令和7年八幡浜市議会9月定例会会議録第2号【速報版】

公開日 2025年10月28日

 ※これは速報版で、校正前原稿のため、正式な会議録ではありません。

令和7年八幡浜市議会9月定例会会議録第2号【速報版】

議事日程 第2号

令和7年9月16日(火) 午前10時開議

第1
会議録署名議員の指名

第2
一般質問
―――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件

日程第1
会議録署名議員の指名

日程第2
一般質問
―――――――――――――――――――――
出席議員(15名)       

  1番  杉  山     啓  君
  2番  竹  内  優  美  子  君
  3番  宮  本  知  里  君
  4番  鎌  田     浩  君
  5番  井  上     剛  君
  6番  攝  津  眞  澄  君
  7番  平  野  良  哉  君
  8番  田  中  繁  則  君
  9番  遠  藤     綾  君
 10番  菊  池     彰  君
 11番  西  山  一  規  君
 12番  佐  々  木  加  代  子  君
 13番  平  家  恭  治  君
 14番  上  田  浩  志  君
 15番  宮  本  明  裕  君
―――――――――――――――――――――
欠席議員(なし)
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説明のため出席した者の職氏名

 市長          大 城 一 郎 君
 副市長         菊 池 司 郎 君
 教育長         井 上   靖 君
 代表監査委員      若 宮 髙 治 君
 総務企画部長      藤 堂 耕 治 君
 市民福祉部長      宮 下 栄 司 君
 産業建設部長      垣 内 千代紀 君
 市立病院事務局長    井 上 耕 二 君
 政策推進課長      松 良 喜 郎 君
 総務課長        河 野 光 徳 君
 財政課長        松 野 好 眞 君
 税務課長        二 宮 万裕美 君
 社会福祉課長      河 野 洋 三 君
 子育て支援課長     梶 本 敎 仁 君
 市民課長        六 條 公 治 君
 保内庁舎管理課長    清 水 秀 樹 君
 生活環境課長      岡 本 正 洋 君
 保健センター所長    明 禮 英 和 君
 人権啓発課長      菊 池 和 幸 君
 水産港湾課長      宮 岡 昭 彰 君
 建設課長        上 甲 立 志 君
 農林課長        松 本 有 加 君
 商工観光課長      宇都宮 久 昭 君
 下水道課長       菊 池 利 夫 君
 水道課長        山 本   覚 君
 会計管理者       田 本 憲一郎 君
 学校教育課長      萩 森 久 人 君
 生涯学習課長      山 中 貞 則 君
 監査事務局長      菊 地 栄 治 君
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会議に出席した議会事務局職員       

 事務局長        水 岡 能 成 君
 事務局次長兼議事係長  窪 田 安 真 君
 事務局次長兼調査係長  黒 田 昌 利 君
 書記          北 本 真紗美 君
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   午前10時00分 開議
○議長(菊池 彰君)  おはようございます。
 開会に先立ちまして連絡事項がございます。
 本日の会議につきましては、議会資料作成のため、議会事務局職員による会議中の写真撮影を許可しておりますので、御了承の上、御協力いただきますようお願い申し上げます。
 これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、タブレットで配付してあるとおりであります。
―――――――――――――――――――――
○議長(菊池 彰君)  日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、議長において3番 宮本知里議員、13番 平家恭治議員を指名いたします。
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○議長(菊池 彰君)  日程第2 一般質問を行います。
 順次質問を許します。
 まず、鎌田 浩議員。
〔鎌田 浩君質問席へ移動〕
○鎌田 浩君  おはようございます。
 初めての質問になります。よろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。
 まず、大綱1、上下水道に関する件について質問いたします。
 上下水道管破損に起因する空洞化の調査についてですが、埼玉県八潮市における道路陥没事故に端を発した空洞化問題、当市においても調査検証が行われていると聞いています。調査の進捗状況、その結果と今後の対策及び予定等についてお伺いいたします。
○議長(菊池 彰君)  下水道課長。
○下水道課長(菊池利夫君)  お答えをいたします。
 本市では、令和7年1月28日に埼玉県八潮市で発生しました下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を受け、国土交通省からの要請に基づき、全国的な下水道管路における同様の事故の再発防止を図るため、大規模下水道管路特別重点調査等事業を実施しております。
 本事業における緊急点検の対象は、建設から30年以上が経過した内径2メートル以上の管路で、本市においては総延長2,896メートルが該当いたします。
 国から早期の報告が求められている優先箇所については、既に専門業者による現地調査が完了しており、現在はその調査結果を基に管路の劣化状況や健全性を詳細に診断しております。9月末には緊急度判定の結果が判明する見込みです。
 今後、診断を基に行う緊急度判定の結果によっては、下水道管直上での空洞調査及び空洞重点対策を講じる必要があります。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  適切に進めていただいたらと思います。
 続きまして、ウオーターPPPについてお伺いいたします。
 当市においても導入が検討されているという公共と民間がパートナーシップを組むことにより、資金不足、人材不足による技術的な対応力の低下に対し、下水道基盤の強化が期待されていると聞きます。
 一方、業務状況の把握や管理、指導、また●品質●の低下が懸念され、メリットばかりでなくデメリットについても十分検討されるべきと思っております。
 そこで、現在のウオーターPPPに関する市の取組状況についてお伺いいたします。
○議長(菊池 彰君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  お答えします。
 本市の下水道事業は、職員数の減少、施設の老朽化、財源不足といった喫緊の課題に直面しており、持続可能な事業運営に向けた対応が求められています。
 こうした状況において、これまでも計画的に施設の長寿命化対策を進めたり、効率的な維持管理体制の構築を通じて、財政負担の軽減と安定的なサービス提供に努めてきましたが、今後はさらに踏み込んだ取組も必要です。
 今、本市に限らず、どの自治体においても、将来にわたって下水道事業を維持していくためには、行政のみが進める従来の施設経営では限界があり、民間資金や民間事業者の優れた技術、ノウハウを活用するPPP、いわゆる官民連携が有効な手法であるとの認識が広がっています。
 こうした背景から、国も水道や下水道など水分野の新たな官民連携の手法であるウオーターPPPの導入拡大を図っており、特に令和9年度以降はウオーターPPPの導入を下水道汚水管の改築における交付金の採択要件とするなど、全国の自治体に対し早期の対応を求めているところです。
