一般質問(一問一答)R5.3 攝津眞澄議員

公開日 2023年06月09日

〔攝津眞澄君質問席へ移動〕

○攝津眞澄君  おはようございます。

 明日から2日間、県立高校の入試、入学試験が行われるようです。合格ということで五角形をしたいい予感ということで伊予柑を子供たちに配っていただいたことをついこの間のように思い出されます。全員が希望する高校に入学できるようにお祈りしつつ、大綱2つについて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、大綱1、新型コロナウイルス5類への移行についてお伺いいたします。

 2類相当から5類の移行について、新型コロナウイルス感染症上の類型をめぐり、政府は5月8日に季節性インフルエンザと同じ5類へ移行する方針を固めました。

 感染症法とは、正式名称は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律と言われ、感染症の発生を予防し及びその蔓延防止を図り、もって公衆衛生上の向上及び増進を図ることを目的と定め、感染症を病原体の感染力の強さや症状の重さなど危険度に応じて5つの類型に分けています。

 1類はエボラ出血熱やペスト、2類は結核やSARS、3類はコレラや腸チフス、4類は黄熱や鳥インフルエンザ、5類は季節性インフルエンザなどが該当します。

 よく聞かれるメリットとして、5類は季節性インフルエンザと同様の扱いで、一般の医療機関のどこでも診療ができるようになります。検査体制も整い、一部の病院に負担がのしかかる状況はかなり改善されます。

 また、ワクチンに加え、11月に緊急承認された塩野義製薬のゾコーバのように、軽症患者にも使える飲み薬が登場し、抗インフルエンザ薬タミフルのような扱いやすい治療薬もそろってきました。

 一方、デメリットとしては、1つ、治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けなくなる可能性がある。2、ワクチン接種の際に自己負担が発生すれば接種率が低下する可能性がある。3、保健所が健康管理をしなくなるため、容体が急変する患者を把握できなくなるおそれがある等があると認識しております。移行後の変更点をお示しください。

○議長(平家恭治君)  保健センター所長。

○保健センター所長(小野嘉彦君)  お答えします。

 新型コロナウイルス感染症法上の分類が5月8日から2類相当から5類に移行すると、次の点が変更になると言われています。

 まず、緊急事態宣言や入院勧告・指示、感染者の濃厚接触者の外出自粛要請などの行動制限ができなくなります。

 医療機関については、入院や診療ができるのは発熱外来など指定された医療機関だけでしたが、移行後はどの医療機関でも対応することになっています。

 入院やコロナワクチンの接種に係る費用は、現在全額公費負担ですが、移行後は段階的に縮小する方向で検討されています。

 また、マスクの着用については、3月13日から個人の判断に委ねられることになっています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  3日、宿泊療養の制度を原則廃止にするなど、今後政府も療養体制を平時に戻し、医療の患者負担もインフルエンザ並みに近づける方針を掲げております。

 また、外来医療での1人当たり10万円に近い抗ウイルス薬や高額な治療費、入院費用の公的支援も検討されていますが、解熱剤などの一般的な治療薬や検査は自己負担であり、入院費用も全額ではないにしろ、一部は自己負担になるそうです。

 どちらにしても、今までより市民の負担が増えることには変わりありません。

 過度な自己負担になり、重症者が急増することのないよう、市としても十分に配慮いただきたいと思います。

 次です。卒業式でのコロナ対応についてお伺いいたします。

 5月連休明けから国、県、市おのおののコロナに対する方針が変わり、市民の皆様も大変不安で困惑されると思われます。

 政府では、マスク着用を個人の判断に委ねるとの新指針を発表しました。病院等の医療機関や高齢者福祉施設を訪問する際、混雑した場所、感染者がやむを得ず外出する場合においてはマスクを奨励する一方、文部科学省は4月からの学校教育活動、合唱や体育の授業、部活動などでは原則マスクなし、卒業式では、教職員、児童・生徒はマスクなし、保護者や来賓は着用、式辞や送辞、卒業証書授与では不要ですが、校歌斉唱は着用とし、3月13日より学校では着用を求めないと報道されておりますが、八幡浜市の卒業式において、児童・生徒、保護者に対してどのように配慮されるのか、お伺いいたします。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  お答えします。

 文部科学省は、卒業式におけるマスクの取扱いに関する基本的な考え方について、児童・生徒と教職員は式典全体を通じてマスクなし、来賓や保護者等はマスク着用を基本として通知しています。

 これを受け、本市の児童・生徒と教職員は、卒業式における入退場、卒業証書授与、送辞や答辞の場面等、式典全体を通じてマスクなしを基本としますが、各学校には学校の実情、子供たちや保護者の思いに沿った柔軟な対応をお願いしているところです。

 一方、一部案内を控えている来賓や保護者はマスクを着用するとともに、座席間の距離を確保することにしています。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  マスクなしとしつつ、感染予防に十分配慮されるということで安心いたしました。

 現に第8波では、弱毒化して病原性や致死率も下がったとしているものの、死者数は過去最多となっています。若く元気な世代にとっては軽症で済んだとしても、高齢者や基礎疾患のある身体的弱者にとっては脅威であること、行動制限が緩和され軽症感染者が増えたことで、高齢者や心身的弱者の感染も増えたことが要因と考えられております。

