公開日 2024年06月11日
令和6年八幡浜市議会3月定例会会議録第2号
議事日程 第2号
令和6年3月4日(月) 午前10時開議
第1
会議録署名議員の指名
第2
一般質問
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本日の会議に付した事件
日程第1
会議録署名議員の指名
日程第2
一般質問
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出席議員(16名)
1番 井 上 剛 君
2番 攝 津 眞 澄 君
3番 平 野 良 哉 君
4番 田 中 繁 則 君
5番 遠 藤 綾 君
6番 菊 池 彰 君
7番 西 山 一 規 君
8番 佐 々 木 加 代 子 君
9番 竹 内 秀 明 君
10番 平 家 恭 治 君
11番 石 崎 久 次 君
12番 樋 田 都 君
13番 新 宮 康 史 君
14番 上 田 浩 志 君
15番 宮 本 明 裕 君
16番 山 本 儀 夫 君
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欠席議員(なし)
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説明のため出席した者の職氏名
市長 大 城 一 郎 君
副市長 菊 池 司 郎 君
教育長 井 上 靖 君
代表監査委員 若 宮 髙 治 君
総務企画部長 藤 堂 耕 治 君
市民福祉部長 福 岡 勝 明 君
産業建設部長 垣 内 千代紀 君
市立病院事務局長 井 上 耕 二 君
総務課長 宇都宮 久 昭 君
税務課長 田 本 憲一郎 君
政策推進課長 松 良 喜 郎 君
財政課長 明 礼 英 和 君
社会福祉課長 二 宮 恭 子 君
子育て支援課長 岡 本 正 洋 君
市民課長 倭 村 祥 孝 君
保内庁舎管理課長 二 宮 万裕美 君
生活環境課長 菊 池 和 幸 君
保健センター所長 小 野 嘉 彦 君
人権啓発課長 山 本 真 君
水産港湾課長 山 中 貞 則 君
建設課長 宮 下 栄 司 君
農林課長 松 本 有 加 君
商工観光課長 萩 森 久 人 君
下水道課長 菊 池 利 夫 君
水道課長 山 本 覚 君
会計管理者 河 野 久 志 君
学校教育課長 梶 本 教 仁 君
生涯学習課長 宇都宮 一 幸 君
監査事務局長 坂 井 浩 二 君
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会議に出席した議会事務局職員
事務局長 水 岡 能 成 君
事務局次長兼議事係長 菊 池 文 孝 君
調査係長 黒 田 昌 利 君
書記 北 本 真紗美 君
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午前10時00分 開議
○議長(樋田 都君) おはようございます。
これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、配付してあるとおりであります。
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○議長(樋田 都君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、議長において1番 井上 剛議員、16番 山本儀夫議員を指名いたします。
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○議長(樋田 都君) 日程第2 一般質問を行います。
順次質問を許します。
まず、菊地 彰議員。
〔菊池 彰君質問席へ移動〕
○菊池 彰君 おはようございます。
ちょうど1週間前になりますが、2月26日午後3時24分頃、南予を震源地とする震度4の地震が発生し、本市におきましても震度3の観測でございました。
私は外で仕事をしておりまして、ちょうど体がふわっと持ち上がったような下からの突き上げを感じまして、その後もしかしたら大きな揺れが来るかなと身構えておりましたら、幸いなことにそれで収まりました。
今日ふだんの生活が送れて、また蛇口をひねると水が出るという当たり前の生活をありがたく思い、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
2024年元旦、平穏な日々が続き、安心して安全に1年が過ごせますようにと、私は地元の神社で祈願して、のんびりとくつろいでおりました。
能登半島地域におきましても、家族、親戚、友人が集まり、幸多からんことを願って笑顔で会談・会食をされていたことと思います。
ところが、同日午後4時10分頃、マグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生し、めでたい雰囲気が台なしになったばかりか、2月20日時点では石川県全体で241名の方が亡くなられるという大災害が発生しました。震源地に近い珠洲市では103人、輪島市では102人の方が亡くなられ、災害関連死の疑いのある方も全域で15名となっております。
お亡くなりになられた方々の御冥福を衷心よりお祈りいたします。
住宅被害については、石川県全体で7万4,150棟、また道路の寸断などで孤立集落が発生し、一時は電気・水道も止まり、携帯電話も通じない状況の中で、24地区3,345人が苦しい生活を強いられました。
避難所に避難されている方も2月20日時点で1万2,463人であり、断水も2万2,000戸以上で続いています。
避難されている方は、3月1日時点で1万1,048人、また昨日ニュースを見ておりましたら、在宅避難をされている方が、先月末で4,557人とのことでございました。
あまりにも大き過ぎる被害ですが、教訓として地元防災に生かすため、通告書に従いまして、大綱1点についてお伺いいたします。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱1「防災・減災・避難所での施策について」であります。
今回の能登半島地震でも津波が発生し、珠洲市三崎町では、海面からの高さが最大4.7メートルに及び、40戸ほとんどの民家が津波で全壊・半壊の被害を受けました。
しかし、平時の備えを生かしたことで、住民、帰省客、初詣客180人全員の命が助かりました。
最大13.5メートルの津波の被害想定があるこの地区では、「何かあったら集会所」という合い言葉の下、毎年欠かさず避難訓練を行い、地震の際の行動を確かめていたと聞いております。手を抜かず、気を抜かず、継続する必要性を感じた次第であります。
また、テレビを見ておりましたら、能登地方のデイサービス送迎車両が、地震発生と同時に緊急停車した後、近くにいた住民の方々が乗車していた高齢者を背負って高台に避難して、全員津波から逃れることができたとの報道がありました。東日本大震災の教訓を生かした行動を頼もしく思うと同時に、無事を聞いて安心した次第です。
さて、愛媛県の被害想定では、南海トラフ巨大地震とともに津波が発生して、冬、深夜、強風等で最悪の場合、八幡浜市では死者770人、負傷者1,662人、建物の全壊1万2,117棟となっております。
能登半島地震の甚大な被害を目の当たりにして、本市においても同様の被害発生が懸念される中、何をどう改善していかなければならないか、具体策でなくても、現段階での率直な意見を伺いたいと思います。
○議長(樋田 都君) 市長。
○市長(大城一郎君) 地震や津波等の災害に対しては、何よりもまずは命を守ることが重要です。
市としましては、防災対策に終わりはないとの信念の下、災害による死者をゼロにするため、今後も最大限取り組んでいきたいと考えています。
いつ起こるか分からない南海トラフ巨大地震を考えれば、自分の身は自分で守るという「自助」、さらには避難に支援が必要な方のことを考えれば、地域で声を掛け合って避難し、地域で助け合うという「共助」の取組も大変重要になってくると考えています。
「公助」としましては、愛宕山への避難路及び避難地整備を進めているほか、令和3年度から10か年計画で必要とする備蓄食料の目標数を整備しているところです。
さらに、新年度は市内5か所の福祉避難所の消耗品や備品等を充実させるなど、避難所運営体制の強化を図ります。
また、能登半島地震の発生から2か月を経過した現状を見てみますと、上下水道施設等の公共インフラの復旧にはまだまだ時間がかかることが分かります。今後これらの公共インフラの耐震化についても、引き続き進めていく必要があると考えております。
最後に、南海トラフ巨大地震は必ず来ると思っていなくてはなりません。今後これらの防災対策事業を推進するに当たっては、災害による死者を一人も出さないという覚悟で、ソフト・ハード両面から必要な事業を取捨選択し、スピード感を持って実施していきたいと考えております。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ありがとうございました。
私もこの質問をするに当たり、発生から2か月ということで、具体的な対策はまだ出来上がってないのではないか、質問するのは早いのではないかという気がしておりました。それで、率直な意見ということで市長に今答弁いただきまして、やはり耐震化で、自助・共助の大切さを説かれました。これから自主防災組織の方にもそういった面を常に植え付けて、ソフト面での住民のつながりをこれからするべきであると感じているところであります。ありがとうございました。
愛媛県では、令和5年度より南海トラフ地震津波対策推進事業及び南予津波夜間避難訓練支援事業を実施して、夜間における避難訓練で見えた課題の対応として、街灯の設置や避難路の舗装工事、設備の設置等、ハード面の整備に県の助成が受けられるようになっております。
現在、市内17地区で98自主防災組織があると認識をしております。地震、津波はいつ襲ってくるか分からない中、これまでに夜間の避難訓練を実施した自主防災会はどれくらいあるのか、計画しているところはあるのか、また予想される最高位9メートルの津波が襲ってきた場合、危険度の高い自主防災組織はどのくらいあるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
これまでに夜間避難訓練を実施した自主防災組織は、真穴、川上、川之石、神山、松蔭、磯津の6地区で実施しています。
また、今年度中には白浜地区の大平自主防災組織及び川上地区で実施予定となっています。
令和2年3月27日に津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項の規定に基づき、愛媛県が本市に津波災害警戒区域を指定しました。
本市において津波の災害が懸念される自主防災組織は、17地区98組織のうち13地区49組織が該当し、今年度5月に実施した八幡浜市自主防災会連絡協議会の総会において、夜間避難訓練の実施の必要性を含めて説明しています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 既に6地区が実施をしているということで、また計画もあります。9メートルの津波の場合に襲ってくる危険性の高いところが13地区あるということでございますので、先ほど課長言われました、そういった夜間訓練の必要性を説明会で行ったということでありますけど、なかなか一般住民を巻き込んでは実施難しい面もありますので、役員さんだけでも先に夜間の避難訓練を実施していただきますように、その辺の周知を徹底していただきたいと思いますし、津波が襲ってくるのはここまでですという線引きはできませんので、やはり近隣の方にもそういった避難に参加してもらうように改めて周知をお願いしたいと思っております。
能登半島地震は大変厳しい寒さの中で発生し、停電、断水など、避難所でも苛酷な生活環境となっています。一次避難所の数についても、1月31日時点では、輪島市が87か所、珠洲市で44か所、避難者数4,353人となっています。
大規模災害時には、公助が行き届かない場合、防災士、自主防災役員、地域の方々で避難所の運用をしなければなりません。ソフト面の充実が求められます。
昨年5月よりコロナ感染症が5類へ移行して研修の機会が増えたと思いますが、令和5年度になり、現在までに災害図上訓練(DIG)や避難所運営ゲーム(HUG)を実施した地域や団体、受講した人数は何人であるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
災害図上訓練(DIG)は、地域住民が自分たちの住んでいる地域の地図を囲み、災害の種別ごとに、どこにどのような危険があり、どこへ避難することができるかなど、地図に情報を直接書き込みながらワークショップ形式で防災対策を検討する訓練であり、大変有効であると考えております。
また、避難所運営ゲーム(HUG)は、大規模災害時に公助が行き届かない場合に備え、住民自らが避難所を運営する際のシミュレーションができるため、これも大変有効であると考えております。
御質問の令和5年度に実施した事例としましては、令和5年11月に川之石小学校の教職員15名が避難所運営ゲーム(HUG)を実施し、また先月、令和6年2月には、八幡浜支局の愛媛県職員と実際に避難所に配置される市職員の合わせて72人が合同で避難所運営ゲーム(HUG)を実施しております。
なお、災害図上訓練(DIG)につきましては、令和5年度における実施事例はありませんが、令和4年度には11月6日に八幡浜市母子寡婦福祉連合会で36人により、令和3年度は11月19日に自主防・消防団合同で43人により実施をいたしております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま市の職員、県の職員の方合わせて実施したという、また川之石小学校等も報告いただきました。
そういったHUG、避難所運営ゲームをした中で出てきた課題はどのようなものがあったのか。
また17地区それぞれの自主防災組織がある地区においては現況、またそこにおいても地域の方、役員の方みんなにこういった訓練を体験していただいて、自分自身のスキルアップのために役立てていただきたいと思いますので、その辺についてどのように考えておられるか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 2点再質問いただきましたので、一つずつ順番にお答えさせていただきたいと思います。
まず、1点目、避難所運営ゲーム(HUG)について、それを実施した場合にどのような課題が出てくるのかという御質問にお答えをしたいと思います。
避難所運営ゲーム(HUG)につきましては、私も参加をさせていただいたことがあるんですが、これは議員御承知のとおり、避難所でこういう事態が発生したときにどうしますかというカードが付与をされます。そういうことで、これは2月に行いました市職員・県職員合同の事例に限らず、避難所運営ゲームをして必ず問題となるのは、まず1番目には、断水により使えないトイレをどうするのかということです。それ以外では、女性の着替える場所や乳幼児への授乳などプライバシーの確保をどう図るのか、ペットを連れてこられた方への対応をどうするのか、外国人など言葉が十分に通じない方への対応をどうするのかなどが上げられます。
もちろん、以前のコロナ禍におきましては、感染症対策のほか、人と人との距離を取る、いわゆるソーシャルディスタンスですが、そのため定員を減らした避難所におきましては、受入れができないなどの課題もございました。
2点目の御質問の、今後17地区自主防災会においてこのようなDIG、HUGをやっていただくように、市としてどのような啓発活動を行っていく考えがあるのかという御質問にお答えをしたいと思います。
昨年も5月に開催をいたしました自主防災会連絡協議会の総会におきまして、DIGあるいはHUGの研修について案内をしたところでありますが、今年度については各地区自主防災会から要望が上がりませんでした。
なかなか、DIGにつきましてもHUGにつきましても1回やってみないとその効果が実感できないと思いますので、今後につきましては、もっと丁寧に説明をし、啓発をしていきたいというふうに思っております。
そして、今は、先ほど議員からもありましたけれども、今年元日の能登半島地震を受けまして、連日テレビで避難所の様子が報道されており、避難所の在り方を含めまして、またとなく防災意識が向上しているときだと思いますので、この機を逃さないように啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 先ほど答弁の中にございましたので、重なる部分もあるんですが、広報3月号に市職員の研修で避難所運営ゲーム(HUG)に取り組んでいる記事がありました。市民の方の防災意識の向上のために、それぞれの地域でHUGやDIGの研修を実施してはどうでしょうか。