 このような中、本市では、まずは今年度ウオーターPPPの導入に向けた基礎情報の収集など、事前の検討作業を行い、来年度本格的な導入可能性調査を行う予定としています。
 なお、ウオーターPPPは長期契約や業務の一本化により民間のノウハウ、創意工夫の有効な活用が期待できる一方で、本市のように人口規模が小さくスケールメリットを生かせない自治体でそもそも業務を引き受ける民間事業者が本当にいるのかといった大きな懸念もあります。
 したがいまして、導入の検討に当たっては、特に本市に類似する自治体の先進事例を参考に、ウオーターPPPが持つメリット、デメリットを精査しながら、本市の実情に即した最適な手法を探っていきたいと思います。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  答弁ありがとうございました。
 引き続き大変な事業になると思いますが、取り組んでいただいたらと思います。
 続きまして、水道料金について質問いたします。
 先日、水が豊富と言われる西条市でも水道料金値上げの答申が出されたとの新聞記事を読みました。物価高騰及び人口減少による収入減の影響とのことでした。
 八幡浜市の水道料金は比較すると高めと言われておりますが、お聞きしますと、原因は野村ダムから足りない分を買っているから高くなっているということでしたが、足りないよりは多少高くても足りているほうが大事ではあります。
 そこで、八幡浜市の今後の水道料金についてお考えをお聞きいたします。
○議長(菊池 彰君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  水道料金については、3年ごとに見直すことを原則としていますが、平成27年10月の改定以降、消費税率の引上げやコロナ感染拡大による経済の低迷、物価高騰などもあり、市民の経済的な負担を考慮し、この10年間料金の引上げを見送ってきました。
 また、料金の据置きに加え、給水人口の減少も進んでいますので、水道事業の経営は年々厳しさを増しており、現在の料金体系のままでは早ければ来年度にも赤字へ転落する見通しとなっています。
 これまで経費削減など経営努力によって何とか黒字を維持してきましたが、それにも限界があり、さらに今後は市内の管路や浄水場のほか、南予用水の施設の老朽化対策に要する費用もかさんできます。
 このような状況でありますので、来月各界各層の代表者などで構成する上下水道使用料等検討委員会を立ち上げ、今年4月に改定した水道事業経営戦略を基に、委員それぞれの立場から下水道使用料と併せ適正な水道料金について御議論いただく予定としているところです。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  ありがとうございました。
 ライフラインの一つとして水は大事なものでありますので、経営等大変とは思いますが、市民のために安心・安全な水を安定的に供給していただけるよう、引き続きの御尽力をお願いいたします。
 続きまして、大綱2、教育に関する件について質問いたします。
 9月に入り学校が始まり、約2週間たちました。夏休み後の児童・生徒の様子についてお聞きしたいと思います。
 学校の夏休み明けは、子供の自殺者また不登校者が多くなる傾向にあるとのことです。
 そこで、この時期特有の子供たちに対するケアと学校、家庭の連携等含め対策されていると思いますが、その取組について現状についてお聞きいたします。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  学校の夏休み明けにつきましては、特に配慮を要する時期と捉えています。
 学級担任は、休み明けの様々な活動の中で一人一人に声をかけ、児童・生徒の様子を確認しています。少しでも心配な点があれば、教育相談を実施するなど、きめ細かな対応行っています。
 また、必要があれば保護者と連携を取り合っています。
 1人1台端末から相談できるSNS相談ほっとえひめや、24時間いつでも相談できるいじめ相談ダイヤル24など、様々な相談窓口を児童・生徒及び保護者に知らせています。
 また、本市には1人1台端末を使って自分の体調や生活習慣を振り返り、心と体のセルフチェックを行いながら、児童・生徒の抱える様々なリスクを早期に発見し、早期対応、早期支援につなげることを目的としたやわたはま元気ノートを令和5年度から始めています。その活用も呼びかけています。
 やわたはま元気ノートの質問項目には、悩んでいることや困っていることを質問し、相談したい場合は相談者につなげることができるようなシステムとしています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  答弁ありがとうございます。
 この少子化の時代でありますから、子供はやっぱり国の宝と思いますので、八幡浜ならではの伸び伸びと健やかな子育てというか教育を進めていただいたらと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、大綱3、交通安全に関する件についてお伺いいたします。
 交通安全に対する市の取組について質問いたします。
 私自身、今年は交通安全協会員として春の交通安全週間に、そして9月21から30日にかけて実施される秋の交通安全週間の一環として、9月24日には旧青石中学校前において実施される交通茶屋に参加いたします。この活動が目に見える数字には表れなくとも、交通安全の意識啓発の一助になるならと思う次第で参加しております。
 そこで、交通安全に対して、当市における取組等ありましたらお聞かせください。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  交通安全は市民の命と生活の基盤を守る行政の重要施策の一つであり、日々の市民生活の安心に直結するものであると認識をしております。
 本市では、市民が安全・安心に生活できる町の実現を目指して、交通指導員や違法駐車防止推進員と連携し、交通事故ゼロを目指した社会づくりに取り組んでいます。
 具体的な市の取組としましては、春・秋の交通安全運動期間に、市内小学校の登校時間に合わせて交通安全街頭指導と交通指導員による交通安全人間看板により、シートベルトの着用や飲酒運転の撲滅、早めのライト点灯など、交通ルールの遵守に関する啓発活動を実施しています。
 さらには、年間を通して八幡浜花火大会等の交通整理業務に交通指導員を派遣し、各種行事の安全な運営に努めています。
 違法駐車防止推進員の活動としては、年に7回の街頭指導を実施し、市民の日常生活に重大な支障を及ぼすおそれがある違法駐車等の防止活動を実施しています。
 また、交通安全施設整備事業として、交通安全協会各支部からの要望により、カーブミラー、ガードレール、ガードパイプ等の新規設置及び既存施設の中から優先度の高い箇所から更新し、交通事故防止に取り組んでいるところです。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  答弁ありがとうございます。
 交通安全はやはり市民生活の基本になることでありますので、どこまでしなきゃいけないということはないと思いますが、やはり引き続き活動に取り組んでいただいたらと思います。
 続きまして、大綱4、文化振興に関する件についてお伺いいたします。
 まず、伝統文化に対する支援についてです。
 先日愛媛新聞で、双岩地区の盆踊りの歌の保存会が結成されたとの記事を読みました。地域に残る伝統行事を受け継ぎ、守り育てる姿勢に共感するとともに、応援する所存でございます。
 そこで、有形、無形を問わず市内に残る様々な文化的な存在に対して、保存・維持または発展のために様々な支援が必要とされると思いますが、市の考えをお聞きしたいと思います。
○議長(菊池 彰君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(山中貞則君)  お答えします。
 このたび若山地区で保存会が結成されましたことは、市としましても大変喜ばしく、また心強く感じているところです。
 それでは初めに、本市の指定文化財の現状について説明します。
 現在、国、県、市合わせて66件の指定文化財があり、そのうち53件が市指定文化財です。