 5類に移行され、扱いが低くなれば、軽症感染者はさらに増えると考えられます。

 2023年度は、まだ無料とされているワクチンが有料となり、診察代も高くなるとすれば、ワクチン接種も控え、診療や検査を受けない方が間違いなく増えます。

 これまでのワクチン接種や陽性者の行動制限による感染拡大予防が弱くなるということは、軽症の隠れ陽性者が増え、重症化する方が増えるということにつながります。

 重症化リスクを抑えるために、当市として考えていることがあればお聞かせください。

○議長(平家恭治君)  保健センター所長。

○保健センター所長(小野嘉彦君)  お答えします。

 個人の重症化リスクを抑えるためには、ワクチン接種が有効であると考えています。

 国の令和5年度の方針は、まず春から夏、5月から8月にかけて65歳以上の高齢者及び基礎疾患を有する方など重症化リスクの高い方や医療機関や高齢者・障害者施設等の従事者を対象に接種を行います。秋から冬、9月から12月には、追加接種が可能な全ての年齢の方を対象に接種を行う予定となっています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  ワクチンを奨励されるということですが、引き続き患者数の推移を見ながら臨機応変に対応いただけたらと思います。

 次です。移行後の支援・助成事業についてです。

 コロナ5類への移行により、国や県からの新型コロナ関連のあらゆる助成金なども徐々に廃止となり、市としても、医療機関だけではなく飲食業や農漁業、学校や福祉関係、地域住民等への支援策の打切りが推測されます。

 かといって急にコロナ前の状況に戻ることは不可能だと思われますが、市として今後どのように対応されるのか、お伺いいたします。

○議長(平家恭治君)  副市長。

○副市長(菊池司郎君)  新型コロナウイルス感染症関連事業については、これまで感染拡大防止や生活者・事業者支援などのため、特別定額給付金、子育て世帯及び住民税非課税世帯等への臨時特別給付金などの国の事業のほか、市独自の対策事業として、3回にわたるスーパープレミアム付商品券事業、やわたはまわくわく券事業、漁業者支援事業費補助金等、約95億円、110を超える事業を実施してきました。

 ただし、今後については、新型コロナウイルス感染症の5類への引下げにより、新型コロナウイルス感染症関連事業は廃止・縮小の方向へシフトしていき、徐々にコロナ禍前の日常が戻ってくるのではないかと期待しています。

 しかしながら、昨年2月のロシアのウクライナ侵攻に端を発する原油価格や物価高騰等については、電気・ガス料金の負担緩和策など、国の総合経済対策も実施されているものの、その影響は今後も市民生活や事業者の活動に重くのしかかってくると予想されます。

 令和5年度の当初予算としては、交通事業者燃料価格高騰対策支援事業、漁業者支援事業費補助金、学校・保育所等の給食食材価格高騰対策支援事業を計上しているところであり、今後も国の対策や市内の状況について情報収集に努めるとともに、影響を受けている市民や事業者等に対する必要な支援については、迅速に対処していきたいと考えております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  市独自のスーパープレミアム商品券は、地域の方々にとても喜ばれていました。今後、国や県の動向を注視しながら、八幡浜市の状況を精査しつつ、柔軟な対応をお願いしたいと思います。

 次です、コロナ禍における学校の現状についてお伺いいたします。

 小・中学校の全国体力テストについてです。

 スポーツ庁は、小学校5年生と中学校2年生全員対象の2022年度全国体力テストの結果、実技8種目の合計点が、小・中男女共通過去最低であると公表しました。

 80点満点中、八幡浜市では小学校5年生男子54.12、全国平均52.3、小学校5年生女子56.34、全国平均54.3、中学校2年生男子41.63、全国平均40.9、中2女子48.18、全国平均47.3。全国平均から見ると一、二ポイント高い結果となってはいますが、過去最低からの平均値であり、八幡浜市の子供たちの体力も年々低くなっております。

 種目別では、小学校男女はバランスB型、どの種目も平均を上回っている状態です。中学校男女は凸凹型、また中学校男子では上体起こし、長座体前屈、50メートル走、立ち幅跳び、ハンドボール投げ、中学校2年生女子では長座体前屈、立ち幅跳びの種目において全国平均を下回っており、柔軟性や筋力の能力が落ちていると考えられます。

 26年から遡ってみても、全国平均の円グラフは毎回同じ形をしており、シャトルランは毎年好成績である一方、長座体前屈はほぼ毎年大きく下回っております。これらについて今後どのような対策を講じていくのか、お伺いいたします。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  お答えします。

 令和3年度の全国体力運動能力調査の本市の合計点は、今ほど攝津議員が示されたとおりです。

 種目別に本市の子供たちの様子を見ますと、小学校5年生は男女ともに握力、シャトルラン、反復横跳びが全国に比べて高く、長座体前屈が低い傾向が見られました。

 中学2年生は男女ともに上体起こしとシャトルランや持久走は高く、反復横跳びが低い傾向が見られました。

 また、質問紙の調査では、小5女子、中2男子の「朝食を毎日食べる」が、全国平均に比べて低く、課題として浮かび上がりましたが、小・中男女ともに1週間の総運動時間は全国より高く、テレビやゲーム、スマートフォンの画面を見るスクリーンタイムも全国に比べて本市はかなり低い状況です。