また、運営スタッフに女性が少ないとの指摘があります。女性がいろんな場所に参加し、女性の視点を取り入れた避難所を運営したり、そのような避難所を運営できる人材を育成する必要があると思いますが、考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市、珠洲市などでは、避難所生活が長期化し、被災者の心身への負担増加が懸念されており、中でもプライバシー制限などの影響が特に大きいのは、女性や乳幼児など社会的弱者と言われております。
新聞報道によりますと、ある避難所では、当初女性用の肌着や生理用品が他の物資と同じように並べられ、その後変更はされましたが、女性スタッフが疑問視するまで見落とされていました。
また、別の避難所では、女性が更衣室の設置を要望しましたが、運営責任者の男性は「段ボールの仕切りがあるのでしゃがめば着替えはできる」と答えたとのことです。
さらに、仮設トイレが不衛生であったり暗い場所にあったりするため、女性や高齢者が使用を我慢する結果、体調悪化を招くケースがあるなど、様々な事例が報じられています。
これらのことから、避難所においては女性の意見が反映される仕組みづくりが必要に思います。
避難所の運営は、市を含む関係機関、自主防災組織、ボランティア団体などの協力の下実施するものでありますので、今後は八幡浜市自主防災会連絡協議会や各種女性団体と協議していくとともに、避難所運営ゲーム(HUG)などの実施に際しましては、女性の積極的な参加を促すなど、女性の視点を取り入れた避難所運営が図られるように努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま答弁にございましたように、やはり避難所の運営はどうしても男性中心の目線になるということでございますが、本市におきましては女性防災会議、こういったものがございますが、定期的に開催して防災面におきまして女性の意見を取り入れて、これまでに改善してきたことがございましたら答弁をいただきたいと思います。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 今議員から御質問いただきましたように、本市では女性防災会議などを通じましてこれまでも可能な限り防災面に女性の意見を取り入れてきているところでありますが、御質問のありました、これまでに改善をしてきたこととしましては、まず備蓄食料で、従前は置いていなかった子供用おむつ、大人用おむつ、生理用品、粉ミルクや哺乳ボトルなどの備蓄を現在はいたしております。これらは、男性ばかりで考えているとなかなか気づかないところであったのかなというふうに思っております。
このほかにも、先ほど避難所運営ゲームでの課題としても出てまいりました、乳幼児への授乳や女性が着替える場所などプライバシー確保の問題につきましては、その当時、避難所に段ボールベッドを配備すべきなのか屋内用テントを配備すべきなのか随分議論をいたしましたが、完全に密閉空間がつくれ、プライバシーが保たれる屋内用テントを他市に先駆けて導入をした経緯がございます。
このことは、結果的ではありますが、新型コロナウイルス感染症対策においても有効であったと思っております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 先ほど避難所の運営に女性が少ないのではないかということで質問させていただきました。
それを受けて、今多くの自治体において防災担当の部署に女性が配置されていないというような指摘がございます。ちょうど本年2月5日の愛媛新聞の記事でございましたが、「災害に対応する防災・危機管理部局に女性職員が一人もいない「女性ゼロ」自治体は、全市区町村の61.1%を占め、防災部署にいる女性職員の割合は全市区町村の平均で9.9%」とのことでございました。
本市においても、危機管理・原子力対策室に女性職員はいないのではないかなという感じがしておりますので、配置する考えはないかということをお伺いをいたします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 現在、総務課危機管理・原子力対策室に女性の会計年度任用職員が1人いますが、正職員は全員男性です。
今回の能登半島地震被災地の避難所で配備されていない備品としまして、女性用の下着をはじめ妊産婦向けの衣類や下着などの用品、防犯ブザー、ホイッスル、また乳幼児用品におきましては、粉ミルクはあっても液体ミルクはないとか、生後半年頃から必要となる離乳食など、これらはどこまでやればいいのかという課題はあるとは思いますが、そもそもこれらは女性でなければ気づかないものなのかなというふうに思います。
今議員から、危機管理室に女性職員の配置をということでありますが、こればかりは人事に関係することになりますので、今明確なお答えはできませんが、検討してみたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり地域の避難所において女性の視点でいろんなことを要望したくても、受ける側の自治体、ここにも女性職員の方がおられれば、よりよい関係を構築できると思いますので、この辺はぜひ検討をお願いをいたします。
次に、令和4年度末までの本市の防災士の人数と女性の割合、17地区全てで女性がおられるのか、また今後の防災士の人数について、増やす予定であるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
令和5年11月末日現在におきまして、日本防災士機構に登録されている本市の防災士登録者数は、男性425名、女性117名、合計542名、女性の割合としては21.6%です。
そのうち本市の助成を受けて防災士の資格を取得した方は、男性186名、女性44名、合計230名で、女性の割合は19.1%です。
なお、市の助成を受けないで独自で防災士資格を取得された方々の所在までは市のほうで把握はできておりませんので、市全体の女性防災士117名のうち、市の助成により資格取得した44名の女性防災士の所属で申し上げますと、本市の全17地区自主防災会中13地区自主防災会に所属しております。
今後につきましても、女性防災士を含め積極的な資格取得を各地区自主防災会に呼びかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今後の計画について伺いまして、予定どおりに増員もできることを願っておりますし、全ての地区で女性スタッフが増えることを願っております。なおかつ、頼りになる存在としてスキルアップに努めていただきたいと考えております。
次ですが、先日NHKのニュースで、愛媛県内において耐震診断した住宅のうち、耐震工事実施は4割未満との報道がありました。
能登半島地震では、多くの人が倒壊した建物の下敷きになって亡くなるなど、住宅の耐震化が改めて課題となっています。
県内の市と町は、昭和56年以前の古い耐震基準で建てられた木造住宅を対象に、耐震診断と耐震工事の一部を補助しています。
NHKが県内20市町で調査をしたところ、県の支援を受けて市や町が耐震工事の補助を順次開始した平成23年度以降、1月までに行われた耐震診断は4,509件であったが、耐震工事まで行われたのは1,732件で、全体の38.4%であるとのことです。
正常性バイアスが働いたり、個人負担の多いことが耐震工事まで行かない要因のようです。
平成23年から本年1月末までの本市の耐震診断の件数、耐震工事の実施率はどれくらいか、また現在の住宅の耐震化率についても伺います。
○議長(樋田 都君) 建設課長。
○建設課長(宮下栄司君) お答えします。
耐震関連事業の実績につきまして、平成23年4月から令和6年1月までの耐震診断の件数は107件、そのうち耐震改修工事に至った件数は36件あり、耐震改修工事の実施率は33.6%になります。
また、本市の住宅耐震化率は、平成30年に実施された総務省住宅・土地統計調査のデータが最新になりますが、木造戸建て住宅で70.4%、非木造を含む共同住宅などで84%、住宅全体では74.8%となっています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 これ若干古い資料になるかもしれませんけれども、八幡浜市、令和2年に耐震化率80%の目標がございまして、令和7年は90%、この目標を設定しておられます。
国のほうでは、令和7年には95%の目標を設定しておられますけど、この数値について、市として十分達成可能な数字になるのか、目標ではありますけど、その辺の現時点での状況、考えをお伺いしたいと思います。
○議長(樋田 都君) 建設課長。
○建設課長(宮下栄司君) 議員の言われるとおり、八幡浜市耐震改修促進計画におきまして、令和7年度の耐震化率を90%、令和12年度には95%とすることを目標にしています。
これは県の計画のほうを参考に設定のほうしてるわけでありますが、来年に住宅の耐震化率、新しい住宅・土地統計調査のデータのほうが出ますので、こちらのほうを見ながらちょっと設定のほうは考えていきたいと考えております。
啓発とか周知のほうに力を入れまして、こちらのほうを何とか達成したいと考えております。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 一般財団法人日本建築防災協会の調査によると、耐震補強リフォームに係る費用相場は、改修を行った人の約55%が200万円未満、そのうち100万円から150万円の人が最も多いことから、150万円前後が耐震補強工事の平均相場であると言われています。
和歌山県田辺市では、能登半島地震で古い木造住宅が多く倒壊し、倒壊した建物の下敷きになるなどの圧死が4割と最も多かったことを受けて、4月から住宅耐震改修補助金上限を150万円に引き上げる方針を示しております。
従来は、国が50万円、県と市が33万3,000円を上限として、合わせて116万6,000円でしたが、今回市の負担を33万4,000円増額予定で、2月27日開会の3月市議会に7,166万円予算計上をしております。
能登半島地震を受けての今後の耐震化率向上への取組の中で、市民の生命・財産を守るため、耐震工事補助金の増額を思い切って検討するべきと思いますが、考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) 本市の耐震改修工事に対する補助金は、100万円を上限に対象工事費の5分の4の金額を助成しています。
現在のところ、上限額の引上げは考えておりませんが、新たな取組としまして、令和6年度当初予算の中で耐震診断後の実施設計に対する補助金を計上しています。
制度概要は、20万円を上限として設計費用の3分の2の金額を補助する内容です。
これで、診断、設計、工事の各工程で切れ目のない補助制度が完成するとともに、市民の負担軽減につながると考えております。
また、今後の方針としまして、地震から市民の生命を守るため、これら耐震に関する制度の周知・啓発にも重点を置きながら耐震化の促進を図っていきたいと考えております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私もこの田辺市の3月議会の補助金を見まして、他の市はどうなっているのかということをちょっと調べてみますと、田辺市が今耐震化率が73%、新宮市が72%ということで、新宮市においても今現在ですけど146万6,000円の補助制度がございますが、やはり根幹として、和歌山県岸本知事が26年度末までに100%を目指すと、そういった考えがあってのこういった措置かなと思いますけれども、やはり当市におきましても状況を見ながら対応をお願いします。
また、熊本地震発生後には問合せも多かったと伺っておりますけど、今回地震後の問合せの件数や内容、また耐震化の必要性のための出前講座、こういったところを予定されておられるのかということについてお伺いをします。
○議長(樋田 都君) 建設課長。
○建設課長(宮下栄司君) 耐震化の促進を図るため、県と協力しながら、各地区公民館への出前講座や戸別訪問を実施するほか、広報紙や市のホームページへ補助制度を掲載するなどの周知・啓発活動を実施しています。
出前講座の実績としまして、平成25年度から令和元年度までの間、9地区の公民館で実施しましたが、令和2年度以降はコロナ禍の影響により実施できておりません。
また、戸別訪問につきましては、平成25年度から昨年度までに1,200戸を訪問しています。
さらに、昨年6月、新たな取組として、事業者向けではありますが、耐震改修の低コスト工法の勉強会を実施しています。
なお、令和6年度能登半島地震以降の相談件数は10件程度で、そのほとんどが耐震診断や耐震改修工事の補助制度の詳細についての問合せです。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり地震直後というのは問合せが多いということを改めて実感いたしましたけれども、これからも出前講座を充実させて様々な形で受講される方を増やしていただきたいと思っております。
次に、「災害時協力井戸」の事前登録制度の導入についてであります。
私はこの件について、令和4年9月議会の一般質問の中で、井戸の所在情報を登録して、同意を得た方の井戸をホームページで公開している近隣自治体の事例を紹介し、導入の必要性を提言したところであります。
平成30年豪雨災害では、宇和島市吉田町にある吉田上水道に土砂が流入して上水道が機能不全になり、吉田・三間地域が1か月以上断水しました。断水が長く続き、生活用水の確保が困難だったとき、各地域にある井戸からもらった水を風呂やトイレに利用して大変助かったと聞いております。
2月20日、愛媛新聞の記事でございますが、「能登地震断水の8市町 井戸活用計画未整備 災害用登録制度なし」の見出しがありました。
輪島市や珠洲市など8市町において、地域防災計画では「緊急用の水源として井戸水の確保に努める」「比較的汚染の少ない井戸を水源に選定する」などとしていましたが、具体的な制度づくりには至っていなかったとのことであります。
被災地では住民の声掛けなどにより井戸が自発的に開放され、共用された地域もあったようですが、計画が整備されていればよりスムーズに活用できた可能性があり、ルールづくりの必要性が高まっています。
大阪公立大・遠藤崇浩教授の2018年から2019年の調査によると、災害用井戸の活用制度は、全国1,741市区町村のうち418市区町村で導入されていたようです。
令和4年9月議会の一般質問において、防災井戸について質問をさせていただきましたが、当時の総務課長より「八幡浜市には飲用井戸として124か所ある。内訳として、一般飲用井戸88か所、業務用井戸36か所となっている。また、飲用以外の井戸の数は把握していない」と御答弁をいただきました。
能登半島地震を教訓として、今後の災害に備え、活用できる井戸を把握するため、事前登録制度の導入を図るべきと思いますが、改めて考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
能登半島地震の避難所運営の支援に派遣した職員も、上下水道が使えない生活は大変であったとの報告があり、改めて生活していく上での水の必要性を再認識したところです。
井戸につきましては、市が新たに井戸を掘削することは考えておりませんので、市内の個人や事務所が所有する災害応急井戸を活用することになります。
その中には、大腸菌検査等の必要性もあり、飲料水としての使用ができない井戸もあると思いますが、飲料水以外の生活用水での使用も視野に入れ、まずは他市町の井戸の活用方法を調査してみたいと思います。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 この議場におられる方は誰も経験したことないと思いますが、2か月以上水の出ない生活というのは、考えても本当にどういった生活になるんだろうというような全く想像もつかない苛酷な状況であると思います。