 文化財は、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、史跡、名勝、天然記念物に大別され、本市にとって特に歴史的、芸術的、学術的に価値の高いものを条例に基づいて指定しています。
 参考までに、若山地区の盆踊りなどの年中行事や民俗芸能は、無形の民俗文化財に分類されます。
 現在、本市では、五反田の柱祭り、川名津の柱松神事、穴井の長命講伊勢踊りの3件が県指定となっており、また真穴の座敷雛が市指定の1件となっています。
 文化財は、所有者自身が保存、活用に努めることが基本となっております。
 教育委員会では、市指定文化財や国、県の指定または登録文化財の保存、伝承、修繕、活用に関して、所有者や管理者への補助金交付制度を設けています。
 経常的な活動や未指定文化財は、教育委員会の補助金交付制度の対象としていませんが、一般財団法人自治総合センターのコミュニティ助成事業では、伝統行事に必要な用具や衣装などの購入、修繕に対して助成を受けることができます。
 このほか、県内の銀行においても同様の助成制度が設けられています。
 地域の伝統行事は、本市にとってかけがえのない大切な宝であります。市といたしましても、地域の皆様とともに守り育て、次世代へと伝えてまいりたいと思います。
 つきましては、助成制度の活用方法など、御不明な点がありましたら御相談をいただきたいと思います。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  御答弁ありがとうございました。
 先ほど有形、無形、あと民俗と、いろいろ種類があるというふうにお聞きいたしました。
 無形については、例えば動画で保存するとかということも必要になってくるかと思いますし、有形については、登録はあるけど、実は取られてなかったとか、そういうこともこれからはあるかもしれませんので、その辺の点検とか調査も必要になるんではないかと思ったりいたします。
 それともう一つ、学校の統合で廃校になった校舎が増えておりますけども、中に絵画等が飾ったままのところもあるかと思います。そこにいた生徒とか教師、地元の人間にとっては当たり前過ぎるかもしれませんけども、調べてみると実は有名な方の絵が放置されたままであったというようなことも聞き及んでおりますので、今回の答弁は求めませんけれども、その辺も御考慮いただいたらと思います。
 続きまして、みなっとの活用についてお伺いいたします。
 多くの観光客が訪れるみなっとでありますが、文字モニュメントですね、よくいろんなとこにありますが、文字が立ってるのが見られますが、フォトスポットとしてはSNS等での発信も増えるではないかと思われますが、この点について市の考えをお聞きしたいと思います。
○議長(菊池 彰君)  政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。
 八幡浜みなっとの緑地公園は約4,400平米のフラットな芝生で構成され、八幡浜市にこれまでなかった規模の広さを誇ります。余分なものを配置せず、市民の皆様が幅広く利用できる貴重な多目的空間として整備しているため、御提案いただいた文字モニュメントの設置予定はございません。
 ただし、インスタ映えするスポットとしましては、八幡浜みなっとから臨む向灘の段々畑の風景が、その美しい景観から、多くの方にSNSなどで御紹介いただくなど、大変御好評をいただいておるところです。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  御答弁ありがとうございます。
 みなっとのコンセプトとして、広さを生かして余計なものを置かないという趣旨でつくられたということで、いまだにない理由は分かりました。
 これは提案になりますけれども、例えばスマホ台の設置ですね、よく観光地のほうであります。置いたら自撮り棒とかなくても撮れるような、これは仮設とかイベントのときだけ限定でもよろしいかと思いますが、スマホ台の設置とか、あるいは先ほどの文字モニュメントですけれども、イベントまた時期的なものに合わせて例えば簡単にベニヤ板を切り抜いて足をつけて置くだけのものにするとか、そういった限定的な設置もあるかなと思ったりもしますが、これは提案にとどめておきます。
 続きまして、港町ブルースについてお聞きいたします。
 歌手森 進一が歌う港町ブルースは、広く世に知られている曲であり、曲中に様々な土地名が歌い込まれ、我が町八幡浜も出てくる名曲であります。
 しかし、「やわたはま」ではなく「やはたはま」と歌っている点が惜しいし、できれば「やわたはま」で再リリースをとの声を少なからず耳にするとともに、私自身もそう思うところであります。
 実現までのハードルは低くはないと思いますが、市としてどういうふうに考えられるかをお聞きいたします。
○議長(菊池 彰君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(山中貞則君)  お答えします。
 国民的演歌歌手森 進一さんの大ヒットソング港町ブルースには、北海道函館から鹿児島県枕崎まで全国14か所の港町が登場し、本市八幡浜市もその一つとして歌われています。
 市議会の答弁でありますので、少し学術的な視点から補足いたしますと、昭和21年11月に内閣告示があり、現代仮名遣いが交付される以前は「やはたはま」と表記しつつ「やわたはま」と読むことが一般的であったようです。
 したがいまして、「やわたはま」が正しい読み方であることに間違いはありませんが、少なからず読み間違えられる方もいらっしゃいます。
 果たして森 進一さんが読み間違えられたのか、それとも節回しによるものなのかは知る由もございません。
 しかし、たとえ読み間違いであったとしても、本市といたしましては、再リリースをお願いするようなことをせず、港町らしくおおらかで寛大な気持ちを持って八幡浜市の名を全国に広めてくださったことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 また、去る8月19日には、二宮忠八翁が晩年を過ごし、八幡という共通の地名を縁として交流を深めてきました京都府八幡市と友好都市協定を締結いたしました。
 今後も引き続き国内外の皆様に「やわたはま」と正しくお読みいただけるよう、本市の魅力を積極的にPRし、知名度の向上に努めてまいります。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  鎌田 浩議員。
○鎌田 浩君  ありがとうございました。
 「やわたはま」市と歌ってもらうのは当然希望ではありますが、なかなか難しい問題もあると思います。著作権のほうも問題もあるかと思いますけども、例えば今ゆめみかんのほうが改修をされております。そのうちまた完成の暁にはこけら落とし等もあるかと思いますが、これは希望でございますが、森 進一さんを呼んでいただいて八幡浜市に限定の「やわたはま」という港町ブルースを歌っていただけたらななどと考えておる次第であります。この件については答弁求めません。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(菊池 彰君)  次、攝津眞澄議員。
〔攝津眞澄君質問席へ移動〕
○攝津眞澄君  おはようございます。
 通告書に従いまして、大綱2点について質問させていただきます。理事者の皆様におかれましては、市民に分かりやすい答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、大綱1、市民に分かりやすい災害避難場所掲示板等の設置についてです。
 八幡浜市は海と山に囲まれた自然豊かな町ですが、南海トラフ地震による津波、急峻な地形による土砂災害、近年各地で頻発する集中豪雨による洪水など、複合的な自然災害リスクを常に抱えております。
 昨年公表された南海トラフ地震における八幡浜市の新たな想定では、最大震度6強、30センチ以上の浸水は58分後に始まり、その浸水面積は前回より12ヘクタール減の455ヘクタール、八幡浜港では前回より0.4メートル減の8.7メートルの津波が72分後に到達するとされており、全体として以前の想定に比べ減少傾向を示しております。