 とはいえ、令和元年度まではその年々でこの合計点の結果は違ってましたけども、明らかに令和元年度と3年度を比べると体力は低下しています。

 その対応としましては、「えひめ子どもの体力向上プラン」の下、1、体育の授業に前向きに参加する。2、自分の目標を立て、体力向上を目指す。3、日常的に運動に取り組む。4、毎日朝食を食べ、睡眠時間を確保するなど、体育的活動の充実と体力の維持・向上に各学校単位で取り組み始めています。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  先ほど井上教育長が言われたように、体力テストと同時に児童への意識調査もされておりましたが、小学校5年生女子と中学校2年生の「朝食を毎日食べる」の割合が低いこと、全国的に男子の運動時間の減少、スクリーンタイムの割合の増加が挙げられており、肥満度との関連が示唆されております。

 小学校5年生女子、中学校2年生男子は、成長が最も著しい時期であり、特に朝食を抜くと脳のエネルギーが不足し、体温も上がらないまま集中力も低下し、運動能力や学力に影響を及ぼすとされております。

 全生徒が朝食を食べているとお聞きした学校もありますが、起床時間が遅くて食べる時間がない、朝おなかがすかない、親が食べない、準備しない等、様々な理由で朝食を取ってこない子供たちがいます。引き続き、子供たちだけでなく、保護者にも折に触れ食育について考える機会もつくっていただきたいと思います。

 また、スポーツ庁では、コロナ禍において人との会話や接触が制限され、スマホやゲームなど夜型生活の子供たちが増えていること、マスク着用のため全身を激しく動かす機会が減っていることが影響したのではとの分析がありました。

 学校の体育の授業以外でも、家庭、地域のコミュニティーの場で体を楽しく動かす機会を増やしていただけたらと思います。

 次です。小・中学校の不登校についてです。

 2021年度の文部科学省の調査で、全国の不登校の小・中学生は24万人を超え、10年前の約2倍となり、加速度的に増加しており、愛媛県では小学校で673人、中学校で1,560人、高校で545人という新聞記事を目にしました。

 不登校の要因として、コロナによる学校活動が制限され、登校意欲が下がり、生活のリズムの乱れが戻らない事例もあり、無気力・不安49.7%、生活リズムの乱れ・遊び・非行11.7%、いじめを除く友人関係9.7%、親子の関わり方8.0%となっている一方、学校教員が多忙で子供と向き合えないという実態に加え、スマホやパソコンなどインターネットでのいじめが過去最多に上り、コロナの影響も浮き彫りになっています。

 まず、八幡浜市内小・中学校の不登校の現状とその対応についてお伺いいたします。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  お答えします。

 不登校については、小・中学校合わせての数字となりますが、平成30年度が20人、令和元年度が19人、令和2年度が24人、令和3年度が23人、そして今年度は2月末現在で22人、小・中別で言いますと、今年度小学校4名、中学校18名の22人となっています。

 市全体の傾向としましては、やや増える傾向にありますが、令和3年度の出現率について、全国との比較を紹介しますと、全国の小学校は77人に一人が不登校、それに対して本市はこの年、小学生10人と多かったんですけども、本市は126人に一人、中学校では全国20人に一人、本市は56人に一人という状況です。

 学校現場は、コロナ禍において子供たちの心や体の変化、子供たちが出すサインを見逃さないよう、日常的な健康観察の徹底を図り、変化の兆しを見逃さない体制を整えて指導に当たっています。

 また、ゲーム依存による昼夜逆転の生活が不登校につながることもあることから、スマートフォンを含むネットワーク機器の取扱いについて、校長会や市P連が中心となり、関連図書の配付・紹介、専門家を招いての講演会などを行うなど、家庭と連携した啓発に努めています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  八幡浜市でもやや増加傾向にあるということですが、出現率は低いということを確認いたしました。

 文部科学省から正式に不登校は問題行動ではないという通知がありました。不登校は国に認められており、学校以外の選択肢を提供するための法律、教育機会確保法が2017年に制定されていることを踏まえ、次の質問に移ります。

 フリースクールの設置についてです。フリースクールなどの民間施設での指導を受けている児童・生徒は、21年度で約9,000人とされ、ここ5年ほどで3倍に増えているとお聞きいたします。

 八幡浜市におきましても、児童・生徒数は年々減少しているものの、不登校の割合は増えているとお聞きしております。

 以前、同僚議員がフリースクールについて述べられておりますが、気になるところでございますので、再度質問させていただきます。

 不登校児童・生徒の生活への対応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善のための相談や指導を行い、学校への復帰を支援し、社会的自立を促す、このような施設は今後必要になってくると思われますが、八幡浜市には不登校の児童・生徒を受け入れる施設はあるのでしょうか。もしなければ、今後設置する予定はあるのか、お伺いしたいと思います。

○議長(平家恭治君)  学校教育課長。

○学校教育課長(梶本教仁君)  お答えいたします。

 不登校の児童・生徒を一時的に教育支援室で預かる場合もありますが、市内では受け入れる施設はありません。

 近隣では、大洲市に「おおずふれあいスクール」という適応指導教室があります。この適応指導教室は、国立大洲青少年交流の家と大洲市教育委員会が平成9年に開設したもので、平成27年度から大洲市、西予市、伊方町、内子町と本市の3市2町で経費を負担して運営しており、年間30万円を運営負担金として支出しています。

