一般質問(一問一答)R5.3 菊池彰議員

公開日 2023年06月09日

〔菊池 彰君質問席へ移動〕

○菊池 彰君  コロナ禍になり、制約、制限の多い非日常の生活をするようになって早くも3年以上経過しました。現在はマスク着用が当たり前になり、基本的な感染拡大防止策の徹底に向けた取組を継続していますが、新型コロナウイルス感染症対策本部は、マスクの着用は今月13日から個人の判断に委ねることを基本とする見直しを行いました。学校におけるマスク着用の考え方は、4月1日から適用するとのことなので、入学式が桜の満開の下、満面の笑みで挙行されることを期待しています。

 また、政府は、5月8日には新型コロナウイルスを季節性インフルエンザなどと同じ5類感染症に移行する方針を決定しました。一日も早く日常の社会経済活動を取り戻し、地域における人と人とのつながりが以前のように密になることを願っています。

 それでは、一般質問通告書に従いまして、大綱2点についてお伺いします。理事者の皆様には誠意ある御答弁をお願いいたします。

 大綱1、防災関連についてであります。

 2月6日、現地時間午前4時17分、トルコ南部のシリア国境付近で起きたマグニチュード7.8の地震は、2月25日時点でトルコとシリア両国の犠牲者が合わせて5万人を超え、倒壊した建物や倒壊のおそれがある建物が17万3,000棟、被災者が2,600万人を超えると言われています。

 1900年以降、トルコにおいて地震による死者・行方不明者が最も多かったのは、1939年にトルコ東部で起きた地震であり、そのときの犠牲者は3万2,962人であり、今回はそれを大きく上回りました。さらに、死者・行方不明者が2万2,000人を超えた東日本大震災の発生以降、世界の災害で最も多い死者数となっているようです。犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災者の間に不安が広がる中、生活再建に向けて世界各国の様々な支援が隅々まで届くことを願っています。

 トルコには複数のプレートがぶつかり合うプレートの境界が内陸にもあるため、大地震が発生しやすいと言われています。犠牲者が多くなった要因として、2000年代から急速な都市化が進んだトルコでは、住宅の量の確保が優先され、耐震化が後回しにされたことも原因の一つとなっています。

 愛媛大学、森 伸一郎教授は、日本も決して人ごとはない。トルコやシリアを襲った揺れは、耐震化が進んでいない建物にとってはひとたまりもない揺れである。旧耐震、1981年5月31日までに建設されたものの建物は日本に数多く残っていて、危機感を持って耐震補強や建て替えに取り組むべきであると述べられています。

 いつ起きてもおかしくないと言われ続けている南海トラフ巨大地震、内閣府は最大の死者数が32万人に達すると想定していますが、減災を徹底するなら6万人に抑えることができると試算しています。

 市民の命を守り、安心して安全に利用するためには、公共施設の耐震化は何よりも優先すべきと思いますが、それぞれの建物の耐震化の現状と今後の計画についてお聞きします。

 まず、市立保育所、幼稚園、認定こども園についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  お答えします。

 本市には公立の保育所が8か所、幼稚園が1園、認定こども園が1園あります。

 このうち愛宕保育所、千丈保育所、神山こども園の3施設について、現在耐震性が確保されていません。

 耐震化については、今年度末に策定予定の八幡浜市立保育所等再編整備計画に基づき、対策を講じることとしています。

 本年2月に関係代表者で構成する検討委員会から検討結果の報告書をいただき、それを基に作成した計画案について、現在パブリックコメントを実施しているところです。

 今後については、3月末に計画を策定し、4月から実行する予定です。

 なお、計画案では、愛宕保育所は閉所、千丈保育所は耐震診断等を実施、神山こども園は新築して移転することとしています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  それぞれの保育所で今後の計画を今課長から言っていただきました。私も地元日土の保育所、いつも通っているちょうど県道の下に見えますが、今回質問をするに当たり、どういった状況か見に行こうと思いました。平日の昼間に行きますと、保育所園児がおりますので不審者と間違われる危険性もありますので、休日に外から見させていただきました。

 ピンクできれいに塗装もしてありまして、本当にいつ建てられたものか分からないくらい新しく感じた次第ですが、日土保育所についてはいつ頃の建物で、耐震化はいつされたのか、この点についてお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  耐震基準が新しくなったのは、昭和56年6月からです。日土保育所は、新耐震基準となった直後の同年9月に建築確認済みの通知を受けて建設し、昭和57年3月に完成しています。よって、建物は新耐震基準に適合しており、耐震性は確保されていると認識しています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  外観ではなかなか判断できなかったわけですが、耐震基準が変わったちょうどそのときの建物ですので、もう40年近くなるということですが、本当に平家でありますし、中も見させていただきましたが、本当に園児たちが快適に安心・安全に過ごすことができるなと確信をした次第であります。

 小・中学校、市立幼稚園については、令和4年度八幡浜市小・中学校耐震診断結果をホームページで公開されて、耐震化が完了したことを確認をしています。

 次に、指定避難所、公民館についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  総務課長。

○総務課長(宮下栄司君)  お答えします。

 当市の指定避難所として小・中・高等学校、保育所、地区公民館等の84か所の施設を指定しています。

 災害時に初動で開設する避難所は、平成26年度に地区公民館や地区自主防災会と協議を行い、24か所を選定し、開設しています。

 その24か所の避難所のうち、耐震基準を満たしている避難所は20か所で、残り4か所が耐震基準を満たしていません。

 なお、指定避難所84か所で見た場合は、63か所が耐震の基準を満たしており、残り21か所が基準を満たしていない状況です。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  生涯学習課長。

○生涯学習課長(井上耕二君)  災害時に初動で開設する避難所のうち、地区公民館の状況について説明をいたします。

 初動で開設する避難所となっている地区公民館は14か所あり、そのうち耐震基準を満たしていない地区公民館は、松蔭地区公民館、千丈地区公民館、喜須来地区公民館、そして大島開発総合センター内にある大島地区公民館の4か所となっております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  耐震化をしていない指定避難所が4か所、あと残りの84か所中63か所で耐震済み、21か所が残っているということなんですが、ここへ市民の方を避難さすのは大丈夫であるのかということについてまずお伺いをします。

