの状態で置いておくというお話だったと思います。
それでは次に、単身者用の住宅があるのはどの住宅なのかをお聞かせ願います。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えいたします。
公営住宅の中で単身者の入居可能としている団地は、旧八幡浜地区では入寺団地、湯島団地、旧保内地区では川久保団地、要田団地です。
そのほか、団地の中で特定の棟のみ単身者の入居を可能としている旧保内地区の須川団地1棟、棟の一部を単身者向けとして建設された旧八幡浜地区の新開町団地2棟の4部屋、旧保内地区の本町第2団地の6部屋などがあります。
令和5年2月末現在で、単身者が入居可能な団地の管理戸数は174戸、入居戸数は148戸、空き家戸数は26戸となっています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 実際には174戸あって、148戸の方が入居されて、26戸空き家になっているということの今お答えでありました。
以前御相談いただいた高齢単身の方のお話になりますが、80歳になり、自身所有の住宅が取り壊さなくてはいけなくなり、市営住宅の問合せをしたところ、単身者が入れる住宅は入寺だけと言われ、その方は仕方なく入居を決められました。80歳の単身高齢者です。入寺の住宅から県道にあるバス停までは、お年寄りが毎日の生活の中で買物や医療機関の受診など、外出する際には大変不便を感じる距離があります。
そこで、高齢で単身の方が市営住宅の入居を希望される場合には、もう少し相手の立場に立って優しく寄り添ってあげられないものでしょうか。決められた枠の中に当てはめるのではなく、柔軟に対応できないものかと思ってしまいます。
何が言いたいかといいますと、先ほども申したとおり、単身者が入れる住宅は絶対数が少ない上に、バス乗り場からも遠く不便で、特に旧八幡浜市では商業施設に近い住宅には単身者が入れる住宅がないという現状があります。
質問になりますが、今後は高齢の単身家庭が増加していくと予想をされます。交通手段を持たない単身の高齢者を比較的商業施設に近い市営住宅に希望すれば入居できるよう、単身者用住宅でなくても空室があれば単身者でも入居できるといった入居条件の緩和や高齢者に優しい住環境の整備を強く要望したいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 今ほど佐々木議員がおっしゃられた新たなニーズへの対応、これも十分考えていかなければならないと思っているところです。
近年、単身者の入居申込みが増加し、令和2年度においては、申込者の約半数が単身者であったため、令和3年度から単身入居が可能な住宅に湯島、要田団地の2団地を追加し、単身入居ができる住宅の拡充を図ったところであります。
市営住宅は、基本的に時代的に見ても家族向け住宅として整備されたもので、単身高齢者を対象としたつくり、間取りにはなっておりません。特に八幡浜地区においては、中心地の商業施設に近い住宅が少ないことから、その地域にある特定の住宅は人気が大変高く、空室になっても、先ほど議員がおっしゃったとおり、申込みが集中し、抽せんになる状況となっています。
一方、市営住宅全体における入居率は低下しております。そのため、高齢者を含む単身者の増加など、社会状況の変化を踏まえ、高齢者にとってより利便性の高い中心地に近い既存住宅において単身高齢者の入居が可能となるよう、入居要件の緩和や運用について、他市町の状況も参考に、八幡浜市内で前向きに検討していきたいと考えております。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 今市長から心強いお答えをいただきました。何とか実現できるようにお願いをしたいなというふうに思います。
今四国電力跡地利用について、来年度予算で市民アンケートの実施やまちづくり団体等からの意見を聴取するための懇談会を開催する経費が含まれております。
以前同僚議員とこの跡地に高齢単身者用市営住宅を建ててはどうかという話をしたことがあります。同僚議員も私の話に御賛同いただき、大変盛り上がりました。
理事者の皆様にはとんでもない話だと笑われそうではありますが、町には声にならない小さな声がたくさんあります。極端な発想を持たざるを得ない現実もあります。小さな声を真摯に受け止めて、高齢者をはじめ全市民に優しいまちづくりも今後はさらに取り組んでいただきたいと改めて申し上げて、次の質問に移ります。
次に、高齢者支援事業についてお伺いをいたします。
一定の条件を満たした高齢者に対して、高齢者外出支援事業として1万3,200円の助成券を交付をしておられます。交付の条件と現在の発行数をお伺いしたいと思います。
○議長(平家恭治君) 保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君) お答えします。
高齢者外出支援事業の交付条件は、市内に住所を有する65歳以上の方のみで構成されている市民税所得割非課税世帯に属する75歳以上の方が対象です。
助成券の発行数は、令和3年度が1,523名、令和4年度は2月末現在で1,531名となっています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 現在は一律の助成金額になっておると思うんですが、今も市営住宅の話をしたところに少しつながってくるのかなというふうに思っておりますが、そのお住まいの地域から病院であるとか商業施設までの距離が遠いなどの条件によって助成を加算するなど、より外出しやすい支援を行っていただきたいなというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君) お答えします。
お住まいからの距離別による助成金の加算につきましては、現時点では考えておりませんが、今後、対象条件や助成額等の変更が必要かどうかについて検討してまいりたいと思います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 以前にも多分課長か部長にお話をしたことがあると思うんですが、一般質問でも多分したかと思いますが、この助成券、先ほど言われた65歳以上のみの構成家庭で非課税世帯ということで、市内には若い子供さんたちと同居をされとるお年寄りもたくさんおられますが、この方々についても、日中は独居の形になると思いますので、こういう方々に対しても、全額とは言いませんが、一部の助成もできないものかというお話を以前にしたことがあります。幅広い皆様の支援につながるようなお考えを、今部長も具体的な考えをこれからはしっかりまた新たな助成につながるようなというようなお話を今されましたので、今、昔そういう話をしたことがあるなという私の思いの中ではそういう思いも少し持っておるということをお伝えをしておきます。
また、以前チケット利用者の方から御相談もいただきました。高齢になりチケットを切り離すのにも一苦労で、現在の10円券に加えて50円券をつくってほしいというそのときは要望でございました。
担当課に御相談をいたしましたが、すぐに対応というわけにもいかず、また人それぞれに考えの違いがあり、50円券は必要ないと思われている方もいるんだというお話を聞かせていただきました。全ての人が満足する方法を実現する難しさを感じたところです。
いよいよ八幡浜市においてもDXデジタルトランスフォーメーションを用いた行政手続が本格化する時代となりました。
そこで、この外出支援チケットをバーコード決済つきのカードやスマホアプリ、プリペイドカードによる決済など、デジタル決済の方法も今後は検討すべきではないかというふうに思っております。お考えをお聞かせください。
○議長(平家恭治君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君) お答えいたします。
市内の公共交通機関において、アプリやICカードなど電子決済の利用が可能かどうか、また現在1回の利用限度額が1,000円となっておりますが、電子決済でその制限が可能かどうかなど、導入に向けて調査研究を進めたいと考えています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 どうぞ積極的に調査研究をよろしくお願いいたします。
新たな事業の導入には、乗り越えなくてはいけない課題や財源の問題が多くあると思います。その中で優先順位をつけながら実施されているということは十分に承知をしているつもりでありますが、市長におかれましては、今後もますます高齢者に、また全市民に優しいまちづくりをお願いをいたしまして、私の今回の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○議長(平家恭治君) 休憩いたします。
午前10時36分 休憩
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午前10時50分 再開
○議長(平家恭治君) 再開いたします。
次、攝津眞澄議員。
〔攝津眞澄君質問席へ移動〕
○攝津眞澄君 おはようございます。
明日から2日間、県立高校の入試、入学試験が行われるようです。合格ということで五角形をしたいい予感ということで伊予柑を子供たちに配っていただいたことをついこの間のように思い出されます。全員が希望する高校に入学できるようにお祈りしつつ、大綱2つについて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、大綱1、新型コロナウイルス5類への移行についてお伺いいたします。
2類相当から5類の移行について、新型コロナウイルス感染症上の類型をめぐり、政府は5月8日に季節性インフルエンザと同じ5類へ移行する方針を固めました。
感染症法とは、正式名称は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律と言われ、感染症の発生を予防し及びその蔓延防止を図り、もって公衆衛生上の向上及び増進を図ることを目的と定め、感染症を病原体の感染力の強さや症状の重さなど危険度に応じて5つの類型に分けています。
1類はエボラ出血熱やペスト、2類は結核やSARS、3類はコレラや腸チフス、4類は黄熱や鳥インフルエンザ、5類は季節性インフルエンザなどが該当します。
よく聞かれるメリットとして、5類は季節性インフルエンザと同様の扱いで、一般の医療機関のどこでも診療ができるようになります。検査体制も整い、一部の病院に負担がのしかかる状況はかなり改善されます。
また、ワクチンに加え、11月に緊急承認された塩野義製薬のゾコーバのように、軽症患者にも使える飲み薬が登場し、抗インフルエンザ薬タミフルのような扱いやすい治療薬もそろってきました。
一方、デメリットとしては、1つ、治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けなくなる可能性がある。2、ワクチン接種の際に自己負担が発生すれば接種率が低下する可能性がある。3、保健所が健康管理をしなくなるため、容体が急変する患者を把握できなくなるおそれがある等があると認識しております。移行後の変更点をお示しください。
○議長(平家恭治君) 保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君) お答えします。
新型コロナウイルス感染症法上の分類が5月8日から2類相当から5類に移行すると、次の点が変更になると言われています。
まず、緊急事態宣言や入院勧告・指示、感染者の濃厚接触者の外出自粛要請などの行動制限ができなくなります。
医療機関については、入院や診療ができるのは発熱外来など指定された医療機関だけでしたが、移行後はどの医療機関でも対応することになっています。
入院やコロナワクチンの接種に係る費用は、現在全額公費負担ですが、移行後は段階的に縮小する方向で検討されています。
また、マスクの着用については、3月13日から個人の判断に委ねられることになっています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 3日、宿泊療養の制度を原則廃止にするなど、今後政府も療養体制を平時に戻し、医療の患者負担もインフルエンザ並みに近づける方針を掲げております。
また、外来医療での1人当たり10万円に近い抗ウイルス薬や高額な治療費、入院費用の公的支援も検討されていますが、解熱剤などの一般的な治療薬や検査は自己負担であり、入院費用も全額ではないにしろ、一部は自己負担になるそうです。
どちらにしても、今までより市民の負担が増えることには変わりありません。
過度な自己負担になり、重症者が急増することのないよう、市としても十分に配慮いただきたいと思います。
次です。卒業式でのコロナ対応についてお伺いいたします。
5月連休明けから国、県、市おのおののコロナに対する方針が変わり、市民の皆様も大変不安で困惑されると思われます。
政府では、マスク着用を個人の判断に委ねるとの新指針を発表しました。病院等の医療機関や高齢者福祉施設を訪問する際、混雑した場所、感染者がやむを得ず外出する場合においてはマスクを奨励する一方、文部科学省は4月からの学校教育活動、合唱や体育の授業、部活動などでは原則マスクなし、卒業式では、教職員、児童・生徒はマスクなし、保護者や来賓は着用、式辞や送辞、卒業証書授与では不要ですが、校歌斉唱は着用とし、3月13日より学校では着用を求めないと報道されておりますが、八幡浜市の卒業式において、児童・生徒、保護者に対してどのように配慮されるのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
文部科学省は、卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考え方について、児童・生徒と教職員は式典全体を通じてマスクなし、来賓や保護者等はマスク着用を基本として通知しています。
これを受け、本市の児童・生徒と教職員は、卒業式における入退場、卒業証書授与、送辞や答辞の場面等、式典全体を通じてマスクなしを基本としますが、各学校には学校の実情、子供たちや保護者の思いに沿った柔軟な対応をお願いしているところです。
一方、一部案内を控えている来賓や保護者はマスクを着用するとともに、座席間の距離を確保することにしています。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 マスクなしとしつつ、感染予防に十分配慮されるということで安心いたしました。
現に第8波では、弱毒化して病原性や致死率も下がったとしているものの、死者数は過去最多となっています。若く元気な世代にとっては軽症で済んだとしても、高齢者や基礎疾患のある身体的弱者にとっては脅威であること、行動制限が緩和され軽症感染者が増えたことで、高齢者や心身的弱者の感染も増えたことが要因と考えられております。
5類に移行され、扱いが低くなれば、軽症感染者はさらに増えると考えられます。
2023年度は、まだ無料とされているワクチンが有料となり、診察代も高くなるとすれば、ワクチン接種も控え、診療や検査を受けない方が間違いなく増えます。
これまでのワクチン接種や陽性者の行動制限による感染拡大予防が弱くなるということは、軽症の隠れ陽性者が増え、重症化する方が増えるということにつながります。
重症化リスクを抑えるために、当市として考えていることがあればお聞かせください。
○議長(平家恭治君) 保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君) お答えします。
個人の重症化リスクを抑えるためには、ワクチン接種が有効であると考えています。
国の令和5年度の方針は、まず春から夏、5月から8月にかけて65歳以上の高齢者及び基礎疾患を有する方など重症化リスクの高い方や医療機関や高齢者・障害者施設等の従事者を対象に接種を行います。秋から冬、9月から12月には、追加接種が可能な全ての年齢の方を対象に接種を行う予定となっています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 ワクチンを奨励されるということですが、引き続き患者数の推移を見ながら臨機応変に対応いただけたらと思います。
次です。移行後の支援・助成事業についてです。
コロナ5類への移行により、国や県からの新型コロナ関連のあらゆる助成金なども徐々に廃止となり、市としても、医療機関だけではなく飲食業や農漁業、学校や福祉関係、地域住民等への支援策の打切りが推測されます。
かといって急にコロナ前の状況に戻ることは不可能だと思われますが、市として今後どのように対応されるのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 新型コロナウイルス感染症関連事業については、これまで感染拡大防止や生活者・事業者支援などのため、特別定額給付金、子育て世帯及び住民税非課税世帯等への臨時特別給付金などの国の事業のほか、市独自の対策事業として、3回にわたるスーパープレミアム付商品券事業、やわたはまわくわく券事業、漁業者支援事業費補助金等、約95億円、110を超える事業を実施してきました。
ただし、今後については、新型コロナウイルス感染症の5類への引下げにより、新型コロナウイルス感染症関連事業は廃止・縮小の方向へシフトしていき、徐々にコロナ禍前の日常が戻ってくるのではないかと期待しています。
しかしながら、昨年2月のロシアのウクライナ侵攻に端を発する原油価格や物価高騰等については、電気・ガス料金の負担緩和策など、国の総合経済対策も実施されているものの、その影響は今後も市民生活や事業者の活動に重くのしかかってくると予想されます。
令和5年度の当初予算としては、交通事業者燃料価格高騰対策支援事業、漁業者支援事業費補助金、学校・保育所等の給食食材価格高騰対策支援事業を計上しているところであり、今後も国の対策や市内の状況について情報収集に努めるとともに、影響を受けている市民や事業者等に対する必要な支援については、迅速に対処していきたいと考えております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 市独自のスーパープレミアム商品券は、地域の方々にとても喜ばれていました。今後、国や県の動向を注視しながら、八幡浜市の状況を精査しつつ、柔軟な対応をお願いしたいと思います。
次です、コロナ禍における学校の現状についてお伺いいたします。
小・中学校の全国体力テストについてです。
スポーツ庁は、小学校5年生と中学校2年生全員対象の2022年度全国体力テストの結果、実技8種目の合計点が、小・中男女共通過去最低であると公表しました。
80点満点中、八幡浜市では小学校5年生男子54.12、全国平均52.3、小学校5年生女子56.34、全国平均54.3、中学校2年生男子41.63、全国平均40.9、中2女子48.18、全国平均47.3。全国平均から見ると一、二ポイント高い結果となってはいますが、過去最低からの平均値であり、八幡浜市の子供たちの体力も年々低くなっております。
種目別では、小学校男女はバランスB型、どの種目も平均を上回っている状態です。中学校男女は凸凹型、また中学校男子では上体起こし、長座体前屈、50メートル走、立ち幅跳び、ハンドボール投げ、中学校2年生女子では長座体前屈、立ち幅跳びの種目において全国平均を下回っており、柔軟性や筋力の能力が落ちていると考えられます。
26年から遡ってみても、全国平均の円グラフは毎回同じ形をしており、シャトルランは毎年好成績である一方、長座体前屈はほぼ毎年大きく下回っております。これらについて今後どのような対策を講じていくのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
令和3年度の全国体力運動能力調査の本市の合計点は、今ほど攝津議員が示されたとおりです。
種目別に本市の子供たちの様子を見ますと、小学校5年生は男女ともに握力、シャトルラン、反復横跳びが全国に比べて高く、長座体前屈が低い傾向が見られました。
中学2年生は男女ともに上体起こしとシャトルランや持久走は高く、反復横跳びが低い傾向が見られました。
また、質問紙の調査では、小5女子、中2男子の「朝食を毎日食べる」が、全国平均に比べて低く、課題として浮かび上がりましたが、小・中男女ともに1週間の総運動時間は全国より高く、テレビやゲーム、スマートフォンの画面を見るスクリーンタイムも全国に比べて本市はかなり低い状況です。
とはいえ、令和元年度まではその年々でこの合計点の結果は違ってましたけども、明らかに令和元年度と3年度を比べると体力は低下しています。
その対応としましては、「えひめ子どもの体力向上プラン」の下、1、体育の授業に前向きに参加する。2、自分の目標を立て、体力向上を目指す。3、日常的に運動に取り組む。4、毎日朝食を食べ、睡眠時間を確保するなど、体育的活動の充実と体力の維持・向上に各学校単位で取り組み始めています。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 先ほど井上教育長が言われたように、体力テストと同時に児童への意識調査もされておりましたが、小学校5年生女子と中学校2年生の「朝食を毎日食べる」の割合が低いこと、全国的に男子の運動時間の減少、スクリーンタイムの割合の増加が挙げられており、肥満度との関連が示唆されております。
小学校5年生女子、中学校2年生男子は、成長が最も著しい時期であり、特に朝食を抜くと脳のエネルギーが不足し、体温も上がらないまま集中力も低下し、運動能力や学力に影響を及ぼすとされております。
全生徒が朝食を食べているとお聞きした学校もありますが、起床時間が遅くて食べる時間がない、朝おなかがすかない、親が食べない、準備しない等、様々な理由で朝食を取ってこない子供たちがいます。引き続き、子供たちだけでなく、保護者にも折に触れ食育について考える機会もつくっていただきたいと思います。
また、スポーツ庁では、コロナ禍において人との会話や接触が制限され、スマホやゲームなど夜型生活の子供たちが増えていること、マスク着用のため全身を激しく動かす機会が減っていることが影響したのではとの分析がありました。