 この適応指導教室に登録している児童・生徒数は、令和3年度が5名、今年度が2名という状況です。

 過年度には学校復帰につながった例もあります。

 本市の不登校児童・生徒の実態から、現時点では近隣市町との共催で広域的に運営している「おおずふれあいスクール」を利用することが望ましいと考えています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  近隣には「おおずふれあいスクール」があるということですが、共働きをしている親が毎日不登校の子供の送り迎えはできない、子供たちが自分で行くことのできる八幡浜市内にぜひつくってほしいとの声も聞いております。

 先生やクラスの子と合わないなど、不登校の要因は様々ですが、子供たちは学校を選ぶことができず、また少子化により各学年1クラスの学校も多く、学年が上がってもクラスが変わることがないので、環境を変えることはできません。

 今は教育の分野でもオンライン学習ができ、フリースクール等との場で人との関わりを持つことも可能です。

 学校に向いていなかった子供が、違う環境では伸び伸びと活動でき、自分らしく生きていける場所を見つけることが大切です。様々な選択肢の中で、一人一人の児童・生徒の自己肯定感を高めていけるフリースクールの設置の必要性は、今後ますます高くなると考えます。

 子供、女性、高齢者や障害を持った方など、弱い立場の方々を大切に考える町八幡浜の実現をお願いしたいと思います。

 次の質問に参ります。教職員の多忙化についてです。

 学校教育がICT化される一方、コロナ禍の中、オンラインでの情報発信や授業など、全国では学校現場での働き方も変わってきています。

 また、18年度経済協力開発機構の調査で、日本の小・中学校の教職員の仕事時間についての指摘もありますが、教育のICT化により八幡浜市の教職員の働き方はどう変わったのか、お伺いいたします。

○議長(平家恭治君)  教育長。

○教育長(井上 靖君)  お答えします。

 教職員の時間外勤務について、月80時間を超える割合は小学校で少ない月で4%、多い月で10%、中学校では47ないし62%となっています。

 本市では、平成24年度より校務支援システムを導入し、成績処理、通信簿や指導要録の記載、保健関係の記録、文書の受信・送信など事務的作業の軽減を図ってきています。

 また、県費による非常勤講師の配置、今年度で延べ12名、また市独自の学校教育活動指導員、学校生活支援員の配置、令和3年度から配置しておりますICT支援員も2名から4名に増員する予算を計上しており、人的配置による教職員の負担軽減にも取り組んでいるところです。

 なお、働き方改革は、残業時間などの数字や教職員の業務分類ばかりにとらわれるのではなく、教職員のやりがいや生きがいを大切にしたものではないといけないと考えています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  仕事が楽になったとか、早く帰れるようになったという先生方の声は残念ながら届いておりません。まだ遅くまで学校で仕事をしている教職員が多いのではないでしょうか。

 今後、ICT支援員の増加により、学校業務の効率化が図られ、教職員に時間的余裕ができることにより、児童・生徒とのコミュニケーションの時間が増えることを期待しております。

 また、今後さらにICT化・DX化が加速する中、市内学校間で学習会や情報共有等により、学校で温度差が出ないように配慮していただきたいと思います。

 先日開催された人権教育研究大会の中で、千丈小学校PTAの実践事例発表がありました。子供たちがいつも使っているタブレットを使い、親子で人権について勉強する機会をつくり、家族内でのコミュニケーションツールとしてもICTが利用されております。学校だけでなく、保護者を巻き込んだ家庭内でもタブレットをどんどん活用できる機会をつくっていただきたいと思います。

 最後に、お配りしていたこの「えひめ!まんなかプロジェクト」について御説明させていただきます。

 子育てで孤立しないように、プロジェクトに賛同しておられる100名以上の小児科・産婦人科の専門家の適切な助言を、無料で24時間オンラインサービスで利用できる取組です。

 産婦人科・小児科ラインがあり、平日18時から22時は予約制によるメッセージチャットや動画通話により夜間相談にも対応していただけます。

 3月末までの実証実験中であり、愛媛県の団体・企業に所属する子育て世帯が限定対象ということで、こども食堂「のきした」にて団体登録をし、利用者全員に活用いただいており、また障害を持った子供の保護者や市内の子育ての団体にも発信し、登録いただいているところです。

 核家族が多い中、いつでも相談できる人がいて、今後のコロナ対応に限らず、不必要な受診が9割を超えると言われているコンビニ受診を控えることで医療の逼迫を防ぐ機能も考えられます。

 2月24日、このプロジェクトが愛媛県のデジタル実装事業「トライアングルエヒメ」に採択され、無償でオンラインサービス利用券を配布することができたとの御連絡をいただきました。