○議長(平家恭治君)  総務課長。

○総務課長(宮下栄司君)  お答えします。

 地震や風水害など災害の種別ごとに対応可能な避難所を開設することとしており、地震災害の場合は、例えば松蔭地区であれば、耐震性のない松蔭地区公民館の代わりに市民図書館あるいは市民文化活動センター「コミカン」を避難所として開設することとしています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  避難の際は、耐震化をしている建物に誘導するという課長の答弁でございましたので、安心をいたしました。

 次に、公民館のこれからの予定についてお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  生涯学習課長。

○生涯学習課長(井上耕二君)  松蔭地区公民館につきましては、現在福祉文化センター跡地での整備を進めております。

 そのほか、千丈地区公民館、喜須来地区公民館の2か所については、時期は未定ですが、今後建て替える予定でございます。

 大島地区公民館につきましては、未定でございます。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  まだ建物の建て替えについては未定ということですけど、できるだけ地区住民の方の安心・安全のために、できるだけ早い着工を願っております。要望とさせていただきます。

 次に、平成30年3月議会で消防団詰所の耐震化率について質問をいたしました。団員数の減少で分団、部の再編・統合を検討している中、詰所建設の進捗状況についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  総務課長。

○総務課長(宮下栄司君)  お答えします。

 消防団詰所については、車庫を含めた消防団詰所38棟のうち、建築基準法改正により昭和56年6月1日に施行された新耐震基準を満たしていない建物が6棟あります。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  耐震化の進んでいない建物が6棟という答弁でございましたが、今後の予定についてお聞かせをいただきたいと思います。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 耐震化をされてない6棟の消防詰所は、中央分団2部、中央分団3部、神山分団2部、真穴分団2部、大島分団、喜須来分団1部です。

 現在、平成30年度に作成をしました消防団再編計画及び消防団施設等整備計画に基づき、計画的に更新を行っているところです。

 耐震化されていない6棟の消防団詰所の更新につきましては、令和5年度に真穴分団1・2部、令和6年度に喜須来分団1・2部の消防団詰所の更新を予定しており、その他の消防団詰所につきましても順次更新していく予定です。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  ただいまの答弁の中で、令和5年度に真穴分団の1部、令和6年度に喜須来分団の1・2部ということで、あと4棟についてはまだ現時点では決まっていないとの答弁であると理解をいたしておりますけれども、やはり地域防災力の要であります消防団の詰所でございますので、この点については、何よりも優先して取り組む必要があるのではないかなという気がいたしますが、また考えをお願いします。

 また、更新から外れますが、私が消防団長させていただいた平成27年度に地震が発生して津波が来るおそれがある場合には、消防団の詰所からポンプ積載車を高台に移すということを決めているわけですけど、この点についてはその後、継続・周知徹底をされているのか、この点についても併せてお伺いをします。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  まず、最初の1点目の御質問にお答えをします。

 議員が言われるとおり、消防詰所は地域住民の身体、生命、財産を守るためのとりでだと思っておりますので、耐震化できていない詰所については、早急に整備をしたいと考えております。

 しかしながら、4つの詰所につきましては、用地等の問題がまだ解決をしておらず、例えば中央分団2部、これは天神通ですけれども、ここについては旧の八幡浜図書館移設後の跡地に建設を予定しております。

 また、このときには、中央分団1部、これは片山町ですけれども、それと中央分団5部、白浜についてもこの場所に移転統合される予定としております。

 中央分団3部、これは津羽井ですが、ここについては、建て替えるための適当な平地が周辺になく、現在候補地を検討中でございます。

 神山分団2部、これは栗野浦ですけれども、ここについては、集会所との複合施設となっているため、集会所の耐震化と併せて建設を検討する必要があるため、未定となっております。

 このように、残りの詰所につきましては、まだ用地等の問題が決まっていないため、現在のところ未定となっておりますが、なるべく早急に解決をして、それらが決まり次第、耐震化を図りたいと考えており、施工業者やあと起債などの問題がクリアできれば、たとえ1年に2か所になったとしても詰所整備をやってまいりたいというふうに考えております。

 次の2点目の津波が来た際に消防団の車両の退避についての御質問だったかと思いますが、津波が来た場合に、長期の浸水をしそうな詰所の消防車両、その退避場所につきましては、平成27年に策定をしました八幡浜市消防団津波災害時安全管理マニュアルに基づきまして、それぞれの分団で車両の退避場所を定めているというふうに聞いております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  ただいま部長の答弁の中で、やはり用地等の問題、そして複合施設であるがための耐震化、なかなか難しい状況であることは理解ができました。

 一年でも一日でも早く地域住民の方が安心・安全に暮らせるようにということで、さらなる協議、交渉をよろしくお願いいたします。

 また、消防車両の高台への移転については、しっかりとマニュアルが作成されている、ずっと継続されているということで安心をさせていただきました。ありがとうございました。

 続きまして、保健センター。市営住宅についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  保健センター所長。

○保健センター所長(小野嘉彦君)  お答えします。

 八幡浜市保健福祉総合センターは、昭和38年建築され、平成10年に愛媛県から購入し、同年に耐震診断、翌年に耐震補強を行い、平成11年11月から保健センターとして使用を開始しました。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  財政課長。

○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。

 令和4年度末の市営住宅の耐震化状況は、政策空き家を除く31団地74棟のうち、耐震基準を満たしていない住宅は、須川団地1棟、大竹団地2・3・4棟の2団地4棟となっています。

 説明は以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  保健センターについては、外観から判断しますとかなり古いとは思っていたわけですけど、あと2年もすると築60年ということになるんですが、耐震化が終わっているということで安心はいたしました。

