公開日 2024年06月11日
〔菊池 彰君質問席へ移動〕
○菊池 彰君 おはようございます。
ちょうど1週間前になりますが、2月26日午後3時24分頃、南予を震源地とする震度4の地震が発生し、本市におきましても震度3の観測でございました。
私は外で仕事をしておりまして、ちょうど体がふわっと持ち上がったような下からの突き上げを感じまして、その後もしかしたら大きな揺れが来るかなと身構えておりましたら、幸いなことにそれで収まりました。
今日ふだんの生活が送れて、また蛇口をひねると水が出るという当たり前の生活をありがたく思い、一般質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
2024年元旦、平穏な日々が続き、安心して安全に1年が過ごせますようにと、私は地元の神社で祈願して、のんびりとくつろいでおりました。
能登半島地域におきましても、家族、親戚、友人が集まり、幸多からんことを願って笑顔で会談・会食をされていたことと思います。
ところが、同日午後4時10分頃、マグニチュード7.6、最大震度7の地震が発生し、めでたい雰囲気が台なしになったばかりか、2月20日時点では石川県全体で241名の方が亡くなられるという大災害が発生しました。震源地に近い珠洲市では103人、輪島市では102人の方が亡くなられ、災害関連死の疑いのある方も全域で15名となっております。
お亡くなりになられた方々の御冥福を衷心よりお祈りいたします。
住宅被害については、石川県全体で7万4,150棟、また道路の寸断などで孤立集落が発生し、一時は電気・水道も止まり、携帯電話も通じない状況の中で、24地区3,345人が苦しい生活を強いられました。
避難所に避難されている方も2月20日時点で1万2,463人であり、断水も2万2,000戸以上で続いています。
避難されている方は、3月1日時点で1万1,048人、また昨日ニュースを見ておりましたら、在宅避難をされている方が、先月末で4,557人とのことでございました。
あまりにも大き過ぎる被害ですが、教訓として地元防災に生かすため、通告書に従いまして、大綱1点についてお伺いいたします。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱1「防災・減災・避難所での施策について」であります。
今回の能登半島地震でも津波が発生し、珠洲市三崎町では、海面からの高さが最大4.7メートルに及び、40戸ほとんどの民家が津波で全壊・半壊の被害を受けました。
しかし、平時の備えを生かしたことで、住民、帰省客、初詣客180人全員の命が助かりました。
最大13.5メートルの津波の被害想定があるこの地区では、「何かあったら集会所」という合い言葉の下、毎年欠かさず避難訓練を行い、地震の際の行動を確かめていたと聞いております。手を抜かず、気を抜かず、継続する必要性を感じた次第であります。
また、テレビを見ておりましたら、能登地方のデイサービス送迎車両が、地震発生と同時に緊急停車した後、近くにいた住民の方々が乗車していた高齢者を背負って高台に避難して、全員津波から逃れることができたとの報道がありました。東日本大震災の教訓を生かした行動を頼もしく思うと同時に、無事を聞いて安心した次第です。
さて、愛媛県の被害想定では、南海トラフ巨大地震とともに津波が発生して、冬、深夜、強風等で最悪の場合、八幡浜市では死者770人、負傷者1,662人、建物の全壊1万2,117棟となっております。
能登半島地震の甚大な被害を目の当たりにして、本市においても同様の被害発生が懸念される中、何をどう改善していかなければならないか、具体策でなくても、現段階での率直な意見を伺いたいと思います。
○議長(樋田 都君) 市長。
○市長(大城一郎君) 地震や津波等の災害に対しては、何よりもまずは命を守ることが重要です。
市としましては、防災対策に終わりはないとの信念の下、災害による死者をゼロにするため、今後も最大限取り組んでいきたいと考えています。
いつ起こるか分からない南海トラフ巨大地震を考えれば、自分の身は自分で守るという「自助」、さらには避難に支援が必要な方のことを考えれば、地域で声を掛け合って避難し、地域で助け合うという「共助」の取組も大変重要になってくると考えています。
「公助」としましては、愛宕山への避難路及び避難地整備を進めているほか、令和3年度から10か年計画で必要とする備蓄食料の目標数を整備しているところです。
さらに、新年度は市内5か所の福祉避難所の消耗品や備品等を充実させるなど、避難所運営体制の強化を図ります。
また、能登半島地震の発生から2か月を経過した現状を見てみますと、上下水道施設等の公共インフラの復旧にはまだまだ時間がかかることが分かります。今後これらの公共インフラの耐震化についても、引き続き進めていく必要があると考えております。
最後に、南海トラフ巨大地震は必ず来ると思っていなくてはなりません。今後これらの防災対策事業を推進するに当たっては、災害による死者を一人も出さないという覚悟で、ソフト・ハード両面から必要な事業を取捨選択し、スピード感を持って実施していきたいと考えております。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ありがとうございました。
私もこの質問をするに当たり、発生から2か月ということで、具体的な対策はまだ出来上がってないのではないか、質問するのは早いのではないかという気がしておりました。それで、率直な意見ということで市長に今答弁いただきまして、やはり耐震化で、自助・共助の大切さを説かれました。これから自主防災組織の方にもそういった面を常に植え付けて、ソフト面での住民のつながりをこれからするべきであると感じているところであります。ありがとうございました。