 今後の実証実験の経緯を見ていただき、八幡浜市での登録も御検討いただきたいと思っております。

 これで大綱1の質問を終わります。

 続きまして、大綱2、八幡浜市における防災対策についてです。

 地球温暖化による災害リスクの備えについてお伺いいたします。

 1月に開催された公民館研究大会では「天気の達人から見た異常気象と気象災害の備え」と題し、気象予報士の天達武史さんに御講演いただきました。

 世界の平均気温が2022年には過去6番目に高い見込みである。1920年地上の温度は下がり、深海の温度が上がった。地球温暖化は100年で1度上昇しており、過去2,000年以上前例にないものである。記録的高温と相次ぐ大雨はセットで起こる。ヨーロッパ40度、パキスタン大洪水など、これらは近隣地域で真逆な反応が起きる。世界各地で30年間異常気象が頻発している。地球温暖化が進むと台風の数は減るが、強い台風が増える。気象災害の備えとして、キキクル等の防災情報プラス天気予報プラス防災3K、気づく、考える、行動することが大切であるとのお話がありました。

 毎年のように極端な集中豪雨により痛ましい被害が発生しており、今後地球温暖化に伴う気候変動の影響による甚大な被害の発生リスクが懸念されております。

 近年の八幡浜市の気温や気象状況の変化とそれらによる災害リスクの備えについてお聞かせください。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 近年の本市の気温や降水量の変化について、八幡浜地区施設事務組合消防本部の統計データを基にお答えをいたします。

 まず、気温は、1970年代の10年間の平均が16.3度、2010年代がこれも10年間の平均ですが、16.8度となっており、1970年代と2010年代を比較すると、この場合40年間で0.5度の気温上昇となっております。

 次に、降水量につきましては、1970年代の10年間の年間平均が1,537.5ミリ、2010年代がこれも10年間の平均ですが、1,627.4ミリとなっており、1970年代と2010年代を比較するとこれも同じく40年間で89.9ミリ、約90ミリの増加となっておりまして、気温・降水量ともに上昇傾向にあると言えます。

 近年では全国各地で台風の大型化のほか、大雨の発生回数が増加傾向にあり、これには地球温暖化が影響していると言われておりますが、このような状況を踏まえると、土砂災害や風水害に対する備えが一層重要となります。

 本市においても、平成30年7月豪雨災害時には、須川地区、南柏地区において大規模な土砂災害が発生しました。

 災害に対する備えとしては、まず情報収集が大切です。台風や大雨については、テレビ、ラジオ、気象庁のホームページなどを活用し、天気予報や台風の進路予想、線状降水帯の発生予測などに注意していただきたいと考えています。

 また、事前にハザードマップ等を確認し、それぞれの地域における洪水や土砂災害、高潮被害の特徴、避難経路、避難所の場所などを確認しておくことも重要です。

 なお、避難する際には、非常持ち出し袋や備蓄食料を備えておくと安心ですので、御家庭で事前に準備していただきたいと思っております。

 災害時には、まず自分の命は自分で守るという自助の力を養っていただきたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  八幡浜市でもやはり少しずつ気温が上がり、それに伴い大雨などの異常気象も増えているということですが、川の近く、低くなっている土地、崖などの危険な場所等での防災対策も変わってきます。

 気温や気象状況の変化のほか、住んでいる地域の地盤や特徴を知ること、また大雨、川の氾濫、土砂災害、地震の避難のタイミングは、住んでいる場所によっておのおの違うため、ハザードマップで確認しておくことも市民の皆さんに再周知いただけたらと思います。

 続いて、災害対策における強化・見直しについてです。

 先日、2月6日、トルコで起きたマグニチュード7.8の強い地震で、5万人を超える死傷者の被害が確認され、多くの建物も倒壊し、甚大な被害を受けました。

 大きな地震が起こるたびに、南海トラフ地震が刻一刻と近づいている恐怖を感じます。

 また、これまでの大規模自然災害の歴史を顧みると、様々な災害対策は講じているものの、大規模自然災害の発生から甚大な被害、長期にわたる復興・復旧を繰り返しております。

 大災害を幾度も経験した今でも、地球温暖化に伴う気候変動により、災害自体がどんどん激化しており、自治体、地域、企業、住民、それぞれが防災を我が事として捉え、自立的に災害に備えることが重要になってきています。

 防災1.0、昭和34年に起きた伊勢湾台風では、大規模災害時対応に備わる体制が未整備であり、災害関係の法律が一本化されておらず、各機関の役割や責任の所在が不明確であったことから、災害対策基本法が制定されました。

 防災2.0、平成7年に起きた阪神・淡路大震災では、首都直下型の大規模地震により、住宅の崩壊、水道、電気、ガスなどのライフラインの寸断、交通機関の麻痺、多数の人的被害が出たことにより、政府の初動態勢の整備、建築物の耐震改修促進法、被害者生活再建支援法が制定されました。

 防災3.0、平成23年に起きた東日本大震災では、マグニチュード9.0という我が国観測史上最大の巨大地震、大津波の発生により、東北沿岸部を中心に甚大かつ広域的な被害をもたらしました。

 最大規模災害の備えや原子力事故の複合災害の想定が不十分であったことに対し、大規模災害の被害想定、対策の見直し、津波、洪水等への減災対策、原子力規制委員会の設置等の原子力対策の見直しが講じられたほか、国、都道府県が自らの判断で物資を供給できるプッシュ型の物資支援の仕組みや、大規模災害からの復興に関する法律が制定されました。

 これまでの災害を踏まえ、八幡浜市で災害対策において、強化・見直し等、実施されたことがあればお示しください。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 近年、災害の頻発化、激甚化を受け、本市で行ってきました災害対策の強化・見直しの中で、特に大きな事業としては、防災行政無線のデジタル化が挙げられます。