 また、財政課長の説明の中での2団地の4棟でしたか、この分についてのこれからの耐震化の計画というものについては決まっているのか、お伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  財政課長。

○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。

 今後の耐震化の予定ですが、令和5年度に大竹団地4棟の耐震診断・耐震補強設計を実施予定であります。

 耐震工事が必要な団地につきましては、初年度耐震設計、次の年、次年度耐震工事という流れで、今後8年間の予定で順次耐震工事を進めてまいる予定としております。

 説明は以上でございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  準備段階、工事で今後8年間ということを今課長言われたわけですけど、この8年というのを何らかの方法で前倒しをして早く耐震化ができるような、そういった方法というのは考えることはできませんでしょうか。

○議長(平家恭治君)  財政課長。

○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。

 交付金の活用をして実施しておりますので、また交付金の採択、また予算の状況、その他住宅改修工事の内容等、あとまた順次検討いたしまして、前倒しができるよう検討して、また実施したいと思います。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  先ほどの消防団詰所の耐震化同様、できるだけ早くということでの対応をこれから考えていただきたいと思います。要望をさせていただきます。

 次に、住宅の耐震化についてお伺いします。

 住宅の耐震化については、自らの命を守るために必要なものとして意識啓発に努める必要があると思います。

 建物の倒壊に起因した火災や、避難路を塞ぎ緊急車両の通行の妨げになる危険性が考えられます。

 国土交通省の調査で、令和元年度の数値として、全国の戸数が約5,360万戸、そのうち耐震性ありが4,660万戸、耐震性不足700万戸であり、耐震化率は約87%となっています。

 令和7年の目標値として、全国の戸数約5,380万戸に対して、耐震性ありが5,110万戸、耐震性不足が270万戸、耐震化率95%を目標としています。

 現在、全国の自治体の85%が耐震診断に補助金を交付しており、また80%の自治体が耐震補強工事に補助金を交付しています。

 当市の住宅の耐震化率については、平成25年度で64.2%となっていますが、令和元年度以降、耐震診断や耐震補強工事に補助金の申請は何件あったのか、お伺いします。

 また、耐震化率の数値目標は設定しているのか、併せて伺います。

○議長(平家恭治君)  建設課長。

○建設課長(宮下研作君)  お答えします。

 市では、昭和56年5月31日以前に着工された一戸建ての木造住宅に対し、国・県の補助を活用し、耐震診断費用の補助制度を設けています。

 また、診断の結果、耐震性が不足していると認められる住宅の耐震改修工事費への補助も行っています。

 御質問の令和元年度以降の補助件数は、今年度までの4年間で耐震診断41件、耐震改修工事15件です。

 熊本地震が発生した平成28年度には、耐震診断が28件、翌平成29年度の耐震改修工事は9件ありましたので、その当時よりも申請件数は減少している状況です。

 次に、耐震化率の数値目標についての御質問ですが、八幡浜市耐震改修促進計画では、令和2年度に80%とすることを目標としていました。

 なお、耐震化率は5年に一度実施されている「住宅土地統計調査」のデータを基に推計しているものです。

 この調査は、次回来年度に実施されますので、その結果が確定した後に、この目標値の検証を行うこととしています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  やはり熊本地震の発生直後にはこういった相談件数も多かったということですけど、なかなかそれから時間がたちますと相談件数も減っているということですが、やはり何といいましても、改修費用の問題や個人がこの必要性をどう考えるか、大変難しい問題であると思いますが、これから先の啓発活動や今後の数値目標についてあればお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  産業建設部長。

○産業建設部長(垣内千代紀君)  市では、耐震化を促進するため、啓発事業として、平成25年度より市内各所の区域を選定し、耐震補助に関する資料のポスティングを行う戸別訪問や開催希望のある公民館での出前講座を開催しています。

 また、令和5年度には、「木造住宅低コスト耐震リフォーム講演会」を開催する予定です。

 また、今後の数値目標とのことですが、県の目標値に合わせ、令和7年度の耐震化率90%を目指したいと考えております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  耐震化率については、国と同じ90%の目標という部長の答弁でございました。

 私も昨日、おとといとNHKの南海トラフ大地震のテレビを見たわけですけど、やはり持家があるということは、復旧・復興の中で一番心強い存在であるということが言われました。やはりなかなか、先ほど申しましたように、費用の面もありますので、補助率、その辺十分啓発活動で住民の方に周知をしていただいて、この耐震化が目標数値に近づくように進むことを願っております。要望といいましょうか、この数値に近づくことを願っております。

 次ですが、毎年度防災の日に近い日曜日に地震津波避難訓練を実施していますが、災害の発生は日時、場所、季節を選ぶことができません。住民の円滑かつ確実で迅速な避難の実現に向けて、様々な条件、夜間の避難、高齢者の避難等の下、訓練を実施することで新たな問題点を発見することができるのではないかと私は思いますが、市の考えをお伺いします。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 議員が言われるとおり、災害は時間、場所、季節を問わずいつ起こるか分かりません。

 そのため、まずは夜間における避難訓練を考えており、今後各地区の自主防災会に対し訓練の呼びかけを行い、実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、既に取組を進めている地区もあり、今月下旬に夜間訓練を行う予定となっております。

 夜間の避難訓練を行うに当たりましては、いきなり地区住民を対象とした訓練を実施することが難しい地区もあると思いますので、まずは地区の役員だけで行い、避難経路における危険箇所を事前に確認した後に、地区住民を対象に訓練を行うなど、各地区の事情に応じた方法で取り組んでいただくつもりでおります。

 また、愛媛県では、令和5年度より南海トラフ地震津波対策推進事業及び南予津波夜間避難訓練支援事業を実施していく予定です。

 この事業により、夜間避難訓練を行うことで見えた課題を克服するために、県の助成が受けれるようになります。

 例えば、避難路に照明がなく暗いとか、未舗装で滑りやすいというような箇所に対し、街灯の設置や舗装工事などを行い、夜間における避難の安全性を確保していくことができると思っております。