これは先般、宇和島市の中での防災井戸の関係なんですが、この方が防災井戸に登録して、交流サイトやチラシで情報提供をして、毎日利用者がいた。なおかつ保健所の水質検査で飲用ができたということでございましたが、その井戸にはステッカー、また御自由にお使いください、そういったものを取り付けていたということでございますので、また今後できましたら、今日はいい返事をいただけるかなと思っておったわけですけど、前向きな検討をよろしくお願いをいたします。
たとえ飲用井戸として登録があり、生活用水に利用しても、飲み水として利用するにはちゅうちょされる方が多いのではないかと思われます。
今回の能登半島地震において、各地から給水車が応援に駆けつけ活躍中であります。やはり井戸水ではなく、浄水を積んだ給水車が活動することで、市民の安心感につながりますし、大規模災害時に応援要請があれば、被災地支援はもとより、冬場の渇水時期の対応もできると思います。
当市も現有車両を用いた応急的な給水活動を行っているとは思いますが、専用の給水車の導入について考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) 当市は給水車を所有しておりませんが、容量1トンのステンレスタンクを2基、1.2トンのポリタンクを7基所有しており、それらをトラックで運搬することで、災害時や渇水時にも飲料水の提供が可能です。
しかし、送水ポンプを内蔵している給水車とは違い、能登半島地震でも必要となっている高いところにある受水槽への給水が行えない問題があるため、その教訓により、近い将来の導入を考えているところです。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 給水車につきましては、今現在全国で、これは回答を求めたけど70%ぐらいの回答率であったということで、あくまでも推測の域ですが、1,300台から1,500台あるのではないかと言われておりますし、2トン車の場合、1人1日3リットルの水を使用するとしまして、それで2,000リットルの場合約666人で、1日5回は給水ができるだろうということで、2トン車1台で1日3,300人はカバーできるとの数字が出ておりますし、政府が令和元年に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定においては、断水が3,570万人、こういった人数が利用できないだろうとの数値を出しております。やはり1台あればいろんな使い方ができると思いますので、ぜひこの件につきましても前向きな検討をよろしくお願いをいたします。
能登半島地震の被災地では、断水の長期化が深刻で、耐震化されていない水道管が広範囲で損傷し、全域での断水の解消は3月末の見込みとのことです。
厚生労働省によると、2021年度末で水道管の耐震適合率は全国平均で41.2%、石川県が36.8%、被災地の志賀町は10.4%、七尾市21.6%、珠洲市36.2%、輪島市52.6%であります。
また、耐用年数の40年を過ぎた水道管は、全国で約15万キロメートルあり、国は更新を進めつつ、28年度末の耐震適合率の目標を60%としています。
本市の最新の耐震化率及び水道管の総延長距離と耐用年数を過ぎた水道管の距離、また1年間に耐震化はどれくらい進んでいるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 水道課長。
○水道課長(山本 覚君) お答えします。
当市の上水道の基幹管路は約102キロメートルで、そのうち耐震化済みは約34.9キロメートル、耐震化率は34.2%です。
また、耐用年数を過ぎた基幹管路の延長は約30.1キロメートルで、老朽管率は29.5%です。
基幹管路の耐震化工事については、2027年度末の耐震化率43.5%を目標とした水道事業経営戦略に基づき計画的に実施しているところですが、同戦略を策定した2017年度末の耐震化率が19%で、2021年度末には34.2%となっており、平均して1年間に3.8ポイントの進捗となっています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今、課長から答弁いただきまして、2017年度から毎年3.8ポイントずつ上昇して、2021年には34.2%まで上昇しているとの返答をいただきました。
上水道は、維持管理、改築更新、時間と費用もかかるため、なかなか進みにくいと聞いておりますが、これからもしっかりと組織づくりをして、計画どおり耐震化が進むことを期待をしております。
次に、下水道についてであります。
下水道管には、鉄筋コンクリート管、硬質塩化ビニール管、ダクタイル鋳鉄管などがあります。
世間一般的に、コンクリートについては耐用年数が50年と言われているようです。
公共下水道事業以前に敷設された管渠はコンクリート管、いわゆるヒューム管が主に使われていると聞いており、耐用年数が心配されるところであります。
下水管の総延長、耐用年数を過ぎた下水管の割合、更新の状況についてお伺いします。
○議長(樋田 都君) 下水道課長。
○下水道課長(菊池利夫君) お答えいたします。
本市の公共下水道における管渠の総延長は、令和5年度末時点で186.3キロメートルであり、そのうち耐用年数を過ぎた延長は14.8キロメートル、割合で7.9%となります。
また、管渠の更新状況ですが、現在、公共下水道ストックマネジメント事業により随時更新をしております。
この事業は、長期的な視点で下水道施設全体の老朽化の進展状況を予測し、リスク評価により優先順位づけを行った上で、点検・調査及び修繕・改築を実施し、下水道施設全体を計画的かつ効率的に管理することを目的としています。
現在の状況としましては、令和2年度から令和6年度までを第1期計画として、耐用年数の経過にかかわらず、調査により緊急性の高い区域である旧八幡浜市中心部における管渠の更新を実施しており、第1期計画の対策必要延長609メートルに対し、更新済み延長は418.3メートルで、更新率は69%となっております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今、下水道課長から更新しているのは約70%であり、計画どおり進んでいるということが分かったわけですが、今回の能登半島地震で一番ひどかった珠洲市においては公共下水道94%の機能を失っていると。能登半島地域においては685キロ、これは6つの市と町でございますが、52%で機能を失っているとの資料がございました。
なかなか人口減が進んで、関連の料金収入が先細る、そういう中での費用対効果を考えて耐震化の優先順位は低くなる傾向であるとの指摘もございます。
当市におきましては、先ほど70%更新をしているということでございますので、計画どおりに上水道の耐震化同様、下水道におきましても計画どおりの更新を期待をしておりますし、実施をしていただきたいと思っております。よろしくお願いをいたします。
次に、災害時のペット対策についてであります。
愛媛新聞2月9日の記事に、「県内避難所ペット受け入れ整備進まず」の見出しがありました。
災害時にペットと避難したいというニーズが高まり、国は一緒に避難所まで赴く「同行避難」を推奨しています。
定義では、同行避難とは避難所まで行くまでの話で、同居できるという意味ではないとのこと。ペット同伴での受け入れは各避難所の判断によるため、ルールを持たない避難所が受け入れを断る事例も相次いでいたとのことです。
能登半島地震でもペットが入れない避難所があり、一部の飼い主は傾いた自宅や車中に泊まるなどしたため、飼い主の安全面や健康面を配慮して、石川県は1月21日にペット専用のトレーラーハウスを整備したようです。珠洲市も28日には一緒に過ごせる避難所を開設しました。
このように、今では災害時のペット対策は必要不可欠となっております。災害時の避難に際し、避難所のペット受け入れが進まないことから、避難をちゅうちょした人が多いことが分かっております。
県内において、現時点で各指定避難所のマニュアルにペットについて記載があるのは2市、そのほか4つの市と町がペットの記載を含む避難所マニュアルを策定中であります。人命が先で、ペットまで手が回らないという自治体もあるようです。
私はペットを連れて避難したいと考えておりますので、キャリーケースを3個準備しております。
東日本大震災を機に福岡VMAT(災害派遣獣医療チーム)を設立した獣医師の船津敏弘さんは、災害への備えは、しつけ・健康管理・備蓄であると言われております。
本市においても、飼い主に避難所での同居の注意点・留意点のマニュアルを作成してルールづくりをするべきと思いますが、考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
本市としては、大規模災害時にペットを連れて避難される方への対応は必要と考えており、ペット同伴の避難につきましては、平成29年5月に八幡浜市避難所運営マニュアルを作成し、ペット連れ避難者の対応を明記し、避難所での飼育のルールや避難者への対応などを定めております。
これは、大災害時には通常の警報発表時のように市職員が避難所を開設することは難しいため、発災後直ちに自主防災会等が避難所を運営していかなければならないことを考慮し、必要と思われることをマニュアル化したものです。
また、市内の獣医師と相談し、避難所での飼育環境を確保するため、大小25個ずつ合計50個のペットケージを購入しております。
現在、八幡浜防災倉庫、旧双岩中学校、旧青石中学校に配備し、災害時に必要な避難所で活用することとしております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 平成29年5月に既にマニュアルをつくっているということで、対応の早さに感心をいたしました。
私も、同僚議員がこのペットの同行避難について質問をしたのは記憶にございましたけれども、こういったマニュアルが完全にできているということまで承知をしておりませんで、こういったマニュアルの周知についてはどうされているのか。
また、これは愛知県犬山市の事例でございますが、一昨年、2022年12月から市内33か所の指定避難所のうち3か所をペットとともに過ごせる同室避難に変えております。
また、本年1月22日には、犬・猫など動物8匹と動物病院のスタッフら30人で大雨警報発令を想定して避難所を設営をしております。
ペットとの同室避難が理想ではありますが、当市として飼い主に準備していただきたいこと、また心構え等、現在分かる範囲で構いませんので、答弁をお願いいたします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) まず、先ほどの避難所運営マニュアルの周知の件について先にお答えをさせていただきます。
ペット同行避難につきましては、八幡浜市避難所運営マニュアルを作成したときに、地区自主防災会へ説明を行いました。
そして、これまで、実際に神山地区自主防災会と白浜地区自主防災会では、愛媛県及び動物愛護センターの協力の下、ペット同伴の避難訓練を実施しております。
市民への周知方法につきましては、土砂災害ハザードマップ、喜木川ハザードマップに掲載し、周知をしているところです。
なお、ふだん屋外で飼育をしているペット、室内で飼育をしているペットの避難所での配置方法につきましても、八幡浜市避難所運営マニュアルの中で避難所における配置例を図で示しているところであり、今後必要に応じまして八幡浜市自主防災会連絡協議会などを通じて周知をしてまいりたいというふうに考えております。
そして、今議員のほうから愛知県犬山市でのペットの同室避難の事例の御紹介がありましたが、確かに飼い主にとりましてペットは家族の一員だと思いますので、それが一番望ましいことだとは思いますが、そこに向けまして、しつけのポイントであったり、避難に必要な餌や水の量など、事前にどんな準備が必要なのか、市ではそこまでまだ指導できる準備は整っておりません。
そして、何よりも大切なことは、有事の際に混乱が生じないよう、それを受け入れることのできる避難所をあらかじめ公表し、市民に周知をしておくことだというふうに認識をしておりますが、そのあたりにつきましては今後の課題とさせていただければというふうに思っております。
そして、最後に、議員がおっしゃられた今後ペット同行避難者に対して、市として言っておきたいことでございますけど、今日のところは、ペットを連れて避難される方、そしてそれを受け入れる側の避難所、あるいはペット同伴でない避難者を含めまして、現段階で市としてお願いをしておきたい点という意味で答弁をさせていただければと思います。
避難所では、様々な人が集まり共同生活するため、動物との暮らしが苦手な方やアレルギーの方もおられるということを認識しなければなりません。
全国でこれまでにあった災害におきましては、ペットがいることによってつらい避難所生活の中で飼い主だけでなく避難者にとっても心の安らぎや支えとなったという声がある一方、動物の鳴き声への苦情、体毛やふん尿処理など衛生面でトラブルとなった事例も報告されております。
避難所では、ペットの飼育管理は飼い主の責任で行い、衛生的な管理を行うとともに、飼い主同士で話し合い、周りの人に配慮した行動をお願いしたいと思っております。
また、ペット連れ避難の基本は、ペットを飼育している方がペットに必要なものを全て持参して避難していただきたいと考えております。
これまで、本市では避難所で長期にわたる避難がなく、実際に避難所に犬などのペットを連れてこられた事例は聞いておりませんが、大災害が起こればそうはいかないと思います。
そのときに避難所がペットを受け入れないからという理由で犬を放置して避難すれば、野犬化するなどの新たな課題も発生します。
もちろん、ペットが原因で避難が遅れ、命を落とす人が出たのではいけません。
ですから、市と避難所を運営する側と避難される方とみんなが共通理解の下でお互いに譲り合う気持ちを持って、少しでも安全・安心な避難所生活を送れるよう、それぞれの立場で努力していく必要があるというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今、部長に答弁いただきまして、既に神山、白浜がそういった同室避難を実施されているということ。また、旧の双岩中、青石中には50個のペットのケージも構えておられるということで、十分、もし何かあっても対応ができるのではと今感じた次第です。
何といいましても、人命が何より大切であります。ただ、動物やペットによって支えられている人は多いと思います。ペットを救うことがそうした人たちを救うことになる。スムーズな同室避難が実行できますことを願っております。
能登半島地震が発生して2か月が経過をいたしました。インフラの復旧も思うように進んでいない状況で、避難生活の長期化は避けられない状況であります。
本市を含め全国各地の自治体から応援の職員の方が現地に入り、復興支援のサポートをしておられます。被災された方に笑顔が戻るまで能登半島地域の復旧・復興まで、全国各地から途切れることのない継続した支援を切望いたします。
南海トラフ大地震は、昨今日本で最も話題に上る地震と言っても過言ではないほど様々な情報が見聞きできます。必要なのは、正しい情報を得て、的確な防災・減災対策を講じて、決して不安を募らせることなく被害を減少させることだと思います。
幾ら備えがあっても憂いが消えることはありませんが、できることはしっかりと取り組むことが今の私たちに課せられた責務であると思います。
2024年、今後は事件・事故・災害のないことを心から願いまして、一般質問を終わります。
○議長(樋田 都君) 休憩いたします。
午前11時06分 休憩
―――――――――――――――――――――
午前11時19分 再開
○議長(樋田 都君) 再開いたします。
次、佐々木加代子議員。
〔佐々木加代子君質問席へ移動〕
○佐々木加代子君 それでは、今回も大綱1、大綱2と、2点についてお伺いをいたします。
それでは、大綱1点目「プレコンセプションケアの取組について」であります。
プレコンセプションケア、舌かみそうな言葉ではありますが、皆様御存じでしょうか。あまり聞き慣れない言葉ではないかと思います。
プレコンセプションケアとは、妊娠前の健康管理という意味で、WHOは2012年、妊娠前の女性とカップルに、医学的、行動学的、社会的な保健介入を行うことを提唱し、国際的にも取組が推奨されております。
また、次世代を担う子供の健康にもつながるとして、近年注目されているヘルスケアの一つであります。
先日、厚労省は、2023年の出生数(速報値)が前年比5.1%減の75万8,631人であると発表をいたしました。出生数は8年連続で減少し、過去最少となっているといいます。