学校の体育の授業以外でも、家庭、地域のコミュニティーの場で体を楽しく動かす機会を増やしていただけたらと思います。
次です。小・中学校の不登校についてです。
2021年度の文部科学省の調査で、全国の不登校の小・中学生は24万人を超え、10年前の約2倍となり、加速度的に増加しており、愛媛県では小学校で673人、中学校で1,560人、高校で545人という新聞記事を目にしました。
不登校の要因として、コロナによる学校活動が制限され、登校意欲が下がり、生活のリズムの乱れが戻らない事例もあり、無気力・不安49.7%、生活リズムの乱れ・遊び・非行11.7%、いじめを除く友人関係9.7%、親子の関わり方8.0%となっている一方、学校教員が多忙で子供と向き合えないという実態に加え、スマホやパソコンなどインターネットでのいじめが過去最多に上り、コロナの影響も浮き彫りになっています。
まず、八幡浜市内小・中学校の不登校の現状とその対応についてお伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
不登校については、小・中学校合わせての数字となりますが、平成30年度が20人、令和元年度が19人、令和2年度が24人、令和3年度が23人、そして今年度は2月末現在で22人、小・中別で言いますと、今年度小学校4名、中学校18名の22人となっています。
市全体の傾向としましては、やや増える傾向にありますが、令和3年度の出現率について、全国との比較を紹介しますと、全国の小学校は77人に一人が不登校、それに対して本市はこの年、小学生10人と多かったんですけども、本市は126人に一人、中学校では全国20人に一人、本市は56人に一人という状況です。
学校現場は、コロナ禍において子供たちの心や体の変化、子供たちが出すサインを見逃さないよう、日常的な健康観察の徹底を図り、変化の兆しを見逃さない体制を整えて指導に当たっています。
また、ゲーム依存による昼夜逆転の生活が不登校につながることもあることから、スマートフォンを含むネットワーク機器の取扱いについて、校長会や市P連が中心となり、関連図書の配付・紹介、専門家を招いての講演会などを行うなど、家庭と連携した啓発に努めています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 八幡浜市でもやや増加傾向にあるということですが、出現率は低いということを確認いたしました。
文部科学省から正式に不登校は問題行動ではないという通知がありました。不登校は国に認められており、学校以外の選択肢を提供するための法律、教育機会確保法が2017年に制定されていることを踏まえ、次の質問に移ります。
フリースクールの設置についてです。フリースクールなどの民間施設での指導を受けている児童・生徒は、21年度で約9,000人とされ、ここ5年ほどで3倍に増えているとお聞きいたします。
八幡浜市におきましても、児童・生徒数は年々減少しているものの、不登校の割合は増えているとお聞きしております。
以前、同僚議員がフリースクールについて述べられておりますが、気になるところでございますので、再度質問させていただきます。
不登校児童・生徒の生活への対応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善のための相談や指導を行い、学校への復帰を支援し、社会的自立を促す、このような施設は今後必要になってくると思われますが、八幡浜市には不登校の児童・生徒を受け入れる施設はあるのでしょうか。もしなければ、今後設置する予定はあるのか、お伺いしたいと思います。
○議長(平家恭治君) 学校教育課長。
○学校教育課長(梶本教仁君) お答えいたします。
不登校の児童・生徒を一時的に教育支援室で預かる場合もありますが、市内では受け入れる施設はありません。
近隣では、大洲市に「おおずふれあいスクール」という適応指導教室があります。この適応指導教室は、国立大洲青少年交流の家と大洲市教育委員会が平成9年に開設したもので、平成27年度から大洲市、西予市、伊方町、内子町と本市の3市2町で経費を負担して運営しており、年間30万円を運営負担金として支出しています。
この適応指導教室に登録している児童・生徒数は、令和3年度が5名、今年度が2名という状況です。
過年度には学校復帰につながった例もあります。
本市の不登校児童・生徒の実態から、現時点では近隣市町との共催で広域的に運営している「おおずふれあいスクール」を利用することが望ましいと考えています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 近隣には「おおずふれあいスクール」があるということですが、共働きをしている親が毎日不登校の子供の送り迎えはできない、子供たちが自分で行くことのできる八幡浜市内にぜひつくってほしいとの声も聞いております。
先生やクラスの子と合わないなど、不登校の要因は様々ですが、子供たちは学校を選ぶことができず、また少子化により各学年1クラスの学校も多く、学年が上がってもクラスが変わることがないので、環境を変えることはできません。
今は教育の分野でもオンライン学習ができ、フリースクール等との場で人との関わりを持つことも可能です。
学校に向いていなかった子供が、違う環境では伸び伸びと活動でき、自分らしく生きていける場所を見つけることが大切です。様々な選択肢の中で、一人一人の児童・生徒の自己肯定感を高めていけるフリースクールの設置の必要性は、今後ますます高くなると考えます。
子供、女性、高齢者や障害を持った方など、弱い立場の方々を大切に考える町八幡浜の実現をお願いしたいと思います。
次の質問に参ります。教職員の多忙化についてです。
学校教育がICT化される一方、コロナ禍の中、オンラインでの情報発信や授業など、全国では学校現場での働き方も変わってきています。
また、18年度経済協力開発機構の調査で、日本の小・中学校の教職員の仕事時間についての指摘もありますが、教育のICT化により八幡浜市の教職員の働き方はどう変わったのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
教職員の時間外勤務について、月80時間を超える割合は小学校で少ない月で4%、多い月で10%、中学校では47ないし62%となっています。
本市では、平成24年度より校務支援システムを導入し、成績処理、通信簿や指導要録の記載、保健関係の記録、文書の受信・送信など事務的作業の軽減を図ってきています。
また、県費による非常勤講師の配置、今年度で延べ12名、また市独自の学校教育活動指導員、学校生活支援員の配置、令和3年度から配置しておりますICT支援員も2名から4名に増員する予算を計上しており、人的配置による教職員の負担軽減にも取り組んでいるところです。
なお、働き方改革は、残業時間などの数字や教職員の業務分類ばかりにとらわれるのではなく、教職員のやりがいや生きがいを大切にしたものではないといけないと考えています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 仕事が楽になったとか、早く帰れるようになったという先生方の声は残念ながら届いておりません。まだ遅くまで学校で仕事をしている教職員が多いのではないでしょうか。
今後、ICT支援員の増加により、学校業務の効率化が図られ、教職員に時間的余裕ができることにより、児童・生徒とのコミュニケーションの時間が増えることを期待しております。
また、今後さらにICT化・DX化が加速する中、市内学校間で学習会や情報共有等により、学校で温度差が出ないように配慮していただきたいと思います。
先日開催された人権教育研究大会の中で、千丈小学校PTAの実践事例発表がありました。子供たちがいつも使っているタブレットを使い、親子で人権について勉強する機会をつくり、家族内でのコミュニケーションツールとしてもICTが利用されております。学校だけでなく、保護者を巻き込んだ家庭内でもタブレットをどんどん活用できる機会をつくっていただきたいと思います。
最後に、お配りしていたこの「えひめ!まんなかプロジェクト」について御説明させていただきます。
子育てで孤立しないように、プロジェクトに賛同しておられる100名以上の小児科・産婦人科の専門家の適切な助言を、無料で24時間オンラインサービスで利用できる取組です。
産婦人科・小児科ラインがあり、平日18時から22時は予約制によるメッセージチャットや動画通話により夜間相談にも対応していただけます。
3月末までの実証実験中であり、愛媛県の団体・企業に所属する子育て世帯が限定対象ということで、こども食堂「のきした」にて団体登録をし、利用者全員に活用いただいており、また障害を持った子供の保護者や市内の子育ての団体にも発信し、登録いただいているところです。
核家族が多い中、いつでも相談できる人がいて、今後のコロナ対応に限らず、不必要な受診が9割を超えると言われているコンビニ受診を控えることで医療の逼迫を防ぐ機能も考えられます。
2月24日、このプロジェクトが愛媛県のデジタル実装事業「トライアングルエヒメ」に採択され、無償でオンラインサービス利用券を配布することができたとの御連絡をいただきました。
今後の実証実験の経緯を見ていただき、八幡浜市での登録も御検討いただきたいと思っております。
これで大綱1の質問を終わります。
続きまして、大綱2、八幡浜市における防災対策についてです。
地球温暖化による災害リスクの備えについてお伺いいたします。
1月に開催された公民館研究大会では「天気の達人から見た異常気象と気象災害の備え」と題し、気象予報士の天達武史さんに御講演いただきました。
世界の平均気温が2022年には過去6番目に高い見込みである。1920年地上の温度は下がり、深海の温度が上がった。地球温暖化は100年で1度上昇しており、過去2,000年以上前例にないものである。記録的高温と相次ぐ大雨はセットで起こる。ヨーロッパ40度、パキスタン大洪水など、これらは近隣地域で真逆な反応が起きる。世界各地で30年間異常気象が頻発している。地球温暖化が進むと台風の数は減るが、強い台風が増える。気象災害の備えとして、キキクル等の防災情報プラス天気予報プラス防災3K、気づく、考える、行動することが大切であるとのお話がありました。
毎年のように極端な集中豪雨により痛ましい被害が発生しており、今後地球温暖化に伴う気候変動の影響による甚大な被害の発生リスクが懸念されております。
近年の八幡浜市の気温や気象状況の変化とそれらによる災害リスクの備えについてお聞かせください。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
近年の本市の気温や降水量の変化について、八幡浜地区施設事務組合消防本部の統計データを基にお答えをいたします。
まず、気温は、1970年代の10年間の平均が16.3度、2010年代がこれも10年間の平均ですが、16.8度となっており、1970年代と2010年代を比較すると、この場合40年間で0.5度の気温上昇となっております。
次に、降水量につきましては、1970年代の10年間の年間平均が1,537.5ミリ、2010年代がこれも10年間の平均ですが、1,627.4ミリとなっており、1970年代と2010年代を比較するとこれも同じく40年間で89.9ミリ、約90ミリの増加となっておりまして、気温・降水量ともに上昇傾向にあると言えます。
近年では全国各地で台風の大型化のほか、大雨の発生回数が増加傾向にあり、これには地球温暖化が影響していると言われておりますが、このような状況を踏まえると、土砂災害や風水害に対する備えが一層重要となります。
本市においても、平成30年7月豪雨災害時には、須川地区、南柏地区において大規模な土砂災害が発生しました。
災害に対する備えとしては、まず情報収集が大切です。台風や大雨については、テレビ、ラジオ、気象庁のホームページなどを活用し、天気予報や台風の進路予想、線状降水帯の発生予測などに注意していただきたいと考えています。
また、事前にハザードマップ等を確認し、それぞれの地域における洪水や土砂災害、高潮被害の特徴、避難経路、避難所の場所などを確認しておくことも重要です。
なお、避難する際には、非常持ち出し袋や備蓄食料を備えておくと安心ですので、御家庭で事前に準備していただきたいと思っております。
災害時には、まず自分の命は自分で守るという自助の力を養っていただきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 八幡浜市でもやはり少しずつ気温が上がり、それに伴い大雨などの異常気象も増えているということですが、川の近く、低くなっている土地、崖などの危険な場所等での防災対策も変わってきます。
気温や気象状況の変化のほか、住んでいる地域の地盤や特徴を知ること、また大雨、川の氾濫、土砂災害、地震の避難のタイミングは、住んでいる場所によっておのおの違うため、ハザードマップで確認しておくことも市民の皆さんに再周知いただけたらと思います。
続いて、災害対策における強化・見直しについてです。
先日、2月6日、トルコで起きたマグニチュード7.8の強い地震で、5万人を超える死傷者の被害が確認され、多くの建物も倒壊し、甚大な被害を受けました。
大きな地震が起こるたびに、南海トラフ地震が刻一刻と近づいている恐怖を感じます。
また、これまでの大規模自然災害の歴史を顧みると、様々な災害対策は講じているものの、大規模自然災害の発生から甚大な被害、長期にわたる復興・復旧を繰り返しております。
大災害を幾度も経験した今でも、地球温暖化に伴う気候変動により、災害自体がどんどん激化しており、自治体、地域、企業、住民、それぞれが防災を我が事として捉え、自立的に災害に備えることが重要になってきています。
防災1.0、昭和34年に起きた伊勢湾台風では、大規模災害時対応に備わる体制が未整備であり、災害関係の法律が一本化されておらず、各機関の役割や責任の所在が不明確であったことから、災害対策基本法が制定されました。
防災2.0、平成7年に起きた阪神・淡路大震災では、首都直下型の大規模地震により、住宅の崩壊、水道、電気、ガスなどのライフラインの寸断、交通機関の麻痺、多数の人的被害が出たことにより、政府の初動態勢の整備、建築物の耐震改修促進法、被害者生活再建支援法が制定されました。
防災3.0、平成23年に起きた東日本大震災では、マグニチュード9.0という我が国観測史上最大の巨大地震、大津波の発生により、東北沿岸部を中心に甚大かつ広域的な被害をもたらしました。
最大規模災害の備えや原子力事故の複合災害の想定が不十分であったことに対し、大規模災害の被害想定、対策の見直し、津波、洪水等への減災対策、原子力規制委員会の設置等の原子力対策の見直しが講じられたほか、国、都道府県が自らの判断で物資を供給できるプッシュ型の物資支援の仕組みや、大規模災害からの復興に関する法律が制定されました。
これまでの災害を踏まえ、八幡浜市で災害対策において、強化・見直し等、実施されたことがあればお示しください。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
近年、災害の頻発化、激甚化を受け、本市で行ってきました災害対策の強化・見直しの中で、特に大きな事業としては、防災行政無線のデジタル化が挙げられます。
防災行政無線のデジタル化については、平成30年度から令和2年度の3か年をかけて市全域に係る工事を実施し、屋外拡声子局を津波被害のない10メートル以上の箇所に設置するとともに、屋内用として市内全戸と希望する事業所などに戸別受信機の設置を行っており、市が発表する避難指示などの情報を伝えるための最も有効な手段となっております。
また、情報伝達手段としては、ほかにも防災メール、SNSなどによる気象情報、避難情報等の発信も併せて行っており、避難指示などの情報伝達手段の多重化を図っているところです。
平成30年7月豪雨以降も、毎年全国各地で自然災害による甚大な被害が発生していますが、本市としては、訓練や災害で得た知見を基に、八幡浜市地域防災計画をはじめ各種計画、マニュアルなどを見直しながら計画の実効性を高め、災害対応力の向上を図っていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 防災無線でありますが、以前と比べると言葉をはっきりと聞き取れるようになりました。
公民館等の避難場所の開設や避難誘導、また先日は寒波による水道管凍結についてのアナウンスもあり、市民も安心して素早い避難行動や対策ができるものとありがたく思っております。今後も、市民に細やかな情報の発信をお願いしたいと思っております。
次です。八幡浜市防災DX化と企業との連携についてです。
平成28年版防災白書において、地域、経済界、住民、企業らがそれぞれ主体的に防災に向き合い、相互にネットワークを再構築して自立的に災害に備える社会を目指す防災4.0が宣言され、VR仮想現実を用いた災害体験、AI人工知能による災害予測と異常検知、メッシュWi-Fiによるネットワーク構築など、防災DXが進められています。
八幡浜市におきましても、現在あらゆる部署でDX化を推進されておりますが、防災におけるDX化に取り組まれていることがありましたらお聞かせください。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
防災の分野におけるデジタル技術を活用した取組としては、令和4年7月23日に八幡浜青年会議所、八幡浜市、伊方町が共同して体験型防災アトラクション「ザ・リモート」を開催をしました。
この訓練は、市民が市役所や自宅からリモート、Zoomによりクイズ形式の防災アトラクションに参加をするというもので、参加者からは、風水害対策や地震対策をゲーム感覚で学ぶことができたと好評を得ております。
リモート形式の訓練は、ウイズコロナ時代における新しい防災訓練の形として全国各地で行われているもので、今後も住民参加型の訓練と同様に、リモート形式で実施可能な訓練についても選択肢の一つとして検討をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 私も防災アトラクション参加させていただきましたが、とても楽しく勉強できました。
デジタル庁では、マイナンバーカードを利用した住民の避難と災害対策機関の意思決定を支援する防災チャットボット「SOCDA」、また人工衛星を活用した安否確認サービス「Q-ANPI」など、様々なデジタル化が進んでいるようです。
次に、企業との連携についてですが、八幡浜市におきましても、フジ、コープえひめ、第一生命、県行政書士会等、災害時連携締結している企業、団体があると思いますが、各企業名とその内容についてお示しください。
また、今後どのような協定が必要だと考えておられますか、その理由もお聞かせください。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
現在、八幡浜市地域防災計画に48件の協定等一覧表を掲載をしているところです。
このうち民間企業等との協定の主なものにつきましては、要介護者や傷病者の搬送業務の協力に係るものとしてアトムタクシー株式会社と、電力供給設備の復旧に関するものとして四国電力、四国電力送配電株式会社と、物資の調達・提供・供給に係るものとして株式会社フジ、西宇和農業協同組合、株式会社ありがとうコーポレーションなどと協定を締結しております。
また、今後はどのような協定が必要と考えているのかとの御質問につきましては、今後につきましては、災害時におけるボランティアセンターの運営や被災地支援活動に関する協定も必要と考えており、八幡浜市社会福祉協議会、八幡浜青年会議所との協定締結を予定しているところです。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 松山市の災害協定一覧を見ますと、交通、輸送、応急復興、医療救護、避難所、物資、飲料、広報、通信、応援等170団体との様々な協定が締結されております。
災害時、企業との連携は必要不可欠だと思います。今後も、近隣地域とのつながりを深めるとともに、いざというときに支援、援助していただける企業、団体様との連携を図っていただきたいと思います。
また、松山市さんのように、ホームページでも一覧にしてお示しいただくと、市民の皆様にも分かりやすいと思いますので、御検討いただきたいと思います。
次です。地震による被害の違いとその対策についてです。
阪神・淡路大震災と東日本大震災のハザードは同じ地震ですが、大震災の支援については異なった様相を呈しています。
首都直下型の阪神・淡路大震災では、建物の下敷きにより圧死、窒息死が83%で、焼死は13%ですが、大正12年9月の関東大震災では、10万人以上の人が死亡し、そのうちの90%近くが火災原因によるものです。避難所に逃げてきた人々の上を竜巻となった火災旋風が襲い、熱風に包まれて焼死しています。
一方、沿岸の市町村を襲った海溝型地震と津波の被害である東日本大震災では、90%以上が溺死となっており、災害が起きる場所や時刻、季節による寒暖差で災害の要素が大きく左右します。
愛媛県地震被害想定調査報告書による南海トラフ巨大地震の被害想定は、発生時刻や風速等の前提条件により大きく異なるものの、八幡浜市では地震発生72分後、最大9.1メートルの津波により477ヘクタールが浸水すると想定されております。
近い将来地震は起きます。
また、八幡浜市では、市全体での集団防災訓練は実施されておりません。消防、警察、医療機関、学校、企業、自主防災会等々と地震発生後のシミュレーションを行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
大規模な防災訓練としては、愛媛県が年1回実施している愛媛県総合防災訓練があります。
この訓練は、県、市町、警察、消防、自衛隊など防災関係機関はもとより、医療機関や自主防災会、民間企業などが一堂に会し、大雨と地震による複合災害を想定した実践的な訓練を行っており、本年度は内子町が会場となりました。
同訓練は、訓練会場を東・中・南予持ち回りで行っており、時期は未定ですが、今後八幡浜市においても実施される予定です。