愛媛県では、令和5年度より南海トラフ地震津波対策推進事業及び南予津波夜間避難訓練支援事業を実施して、夜間における避難訓練で見えた課題の対応として、街灯の設置や避難路の舗装工事、設備の設置等、ハード面の整備に県の助成が受けられるようになっております。
現在、市内17地区で98自主防災組織があると認識をしております。地震、津波はいつ襲ってくるか分からない中、これまでに夜間の避難訓練を実施した自主防災会はどれくらいあるのか、計画しているところはあるのか、また予想される最高位9メートルの津波が襲ってきた場合、危険度の高い自主防災組織はどのくらいあるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
これまでに夜間避難訓練を実施した自主防災組織は、真穴、川上、川之石、神山、松蔭、磯津の6地区で実施しています。
また、今年度中には白浜地区の大平自主防災組織及び川上地区で実施予定となっています。
令和2年3月27日に津波防災地域づくりに関する法律第53条第1項の規定に基づき、愛媛県が本市に津波災害警戒区域を指定しました。
本市において津波の災害が懸念される自主防災組織は、17地区98組織のうち13地区49組織が該当し、今年度5月に実施した八幡浜市自主防災会連絡協議会の総会において、夜間避難訓練の実施の必要性を含めて説明しています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 既に6地区が実施をしているということで、また計画もあります。9メートルの津波の場合に襲ってくる危険性の高いところが13地区あるということでございますので、先ほど課長言われました、そういった夜間訓練の必要性を説明会で行ったということでありますけど、なかなか一般住民を巻き込んでは実施難しい面もありますので、役員さんだけでも先に夜間の避難訓練を実施していただきますように、その辺の周知を徹底していただきたいと思いますし、津波が襲ってくるのはここまでですという線引きはできませんので、やはり近隣の方にもそういった避難に参加してもらうように改めて周知をお願いしたいと思っております。
能登半島地震は大変厳しい寒さの中で発生し、停電、断水など、避難所でも苛酷な生活環境となっています。一次避難所の数についても、1月31日時点では、輪島市が87か所、珠洲市で44か所、避難者数4,353人となっています。
大規模災害時には、公助が行き届かない場合、防災士、自主防災役員、地域の方々で避難所の運用をしなければなりません。ソフト面の充実が求められます。
昨年5月よりコロナ感染症が5類へ移行して研修の機会が増えたと思いますが、令和5年度になり、現在までに災害図上訓練(DIG)や避難所運営ゲーム(HUG)を実施した地域や団体、受講した人数は何人であるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
災害図上訓練(DIG)は、地域住民が自分たちの住んでいる地域の地図を囲み、災害の種別ごとに、どこにどのような危険があり、どこへ避難することができるかなど、地図に情報を直接書き込みながらワークショップ形式で防災対策を検討する訓練であり、大変有効であると考えております。
また、避難所運営ゲーム(HUG)は、大規模災害時に公助が行き届かない場合に備え、住民自らが避難所を運営する際のシミュレーションができるため、これも大変有効であると考えております。
御質問の令和5年度に実施した事例としましては、令和5年11月に川之石小学校の教職員15名が避難所運営ゲーム(HUG)を実施し、また先月、令和6年2月には、八幡浜支局の愛媛県職員と実際に避難所に配置される市職員の合わせて72人が合同で避難所運営ゲーム(HUG)を実施しております。
なお、災害図上訓練(DIG)につきましては、令和5年度における実施事例はありませんが、令和4年度には11月6日に八幡浜市母子寡婦福祉連合会で36人により、令和3年度は11月19日に自主防・消防団合同で43人により実施をいたしております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま市の職員、県の職員の方合わせて実施したという、また川之石小学校等も報告いただきました。
そういったHUG、避難所運営ゲームをした中で出てきた課題はどのようなものがあったのか。
また17地区それぞれの自主防災組織がある地区においては現況、またそこにおいても地域の方、役員の方みんなにこういった訓練を体験していただいて、自分自身のスキルアップのために役立てていただきたいと思いますので、その辺についてどのように考えておられるか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 2点再質問いただきましたので、一つずつ順番にお答えさせていただきたいと思います。
まず、1点目、避難所運営ゲーム(HUG)について、それを実施した場合にどのような課題が出てくるのかという御質問にお答えをしたいと思います。
避難所運営ゲーム(HUG)につきましては、私も参加をさせていただいたことがあるんですが、これは議員御承知のとおり、避難所でこういう事態が発生したときにどうしますかというカードが付与をされます。そういうことで、これは2月に行いました市職員・県職員合同の事例に限らず、避難所運営ゲームをして必ず問題となるのは、まず1番目には、断水により使えないトイレをどうするのかということです。それ以外では、女性の着替える場所や乳幼児への授乳などプライバシーの確保をどう図るのか、ペットを連れてこられた方への対応をどうするのか、外国人など言葉が十分に通じない方への対応をどうするのかなどが上げられます。