 防災行政無線のデジタル化については、平成30年度から令和2年度の3か年をかけて市全域に係る工事を実施し、屋外拡声子局を津波被害のない10メートル以上の箇所に設置するとともに、屋内用として市内全戸と希望する事業所などに戸別受信機の設置を行っており、市が発表する避難指示などの情報を伝えるための最も有効な手段となっております。

 また、情報伝達手段としては、ほかにも防災メール、SNSなどによる気象情報、避難情報等の発信も併せて行っており、避難指示などの情報伝達手段の多重化を図っているところです。

 平成30年7月豪雨以降も、毎年全国各地で自然災害による甚大な被害が発生していますが、本市としては、訓練や災害で得た知見を基に、八幡浜市地域防災計画をはじめ各種計画、マニュアルなどを見直しながら計画の実効性を高め、災害対応力の向上を図っていきたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  防災無線でありますが、以前と比べると言葉をはっきりと聞き取れるようになりました。

 公民館等の避難場所の開設や避難誘導、また先日は寒波による水道管凍結についてのアナウンスもあり、市民も安心して素早い避難行動や対策ができるものとありがたく思っております。今後も、市民に細やかな情報の発信をお願いしたいと思っております。

 次です。八幡浜市防災DX化と企業との連携についてです。

 平成28年版防災白書において、地域、経済界、住民、企業らがそれぞれ主体的に防災に向き合い、相互にネットワークを再構築して自立的に災害に備える社会を目指す防災4.0が宣言され、VR仮想現実を用いた災害体験、AI人工知能による災害予測と異常検知、メッシュWi-Fiによるネットワーク構築など、防災DXが進められています。

 八幡浜市におきましても、現在あらゆる部署でDX化を推進されておりますが、防災におけるDX化に取り組まれていることがありましたらお聞かせください。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 防災の分野におけるデジタル技術を活用した取組としては、令和4年7月23日に八幡浜青年会議所、八幡浜市、伊方町が共同して体験型防災アトラクション「ザ・リモート」を開催をしました。

 この訓練は、市民が市役所や自宅からリモート、Zoomによりクイズ形式の防災アトラクションに参加をするというもので、参加者からは、風水害対策や地震対策をゲーム感覚で学ぶことができたと好評を得ております。

 リモート形式の訓練は、ウイズコロナ時代における新しい防災訓練の形として全国各地で行われているもので、今後も住民参加型の訓練と同様に、リモート形式で実施可能な訓練についても選択肢の一つとして検討をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  私も防災アトラクション参加させていただきましたが、とても楽しく勉強できました。

 デジタル庁では、マイナンバーカードを利用した住民の避難と災害対策機関の意思決定を支援する防災チャットボット「SOCDA」、また人工衛星を活用した安否確認サービス「Q-ANPI」など、様々なデジタル化が進んでいるようです。

 次に、企業との連携についてですが、八幡浜市におきましても、フジ、コープえひめ、第一生命、県行政書士会等、災害時連携締結している企業、団体があると思いますが、各企業名とその内容についてお示しください。

 また、今後どのような協定が必要だと考えておられますか、その理由もお聞かせください。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 現在、八幡浜市地域防災計画に48件の協定等一覧表を掲載をしているところです。

 このうち民間企業等との協定の主なものにつきましては、要介護者や傷病者の搬送業務の協力に係るものとしてアトムタクシー株式会社と、電力供給設備の復旧に関するものとして四国電力、四国電力送配電株式会社と、物資の調達・提供・供給に係るものとして株式会社フジ、西宇和農業協同組合、株式会社ありがとうコーポレーションなどと協定を締結しております。

 また、今後はどのような協定が必要と考えているのかとの御質問につきましては、今後につきましては、災害時におけるボランティアセンターの運営や被災地支援活動に関する協定も必要と考えており、八幡浜市社会福祉協議会、八幡浜青年会議所との協定締結を予定しているところです。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  松山市の災害協定一覧を見ますと、交通、輸送、応急復興、医療救護、避難所、物資、飲料、広報、通信、応援等170団体との様々な協定が締結されております。

 災害時、企業との連携は必要不可欠だと思います。今後も、近隣地域とのつながりを深めるとともに、いざというときに支援、援助していただける企業、団体様との連携を図っていただきたいと思います。

 また、松山市さんのように、ホームページでも一覧にしてお示しいただくと、市民の皆様にも分かりやすいと思いますので、御検討いただきたいと思います。

 次です。地震による被害の違いとその対策についてです。

 阪神・淡路大震災と東日本大震災のハザードは同じ地震ですが、大震災の支援については異なった様相を呈しています。

 首都直下型の阪神・淡路大震災では、建物の下敷きにより圧死、窒息死が83%で、焼死は13%ですが、大正12年9月の関東大震災では、10万人以上の人が死亡し、そのうちの90%近くが火災原因によるものです。避難所に逃げてきた人々の上を竜巻となった火災旋風が襲い、熱風に包まれて焼死しています。

 一方、沿岸の市町村を襲った海溝型地震と津波の被害である東日本大震災では、90%以上が溺死となっており、災害が起きる場所や時刻、季節による寒暖差で災害の要素が大きく左右します。