政府は、異次元の少子化対策により、児童手当や給付金などの支援の拡大に取り組んではいるものの、これをやれば出生数増加につながるという特効薬はいまだに見つかっていないのではないかと思われます。
そこで、今回は出生数増加へつながってほしいとの希望を込めて、取組の一つであるプレコンセプションケアについて御提案をしたいと思っておりますが、それに先駆けて、以前から質問をさせていただいている不育症に関する質問から先に行いたいと思います。
八幡浜市では、独自の少子化対策として、令和4年4月診療分から不妊治療等に係る医療費の一部負担金を無料とする助成事業を、また令和5年4月からは、少子化対策のさらなる充実を図るため、保険適用の不妊治療費と併せて行われる先進医療に係る費用も無料とする助成事業が実施をされております。
子供を産み育てたいと思われる方々にとっては大変ありがたい助成事業となっていて、治療に専念できる環境が整ったことを大変喜んでいるところです。
それでは、1点目の質問に移ります。
八幡浜市における不妊治療に係る費用の無料化について、令和4年・5年の利用実績と、この事業を利用して子供を授かった方はどの程度おられるのかを伺いたいと思います。
○議長(樋田 都君) 市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君) お答えします。
本市では、少子化対策の推進、出生率の向上に向けて、令和4年4月より保険適用となる不妊治療に係る費用の一部負担金の無料化を実施しました。
さらに、令和5年4月より保険適用の不妊治療と併せて行われる先進医療に係る費用を無料とする助成事業を実施しております。
御質問の利用実績につきましては、令和4年度は申請者数が24人、助成金額が379万4,041円、令和5年度は2月末時点ですが、申請者数は31人、助成金額が417万6,190円となっております。
また、この事業を利用した方の出産の実績についてですが、令和5年度につきましては治療期間が短いため、令和4年度の実績について申し上げますと、令和4年度に申請していただいた24人のうち7人の方が出産をされております。
なお、この24人のうち13人の方については、令和5年度についても引き続き継続治療中でございます。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 この助成事業があるからというわけではないのかもしれませんが、非常に助かる助成であることも事実でありますので、今までためらっていた不妊治療に関して前向きに取り組まれる方が、今課長がおっしゃられたとおり、いらっしゃって、7名の方が子供を授かることができたということは、非常に喜ばしいことだというふうに思います。
聞き取りの際にここまでの詳しい数字がちょっと出てまいりませんでしたので、もう一度この数字をしっかりと市ではつかんでほしいという思いも込めて、次に再質問させていただこうかなと思ったんですが、今しっかり答えていただきましたので、次の質問に移らせていただきます。
次に、令和2年3月議会で不育症の検査・治療についての助成を要望をいたしました。
答弁では、「本市における不育症の実態や先進地の事例などを把握して検討していきたい」というふうに言われました。
その後、本市における不育症の実態や先進事例の調査・研究について、何か進捗状況があるのか、お伺いいたします。
○議長(樋田 都君) 保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君) 本市における不育症の実態については、妊娠後の相談がほとんどで、不育症に関する相談は受けていないため、把握できていません。
したがって、先進地事例などの調査・研究も進んでいません。
現在、県内で不育症の検査・治療の助成を行っている自治体は6市町あります。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 不育症についての相談は今ないというふうに言われましたが、正直なところ、多分どこに相談をしたらいいのか分からないというのもあるのかなというふうに思いますし、本当に私の身の回りでも、私自身もそうですが、一度、二度の流産を繰り返された経験を持たれとる方という実態数としてはかなりいらっしゃるのではないかなというふうに思いますので、それが相談につながって治療につながることを私も願っております。
令和4年3月には、またその不妊症や不育症についての相談体制について質問をしていますが、その際には「保健センター内に設置している子育て世代包括支援センターぽかぽかにおいて、プライバシーに配慮した相談ブースを設け、相談しやすい環境を整備している」との御答弁をいただいております。
今ほど課長も言っていただきましたが、不妊症や不育症など、妊娠についての悩み相談の件数が多いのか少ないのか、非常に気になるところでございますので、相談件数についてはどのようになっているのかを教えていただきたいと思います。
○議長(樋田 都君) 保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君) お答えします。
先ほど述べました不育症に関する相談は受けていません。
不妊症、不育症についての専門的な相談を受けたい方に対しては、県の「不妊専門相談センター」や「休日不妊相談ダイヤル」を御案内しております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 件数が今ちょっと出てこなかったので、多いのかな少ないのかなという疑問が解消されていないというのが事実なんですが、不妊治療という言葉に比べて、先ほどからも相談がないというふうに課長言われましたが、認知度が非常に低いのが不育症という、言葉だけ捉えると不育症でありますが、現在では早い段階で適切な検査や治療が受けられれば、8割程度の方が子供を授かることができるとされています。
この不育症への助成事業開始の動きも全国的には見られていて、愛媛県では令和4年12月から不育症検査費用助成事業が開始されています。
しかし、この事業は、保険診療として行われる検査を除く先進医療として告示されている不育症検査の費用の一部について助成するものであり、検査後の治療についての助成は含まれておりません。
先ほども申しましたが、適切な治療を受ければ8割ぐらいの方が子供を授かることができると言われているのですから、治療に対する助成についても考えていくべきではないかというふうに私は考えております。
現在では、検査・治療のどちらについても助成対象とする自治体も増えてきていて、現時点県内では、今治市が上限3万円、伊予市が上限5万円、四国中央市が上限10万円となっていて、四国中央市に限っては年度に1回の制限というものはあるものの、回数制限はなしの助成を行っておられます。
このような助成事業を行っている自治体は全国的にも増加しつつありますし、八幡浜市独自の少子化対策として、令和4年4月診療分から保険適用となる不妊治療等に係る費用の一部負担金を無料とする助成事業を実施している本市でありますので、子供を望む方へのさらなる応援団として、不育症治療への助成についても取り組んでいただきたいと強く要望申し上げたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○議長(樋田 都君) 市長。
○市長(大城一郎君) 不育症治療に関しては、県において検査費用の一部助成を、また県内6市町において治療費の一部助成を実施していると承知をしております。
現在実施している不妊治療費助成事業、これは愛媛県内でも一番早く八幡浜市も取り組んだところでありますが、これと同様に、不育症治療費助成も少子化対策に寄与するものであると考えておりますので、先行実施している他市町の状況や助成内容等を精査し、導入に向けて検討をしていきたいと考えています。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 導入に向けてなるべく早い時期の助成が進むよう心待ちにしております。
それでは不育症に関しては今市長からもお話をいただきましたので、続いてはプレコンセプションケアについての質問に移ります。
ここからは、ちょっと舌をかみそうですので、プレコンケアというふうに略して表現をさせていただきます。
プレコンケアは、医療・保健・教育・福祉などの幅広い分野で連携を図りながら推進していくこととされております。
国においても、令和3年2月9日の閣議で、成育医療等基本方針において、「男女を問わず、相談支援や健診等を通じ、将来の妊娠のための健康管理に関する情報提供を推進するなど、プレコンケアに関する体制整備を図る」ことが決定されています。
具体的な取組として、厚労省は令和4年度からプレコンケアを含めた「性と健康の相談センター事業」を開始しており、全国86か所で実施されているといいます。
では、なぜプレコンケアを広める必要性があるのでしょうか。日本では、医療の発展によって妊婦死亡率や周産期死亡率、この周産期死亡率というのは、妊娠満22週以後の死産と生後1週間以内の死亡を合わせた死亡率のことを周産期死亡率と申します。この妊婦死亡率、周産期死亡率は、今現在は医学の発展もあり、劇的に減ったと言われています。
しかし、女性が持つリスク因子が原因とされる、先天異常、低出生体重児等は減っておりません。
リスク因子としては、痩せや肥満、喫煙、持病、高齢などが考えられており、これらに該当する女性が妊娠した場合、流産、早産、2,500グラム未満の低出生体重児、先天異常などの発生頻度は通常よりも高くなります。
妊娠に気づいてからリスク因子のケアを始めるのでは遅く、女性には妊娠前から自身の健康状態やリスク因子を把握して早めにケアを始めてもらうことが大切になります。
持病などによって妊娠が難しい人も、プレコンケアによって妊娠の道を探ることができるとされています。
女性が健康でいるための生活習慣は、女性自身が実践することはもちろんでありますが、家族や職場の方等周囲の皆さんにも知っていただくことが大変大事であり、必要性の周知に努めていきたいと思っているところです。
ここで、八幡浜市におけるプレコンケアについての認識について伺います。
また、取り組んでいることがあれば、具体的に教えていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○議長(樋田 都君) 保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君) プレコンセプションケアとは、直訳すると、プレとは「~の前の」、コンセプションとは「新しい命を授かる」ことで、プレコンセプションケアは「妊娠前からの健康づくり」を意味します。
現在、市民の健康づくりとして取り組んでいる中に、プレコンケアの内容に当てはまるものがあります。
自分の健康状態を確認するための「特定健診(レディース健診)」や「若年者健診」、「子宮頸がん・乳がんなどのがん検診」及び「妊婦歯科健診」などがあり、そのほかにも、病気を予防するための「子宮頸がんワクチン接種」、妊娠や性に関する正しい知識を普及するための「中学生への性教育講座」、バランスのよい食習慣を身につけるための「高校生対象の食育講座」などがあります。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 もう本当に生活習慣に関する内容ですので、プレコンケアという言葉は新しいですけれども、内容としては、今も現状としては保健センターも取り組んでいるというふうに今いろいろな取組について述べていただきましたが、このプレコンケアを行う目的としては、1点目として、若い世代の男女の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと。2点目としては、若い世代の男女が将来、より健康になること。3点目としては、この1点目で言われている、若い世代の男女の健康を増進し、より質の高い生活の実現によって、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子供たちをより健康にすること。この3点が目的として言われております。
プレコンケアは妊娠を考えている女性だけではなく、3点の目標と同じように、若い世代の男女についても行うことが大事であるというふうに言われているところでありますが、またこの国の成育医療等の基本方針というものがあるそうですが、今回調べさせていただきました。この中では、「学童期・思春期は健康に関する様々な情報に自ら触れ、行動を選択しはじめる、生涯を通じた健康づくりのスタートとなる重要な時期である。この時期に科学的根拠に基づいた健康に関する正しい知識を身に付けること、自身の心身の健康に関心を持つことは、生涯の健康づくりのための行動変容に向けた大事な一歩となる。こうした観点から、性に関すること、肥満や痩せなど自身の体に関すること、運動や食生活などの生活習慣に関すること、メンタルヘルスに関すること、がんに関することなど健康教育の充実に資する様々な知識を身に付けるための積極的な取組が求められている」というふうにも言われております。
そこで、学童期・思春期の取組についてうたわれていますが、現在学校で行われている保健教育や健康教育にはどのようなものがあるのかをお聞かせください。
○議長(樋田 都君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
現在、学校では学級活動の時間、小学校3年生から始まる保健の授業で、心と体の健康や病気の予防、心の不安や悩みの解消について学んでいます。
また、学年の発達段階に応じた性教育を実施するとともに、栄養教諭による食に関する出前授業、医師による睡眠の大切さを学ぶ授業、先ほど保健センター所長の答弁にもありました、保健センターによる思春期教室等、給食センターや外部機関と連携して健康教育を充実させています。
さらに、妊娠期において重要な栄養素への理解を深めることにもつながる栄養バランスの取れた学校給食の提供、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、教員による子供たちのメンタルヘルスに関するサポートも行っています。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 今、教育長が言われましたように、非常に多くのことを子供たちには教育をされているということをお聞かせいただきました。
今回、プレコンセプションケアということで、言葉として新しいことではありますが、先ほどから申しておりますとおり、保健センターにおいても、また学校においても、同じような内容に関しては、多分私たちの学童期に比べれば、非常にそういう知識を子供たちに教育をしていくというのは、時間的にも多くなっているのかなというふうに感じますし、そのことが将来に向けて子供たちの今後の人生の歩みの中で生かされていくことが非常に大切でありますし、子供たちにとっても有益になってくるのかなというふうには思っておりますので、今後も続けていただきたいなというふうに思っておりますが、今回はプレコンセプションケアを提案をいたしておりますので、現在、今ほどお聞きしました、行っている保健教育・健康教育に加えて、プレコンケアの理念を踏まえた教育が、私自身は今後は重要になるのかなというふうに思っております。
そこで、プレコンケアの理念を踏まえた今後の学校教育の取組についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(樋田 都君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
今後は学校現場の実情を踏まえ、将来の親としての準備や健康への責任を児童・生徒に認識させるために、現在行っている健康教育や性教育のカリキュラムを随時見直して、家庭・地域で子供たちの健康を守る体制の構築、国や県から発信されるプレコンセプションケアに関する情報を児童・生徒や保護者に提供するなど、健康教育のさらなる推進を考えています。
教育委員会としては、子供たちが将来、自身と家族の健康について最良の選択が行えるよう支援していきたいと考えています。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 学校で学習したことを生活習慣として取り組んで、将来の健康につなげていくということは、教育長も今言われていただきましたが、大変重要なことと考えております。