 次に、高齢者等の避難については、現在条例に基づき避難行動要支援者名簿を各自主防災会、民生委員などに配付をしております。同時に、個別の要支援者について、誰が支援をするのかなどを記載した個別避難計画も作成をしていただいているところです。

 そして、年1回の更新時には、自主防災組織や民生委員にお願いをして、災害時にスムーズな避難が可能となるよう、計画内容のブラッシュアップを行っていただいているところです。

 なお、現在避難行動要支援者名簿には、市全体で1,348人が登録されています。

 来年度には、高齢者などの避難訓練を計画している自主防災組織もありますので、今後も各地区自主防災組織や関連団体などと連携して高齢者等の避難訓練に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  夜間の避難訓練については、大変大事であり、必要性を認識しているとの答弁でございました。

 つい先般、愛媛新聞に西予市三瓶町津布理地区の夜間避難訓練の記事がございました。自主防災会の会長の談話として、約30人が参加をしたが、暗い、危ない、怖い、そういった感想ばかりであったということでございます。最初は役員さんだけで行うことが必要というのは十分分かりますが、地区民全員にこういった夜間訓練への参加を促すための一番の注意点といいましょうか、その辺の考えについてお伺いをします。

 併せて先ほど高齢者の要援護者のサポートについて、私も今現在地区の区長をさせてもらっておりますので、名簿を見させていただきました。必ず2名のサポートがございます。

 しかし、海岸線地区で津波の被害から逃げるとなると、やはり不安があると思いますし、より早く、より遠く、より高く、こういったオリンピックのスローガンに似ているわけですけども、こういった形での避難をするためには、やはり1人につき3名、夜間であれば1人が道案内をして明かりを照らすというような必要性もありますので、こういったところに関しては3名が私は必要と思うんですが、この辺の考え方についてお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  2点御質問をいただきました。

 まず、1点目からお答えをさせていただきます。

 再質問いただきましたので、少し前置きをさせていただきたいと思います。

 私も、この土日ありました南海トラフ巨大地震のNHKの特集を見させていただきまして、大変なことだなと改めて思いを強くしたところですが、南海トラフ巨大地震が発生をする確率が、今後30年以内に70%から80%、今後40年以内では90%とまで言われており、先ほども申し上げましたように、それが本当にいつ起きるか分かりません。

 県の被害想定でも、これは地震と同時に津波が発生をした場合ですが、最悪のケース、冬、深夜、強風時、そのときにはこの八幡浜市の死者が770人、負傷者1,662人、建物は全壊、半壊を合わせると約1万7,000棟ということです。

 また、高齢者が非常に多い中で、地震発生から20センチの水位変動、津波が僅か5分後、1メートル津波が51分後、最高位の9メートル津波が72分後、1時間12分後ということで、それまでに避難を完了させることは並大抵のことではないと思っております。

 そのため、本市では、毎年8月末の防災訓練では、一定の時間的余裕のある自然災害よりは、いつ起こるか分からない地震、中でも南海トラフ巨大地震を想定した訓練を実施をしてまいりました。

 しかし、これまでは午前中の明るい時間帯ということで、夜間の訓練というのはリスクが多く、全体での訓練というのは実施できていない状況です。

 それで、御質問いただきました夜間避難訓練において注意すべき点ということですけれども、本当に地震がいつ起こるか分からない中で、日が暮れた夜間の訓練を実施するということは、とても大切ではありますが、リスクが伴うと思っています。

 それで、先ほども答弁させていただきましたが、これから各地区自主防災会のほうと協議をして、まずは準備が整ったところから順次実施をしてほしいと思っていますが、夜間ということで、高台等に避難をするにしても、状況は大きく異なってくると思っています。

 もしかしたら地震と同時に停電が発生したら、街灯すら点灯せず、真っ暗闇の可能性もあると思っています。

 それで、まずは避難訓練でけが人等が出たのではいけませんので、自主防災会の役員さん等で夜間における避難路の点検等をしていただき、危険箇所等を十分把握された上で実施をしていただければというふうに考えております。

 2点目の津波災害の場合に要支援者を2人の支援者でなしに3人の体制でサポートをすべきではないかという御質問に対してお答えをいたします。

 今ほど申し上げましたが、本当に津波の場合は時間との勝負だと思っております。ですから、避難に支援の必要な方をサポートする人数は多いにこしたことはないと思っておりますが、現在の要支援者の個別計画、個別プランでは2人を登録しております。

 高齢化とともに災害発生時に避難支援を必要とする方あるいは支援を希望される方は増えている傾向にあり、一方で人口減少に伴い若年層が減っていく中で、支援する側の人手は不足傾向にあります。

 ですから、1人の要支援者に3人の支援者をつけるというのはなかなか難しいのではないかと思っておりますが、一番大切なことは、要支援者を確実に避難させるためにはどうしたらいいのかということだと思いますので、例えば支援に元気な中学生、高校生が加わっていただくとか、そのあたりはまた市のほうと御相談をいただかないといけないと思っておりますが、やはり八幡浜市の地域の特徴は、そのあたりのコミュニティーが非常に充実しているということだと思いますので、地域でお互い助け合っていただいて、よりよい方法を検討していければというふうに思っております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  やはり夜間の訓練にはいろいろと難しい問題、ハードルが高いということを実感をした次第でございますが、先ほど部長答弁にありましたように、今県からの予算で街灯とか転落防止設備の補助等がございますので、やはり自主防災会といろいろと相談をしていただいて、十分なサポートをしながら、それぞれの地区でこの夜間訓練が実施につながるように、指導、打合せをお願いをしたいと思います。よろしくお願いをいたします。