 愛媛県地震被害想定調査報告書による南海トラフ巨大地震の被害想定は、発生時刻や風速等の前提条件により大きく異なるものの、八幡浜市では地震発生72分後、最大9.1メートルの津波により477ヘクタールが浸水すると想定されております。

 近い将来地震は起きます。

 また、八幡浜市では、市全体での集団防災訓練は実施されておりません。消防、警察、医療機関、学校、企業、自主防災会等々と地震発生後のシミュレーションを行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○議長(平家恭治君)  総務課長。

○総務課長(宮下栄司君)  お答えします。

 大規模な防災訓練としては、愛媛県が年1回実施している愛媛県総合防災訓練があります。

 この訓練は、県、市町、警察、消防、自衛隊など防災関係機関はもとより、医療機関や自主防災会、民間企業などが一堂に会し、大雨と地震による複合災害を想定した実践的な訓練を行っており、本年度は内子町が会場となりました。

 同訓練は、訓練会場を東・中・南予持ち回りで行っており、時期は未定ですが、今後八幡浜市においても実施される予定です。

 本市単独で同様の大規模な連携訓練を実施することは難しいため、毎年8月末に実施している八幡浜市防災訓練の中で、まずは自主防災組織と地区内の学校や地元企業などが連携し、従来の参加者の枠組みを広げるような取組ができないか、その方法を自主防災会連絡協議会とともに検討していきたいと考えております。

 今年度の訓練では、避難所配置職員が各地区自主防災会の訓練に参加し、お互いが顔の見える関係になるための取組を実施しましたが、引き続き自助、共助の確立を目的として、行政、自主防災会、関係機関等の連携を強化してまいりたいと思います。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  県の総合防災訓練が何年か後に八幡浜市で行われるということで、楽しみにしたいと思います。

 私も松山市の総合防災訓練に参加したことがありますが、消防署による瓦礫撤去、女性消防団による応急処置、搬送、NPO団体によるペット防災、自治体による地震体験、自主防によるテント設営、児童・生徒による消火訓練やバケツリレー等、市民全体参加型のすばらしい訓練でした。

 地域全体が我が事として取り組む仕組みづくりを、まずは学校、避難所ごとの訓練から徐々に実施されることを希望いたします。

 一方、家族という一番小さな集団での防災計画もとても大切です。家族の役割分担、避難経路と避難場所、離れたときの集合場所、家具の安全な配置や固定、持ち出し袋のチェックと保管場所、備蓄品のチェックと保管場所、災害時伝言ダイヤル171の使い方等々、家族内で共有しておくべきことはたくさんあります。

 長期休暇の研究課題として、防災緊急カードや家族防災計画書を作成してもらい、全校保護者や地域の皆さんの前で発表してもらってもよいかもしれません。いろいろな発表を聞く中で、PDCAサイクルが循環され、防災意識の継続につながると思います。

 次に、家具の固定についてですが、重要性は分かっているものの、費用や人手がかかるために断念されている方もおられます。市としてできることはないのか、お伺いいたします。

○議長(平家恭治君)  総務課長。

○総務課長(宮下栄司君)  お答えします。

 東京消防庁の統計によると、近年発生した地震によるけがの原因については、約30%から50%の人が家具類の転倒、落下、移動によるものが原因であると言われています。

 また、転倒した家具がドアや避難経路を塞ぐことを回避する避難経路の確保や家具類の転倒による火災などの二次災害防止には、家具類の転倒・落下・移動防止対策は有効な手段と考えています。

 本市においては、平成22年度から高齢者等を対象に、家具類の転倒防止金具等取付けに関する助成事業を行っております。

 この事業は、75歳以上の高齢者のみの世帯、要介護認定3から5を受けている方のみの世帯、身体障害者手帳1級・2級を所持している障害者のみの世帯等に対し、最大4台まで家具転倒防止の金具等の取付け作業を行うもので、金具等は自己負担となります。

 現在、社会福祉課の障害福祉係及び保健センターの高齢者福祉係で受付をしております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  家具固定サポーター登録制度、転倒防止器具無料取付け、防止器具購入時の一部補助など、対象や限度額を決めた上で行っている地域もあるようです。既存の事業も残っているとのことですが、実際私も全然知りませんでした。市民の皆さんへの認知度も低いように思われます。

 自主防災会の訓練や民生委員さんがおうちへ訪問されるときに、転倒防止の危険性をお話ししていただき、特に睡眠時の家具の配置等について注意を促したり、ビラを配ったりなどして周知徹底いただけたらと思います。

 災害で命を落とされる市民が一人でも少なくなるよう、そして災害後も八幡浜にずっと住み続けていただけるよう、今できることをし続けることが重要だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 次です。被災後の整備及び対応についてです。

 災害を止めることはできないため、被災後の対応をしっかり整備しておく必要がありますが、住宅再建等、被災後の経済的支援について、市民が分かりやすい形でお答えいただけたらと思います。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 本市において一定規模以上の災害が発生し、被災世帯数が一定数以上に達した場合などには、国の災害救助法が適用となります。