もちろん、以前のコロナ禍におきましては、感染症対策のほか、人と人との距離を取る、いわゆるソーシャルディスタンスですが、そのため定員を減らした避難所におきましては、受入れができないなどの課題もございました。
2点目の御質問の、今後17地区自主防災会においてこのようなDIG、HUGをやっていただくように、市としてどのような啓発活動を行っていく考えがあるのかという御質問にお答えをしたいと思います。
昨年も5月に開催をいたしました自主防災会連絡協議会の総会におきまして、DIGあるいはHUGの研修について案内をしたところでありますが、今年度については各地区自主防災会から要望が上がりませんでした。
なかなか、DIGにつきましてもHUGにつきましても1回やってみないとその効果が実感できないと思いますので、今後につきましては、もっと丁寧に説明をし、啓発をしていきたいというふうに思っております。
そして、今は、先ほど議員からもありましたけれども、今年元日の能登半島地震を受けまして、連日テレビで避難所の様子が報道されており、避難所の在り方を含めまして、またとなく防災意識が向上しているときだと思いますので、この機を逃さないように啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 先ほど答弁の中にございましたので、重なる部分もあるんですが、広報3月号に市職員の研修で避難所運営ゲーム(HUG)に取り組んでいる記事がありました。市民の方の防災意識の向上のために、それぞれの地域でHUGやDIGの研修を実施してはどうでしょうか。
また、運営スタッフに女性が少ないとの指摘があります。女性がいろんな場所に参加し、女性の視点を取り入れた避難所を運営したり、そのような避難所を運営できる人材を育成する必要があると思いますが、考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市、珠洲市などでは、避難所生活が長期化し、被災者の心身への負担増加が懸念されており、中でもプライバシー制限などの影響が特に大きいのは、女性や乳幼児など社会的弱者と言われております。
新聞報道によりますと、ある避難所では、当初女性用の肌着や生理用品が他の物資と同じように並べられ、その後変更はされましたが、女性スタッフが疑問視するまで見落とされていました。
また、別の避難所では、女性が更衣室の設置を要望しましたが、運営責任者の男性は「段ボールの仕切りがあるのでしゃがめば着替えはできる」と答えたとのことです。
さらに、仮設トイレが不衛生であったり暗い場所にあったりするため、女性や高齢者が使用を我慢する結果、体調悪化を招くケースがあるなど、様々な事例が報じられています。
これらのことから、避難所においては女性の意見が反映される仕組みづくりが必要に思います。
避難所の運営は、市を含む関係機関、自主防災組織、ボランティア団体などの協力の下実施するものでありますので、今後は八幡浜市自主防災会連絡協議会や各種女性団体と協議していくとともに、避難所運営ゲーム(HUG)などの実施に際しましては、女性の積極的な参加を促すなど、女性の視点を取り入れた避難所運営が図られるように努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 ただいま答弁にございましたように、やはり避難所の運営はどうしても男性中心の目線になるということでございますが、本市におきましては女性防災会議、こういったものがございますが、定期的に開催して防災面におきまして女性の意見を取り入れて、これまでに改善してきたことがございましたら答弁をいただきたいと思います。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 今議員から御質問いただきましたように、本市では女性防災会議などを通じましてこれまでも可能な限り防災面に女性の意見を取り入れてきているところでありますが、御質問のありました、これまでに改善をしてきたこととしましては、まず備蓄食料で、従前は置いていなかった子供用おむつ、大人用おむつ、生理用品、粉ミルクや哺乳ボトルなどの備蓄を現在はいたしております。これらは、男性ばかりで考えているとなかなか気づかないところであったのかなというふうに思っております。
このほかにも、先ほど避難所運営ゲームでの課題としても出てまいりました、乳幼児への授乳や女性が着替える場所などプライバシー確保の問題につきましては、その当時、避難所に段ボールベッドを配備すべきなのか屋内用テントを配備すべきなのか随分議論をいたしましたが、完全に密閉空間がつくれ、プライバシーが保たれる屋内用テントを他市に先駆けて導入をした経緯がございます。
このことは、結果的ではありますが、新型コロナウイルス感染症対策においても有効であったと思っております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 先ほど避難所の運営に女性が少ないのではないかということで質問させていただきました。
それを受けて、今多くの自治体において防災担当の部署に女性が配置されていないというような指摘がございます。ちょうど本年2月5日の愛媛新聞の記事でございましたが、「災害に対応する防災・危機管理部局に女性職員が一人もいない「女性ゼロ」自治体は、全市区町村の61.1%を占め、防災部署にいる女性職員の割合は全市区町村の平均で9.9%」とのことでございました。