 大規模災害の発生時には多くの市民が避難所へ避難することになります。避難所の運営には、施設管理者や自主防災組織の協力が不可欠であり、運営体制について事前に決めておく必要があると思います。ハザードマップを使用して土砂災害危険箇所を確認したり、コロナ禍で実施できなかった避難所運営ゲーム「HUG」や災害図上訓練「DIG」について、新年度から再び取り組んで避難所の運営体制を整えておくことが、防災意識の向上につながると思いますが、考えをお伺いします。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 避難所運営ゲーム「HUG」は、大規模災害時に公助が行き届かない場合に備え、住民自らが避難所を運営する際のシミュレーションができるため、大変有効であると考えております。

 また、災害図上訓練「DIG」は、地域の住民が住んでいる地域の地図を囲み、災害の種別ごとにどこにどのような危険があり、どこへ避難することができるかなど、地図に情報を直接書き込みながらワークショップ形式で防災対策を検討する訓練であり、これも大変有効であると考えております。

 これらの訓練につきましては、コロナ禍ではありましたが、令和3年11月には各地区自主防災組織、消防団員を対象に、令和4年11月には八幡浜市母子寡婦福祉連合会を対象に災害図上訓練「DIG」を行いました。

 また、本年1月には、職員研修の一環としまして、実際に避難所に配置される市の職員や経験年数の短い若手職員を対象に避難所運営ゲーム「HUG」を実施をいたしました。

 新年度以降につきましても、ウイズコロナの下、自主防災会連絡協議会や関係機関と連携しながら避難所運営ゲーム「HUG」及び災害図上訓練「DIG」をはじめとする有効な訓練方法について協議を行い、市民の防災意識の向上に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  コロナ禍ではありましたけれども、令和3年、令和4年、そして本年1月と、それぞれの団体の方にこういった講習をされているということで、この前向きな取組、大変感心をいたしておりますが、私の提案といたしましては、防災士の方もなかなかいろんな訓練の前に、人数制限があって研修会等は開けておられないと思いますので、次年度、防災士の方を対象にこういったDIGやHUGの訓練ができないかなと思うわけですけど、この点についていかがでしょうか。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  まず、現在防災士の研修につきましては、毎年夏に3班に分けて大体15人程度ずつの体制で3日間、消防署のほうにお願いをいたしまして、座学をはじめ心肺蘇生法、AEDの使い方、止血法などの研修を行っているところです。

 今、議員のほうから防災士対象にぜひこのHUG及びDIGの訓練を取り入れたらどうかという御提言でございましたが、まず毎年の消防署で防災士の研修をやっているものとは切り離して単独で、場合によっては自主防災会の役員さんとかも多く入っていただいてやれればというふうな思いがあります。

 HUG、DIGの研修はいい取組だと思いますので、まずは実施に向けて前向きに検討をさせてもらったらと思います。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  前向きな答弁いただき、大変ありがとうございます。実施に向けてさらなる打合せを、協議をお願いをいたしたいと思っております。

 最後に、防災士の登録者数について伺います。

 本年1月末現在で、防災士は全国で24万6,862名おられます。一番多いのは東京都で2万589名、2番目が愛媛県で1万9,606名となっていますが、現在の当市の男女別の登録者数についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  総務課長。

○総務課長(宮下栄司君)  お答えします。

 令和5年1月末現在において、日本防災士機構に登録されている本市の防災士登録者数は、男性386人、女性102人、合計488人です。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  防災士の登録者488名という答弁いただきましたが、今現在市内で17地区98の自主防災会があると数を把握しておりますけど、全ての組織の中で防災士の方がおられるのか、また今後も増やす考えはあるのか、以上2点についてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  再質問にお答えをいたします。

 先ほど総務課長が申し上げました本市の防災士登録者数488人の中には、市の助成を得ないで独自で防災士資格を取得した方もおられまして、その方々の所在までは今市のほうでは把握ができておりません。

 市の助成により資格取得した防災士は、488人のうち210人です。

 この210人は、現在17地区98組織ある自主防災組織の中の84組織に所属をされています。

 防災士の資格取得に係る費用は、県と市で全額助成をすることとしておりますので、現在防災士が不在となっている残りの14組織に対しましても、防災士資格の取得について進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  私はこの488名、皆さん公費で取られたのかなと思っておりましたが、半分以下の方ということで、やはりこれ会社の方とか学校関係かなと思うんですけど、多くの方が資格を取っておられることに安心をしたわけですが、やはり一番大事なのは、地元に何人おって活動されているかということだと思いますので、今部長答弁ありましたように、今現在14の地区におられないということですので、地区の方と相談をしていただいて、ぜひとも全98の自主防災会に防災士の方がおられるというような状況をつくっていただくように、よろしくお願いいたします。

 治にいて乱を忘れずという中国易経の教えがあります。平穏な日々が続くのは喜ばしいことではありますが、永遠に続くわけではないと誰しも理解しています。しかし、平穏が日常的になるとどうしても気が緩み、まれに起こる非常事態にあたふたと混乱してしまいます。日頃から緊急時に備え、危機意識を維持することが大切であると教示しています。

 平和で平穏な日々を過ごせることに感謝しながら、支援物資も危機意識もしっかりと備えることを提言いたしまして、次の質問に移ります。

 大綱2、地域おこし協力隊の現状と今後の取り組みについてであります。

 地域おこし協力隊は、都市地域から人口減少や高齢化等の著しい地域に移住して地域ブランドや地場産品の開発、販売、PR等の地域協力活動を行いながら、その地域への定住、定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期はおおむね1年以上3年未満です。

 この制度は平成21年度に開始され、全国における令和3年度の受入れ自治体数は1,085団体で、6,015名の隊員が活躍しておられます。

 政府はこの隊員数を令和8年度までに1万人に増やすという目標を掲げており、この目標に向け、地域おこし協力隊等の強化を行うこととしています。

 総務省では、地域おこし協力隊の活動に要する経費として、隊員1人当たり2022年度は480万円を上限、うち報償費等については280万円を上限として財政措置を行っています。