 しかしながら、まだまだ対策は万全とは言えず、現在の防災標識の状況を見ますと、海抜表示板や災害種別ごとの標識の設置が不十分であり、緊急時に市民が混乱する要因となっております。
 災害時に命を守るための基本は、瞬時の避難行動であります。そのためには、自分は今どこにいてどこへ逃げればよいのかが一目で分かる情報が必要不可欠です。
 まず最初に、現状認識と課題についてお伺いいたします。
 市内の防災標識や避難場所掲示板について、市民の皆様から様々な御意見をいただいておりますが、これらを効果的に活用するためには、まず現状の正確な把握が必要であると考えています。
 そこで、現在市内に設置されている防災標識や掲示板の種類と設置場所、また整備状況に関する認識と課題についてお伺いいたします。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 本市が整備した防災に関する表示板としては、海抜表示に関するものが259か所、津波一時避難場所及びその避難経路に関するものが300か所、避難所に関するものが72か所、津波避難ビルに関するものが38か所あり、このほかに日本宝くじ協会の助成事業で設置したものがございます。
 今後の課題としましては、これらの表示板が設置されていることに対しまして、市民の認知度を高めていくことや、洪水、土砂災害、津波、地震などの災害種別によって避難所が異なることを市民に周知していく必要があると考えております。
 そのため、今後は防災訓練などの機会を通じてこれらのことを繰り返し周知していくとともに、市としましても、その表示板を見たら災害種別による避難所利用の適否が分かるようにしていくなど、市民に分かりやすく示す方法を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  御答弁では、市内の避難所等、多くの表示が設置されているということでした。
 しかし、中には避難所近くに別の避難所の誘導の掲示があり、どちらに行けばよいのか分からないと市民から声が上がっています。設置場所の重複や混乱を招く表示については、再度点検をお願いしたいと思います。
 次に、現況調査とデータ管理についてです。
 先ほど防災標識や掲示板の状況をお伺いしましたが、これらの管理方法、また市民の皆様にさらに効果的に活用いただけるよう、GIS地理情報システム等デジタル技術を活用し、これらを地図上で分析、管理したり可視化したりする計画はあるのか、お伺いいたします。
○議長(菊池 彰君)  総務課長。
○総務課長(河野光徳君)  お答えします。
 現在は、海抜表示板、避難所表示板、津波避難場所表示板等の設置場所等を紙ベースとデータで管理しています。
 今後は、管理が一目で分かるようデータに一元化したいと考えています。
 今のところGIS等を活用し地図上で分析、管理する計画はありませんが、各種ハザードマップや津波一時避難場所マップ等については、市民がいつでも見られるよう、市のホームページに掲載しております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  GISは地図上に避難所の場所や方向、浸水想定区域など複数の情報を重ねて表示できる仕組みであり、災害時に今どこにいてどこに避難すればよいのかを直感的に把握できる大変有効なツールです。
 標識や海抜、避難所の情報を一元的に見える化すれば、市民が自宅や出先から簡単に確認でき、災害時の状況把握や避難行動の迅速化につながります。今後はこうしたデジタル技術の積極的な導入を検討いただきたいと思います。
 次に、海抜表示の整備状況と今後の方針についてです。
 津波避難において最も重要な海抜表示についてお伺いします。
 現在市内には、海抜表示板が何か所設置されており、海岸部からどの程度の範囲をカバーしているのでしょうか。
 また、市民がどこにいても現在地の海抜を把握できるよう、主要道路や通学路に一定間隔でここは海抜何メートルという表示板を設置する方針について、市のお考えをお聞かせください。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  先ほどお答えしたとおり、本市では現在259か所に海抜表示板を設置しております。
 沿岸部からどの程度の範囲をカバーしているのかとの御質問でしたが、それぞれの設置場所については把握はいたしておりますが、地域によって海岸からの距離が異なるため、一律にお答えをすることは難しいんですが、その設置場所につきましては、沿岸部の主要道路や通学路など、なるべく目につきやすいところに設置をしているところでございます。
 次に、今後一定間隔で海抜表示板を配置していく考えはないのかという件につきましては、今のところは新たに海抜表示板を設置するということは考えておりませんが、今後自主防災会などから個別の要望がありましたら検討したいと思っております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  259か所ということで、若干備えてあるということでした。
 実際の避難場所は、職場や外出先等、住居とは限らず、今自分がいる場所からどう避難するのかを考えるとき、海抜表示はとても重要であると考えます。
 先ほど御説明いただきました津波一時避難場所マップには海抜が記されていない避難所もありますので、全ての避難所には海抜を示し、浸水想定地域の色分けや施設の何階まで避難すればよいのかを追加していただくともっと分かりやすいものになるかと思っています。
 地域からの要望があれば設置していただく旨、確認いたしました。自主防災会の皆さんに御意見、御協力をいただきながら、地域住民の要望に沿った海抜表示の設置をお願いしたいと思います。
 次に、統一デザイン、災害種別ごとのガイドラインの策定についてです。
 静岡県沼津市の500メートル間隔で設置されている海抜表示、和歌山県串本町の自立発光型標識、高知県黒潮町の災害種別色分けシステムなど、全国では様々な工夫を凝らした防災標識整備が進められております。
 八幡浜市では、津波、土砂災害、洪水など複数の災害リスクがありますが、現在の標識では災害の種類が分かりにくく、避難所の判断がしづらい状況です。緊急時に市民が迷わず行動できるよう、津波は青色、土砂災害は茶色、洪水は水色といったように、色やピクトグラム、標識や文字サイズ、多言語表記などを統一した防災サイン・掲示板デザインガイドラインを策定し、今後の新設、更新時には全ての標識を統一すべきではないかと考えますが、市としてのお考えをお聞かせください。
○議長(菊池 彰君)  総務課長。
○総務課長(河野光徳君)  お答えします。
 議員が言われたとおり、現在の防災に関する表示板のうち、図・記号、ピクトグラムは統一されていますが、海抜表示板につきましては、その設置時期の違いなどから、表示方法が統一されていないものもあります。
 しかしながら、平成25年災害対策基本法改正により、指定緊急避難場所や指定避難所の表示については全国で統一された図・記号、ピクトグラムの使用が望ましいとされ、平成28年3月に日本工業規格GISの災害種別図・記号等が改正されたことで、災害種別や避難場所等の表示が標準化されました。
 そのため、今後の更新に当たっては、基本的には標準化された図・記号、ピクトグラムを使用するため、市独自で策定する防災サイン・掲示板デザインガイドラインではなく、標準化された図・記号で市民に分かりやすい表示板としていきたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  現在設置されているのは平成28年以降、東日本大震災を受けて設置したということをお聞きしております。
 国基準は最低限であり、市独自の分かりやすいガイドラインが必要ではないかと考えています。他自治体の先進事例を参考にしながら御検討いただきたいと思います。
 また、ホームページで避難所等の確認はできますが、万が一携帯が使えない場合、このような標識の役割は非常に大きいため、早急に対応をお願いしたいと思っています。
 次に、夜間停電時の視認性確保対策についてです。