本市においても、危機管理・原子力対策室に女性職員はいないのではないかなという感じがしておりますので、配置する考えはないかということをお伺いをいたします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) 現在、総務課危機管理・原子力対策室に女性の会計年度任用職員が1人いますが、正職員は全員男性です。
今回の能登半島地震被災地の避難所で配備されていない備品としまして、女性用の下着をはじめ妊産婦向けの衣類や下着などの用品、防犯ブザー、ホイッスル、また乳幼児用品におきましては、粉ミルクはあっても液体ミルクはないとか、生後半年頃から必要となる離乳食など、これらはどこまでやればいいのかという課題はあるとは思いますが、そもそもこれらは女性でなければ気づかないものなのかなというふうに思います。
今議員から、危機管理室に女性職員の配置をということでありますが、こればかりは人事に関係することになりますので、今明確なお答えはできませんが、検討してみたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり地域の避難所において女性の視点でいろんなことを要望したくても、受ける側の自治体、ここにも女性職員の方がおられれば、よりよい関係を構築できると思いますので、この辺はぜひ検討をお願いをいたします。
次に、令和4年度末までの本市の防災士の人数と女性の割合、17地区全てで女性がおられるのか、また今後の防災士の人数について、増やす予定であるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
令和5年11月末日現在におきまして、日本防災士機構に登録されている本市の防災士登録者数は、男性425名、女性117名、合計542名、女性の割合としては21.6%です。
そのうち本市の助成を受けて防災士の資格を取得した方は、男性186名、女性44名、合計230名で、女性の割合は19.1%です。
なお、市の助成を受けないで独自で防災士資格を取得された方々の所在までは市のほうで把握はできておりませんので、市全体の女性防災士117名のうち、市の助成により資格取得した44名の女性防災士の所属で申し上げますと、本市の全17地区自主防災会中13地区自主防災会に所属しております。
今後につきましても、女性防災士を含め積極的な資格取得を各地区自主防災会に呼びかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今後の計画について伺いまして、予定どおりに増員もできることを願っておりますし、全ての地区で女性スタッフが増えることを願っております。なおかつ、頼りになる存在としてスキルアップに努めていただきたいと考えております。
次ですが、先日NHKのニュースで、愛媛県内において耐震診断した住宅のうち、耐震工事実施は4割未満との報道がありました。
能登半島地震では、多くの人が倒壊した建物の下敷きになって亡くなるなど、住宅の耐震化が改めて課題となっています。
県内の市と町は、昭和56年以前の古い耐震基準で建てられた木造住宅を対象に、耐震診断と耐震工事の一部を補助しています。
NHKが県内20市町で調査をしたところ、県の支援を受けて市や町が耐震工事の補助を順次開始した平成23年度以降、1月までに行われた耐震診断は4,509件であったが、耐震工事まで行われたのは1,732件で、全体の38.4%であるとのことです。
正常性バイアスが働いたり、個人負担の多いことが耐震工事まで行かない要因のようです。
平成23年から本年1月末までの本市の耐震診断の件数、耐震工事の実施率はどれくらいか、また現在の住宅の耐震化率についても伺います。
○議長(樋田 都君) 建設課長。
○建設課長(宮下栄司君) お答えします。
耐震関連事業の実績につきまして、平成23年4月から令和6年1月までの耐震診断の件数は107件、そのうち耐震改修工事に至った件数は36件あり、耐震改修工事の実施率は33.6%になります。
また、本市の住宅耐震化率は、平成30年に実施された総務省住宅・土地統計調査のデータが最新になりますが、木造戸建て住宅で70.4%、非木造を含む共同住宅などで84%、住宅全体では74.8%となっています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 これ若干古い資料になるかもしれませんけれども、八幡浜市、令和2年に耐震化率80%の目標がございまして、令和7年は90%、この目標を設定しておられます。
国のほうでは、令和7年には95%の目標を設定しておられますけど、この数値について、市として十分達成可能な数字になるのか、目標ではありますけど、その辺の現時点での状況、考えをお伺いしたいと思います。
○議長(樋田 都君) 建設課長。
○建設課長(宮下栄司君) 議員の言われるとおり、八幡浜市耐震改修促進計画におきまして、令和7年度の耐震化率を90%、令和12年度には95%とすることを目標にしています。
これは県の計画のほうを参考に設定のほうしてるわけでありますが、来年に住宅の耐震化率、新しい住宅・土地統計調査のデータのほうが出ますので、こちらのほうを見ながらちょっと設定のほうは考えていきたいと考えております。