本市単独で同様の大規模な連携訓練を実施することは難しいため、毎年8月末に実施している八幡浜市防災訓練の中で、まずは自主防災組織と地区内の学校や地元企業などが連携し、従来の参加者の枠組みを広げるような取組ができないか、その方法を自主防災会連絡協議会とともに検討していきたいと考えております。
今年度の訓練では、避難所配置職員が各地区自主防災会の訓練に参加し、お互いが顔の見える関係になるための取組を実施しましたが、引き続き自助、共助の確立を目的として、行政、自主防災会、関係機関等の連携を強化してまいりたいと思います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 県の総合防災訓練が何年か後に八幡浜市で行われるということで、楽しみにしたいと思います。
私も松山市の総合防災訓練に参加したことがありますが、消防署による瓦礫撤去、女性消防団による応急処置、搬送、NPO団体によるペット防災、自治体による地震体験、自主防によるテント設営、児童・生徒による消火訓練やバケツリレー等、市民全体参加型のすばらしい訓練でした。
地域全体が我が事として取り組む仕組みづくりを、まずは学校、避難所ごとの訓練から徐々に実施されることを希望いたします。
一方、家族という一番小さな集団での防災計画もとても大切です。家族の役割分担、避難経路と避難場所、離れたときの集合場所、家具の安全な配置や固定、持ち出し袋のチェックと保管場所、備蓄品のチェックと保管場所、災害時伝言ダイヤル171の使い方等々、家族内で共有しておくべきことはたくさんあります。
長期休暇の研究課題として、防災緊急カードや家族防災計画書を作成してもらい、全校保護者や地域の皆さんの前で発表してもらってもよいかもしれません。いろいろな発表を聞く中で、PDCAサイクルが循環され、防災意識の継続につながると思います。
次に、家具の固定についてですが、重要性は分かっているものの、費用や人手がかかるために断念されている方もおられます。市としてできることはないのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
東京消防庁の統計によると、近年発生した地震によるけがの原因については、約30%から50%の人が家具類の転倒、落下、移動によるものが原因であると言われています。
また、転倒した家具がドアや避難経路を塞ぐことを回避する避難経路の確保や家具類の転倒による火災などの二次災害防止には、家具類の転倒・落下・移動防止対策は有効な手段と考えています。
本市においては、平成22年度から高齢者等を対象に、家具類の転倒防止金具等取付けに関する助成事業を行っております。
この事業は、75歳以上の高齢者のみの世帯、要介護認定3から5を受けている方のみの世帯、身体障害者手帳1級・2級を所持している障害者のみの世帯等に対し、最大4台まで家具転倒防止の金具等の取付け作業を行うもので、金具等は自己負担となります。
現在、社会福祉課の障害福祉係及び保健センターの高齢者福祉係で受付をしております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 家具固定サポーター登録制度、転倒防止器具無料取付け、防止器具購入時の一部補助など、対象や限度額を決めた上で行っている地域もあるようです。既存の事業も残っているとのことですが、実際私も全然知りませんでした。市民の皆さんへの認知度も低いように思われます。
自主防災会の訓練や民生委員さんがおうちへ訪問されるときに、転倒防止の危険性をお話ししていただき、特に睡眠時の家具の配置等について注意を促したり、ビラを配ったりなどして周知徹底いただけたらと思います。
災害で命を落とされる市民が一人でも少なくなるよう、そして災害後も八幡浜にずっと住み続けていただけるよう、今できることをし続けることが重要だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
次です。被災後の整備及び対応についてです。
災害を止めることはできないため、被災後の対応をしっかり整備しておく必要がありますが、住宅再建等、被災後の経済的支援について、市民が分かりやすい形でお答えいただけたらと思います。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
本市において一定規模以上の災害が発生し、被災世帯数が一定数以上に達した場合などには、国の災害救助法が適用となります。
災害救助法による救助項目では、避難所に関することから被服等の貸与に関すること、医療に関すること、被災した住宅の応急修理に関することなど多岐にわたります。
また、国の被災者生活再建支援制度に基づき、生活再建支援金のほか、家屋の再建や修復を行う場合には加算支援金を受けることができます。
平成30年7月豪雨災害の際には災害救助法が適用されたため、被災世帯に対し、国の被災者生活再建支援制度に基づく生活再建支援金や加算支援金が給付されたほか、屋根や台所、トイレなど生活に必要不可欠な住居部分の応急的な修理に対し支援措置が講じられました。
さらに、愛媛県と本市により災害見舞金や義援金、被災者生活再建緊急支援金などが支給をされたところです。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 国や県、市の支援など、私も知らないことがたくさんあり、大変勉強になりました。
被災後、住めなくなった後の住宅再建のことも知っておく必要があるため、住居や全倒壊した場合の手続の方法や必要な支援の受け方等の簡単な資料をお渡ししておくと、家族防災計画についての話題の一つになるかもしれません。
次です。愛宕山プロジェクトの進捗状況についてお伺いいたします。
八幡浜市では、人命を救い、災害からの回復をできるだけ早くすることを目的として、非常時に1,215台の車両が確保でき、復旧時は仮設住宅建設用地になる避難防災公園やその周辺道路の拡幅及び新設工事に着手しているとお聞きしておりますが、現在までの進捗状況と今後の予定、また災害時以外での活用方法についてお伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 愛宕山プロジェクトは、大規模災害により被災した八幡浜市がどのように復興していくのか、発災直後から復興までにすべき手順を整理し、被災前からできることを早急に着手していく、いわゆる事前復興計画であり、発災時に避難車両1,215台を収容できる避難場所の整備、そこにつながる避難路としての3路線の整備も愛宕山プロジェクトの一環となります。
既存避難路である市道八幡浜高野地線、具体的には大法寺前から愛宕中学校正門前までの整備については、令和4年度に詳細設計を完了し、令和5年度には改良工事に着手する予定です。
また、避難場所並びに避難路2路線については、令和4年度に避難施設基本設計業務を発注し、適切な避難場所の選定、新規市道及び緑ケ丘住宅から愛宕山団地に至る市道愛宕緑ケ丘線の避難路2路線の基本設計を実施しているところであり、どのような整備が可能か、事業規模、事業工程などを精査しているところです。
令和5年度中には、整備の全体像を市民の皆様に説明できる予定です。
なお、避難場所につきましては、発災時は避難車両の駐車場、復旧時は応急仮設住宅建設用地として活用する予定です。
議員御質問の平時につきましては、防災広場として活用する予定ですが、公園の用途以外に、スポーツやイベントを含め、どのような活用方法があるか、今後幅広く市民の皆様の意見を聞きながら、わくわくする使い方を検討したいと考えています。
○議長(平家恭治君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 平時においての使い方ということで、わくわくした使い方ができるようにということで、期待しております。
災害復興を構成する要素として、1つ、住宅再建、2、ライフラインの復旧、3、都市計画事業、4、経済の活性化、5、雇用の確保も挙げられております。住宅の復興が進んでも町のにぎわいが戻らないという別の問題も出てくると言われています。
たとえ南海トラフ大地震が起きたとしても、八幡浜市には大きな被害はないだろう。人間には、悪いことは自分の身には起こらないと思う正常バイアスの傾向があり、被災者の多くはまさか自分が住んでいる場所が被害に遭うとは思わなかったと言います。
南海トラフ地震は明日起こるかもしれません。災害前から復旧後の地域の姿を想定し、実現のための取組を考えていく事前復興が重要になってきます。
昨夜ちょうどNHKで南海トラフ巨大地震最悪のシナリオにどう備えるかという番組がありました。西の半割れでは10万200人、東の半割れでは8万400人の犠牲者が想定されており、建物の倒壊や道路の液状化、火災や津波の映像がリアルに再現されておりました。
家の耐震化をし、震災後も住み続けられるようにしておくこと、家具の固定をし、家具のない部屋をつくることでけがも防ぐこと、災害時に要配慮者に玄関先まで出る習慣を持ってもらうこと、防災の日常化、フェーズフリーやローリングストック、インフラ・ライフラインの強化、経済への影響は東日本大震災の10倍以上と見込まれているため、企業の代替先を確保していくことで復旧が早まること、震災関連死の対策など、地域の力をふだんからつけておくことが必要だとのお話がありました。
また、南海トラフ沿いでマグニチュード8.0以上の地震が出たときに、気象庁が発表する臨時情報巨大地震警報では、次の巨大地震の可能性が高まる29都府県に対し、1週間の事前避難となっており、今後シミュレーションを行っておく必要があります。
私も実際高知の津波タワーに上り、高台に移築された公的機関や道の駅で地元の企業がつくった防災缶詰を拝見し、高知の方々の防災力の高さを感じました。
自然災害を止めることはできませんが、一人でも被災者が減る減災対策や被災後の計画を早い段階でしっかりと立てていただくことを要望いたします。
以上で私の一般質問を終わります。御丁寧な回答ありがとうございました。
○議長(平家恭治君) 休憩いたします。
午前11時56分 休憩
―――――――――――――――――――――
午後 零時59分 再開
○議長(平家恭治君) 再開いたします。
次、菊池 彰議員。
〔菊池 彰君質問席へ移動〕
○菊池 彰君 コロナ禍になり、制約、制限の多い非日常の生活をするようになって早くも3年以上経過しました。現在はマスク着用が当たり前になり、基本的な感染拡大防止策の徹底に向けた取組を継続していますが、新型コロナウイルス感染症対策本部は、マスクの着用は今月13日から個人の判断に委ねることを基本とする見直しを行いました。学校におけるマスク着用の考え方は、4月1日から適用するとのことなので、入学式が桜の満開の下、満面の笑みで挙行されることを期待しています。
また、政府は、5月8日には新型コロナウイルスを季節性インフルエンザなどと同じ5類感染症に移行する方針を決定しました。一日も早く日常の社会経済活動を取り戻し、地域における人と人とのつながりが以前のように密になることを願っています。
それでは、一般質問通告書に従いまして、大綱2点についてお伺いします。理事者の皆様には誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱1、防災関連についてであります。
2月6日、現地時間午前4時17分、トルコ南部のシリア国境付近で起きたマグニチュード7.8の地震は、2月25日時点でトルコとシリア両国の犠牲者が合わせて5万人を超え、倒壊した建物や倒壊のおそれがある建物が17万3,000棟、被災者が2,600万人を超えると言われています。
1900年以降、トルコにおいて地震による死者・行方不明者が最も多かったのは、1939年にトルコ東部で起きた地震であり、そのときの犠牲者は3万2,962人であり、今回はそれを大きく上回りました。さらに、死者・行方不明者が2万2,000人を超えた東日本大震災の発生以降、世界の災害で最も多い死者数となっているようです。犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の間に不安が広がる中、生活再建に向けて世界各国の様々な支援が隅々まで届くことを願っています。
トルコには複数のプレートがぶつかり合うプレートの境界が内陸にもあるため、大地震が発生しやすいと言われています。犠牲者が多くなった要因として、2000年代から急速な都市化が進んだトルコでは、住宅の量の確保が優先され、耐震化が後回しにされたことも原因の一つとなっています。
愛媛大学、森 伸一郎教授は、日本も決して人ごとはない。トルコやシリアを襲った揺れは、耐震化が進んでいない建物にとってはひとたまりもない揺れである。旧耐震、1981年5月31日までに建設されたものの建物は日本に数多く残っていて、危機感を持って耐震補強や建て替えに取り組むべきであると述べられています。
いつ起きてもおかしくないと言われ続けている南海トラフ巨大地震、内閣府は最大の死者数が32万人に達すると想定していますが、減災を徹底するなら6万人に抑えることができると試算しています。
市民の命を守り、安心して安全に利用するためには、公共施設の耐震化は何よりも優先すべきと思いますが、それぞれの建物の耐震化の現状と今後の計画についてお聞きします。
まず、市立保育所、幼稚園、認定こども園についてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(岡本正洋君) お答えします。
本市には公立の保育所が8か所、幼稚園が1園、認定こども園が1園あります。
このうち愛宕保育所、千丈保育所、神山こども園の3施設について、現在耐震性が確保されていません。
耐震化については、今年度末に策定予定の八幡浜市立保育所等再編整備計画に基づき、対策を講じることとしています。
本年2月に関係代表者で構成する検討委員会から検討結果の報告書をいただき、それを基に作成した計画案について、現在パブリックコメントを実施しているところです。
今後については、3月末に計画を策定し、4月から実行する予定です。
なお、計画案では、愛宕保育所は閉所、千丈保育所は耐震診断等を実施、神山こども園は新築して移転することとしています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 それぞれの保育所で今後の計画を今課長から言っていただきました。私も地元日土の保育所、いつも通っているちょうど県道の下に見えますが、今回質問をするに当たり、どういった状況か見に行こうと思いました。平日の昼間に行きますと、保育所園児がおりますので不審者と間違われる危険性もありますので、休日に外から見させていただきました。
ピンクできれいに塗装もしてありまして、本当にいつ建てられたものか分からないくらい新しく感じた次第ですが、日土保育所についてはいつ頃の建物で、耐震化はいつされたのか、この点についてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 子育て支援課長。
○子育て支援課長(岡本正洋君) 耐震基準が新しくなったのは、昭和56年6月からです。日土保育所は、新耐震基準となった直後の同年9月に建築確認済みの通知を受けて建設し、昭和57年3月に完成しています。よって、建物は新耐震基準に適合しており、耐震性は確保されていると認識しています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 外観ではなかなか判断できなかったわけですが、耐震基準が変わったちょうどそのときの建物ですので、もう40年近くなるということですが、本当に平家でありますし、中も見させていただきましたが、本当に園児たちが快適に安心・安全に過ごすことができるなと確信をした次第であります。
小・中学校、市立幼稚園については、令和4年度八幡浜市小・中学校耐震診断結果をホームページで公開されて、耐震化が完了したことを確認をしています。
次に、指定避難所、公民館についてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
当市の指定避難所として小・中・高等学校、保育所、地区公民館等の84か所の施設を指定しています。
災害時に初動で開設する避難所は、平成26年度に地区公民館や地区自主防災会と協議を行い、24か所を選定し、開設しています。
その24か所の避難所のうち、耐震基準を満たしている避難所は20か所で、残り4か所が耐震基準を満たしていません。
なお、指定避難所84か所で見た場合は、63か所が耐震の基準を満たしており、残り21か所が基準を満たしていない状況です。
以上です。
○議長(平家恭治君) 生涯学習課長。
○生涯学習課長(井上耕二君) 災害時に初動で開設する避難所のうち、地区公民館の状況について説明をいたします。
初動で開設する避難所となっている地区公民館は14か所あり、そのうち耐震基準を満たしていない地区公民館は、松蔭地区公民館、千丈地区公民館、喜須来地区公民館、そして大島開発総合センター内にある大島地区公民館の4か所となっております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 耐震化をしていない指定避難所が4か所、あと残りの84か所中63か所で耐震済み、21か所が残っているということなんですが、ここへ市民の方を避難さすのは大丈夫であるのかということについてまずお伺いをします。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
地震や風水害など災害の種別ごとに対応可能な避難所を開設することとしており、地震災害の場合は、例えば松蔭地区であれば、耐震性のない松蔭地区公民館の代わりに市民図書館あるいは市民文化活動センター「コミカン」を避難所として開設することとしています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 避難の際は、耐震化をしている建物に誘導するという課長の答弁でございましたので、安心をいたしました。
次に、公民館のこれからの予定についてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 生涯学習課長。
○生涯学習課長(井上耕二君) 松蔭地区公民館につきましては、現在福祉文化センター跡地での整備を進めております。
そのほか、千丈地区公民館、喜須来地区公民館の2か所については、時期は未定ですが、今後建て替える予定でございます。
大島地区公民館につきましては、未定でございます。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 まだ建物の建て替えについては未定ということですけど、できるだけ地区住民の方の安心・安全のために、できるだけ早い着工を願っております。要望とさせていただきます。
次に、平成30年3月議会で消防団詰所の耐震化率について質問をいたしました。団員数の減少で分団、部の再編・統合を検討している中、詰所建設の進捗状況についてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
消防団詰所については、車庫を含めた消防団詰所38棟のうち、建築基準法改正により昭和56年6月1日に施行された新耐震基準を満たしていない建物が6棟あります。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 耐震化の進んでいない建物が6棟という答弁でございましたが、今後の予定についてお聞かせをいただきたいと思います。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
耐震化をされてない6棟の消防詰所は、中央分団2部、中央分団3部、神山分団2部、真穴分団2部、大島分団、喜須来分団1部です。
現在、平成30年度に作成をしました消防団再編計画及び消防団施設等整備計画に基づき、計画的に更新を行っているところです。
耐震化されていない6棟の消防団詰所の更新につきましては、令和5年度に真穴分団1・2部、令和6年度に喜須来分団1・2部の消防団詰所の更新を予定しており、その他の消防団詰所につきましても順次更新していく予定です。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいまの答弁の中で、令和5年度に真穴分団の1部、令和6年度に喜須来分団の1・2部ということで、あと4棟についてはまだ現時点では決まっていないとの答弁であると理解をいたしておりますけれども、やはり地域防災力の要であります消防団の詰所でございますので、この点については、何よりも優先して取り組む必要があるのではないかなという気がいたしますが、また考えをお願いします。
また、更新から外れますが、私が消防団長させていただいた平成27年度に地震が発生して津波が来るおそれがある場合には、消防団の詰所からポンプ積載車を高台に移すということを決めているわけですけど、この点についてはその後、継続・周知徹底をされているのか、この点についても併せてお伺いをします。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) まず、最初の1点目の御質問にお答えをします。
議員が言われるとおり、消防詰所は地域住民の身体、生命、財産を守るためのとりでだと思っておりますので、耐震化できていない詰所については、早急に整備をしたいと考えております。
しかしながら、4つの詰所につきましては、用地等の問題がまだ解決をしておらず、例えば中央分団2部、これは天神通ですけれども、ここについては旧の八幡浜図書館移設後の跡地に建設を予定しております。
また、このときには、中央分団1部、これは片山町ですけれども、それと中央分団5部、白浜についてもこの場所に移転統合される予定としております。
中央分団3部、これは津羽井ですが、ここについては、建て替えるための適当な平地が周辺になく、現在候補地を検討中でございます。
神山分団2部、これは栗野浦ですけれども、ここについては、集会所との複合施設となっているため、集会所の耐震化と併せて建設を検討する必要があるため、未定となっております。