 災害は昼夜を問わず発生し、停電により街灯が消える可能性もあります。夜間や停電時においても防災標識が確実に見えるよう、反射材や蓄光材の標準採用あるいは太陽光パネル付きLED照明など自立発光型標識の導入について、市としてどのような対策を検討されているのでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  南海トラフ巨大地震における愛媛県の被害想定で最も死者数が多いのは、冬の深夜とされています。
 そのため、今後表示板を更新する場合は、原則として反射材や蓄光材等を用いたものへの更新を考えています。
 また、更新時には、より市民に目のつきやすい場所への移動も併せて検討したいと考えております。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  先ほど御答弁もありましたように、災害は冬場の夜間に発災すると最大な被害となり、多くの人命が失われる可能性があります。命に直結する部分は最優先で整備をお願いします。
 反射材や蓄光材等、資材も年々高騰していることは重々存じておりますが、コストを理由に後回しするのではなく、計画的、段階的導入が必要であると考えますので、よろしくお願いいたします。
 次に、多言語対応とデジタル技術の活用についてです。
 2024年在留外国人の便利マップ調査では、八幡浜市の在留外国人は557人であり、国別内訳は、ベトナム142人、フィリピン94人、インドネシア93人、ミャンマー69人、カンボジア61人、中国42人ほか外国人住民の人口に占める割合も県下20市町で9番目に多い0.74%となっており、年々増加傾向にあります。
 全ての標識にQRコードを設置して多言語対応の避難情報にアクセスできるシステムや、易しい日本語、英語を基本とし、港湾や駅、観光地、商業施設や避難所では中国語、韓国語も併記するといった多言語対応について、市としてどのようにお考えでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  本市におきましても、技能実習生などの多くの外国人の方が市内に居住していることは把握しております。
 先日の防災訓練の際、自転車で走行されている外国人を見かけました。この人たちにどのように災害またその状況を伝えていくか、防災会議内で私のほうから訓示をしたところであります。
 今後は、災害時に避難しようとする外国人が困ることのないよう、雇い側である企業、事業主に対して、携帯電話等における翻訳アプリの活用や、技能実習生が業務に従事する前の研修項目に防災研修を組み込んでいただいて実施していくなど、市としてもできる限りの取組を進めてまいりたいと考えています。
 また、表示板の多言語対応につきましては、まずは他市町の状況を調査して考えていきたいと思っております。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  外国人の方におかれましては、特に八幡浜市の海岸部に多く住まわれていると伺っております。外国の方々には言語や文化、制度の壁があり、日本語が分からない、宗教や食習慣の違いから避難所で戸惑うといったリスクも抱えています。
 したがって、単に標識の多言語対応にとどまらず、雇用されている企業と連携し、防災教育の場を設けるなど、実効性のある支援が必要ではないかと考えています。
 次は、段階的整備計画と優先順位についてお伺いいたします。
 限られた予算の中で効果的な整備を進めるためには、優先順位を明確にした段階的な実施が必要であります。
 整備される場合、沿岸部、学校周辺、病院、港湾地区、主要観光地など、どのエリアを最優先として整備を進めるお考えでしょうか。
 また、もし分かれば、今後3年から5年程度の実施計画や整備目標についてお聞かせください。
○議長(菊池 彰君)  総務課長。
○総務課長(河野光徳君)  お答えします。
 沿岸部をはじめ学校などの教育施設には、既に海抜表示板を設置しています。
 しかしながら、各表示板は古いものでは設置から15年以上が経過していることから、昨年度より表示板の修繕料を予算化し、各地区自主防災会から修繕が必要な表示板の申請を受け付けているところです。
 なお、修繕件数は、令和5年度が4か所、令和6年度が10か所となっています。
 今後も経過年数等を確認しながら、修繕が必要な表示板については、順次更新していきたいと考えています。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  一度に全ての標識を整備することは難しいと思います。そのため、まずはモデル地区を定め、試験的に導入するなど、段階的に進めていただきたいと考えます。
 そして、繰り返しになりますが、災害リスクの高さを踏まえると、整備に当たっては、コストよりも命の価値を最優先にしていただきたいと思っています。
 次に、予算確保と持続可能な維持管理についてです。
 最後に、予算と維持管理についてお伺いいたします。
 提案しました防災標識の整備に必要な予算の概算はおおよそどの程度と見込まれているでしょうか。
 また、設置後の定期点検や老朽化対策を含めた持続可能な維持管理体制について、市としての基本方針をお聞かせください。
○議長(菊池 彰君)  総務課長。
○総務課長(河野光徳君)  お答えします。
 現在の防災に関する表示板を全面的に見直すことは現時点では考えておりません。
 先ほども申し上げましたが、現在の表示板の耐用年数等を考慮し、計画的な更新を行い、持続可能なものとなるよう維持管理していきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  南海トラフ地震はいつ発生するか分からず、災害時には必ずパニック状態になります。災害時に市民の皆様が頼れるのは、目に入る標識と迷わない迅速な避難行動であります。足腰の悪い高齢者、小さなお子さんを連れた親御さん、八幡浜在住の外国人の方または観光に訪れた観光客等、誰一人として取り残さない防災対策は、災害が起こる前に準備できるはずです。
 また、先般開催されたトロール会議の中で、大本敬久先生から、八幡浜市は埋立地が多く、災害リスクが高い。道が狭い上、歩道橋もなく、また多数の住宅倒壊の可能性もあり、避難路の確保が困難である。標識は海抜を示す看板が不十分である。液状化現象では、マンホールが突出され道路が通れなくなる。外国の方、高齢者、車椅子、障害のある方等、様々な方が10メートル以上の場所まで行けるにはどうしたらよいかを考える必要がある等の課題が提示されました。
 また、観光客向けの津波避難動画を作成された大学生のお話もお聞きしました。
 観光地の情報を知らない観光客は、発災時に正しく避難できにくい。動画を見ることで観光地の紹介ができるだけでなく、避難経路を把握することができると、このように高校生や大学生の視点で防災・減災を考えることも必要ではないかと感じました。
 さらに、中村知事からは、被害想定の見直しを基準にしておけば命を救う可能性は高まる。各市町が活用して地域ごとにきめ細かくどうすればよいか検討してほしいとの提言もありました。
 お手元に配付されている、タブレットに配付されている資料を御覧ください。
 この施設の海抜はどれくらいやろ、どの災害のときにどこに逃げたらええんかな、何階まで上がらんと津波が来るんかな、このような不安を少しでも払拭しようと自作させていただき、先日開催された防災訓練の際に地元住民の皆さんにお配りした資料になります。
 片面は梅の堂、もう片面は棟山が避難場所になっている地区の資料で、江戸岡小学校、江戸岡公民館は同地区に共通の指定緊急場所となっており、海抜を明記、災害種別ごとにピクトグラムを使い、施設の何階以上に避難する必要があるのかを提示しています。
 文字の背景色を、地震はグレー、土砂災害は茶色、火災は赤、洪水は水色、津波は青にすればよかったと、まだまだ改善する余地は多くありますが、高齢者でも一目で分かり、よう分からい、冷蔵庫に貼っとこうと、大変喜んでいただけました。
 自主防災組織として市民一人一人の呼びかけも大切だと感じております。
 東日本大震災の実体験に基づく災害初動期の心得の中には、備えていたことしか役には立たなかった。備えていただけでは十分ではなかったとの言葉が残されています。