「早寝早起き朝ごはん」という言葉は御存じだと思われますが、平成18年4月に「早寝早起き朝ごはん」全国協議会、というものがあるのを今回私初めて知りましたが、「早寝早起き朝ごはん」全国協議会と文科省がこの「早寝早起き朝ごはん」を国民運動として推進することといたしました。現代においては、電子機器の発達で子供の置かれている環境も大きく変わってきております。改めて大人も子供も「早寝早起き朝ごはん」を基本の生活習慣として健康に過ごしていきたいと思ったところです。
今後とも子供たちのために、将来に向けて保健教育・健康教育に御尽力いただきますことを要望させていただいておきます。
次に、「プレコン・チェックシート」の活用について伺いたいと思います。
国立成育医療研究センターは、現在の自分の健康状態について振り返るためのプレコン・チェックシートというものをホームページで公開しております。このチェックシートは、女性用、男性用があり、「もっとすてきな自分自身になるために、未来の家族のために、できることから始めて、チェック項目を増やしていこう」というふうに呼びかけております。
ここでは、チェック項目の内容については省略をさせていただきますが、御興味のある方は検索をしていただければいいかなというふうに思っておりますので、やってみてください。
県内でこのプレコン・チェックシートをホームページに掲載しているのは松山市、今治市、新居浜市、四国中央市、東温市、伊予市の6市であると思います。
検索して見つけましたので、もしかしたら私の中では漏れがあるのかもしれませんが、それとともに、もし漏れがあったら御指摘を願います。
本市においても、ホームページでプレコンケアについて市民の皆様に知っていただくことを、そしてプレコン・チェックシートを活用した市民の健康増進につながる取組を行っていただきたいなというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○議長(樋田 都君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君) お答えします。
プレコンケアについては、妊娠を望んでいる女性だけではなく、男女問わず思春期以降の若者にも広く啓発することは必要です。
本市としましても、プレコンケアの基本的な考え方、プレコン・チェックシートの活用方法について、市のホームページに掲載したいと考えています。
今後、リーフレットを作成し、若年層の特定健診やがん検診等での配付、子宮頸がんワクチン予防接種などの案内に同封したいと思います。
また、中学校で実施している性教育講座の中で、プレコンケアについて説明したいと考えています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 非常に今部長から前向きのお答えをいただきまして、うれしく思っております。
それでは、次でございますが、2021年の出生動向基本調査によると、18歳~34歳の未婚者は男女ともに8割以上の方が結婚を考えており、希望する子供の数は約1.8人ということで、結婚・出産を考えている方は思った以上に多いという結果で、少なからず安心をいたしました。
そこで、結婚や出産を考えている方が諦めることのないような、あらゆる分野からの支援や施策が必要であるというふうに私は考えております。
男性・女性用のプレコン・チェックシート、またもう1つ、プレコンノートというものがありますが、この2つを活用することとともに、プレコンチェックのチェック検査を受けることで、将来の妊娠や出産に備えて体の状態を調べておくことが大事になってまいります。
プレコンチェック検査の内容については、血液や感染症に加え、年齢とともに減少していく卵子が卵巣にどの程度残っているか調べるほか、超音波検査で子宮や卵巣の病気を確認するものなどがあるといいます。
検査には保険が使えず、約2万円~4万円の費用がかかるため、検査をためらう女性も多いというふうに伺いました。
そこで、八幡浜市においてもプレコンケアの積極的な普及とともに、早くから妊娠・出産への知識を持ち自分の体と健康への意識を高めるため、将来の妊娠に備えて今の自分の体の状態を知っておきたい女性を対象に、検査費用の一部を助成する事業の開始を要望をいたしたいと思いますが、お考えをお聞かせ願います。
○議長(樋田 都君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君) お答えします。
プレコンチェックの検査費用の助成については、現在、県内では松山市が助成しています。
議員御指摘のとおり、将来の妊娠や出産に備えて、今の健康状態について検査し把握することはとても重要です。
現在実施している不妊治療費助成事業の中に組み込めるかどうか、今後検討したいと思っています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 前向きな御検討を何とぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、プレコンケアについてはまたネットでしっかり調べていただいて、自分自身の健康管理に役立てていただきたいなというふうに思っておりますので、早速調べていただけることを望んでおります。
それでは、次の大綱2に移らせていただきます。
投票率の向上につながる投票環境の改善についてであります。
ちょうど1年前の3月議会において、同じ題材での質問をいたしました。
その際の質問では、1、商業施設における期日前投票所の開設について、2、市内3高校への出張投票所の開設について、3、高齢化率の高い地域や庁舎から遠距離にある地域への出張投票所または移動投票所について、4、投票お手伝い希望カードやコミュニケーションボードの導入について、以上のような有権者に優しい取組について質問をさせていただいております。
時期は分かりませんが、今年には衆議院議員選挙が行われるであろうと言われておりますし、来年には市長選挙・市議会議員選挙が行われます。
昨年要望した内容の中で、進展のあったことなどあるようでしたら御答弁を願いたいと思います。いかがでしょうか。
○議長(樋田 都君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
まず、1点目の商業施設における期日前投票所の開設についてですが、過去にフジグラン北浜店と期日前投票所の設置について協議したところ、提供できるスペースが奥まった場所であったこと、スペースの確保の確約が難しいとのことから、断念した経緯があります。
また、二重投票などを防止するために、八幡浜庁舎、保内庁舎と商業施設をオンライン回線で結ぶ必要があり、そのためには100万円以上の多額の経費が必要となることに加え、八幡浜庁舎からさほど距離も離れていないため、現在のところ商業施設に期日前投票所を開設する予定はありません。
2点目の市内3高校への出張投票所の開設については、若年層の投票率向上につながる取組であるため、引き続き調査・研究の上、検討していきたいと思います。
3点目の高齢化率の高い地域や庁舎から遠距離にある地域への移動投票所については、県内自治体でも導入や実証実験が行われています。そのほとんどが投票所の統廃合に伴う代替措置として導入されています。
移動投票所は、選挙人にとっては投票機会の確保につながる有効手段の一つですが、その一方で、車両やテントを用いた屋外での投票となるため、積雪や雨天などの悪天候時の対応など、クリアしなければならないハードルも多くあります。
近隣自治体では、実証実験の結果、移動投票所の継続はせず、タクシー券の交付などの移動支援にかじを切った自治体もあります。
本市においては、近年投票所の統廃合もなく、選挙人からの要望もないため、既存の投票所でカバーできていると認識していますが、選挙人の要望を改めて確認の上、総合的な見地で検討していきたいと思います。
最後に、4点目の投票お手伝い希望カードやコミュニケーションボードについては、次回執行される選挙で導入する予定です。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 御丁寧にありがとうございます。
それぞれ、取組ができるとか、今後の課題とか、いろいろと今ありましたし、先ほど言われた高齢化率の高い地域への出張の投票所であったり移動投票所については、今タクシー券というふうに課長言われましたが、西予市がこれを導入されたということも私も伺っております。
とにかく、タクシー券使うにしても、投票する意思がない方にはどうしようもない話でありますので、根本的には投票率を上げていくことが一番の目標になるのかなというふうに思っておりますが、しっかりと今後も市民に優しい、投票率が少しでも上がっていくような取組をやっていただきたいと思っておりますし、みんなで知恵を出し合いながら考えていきたいなというふうに思っております。
次の質問に移ります。
新年度予算の中に、DXに係る事業予算が多く計上をされております。いよいよ八幡浜市におけるDX事業が始まるということで、市民生活がより便利でやさしくなっていくことに期待感大で喜んでおるところでありますが、このDXを利用して投票環境が改善される取組というものがあったということで御提案を今回はしたいと思います。
仕事や旅行などで、選挙期間中、名簿登録地以外の市区町村に滞在している方は、滞在先の市区町村の選挙管理委員会で不在者投票ができます。
選挙が行われるたびに何人かの方から問合せがある不在者投票になりますが、八幡浜市での不在者投票のやり方、現在のやり方と利用状況について伺いたいと思います。
○議長(樋田 都君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
まず、不在者投票のやり方ですが、例えば八幡浜市民が仕事や旅行などで市外に滞在している場合は、まず投票用紙を請求するために、投票用紙の請求書を本市の選挙管理委員会に文書で提出してもらいます。その後、選挙管理委員会で請求書の内容を確認した後、投票用紙や不在者投票用の封筒などを請求書に記載された滞在地にレターパックにて送付します。投票用紙などが届いたら、開封せず滞在先の選挙管理委員会に赴き、不在者投票の手続を行っていただきます。
なお、手続の詳細については、市ホームページに掲載しており、請求書の様式もダウンロードすることができます。
次に、利用状況については、令和3年4月の市長選挙では8人、同年10月の衆議院議員総選挙では18人、令和4年7月の参議院議員通常選挙では50人、同年11月の県知事選挙では3人となっています。
選挙の種類や執行される時期によって利用状況は変わってくるため、一概に比較はできませんが、市長選挙や市議会議員選挙は国政選挙や県の選挙に比べると選挙期間が短いため、早めに手続されるのが望ましいかと思います。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 今、課長のほうから説明をしていただきましたが、八幡浜市以外の滞在先から不在者投票を行う場合、まずは滞在先の市区町村に出向いて投票用紙を請求をいたします。数日後に郵送で届いた投票用紙を開封せずに最寄りの役所の選挙管理委員会に持参をして投票をいたします。
この場合の注意点としては、投票に行く前に、今レターパックというふうにお話がありましたが、そのレターパックを開封して不在者投票所に行くというのは駄目ということですね。ですので、投票用紙にあらかじめ、例えば届いたからといって投票をする人の氏名であったり党であったりを記入することも禁止をされておりますので、気をつけていただきたいことの一つにはなるかなというふうに思います。
もちろん告示日後の請求となりますので、投票日までに投票用紙が届くかどうかとはらはらしながら請求したという方から御相談をいただくことが多かったというふうに私は思っております。
マイナンバーカードの普及により、全国の役所でDXが進んでいます。この不在者投票の投票用紙請求についても、マイナンバーカードによる電子申請ができる自治体が増えてきています。マイナポータルの「ぴったりサービス」というものを活用した不在者投票用紙の電子申請の導入について要望したいというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
○議長(樋田 都君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) マイナポータルのぴったりサービス等を利用した不在者投票用紙の電子申請については、令和7年度に導入予定の国の標準システム移行時に合わせ導入する予定としています。
郵便の届く日数が以前と比べてかかるなど、郵便事情が変化している中、選挙人が投票機会を逸失してしまわないよう、投票環境の向上に努めたいと考えております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君 聞き取りのときも担当の職員の方が言われておりましたが、今副市長も言っていただきましたが、令和7年度、4月に6年度になりますのであと1年程度、全国一斉にそれが統一されて行われるというふうに今言われましたし、行われるということをお聞きいたしましたので、1年後をしっかり期待して待ちたいなというふうに思います。
今後も投票率向上に向けて、議会としても市民の皆様から興味を持っていただけるようなことをしっかりとできることから始めていければというふうに私自身は思っておりますし、行政としても新たな投票率向上への取組を今回はしっかりと要望をさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○議長(樋田 都君) 休憩いたします。
午後 零時00分 休憩
―――――――――――――――――――――
午後 零時59分 再開
○議長(樋田 都君) 再開いたします。
次、井上 剛議員。
〔井上 剛君質問席へ移動〕
○井上 剛君 双岩地区出身、井上 剛でございます。
質問通告書に基づき質問をさせていただきます。理事者の皆様には、市民に対して分かりやすい答弁を求めます。
先日、新たな学びがございました。これまでそれも知らんかったがかと怒られそうな内容でもあるんですけれども、竹や木材、それから和紙、繊維等でできた日本古来の扇子でございます。涼を取るのはもちろんのこと、時には武器に、時には結界、自分自らの領域を示すものだと教えていただきました。日本古来の緊張感あふれる考え方や教え、習わし、風習、すばらしいなと感じた次第です。
さて、裏金問題や政治不信の話題が大きく取り沙汰される中ですが、大規模災害や感染症の蔓延といった非常時に、国が自治体へ必要な指示ができる仕組みを盛り込んだ地方自治法の改正案が閣議決定されたようです。
別添の配付資料の1枚目で後ほど御確認いただけたらと思いますが、全国知事会の会長 村井会長、宮城県知事の村井知事も、ある種の懸念をお示しされている文書でございます。後ほど御確認いただけたらと思います。
ただ、有事の際にあって国の強いリーダーシップを発揮するというふうなことは、いささかも否定するものではありませんけれども、ある種の地方分権に水を差すのではないかという懸念もあるようでございます。
このたびの能登半島地震など大規模災害だけなら理解できるのですけれども、感染症の蔓延が明文化されるということは世界的に見てもあまり例がないようで、また何かはやるのかなと心配になったりもします。
さて、令和4年12月の八幡浜市議会において「インボイス制度の実施延期を求める意見書の提出について」が採択され、内閣総理大臣をはじめ各大臣、省庁に向け提出されましたが、願いむなしく昨年10月にインボイス制度が始まりました。
その制度の実施にあっては、膨大な手間や経費の増加は約4兆円、国の税収増部分は1,700億円と試算され、私たちの周囲を取り巻く現場は、長引くデフレ経済のさなか、21年連続の実質賃金の低下、コストプッシュインフレ等に起因する可処分所得の低下など、疲弊の一途をたどっております。
また、本年1月12日の帝国データバンクの発表によれば、昨年廃業された事業所の中で、前年比170%増だった業種は税理士事務所で、続いて一般機械修理、書店などでした。
税理士事務所さんの廃業にあっては、膨大な手間の増加に対応できないところが廃業という決断をされたのではないかと想像をいたします。
また、東京商工リサーチによれば、令和5年全国の企業倒産負債情報で、1,000万円以上が8,690件(前年比35.1%増)と4年ぶりに8,000件を超え、さらにその増加率は平成4年以来31年ぶりの高水準で、急速に倒産件数が増加しているとなっております。