このように、残りの詰所につきましては、まだ用地等の問題が決まっていないため、現在のところ未定となっておりますが、なるべく早急に解決をして、それらが決まり次第、耐震化を図りたいと考えており、施工業者やあと起債などの問題がクリアできれば、たとえ1年に2か所になったとしても詰所整備をやってまいりたいというふうに考えております。
次の2点目の津波が来た際に消防団の車両の退避についての御質問だったかと思いますが、津波が来た場合に、長期の浸水をしそうな詰所の消防車両、その退避場所につきましては、平成27年に策定をしました八幡浜市消防団津波災害時安全管理マニュアルに基づきまして、それぞれの分団で車両の退避場所を定めているというふうに聞いております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま部長の答弁の中で、やはり用地等の問題、そして複合施設であるがための耐震化、なかなか難しい状況であることは理解ができました。
一年でも一日でも早く地域住民の方が安心・安全に暮らせるようにということで、さらなる協議、交渉をよろしくお願いいたします。
また、消防車両の高台への移転については、しっかりとマニュアルが作成されている、ずっと継続されているということで安心をさせていただきました。ありがとうございました。
続きまして、保健センター。市営住宅についてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君) お答えします。
八幡浜市保健福祉総合センターは、昭和38年建築され、平成10年に愛媛県から購入し、同年に耐震診断、翌年に耐震補強を行い、平成11年11月から保健センターとして使用を開始しました。
以上です。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えいたします。
令和4年度末の市営住宅の耐震化状況は、政策空き家を除く31団地74棟のうち、耐震基準を満たしていない住宅は、須川団地1棟、大竹団地2・3・4棟の2団地4棟となっています。
説明は以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 保健センターについては、外観から判断しますとかなり古いとは思っていたわけですけど、あと2年もすると築60年ということになるんですが、耐震化が終わっているということで安心はいたしました。
また、財政課長の説明の中での2団地の4棟でしたか、この分についてのこれからの耐震化の計画というものについては決まっているのか、お伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えいたします。
今後の耐震化の予定ですが、令和5年度に大竹団地4棟の耐震診断・耐震補強設計を実施予定であります。
耐震工事が必要な団地につきましては、初年度耐震設計、次の年、次年度耐震工事という流れで、今後8年間の予定で順次耐震工事を進めてまいる予定としております。
説明は以上でございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 準備段階、工事で今後8年間ということを今課長言われたわけですけど、この8年というのを何らかの方法で前倒しをして早く耐震化ができるような、そういった方法というのは考えることはできませんでしょうか。
○議長(平家恭治君) 財政課長。
○財政課長(明礼英和君) お答えいたします。
交付金の活用をして実施しておりますので、また交付金の採択、また予算の状況、その他住宅改修工事の内容等、あとまた順次検討いたしまして、前倒しができるよう検討して、また実施したいと思います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 先ほどの消防団詰所の耐震化同様、できるだけ早くということでの対応をこれから考えていただきたいと思います。要望をさせていただきます。
次に、住宅の耐震化についてお伺いします。
住宅の耐震化については、自らの命を守るために必要なものとして意識啓発に努める必要があると思います。
建物の倒壊に起因した火災や、避難路を塞ぎ緊急車両の通行の妨げになる危険性が考えられます。
国土交通省の調査で、令和元年度の数値として、全国の戸数が約5,360万戸、そのうち耐震性ありが4,660万戸、耐震性不足700万戸であり、耐震化率は約87%となっています。
令和7年の目標値として、全国の戸数約5,380万戸に対して、耐震性ありが5,110万戸、耐震性不足が270万戸、耐震化率95%を目標としています。
現在、全国の自治体の85%が耐震診断に補助金を交付しており、また80%の自治体が耐震補強工事に補助金を交付しています。
当市の住宅の耐震化率については、平成25年度で64.2%となっていますが、令和元年度以降、耐震診断や耐震補強工事に補助金の申請は何件あったのか、お伺いします。
また、耐震化率の数値目標は設定しているのか、併せて伺います。
○議長(平家恭治君) 建設課長。
○建設課長(宮下研作君) お答えします。
市では、昭和56年5月31日以前に着工された一戸建ての木造住宅に対し、国・県の補助を活用し、耐震診断費用の補助制度を設けています。
また、診断の結果、耐震性が不足していると認められる住宅の耐震改修工事費への補助も行っています。
御質問の令和元年度以降の補助件数は、今年度までの4年間で耐震診断41件、耐震改修工事15件です。
熊本地震が発生した平成28年度には、耐震診断が28件、翌平成29年度の耐震改修工事は9件ありましたので、その当時よりも申請件数は減少している状況です。
次に、耐震化率の数値目標についての御質問ですが、八幡浜市耐震改修促進計画では、令和2年度に80%とすることを目標としていました。
なお、耐震化率は5年に一度実施されている「住宅土地統計調査」のデータを基に推計しているものです。
この調査は、次回来年度に実施されますので、その結果が確定した後に、この目標値の検証を行うこととしています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり熊本地震の発生直後にはこういった相談件数も多かったということですけど、なかなかそれから時間がたちますと相談件数も減っているということですが、やはり何といいましても、改修費用の問題や個人がこの必要性をどう考えるか、大変難しい問題であると思いますが、これから先の啓発活動や今後の数値目標についてあればお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) 市では、耐震化を促進するため、啓発事業として、平成25年度より市内各所の区域を選定し、耐震補助に関する資料のポスティングを行う戸別訪問や開催希望のある公民館での出前講座を開催しています。
また、令和5年度には、「木造住宅低コスト耐震リフォーム講演会」を開催する予定です。
また、今後の数値目標とのことですが、県の目標値に合わせ、令和7年度の耐震化率90%を目指したいと考えております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 耐震化率については、国と同じ90%の目標という部長の答弁でございました。
私も昨日、おとといとNHKの南海トラフ大地震のテレビを見たわけですけど、やはり持家があるということは、復旧・復興の中で一番心強い存在であるということが言われました。やはりなかなか、先ほど申しましたように、費用の面もありますので、補助率、その辺十分啓発活動で住民の方に周知をしていただいて、この耐震化が目標数値に近づくように進むことを願っております。要望といいましょうか、この数値に近づくことを願っております。
次ですが、毎年度防災の日に近い日曜日に地震津波避難訓練を実施していますが、災害の発生は日時、場所、季節を選ぶことができません。住民の円滑かつ確実で迅速な避難の実現に向けて、様々な条件、夜間の避難、高齢者の避難等の下、訓練を実施することで新たな問題点を発見することができるのではないかと私は思いますが、市の考えをお伺いします。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
議員が言われるとおり、災害は時間、場所、季節を問わずいつ起こるか分かりません。
そのため、まずは夜間における避難訓練を考えており、今後各地区の自主防災会に対し訓練の呼びかけを行い、実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
なお、既に取組を進めている地区もあり、今月下旬に夜間訓練を行う予定となっております。
夜間の避難訓練を行うに当たりましては、いきなり地区住民を対象とした訓練を実施することが難しい地区もあると思いますので、まずは地区の役員だけで行い、避難経路における危険箇所を事前に確認した後に、地区住民を対象に訓練を行うなど、各地区の事情に応じた方法で取り組んでいただくつもりでおります。
また、愛媛県では、令和5年度より南海トラフ地震津波対策推進事業及び南予津波夜間避難訓練支援事業を実施していく予定です。
この事業により、夜間避難訓練を行うことで見えた課題を克服するために、県の助成が受けれるようになります。
例えば、避難路に照明がなく暗いとか、未舗装で滑りやすいというような箇所に対し、街灯の設置や舗装工事などを行い、夜間における避難の安全性を確保していくことができると思っております。
次に、高齢者等の避難については、現在条例に基づき避難行動要支援者名簿を各自主防災会、民生委員などに配付をしております。同時に、個別の要支援者について、誰が支援をするのかなどを記載した個別避難計画も作成をしていただいているところです。
そして、年1回の更新時には、自主防災組織や民生委員にお願いをして、災害時にスムーズな避難が可能となるよう、計画内容のブラッシュアップを行っていただいているところです。
なお、現在避難行動要支援者名簿には、市全体で1,348人が登録されています。
来年度には、高齢者などの避難訓練を計画している自主防災組織もありますので、今後も各地区自主防災組織や関連団体などと連携して高齢者等の避難訓練に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 夜間の避難訓練については、大変大事であり、必要性を認識しているとの答弁でございました。
つい先般、愛媛新聞に西予市三瓶町津布理地区の夜間避難訓練の記事がございました。自主防災会の会長の談話として、約30人が参加をしたが、暗い、危ない、怖い、そういった感想ばかりであったということでございます。最初は役員さんだけで行うことが必要というのは十分分かりますが、地区民全員にこういった夜間訓練への参加を促すための一番の注意点といいましょうか、その辺の考えについてお伺いをします。
併せて先ほど高齢者の要援護者のサポートについて、私も今現在地区の区長をさせてもらっておりますので、名簿を見させていただきました。必ず2名のサポートがございます。
しかし、海岸線地区で津波の被害から逃げるとなると、やはり不安があると思いますし、より早く、より遠く、より高く、こういったオリンピックのスローガンに似ているわけですけども、こういった形での避難をするためには、やはり1人につき3名、夜間であれば1人が道案内をして明かりを照らすというような必要性もありますので、こういったところに関しては3名が私は必要と思うんですが、この辺の考え方についてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 2点御質問をいただきました。
まず、1点目からお答えをさせていただきます。
再質問いただきましたので、少し前置きをさせていただきたいと思います。
私も、この土日ありました南海トラフ巨大地震のNHKの特集を見させていただきまして、大変なことだなと改めて思いを強くしたところですが、南海トラフ巨大地震が発生をする確率が、今後30年以内に70%から80%、今後40年以内では90%とまで言われており、先ほども申し上げましたように、それが本当にいつ起きるか分かりません。
県の被害想定でも、これは地震と同時に津波が発生をした場合ですが、最悪のケース、冬、深夜、強風時、そのときにはこの八幡浜市の死者が770人、負傷者1,662人、建物は全壊、半壊を合わせると約1万7,000棟ということです。
また、高齢者が非常に多い中で、地震発生から20センチの水位変動、津波が僅か5分後、1メートル津波が51分後、最高位の9メートル津波が72分後、1時間12分後ということで、それまでに避難を完了させることは並大抵のことではないと思っております。
そのため、本市では、毎年8月末の防災訓練では、一定の時間的余裕のある自然災害よりは、いつ起こるか分からない地震、中でも南海トラフ巨大地震を想定した訓練を実施をしてまいりました。
しかし、これまでは午前中の明るい時間帯ということで、夜間の訓練というのはリスクが多く、全体での訓練というのは実施できていない状況です。
それで、御質問いただきました夜間避難訓練において注意すべき点ということですけれども、本当に地震がいつ起こるか分からない中で、日が暮れた夜間の訓練を実施するということは、とても大切ではありますが、リスクが伴うと思っています。
それで、先ほども答弁させていただきましたが、これから各地区自主防災会のほうと協議をして、まずは準備が整ったところから順次実施をしてほしいと思っていますが、夜間ということで、高台等に避難をするにしても、状況は大きく異なってくると思っています。
もしかしたら地震と同時に停電が発生したら、街灯すら点灯せず、真っ暗闇の可能性もあると思っています。
それで、まずは避難訓練でけが人等が出たのではいけませんので、自主防災会の役員さん等で夜間における避難路の点検等をしていただき、危険箇所等を十分把握された上で実施をしていただければというふうに考えております。
2点目の津波災害の場合に要支援者を2人の支援者でなしに3人の体制でサポートをすべきではないかという御質問に対してお答えをいたします。
今ほど申し上げましたが、本当に津波の場合は時間との勝負だと思っております。ですから、避難に支援の必要な方をサポートする人数は多いにこしたことはないと思っておりますが、現在の要支援者の個別計画、個別プランでは2人を登録しております。
高齢化とともに災害発生時に避難支援を必要とする方あるいは支援を希望される方は増えている傾向にあり、一方で人口減少に伴い若年層が減っていく中で、支援する側の人手は不足傾向にあります。
ですから、1人の要支援者に3人の支援者をつけるというのはなかなか難しいのではないかと思っておりますが、一番大切なことは、要支援者を確実に避難させるためにはどうしたらいいのかということだと思いますので、例えば支援に元気な中学生、高校生が加わっていただくとか、そのあたりはまた市のほうと御相談をいただかないといけないと思っておりますが、やはり八幡浜市の地域の特徴は、そのあたりのコミュニティーが非常に充実しているということだと思いますので、地域でお互い助け合っていただいて、よりよい方法を検討していければというふうに思っております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり夜間の訓練にはいろいろと難しい問題、ハードルが高いということを実感をした次第でございますが、先ほど部長答弁にありましたように、今県からの予算で街灯とか転落防止設備の補助等がございますので、やはり自主防災会といろいろと相談をしていただいて、十分なサポートをしながら、それぞれの地区でこの夜間訓練が実施につながるように、指導、打合せをお願いをしたいと思います。よろしくお願いをいたします。
大規模災害の発生時には多くの市民が避難所へ避難することになります。避難所の運営には、施設管理者や自主防災組織の協力が不可欠であり、運営体制について事前に決めておく必要があると思います。ハザードマップを使用して土砂災害危険箇所を確認したり、コロナ禍で実施できなかった避難所運営ゲーム「HUG」や災害図上訓練「DIG」について、新年度から再び取り組んで避難所の運営体制を整えておくことが、防災意識の向上につながると思いますが、考えをお伺いします。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
避難所運営ゲーム「HUG」は、大規模災害時に公助が行き届かない場合に備え、住民自らが避難所を運営する際のシミュレーションができるため、大変有効であると考えております。
また、災害図上訓練「DIG」は、地域の住民が住んでいる地域の地図を囲み、災害の種別ごとにどこにどのような危険があり、どこへ避難することができるかなど、地図に情報を直接書き込みながらワークショップ形式で防災対策を検討する訓練であり、これも大変有効であると考えております。
これらの訓練につきましては、コロナ禍ではありましたが、令和3年11月には各地区自主防災組織、消防団員を対象に、令和4年11月には八幡浜市母子寡婦福祉連合会を対象に災害図上訓練「DIG」を行いました。
また、本年1月には、職員研修の一環としまして、実際に避難所に配置される市の職員や経験年数の短い若手職員を対象に避難所運営ゲーム「HUG」を実施をいたしました。
新年度以降につきましても、ウイズコロナの下、自主防災会連絡協議会や関係機関と連携しながら避難所運営ゲーム「HUG」及び災害図上訓練「DIG」をはじめとする有効な訓練方法について協議を行い、市民の防災意識の向上に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 コロナ禍ではありましたけれども、令和3年、令和4年、そして本年1月と、それぞれの団体の方にこういった講習をされているということで、この前向きな取組、大変感心をいたしておりますが、私の提案といたしましては、防災士の方もなかなかいろんな訓練の前に、人数制限があって研修会等は開けておられないと思いますので、次年度、防災士の方を対象にこういったDIGやHUGの訓練ができないかなと思うわけですけど、この点についていかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) まず、現在防災士の研修につきましては、毎年夏に3班に分けて大体15人程度ずつの体制で3日間、消防署のほうにお願いをいたしまして、座学をはじめ心肺蘇生法、AEDの使い方、止血法などの研修を行っているところです。
今、議員のほうから防災士対象にぜひこのHUG及びDIGの訓練を取り入れたらどうかという御提言でございましたが、まず毎年の消防署で防災士の研修をやっているものとは切り離して単独で、場合によっては自主防災会の役員さんとかも多く入っていただいてやれればというふうな思いがあります。
HUG、DIGの研修はいい取組だと思いますので、まずは実施に向けて前向きに検討をさせてもらったらと思います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 前向きな答弁いただき、大変ありがとうございます。実施に向けてさらなる打合せを、協議をお願いをいたしたいと思っております。
最後に、防災士の登録者数について伺います。
本年1月末現在で、防災士は全国で24万6,862名おられます。一番多いのは東京都で2万589名、2番目が愛媛県で1万9,606名となっていますが、現在の当市の男女別の登録者数についてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
令和5年1月末現在において、日本防災士機構に登録されている本市の防災士登録者数は、男性386人、女性102人、合計488人です。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 防災士の登録者488名という答弁いただきましたが、今現在市内で17地区98の自主防災会があると数を把握しておりますけど、全ての組織の中で防災士の方がおられるのか、また今後も増やす考えはあるのか、以上2点についてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 再質問にお答えをいたします。
先ほど総務課長が申し上げました本市の防災士登録者数488人の中には、市の助成を得ないで独自で防災士資格を取得した方もおられまして、その方々の所在までは今市のほうでは把握ができておりません。
市の助成により資格取得した防災士は、488人のうち210人です。
この210人は、現在17地区98組織ある自主防災組織の中の84組織に所属をされています。
防災士の資格取得に係る費用は、県と市で全額助成をすることとしておりますので、現在防災士が不在となっている残りの14組織に対しましても、防災士資格の取得について進めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私はこの488名、皆さん公費で取られたのかなと思っておりましたが、半分以下の方ということで、やはりこれ会社の方とか学校関係かなと思うんですけど、多くの方が資格を取っておられることに安心をしたわけですが、やはり一番大事なのは、地元に何人おって活動されているかということだと思いますので、今部長答弁ありましたように、今現在14の地区におられないということですので、地区の方と相談をしていただいて、ぜひとも全98の自主防災会に防災士の方がおられるというような状況をつくっていただくように、よろしくお願いいたします。
治にいて乱を忘れずという中国易経の教えがあります。平穏な日々が続くのは喜ばしいことではありますが、永遠に続くわけではないと誰しも理解しています。しかし、平穏が日常的になるとどうしても気が緩み、まれに起こる非常事態にあたふたと混乱してしまいます。日頃から緊急時に備え、危機意識を維持することが大切であると教示しています。
平和で平穏な日々を過ごせることに感謝しながら、支援物資も危機意識もしっかりと備えることを提言いたしまして、次の質問に移ります。
大綱2、地域おこし協力隊の現状と今後の取り組みについてであります。
地域おこし協力隊は、都市地域から人口減少や高齢化等の著しい地域に移住して地域ブランドや地場産品の開発、販売、PR等の地域協力活動を行いながら、その地域への定住、定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期はおおむね1年以上3年未満です。