 隊員の男女比は、男性6割、女性4割で、幅広い世代の隊員が活躍しておられますが、約7割が20代、30代の若い世代であり、愛媛県においても令和4年4月現在で104名の方が地域住民と協働しながら日々活動しておられるようです。その6割近くが20代、30代で、若者世代がチャレンジできる地域として選ばれています。

 当市においては、平成27年4月から日土東地区で地域おこし協力隊員制度を導入して2名を委嘱しました。

 ここで質問ですが、現在までの隊員の人数と配属された地域についてお伺いします。

 また、年齢構成と男女の比率についても伺います。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えいたします。

 当市では、令和4年度までに合計16人の地域おこし協力隊を委嘱しました。内訳は、地域型として日土東地区3人、大島地区3人、磯津地区2人、高野地地区1人、神山地区1人の計10人、ミッション型として、市役所内の水産港湾課2人、政策推進課2人、商工観光課2人の計6人となっています。

 年齢構成については、採用時点で20歳代が7人、30歳代が7人、40歳代が1人、70歳代が1人となっており、男女比率については、男性が約3割、女性が約7割となっています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  ただいま16名という報告をいただきまして、やはり1人の方がちょっと高齢ではございましたけれども、ほとんどの方が20代、30代であるということで、愛媛県の平均と同じかなと思っている次第ですし、この人数につきましては全て要望があった地域については地域おこし協力隊の方は委嘱できたのか、この点についてお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。

 要望のあった地域については、委嘱できております。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  ありがとうございます。

 協力隊員の熱意と行動力が地域に大きな刺激を与え、住民が増えることによる地域の活性化に貢献があったと思いますが、ここまでどういった評価をされているか、お伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 現役隊員につきましては、地域の産品を使用した物品の販売などで、市外、県外でも八幡浜市の名前をアピールしたり、みかんアルバイターへ地域の紹介チラシを作成したり、様々な地域行事において住民とともに活動をしております。

 合計16名の地域おこし協力隊員につきましては、いずれの隊員も地域や関係者と連携しながら、またそれぞれの持つ強みを生かしながら一生懸命活動していただいていると評価をしているところです。

 また、退任されました隊員のうち、4名は市内定住につながっており、引き続いて本市の発展に貢献していただいているものと思っております。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  現在も含めて、現在まで当市に委嘱されました地域おこし協力隊員の方がしっかりと地域に根差して地域活性化に貢献されているという評価でございまして、これから先もこういった熱心な地域おこし協力隊の方が来られることを願っております。

 次に、企業に就職または転職した際、理想としていた働き方や職場のイメージと現実のギャップからミスマッチが起こるように、地域おこし協力隊の場合も隊員と受入れ側で双方の姿勢や方向性のずれは課題となっています。

 総務省の調査では、委嘱時に想定していた期間よりも早く退任した隊員が、2019年1月から2020年12月末までに604名確認され、うち106名が受入れ地域、受入れ自治体、隊員の3者のミスマッチが原因との報告がされています。

 当市において任期途中で退任した隊員がいれば、その状況についてお伺いします。

 該当者がいたとすれば、どういったことが要因であったか、これについてもお伺いします。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。

 令和4年度までに退任した12人のうち、10人が任期途中で退任となっています。結婚、家族の介護、転職など、様々な理由で退任されています。

 当市では、隊員が移住後の慣れない環境下で悩みや葛藤を日々抱えながら地域振興のために活動しているという点を考慮し、月に1回、定例会として隊員全員が集まり、各隊員が活動報告をし、意思疎通・連携を図っています。

 また、隊員ごとに個別ヒアリングを年2回実施し、この中で悩み事なども聞き、必要に応じてアドバイス、ケアを行っています。

 地域型の隊員の場合は、受入れ地域の方々とも年1回ヒアリングを実施し、地域での状況確認や困り事などの情報共有を行っているところです。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  私も一番にはこういった要因について知りたかったわけですけど、結婚や介護、転職ということでございますし、一番大切などういったコミュニケーションを取っておられるかなと思いましたら、月に定例会や年2回のヒアリングと、十分に地域おこし協力隊の方の悩み、要望については受入れ側として、理事者として十分なそういった体制を取っておられるということで安心をしたわけですけど、人数からいうとちょっと多いなという気はいたしますんで、これから先またこういった課題について考えていただきたいと思っております。

 こうしたミスマッチを防ぐためにも、地域おこし協力隊希望者が協力隊員として自治体で活動するイメージを想像したり、自治体との相性を確認したり、また自治体もどのような人が興味を持ってきてくれるのか、実際に地域で活動することができそうなのかを事前に知っておくことは、大変有効であると思われます。

 こうした背景から、段階的な措置として、2020年度にお試し地域おこし協力隊が、翌2021年度には地域おこし協力隊インターン制度が始まりました。

 お試し地域おこし協力隊は、住民との交流を含む2泊3日以上の地域協力活動の体験プログラムであり、受入れ地域、受入れ自治体、地域おこし協力隊希望者、3者のマッチングを図ることを目的とします。

 また、地域おこし協力隊インターンは、2週間以上3か月以下の期間で地域おこし協力隊の業務に従事できます。長期の設定とすることで、夏休みなどを利用した学生や社会人等の参加や将来的な隊員数の増加を見込んだ取組になっています。

 当市において隊員を募集する中で、応募者にこういった取組を紹介すれば、応募に迷いがあっても行動を起こしやすいと思いますが、考えをお伺いします。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。

 お試し地域おこし協力隊については、本市では制度化していませんが、地域おこし協力隊インターンについては、本市でも制度を導入しており、今後地域型の地域おこし協力隊を募集する際には、ミスマッチを防ぐためにこの制度を活用したいと考えています。

 この制度を活用し、採用前に実際に地域に入っていただくことで、隊員希望者にとっては地域の特徴や活動への希望を深く知ることができ、また地域の方々にとっても、隊員希望者の人柄などを知ることができるため、採用に当たってのミスマッチを減らすことにつながるものと考えています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  やはりこのインターン制度で事前に地域を知る、また来ていただく方の人柄も知る、考えも知るということができますので、大いに取り入れてミスマッチのないようにこれから先よろしくお願いをいたします。