 災害救助法による救助項目では、避難所に関することから被服等の貸与に関すること、医療に関すること、被災した住宅の応急修理に関することなど多岐にわたります。

 また、国の被災者生活再建支援制度に基づき、生活再建支援金のほか、家屋の再建や修復を行う場合には加算支援金を受けることができます。

 平成30年7月豪雨災害の際には災害救助法が適用されたため、被災世帯に対し、国の被災者生活再建支援制度に基づく生活再建支援金や加算支援金が給付されたほか、屋根や台所、トイレなど生活に必要不可欠な住居部分の応急的な修理に対し支援措置が講じられました。

 さらに、愛媛県と本市により災害見舞金や義援金、被災者生活再建緊急支援金などが支給をされたところです。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  国や県、市の支援など、私も知らないことがたくさんあり、大変勉強になりました。

 被災後、住めなくなった後の住宅再建のことも知っておく必要があるため、住居や全倒壊した場合の手続の方法や必要な支援の受け方等の簡単な資料をお渡ししておくと、家族防災計画についての話題の一つになるかもしれません。

 次です。愛宕山プロジェクトの進捗状況についてお伺いいたします。

 八幡浜市では、人命を救い、災害からの回復をできるだけ早くすることを目的として、非常時に1,215台の車両が確保でき、復旧時は仮設住宅建設用地になる避難防災公園やその周辺道路の拡幅及び新設工事に着手しているとお聞きしておりますが、現在までの進捗状況と今後の予定、また災害時以外での活用方法についてお伺いいたします。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  愛宕山プロジェクトは、大規模災害により被災した八幡浜市がどのように復興していくのか、発災直後から復興までにすべき手順を整理し、被災前からできることを早急に着手していく、いわゆる事前復興計画であり、発災時に避難車両1,215台を収容できる避難場所の整備、そこにつながる避難路としての3路線の整備も愛宕山プロジェクトの一環となります。

 既存避難路である市道八幡浜高野地線、具体的には大法寺前から愛宕中学校正門前までの整備については、令和4年度に詳細設計を完了し、令和5年度には改良工事に着手する予定です。

 また、避難場所並びに避難路2路線については、令和4年度に避難施設基本設計業務を発注し、適切な避難場所の選定、新規市道及び緑ケ丘住宅から愛宕山団地に至る市道愛宕緑ケ丘線の避難路2路線の基本設計を実施しているところであり、どのような整備が可能か、事業規模、事業工程などを精査しているところです。

 令和5年度中には、整備の全体像を市民の皆様に説明できる予定です。

 なお、避難場所につきましては、発災時は避難車両の駐車場、復旧時は応急仮設住宅建設用地として活用する予定です。

 議員御質問の平時につきましては、防災広場として活用する予定ですが、公園の用途以外に、スポーツやイベントを含め、どのような活用方法があるか、今後幅広く市民の皆様の意見を聞きながら、わくわくする使い方を検討したいと考えています。

○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。

○攝津眞澄君  平時においての使い方ということで、わくわくした使い方ができるようにということで、期待しております。

 災害復興を構成する要素として、1つ、住宅再建、2、ライフラインの復旧、3、都市計画事業、4、経済の活性化、5、雇用の確保も挙げられております。住宅の復興が進んでも町のにぎわいが戻らないという別の問題も出てくると言われています。

 たとえ南海トラフ大地震が起きたとしても、八幡浜市には大きな被害はないだろう。人間には、悪いことは自分の身には起こらないと思う正常バイアスの傾向があり、被災者の多くはまさか自分が住んでいる場所が被害に遭うとは思わなかったと言います。

 南海トラフ地震は明日起こるかもしれません。災害前から復旧後の地域の姿を想定し、実現のための取組を考えていく事前復興が重要になってきます。

 昨夜ちょうどNHKで南海トラフ巨大地震最悪のシナリオにどう備えるかという番組がありました。西の半割れでは10万200人、東の半割れでは8万400人の犠牲者が想定されており、建物の倒壊や道路の液状化、火災や津波の映像がリアルに再現されておりました。

 家の耐震化をし、震災後も住み続けられるようにしておくこと、家具の固定をし、家具のない部屋をつくることでけがも防ぐこと、災害時に要配慮者に玄関先まで出る習慣を持ってもらうこと、防災の日常化、フェーズフリーやローリングストック、インフラ・ライフラインの強化、経済への影響は東日本大震災の10倍以上と見込まれているため、企業の代替先を確保していくことで復旧が早まること、震災関連死の対策など、地域の力をふだんからつけておくことが必要だとのお話がありました。

 また、南海トラフ沿いでマグニチュード8.0以上の地震が出たときに、気象庁が発表する臨時情報巨大地震警報では、次の巨大地震の可能性が高まる29都府県に対し、1週間の事前避難となっており、今後シミュレーションを行っておく必要があります。

 私も実際高知の津波タワーに上り、高台に移築された公的機関や道の駅で地元の企業がつくった防災缶詰を拝見し、高知の方々の防災力の高さを感じました。

 自然災害を止めることはできませんが、一人でも被災者が減る減災対策や被災後の計画を早い段階でしっかりと立てていただくことを要望いたします。

 以上で私の一般質問を終わります。御丁寧な回答ありがとうございました。

お問い合わせ

議会事務局
住所:愛媛県八幡浜市北浜一丁目1番1号
TEL:0894-22-5998
FAX:0894-22-5963
このページの先頭へ戻る