啓発とか周知のほうに力を入れまして、こちらのほうを何とか達成したいと考えております。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 一般財団法人日本建築防災協会の調査によると、耐震補強リフォームに係る費用相場は、改修を行った人の約55%が200万円未満、そのうち100万円から150万円の人が最も多いことから、150万円前後が耐震補強工事の平均相場であると言われています。
和歌山県田辺市では、能登半島地震で古い木造住宅が多く倒壊し、倒壊した建物の下敷きになるなどの圧死が4割と最も多かったことを受けて、4月から住宅耐震改修補助金上限を150万円に引き上げる方針を示しております。
従来は、国が50万円、県と市が33万3,000円を上限として、合わせて116万6,000円でしたが、今回市の負担を33万4,000円増額予定で、2月27日開会の3月市議会に7,166万円予算計上をしております。
能登半島地震を受けての今後の耐震化率向上への取組の中で、市民の生命・財産を守るため、耐震工事補助金の増額を思い切って検討するべきと思いますが、考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) 本市の耐震改修工事に対する補助金は、100万円を上限に対象工事費の5分の4の金額を助成しています。
現在のところ、上限額の引上げは考えておりませんが、新たな取組としまして、令和6年度当初予算の中で耐震診断後の実施設計に対する補助金を計上しています。
制度概要は、20万円を上限として設計費用の3分の2の金額を補助する内容です。
これで、診断、設計、工事の各工程で切れ目のない補助制度が完成するとともに、市民の負担軽減につながると考えております。
また、今後の方針としまして、地震から市民の生命を守るため、これら耐震に関する制度の周知・啓発にも重点を置きながら耐震化の促進を図っていきたいと考えております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 私もこの田辺市の3月議会の補助金を見まして、他の市はどうなっているのかということをちょっと調べてみますと、田辺市が今耐震化率が73%、新宮市が72%ということで、新宮市においても今現在ですけど146万6,000円の補助制度がございますが、やはり根幹として、和歌山県岸本知事が26年度末までに100%を目指すと、そういった考えがあってのこういった措置かなと思いますけれども、やはり当市におきましても状況を見ながら対応をお願いします。
また、熊本地震発生後には問合せも多かったと伺っておりますけど、今回地震後の問合せの件数や内容、また耐震化の必要性のための出前講座、こういったところを予定されておられるのかということについてお伺いをします。
○議長(樋田 都君) 建設課長。
○建設課長(宮下栄司君) 耐震化の促進を図るため、県と協力しながら、各地区公民館への出前講座や戸別訪問を実施するほか、広報紙や市のホームページへ補助制度を掲載するなどの周知・啓発活動を実施しています。
出前講座の実績としまして、平成25年度から令和元年度までの間、9地区の公民館で実施しましたが、令和2年度以降はコロナ禍の影響により実施できておりません。
また、戸別訪問につきましては、平成25年度から昨年度までに1,200戸を訪問しています。
さらに、昨年6月、新たな取組として、事業者向けではありますが、耐震改修の低コスト工法の勉強会を実施しています。
なお、令和6年度能登半島地震以降の相談件数は10件程度で、そのほとんどが耐震診断や耐震改修工事の補助制度の詳細についての問合せです。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 やはり地震直後というのは問合せが多いということを改めて実感いたしましたけれども、これからも出前講座を充実させて様々な形で受講される方を増やしていただきたいと思っております。
次に、「災害時協力井戸」の事前登録制度の導入についてであります。
私はこの件について、令和4年9月議会の一般質問の中で、井戸の所在情報を登録して、同意を得た方の井戸をホームページで公開している近隣自治体の事例を紹介し、導入の必要性を提言したところであります。
平成30年豪雨災害では、宇和島市吉田町にある吉田上水道に土砂が流入して上水道が機能不全になり、吉田・三間地域が1か月以上断水しました。断水が長く続き、生活用水の確保が困難だったとき、各地域にある井戸からもらった水を風呂やトイレに利用して大変助かったと聞いております。
2月20日、愛媛新聞の記事でございますが、「能登地震断水の8市町 井戸活用計画未整備 災害用登録制度なし」の見出しがありました。
輪島市や珠洲市など8市町において、地域防災計画では「緊急用の水源として井戸水の確保に努める」「比較的汚染の少ない井戸を水源に選定する」などとしていましたが、具体的な制度づくりには至っていなかったとのことであります。
被災地では住民の声掛けなどにより井戸が自発的に開放され、共用された地域もあったようですが、計画が整備されていればよりスムーズに活用できた可能性があり、ルールづくりの必要性が高まっています。
大阪公立大・遠藤崇浩教授の2018年から2019年の調査によると、災害用井戸の活用制度は、全国1,741市区町村のうち418市区町村で導入されていたようです。
令和4年9月議会の一般質問において、防災井戸について質問をさせていただきましたが、当時の総務課長より「八幡浜市には飲用井戸として124か所ある。内訳として、一般飲用井戸88か所、業務用井戸36か所となっている。また、飲用以外の井戸の数は把握していない」と御答弁をいただきました。