この制度は平成21年度に開始され、全国における令和3年度の受入れ自治体数は1,085団体で、6,015名の隊員が活躍しておられます。
政府はこの隊員数を令和8年度までに1万人に増やすという目標を掲げており、この目標に向け、地域おこし協力隊等の強化を行うこととしています。
総務省では、地域おこし協力隊の活動に要する経費として、隊員1人当たり2022年度は480万円を上限、うち報償費等については280万円を上限として財政措置を行っています。
隊員の男女比は、男性6割、女性4割で、幅広い世代の隊員が活躍しておられますが、約7割が20代、30代の若い世代であり、愛媛県においても令和4年4月現在で104名の方が地域住民と協働しながら日々活動しておられるようです。その6割近くが20代、30代で、若者世代がチャレンジできる地域として選ばれています。
当市においては、平成27年4月から日土東地区で地域おこし協力隊員制度を導入して2名を委嘱しました。
ここで質問ですが、現在までの隊員の人数と配属された地域についてお伺いします。
また、年齢構成と男女の比率についても伺います。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えいたします。
当市では、令和4年度までに合計16人の地域おこし協力隊を委嘱しました。内訳は、地域型として日土東地区3人、大島地区3人、磯津地区2人、高野地地区1人、神山地区1人の計10人、ミッション型として、市役所内の水産港湾課2人、政策推進課2人、商工観光課2人の計6人となっています。
年齢構成については、採用時点で20歳代が7人、30歳代が7人、40歳代が1人、70歳代が1人となっており、男女比率については、男性が約3割、女性が約7割となっています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま16名という報告をいただきまして、やはり1人の方がちょっと高齢ではございましたけれども、ほとんどの方が20代、30代であるということで、愛媛県の平均と同じかなと思っている次第ですし、この人数につきましては全て要望があった地域については地域おこし協力隊の方は委嘱できたのか、この点についてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
要望のあった地域については、委嘱できております。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ありがとうございます。
協力隊員の熱意と行動力が地域に大きな刺激を与え、住民が増えることによる地域の活性化に貢献があったと思いますが、ここまでどういった評価をされているか、お伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
現役隊員につきましては、地域の産品を使用した物品の販売などで、市外、県外でも八幡浜市の名前をアピールしたり、みかんアルバイターへ地域の紹介チラシを作成したり、様々な地域行事において住民とともに活動をしております。
合計16名の地域おこし協力隊員につきましては、いずれの隊員も地域や関係者と連携しながら、またそれぞれの持つ強みを生かしながら一生懸命活動していただいていると評価をしているところです。
また、退任されました隊員のうち、4名は市内定住につながっており、引き続いて本市の発展に貢献していただいているものと思っております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 現在も含めて、現在まで当市に委嘱されました地域おこし協力隊員の方がしっかりと地域に根差して地域活性化に貢献されているという評価でございまして、これから先もこういった熱心な地域おこし協力隊の方が来られることを願っております。
次に、企業に就職または転職した際、理想としていた働き方や職場のイメージと現実のギャップからミスマッチが起こるように、地域おこし協力隊の場合も隊員と受入れ側で双方の姿勢や方向性のずれは課題となっています。
総務省の調査では、委嘱時に想定していた期間よりも早く退任した隊員が、2019年1月から2020年12月末までに604名確認され、うち106名が受入れ地域、受入れ自治体、隊員の3者のミスマッチが原因との報告がされています。
当市において任期途中で退任した隊員がいれば、その状況についてお伺いします。
該当者がいたとすれば、どういったことが要因であったか、これについてもお伺いします。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
令和4年度までに退任した12人のうち、10人が任期途中で退任となっています。結婚、家族の介護、転職など、様々な理由で退任されています。
当市では、隊員が移住後の慣れない環境下で悩みや葛藤を日々抱えながら地域振興のために活動しているという点を考慮し、月に1回、定例会として隊員全員が集まり、各隊員が活動報告をし、意思疎通・連携を図っています。
また、隊員ごとに個別ヒアリングを年2回実施し、この中で悩み事なども聞き、必要に応じてアドバイス、ケアを行っています。
地域型の隊員の場合は、受入れ地域の方々とも年1回ヒアリングを実施し、地域での状況確認や困り事などの情報共有を行っているところです。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私も一番にはこういった要因について知りたかったわけですけど、結婚や介護、転職ということでございますし、一番大切などういったコミュニケーションを取っておられるかなと思いましたら、月に定例会や年2回のヒアリングと、十分に地域おこし協力隊の方の悩み、要望については受入れ側として、理事者として十分なそういった体制を取っておられるということで安心をしたわけですけど、人数からいうとちょっと多いなという気はいたしますんで、これから先またこういった課題について考えていただきたいと思っております。
こうしたミスマッチを防ぐためにも、地域おこし協力隊希望者が協力隊員として自治体で活動するイメージを想像したり、自治体との相性を確認したり、また自治体もどのような人が興味を持ってきてくれるのか、実際に地域で活動することができそうなのかを事前に知っておくことは、大変有効であると思われます。
こうした背景から、段階的な措置として、2020年度にお試し地域おこし協力隊が、翌2021年度には地域おこし協力隊インターン制度が始まりました。
お試し地域おこし協力隊は、住民との交流を含む2泊3日以上の地域協力活動の体験プログラムであり、受入れ地域、受入れ自治体、地域おこし協力隊希望者、3者のマッチングを図ることを目的とします。
また、地域おこし協力隊インターンは、2週間以上3か月以下の期間で地域おこし協力隊の業務に従事できます。長期の設定とすることで、夏休みなどを利用した学生や社会人等の参加や将来的な隊員数の増加を見込んだ取組になっています。
当市において隊員を募集する中で、応募者にこういった取組を紹介すれば、応募に迷いがあっても行動を起こしやすいと思いますが、考えをお伺いします。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
お試し地域おこし協力隊については、本市では制度化していませんが、地域おこし協力隊インターンについては、本市でも制度を導入しており、今後地域型の地域おこし協力隊を募集する際には、ミスマッチを防ぐためにこの制度を活用したいと考えています。
この制度を活用し、採用前に実際に地域に入っていただくことで、隊員希望者にとっては地域の特徴や活動への希望を深く知ることができ、また地域の方々にとっても、隊員希望者の人柄などを知ることができるため、採用に当たってのミスマッチを減らすことにつながるものと考えています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはりこのインターン制度で事前に地域を知る、また来ていただく方の人柄も知る、考えも知るということができますので、大いに取り入れてミスマッチのないようにこれから先よろしくお願いをいたします。
令和5年度地域おこし協力隊に3名、内訳として大島テラス内「しまカフェ」経営2人1組、移住支援1名の募集が2月28日に締め切られましたが、応募状況についてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) 議員から御質問のありました大島テラス内の「しまカフェ」経営と移住支援者に係る令和5年度の地域おこし協力隊の募集については、2月28日で募集を締め切り、関東・関西方面などから計4件の応募がありました。
内訳として、しまカフェ経営については3件、移住支援については1件となっております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり人気があるのか、4件応募があったということで、これから先の採用までのスケジュール、今課長のほうから応募者は関東、関西と言われたんですか、ちょっとその辺確認させてください。
大島のしまカフェの応募者については、関東・関西方面からといった発言でしたか。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) そのとおりでございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 それでは、これからやはり現地に来ていただいて大島、また八幡浜を知っていただくことが重要と思いますけれども、これから先の採用までのスケジュール、これについてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
まず、3月中に応募者の書類選考を行い、事前に担当者がウェブで意向確認を行います。その後、面接及び現地確認等を経て、採用者を決定する予定です。
委嘱日につきましては、採用者決定後に協議したいと思っております。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ぜひとも大島を好きになり、また八幡浜を好きになって、しまカフェが大繁盛しますように、活躍できる方が来ていただくように望んでおります。よろしくお願いします。
さて、1月17日の愛媛新聞に、東予地区の地域おこし協力隊員の男性が地元団体とのトラブルを理由に退任した記事が掲載されました。全国から他の地域でも同様の事例が起きているとの反応が相次ぎました。
協力隊制度が目指すのは、過疎地域への定住の実現であり、制度本来の趣旨に沿った運営に向け、隊員の活動しやすい環境づくりが急務である、専門家からは受入れ自治体によって結果に大きな差が生じているとの指摘がありました。
県内での定住率は、県全体で69.5%、全国平均の65.3%より高い水準で推移しています。当市においての定住率はどうなっているか、お伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
八幡浜市では、退任した12人のうち4人が市内在住で、定住率は33%となります。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 33%、若干という言葉よりは、ほぼ県の半分以下ということで、寂しい状況もいたすわけですけど、ちょうど私がこういった質問をするかのように、3月3日愛媛新聞に、八幡浜支局管内でこういった地域おこし協力隊が起業の方法などを学ぶスクールの第1期生が2年間のカリキュラムを終えたという記事がございました。このときは、八幡浜支局管内で6名の方が学んだという記事でございましたし、22年度については現在8名が学んでいる、その記事でございます。
やはり一番には、定着する協力隊が少ないということでの支局管内でこういったことをされているわけですけど、このカリキュラムを修了した6名のうち、八幡浜市で活動している方は何名おられるのか、また22年度に今8名の方ということで、この中に八幡浜の協力隊の方はおられるのか、この2点についてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) 県が実施しております八幡浜支局管内の「地域起業応援スクール」ですけれども、まず1期生6名のうち、当市の地域おこし協力隊は2名です。
2期目の8名のうち、当市の地域おこし協力隊はおりません。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 第1期生の6人のうち2名おられたということでございますので、この2名の方がしっかりと定住をしていただいたらと考えております。
定住をするには、移住した場所で生活基盤を築く必要がありますが、地域おこし協力隊としての最終年次または任期終了翌年に起業する者または事業を引き継ぐ者に対して県や市の助成措置はあるのか、この点につきましてお伺いします。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) お答えをします。
地域おこし協力隊員が起業や事業継承をする場合、愛媛県の「地域人材起業支援事業」として事業費の2分の1、50万円を限度に補助する制度があります。
また、その補助を受ける場合に、市が25万円を限度に上乗せして補助することとしているため、例えば起業に係る費用が100万円とすれば、県から50万円、市から25万円、本人負担25万円で実施可能となります。
なお、令和5年度中に退任予定の隊員1人が起業予定のため、この費用を当初予算で計上しています。
なお、地域おこし協力隊に限った制度ではございませんが、市内で新たに創業を行う方に対して、事業費の2分の1、50万円を限度に補助する「八幡浜市創業支援事業補助金」制度があります。現在補助額の引上げを検討しており、この制度についても活用できる可能性があります。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 早速1名の方、現在協力隊の活動をされている方が、令和5年度に起業予定ということで、大変ありがたく、また定着をされるということでうれしく思っているわけですが、先ほど副市長が言われました起業に関しての地域おこし協力隊以外の方でも50万円の市の助成措置を構えている。また、この助成措置の金額を引上げ検討中ということを言われたわけですけど、この点についての市民への周知というのはどういった形でされようと思っておられるんでしょうか。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 今回この愛媛県の人材起業支援事業というのがございまして、この話を聞いたときに、うちには独自の制度がないかということで内部で確認をしましたら、既に先ほど申しましたような八幡浜市創業支援補助金があるということで、創業するにしてもやはりお金が要ります。できるだけ支援する方法がないか、選択肢がないかということで、この今上限50万円、これが果たして妥当であるかどうかを検討しまして、やはりもう少し上限を上げる必要があるのではないかということで今検討しておりますので、早いうちにある程度決まりましたら周知したいと思います。
というのが、今、この間も御説明申し上げましたように、八幡浜港みらいプロジェクトそして四電跡地プロジェクト、そこには民間企業を誘致してにぎわいをということでございますけれども、想定するのはある程度大きな会社ということですけれども、にぎわいを創出するのには大企業だけではないと。やはり小さな事業者も必要で、にぎわいを出してもらえるものと思っておりますので、大きな支援と小さな支援合わせて両面から支援をすることによってにぎわいを創出できると思っておりますので、近々この制度は発表したいと思っております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 多くの方にこういった助成措置を利用していただき、起業をしていただき、にぎわいを創出することが我々の願いでもありますし、こういった方が増えることを切に願っております。
次ですが、即戦力を求めてより専門性の高い人材を雇用する制度として、2021年から「地域プロジェクトマネジャー」がスタートしました。地域おこし協力隊は全国に広がりを見せており、その数も右肩上がりになっています。
一方で、30代以降の一定程度のキャリアを築いてきた人にとっては、志だけで応募するには難しい側面もあります。
地域プロジェクトマネジャーは、地域の関係者、行政、地域、民間とをつなぎ、新たな事業や既存のプロジェクトを円滑に進めていくためのブリッジ人材としての立ち位置や役割が期待されます。
雇用する場合には、650万円を上限に自治体に対して特別交付税措置、1市町村当たり1人が上限が用意されます。地域おこしに関わることは、その土地のことを把握し、人間関係の構築や実際に関わった経験があるかによってその人の専門性を十分に発揮できるか左右されます。地域おこし協力隊として地域おこしに関わった経験があることや専門的な知識を有する人材などを雇用していく制度でもあります。移住者をスムーズに多く取り込むために、この制度を活用し、活性化につなげたらと思いますが、考えをお伺いします。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
地域プロジェクトマネジャーの実績としては、令和3年度は全国で30人あり、愛媛県内の事例としては令和4年度に1件ございます。
地域プロジェクトマネジャーを公募するには、自治体における重要プロジェクトを選定し、その重要プロジェクトの推進に必要な人材定義を行う必要があります。
公募の対象には、協力隊OBなども入りますが、採用には公平性、透明性も必要とされることから、まずは他市町の事例を参考としながら検討していきたいと考えております。
なお、制度の趣旨は異なりますが、外部専門人材の登用の事例として、当市においては幅広く地域活性化の課題に対応するため、令和3年度より三大都市圏に所在する企業等の社員を受け入れる「地域活性化起業人制度」を活用し、八幡浜港みらいプロジェクトの業務を担当してもらっているところです。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 既に八幡浜港みらいプロジェクトのこれに関してこういった人材が活躍しているということで安心をいたしました。
議長、誠に申し訳ございません、先ほどの項目の中で1つ質問を忘れたわけですけど、これからよろしいですか。
○議長(平家恭治君) 時間がありますのでどうぞ。
○菊池 彰君 先ほどの県や市の助成措置はあるのかというところで、私、コロナ禍で十分な活動ができなかった協力隊員に、今国の任期特例が創設をされておりますので、こういった特例を利用される隊員はいるのか、この点について、順序が逆になりまして申し訳ございませんが、お答えをいただきたいと思います。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
新型コロナウイルス感染症により活動に大きな制約を受けた隊員が、3年を超える地域協力活動を希望し、受入れ自治体が「任期の延長が必要」と認めた場合には、2年を上限として任期を延長できます。
当市において、令和4年度で任期終了となる隊員がこの特例を利用し、令和5年度末まで1年間任期を延長する予定です。
以上です。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今の関連になるわけですけど、令和4年度で任期終了予定の隊員が延期をするということで、また地域の方も喜ばれることと思っておりますが、今度令和5年度には2名の方が3年の任期を終了されると思うんですが、この2名についてのその後については、現在は把握されておられますでしょうか。
○議長(平家恭治君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) 令和5年度中に2名退任するんですけれども、起業と就農ということになっております。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 起業と就農ですので、2人ともこの八幡浜におられるということですので、安心をいたしました。
2020年の愛媛県の人口は133万4,800人でした。県が昨年9月28日に公開した2060年の将来推計人口は78万3,500人、約55万人も減るとの推計に、多くの県民が衝撃を受けたことと思います。
当市においても、2020年との比較で66%減の1万890人の予測でした。多くの市民の方が耳を疑ったことと思います。
今回の試算は、何もしなければこうなるという試算であり、少子化対策、結婚対策、子育て支援等、次元の違う施策が必要になります。
地域おこし協力隊の委嘱については、近隣自治体では10名を超えているところもあるようですが、当市においても地域協力活動を行い、地域活性化に貢献をして多くの若い世代を起業や定住に結びつけるために、人数を増やすことはできないか、お伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 地域おこし協力隊を受け入れる際には、単なる人員補填との意識ではなく、受け入れる地域にも仕事・生活面ともにサポートできる支援体制や、協力隊の趣旨・目的に対する十分な理解、また定住を見据える場合には、退任後の仕事に関する相談にも乗っていただく、そんな必要があるかと思っております。
地域おこし協力隊は、人口減少地域における地域活性化対策の一つであり、増員に対しても、準備が整えば前向きに検討したいと考えていますが、地域として必要な活性化に対する意識や支援体制を整えないまま増やそうとすることは、協力隊と受入れ地域ともにミスマッチを生む原因となりかねないため、今後の募集については、受入れ希望地域と丁寧に協議をしながら進めていくべきだと考えております。
○議長(平家恭治君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはりサポート体制をしっかりして、なおかつ地域の方、本人、そういったミスマッチを起こさないためには、しっかりと打合せをする、そういった地域からの要望があれば対応していただくという理解でよろしいということでしょうか。