 あらゆる状況を想定し、どう対応するのか準備しておく。その一つとして、市民の命を守る見れば分かる防災に強い町の実現に向け、他自治体の優良事例やデジタル技術の活用を積極的に取り入れながら、スピード感を持って防災標識掲示板の改善に取り組んでいただくことを強く要望し、大綱1の質問を終わります。
○議長(菊池 彰君)  攝津議員、ここで休憩いたします。
   午前10時53分 休憩
―――――――――――――――――――――
   午前11時04分 再開
○議長(菊池 彰君)  再開いたします。
 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  大綱2、ポイ捨て・不法投棄対策におけるデジタルシステム導入と学校、企業の連携についてお伺いいたします。
 八幡浜市の環境における重要な課題として、ポイ捨て・不法投棄対策について、デジタル技術を活用した先進的な取組を提案し、市としての導入を御検討いただきたく質問させていただきます。
 まず、八幡浜市の現状についてです。
 道路沿線や川沿い、川の中など人目の届きにくい場所において、家庭ごみや産業廃棄物が見受けられます。
 まず、市内のポイ捨て・不法投棄の現状について、件数、場所別分布、撤去の方法や費用の実態をお伺いいたします。
○議長(菊池 彰君)  生活環境課長。
○生活環境課長(岡本正洋君)  お答えします。
 市に相談があった不法投棄の件数は、ポイ捨てなどの軽微なものも含めて年間約40件前後で推移しています。
 不法投棄が多い場所は、双岩から西予市へ続く旧県道の市道双岩鳥越峠線や保内町から大洲市長浜町へと続く国道378号の沿道となっております。
 撤去の方法については、市職員が不法投棄された土地の管理者などと現場確認を行い、その後、回収できるものを環境センターに運搬しています。
 費用については、環境センターで処分できない家電4品目に限った費用になりますが、令和6年度は9万2,280円となっています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  家電の廃棄にはリサイクル費用がかかることが不法投棄につながるのではないかと思っています。
 また、町なかというよりは、やはり発見しにくい場所での投棄が多いということでした。
 件数が少ないとはいえ、廃家電によるフロンガスや鉛等の有害物質の放出、発火、延焼の危険性もあることから、市として早急な発見、対応が必要であろうと思っています。
 次に、パトロール、看板設置等による対策効果について、市として取り組んできた対策とその成果をお示しください。
○議長(菊池 彰君)  生活環境課長。
○生活環境課長(岡本正洋君)  お答えします。
 本市では、パトロールや警告看板、監視カメラの設置等により注意喚起を行っています。
 対策の効果について、監視カメラを設置した箇所などは大型の不法投棄の量が減少傾向にあります。
 また、警告看板の設置についても、一定の抑止力になっていると認識しています。
 そのほか、不法投棄廃棄物の撤去活動として、毎年双岩地区の鳥越峠において、地域住民、市職員、県職員、収集運搬事業者約150人が作業を行い、空き缶、ペットボトル、粗大ごみなど、毎回700キログラムから1,000キログラム程度撤去しています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  市内全域を行政のみで保全することは大変難しいため、ボランティア等を巻き込んだ清掃活動やパトロール、リサイクルの実施、たばこ対策、喫煙所の整備、ごみの調査、マイクロプラスチック流出等の対策をはじめ、学校での環境学習も必要であろうかと思っています。
 ポイ捨てや不法投棄による特にプラスチックごみの自然界に散乱、流出問題は、日本各地で日常的に発生しており、今や世界規模で問題となっています。
 特に問題なのは、八幡浜市の港湾都市としての特性により、漁港周辺や道路沿線での散乱ごみ、川への投げ捨てが観光イメージを損ない、観光人口の減少につながるだけでなく、海洋プラスチック汚染の直接的な原因となっている点です。
 世界規模では、製品使用に伴うごみとして年間約820万トンのプラスチック廃棄物が適切に管理できておらず、その一部が自然界に流出していると見られます。
 プラスチックごみを野生動物や鳥獣、海洋生物が誤って摂取することで体内へ蓄積されたり、体が挟まったりして死に至るケースが多数報告されています。
 最新の科学研究によりますと、海洋ごみは700種以上の海洋生物に深刻な影響を与え、プラスチック摂取による死亡や漁獲量の減少、品質低下、生殖障害を引き起こすことが明らかになっています。
 さらに、日光や水による劣化で温室効果ガスを排出し、海中ではサンゴの育成に悪影響を及ぼすなど、二酸化炭素濃度増加につながる可能性が示唆されており、気候変動等、様々な環境問題にも影響が与えられると指摘されています。
 人体への影響も懸念されており、直径5ミリ以下のマイクロプラスチックを体内に取り込んだ場合、血管や脳の中にまで入り込み、心臓発作や脳卒中との相関関係も指摘されています。
 また、通学路、川沿い、敷地内へのポイ捨てや不法投棄は、ごみが放置されていることで次のポイ捨てが誘発されるケースもあり、中でも喫煙、歩きたばこ、副流煙による火災、健康被害などの問題は関心が高い分野です。
 国内水域で発見されたマイクロプラスチックの主な流出源は、全体の25.3%を占める人工芝と16.2%を占める農業用コーティング肥料であるそうです。
 2025年の論文では、プラスチック汚染が深海生態系を変化させ、生物多様性を脅かすという●警鐘●も鳴らされており、港湾都市である八幡浜市にとって、この問題への対応は喫緊の課題と言えます。
 次に、ピリカアプリの導入についてです。
 まず御提案いたしますのは、ピリカアプリの自治体版です。このアプリは、デジタル技術を活用してごみ拾いを可視化、促進するための仕組みであり、どなたでも無料でダウンロードして活用でき、ごみ拾いの様子を写真つきで発信することで、記録、情報を共有できる仕組みになっています。
 投稿された国、地域は150か国以上、参加人数は延べ300万人、ごみの回収量は4億個以上であると報告されています。
 また、不法投棄通報プラス管理システムが搭載されており、利用者は現場の写真や位置情報を投稿し、職員は正確な場所を地図上で把握でき、集計や分析がスムーズになります。
 私も実際4年前からピリカ個人版を活用しています。
 どの場所でどんなごみが落ちているのかを地図上で確認できたり、八幡浜市に出張で来られた方が、フェリーターミナルや宿泊施設近くでごみ拾いをしてくださっていることが分かり、お礼を言ったり、全国からたくさんのユーザーからお疲れさま、ごみを拾ってくれてありがとう等のメッセージをいただいたりと、何か心まで満たされる活動になっています。
 自治体版を導入すれば、通報情報が行政にリアルタイムで共有され、迅速な対応が可能となります。
 2021年環境スタートアップ大賞環境大臣賞、2023年日経ソーシャルビジネスコンテスト大賞、2025年経済環境省Jスタートアップに選出、また国連で表彰されるなど、国内外で多数の賞を受賞し、ごみ拾い・ごみ調査ナンバーワンアプリであります。
 日本でも、全国68自治体で活用されており、ピリカを導入している自治体では、地域ごとに独自の清掃を見える化するページがつくられており、地域で活動する隠れたヒーローたちの様子がリアルタイムに分かり、感謝を送り合うことができています。
 全国の導入事例を見ますと、岡山県では市町村単位で最も多く導入されており、累計が4万人以上の方が参加され、1,000万個以上のごみが回収されています。
 東京都港区では、令和3年の導入後、コロナ禍での清掃活動を活性化し、ごみ拾い件数が20%増加しました。
 台東区では、令和7年度導入により、参加者交流を通じて美化活動が促進され、拾われたごみの総数が4億個を突破するなど、市民参加型の効果が実証されています。
 オンラインで一人でも1分、1個からごみ拾いに参加でき、記録や運営など、DXで職員の負担軽減、SNSやAIを活用し住民支援を誘導、データに基づく施策の取捨選択ができるなどの運営の効果が図られる取組であろうと考えます。