そのような厳しい環境の中、日銀が利上げするのではないかといううわさもあり、ますます正念場が近づいている感じがします。
当地域にあっても、人口減少はもとより、第一次産業における農業従事者の減少、耕作放棄地拡大、鳥獣被害の増加、林業従事者の減少、地元にいない山林所有者の増加と高齢化、ウッドショックと呼ばれたバブル崩壊による材価低迷と需要減少、漁業従事者の不足、漁獲量の減少、魚価の低迷、コスト増など、先行きの不透明さや不安材料を上げれば切りがありません。
一次産業の収益性が長期間にわたり低く推移していることによる就業者不足が顕在化しているものと思われます。
可処分所得の増加や地域内の資金循環の後押しをするためにも、政府は、国民・市民の悲鳴に耳を傾け、一刻も早くインボイスの中止そして消費税の凍結を判断され、国家の持続可能性の模索をせねばならないぎりぎりのタイミングであると思うところです。
先日のニュースにおいても当市の人口も2万9,000人を割ったという情報もありましたが、この人口問題は地方自治体の努力だけでは解決できない本当に大きな問題と考えます。
以前もお伝えしましたが、地方の様々な課題解決に向け行動している超党派の議連「積極財政を推進する地方議員連盟」という団体に、当議会からも西山一規議員と私が参加していますが、積極的に財政出動をしていただき、地方への資金循環や地方への重点政策の推進を要望する取りまとめ書を各国政政党に提出させていただきました。
こちらも別添のホチキス留めの2ページ目で皆様のお手元にお届けさせていただいておりますので、後ほどまた御確認いただきますようお願い申し上げます。諦めてはいけません。
一方、世界に目を転じますれば、ロシア、ウクライナの紛争にあって、我が国から1兆8,000億円超の支援が行われたことにより、いたずらに戦渦が長引くことにもつながったとか、その支援がどこに向かったのか、どのように使われたのかが不透明であるとの報告や、疲弊する我が国の国民より諸外国に注力し、また移民を大量に受け入れ、長い歴史と伝統を有する日本という国の将来に不安を募らせる現況が続いているとも指摘されております。
一番最初に申し上げました結界という我が国古来の考え方は、まるで存在していないかのように感じます。
前段の経済の話において、地方自治体が自ら打てる政策の可能性の模索という意味を込め、質問に入らせていただきます。
大綱1「地域通貨の導入の可能性について」であります。
先ほど申し上げました日本の現況にもありますとおり、現在の景気は豊かさや喜びを実感するには程遠い状況です。
弊社も先日の決算に伴いまして、消費税の納税をしてまいりました。大変厳しい決算内容でも、高額な設備投資などを行っていなければ消費税の納税はございます。仕入れ等を削り、より高く売る経営努力をすればするほど納税額が増加するとても厳しい税金です。付加価値税とか第二法人税と言われるゆえんです。
そんな今、八幡浜市の経済状況についてどのように認識されているのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○議長(樋田 都君) 市長。
○市長(大城一郎君) まず、本市の経済状況については、適時、商工会議所、商工会、金融機関、ハローワークなどから情報収集をしております。
従前より世界情勢の混乱や円安などに起因する原材料・エネルギー価格の高騰が進み、本市におきましても、企業努力や少々の価格転嫁ではカバーできないほど厳しい経営状況にある事業者も多いようです。
このような中、市としましては、令和2年度から令和4年度まで愛媛県と共同で利子補給事業を行い、令和5年度からは市独自の利子補給事業を行っているところです。
また、市民の新たなチャレンジを後押しできるよう、創業支援制度の要件緩和、補助額の引上げなどを行ったことで、市内で新たに創業される方が誕生する喜ばしい状況も生まれています。
さらに、水産業など特に厳しい業種に対しましては、これまでも物価高騰対策として各種支援措置を講じてきましたが、必要なものは来年度も継続することとしており、今後もさらなる支援が必要であれば、迅速に対応していきたいと考えているところです。
○議長(樋田 都君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 様々な事業の後押しをいただくというふうなことで、よく分かりました。
前回もハローワークさんだとか商工会議所さんからのリサーチをというふうなことは伺いました。それで、そういうルーチン的にお伺いするところというのは変わってないというふうなところもよく分かるのですけれども、これまで八幡浜市さんがやってくださった施策の中で、就業地を八幡浜市で選ぼうかというふうなところの選択肢まで上がってきたよというふうなことで、市民のある一部の方から、若い人が就業するにあたって八幡浜市を選んだというふうなことに対して、やっぱり何かしらアクションを八幡浜市さんが起こしてくれたおかげでそういう、どういいましょうか、土俵に上がったというふうなところで、うちも助かったよというふうなことのお喜びの声も一部の方からいただいております。
ですので、抜本的にどんどん、地方行政の場合は入りがなかなかどっさりになるわけではないので、抜本的にどかんと何か変わるわけにはいかないとは思うんですけれども、一つ一つのそういう積み重ねによってそういうふうな好転に向かうというふうなことは非常にいいことだと思いますので、今後ともぜひお力添えをお願いできたらと思います。
市政の話からまたちょっと国の話へ行きます。
現在の我が国は、本当に残念なんですけれども、緊縮財政政策であります。プライマリーバランスの黒字化を目標にして、財政支出は抑え、国民の税負担や社会保険料の増など負担率は50%にも上るという情報もあります。
港湾や空港、道路や上下水道などの社会資本が整備され、整う一方、その整備に伴い拠出した国債の残高が積み上がっても何ら不思議なことでもないし、積み上がり続けるのが普通だと思います。便利になっているからです。
ただ、各メディアさんから日々流される日本破綻論が、国民の間では蔓延しています。
ただ、私たち国民はその国債分のお仕事をしてきた。だから、残債があるということにほかならないだけで、国は円という通貨を発行しただけだと認識しております。
そのあかしとして、国民側、民間側にはその国債残高と同じぐらいの資産があることが上げられます。お金は消えてなくなるわけじゃなくて、お仕事をさせていた、だから預金が増えた。そういうのが当然な流れだと思います。我々の議連はそのような考え方に立脚しております。
ただ、増税や保険料の負担などがのしかかり、とても苦しい状況です。
緊縮財政施策の今、市中にめぐる資金量が少なく、企業は内部留保を積み増し、潤沢な資金を有するリアル世代もこれから老後を迎える世代も、それに備えて貯蓄を増すことが多く、資金循環が悪化しています。だからデフレが続くことになります。
企業に内部留保が積み上がる理由については、1990年代のバブル崩壊時期の施策にまで遡りますので、今回は割愛しますが、資金需要の多い若者世代、子育て世代に資金循環が少ないことは本当に憂慮せねばなりません。ですから、子供もなかなか授からないというか、子供をもうけようというインセンティブにつながらないというふうなこともあるかと思います。
21世紀に入ってすぐ、私の所属していた社団法人八幡浜青年会議所において、TEYAという地域通貨の可能性を模索する社会実験が行われました。
当時はまだそのような取組も全国的にも珍しかったのですが、最近様々なところで見受けられるようになりました。
八幡浜市には30億円を超える財政調整基金を有し、令和5年度には20億円を超える県内1位のふるさと納税の寄附金という財源もあります。それらの財源を利用した市内経済を刺激するような政策があればお聞かせください。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
まず、令和4年度末時点の財政調整基金残高は約36億3,000万円であり、決算剰余金の積立分を含めますと、今年度の取崩しがなかった場合には、令和5年度末で約40億円の残高となる予定です。
しかしながら、能登半島地震のような大きな災害時の被災者支援・復旧事業やコロナ禍での緊急生活支援など、予期せぬ事態に備えて一定の資金を準備しておくことは自治体としての責務であり、他の自治体と比較して本市の基金残高が極端に多いということではありません。
また、ふるさと納税による寄附金については、令和5年度は20億円を超える見込みとなっておりますが、寄附者に対する返礼品及び事務経費などを除いた5割程度の額を医療・福祉・教育など様々な分野の事業に既に有効活用をさせていただいているところでございます。
しかしながら、先ほど来から議員が言われるとおり、物価高騰などの影響もあり、市内の経済状況は厳しいものであることは十分承知をしており、市内での資金循環を促す経済対策は非常に重要であると考えております。
喫緊の課題であります人口減少・少子化対策や四国電力跡地プロジェクト、DX推進など重要課題も多く、また今後につきましては、国からの物価高騰対策などのための交付金も徐々に縮小が予想される中で、これまでのような大型の経済対策は難しいのかもしれませんが、議員からの提案の趣旨を踏まえまして、市内に資金が循環し、市内経済を刺激するような経済対策についても引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 昨年の3月の質問でも、財政調整基金がたくさんありますというふうなことで質問させてもらったんですけど、やはり当初予算のときに若干取り崩して、後々の交付金措置でそれをまた組み替えていきますよというふうなことでお伺いしたんですけれども、やっぱり市民の皆さんからは、こんだけあるやないのみたいな感じのイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。有事の際の準備金としてそれぐらいの残金は、預金は必要だというふうなこともよく理解できました。またぜひお力添えをお願いしたいと思います。新たな政策、また自分も考えますが、ぜひお力添えお願いします。
先日、商工会議所の事業に参加させていただきまして、水戸市を訪れました。その際、水戸市長 高橋 靖様から、今、地方都市は住民サービス向上の連鎖という消耗戦を闘い続けている。これからは横の連携を進めるように変化していかなければならないというお話を伺いました。
一方で、ふるさと納税の寄附金も、それぞれ各自治体間の競争というふうなことになって、昨年末に担当課からお伺いしました財政状況の説明会でも、このふるさと納税の寄附金というふうな位置づけが八幡浜市にとって非常に重要なウエートを占めているというふうな説明も頂戴しました。
そのような地域間競争の中にさらされているわけですけれども、町の規模は違っても、地方自治体はどこにあっても同じ問題を抱えているんだなというふうなことを実感させていただきました。
ただ、以前にも申し上げましたんですけど、幾ら資金を持っていても、その資金が有効に使える環境が維持できていなければ、それはただの紙となってしまいます。つまり、生産年齢人口の減少や各産業に従事される人の減少は、もっともっと危機感を持っておかねばならないと感じているところです。地域住民の供給力こそ、その地域の財産だと思うからです。
もちろん理事者の皆様もそのあたりのことは十分に御理解されているとは思いますし、地方自治体の政策の限界も理解できます。
ちょっと例え話をさせてください。地域でサービススタッフさんの数が減れば、スタッフさんのお給料が上がります。上がるだけだったらまた対応してもっと出していくというふうなことにつながるのですが、これが人がいなくなってサービスが提供できませんというふうなことになれば、それはもう地域の供給力の棄損であります。幾らお金、紙幣があっても、それはただの紙です。
では、国外からというふうな発想になる方もいらっしゃると思いますが、国外からいらっしゃる方もより高い処遇のところへ移動されます。ですから、永続性が担保されることはありません。
つまり、人、物、金の自由な移動をよしとする今の新自由主義経済のシステムは破綻していると言えます。
ですから、自国のこと、地域のことを私たちはもっともっとしっかりと、全然考えてないということを言いたいわけでありません、もっともっとしっかりと考え、守っていかなければならないと思います。食料ということが一番重要であることは言うまでもありません。
先ほども申し上げましたが、地方自治体の入りと出の関係性に鑑みましても、限界というのはやっぱりあると思いますが、先ほどの菊池議員からの質問でもありましたとおり、八幡浜市内のハードの強靱化等々にも国の財政措置の訴求をしていただきますように、またいろいろな面において訴求していただきますように、ぜひ今後ともお願いを申し上げたいと思います。
続いて、大綱2に移ります。
「市職員及び各種技師の採用と育成について」をお伺いします。
こちらも昨年の3月に同じ質問をさせていただきました。やっぱり伺っているところによりますと、なかなかやっぱり応募が少ないんですよというふうな声を大変よく聞きます。
また別に、育成というふうなことについても触れたいと思います。
昨年の3月28日、もう間もなくこちらもやってくる行事でございますけれども、市政功労者表彰式典の開催時、御受賞されます方々が忠八ホールのステージに向かう際、フロアのシートから階段を使い御登壇されたときのことですが、御高齢の方も多く、足元が心配になる様子が見受けられました。その際、周りのサポートに当たられる職員さんとの距離が少し遠く感じられました。もう少しそばでサポートするだけで格段に安心感が増すのになと感じた記憶がございます。
一方、今現在行われている被災地への派遣などでは、現場対応の種類や速度の認識、視野の広がりなど、先ほども御答弁ありましたとおり、そういうものにつながっていくものと思いますし、その現場での経験がより自然でより細やかなサービスにつながると考えているところです。
ただ、この配慮ということに関してはとても抽象的で難しいことと思うのですが、ちょっとしたことで印象が大きく変わるということは、皆さん実感があると思います。
今後、職員さんのサービスや能力の向上につながるような研修の実施、民間企業や外部団体との交流など、人材育成の取組についてをまず1点。
また、先ほども申し上げましたが、近年人材確保に苦慮されている土木技術職の採用についても、現状やこれまでに改善されてきたこと、今後の方策についてもお聞かせいただければと思います。
○議長(樋田 都君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) 私のほうからは、職員の研修と職員の人材育成の取組についてお答えをさせていただきます。
職員の研修について、市独自の研修として、例年、新規採用職員を対象に採用前の3月に接遇対応などを含む研修を実施しているほか、若手職員を対象に市の重要施策や各種制度について学習するスキルアップ研修を実施しています。
また、愛媛県が実施する研修として、愛媛県研修所で実施されるステージアップ研修や管理職など階級別の各種研修に職員を参加させ、職員の資質と能力の向上を図っています。
また、国、県、臼杵市及び関係機関への職員派遣や民間企業を含む人事交流を実施することで、新たな発見やよい刺激を受けるなど、学びの機会を多く提供し、職員自身の成長と人材育成につなげています。
今後は、接遇教育の強化はもちろんのこと、幅広い研修と外部組織への職員派遣を通じて一層の人材育成を図ってまいりたいと考えています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 私のほうからは、土木技師の採用についてお答えをします。
土木技術職については、団塊世代の退職に景気回復も相まって、学生優位の売手市場が加速し、官公庁に限らず民間企業においても人員確保が難しい状況であること、初任給など給与水準の高い民間企業に新卒者が流れやすい傾向にあることから、今後も厳しい状況が続くことが予想されます。
これらの状況を踏まえ、土木技術職の採用試験においては、教養・専門試験の廃止や受験年齢要件の引下げ、試験実施日の前倒し、経験者枠での募集、大学への訪問活動など、改善策を実施してきましたが、今年度についても3名程度の募集に対して1名の採用にとどまっています。
そこで、来年度の採用に向けた取組として、先月、2月29日には愛媛大学工学部工学科土木・環境分野の公務員志望の学生が参加する合同説明会に、県内では愛媛県及び松山市とともに参加したところです。