分かりました。
締めになりますけれども、地域おこし協力隊活動の中で、地域と隊員のつながりづくりやスキルアップ研修、隊員同士の交流会開催、任期後の起業の支援等について、行政がしっかりとバックアップ体制づくりをして、八幡浜市に一人でも多くの協力隊の方が定住し、将来家庭を持っていただくことを切望いたしまして、一般質問を終わります。
ありがとうございました。
○議長(平家恭治君) 休憩いたします。
午後 2時17分 休憩
―――――――――――――――――――――
午後 2時31分 再開
○議長(平家恭治君) 再開いたします。
次、遠藤 綾議員。
〔遠藤 綾君質問席へ移動〕
○遠藤 綾君 私は、大綱3点について質問いたします。理事者の皆様には、市民に分かりやすい誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
まず、大綱1、伊方原子力発電所についてであります。
原子力規制委員会は、2月13日臨時会合を開き、原発の運転期間を原則40年、最長でも60年としてきた現行の規制制度から、60年を超える運転を可能にする制度への見直し案を正式に決定しました。
規制委員会の委員会で、この採決で委員5人のうち4人は賛成しましたが、石渡 明委員が反対の立場を示しました。規制委員会が意見が割れたまま重要案件を決定するのは極めて異例とのことです。
そもそも原子力規制委員会とは何か。2011年の福島第一原発事故の教訓に基づき、2012年に原子力発電を規制する組織として新設されました。それまで推進する側の資源エネルギー庁と規制する側の原子力安全・保安院が同じ経産省の中にあり、推進と規制とを往復するような人事が行われ、退職した官僚が規制対象である電力会社に天下りして規制行政に干渉するなど、規制機関としての役割を十分に果たせていなかったことが原発事故の原因の一つと考えられました。
この反省に基づき、環境省の外局として原子力規制委員会が新設され、内閣からの独立性を高めることなどが定められました。
そして、原発の運転期間は、原発をめぐる規制の一環として原子力規制委員会が所管する原子炉等規制法に新設されました。
当時の国会審議では、停止期間も含めた原発老朽化のリスクが繰り返し議論され、原子炉は中性子が当たって劣化することに加え、システム自体の古さも問題視されました。
当時の田中俊一初代規制委員会委員長は、40年運転制限は古い原子力発電所の安全を確保するために必要な制度だ、40年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させないという姿勢で臨むべきだと述べています。
国会での議論の結果、与・野党合意の上で原発の運転期間の上限を原則40年と定められ、その満了に際しては、認可を受けた場合、1回に限り最大20年延長できるとの現行法が規定されました。
しかし、今回規制委員会は、原発の運転期間の上限は経産省が決めることだとし、規制から切り離しました。これは、福島原発事故の教訓を踏まえた規制の独立性をないがしろにし、自らの責任を放棄する行為と言わなければなりません。
今回規制委員会は、30年を超えて運転する原子炉については、10年を超えないごとに経年劣化、老朽化に関する審査を行うとしています。
しかし、これは現在も行われていることであり、規制の強化には当たらないと思います。
経済産業省と原子力規制委員会は、今国会において原発の運転期間の上限に関する規定を原子炉等規制法から削除し、類似の規定を電気事業法に盛り込み、さらには検査や裁判などで止まっていた期間を運転期間から除外し、60年を超える期間の運転を可能にするという法改正を行おうとしています。
原発が停止していても原子炉・配管・ケーブル・ポンプ・弁など、原発の各施設、部品は劣化していきます。交換できない部品も多く、電力会社の点検できる範囲も限定的であります。
今回の規制委員会の臨時会合で反対を示した石渡氏は、科学的、技術的な新しい知見に基づくものではない、安全性への改変とは言えないと反対の理由を述べています。
また、賛成した委員の一人である杉山氏は、外からの定められた締切りを守らないといけないとせかされて議論してきたと述べ、原発の最大活用を求める政府方針と歩調を合わせるように決定したとの認識を示しています。
2012年に規制委員会ができてたった10年で福島原発事故の教訓を忘れたかのように、規制委員会、規制側が推進側にせかされる形で基準の大転換を行おうとしています。
このような規制委員会の在り方では、原発行政への信頼は失われ、2012年に規制委員会などが豪語していた世界一厳しい安全基準などとはとても言えなくなると思います。
伊方原子力発電所3号機においては、1994年12月に運転を開始していますから、それ以来約28年が経過し、30年が目前です。また、これまでの上限であった40年まであと12年と迫っています。
そこで、お聞きいたします。
このような運転期間の基準の大転換についてどのような認識をお持ちでしょうか。40年を超えた運転延長はすべきではないと伊方町、県や四電に言うべきではありませんか、お答えをお願いいたします。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 今回の国のエネルギー政策の方針転換に関しては、エネルギーの安定供給への対応と脱炭素社会の実現などを背景に様々な要因があったと考えられますが、いずれにしても原子力発電自体は国のエネルギー基本計画の中で位置づけられているものであり、本市としては原子力規制委員会の安全性に対する判断を含め、原子力発電の運転期間の見直しといった大きな問題は、国政のより広い場面で議論いただくものであると考えております。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 今やっている国会において、立憲民主党の辻元議員の質問の中で、現在建っている多くの原発が新設されるときに、設計に関する書類には寿命は40年とすると書かれています。また、60年を超えることを想定して設計されていなかったことが、答弁などで明らかにされました。
また、今現在、世界で60年を超えて運転される原発は、現在は1基も存在していないということも述べられています。
これまでの原則40年、そして厳重な審査をして1回だけ延長という今のルールを変えて60年を超えて運転することを可能とするよう変更することに対して、国において科学的、合理的な説明がされているとは言えません。
ただ、30年を超えるときに10年ごとに審査するのだから大丈夫だと、このように答えるのみであります。これでは合理的な理由にはなりません。
運転を止めている間にも中性子で原発の内部は劣化が進んでいます。原子炉の中には新しく新設されたときにその内部を調べるための金属片を入れています。そして、点検のたびにそれを取り出して劣化具合を調べるという仕組みになっていますけれども、そもそもその金属片は40年分しか入れていなくて、その後はどんな変化が起こっているか調べられなくなっています。
また、全国の40年を目前にした原発では事故が相次いでいます。
国が規制する側をせかし、運転期間に関する規定を大転換させる。規制する側は運転期間は規制から外し、経産省が決めることだと、こういうことでは原発の安全性は守れません。
市民の安全を守る行政の長という立場として、今回の基準の大転換には、一旦止まってしっかり議論するなど、厳しい態度で臨むべきだと思いますが、いかがですか。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 今ほど遠藤議員がるる申されましたが、原子力政策は、そのほかにも立地自治体や伊方町や近隣自治体、八幡浜市を含む今言われたような理解が必要ですし、使用済み核燃料の最終処分などの問題もあります。安全を担保しつつ、懸案を早期に取り組み、丁寧に説明していく、それを国に要望していきたいと思います。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 確かにほかにも様々な要因があり、丁寧に説明を求めるということは大切なことであります。
国の決めることではありますが、行政にはこの地域の住民の安心・安全、財産を守るという責務があります。
これまで世界一厳しい基準だということで原発再稼働を認可されましたので、最低限それを守れと、その基準を合理的理由も説明できないまま変えてもらったら困ると、そういうことはしっかりと様々な場面、全国市長会や国、県との会合など、あらゆる機会を通じてぜひ主張をしていただきたいと強く要望いたします。
次に移ります。
次に、政府は新しい原発新増設も進めていくと言っています。この狭い伊方原子力発電所の敷地内に、また新たな原発の増設など許されないと私は思いますが、認識をお伺いいたします。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 先ほども申しましたが、原子力発電自体は国のエネルギー基本計画の中で位置づけられているものであり、本市としては、原子力発電所の新増設など原子力発電の根幹に関わる問題は、国政のより広い場面で議論していただくべきものであると考えております。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 今八幡浜市は、新増設に関しましてそのようなお答えは想像していたんですけれども、現在電気代の高騰という問題がありまして、生活者も産業界も大変な状態です。これはロシアによるウクライナ侵略の影響、それから円安の影響などが言われていますけれども、政府は電気料金の高騰や脱原発を理由にして原発推進を正当化しようとしていますが、これは私から言わせれば本末転倒であります。
自然エネルギーには太陽光、風力、地熱、バイオマスなど様々な潜在能力があり、まだ活用されていない状態であります。
再生エネルギーに関しては、これを地産地消のシステムが実現すれば、外国からの輸入に頼らなくてもその地域で賄えるということになり、電力の高騰の影響は受けない、そういう可能性がありますので、ぜひそういう方向を目指すべきだと思います。
今八幡浜市は、地域の脱炭素の達成のために、再生可能エネルギーを大いに活用していこうという目標を持とうとされていると思います。その方向を私は大いに評価し、支持しております。
海と山が近く、自然が身近であることに魅力を感じて当市に移住しようと考える方にとって、それは選択する際のとても重要な前向きな材料となると思うからです。
市長も以前から原発についてはいずれはなくしていくべきものであるとのお考えを述べておられますが、新増設では新たな核のごみが増えること、将来世代のツケを増やすだけであると考え、決して新増設は許してはならないと思います。
そういったことを、強くその立場を取っていただきたいと強く要望したいと思いますが、今の話を聞いて何かお考え、変わったことはありませんか。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 私なりにも考えますが、いろいろ考えますが、やはりこういった大きな大転換に当たっては、国がいろいろな問題を抱えていると思います。先ほど遠藤議員がおっしゃったようにエネルギー問題もあります。国際情勢もあります。いろいろなことを考えた上で、この問題につきましても、国のより広い場面で議論していただく。そして、しっかりとした丁寧な説明をしていただくということを申し上げておきます。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 しっかりとした丁寧な説明をぜひ国や県、四電に求めていただきたいと思います。
次に、冷却水へのヨウ素値の上昇について伺います。
伊方原子力発電所3号機では、昨年の3月、燃料棒を冷やす1次冷却水の放射性ヨウ素の濃度が、通常1立方当たり0.1ベクレルであるそういった濃度が通常の約3倍に上昇していることを確認したと四電と県が発表しています。
燃料棒に小さな穴などが空き、放射性物質が漏れ出している可能性があるとのことです。
県は放射線管理区域内の設備異常としてB区分異常と判断したとしています。四電は、運転上の制限値を大幅に下回っており、外部に影響はない、監視を強化して運転を継続しているとのことであります。
しかし、2月14日の時点で同ヨウ素の濃度は約8倍に増えていると報道されています。四電は、2月23日から既に定期検査に入っていますが、全ての燃料集合体を取り出して原因調査を実施するとしています。
そこで、お伺いいたします。
まず、ヨウ素濃度の上昇について、当市への連絡や説明は規定どおり行われていたのでしょうか、お答えください。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
令和4年3月18日17時57分に通常運転中の四国電力伊方発電所3号機で、1次冷却剤中の放射性物質ヨウ素131の濃度が通常の約3倍に上昇しているとの連絡があり、同日19時30分から実施された臨時の異常時立入調査に愛媛県、伊方町等と同行し、現地において状況の説明を受けています。
ヨウ素の濃度に関しましては、通常時の約3倍の濃度が測定されていますが、運転を停止される制限値に対して約12万8000分の1相当の値であり、環境への影響はないとの説明を受けています。
四国電力伊方発電所からの異常時通報連絡は、勤務時間内では市役所へのファクスと電話連絡があり、勤務時間外におきましても市役所と担当者の自宅へのファクス及び電話連絡が入るシステムとなっています。
また、伊方原子力発電所異常時通報連絡公表要領に基づく愛媛県の公表区分は、トラブルの重大性に応じて3つの区分に分類されており、具体的には、A区分が即時公表、B区分は48時間以内に公表、C区分になると翌月10日に公表というように分かれています。
今回の放射性物質ヨウ素131の濃度上昇に関する愛媛県の公表区分は、B区分に該当します。
四国電力伊方発電所からの異常時の通報を受けた後は、必要に応じて四国電力伊方発電所が行う調査・測定に愛媛県、伊方町、西予市、大洲市とともに現地に立ち会い、原因と対策の説明を受けております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 自宅にまでファクスが連絡が来るというのはなかなか大変だなと、御苦労だなと思います。それだけ慎重に取り扱うべきであるものであるということを意味していると思います。
そして、濃度が3倍から、最近は8倍という報道もありますが、こういった濃度の推移についても逐一連絡が来ていたのでしょうか。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
本市は、四国電力と愛媛県との間で「伊方原子力発電所周辺の安全確保等に関する覚書」を、平成24年9月5日に結んでおり、それにより、伊方発電所において正常状態以外の事象が発生した場合は、速やかに連絡が入ることになっており、今回の「1次冷却剤中の放射性物質ヨウ素131の濃度上昇に関する事象」についても、覚書の規定どおりに連絡が入っています。
それ以降の観測結果の報告については、ヨウ素濃度が制限値内で推移しており、緊急性もないことから、逐次の報告ではなく、四半期ごとの四国電力伊方発電所からの「安全実績指標」の報告の中で確認しているところです。
四国電力伊方発電所は、事象発生以降、ヨウ素濃度の監視を強化して対応し、観測通知が運転停止となる制限値以下であることを確認するとともに、運転中は定期的にヨウ素濃度を四国電力のホームページで公表しております。
四国電力は、令和5年2月23日からスタートした「第16回定期事業者検査」において、全燃料集合体を検査することとしておりますので、しっかりと原因を究明し、安全性の確保に努めていただきたいと考えております。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 冷却水に放射能の漏れ出したことが、1・2号機を含め合計8件、今回も含めてあったということですが、微小なものであるので環境の安全上は問題ないということではありますが、これがいつ大きな量が出て影響が出るかも分からないという考え方もあると思います。原因をはっきり調べて、しっかりと対策を取って、同じことが起きないようにしていっていただきたいと要望したいと思います。
次に、といいますか、まとめます。40年で設計され、止まったり動いたりを繰り返している原発は、止まっている期間も原子炉の容器や配管などで劣化が進んでいます。どんなに外側の耐震性を強化しても、内側は配管が無数に張り巡らされている状態です。その総量は、重さが1万トン、長さが170キロにも上るといいます。ですから、南海トラフなどの巨大地震も予想される中で、原発は決して安全ではないと言えると思います。
今回はB区分の事故ということですが、県のホームページを見ますと、AからCまで様々なトラブルが起きています。また、2020年1月には伊方原子力発電所で核燃料の制御棒の引き抜きや全電源の一時喪失など、重大事故が頻発し、問題になりました。その後、対策が取られて稼働されたわけですが、今3号機は28年が経過し、これから30年を迎えます。これからさらに厳しい安全性の確認が求められています。
そんな中、今回の方針の大転換です。これまで40年とされていたものが、原発自体は変わらないのに、なぜ急に60年超が可能となったのか。国会で10年ごとに検査すると繰り返すばかりで、政府に合理的説明はありません。
3月5日の報道では、全国の世論調査で、原発60年超への変更は不支持が71%、政策転換への説明不足が92%との結果が出ています。国民の多くが今回の転換に対して不満を持ち、説明不足と言っています。
さらに、八幡浜市は、特に大きな事故が起これば大きな被害を被る地域であります。
私たちは、原発事故が起きたときには、これまでに積み上げてきた価値ある全てをなくしてしまうかもしれません。ミカンも魚もふるさともなくしてしまう、そのリスクの大きさを背負っていることを忘れてはなりません。
再稼働を認めたときの条件、世界一厳しい安全基準は、最低限の約束です。これを変えるというのなら、きちんと説明するべきであります。私たちもそういったことを言い続けていかないといけないと思います。すぐに忘れて新たな安全神話にすがってしまう、利益優先になってしまう、それでは市民の命と財産を守れない、そういうことに警鐘を鳴らしていかないといけないと思います。そのことを強く申し述べて、大綱第1を終わります。
次に、大綱第2、会計年度任用職員について伺います。
これまで国、総務省は、自治体に対して総人件費の削減や定員管理計画を求めてきました。そして、正規職員は、1980年代の320万人から2020年には270万人へと減らされました。その代わりに調整弁のように置き換えが進められてきたのが、自治体の非正規職員でした。とりわけ2005年以降の増加はすさまじく、2020年には非正規雇用が69万人を超えました。会計年度職員は62万人とのことです。
その頃、非正規公務員の処遇は各自治体で様々で、官製ワーキングプアなどとやゆされるほどひどいところもあり、社会問題化しました。裁判なども起こされたこともあり、2020年4月から処遇改善を目的の一つとして、地方公務員法及び地方自治法改正による会計年度任用職員制度が全国の自治体で始まりました。
会計年度任用職員制度が2020年4月に始まってから約3年が経過しました。それまで非常勤として長く働いていた方も、会計年度ごとの1年契約を原則とする仕組みです。
そこで、お伺いいたします。
当市の職員における現状はどうなっていますでしょうか。22年4月現在、職員全体の正職員と会計年度職員の数と比率、また男女比について伺います。病院を除き、パートは週20時間以上、1日4時間での計算でお願いいたします。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
令和4年4月1日現在の数字で、正規職員は男性212人、女性142人、合計354人、会計年度任用職員は男性45人、女性307人、合計352人、正規職員と会計年度任用職員の割合は、おおむね1対1です。
また、会計年度任用職員の男女の割合は、全体の約87.2%が女性職員となっています。
以上であります。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 正職と会計年度が1対1、約5割が会計年度職員、全体ではということになります。会計年度の87.2%が女性という高い比率であるということが分かりました。
次に、職種ごとに、例えば一般事務職、保育士、調理師などの会計年度の比率はどれくらいでしょうか。
また、会計年度任用職員が多い職種というのにはどういったものがありますでしょうか。
○議長(平家恭治君) 総務課長。
○総務課長(宮下栄司君) お答えします。
一般事務職員については、正規職員が235人、会計年度任用職員が90人、比率にして27.7%が会計年度任用職員、保育士は正規職員が55人、会計年度任用職員が51人、比率にして48.1%が会計年度任用職員、保育所・給食センターの調理員は正規職員が7人、会計年度任用職員が42人、比率にして85.7%が会計年度任用職員となっています。
なお、介護認定調査員や児童クラブ支援員、学校生活支援員、学校用務員等、正規職員を配置していない職種については、その全てを会計年度任用職員が担っています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 保育士48%、調理師85%、そして介護認定員、放課後児童クラブなどがほぼ会計年度職員であるということが分かりました。
次に、会計年度任用職員、これは原則1年ごとの契約になっています。毎年公募を行っていると聞いています。このため、雇用が継続されるか不安であるとの声が聞こえてきます。
国は再任用は可能とする一方で、それは2回までと例示を示しています。少なくない自治体では、公募によらない再度の任用は3年までとしているということで、こういったことから、今年度の末、3月末に全国では数十万人規模の会計年度任用職員が雇い止めになる危険が指摘されています。