 科学的研究では、ピリカアプリを活用した深層学習ベースの画像分析により、市街地の散乱ごみを定量化し、40%以上の無関係画像を排除して正確なごみ分布を把握できていることも実証されています。
 次に、タカノメシステムについてです。
 これは、ごみのポイ捨てや不法投棄を自動的に発見できる言わばドライブレコーダー型のAIごみ調査システムです。
 車両に搭載したスマホを使って走行しながら路上のごみを撮影し、AIが画像を解析して量や位置など自動で可視化します。
 検査キットをレンタル、1分で設置でき、走行中に映り込んだポイ捨てや不法投棄をAIが自動的に検知し、データは1時間置きに自動で更新され、パソコンやスマホの画面からリアルタイムで確認できます。
 これにより、従来職員が現地に赴き目視や人力で行っていた業務を簡単、効率化し、代替えできるようになります。
 走行距離200万キロメートル以上の実績があり、熊本県や山口県での導入では、ごみの傾向把握により、清掃活動が30%向上し、不法投棄ホットスポットの特定が可能となりました。
 科学的根拠として、AIを活用した廃棄物検出は、走行距離を36.8%短縮し、コストを13.35%削減する効果がレビュー研究で確認されています。
 また、自治体だけではなく、民間企業にも広がりを見せており、ごみ収集車、飲料水の自動販売機を補充する車両、バス、タクシーの会社等、日常的に走る様々な業種の車両に搭載することで追加の人員や専門の車両の必要もなくなります。
 以上の背景を踏まえ、ピリカアプリの自治体版とタカノメシステムの導入について、市としてのお考えをお聞かせください。
○議長(菊池 彰君)  生活環境課長。
○生活環境課長(岡本正洋君)  お答えします。
 不法に投棄されたごみは、投棄した者が不明の場合、最終的には土地管理者などの責任の下、処理されることとなります。
 また、内容によっては、市、県、警察などの協力が必要となるため、通報者からは詳細な情報を得ることが重要となります。
 本市における不法投棄の通報は、そのほとんどが電話連絡であり、メールやアプリを使用しての通報に比べ、簡単で素早く、詳細に相談できる手段だと認識しています。
 一方で、市の道路における軽微な空き缶のポイ捨てなど、土地管理者やごみの内容が明確な場合、アプリ等のシステム活用は有効であり、加えて個々に率先してごみを処理してもらうとなれば非常にありがたいことだと考えます。
 人口減少の中、ポイ捨て防止活動に誰もが気軽に参加し、活動の効率化や情報の共有を図る観点から、アプリ等のシステム活用について、既存の連絡体制や市の公式SNSの活用も含め、今後調査研究をしたいと考えます。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  市としてこれらのデジタル施策を活用するメリットは大変大きいと思います。
 現在、八幡浜市において6袋以上の環境ごみは生活環境課へ撤去の電話が必要であり、どの辺にどれぐらいのごみがあるかをお伝えする必要があります。
 このアプリを見れば、地図上で一目瞭然ですので、わざわざ電話対応の必要はございません。
 ピリカの自治体版は、市民の環境意識向上と行政の負担軽減を、タカノメは定期観測による清掃効果の検証を可能にし、さらには高い抑止効果も期待できます。
 また、清掃が必要な場所を可視化し、ピリカを通じて企業やボランティアに情報を発信、共有することによって効率的、集中してごみ拾いができるのもこのアプリの特徴になっています。
 導入コストは初年度で数百万円程度と見込まれ、ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業補助金、デジタル田園都市国家構想交付金のほか、愛媛県限定の補助金、助成金の活用において、行政の負担軽減も可能だということです。
 デジタル技術を活用することが、市民の環境意識向上と自発的な環境活動につながると同時に、行政の人的労力や手間を省き、市民の生活を守り、持続可能なまちづくりを実現するため、できるところから積極的な御検討をお願いしたいと思います。
 次に、市民啓発と学校、企業との連携についてです。
 本市における環境保全の取組において、市民啓発と学校、企業との連携は極めて重要な役割を果たしています。
 特に、次世代を担う若者たちへの環境意識の醸成など、地域一体となった持続可能な取組の推進は、SDGs達成に向けた本市の重要な戦略の一つであります。
 最初に、地域の教育機関との連携により、革新的な環境教育プログラムを展開されているオイスカ浜松国際高等学校の環境SDGsプロジェクトを御紹介いたします。
 浜名湖では、アサリの漁獲量が、2009年の約6,000トンから2024年の約0.2トンへと激減するなど、深刻な環境悪化が進行しています。
 この課題に対し、同校では約160名の生徒が参加する有志組織により、浜名湖の環境保全に取り組んでおられ、特に浜名湖ブルーカーボン未来創造プロジェクトでは、多くの成果を上げられております。
 具体的な取組内容として、マングローブ植栽による水質、土壌浄化を30年間継続、アマモ育成実験による生態系回復への貢献、エコSUPごみ拾い競争の開発、実施、中田島砂丘保全活動等があり、この取組はTHE TIMEや真相報道バンキシャ!で全国放映されるなど、大きな注目を集めました。
 また、高校生が企画運営するエコSUPごみ拾い競争には、子供から大人まで38名が参加し、30分という短時間で424本のペットボトル、缶、瓶と、総重量100キロを超えるごみを回収するというすばらしい成果を上げられております。
 学校との連携による環境教育は、単なる知識の習得にとどまらず、実践的な課題解決能力の育成と地域愛の醸成を図る重要な取組となります。
 特に、高校生が自ら企画運営する活動は、参加した市民にとっても新鮮な体験となり、環境問題への関心を高める効果的な啓発活動となっています。
 また、地域企業との連携により、資材提供、技術的・経済的支援を得ながら環境保全活動を推進しておられ、多くの相乗効果が生まれているようです。
 その結果として、企業の専門技術と高校生の柔軟な発想が融合することで、従来にはない環境保全手法の開発が実現、企業の経済的な支援により、一時的な取組ではなく、長期的な環境保全活動の基盤が構築されています。
 地域企業にとっても具体的な成果が見える環境保全活動への参画は、企業が利益追求だけでなく、環境保全や地域貢献等、社会の一員として自発的な活動のことですが、CSR活動と言いますが、としての価値を高め、企業価値の向上に寄与しているそうです。
 環境啓発活動において、私が特に注目したのは、楽しみながら環境改善に取り組むという新しいアプローチの導入であります。
 従来の講演会や配布物による啓発から、体験型、参加型への活動の転換により、多くの市民の関心と参加を得ることに成功しておられます。
 SUPは、スタンドアップパドルボードの略で、ボートの上に立ってバドルで水面をこいで進むスポーツですが、この人気スポーツとごみ拾いの組合せによって幅広い年齢層の参加の実現に成功されています。
 陸上からでは拾えないごみが拾える、楽しみながら環境問題に取り組める、暗い気分にならないごみ拾いができる等、市民からも好評をいただいているとのことでした。
 八幡浜市においても、学校、地域でのごみ収集やライオンズ、みなとライオンズ、四国電力等、各種団体、企業で川清掃が行われておりますが、川沿いを歩いていると、川へのごみの投げ捨て、たばこの吸い殻や食べ物の袋などが目につき、まだまだ課題はあると考えています。
 市民、学校、企業での清掃活動についての活動と課題についてお伺いいたします。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 本市では、各地域において市民、学校、企業、各種団体による美化活動に年間延べ約2,500人の参加があります。
 活動の一部を御紹介します。
 企業や各種団体の皆さんは、県が主催している愛リバー、愛ビーチ、愛ロードのサポーター制度に登録し、清掃活動に取り組んでいます。
 また、ロータリークラブの皆さんは、高校生の皆さんと連携した清掃活動を行っています。
 地域住民の自発的な活動として、喜木津風の会が瞽女トンネルから喜木津トンネルの区間を、五反田蛍の川を守る会が鯨橋周辺で自然観察と併せた清掃活動を行っています。