また、今後は令和6年度当初予算案で提案している新規事業としての県内情報誌への掲載や電子申請による受験申込システムの導入など、これまで以上に採用活動を強化するとともに、地元高校生を対象とした説明会の実施など、土木技術職に限らず将来的な人材確保につながる方策についても積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 井上 剛議員。
○井上 剛君 いろいろな対策をされているというふうなことも今のお話から分かりました。
人件費を上げなければ、まず採用の応募から少ないというふうなことはすごく分かります。今までの皆さんの人件費のバランスとのこともあるので、本当にこれ難しい。民間の企業でさえ難しいことだと思います。どんどん業績が上がっている民間企業であれば、はい全員を上げますよというふうな対応も打てるんですが、本当に苦しい中小零細の企業にあっては、増やしたいけど増やせないというふうな現況も本当あるところです。
そういった意味でも、我々はこの提言にあるように、75も羅列いたしまして、願望というか要望を上げております。これ全国の議員から成っている議連なんですけれども、それぐらいいろんなところに願いはあるというふうなことだと思います。
若手の職員の皆様も、すごく誠実で、誠意もあって振る舞われていると思うんですが、もう一歩、もう一歩というふうなところに対して何とか後押しをしてあげたいというふうなところで、本物のサービスに触れる機会をもっともっと増やしてあげることはできないかなというふうなところを思っての質問でした。
例えば、出張へ行ったときに、少しいいホテルに今回は泊まってこいとか、何かそういうことできないのかなというふうなところを私は思っています。それができるできないかは、またこれからいろいろと皆さん、私も勉強させていただきたいと思いますし、頑張っていきたいなと思っております。
その町のよさにあっては、その町に住む人のよさが前面に出ると思います。殊に職員さんは、そのフロントローに立っていらっしゃると思いますので、ぜひとも頑張っていただけたらなというふうに思います。八幡浜市の発展に向けて、私も頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いできたらと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございます。
○議長(樋田 都君) 次、田中繁則議員。
〔田中繁則君質問席へ移動〕
○田中繁則君 今ほどの井上議員の大綱1の質問に続き、通告書に従いまして、大綱1「デジタル地域通貨の導入について」、一歩踏み込んで質問いたします。
近年、地域活性化の施策としてデジタル地域通貨が注目されており、全国の自治体で導入が進んでいます。
デジタル地域通貨は、特定の地域内だけで利用できる電子通貨で、スマートフォンのアプリやポイントカードによってキャッシュレス決済を行う仕組みであります。
過疎化が進む地方都市においては、インターネットの普及や地域産業の衰退によって地域にお金が落ちにくい状況にありますが、デジタル地域通貨は地域内の資金の循環を活性化し、ほかにも地産地消を強化するツールにもなり得ます。
本市のデジタル化施策の基本方針であるDX推進計画全体方針でうたわれている「住民の多様な幸せを実現可能とする社会」の達成に向けて、デジタル地域通貨を導入することについてお伺いしてまいります。
最初の質問であります。
デジタル地域通貨の意義や導入した自治体の活用例など、行政の視点からどのように評価されているのか、見解をお伺いします。
○議長(樋田 都君) 商工観光課長。
○商工観光課長(萩森久人君) お答えいたします。
デジタル地域通貨を含むデジタルによる新しい生活様式に対応したキャッシュレス決済は、決済のみならず、ポイントの活用やアプリを通じた情報配信なども可能であることから高く評価できます。
他市においては、地域の経済活性化はもとより、市民の交流促進や健康増進などにデジタルを役立てている事例もあるようでございます。
当市においても研究しているところでございます。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 ただいま当市においてもということもありましたが、地域活性化の有効なツールとして高く評価されていることを理解いたしました。
デジタル地域通貨は、キャッシュレス決済が基本的な機能でありますが、さらにプレミアム商品券の発行や様々な市民活動に対するポイント付与、市政等の広報機能を持たせることも可能であり、市の事業や啓発活動と連携させた幅広い活用が期待できます。
単なる支払い手段ではなく、行政と市民、そして事業者をつなぐ総合的なコミュニケーションツールにまで進化しているのが実態であります。
次の質問です。
本市では、デジタル地域通貨の導入を検討されたことがあるのかどうか、またその導入が市民生活や地域経済に与える影響について見解をお伺いします。
○議長(樋田 都君) 商工観光課長。
○商工観光課長(萩森久人君) お答えいたします。
デジタルを活用したDXの推進は、行政の喫緊の課題であると認識しております。
コロナ禍において商品券事業を行うにあたり、大手通信事業者によるQRコード決済の活用を担当課レベルで検討したところ、業務の簡素化であったり、事業者の負担軽減など、メリットがあるようでございました。
ただし、市独自でデジタル地域通貨を発行する検討は行っておりません。
議員御指摘のとおり、デジタルは市民生活の向上や地域経済の活性化に欠かせない存在であり、地方においても都市部と同様に、デジタルによる決済手段の導入は検討すべき課題であると思います。
以上です。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 導入には至ってない、検討されてないということですが、市民生活や地域経済においては、よい影響があるというふうな見解でありました。
それでは、本市の現状やただいまの答弁を踏まえ、デジタル地域通貨の導入を求める理由を述べてまいります。
デジタル化される前の紙幣の地域通貨がありましたが、1990年代後半からまちおこしが本格化していく中でブームになりました。
しかし、管理・運用に費用、手間がかかるという持続性に大きな問題があり、2005年以降は減少に転じ、有名無実化しつつあります。
その後、スマートフォンの普及により、大手モバイル事業者や流通業者、金融機関などが代金決済手段として利用できるモバイル型デジタル通貨の運用を開始し、今では全国隅々まで普及しています。
このような流れを受け、地方都市においては、DX推進と相まって、地域を限定して利用できるデジタル地域通貨の幅広い機能に着目し、地域活性化の切り札として導入に踏み切るところも増えてまいりました。
今回、デジタル地域通貨導入を取り上げましたのは、本市市政の状況がその導入の絶妙なタイミングにあると私には思えるからであります。
以下に申し上げる様々な課題に対し、これらを横断的かつ効率的に解決していくことが期待でき、地域経済の活性化や地域社会の持続性強化に大きく寄与する可能性を秘めていることを具体的に示してまいります。
1、地域内で資金を循環させ、地域経済を活性させること。
2、プレミアム商品券発行に関する経費を削減し、効率よく迅速に行うこと。
3、健康ポイント事業を充実させ、市民の健康増進を図ること。
4、ボランティアやエコ活動の推進によりコミュニティーを活性化させること。
5、ふるさと納税返礼品の種類を増やし、納税額増額を図ること。
6、産業のDX、市民のDXとして中核的な機能を持たせられること。
以上以外にも上げられますが、商品券事業と同様に、地域内で資金を循環させることで消費活動が盛んになり、地域経済の活性化を図ることがその土台になっています。
過去の人口減少対策、景気刺激対策において、市民にとっては目に見える形での現金や商品券の支給が最も印象的で、支援の実感を得られる方法でありました。
本市は、令和2年から5年の4年間で7種の商品券が発行され、プレミアム率は他の自治体に例を見ないほど高く、500前後の加盟店で利用ができるという利用価値が大きいものでありました。
ただ、他方で、事業実施に際しては、商品券が紙ベースのため、デザイン・印刷等の製作費、発送費等の付随費用、使用時の商品券持参や枚数確認、事業者の決済申請に係る事務処理など、国庫交付金の助成があるとはいえ多大な費用と労力を費やしています。
令和4年度以降に行った商品券事業について、使用実績と発行に要した付随費用をお示しください。
○議長(樋田 都君) 商工観光課長。
○商工観光課長(萩森久人君) お答えいたします。
令和4年度以降に実施しました商品券事業につきましては、八幡浜市スーパープレミアム付商品券(第3弾)事業、八幡浜くらし応援マイナ商品券事業、やわたはま生活応援商品券事業の以上3件でございます。
まず1点目、プレミアム付商品券事業でございますが、こちらの使用実績は99.7%であり、商品券事業に付随する主な事業費は、郵送料、商品券デザイン及び印刷業務委託料、商品券運営業務委託料でございます。この合計が1,786万9,423円となっております。
次のマイナ商品券事業では、前期の使用実績が97.5%、後期も同様に使用実績が98.5%で、これに付随する主な事業費の合計は1,825万8,712円となっております。
最後に、生活商品券事業につきましては、使用実績は97.0%で、付随する主な事業費の合計は2,066万8,943円となっております。
商品券をはじめポスターやチラシの印刷は市内印刷会社、郵送につきましては郵便局、換金・振込業務は市内の金融機関、そして運営業務は八幡浜商工会議所、保内商工会に委託して実施するなど、市内商工団体との連携により、オール八幡浜で運営を実施したところでございます。
以上です。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 商品券発行は大変意義のある大きな事業でした。交付金措置があるとはいえ、高額な付随費用は何とか削減できないかという思いがありました。
オール八幡浜ということで、地域の業者にも経済活性化するという意味もあることが分かりました。
ただ、後ほど事例を挙げますが、デジタル地域通貨の導入・運用に係るコストは決して小さいものではありません。
しかし、一度システムを構築すれば、商品券発行をポイント付与で行うことにはほとんどコストをかけず、事業実施決定からポイント付与までを最小限の費用と時間で行うことが可能になります。
商品券事業を実施する場合、デジタル地域通貨を活用することのメリットについて見解をお伺いします。
○議長(樋田 都君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) 議員も御指摘のとおり、これまで実施しました紙の商品券事業では、準備から開始までおおよそ1か月半の準備期間を要し、多額の費用もかかっております。
一方で、デジタル地域通貨の場合、商品券の購入や換金に手間がかからず、利用者・事業者ともに利便性が高まるなど、メリットもございますので、引き続き調査・研究をしていきたいと思っております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 今、御答弁いただきましたが、デジタル地域通貨はスマホアプリでもカードでも使えます。ですから、全市民に対して利用が可能だと考えております。
そのような汎用性があり、発行、使用、最終決済まで関係者の労力・時間・費用は大きく軽減されます。
商品券事業は、市民の生活支援と同時に、市内事業者への経済的な恩恵は大変大きく、地域内でお金を循環させる有効な施策でありますが、デジタル地域通貨はこれをさらに強化・加速させる手段になり得ます。
次に、市民の健康増進を図る取組についてであります。
令和2年12月定例会一般質問において、議員から特定健診受診率の向上やポイント事業の充実を求める質問がありました。当時の健康ポイント利用者数は少なく、事業として成果があったとは言い難い面がありました。
令和3年度からポイントプラス事業が始まり、令和4年度の事業利用者数は倍増してはいますが、健診受診率の向上にはつながっていません。受診環境の整備はもとより、市民が魅力を感じるポイント事業へと進展させることも考える必要があります。
本年度の健康ポイント事業の内容、過去の利用状況についてお伺いします。
○議長(樋田 都君) 市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君) お答えします。
本市では、健康的な生活習慣の動機づけ、また健康づくりを応援し、健康寿命を延ばすこと、併せて特定健診の受診率の向上を目的に、国民健康保険、後期高齢者医療保険の被保険者を対象に健康ポイント事業を実施しております。
事業の内容としましては、特定健診や各種がん検診の受診、健康イベントへの参加や食生活の記録・管理等に取り組むことで健康ポイントを獲得し、獲得したポイントに応じて入浴施設の入浴券や市内提携店で使えるクーポン券と交換できるものです。
過去の利用状況につきましては、令和2年度は104人、令和3年度は140人、令和4年度は209人となっており、年々利用者が増加している状況でございます。
以上です。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 現事業の健康促進活動、また特典内容、利用者の増加について、その実態をよく理解できました。
八幡浜市国民健康保険第2期データヘルス計画において、令和4年実績で特定健診受診率31.3%、5つのがん検診平均受診率8.8%、歯周病検診受診率7.6%と、受診率はかなり低く、特に前者2つの健(検)診にはポイント付与が受診率向上につながっていないように思います。
その理由として私が思うには、事業の認知度が低いこと、申請書に記入して持参する労力に対し得られる特典(クーポン券・入浴券)が割に合わないと感じること、特典利用まで間が開くことにあると考えられます。
担当部署では検討を重ねられていると察しますが、現行システムにおいての劇的な改善には限界があります。
ポイント事業にデジタル地域通貨を活用すれば、スマホでQRコードを読み取るだけで申請・付与ができ、加盟店では現金同様に利用できるので、強力な動機づけになります。
前述した議員の一般質問では、宇和島市の先進事例を紹介され、その導入について質問されたところ、「アプリ管理料、改修費用、ポイント交換、商品券等、総計1,130万円かかる。動機づけ、使いやすさ、費用対効果を考慮して調査研究したい」と市長は答弁されています。
本市が調査研究している間にも、宇和島市は健康増進事業を大幅に進化させ、令和5年10月より、健康増進活動はもとより、市民の地域活動への参加・貢献もアプリ上にポイントとして付与し、地域の元気、幸せにつながるラックポイント事業を開始しています。
これはチャージ機能はなく、健康診断、清掃、防災、ボランティアなどの市民の活動全般に対して市からポイントを付与することに特化した事業であります。登録者数3,431人、うちポイント付与者は2,736人、加盟店257、初期費用を含めた委託料予算額は年間約840万円、付与ポイント予算総額750万円が現在の概要であり、健康増進関連ポイントも順次こちらへ統合していく予定だそうです。
市民自らが町をよくしようという大きな視点から、投資をためらわない市の姿勢には強く共感いたしております。
さらに、この一般質問の9か月前、3月定例会でも議員から健康ポイント付与の質問があり、当時の担当部長は「インセンティブ事業は有効とも考えるが、費用対効果を慎重に検討する必要がある」と答弁されています。
ここでも費用対効果がキーワードになっていますが、これには後ほど触れたいと思います。
現在、担当部署では、健診受診者の定着と新規受診者の掘り起こしのための様々な手段を講じられており、第2期データヘルス計画の評価・考察として、健康ポイント事業について地域資源の活用やポイント管理とインセンティブ効果の体制を課題に上げられています。
このことも現行事業を抜本的に見直し、より高いインセンティブのあるデジタル地域通貨への活用を求める理由になるのではないでしょうか。
健康ポイントがデジタル地域通貨として市内の買物に利用できるとすれば、ポイント獲得を動機として健診受診率の向上が図れると考えられますが、見解をお伺いします。
○議長(樋田 都君) 市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君) お答えします。