日本の地方公共団体の職員で構成する労働組合「自治労連」が、昨年の5月から9月にかけて全国の自治体で働く約62万人の会計年度職員にアンケート調査を行っています。回答が約2万2,000人から寄せられています。
その中で、あなたがこの会計年度任用職員、改善してほしいこと何ですかと3つまで回答可能という質問に対して、上位4つまでが賃金水準の改善を求める項目でありました。賃金を上げてほしい59%、一時金が欲しい・増やしてほしい、定期昇給、退職金が欲しいなどです。それと併せて継続雇用をしてほしいという声が34.1%と高くなっています。
そこで、お伺いいたします。
当市で継続を希望している会計年度任用職員が3年で雇い止めになるということはありませんか。
よほど勤務態度が悪いとか、能力が低過ぎるなどということがない限り、勤続年数や勤務実績を考慮して希望する方は継続雇用することをきちんと保障すべきではないでしょうか、お答えください。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
会計年度任用職員は、制度上1年ごとの更新となっており、地方公務員法による平等取扱いの原則及び成績主義を踏まえ、公募によらず従前の勤務実績に基づく能力の実証により再度の任用を行うことができるのは原則2回までとされております。
そのため、制度が始まってからの2年間は、主に人事評価や所属長へのヒアリングなどにより勤務成績を確認し、任期の更新を行ってまいりました。
また、令和2年度に採用し、2回の更新を終えた一般事務補助職の会計年度任用職員については、今年の1月28日に筆記試験を実施し、その後、2月1日までの4日間にわたり56人を対象に面接試験を実施してまいりました。
しかしながら、昨今の慢性的な人員不足により、先般の試験においては必要人員を満たすことができず、現在再度の募集を行っている状態です。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 そうすると、今回は人が足りない状態であるということで、これまで働いてきた方は全員再度任用されたという理解でよろしいでしょうか。
はい、分かりました。
来年はどうですか、ちなみに。次の年度のまた1年後の任用は何か変える予定はありますか。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 先ほど答弁いたしましたように、基本的には総務省のガイドラインというものがございまして、これQ&Aなんですけれども、先ほど答弁したように、3年に1回は公募をして、成績主義に基づいて試験を実施するということになってございますので、あと次の1年については、これまでと同様に、人事評価であったり所属長のヒアリング結果に基づく判断をしてまいりたいと思っております。
ただ、2回して3年先については、やはりこれは先ほど申し上げましたように、平等取扱いの原則、成績主義に基づいて、公募をして試験を実施すると。そのときには、当然新たに八幡浜市の会計年度任用職員として働きたい方の数と自らの意思で退職される方の数の関係で、必要な人員を上回る応募がありましたら、試験の結果によっては引き続く採用にはならないという場合もあり得るというふうに思っております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 分かりました。
今回この質問をしたのは、先ほどの自治労連のアンケートの中で非常に切実な声が寄せられていまして、ちょっとその声を少し紹介したいんですが、「時給は低くないが、全く昇給がない。せめて勤続年数に応じて増えている有給休暇を取得したいが、仕事が多くて休めない。経験を積んでも評価されていないようで残念だ。50代女性、外国籍児童・生徒生活支援員。」
「仕事にはやりがいを感じて働けているが、勤続年数に見合う賃金でないため、先々のことを考えると不安が大きくなる。非正規でも期末手当の勤勉手当をつけてもらいたいし、経験加算することで仕事のやりがいもプラスになると思います。50代女性、保育士。」
「任期満了になると公募され、作文や面接の試験をされるが、所属課の課長が試験官で、その課長の一存で決められてしまうため、常日頃から萎縮しながら接しています。任期が近づいてくると胃の痛む毎日。せめて継続雇用が認められるようにしてほしい。50代女性、一般事務、学校事務」などという声が書かれていまして、非常に切実だなと感じました。
このアンケートに答えた方々の職種の構成は、一般事務28.5%、保育士20%、調理師5%、用務員3.4%、学校の介助支援員3.1%、放課後児童支援員7.2%、図書館司書3.3%、看護師1.8%、保健師0.8%などとなっています。
この方々の勤続年数について答えたアンケートによりますと、5年以上が57%を占めており、1年未満は約1割にとどまっています。したがって、回答者の約9割が複数年以上、6割近くが5年以上の長期にわたり同一自治体で働き続けています。
そして、多くの自治体では、補助ではなく「正規職員とほぼ同じ仕事」25.8%や、「正規職員の指示を受けない専門的な仕事」13%と、約4割の会計年度職員が正規職員の補助的業務ではない責任の重い業務に従事していると回答しています。
また、回答者に占める女性の割合が86%と、これは八幡浜市と同様な結果ですが、この制度が女性に支えられた制度であると言えると思います。
そして、自分が「単独で主たる生計を維持している」と回答した方のうち、年収200万円未満が約半数を占めています。
一方で、仕事へのやりがい・誇りについては、「持っている」または「少しある」と答えた方は86.2%に達しています。つまり、勤続5年以上が全体の57%を占め、9割がやりがいや誇りを持って働いているけれども、具体的な要求項目の上位4位までに賃金に関する要求が占め、専門性や経験が処遇改善に反映されていないといった悩みや不満を持っていることがアンケートから見えてきます。
そこで、お聞きいたします。
アンケートの回答で、制度の改善点として賃金を上げてほしいとか、一時金の増額、定期昇給、退職金を求める声のほかにも、有給休暇や病気休暇、時間外労働をなくしてほしいなどの処遇改善を求める声があります。こういった声に八幡浜市としてはどのような対応をしていますでしょうか。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
会計年度任用職員の処遇改善につきましては、原則として正職員同様、人事院勧告に準じて行っております。
一方で、本市独自の対応として、昨年12月に会計年度任用職員の期末手当を職員の勤勉手当の引上げに合わせて0.05月引き上げたり、国の取扱いでは無給の特別休暇となっている病気休暇を有給で対応するなどの措置も講じてまいっております。
また、採用困難職種となっている保育士については、近隣自治体等との比較により低い設定となっておりました代替保育士の時給引上げを検討するなど、現場の声も聞きながら実情に合わせた改善を行っているところでございます。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 先ほどの声の中にもありましたが、所属の管理者が評価をする方なので、ちょっと顔色を見ながら働いているというような声もありました。
今言っていただいたような保育士の代替保育の時給引上げとか、期末手当の引上げ、こういったことは喜ばれると思いますので、さらに処遇改善、努力していただきたいと思います。
1年ごとの契約というのは不安定な立場で、処遇改善を言いにくい状態だと思いますし、経験が給与などに反映されないということは、長期的なビジョンで働くことがなかなか難しいという面があります。これは自治体のサービスの改善につながりにくいということだと思います。ですから、研修や先輩からの指導など、能力の向上をさせる機会も限定的です。安心して働き続けられて成長も促せるような会計年度職員の制度となるような制度の改善なども求められていると思います。より一層の努力をお願いしたいと思います。
次に、住民を支える役割を担う自治体業務は、専門性と経験を持った職員でこそ安心して継続した住民サービスを提供できます。
そこで、お伺いいたします。
当市の会計年度職員の勤務において、本来正職員がやるべき責任の重い仕事を会計年度職員に行わせているというような実態はありますか、お答えください。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
事務職に限ってお答えをしますと、基本的には一般事務補助職で採用となるため、正規職員と同等の責任を負うような仕事ではございません。
ただし、正規職員の産休代替職員として採用した場合については、産前産後休暇から育休期間中、その職務を会計年度任用職員が担うようになるため、当然周りの職員のサポートはありますが、正規職員同等の仕事を割り振ることもございます。
いずれにしましても、どの職場の会計年度任用職員も市民サービスの維持向上のためにはなくてはならない存在であり、市政推進の一翼を担っていただいているものと認識をしております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 基本的にはサポートする仕事、そして産休の代替には負担の重いこともあるというお答えでした。
長い年数働いている方においては、経験を積んで能力も向上している方もいるかと思います。そういった方には正職員に移っていただくとか、その能力に応じた仕事などは割り振られていくことが求められると思います。
そして、まとめますと、会計年度任用職員は自治体公務公共業務にはなくてはならない役割を担っています。先ほどもありましたが、保育士、調理師、放課後児童支援員など、子育てに関わる重要な仕事や介護に関わる仕事など、私たち市民の日常生活を支えていただいている業務が多く含まれています。やりがいを感じつつも、給与や待遇に不満を持ちながら、立場が弱いために強くも言えず、契約が切られるのではという不安も抱えながら働いている、そういった実態がアンケートの回答にはあふれていました。
会計年度任用職員が主たる生計者として家計を支えている方も多くいます。会計年度任用職員でも経験を積んで能力を伸ばし、安心して働き続けられる待遇、手当、休暇など、行く行くは正職員との均等待遇が求められると思います。
これまで企業や自治体のコストの削減として人件費が削られ、正規から非正規への置き換えが進められてきました。
しかし、これこそが日本の賃金が上がらず、国内経済の衰退を招き、少子化が進んだ原因の一つではないでしょうか。職員も市民の一人です。市民の収入が減ってしまうと消費に影響し、市内経済にも影響が出ます。
今、市はDXで業務の見直しもされていると聞きますが、人員配置、定員が大きく変わることで正職員、会計年度ともに適正な配置が求められると思います。
そして、若い人たちが結婚して子供を産み育てるのに十分な賃金を保障していかなければ、少子化は改善しません。そのためにも、国に対して制度の改善を求めていかなければなりませんし、市としても待遇改善の努力をしていただきたいと強く要望いたします。
以上で大綱2を終わります。
次に、大綱3、ジェンダーの問題についてであります。
今年1月、八幡浜市に関係のあるスポーツ指導員が、教え子に対してわいせつな行為や性的暴行をしたとして松山地裁に起訴されていたことが相次いで報道されました。
その後、2月1日、八幡浜市議会で全員協議会が開かれ、改めてこの2件について市から説明があり、議員からも様々な意見が出され、今後どのように子供たちを守っていくのかと、対応が話し合われました。
改めてここで事件の詳細を述べることはいたしませんが、どちらの事件も指導者としての優位的な立場を利用し、子供たちの指導してもらえなくなるのではなどという不安や弱い立場に付け込み、犯行に至ったという行動であります。
私はこの事件は、子供たちへの大人への信頼を裏切る卑劣な行為だと思いますし、子供たちの心にトラウマを残しかねない重大な犯罪だと思います。被害者のお子さんには、あなたには何の落ち度もないとお伝えしたいと思いますし、指導する立場の方には、襟を正していただきたいと改めて要請したいと思います。
そこで、お伺いいたします。
二度とこのような事件が起きないために、八幡浜市としてどのような対応をされましたか。また、今後どのような対策を実行していくお考えでしょうか、お答えください。
○議長(平家恭治君) 生涯学習課長。
○生涯学習課長(井上耕二君) 市民スポーツセンターの件について、市としての対応は、指定管理者に対し、被害を受けられた方に対して誠意ある対応を取るとともに、一層の綱紀粛正に努め、このようなことが二度と起こらない組織づくりや社員に対する研修等を行い、信頼回復に努めるよう文書で要請しました。
それに対し、指定管理者からは、その対策としまして、職員研修を含む再発防止策を実施すると回答がありました。
具体的には、「死角になる場所ではなく、常に「他者の目」がある場所で活動を行う」「担当者以外の職員が選手とコミュニケーションを取る機会を定期的に確保し、必要に応じて担当者と保護者との話合いの場を持つ」などの対策が示されました。
市としましては、今後このようなことが二度と起こらないよう、定期的にチェックするなどの対応を行いたいと考えております。
そのほか、ハード面での対策として、令和5年度予算に計上していますが、現在設置している防犯カメラを更新し、犯罪の抑止に努めます。
また、市民スポーツセンターの件にも共通しますが、陸上クラブの件について、市としての対応は、子供たちにスポーツを教えている団体であるスポーツ少年団に対し、子供たちの心身の健全育成を第一に考え、伸び伸びと参加できる環境づくりを徹底するよう、文書にて通知いたしました。
そのほか、今回の2件の事案を受けて、各スポーツ団体の役員等が交代し新体制となる4月頃に、指導者、保護者等に対してハラスメント防止研修会を行う予定です。
この研修につきましては、今後定期的に実施したいと考えており、小・中学校の教職員にも案内する予定です。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 それから、学校においてアンケートの実施や子供の心のケアなどについて行う予定はありますでしょうか。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 今回の事件を受けて、市議会協議会でもお伝えしましたけども、臨時校長会を開催し、子供たちを守ることを最優先に、子供の表情、態度、言葉、友達同士の会話などに今まで以上に目を向けること、子供たちが日記等に書いてくる思いや悩みを酌み取ることをお願いし、それらの情報を学校内で、また学校と市教委で情報を共有することについて確認しました。
また、子供たちの心のケアのために教育支援室に配置しております臨床心理士の資格を持つスクールライフアドバイザーの活用も各校校長に周知しています。
さらに、来年度からは1人1台端末を活用した「やわたはま元気ノート」をスタートさせます。これは本市独自の取組で、子供たちが心や体、生活リズム、電子機器の使い方のセルフチェックを行うことを通して、子供たちの抱える様々なリスクを早期に発見することを目的にしています。
また、そのセルフチェックとは別に、「SOSなんでも相談」などの機能も備え、子供たちが相談しやすい体制を整えます。仮に、SOSなんでも相談に子供たちが相談を持ちかけた場合は、全て教育支援室に入ってくるようにしています。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 それぞれの対応をぜひしっかり行っていただきまして、二度とこういうことがないように、市もそうですし、私たちもしっかり見守っていきたいなと思っております。
次に、法務省が2月24日、刑法改正案に関して、現行の強制性交罪の名前を不同意性交罪に、また強制わいせつ罪を不同意わいせつ罪に改める方針を示し、今国会で成立を目指すとのことです。
現行の刑法では、強制性交などの罪が暴行や脅迫を用いることなどが罪の構成要件となっていましたが、被害者側が暴行や脅迫がなくてもアルコールや薬物、恐怖で体が動かないなど同意しない意思を表すことが難しい場合もあるとして、罪の構成要件の見直しが求められていました。
それが今回、経済や社会的関係による影響、上司・部下といった関係性の悪用などで、同意しない意思を示せない場合など8項目が示されて明確にされます。
今後は同意のない性的行為は処罰されるというメッセージが国民全体に伝わるようにしてほしいとの性被害者たちの声が反映したものであり、今後は身体接触には同意を得ることが大切になっていくということで、これは前向きな法改正だと私も感じます。
私はこれからの子供たちを性被害者にも加害者にもしないために、今こそ性教育が求められているのではないかと思っております。自分の体も相手の体も大切にすることや、同意のない行為は相手を傷つけることもあるのだということを教えるような性教育ということが求められているのではないかと思います。
そこで、お伺いします。
子供たちが今後の人生で加害者にも被害者にもならないために、小・中学校でも自分や他人の体や意思を尊重することの大切さを教えるような性教育をしていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 学校における「性に関する指導」は、学習指導要領に基づき、発達段階に応じて小学校の低学年から高学年、中学校3年間と、各教科、道徳、学級活動の授業などで実施しています。
指導する内容は、「自己の性認識」「男女の人間関係」「家族や社会の一員」の3つの項目から成り、これは小学校、中学校に共通した項目です。
もう少し具体的に言いますと、「家庭や社会の一員」においては、小学校高学年であれば、男女の性差を認め、協力して生活する態度を身につける、中学校では、ネット社会における情報の適切な選択、性被害の防止、人間としての倫理観や規範意識について学びます。
学校では、これらの学習を通して児童・生徒が人権尊重の精神に基づく正しい異性観を持つことによって、自ら考え判断し、意思決定する能力を身につけ、望ましい行動が取れるようにすることをこれからも目指していきたいと思います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 今言われました倫理観とか規範意識、人権尊重というところは非常に大事でありますし、ぜひ充実させていただきたいと思いますが、私が言っていたようなことも含まれると考えてよろしいでしょうか。自分も相手の体も大事にするというようなことも含まれているということでよろしいでしょうか。
○議長(平家恭治君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) 含まれております。
○議長(平家恭治君) 遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君 まとめます。
昨年の12月議会で私の質問でも1度述べましたが、日本のジェンダーの問題や学校での性教育などがなかなか進まない面がある原因の一つに、伝統的な家族観を重視する政治家、そして統一教会の働きかけの影響も指摘されています。
しかし、これからの子供たちは、ネットの多くの性情報にいや応なくさらされ、社会に出たときには、上下関係を利用したセクハラ、痴漢被害に遭う危険性もあります。
同意について曖昧な認識のままでは、今後そのような被害に遭ったり加害者になってしまうことも否定できないと思います。
これからを生きる子供たちにこそ科学的な知識や相手も自分も大切にするような教育が求められると私は思います。
今後学校での性教育の在り方について、子供たちのこれからにとって有意義な内容となるように、さらに前向きに充実させていっていただきますように要望いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○議長(平家恭治君) 休憩いたします。
午後 3時29分 休憩
―――――――――――――――――――――
午後 3時44分 再開
○議長(平家恭治君) 再開いたします。
次、井上 剛議員。
〔井上 剛君質問席へ移動〕
○井上 剛君 双岩地区出身、井上 剛です。令和4年度最後の一般質問者となりました。
(「違いますよ」「ええよ」と呼ぶ者あり)
八幡浜市発展の願いを込めて、通告書に基づき質問をさせていただきます。理事者の皆様には、市民の皆様に対して分かりやすい答弁を求めます。
さきの12月議会において全会一致で採択されましたインボイス制度の延期を求める意見書ですが、その後も全国的にも中止や延期を求める声がたくさん上がり続けているようです。
国においても、販売店さんの発行されるレシートに消費税額と表記されている販売価格の10%が預り金であるという認識は誤りである。事業者の販売価格やサービスの対価の一部であるとの見解を示すとともに、免税事業者にとっては益税であるため、税負担の公平化をもたらすための措置という制度上の理由づけが不透明になってきていることもあり、本年10月に予定されている制度の実施まで注視していく必要性を感じています。
また、仮にこのまま実施されるということになれば、各企業の経理部門の皆様の労働負担増加、コストの増加なども予想され、企業の存続、地域の供給力の維持に大きな影響が出るのではないか。
また、市政も例外ではないため、大変な状況になるのではないかと想像に難くないため、併せて注視してまいりたいと考えております。
さて、それでは大綱1、八幡浜市の予算についてを伺います。
今議会の初日に令和5年度の当初予算の説明がありました。令和4年度は、ふるさと納税が予想より多くの額となったとも伺いました。決算前の時期にて詳細までとは申しません。予算の関連ということで、大枠だけでも八幡浜市にいかほどの寄附額があったのか、お示しいただければと思います。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
ふるさと納税の実績としましては、平成30年度が約5億1,000万円、令和元年度が約7億8,000万円、令和2年度が約11億5,000万円、令和3年度が約14億5,000万円と、右肩上がりで推移し、4年連続県内トップとなっております。