能登半島地震を教訓として、今後の災害に備え、活用できる井戸を把握するため、事前登録制度の導入を図るべきと思いますが、改めて考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
能登半島地震の避難所運営の支援に派遣した職員も、上下水道が使えない生活は大変であったとの報告があり、改めて生活していく上での水の必要性を再認識したところです。
井戸につきましては、市が新たに井戸を掘削することは考えておりませんので、市内の個人や事務所が所有する災害応急井戸を活用することになります。
その中には、大腸菌検査等の必要性もあり、飲料水としての使用ができない井戸もあると思いますが、飲料水以外の生活用水での使用も視野に入れ、まずは他市町の井戸の活用方法を調査してみたいと思います。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 この議場におられる方は誰も経験したことないと思いますが、2か月以上水の出ない生活というのは、考えても本当にどういった生活になるんだろうというような全く想像もつかない苛酷な状況であると思います。
これは先般、宇和島市の中での防災井戸の関係なんですが、この方が防災井戸に登録して、交流サイトやチラシで情報提供をして、毎日利用者がいた。なおかつ保健所の水質検査で飲用ができたということでございましたが、その井戸にはステッカー、また御自由にお使いください、そういったものを取り付けていたということでございますので、また今後できましたら、今日はいい返事をいただけるかなと思っておったわけですけど、前向きな検討をよろしくお願いをいたします。
たとえ飲用井戸として登録があり、生活用水に利用しても、飲み水として利用するにはちゅうちょされる方が多いのではないかと思われます。
今回の能登半島地震において、各地から給水車が応援に駆けつけ活躍中であります。やはり井戸水ではなく、浄水を積んだ給水車が活動することで、市民の安心感につながりますし、大規模災害時に応援要請があれば、被災地支援はもとより、冬場の渇水時期の対応もできると思います。
当市も現有車両を用いた応急的な給水活動を行っているとは思いますが、専用の給水車の導入について考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君) 当市は給水車を所有しておりませんが、容量1トンのステンレスタンクを2基、1.2トンのポリタンクを7基所有しており、それらをトラックで運搬することで、災害時や渇水時にも飲料水の提供が可能です。
しかし、送水ポンプを内蔵している給水車とは違い、能登半島地震でも必要となっている高いところにある受水槽への給水が行えない問題があるため、その教訓により、近い将来の導入を考えているところです。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 給水車につきましては、今現在全国で、これは回答を求めたけど70%ぐらいの回答率であったということで、あくまでも推測の域ですが、1,300台から1,500台あるのではないかと言われておりますし、2トン車の場合、1人1日3リットルの水を使用するとしまして、それで2,000リットルの場合約666人で、1日5回は給水ができるだろうということで、2トン車1台で1日3,300人はカバーできるとの数字が出ておりますし、政府が令和元年に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定においては、断水が3,570万人、こういった人数が利用できないだろうとの数値を出しております。やはり1台あればいろんな使い方ができると思いますので、ぜひこの件につきましても前向きな検討をよろしくお願いをいたします。
能登半島地震の被災地では、断水の長期化が深刻で、耐震化されていない水道管が広範囲で損傷し、全域での断水の解消は3月末の見込みとのことです。
厚生労働省によると、2021年度末で水道管の耐震適合率は全国平均で41.2%、石川県が36.8%、被災地の志賀町は10.4%、七尾市21.6%、珠洲市36.2%、輪島市52.6%であります。
また、耐用年数の40年を過ぎた水道管は、全国で約15万キロメートルあり、国は更新を進めつつ、28年度末の耐震適合率の目標を60%としています。
本市の最新の耐震化率及び水道管の総延長距離と耐用年数を過ぎた水道管の距離、また1年間に耐震化はどれくらい進んでいるのか、お伺いします。
○議長(樋田 都君) 水道課長。
○水道課長(山本 覚君) お答えします。
当市の上水道の基幹管路は約102キロメートルで、そのうち耐震化済みは約34.9キロメートル、耐震化率は34.2%です。
また、耐用年数を過ぎた基幹管路の延長は約30.1キロメートルで、老朽管率は29.5%です。
基幹管路の耐震化工事については、2027年度末の耐震化率43.5%を目標とした水道事業経営戦略に基づき計画的に実施しているところですが、同戦略を策定した2017年度末の耐震化率が19%で、2021年度末には34.2%となっており、平均して1年間に3.8ポイントの進捗となっています。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今、課長から答弁いただきまして、2017年度から毎年3.8ポイントずつ上昇して、2021年には34.2%まで上昇しているとの返答をいただきました。
上水道は、維持管理、改築更新、時間と費用もかかるため、なかなか進みにくいと聞いておりますが、これからもしっかりと組織づくりをして、計画どおり耐震化が進むことを期待をしております。