 令和5年度地域おこし協力隊に3名、内訳として大島テラス内「しまカフェ」経営2人1組、移住支援1名の募集が2月28日に締め切られましたが、応募状況についてお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  議員から御質問のありました大島テラス内の「しまカフェ」経営と移住支援者に係る令和5年度の地域おこし協力隊の募集については、2月28日で募集を締め切り、関東・関西方面などから計4件の応募がありました。

 内訳として、しまカフェ経営については3件、移住支援については1件となっております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  やはり人気があるのか、4件応募があったということで、これから先の採用までのスケジュール、今課長のほうから応募者は関東、関西と言われたんですか、ちょっとその辺確認させてください。

 大島のしまカフェの応募者については、関東・関西方面からといった発言でしたか。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  そのとおりでございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  それでは、これからやはり現地に来ていただいて大島、また八幡浜を知っていただくことが重要と思いますけれども、これから先の採用までのスケジュール、これについてお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。

 まず、3月中に応募者の書類選考を行い、事前に担当者がウェブで意向確認を行います。その後、面接及び現地確認等を経て、採用者を決定する予定です。

 委嘱日につきましては、採用者決定後に協議したいと思っております。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  ぜひとも大島を好きになり、また八幡浜を好きになって、しまカフェが大繁盛しますように、活躍できる方が来ていただくように望んでおります。よろしくお願いします。

 さて、1月17日の愛媛新聞に、東予地区の地域おこし協力隊員の男性が地元団体とのトラブルを理由に退任した記事が掲載されました。全国から他の地域でも同様の事例が起きているとの反応が相次ぎました。

 協力隊制度が目指すのは、過疎地域への定住の実現であり、制度本来の趣旨に沿った運営に向け、隊員の活動しやすい環境づくりが急務である、専門家からは受入れ自治体によって結果に大きな差が生じているとの指摘がありました。

 県内での定住率は、県全体で69.5%、全国平均の65.3%より高い水準で推移しています。当市においての定住率はどうなっているか、お伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。

 八幡浜市では、退任した12人のうち4人が市内在住で、定住率は33%となります。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  33%、若干という言葉よりは、ほぼ県の半分以下ということで、寂しい状況もいたすわけですけど、ちょうど私がこういった質問をするかのように、3月3日愛媛新聞に、八幡浜支局管内でこういった地域おこし協力隊が起業の方法などを学ぶスクールの第1期生が2年間のカリキュラムを終えたという記事がございました。このときは、八幡浜支局管内で6名の方が学んだという記事でございましたし、22年度については現在8名が学んでいる、その記事でございます。

 やはり一番には、定着する協力隊が少ないということでの支局管内でこういったことをされているわけですけど、このカリキュラムを修了した6名のうち、八幡浜市で活動している方は何名おられるのか、また22年度に今8名の方ということで、この中に八幡浜の協力隊の方はおられるのか、この2点についてお伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  県が実施しております八幡浜支局管内の「地域起業応援スクール」ですけれども、まず1期生6名のうち、当市の地域おこし協力隊は2名です。

 2期目の8名のうち、当市の地域おこし協力隊はおりません。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  第1期生の6人のうち2名おられたということでございますので、この2名の方がしっかりと定住をしていただいたらと考えております。

 定住をするには、移住した場所で生活基盤を築く必要がありますが、地域おこし協力隊としての最終年次または任期終了翌年に起業する者または事業を引き継ぐ者に対して県や市の助成措置はあるのか、この点につきましてお伺いします。

○議長(平家恭治君)  副市長。

○副市長(菊池司郎君)  お答えをします。

 地域おこし協力隊員が起業や事業継承をする場合、愛媛県の「地域人材起業支援事業」として事業費の2分の1、50万円を限度に補助する制度があります。

 また、その補助を受ける場合に、市が25万円を限度に上乗せして補助することとしているため、例えば起業に係る費用が100万円とすれば、県から50万円、市から25万円、本人負担25万円で実施可能となります。

 なお、令和5年度中に退任予定の隊員1人が起業予定のため、この費用を当初予算で計上しています。

 なお、地域おこし協力隊に限った制度ではございませんが、市内で新たに創業を行う方に対して、事業費の2分の1、50万円を限度に補助する「八幡浜市創業支援事業補助金」制度があります。現在補助額の引上げを検討しており、この制度についても活用できる可能性があります。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  早速1名の方、現在協力隊の活動をされている方が、令和5年度に起業予定ということで、大変ありがたく、また定着をされるということでうれしく思っているわけですが、先ほど副市長が言われました起業に関しての地域おこし協力隊以外の方でも50万円の市の助成措置を構えている。また、この助成措置の金額を引上げ検討中ということを言われたわけですけど、この点についての市民への周知というのはどういった形でされようと思っておられるんでしょうか。

○議長(平家恭治君)  副市長。

○副市長(菊池司郎君)  今回この愛媛県の人材起業支援事業というのがございまして、この話を聞いたときに、うちには独自の制度がないかということで内部で確認をしましたら、既に先ほど申しましたような八幡浜市創業支援補助金があるということで、創業するにしてもやはりお金が要ります。できるだけ支援する方法がないか、選択肢がないかということで、この今上限50万円、これが果たして妥当であるかどうかを検討しまして、やはりもう少し上限を上げる必要があるのではないかということで今検討しておりますので、早いうちにある程度決まりましたら周知したいと思います。

 というのが、今、この間も御説明申し上げましたように、八幡浜港みらいプロジェクトそして四電跡地プロジェクト、そこには民間企業を誘致してにぎわいをということでございますけれども、想定するのはある程度大きな会社ということですけれども、にぎわいを創出するのには大企業だけではないと。やはり小さな事業者も必要で、にぎわいを出してもらえるものと思っておりますので、大きな支援と小さな支援合わせて両面から支援をすることによってにぎわいを創出できると思っておりますので、近々この制度は発表したいと思っております。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  多くの方にこういった助成措置を利用していただき、起業をしていただき、にぎわいを創出することが我々の願いでもありますし、こういった方が増えることを切に願っております。