令和4年度につきましては、当初予算で15億円の寄附金収入を計上しましたが、1月末現在で寄附額が17億円を超えるなど、前年を大幅に上回るペースで増加したことから、最終的な補正後の予算額は21億円となっています。
そのため、令和5年度当初予算においては、令和4年度の実績などを踏まえ、20億円の寄附金収入を計上しております。
このように、ふるさと納税は今や地方交付税、市税、市債に並び本市の貴重な財源であるとともに、主力商品であるかんきつ類を中心とした返礼品の発注など、地域経済に大きく貢献しているものと認識をしております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 ありがとうございます。
かんきつの返礼品が非常に人気の要因と拝察するところです。
前回の質問の中で1,800億円ぐらいのこの八幡浜市の地域経済の収入、売上げというか、地域内GDPといいますか、そういうのがあるというふうなことで、そのボリュームからしても非常に大きなウエートを占めるなというふうなことを今実感をいたしました。
これは、関係される、従事される皆様が畑を保ち続け、石垣を築き、水をやり、肥料を与え、耕作地やミカンの木をつないできてくれたおかげと感謝するとともに、ふるさとの里山を維持していくためにも、担い手を確保し、継承していく必要性を感じます。
そのためにも、生産物の品質の管理や維持、設備の更新、作業環境をよくしていく取組も必要に思うところです。
今予算にも一部盛り込まれておりますけれども、担当課の皆様はじめ市職員の皆様には、今後とも陰に陽に御支援をいただきますようにお願いします。
次に、今回の当初予算も例年のように財政調整基金の取崩しにより、予算措置がなされております。
以前の質問で、国や県からの予算の獲得は、八幡浜市の経済のパイを大きくし、市内の資金循環量を増加させる大変重要な要因であるため、ぜひ獲得をとお願いしていたところですが、今回も約15億円を取り崩し、措置してあるようですが、その理由などお示しいただきたいと思います。
○議長(平家恭治君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
財政調整基金は、年度によって生じる財源の不均衡を調整するほか、大規模災害の発生などによる減収や災害復旧工事など、緊急の支出増加に備えて毎年度決算剰余金いわゆる黒字の半分程度を積み立てている基金です。
それでは、御質問いただきました予算上の財政調整基金の取崩しについてお答えします。
通常、地方公共団体が予算を編成する場合には、市税や地方交付税などの収入は堅く少なめに見積もり、支出は必要十分な額を見積もって歳入歳出予算を編成します。
これは、収入の見込み誤りや物価高騰などで予定した事業が実施できなくなることを防止するためであり、この結果、予算上はどうしても支出が収入を上回ることから、この収支不足を補填する財源として財政調整基金を取り崩して予算を編成することとなります。
ただし、年度の途中で収入や支出が確定し、補正予算で歳入の増額と歳出の減額を行うことで財源不足が解消されて財政調整基金の取崩し額が大きく減少し、最終的には基金を取り崩すことなく決算を迎えるというケースが多い状況です。
このことは他市においてもほぼ同様であり、裏を返せば、一定額の財政調整基金がないと余裕を持って当初予算を編成することができないとも言えます。
本市の財政調整基金残高は、国、県の補助金や有利な起債の活用、ふるさと納税寄附金の増加、職員数削減による経費節減など、財政健全化の取組を推進した結果、令和3年度末時点では30億5,000万円を超え、平成20年度末と比較して約19億4,000万円増えたことで、緊急の経済対策や災害復旧などに対しても、以前に比べ柔軟に対応できる状況となりました。
なお、令和5年度の財政運営については、電気料金や物価高騰の影響で例年よりも厳しいものになると予想されますが、市民の生活と命を守るためのインフラ整備をはじめ、市の施策として必要な各種事業については、これまでどおり補助金や起債などの財源を確保し、場合によっては財政調整基金を取り崩してでも着実に実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(平家恭治君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 ただいま御説明いただきましたとおり、今後国や県からの予算措置によりまして予算の組替えなどを実行していくことも理解いたしました。
また、この調整金がないと予算が十分組めないというふうなこともよく把握できました。
私は、地域の供給力いわゆるなりわいや営みを維持するためには、需給バランスが、許される範囲という条件はあるのですが、国による国債を財源に通貨発行を行いまして市中に流通する貨幣量を増やし、景気を刺激し、活性化に導く、予算の積極的拠出を推進する積極財政推進という考え方を持っております。幾ら資金を持っていても、その資金が有効に使える環境が維持できていなければ、極端に言えば、その資金はただの紙、データ上の数字という認識があるからです。これはもうすごく極端なお話です。
市民、県民、国民の供給力こそ財産と思っております。例えば事業者の皆さんの供給力を超えない範囲で、つまり仕事があり過ぎて異常な価格の高騰が起こらない範囲で国や県とともにより多くの事業を発注することにより、事業者の皆様の仕事量が増加、そして賃金の上昇が実現され、所得の増加によるより多くの消費につなげる。当地域内のあらゆる仕事における事業継承の重要性、地域の供給力の維持、地域の経済的な底力、営みの保持、供給力の毀損防止の観点からそのように思っております。
また、本予算では、林業現場での新規の担い手さんへの補助などの支援金制度など、働き手の確保に向けた予算措置もあり、山だけに山積する問題解決の糸口となることも期待していますし、森林には温室効果ガスを吸収し酸素を精製するという機能や、建築資材はもとより様々な癒やしを提供すること、にんべんに木と書いて休むと表記されることからも御理解いただけるように、リラックスと木材とは切っても切れない関係にあります。様々なストレスが蔓延する現代社会において、森林資源は多方面において役立つと信じているところです。
また、そのほかにも、地域医療の中核となる市立八幡浜総合病院の薬剤師さんの確保に向けた事業も盛り込まれており、併せて期待をしているところです。
一方、地域のインフラを整備する建設業者様からちょっとお声をいただきましたので、要望ということで少しお知らせいたしたいと思います。
建設や建築現場などは、厳しい寒さや酷暑の中での作業であり、大変な環境の中での就労です。経営に当たられる事業者様から、よりよい雇用条件が提示できますように、人件費などの労働環境に応じた応分のものとなりますように、積算等御精査いただきますことを求めておきたいと思いますし、就労されます市民の皆さんの笑顔があふれることにつながりますところを願うところです。
ただ、ちょっと税制上の問題で、人件費の増加、正社員の人件費の増加は、納付する消費税額の上昇にもつながる。事業主としてはちょっと頭の痛いところと推察するので、その辺のバランスも大切かなと考えております。
そのほかにも、商工観光課さんの事業で、シンガポールでの展示会の議案も上程されております。
親日国でもあることやアジアのハブ空港でもあるチャンギ国際空港をはじめ、アジア有数の港湾設備を有する貿易国にて、八幡浜市の誇る産物を御紹介ができるすばらしいチャンス、地域の宝物が広く世界に発信できる機会なので、ぜひよきものとしていただきますようにお願いいたします。
ただ、世界に目を向けるためにも、足元を見直す必要があるとも捉え、さきにも申し上げましたが、地域の実業の強化にも目配りをする契機としていただくこともお願いを申し上げます。
続きまして、大綱2番、市役所採用について、これまでの成果と今後の予定、職員採用と各種技師育成についてをお伺いします。
前回の質問において、若手職員さんや技師の皆様の技術の向上、技能向上を木々の成長に例え、現場力向上のためには長い年月が必要であると訴求し、早い時期での雇用に向けてのお願いをしました。その後の採用状況をお伺いしたいと思います。
○議長(平家恭治君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 技師の人員確保については、特に土木技師が他の自治体や民間との競合等により採用試験の応募者が減少し、人員確保に苦慮する状況が続いています。
土木技師等の近年の採用状況を申し上げますと、今年度までの過去10年間の採用数は8人で、令和5年度において新たに土木技師と電気技師各1人の採用を内定していますが、道路、橋梁、上下水道をはじめとする各種インフラの整備・維持管理、災害時の応急対応、また新たな行政需要に対応するために必要な人員はいまだ確保できていません。
本市ではこれまで採用に向けた取組として、試験実施日の前倒し、公務員試験の難関とされる教養試験の廃止、受験年齢要件の引下げ、経験者枠での募集、県内大学・高専等への訪問などを行ってきた結果、少しずつではありますが採用につながってきています。
今後は一層取組を推進するため、採用試験においては、公務員試験対策を不要とし、基礎的な学力、能力、性格をはかる試験を導入するなど、試験制度を大きく見直し、受験に対する心理的ハードルを下げ、受験者確保に努めていきたいと考えています。
このほか、令和5年度当初予算案で提案させていただいていますが、土木技師を目指している学生等へ、スカウト形式で個別にアプローチができる民間の就活システムを活用した採用活動にも取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
○議長(平家恭治君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 ありがとうございます。
非常に苦慮されるというのはいずこも同じなのかなというふうなところを実感するところです。ぜひとは言いつつも、やっぱり大切な人材というふうなことで、次をつないでくれる人の発掘というふうなことでお力添えをお願いします。
今年は上下水道関係におきましてストックマネジメント事業に基づく上水道の管渠整備も予定されているようですし、高野地地区への上水道の布設計画も上がっております。
企業会計において相応の予算措置もなされているところなので、技師の皆さんが知見を積むことのできるよい時期が到来しているのかなと感じます。
また、先輩技師の皆様の足跡に触れることのできる絶好の機会です。技術の向上、知見の積み上げにはそれ相応の時間も必要と思われますし、職員さんの雇用は地域の経済の資金の流通量も増加させるので、ぜひ推進してもらいたいと思います。
同時に、保育士さんや看護師さんなどの確保も、先ほどもおっしゃられておりましたけれども、重要な課題と思いますし、様々な場面で多くの職員さんのお力が必要です。担当課の皆様も十分御理解されているところとは存じます。
また、一部の職種にて実行されている奨学金のような制度の拡充も今後の課題かとも思います。当地でたくさん御活躍いただくほど地域の経済は大きくなりますので、今後ともどうかお力添えをお願いします。
続いて最後、大綱3、八幡浜市の経済状況や雇用状況と持続可能性についてを質問いたします。
こちらも前回の質問でお伺いしました内容ですが、一定程度時間も経過していることから、まず経済状況と雇用の現況についてお伺いをいたします。
○議長(平家恭治君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) まず、本市の経済状況については、適時、商工会議所、商工会、金融機関、ハローワークなどから情報収集しているところです。
お話を聞くところによれば、新型コロナウイルスの重症化リスクが低下し、以前ほどの行動規制や自粛ムードがなくなり、さらにコロナの感染症法上の位置づけも2類相当から5類へ引き下げられる方針が決定したことから、新型コロナによる影響も徐々に薄れてきているとのことです。
しかし一方で、昨年来、世界情勢の混乱や円安などに起因する原材料・エネルギー価格の高騰が進み、本市におきましても、企業努力や少々の価格転嫁ではカバーできないほど厳しい経営状況にある事業者も多いようです。
また、コロナ禍において利用した融資の返済が始まったことで資金繰りが苦しくなっている事業者も見受けられ、このままでは事業規模の縮小や業種転換、中には廃業を余儀なくされるケースも一定数出てくるのではないかといった心配の声もありました。
このような中、市としましては、令和2年度から愛媛県と共同で実施している利子補給事業に加え、令和5年度からは市独自の新たな利子補給事業も開始することとしています。
また、業種転換など市内事業所の新たなチャレンジを後押しできるよう、創業支援制度の要件緩和、補助額の引上げなども検討しているところです。
さらに、水産業、交通・運輸事業者など、特に厳しい業種に対しては、これまでも物価高騰対策として各種支援措置を講じてきましたが、必要なものは来年度も継続することとしており、今後もさらなる支援が必要であれば迅速に対応していきたいと考えています。
続きまして、市内の雇用情勢については、季節によって変動はあるものの、有効求人数が有効求職者数を上回る状況が続いています。
この要因についてハローワークに話を聞いてみますと、有資格者の求人であったり、求職者の多くが中高年であることなどから、事業者が求める人材との相違、いわゆるミスマッチも生じているそうで、結果的に未充足となっている業種が多数見受けられます。
実際、商工団体や事業所からも人手不足が深刻との声が届いていますので、引き続き物価高騰の影響と併せ雇用情勢についても情報収集に努め、何か有効な対策がないか、関連団体とともに検討していきたいと思います。
以上です。
○議長(平家恭治君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 ありがとうございました。
八幡浜市のみならず南予地域、各地域においても求人というか、人手不足というのは顕著な問題かと思います。少子高齢化や過疎化も進んでおりまして、そのような状況かと思います。
また、今ほどもおっしゃられましたが、はやり病や東欧地域の紛争に起因するインフレ等々で非常に困った状況の連続です。
経済的なことに関しましては、ちょっと打つ手なし的なところもあったりとかで、企業努力をしてもなかなか打破できないというふうな状況も聞き及んでおります。
食料や燃料も高騰、またそれに基づく生活費が増加、外部的な要因で賃金が低下する状況下で、結果として節約に向かい、そして地元の地域の経済規模がまた縮小。それからもたらされる企業の収益の悪化、サプライチェーンと呼ばれる供給網の破綻など、様々な原因で不況からの脱却がなかなか進んでいない状況の中、さらなる消費の減退が進み、なかなか厳しい状況から抜け出せないという。
企業サイドにありましても、電気代や燃料費の増加が悪影響を及ぼし始めており、来月になるとさらなるコストアップも想像されております。
今ある設備である原発の再稼働をもっともっとしていただいて、コスト削減というふうなことに対しても産業界は切望しているのではないでしょうか。
先ほど、ちょっと遠藤議員のほうがいろいろとおっしゃられましたけれども、グリーンエネルギーというふうな観点からしますと、ドイツとかが太陽光だとかバイオマスだとかというふうなことで取組を進めてはいたんですけれども、結局それは失敗というふうなことで、現在はフランスから原発により発電された電力を買っておったりします。ロシアからの油の供給もなかったりとか、大変厳しいヨーロッパの状況というふうなことが情報として上がってきております。
打開策や特効薬というのもなかなか見つからない状況なんですけれども、とはいいましても、八幡浜市の未来につきまして夢を持っている、危惧している、あるいはもう駄目だと諦めている、そんな市民の方も多いのではないかと思います。
そこで、市の今後、持続可能な市となるために、あるいは今後の市政発展、八幡浜市発展のために肝腎なところはどのようなものと思われていますでしょうか。
また、現段階でお示しできる結果や成果、そのような御報告できるものがあればお願いしたいと思います。
○議長(平家恭治君) 市長。
○市長(大城一郎君) 八幡浜市が今後も持続可能な自治体として発展していくための最も重要な課題は、突き詰めれば人口減少問題であると考えます。
ただし、この対策を講じれば必ず効果が現れるというものは、正直なところなかなか見つからないというのが、この問題の現状であります。
しかしながら、日本全体の人口が減少する局面に突入した現在では、本市を含め多くの自治体が受け入れなければならない課題であり、様々な施策を実施することで少しでも人口減少を抑制していくことが重要であると考えます。
そのため、平成27年10月に「八幡浜市まち・ひと・しごと創生総合戦略」、令和2年度には引き続き「第2期八幡浜市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、基本目標として、「1、強い産業をつくり、しごとを維持・創出する」「2、市の知名度を向上させ、移住者・観光客・ファンを増やす」「3、出会いの場をつくり、子どもを産み育てやすい環境をつくる」「4、快適で便利、安全で安心な生活環境をつくる」の4つの目標を掲げ、持続可能な社会の実現に向け、ふるさとの強みを生かした様々な取組を進めているところです。
例えば、民間賃貸住宅整備促進補助金などの住環境に関する施策や若年移住者家賃支援などの移住・定住施策、また愛結び、婚活イベントなどの婚活支援に関する施策、病児病後児保育、出産・子育て応援交付金事業、県内初となる不妊治療の一部負担金無償化などの子育て支援施策などを実施しています。
ほかにも、かんきつ農業などに代表される本市の基幹産業の強化を図る支援施策も、安全・安心な市民生活に必要なインフラ整備などについても、全てが最終的には市の人口を維持し、持続可能な自治体として発展することにつながるものであると考えています。
また、人口減少対策は県においても最重要課題と位置づけられており、令和5年2月には「愛媛県・市町人口減少対策協働宣言」を行い、県が策定した「えひめ人口減少対策重点戦略」に基づき、令和5年度から県と市町が連携して重点的に取り組むこととしております。
やはり人口減少に対する根本的な改革をするためには、今後は結婚、妊娠、出産、子育て支援に関する施策に力点を置く必要があると考えております。
例えば、不妊治療の一部負担金無償化では、令和4年4月から12月までの9か月で20人の方が申請し、そのうちの4割、8人の方が妊娠されております。来年度から、県と連携して、保険適用の治療と併用して行う先進医療についても無償化を開始します。
また、経済的な理由で結婚に踏み出せない低所得者を対象に、結婚新生活支援事業を実施しておりますが、これについても県と連携して、29歳以下の支援に重点を置き、所得要件の緩和等を行います。
今後も可能な限り新たな施策も検討し、人口減少を緩やかにしていきながら、人口減少が進む中でも市民に必要な行政サービスを維持するため、積極的にDXも取り入れ、魅力あるまちづくりを進めることで八幡浜市が持続可能な自治体として発展できるよう努力していきます。
○議長(平家恭治君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 今ほどの市長からの御報告の中で、不妊治療の成果というふうなことで、40%の成功があったと。まさにすばらしいことであると思います。
こういう話題というのは、誰まりに相談というのもなかなかできないので、本当、内に秘めて2人だけで抱えられていらっしゃる人も多いんじゃないかなと思うところに、そのようなサポートがあるというふうなことは非常にいいことだと思いますし、安心されると思いますので、引き続きお力添えをお願いできたらと思います。
先ほどの質問の中の菊池議員の情報の中に、2060年度は1万890人との予測というふうなことで情報がございました。そこに向かわないような施策の展開、行動、そして修正、また行動と、市長がおっしゃっていただいたので、一緒に頑張っていかなきゃいけないなというふうなことを今思いを新たにしておるところですけれども、官民を挙げての取組も急務と思われます。皆さんが危機感を共有して、様々な政策等々に歩みを重ねていっていかなければならないというふうなことを考えます。
もしかしたら今の予想どおりの人口の推移となるかもしれません。しかし、進取の気質を持ち突き進んできた先輩方の背中を追い、やはり何かの行動を進めていかなければならないとも感じます。
その時代その時代に応じて課題内容にも違いはあると思いますし、失敗も付き物なのかもしれません。無理な無駄なあがきだと笑う人もいるかもしれません。今だけよければいい、あと少しだけ過ごせたらいいと思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これまでの先輩方は、時代をつなぐ、つないでくれるであろう後進に夢と希望、そして様々な財産を残してくれているのではないでしょうか。もう一度ふるさと八幡浜を見詰め直し、歴史に学び、市の持つ資産、八幡浜市民の知見、職員さんの知恵、一丸となって歩み始めるそのような希望を持ちまして、令和5年度を迎えたいと思います。
以上で一般質問を終わります。
○議長(平家恭治君) 以上で通告による一般質問は終わりました。
これをもって一般質問を終結いたします。
お諮りいたします。
議事の都合により、明日7日は休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(平家恭治君) 御異議なしと認めます。よって、明日7日は休会することに決しました。
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○議長(平家恭治君) これにて本日の会議を閉じます。
以上で本日の日程は全部終了しました。
明日7日は休会であります。8日は午前10時から会議を開き、議案に対する質疑等を行います。
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○議長(平家恭治君) 本日はこれにて散会いたします。
午後 4時19分 散会