次に、下水道についてであります。
下水道管には、鉄筋コンクリート管、硬質塩化ビニール管、ダクタイル鋳鉄管などがあります。
世間一般的に、コンクリートについては耐用年数が50年と言われているようです。
公共下水道事業以前に敷設された管渠はコンクリート管、いわゆるヒューム管が主に使われていると聞いており、耐用年数が心配されるところであります。
下水管の総延長、耐用年数を過ぎた下水管の割合、更新の状況についてお伺いします。
○議長(樋田 都君) 下水道課長。
○下水道課長(菊池利夫君) お答えいたします。
本市の公共下水道における管渠の総延長は、令和5年度末時点で186.3キロメートルであり、そのうち耐用年数を過ぎた延長は14.8キロメートル、割合で7.9%となります。
また、管渠の更新状況ですが、現在、公共下水道ストックマネジメント事業により随時更新をしております。
この事業は、長期的な視点で下水道施設全体の老朽化の進展状況を予測し、リスク評価により優先順位づけを行った上で、点検・調査及び修繕・改築を実施し、下水道施設全体を計画的かつ効率的に管理することを目的としています。
現在の状況としましては、令和2年度から令和6年度までを第1期計画として、耐用年数の経過にかかわらず、調査により緊急性の高い区域である旧八幡浜市中心部における管渠の更新を実施しており、第1期計画の対策必要延長609メートルに対し、更新済み延長は418.3メートルで、更新率は69%となっております。
以上です。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今、下水道課長から更新しているのは約70%であり、計画どおり進んでいるということが分かったわけですが、今回の能登半島地震で一番ひどかった珠洲市においては公共下水道94%の機能を失っていると。能登半島地域においては685キロ、これは6つの市と町でございますが、52%で機能を失っているとの資料がございました。
なかなか人口減が進んで、関連の料金収入が先細る、そういう中での費用対効果を考えて耐震化の優先順位は低くなる傾向であるとの指摘もございます。
当市におきましては、先ほど70%更新をしているということでございますので、計画どおりに上水道の耐震化同様、下水道におきましても計画どおりの更新を期待をしておりますし、実施をしていただきたいと思っております。よろしくお願いをいたします。
次に、災害時のペット対策についてであります。
愛媛新聞2月9日の記事に、「県内避難所ペット受け入れ整備進まず」の見出しがありました。
災害時にペットと避難したいというニーズが高まり、国は一緒に避難所まで赴く「同行避難」を推奨しています。
定義では、同行避難とは避難所まで行くまでの話で、同居できるという意味ではないとのこと。ペット同伴での受け入れは各避難所の判断によるため、ルールを持たない避難所が受け入れを断る事例も相次いでいたとのことです。
能登半島地震でもペットが入れない避難所があり、一部の飼い主は傾いた自宅や車中に泊まるなどしたため、飼い主の安全面や健康面を配慮して、石川県は1月21日にペット専用のトレーラーハウスを整備したようです。珠洲市も28日には一緒に過ごせる避難所を開設しました。
このように、今では災害時のペット対策は必要不可欠となっております。災害時の避難に際し、避難所のペット受け入れが進まないことから、避難をちゅうちょした人が多いことが分かっております。
県内において、現時点で各指定避難所のマニュアルにペットについて記載があるのは2市、そのほか4つの市と町がペットの記載を含む避難所マニュアルを策定中であります。人命が先で、ペットまで手が回らないという自治体もあるようです。
私はペットを連れて避難したいと考えておりますので、キャリーケースを3個準備しております。
東日本大震災を機に福岡VMAT(災害派遣獣医療チーム)を設立した獣医師の船津敏弘さんは、災害への備えは、しつけ・健康管理・備蓄であると言われております。
本市においても、飼い主に避難所での同居の注意点・留意点のマニュアルを作成してルールづくりをするべきと思いますが、考えを伺います。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
本市としては、大規模災害時にペットを連れて避難される方への対応は必要と考えており、ペット同伴の避難につきましては、平成29年5月に八幡浜市避難所運営マニュアルを作成し、ペット連れ避難者の対応を明記し、避難所での飼育のルールや避難者への対応などを定めております。
これは、大災害時には通常の警報発表時のように市職員が避難所を開設することは難しいため、発災後直ちに自主防災会等が避難所を運営していかなければならないことを考慮し、必要と思われることをマニュアル化したものです。
また、市内の獣医師と相談し、避難所での飼育環境を確保するため、大小25個ずつ合計50個のペットケージを購入しております。
現在、八幡浜防災倉庫、旧双岩中学校、旧青石中学校に配備し、災害時に必要な避難所で活用することとしております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 平成29年5月に既にマニュアルをつくっているということで、対応の早さに感心をいたしました。
私も、同僚議員がこのペットの同行避難について質問をしたのは記憶にございましたけれども、こういったマニュアルが完全にできているということまで承知をしておりませんで、こういったマニュアルの周知についてはどうされているのか。