現在、本市で実施している健康ポイント事業は、紙ベースでの申請となっており、申請者は主に60~70歳代の高齢者層となっています。
デジタルでの申請やポイント付与が可能となれば、若年層の利用者数が増えることから、健康ポイント事業利用者数の増加と併せて健診受診率の向上も期待できると考えております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 ポイントそのものの見直しはもちろんですけれども、クーポンをアプリ、また高齢者にはカードという方法もあります。
ポイント、アプリ、カード、それぞれ集約して加盟店をできれば現在の商品券事業レベル500店前後まで上げていただきたいと思います。
デジタル地域通貨導入自治体では、様々な行事やボランティア活動、エコ活動等に対してもインセンティブを設け、市民の活動参加を促しています。
本市主催の様々な市民活動や行事において、市民の参加を促す動機づけのために工夫している事例があればお示しください。
○議長(樋田 都君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
市民の方々がボランティアとして市主催の様々な行事等に参加していただく場合に、報償費などをお渡ししている事例はありますが、参加を促す動機づけとして実施している事例は現在のところございません。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 多分現状でも問題ないというふうな認識かと思うんですけれども、要は、より多くの市民の参加によって行事そのものを活性化するのか、また八幡浜という地域への愛着を高めることを目指すか否かだと私は思っております。
ポイント付与は、市民の関心を高める手段として、また参加を迷う市民の後押しをする、家族や友人を誘う動機づけにもなり、そして何よりも自分の行動に対する評価となり、貢献度を実感できることで参加意欲の向上や継続性につながることが期待できます。
もちろん他の多種多様な方法も考えられますが、デジタル地域通貨ポイント付与は簡便で汎用性があり、その効果をイメージするだけでも期待感に胸が躍ります。
先般、民生文教委員会で行政視察を行いました東京都板橋区においては、区民の省エネ意識を高めるため、デジタル地域通貨を活用した事業を実施し、ポイント付与によって省エネの推進と地域内の消費活動活性化に取り組まれています。
本市は、次年度から脱炭素社会実現に向けての本格的な取組が始まり、八幡浜市環境基本計画の改定事業をはじめ様々な関連事業が計画されています。それらを進め目標達成に近づくには、何よりも市民の協力、目的意識の共有が最重要課題であると思っています。
第2次八幡浜市環境基本計画改定事業、地域エネルギービジョン改定事業において、市民の脱炭素への取組をどのように後押しされるのか、その行動結果に対するインセンティブは考えられているのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君) お答えします。
板橋区が実施しているような「環境アクションポイント事業」は、市民が省エネ活動などの脱炭素行動に取り組み、その結果に対して達成感を得られるような仕組みとして有効であると思っています。
今後、ポイント事業による脱炭素行動を促す仕組みづくりについては、本市のデジタル地域通貨導入に関する動向を踏まえ検討したいと考えています。
また、ポイント事業以外についても、ほかの自治体の事例を調査・研究し、市民の自発的な取組を促すような仕組みを構築していきます。
以上です。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 今の答弁を伺いまして、しっかりと計画されていることで安心いたしました。
質問を1点追加します。
脱炭素も含めたSDGsにつながる市民の活動に対して、インセンティブを強化したデジタル地域通貨事業が県内でも既に実施されていることを把握されているでしょうか。
○議長(樋田 都君) 生活環境課長。
○生活環境課長(菊池和幸君) 県内の優れた事例としまして、西条市がしております、西条市と西条市SDGs推進協議会が運営する西条市の地域ポイントサービスである「LOVE SAIJOポイント」がそれに当たります。
ポイントのため方は、現金でチャージするほか、取扱店で買物をすることでポイントの還元を受けます。
また、健康ポイント事業への参加、マイナンバーカードの取得、SDGs活動への参加のほか、環境面では、省エネ家電の購入、おいしい食べきり運動推進店での食事、生ごみ処理機の購入、リサイクル活動に参加した場合においてもポイントがたまるなど、循環型の社会を推進する事業となっており、とても参考になるものであります。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 しっかりと情報収集されています。
LOVE SAIJOについては、御説明のように、チャージが可能なデジタル地域通貨ではありますが、市民自らのSDGs取組を推進する方向に大きく振られています。
導入関係者の一人は、次のように述べております。
LOVE SAIJOを西条市の血液として様々な取組・事業に絡めて地域に流し続け、持続可能なまちづくりにつなげていくという意気込みであります。
実際、各種のインセンティブは市民の行動変容を促すことが期待できますが、デジタル地域通貨によってプラットフォームを統一すると事業の水平的展開が広がり、誰にでも分かりやすく効率的な運用やコスト削減が可能になることが実証されています。
次に、ふるさと納税返礼品についてであります。
本市は、納税額が順調に増加傾向にあるとはいえ、新たな返礼品開発の必要性は様々な場面で言及されています。
今、返礼品としてデジタル地域通貨が注目されています。岐阜県高山市「さるぼぼコイン」、神奈川県平塚市「スターライトマーレ」、福岡県糸島市「電子感謝券」など、地方都市はもとより、ふるさと納税によって税収の落ち込みが目立った東京23区でも、これを打開するために、渋谷区の「ハチペイ」をはじめデジタル地域通貨を返礼品として税収を高める戦略に取り組み始めています。
ふるさと納税のさらなる充実を目指す本市にとって、このような返礼品をめぐる情勢についてどのような見解を持たれているのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
当市では、寄附額の9割以上をかんきつ(生果)が占めていることから、当面の間はかんきつを中心に寄附額を伸ばしていく考えであり、来年度は新たにポータルサイト「ふるなび」の導入を予定しています。
12月議会一般質問におきまして、佐々木議員からの旅先納税導入に関する御質問の際に答弁しましたように、かんきつだけに頼らない新たな返礼品についても、広くアンテナを張っておく必要がありますが、デジタル地域通貨については、新たなアプリを開発する必要もあり、現在のところ導入の予定はありません。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 今、答弁いただいた見解については、実は私も同感です。デジタル地域通貨を決して返礼品に当てよというふうな主張ではありません。
ただ、全国的にそのような傾向があるということで、それに負けないような新たな返礼品を探していくことも必要ではないかという意味の質問でありました。
以上のように、デジタル地域通貨は地域活性化ツールとして導入者の創意工夫次第でいかようにもなります。
本市は現在、DX推進計画に基づいて関連事業を強力に推進し、令和6年度当初予算においてはDXに関連した29事業が予算計上されています。
市民に直接に関わるDXにおいては、スマホを利用した各種申請、納付、図書貸出し、キャッシュレス決済などが列挙され、新時代の到来を告げています。
DX推進計画、産業のDXの中、地域経済の活性化の項目には次のようにあります。
「市民の市内での購買行動の促進を図るため、地域通貨や自治体独自のポイント制度の導入を検討します」であります。
DXの本質は、新たな価値を創造し、市民の行動変容をもたらすことにあると考えると、デジタル地域通貨はそれを見事に体現しています。
次年度の事業が第1段階とすれば、今後第2・第3段階と進化する際には、開拓者精神を存分に発揮され、推進計画にも上げられているデジタル地域通貨及びポイント事業の導入を検討していただきたい。
デジタル地域通貨を導入する場合の課題について、また今後の見通しについて見解をお伺いします。
○議長(樋田 都君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) デジタル地域通貨を導入する場合の課題については、地域通貨を管理する専用アプリ導入に係るコスト、運営に係るコストといったコスト面のほかにも、使用できる市内店舗を多数登録していただくための周知・募集・支援、また実際に使用する市民等に対するインストール方法や使い方のサポートなどが考えられます。
そのほかにも、例えば市民限定のデジタル地域通貨を市内店舗限定で使用していただくための機能追加などがありますが、やはり最大の課題は、どうすればより多くの市民や市内店舗に活用していただき、市民の利便性向上と地域経済の活性化につなげることができるかといったユーザー目線に立った制度設計にあると考えます。
全国で様々なアプリが導入されている今日、県内においても、愛媛の課題をデジタルで解決する目的で愛媛県が実施する「トライアングルエヒメ」において採択されました「みきゃんアプリ」について事業者から御提案いただいており、その活用の可能性についても検討しているところです。
そういった検討を重ねるとともに、先ほどから御提案いただいております健康ポイントやボランティア活動に対するポイントなど、市民活動の活性化につながるものや、またそれらポイントを市内店舗で還元できる地域通貨との連携といった制度設計について、今後も情報収集に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 今紹介いただきました「みきゃんアプリ」につきましては、私はつい最近知ったばかりですが、本市との整合性・親和性があるかなど、先行実施自治体もあるようですので、市としても調査・研究を続けていただきたいと思います。
また、重要課題としてコスト及び市民の利便性ということですが、それについてもこの後述べさせていただきます。
以上、デジタル地域通貨について、多岐にわたる行政課題に対して効力を発揮できるかを伺ってまいりましたが、愛媛県内での導入事例として「新居浜あかがねポイント」を紹介することで、具体的に皆さんにイメージしていただきたいと思います。
あかがねポイントは、市内での買物、市の事業、ボランティア・環境保護活動などにポイントが付与され、加盟店での支払いに利用でき、地域経済・地域活動の活性化につなげています。
その理念は、にぎわいを創出して市民が誇りを持って住みたいと思えるまちづくりであり、子供の未来を応援するために、ポイント活動で集まった資金から教育環境の整備費や夢を応援するための費用を拠出していくことも目的の一つとされています。
令和5年度アプリ利用者数2万5,000人、カード利用者数が5,000人、合計3万人。加盟店370、チャージによる発行ポイント総数7億7,000万ポイント。1ポイント1円です。前年度比1.9倍。行政付与ポイント110万ポイントと、地域に根づいて魅力あるまちづくりに大きく貢献しています。
費用に関してです。あかがねポイントの利用者数が本市の人口に近いので大いに参考になるかと思われます。
令和2年の導入にかかった費用は1,320万円、2分の1は総務省補助金です。令和5年度、委託料・手数料を合わせた管理運用費約690万円、ポイント還元に係る委託料・負担金・手数料は約1億4,000万円、これは全額国費であります。事業が軌道に乗った現在では、市の財政負担は年間700万円程度であるとのことでした。
以上のように、県内でも地域の実態に即した多様なポイント事業、デジタル地域通貨事業が実施され、成果を上げています。
その導入に対して、メリットはあるが、最大の懸念はコストであり、費用対効果を考えねばならないという行政としての考えはもっともであります。
費用の算定は容易ですが、効果については、他のコストを軽減する効果、地域内の消費活動促進による経済的効果、市民の健康増進効果、ボランティア活動や行事参加が増えて地域社会が活性化する効果など、数字に示しづらい効果をも適正に評価してこその費用対効果であります。
市民生活の質の向上を目指したDXを推進する本市であればこそ、デジタル地域通貨の導入は運用次第でその核になり得ると私は考えています。
市長にお伺いします。
市長が標榜される「わくわくする八幡浜」のまちづくりにおいて、デジタル地域通貨はそれを具現化するツールになり得るのかどうか、市長御自身の考えをお伺いします。
○議長(樋田 都君) 市長。
○市長(大城一郎君) 今回、田中議員からは、キャッシュレス時代に適応したデジタル地域通貨の導入による地域の活性化の効果といった観点から質問をいただいたものだと思っております。
それで、今現在キャッシュレスが八幡浜市内でどのぐらい波及しているのかなというようなことを考えてみますと、やはりいろいろなコンビニエンスストアで、または大手のショッピングセンターでも、現在、決済をするときにスマートフォンを出して、auPAYだとかPayPayだとかd払いとか、そういうもので決済をされている方が非常に多く見受けられると思います。
また、昨日は松蔭地区の公民館まつりに行ったんですが、そこでも何か購入したときに、これはPayPayで払えますかというようなこと言ったら、ちょっとまだ無理ですというようなことを言われました。
でも、集まっている方々に話を伺うと、ほとんどの方がもうスマートフォンの中にいろいろな決済機能を搭載して、私もいつもはこれで払っとるんよというようなことを言われております。
そのような状況になりつつあるのかなというふうなことを考えた上で、デジタル地域通貨にはポイント制度といったインセンティブ、これを付与することで、ボランティア活動や健康促進活動と結びつけ、市民の行動変容を促す効果のほか、地域コミュニティーの活性化や円滑化といった効果をもたらすと考えます。
これらの効果により、私の目指す「わくわくする八幡浜」のまちづくりの具現化にあたって、デジタル地域効果のツールの一つとなる可能性があると考えますが、先ほどの答弁で申し上げましたように、導入に当たっては幾つかの課題もあります。
デジタル技術は手段であって目的ではないとよく言われておりますが、市民のために何が適切なのかという視点で、今後いろいろな角度から検討を重ねてまいりたいと思います。
○議長(樋田 都君) 田中繁則議員。
○田中繁則君 本市の実態や社会の情勢を勘案された市長らしい答弁でありました。
また、可能性について言及されたことで、提案した私としては大変うれしく思います。
本市DX推進計画の基本理念ですが、「住民とともに対話で創る、デジタル活用で輝く未来の八幡浜市」であります。
デジタル地域通貨は、この理念の実現に大きな役割を果たす力があると考えられ、その導入に際しては、市民や事業者の関心や意見を収集・反映させ、何をどうやって実現するかにより、地域ポイント事業にとどめるのか、地域通貨事業にまで発展させるのか、また創意工夫したオリジナリティーのあるものを開発するかなど、本市の地域性を明確にした上での判断が求められます。
ただ、十分に議論を深めた結果、デジタル地域通貨を活用して地域を活性化するという固い意思と覚悟がないのであれば導入には及ばないことは言うまでもありません。
デジタル地域通貨の導入が本市の輝く未来の創出の一助となるかどうか、部署を超えて意見を交わされ、地域活性化を進める施策を打ち出されることを要望し、質問を終わります。
○議長(樋田 都君) これをもって本日の一般質問は終わります。
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○議長(樋田 都君) これにて本日の会議を閉じます。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
明日5日は午前10時から会議を開き、引き続き一般質問を行います。
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○議長(樋田 都君) 本日はこれにて散会いたします。
午後 2時14分 散会