 次ですが、即戦力を求めてより専門性の高い人材を雇用する制度として、2021年から「地域プロジェクトマネジャー」がスタートしました。地域おこし協力隊は全国に広がりを見せており、その数も右肩上がりになっています。

 一方で、30代以降の一定程度のキャリアを築いてきた人にとっては、志だけで応募するには難しい側面もあります。

 地域プロジェクトマネジャーは、地域の関係者、行政、地域、民間とをつなぎ、新たな事業や既存のプロジェクトを円滑に進めていくためのブリッジ人材としての立ち位置や役割が期待されます。

 雇用する場合には、650万円を上限に自治体に対して特別交付税措置、1市町村当たり1人が上限が用意されます。地域おこしに関わることは、その土地のことを把握し、人間関係の構築や実際に関わった経験があるかによってその人の専門性を十分に発揮できるか左右されます。地域おこし協力隊として地域おこしに関わった経験があることや専門的な知識を有する人材などを雇用していく制度でもあります。移住者をスムーズに多く取り込むために、この制度を活用し、活性化につなげたらと思いますが、考えをお伺いします。

○議長(平家恭治君)  総務企画部長。

○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。

 地域プロジェクトマネジャーの実績としては、令和3年度は全国で30人あり、愛媛県内の事例としては令和4年度に1件ございます。

 地域プロジェクトマネジャーを公募するには、自治体における重要プロジェクトを選定し、その重要プロジェクトの推進に必要な人材定義を行う必要があります。

 公募の対象には、協力隊OBなども入りますが、採用には公平性、透明性も必要とされることから、まずは他市町の事例を参考としながら検討していきたいと考えております。

 なお、制度の趣旨は異なりますが、外部専門人材の登用の事例として、当市においては幅広く地域活性化の課題に対応するため、令和3年度より三大都市圏に所在する企業等の社員を受け入れる「地域活性化起業人制度」を活用し、八幡浜港みらいプロジェクトの業務を担当してもらっているところです。

 以上でございます。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  既に八幡浜港みらいプロジェクトのこれに関してこういった人材が活躍しているということで安心をいたしました。

 議長、誠に申し訳ございません、先ほどの項目の中で1つ質問を忘れたわけですけど、これからよろしいですか。

○議長(平家恭治君)  時間がありますのでどうぞ。

○菊池 彰君  先ほどの県や市の助成措置はあるのかというところで、私、コロナ禍で十分な活動ができなかった協力隊員に、今国の任期特例が創設をされておりますので、こういった特例を利用される隊員はいるのか、この点について、順序が逆になりまして申し訳ございませんが、お答えをいただきたいと思います。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。

 新型コロナウイルス感染症により活動に大きな制約を受けた隊員が、3年を超える地域協力活動を希望し、受入れ自治体が「任期の延長が必要」と認めた場合には、2年を上限として任期を延長できます。

 当市において、令和4年度で任期終了となる隊員がこの特例を利用し、令和5年度末まで1年間任期を延長する予定です。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  今の関連になるわけですけど、令和4年度で任期終了予定の隊員が延期をするということで、また地域の方も喜ばれることと思っておりますが、今度令和5年度には2名の方が3年の任期を終了されると思うんですが、この2名についてのその後については、現在は把握されておられますでしょうか。

○議長(平家恭治君)  政策推進課長。

○政策推進課長(松良喜郎君)  令和5年度中に2名退任するんですけれども、起業と就農ということになっております。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  起業と就農ですので、2人ともこの八幡浜におられるということですので、安心をいたしました。

 2020年の愛媛県の人口は133万4,800人でした。県が昨年9月28日に公開した2060年の将来推計人口は78万3,500人、約55万人も減るとの推計に、多くの県民が衝撃を受けたことと思います。

 当市においても、2020年との比較で66%減の1万890人の予測でした。多くの市民の方が耳を疑ったことと思います。

 今回の試算は、何もしなければこうなるという試算であり、少子化対策、結婚対策、子育て支援等、次元の違う施策が必要になります。

 地域おこし協力隊の委嘱については、近隣自治体では10名を超えているところもあるようですが、当市においても地域協力活動を行い、地域活性化に貢献をして多くの若い世代を起業や定住に結びつけるために、人数を増やすことはできないか、お伺いをいたします。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  地域おこし協力隊を受け入れる際には、単なる人員補填との意識ではなく、受け入れる地域にも仕事・生活面ともにサポートできる支援体制や、協力隊の趣旨・目的に対する十分な理解、また定住を見据える場合には、退任後の仕事に関する相談にも乗っていただく、そんな必要があるかと思っております。

 地域おこし協力隊は、人口減少地域における地域活性化対策の一つであり、増員に対しても、準備が整えば前向きに検討したいと考えていますが、地域として必要な活性化に対する意識や支援体制を整えないまま増やそうとすることは、協力隊と受入れ地域ともにミスマッチを生む原因となりかねないため、今後の募集については、受入れ希望地域と丁寧に協議をしながら進めていくべきだと考えております。

○議長(平家恭治君)  菊池 彰議員。

○菊池 彰君  やはりサポート体制をしっかりして、なおかつ地域の方、本人、そういったミスマッチを起こさないためには、しっかりと打合せをする、そういった地域からの要望があれば対応していただくという理解でよろしいということでしょうか。

 分かりました。

 締めになりますけれども、地域おこし協力隊活動の中で、地域と隊員のつながりづくりやスキルアップ研修、隊員同士の交流会開催、任期後の起業の支援等について、行政がしっかりとバックアップ体制づくりをして、八幡浜市に一人でも多くの協力隊の方が定住し、将来家庭を持っていただくことを切望いたしまして、一般質問を終わります。

 ありがとうございました。

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