また、これは愛知県犬山市の事例でございますが、一昨年、2022年12月から市内33か所の指定避難所のうち3か所をペットとともに過ごせる同室避難に変えております。
また、本年1月22日には、犬・猫など動物8匹と動物病院のスタッフら30人で大雨警報発令を想定して避難所を設営をしております。
ペットとの同室避難が理想ではありますが、当市として飼い主に準備していただきたいこと、また心構え等、現在分かる範囲で構いませんので、答弁をお願いいたします。
○議長(樋田 都君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) まず、先ほどの避難所運営マニュアルの周知の件について先にお答えをさせていただきます。
ペット同行避難につきましては、八幡浜市避難所運営マニュアルを作成したときに、地区自主防災会へ説明を行いました。
そして、これまで、実際に神山地区自主防災会と白浜地区自主防災会では、愛媛県及び動物愛護センターの協力の下、ペット同伴の避難訓練を実施しております。
市民への周知方法につきましては、土砂災害ハザードマップ、喜木川ハザードマップに掲載し、周知をしているところです。
なお、ふだん屋外で飼育をしているペット、室内で飼育をしているペットの避難所での配置方法につきましても、八幡浜市避難所運営マニュアルの中で避難所における配置例を図で示しているところであり、今後必要に応じまして八幡浜市自主防災会連絡協議会などを通じて周知をしてまいりたいというふうに考えております。
そして、今議員のほうから愛知県犬山市でのペットの同室避難の事例の御紹介がありましたが、確かに飼い主にとりましてペットは家族の一員だと思いますので、それが一番望ましいことだとは思いますが、そこに向けまして、しつけのポイントであったり、避難に必要な餌や水の量など、事前にどんな準備が必要なのか、市ではそこまでまだ指導できる準備は整っておりません。
そして、何よりも大切なことは、有事の際に混乱が生じないよう、それを受け入れることのできる避難所をあらかじめ公表し、市民に周知をしておくことだというふうに認識をしておりますが、そのあたりにつきましては今後の課題とさせていただければというふうに思っております。
そして、最後に、議員がおっしゃられた今後ペット同行避難者に対して、市として言っておきたいことでございますけど、今日のところは、ペットを連れて避難される方、そしてそれを受け入れる側の避難所、あるいはペット同伴でない避難者を含めまして、現段階で市としてお願いをしておきたい点という意味で答弁をさせていただければと思います。
避難所では、様々な人が集まり共同生活するため、動物との暮らしが苦手な方やアレルギーの方もおられるということを認識しなければなりません。
全国でこれまでにあった災害におきましては、ペットがいることによってつらい避難所生活の中で飼い主だけでなく避難者にとっても心の安らぎや支えとなったという声がある一方、動物の鳴き声への苦情、体毛やふん尿処理など衛生面でトラブルとなった事例も報告されております。
避難所では、ペットの飼育管理は飼い主の責任で行い、衛生的な管理を行うとともに、飼い主同士で話し合い、周りの人に配慮した行動をお願いしたいと思っております。
また、ペット連れ避難の基本は、ペットを飼育している方がペットに必要なものを全て持参して避難していただきたいと考えております。
これまで、本市では避難所で長期にわたる避難がなく、実際に避難所に犬などのペットを連れてこられた事例は聞いておりませんが、大災害が起こればそうはいかないと思います。
そのときに避難所がペットを受け入れないからという理由で犬を放置して避難すれば、野犬化するなどの新たな課題も発生します。
もちろん、ペットが原因で避難が遅れ、命を落とす人が出たのではいけません。
ですから、市と避難所を運営する側と避難される方とみんなが共通理解の下でお互いに譲り合う気持ちを持って、少しでも安全・安心な避難所生活を送れるよう、それぞれの立場で努力していく必要があるというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(樋田 都君) 菊池 彰議員。
○菊池 彰君 今、部長に答弁いただきまして、既に神山、白浜がそういった同室避難を実施されているということ。また、旧の双岩中、青石中には50個のペットのケージも構えておられるということで、十分、もし何かあっても対応ができるのではと今感じた次第です。
何といいましても、人命が何より大切であります。ただ、動物やペットによって支えられている人は多いと思います。ペットを救うことがそうした人たちを救うことになる。スムーズな同室避難が実行できますことを願っております。
能登半島地震が発生して2か月が経過をいたしました。インフラの復旧も思うように進んでいない状況で、避難生活の長期化は避けられない状況であります。
本市を含め全国各地の自治体から応援の職員の方が現地に入り、復興支援のサポートをしておられます。被災された方に笑顔が戻るまで能登半島地域の復旧・復興まで、全国各地から途切れることのない継続した支援を切望いたします。
南海トラフ大地震は、昨今日本で最も話題に上る地震と言っても過言ではないほど様々な情報が見聞きできます。必要なのは、正しい情報を得て、的確な防災・減災対策を講じて、決して不安を募らせることなく被害を減少させることだと思います。
幾ら備えがあっても憂いが消えることはありませんが、できることはしっかりと取り組むことが今の私たちに課せられた責務であると思います。
2024年、今後は事件・事故・災害のないことを心から願いまして、一般質問を終わります。