 また、学校では、八幡浜工業高校が八坂神社、八代川などの除草等を行っているほか、八幡浜駅方面、みなっと方面などに向かっていろいろなルートを歩きながらごみを拾う清掃活動を行っています。
 今後の課題としては、市民一人一人が環境問題への意識を高め、より広範な参加と継続的な活動につながるよう、市としましても新たな視点や工夫によって関係者に働きかけていきたいと考えています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  企業や個人、高校生や団体の方がたくさん清掃していただけること、ありがたく思っております。
 以前は学生や地域団体が川清掃をする姿がありましたが、コロナ禍や高齢化を受け、現在は県による一部のみの清掃が数回程度で、特に夏場は腰高までの草が生い茂っています。
 このような状況で豪雨により川が氾濫すれば、大量の草やごみで通路を塞ぎ、水が町へ流れ込むのではとの恐怖しかありません。
 川は県の管轄ではありますが、全て県任せではなく、市としても何か措置を講じてほしいところです。
 環境問題解決に向けた琵琶湖うみのこプロジェクトについて、学習船うみのこは、1983年の開始から今年で43年目を迎え、今までの乗船児童数は63万人を超えました。
 滋賀県の小学校5年生全員がうみのこに乗船し、1泊2日の航海をしながら、自然の大切さや命の貴さを学習するこの取組は、2021年ニカラグアうみのこ等、国際的な広がりを見せ、現在開催されている大阪万博のポストカードにもなっているとのことです。
 事業内容が幅広く、全てを説明することはできませんが、次代を担う若者や子供たちを巻き込み、アーティストやミュージシャンなど、様々なパートナーと共感の輪を広げながら、持続可能な地域社会の構築を目指しており、環境教育、観光、地域づくりの観点からとても大きな役割を果たしています。
 八幡浜市はリアス式海岸、美しい漁港、段々畑など、海とミカンの町として発展してきましたが、地元の子供たちが海や山で遊び、学ぶ機会は年々減少しており、地引き網体験やミカン採り体験などは存じておりますが、観光面でも学びの要素を取り込んだ体験プログラムは少ないように感じます。
 各地から修学旅行としての民泊も徐々に増えている現状を鑑み、もっと八幡浜の資源を生かした環境教育と観光の融合が必要ではないかと考えます。
 本市において、八幡浜版うみのこのように、学校、企業、地域が連携した体験型プログラムを創設するお考えはあるのか、お聞かせください。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 本市における環境問題の体験型プログラムは、唯一の有人島である大島でよく実施されており、市は回収作業などで主催者を後方から支援しています。
 近年では、県の主催によるみんなでビーチクリーンと題した海岸清掃と海洋ごみの学習会を合わせたプログラムや、スポGOMIと題した環境美化とスポーツを融合させたプログラムが行われ、高校生が参加しています。
 また、今年度は大島交流館主催によるビーチクリーン&バーベキューが開催され、家族連れが海岸清掃の後、海を眺めながらバーベキューを楽しんでいます。
 そのほかにも、瀬戸内海の海洋ごみ問題に取り組んでいるE.Cオーシャンズの皆さんが、漂着ごみの清掃活動に合わせて昨年度Comican(コミカン)でトークショーや音楽ライブを開催し、県外からも参加者がありました。
 また、八幡浜漁協と地方創生機構の共催による楽しみながら地域におけるSDGsを学ぶイベントが、昨年度魚市場で開催され、本市も民間企業の協力を得て手回し発電機とソーラー蓄電池の鉄道模型によるエネルギーの大切さについて学んでもらうブースを出展しました。
 今年度も11月に開催予定の青少年のための科学の祭典において、手回し発電機による魚釣りゲームを出展し、エネルギー問題や環境問題について子供たちに学んでもらう予定です。
 未来を担う子供たちが、本市ですばらしい体験ができるよう、地域と連携した宿泊型の環境プログラムを創設してはどうかとの御提案ですが、まずは各種団体による自発的な取組を尊重し、その活動を続けていくことで、やがて市全体に及ぶ大きなうねりになるものと考えています。
 そうした体験プログラムも視野に入れながら、今後も市民、学校、企業、各種団体の皆様と連携し、環境問題の解決に向けた取組に努めてまいります。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  市内においてもたくさんの取組が行われているということを確認しました。
 単発なものだけではなく、うみのこのように持続可能なプログラムをお願いしたいです。
 例えば、毎年行われている少年式ウオークで、単に歩くだけではなく、道端で拾ったごみの量を競うとか、遠足に環境学習を組み込んだりすることもできるのではと考えます。
 また、すばらしい取組をされていても、参加者が少なくもったいないと感じるイベントも非常に多いです。より多くの皆さんが参加いただけるよう、何かよい周知方法を考えていただきたいと思います。
 小さな頃から遊びや体験を通じて環境を学び、ごみを落とす人ではなく、進んでごみが拾える人に育てていくことが、やがて地域を愛し、自分の町を守ろうという心につながってくると思います。
 市として、市民一人一人が自発的に環境保全に関わることができるプログラムを構築し、持続可能で誇れる八幡浜市を次世代につないでいただきたいと強く要望いたしまして私の一般質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○議長(菊池 彰君)  次、杉山 啓君。
〔杉山 啓君登壇〕
○杉山 啓君  この8月より議員となりました杉山 啓です。何分まだ分からないことだらけでございますので、大綱6点について質問をさせていただきます。理事者の皆様におかれましては、御提案する内容を取り入れられるものは積極的に取り入れるという真摯の気性をもって御答弁いただけますとうれしく思います。
 それから、議場に今回の一般質問の参考資料の一覧を配っていただいております。気になるもの、適宜参照いただければと思います。
 では、まず1点目、大綱1つ目、資格取得支援制度についてお尋ねいたします。
 先日行われた行政書士会の研修において、南予各市町の小規模事業者支援、それから創業支援の制度の案内を受けました。
 それらの中で、私が特に興味を持ったのは資格取得支援の制度です。国内人口の減少を背景に、労働を取り巻く環境がさま変わりする中、一人一人がリスキリングし続けながら需要に応じて職を変えたり兼業したりしながら所得を増やしていくということが、これからの労働の主流になっていくと私は考えております。
 パーソル総合研究所が2022年に行ったグローバル就業実態成長意識調査によると、我が国の就業者は、学習習慣を持たない人の割合が諸外国と比べて著しく大きいことが示されており、時流に合わせて一人一人の所得の向上を図るためには、公的支援も駆使して就業者のリスキリングを促していくことが重要と考えております。
 また、本市のように、高齢化と人口減少の著しい地方都市においては、生活圏内で一定数の担い手を必要とする専門技能を持つ方を戦略的に確保していくことも、人口減少対策として必須であると考えております。
 例えばケアマネジャーさんや第2種運転免許を持っていらっしゃる方、自動車整備士など、現に人手不足が懸念されている資格の有資格者が増えていくことは、暮らしの安心につながります。
 資格取得支援制度にも様々な形があります。代表的なものは、厚生労働省の教育訓練給付制度ですが、雇用保険に加入する雇用者を対象とするもので、個人事業主が対象となりません。
 ほかには、資格を取得する個人ではなく、従業員に資格を取得させる雇用主を補助する制度も見られます。
 また、補助の対象物についても、教育訓練給付制度のように、指定された講習のみの受講費を補助する形もあれば、申請者が申請した講習の受講費と資格の受検料を補助する形もあります。
 南予各市町の資格取得支援制度も、形は様々ですが、その中で、鬼北町の制度が申請者にとって最も使いやすいように感じました。鬼北町の資格取得支援事業補助金は、個人事業主も雇用者も対象となります。教育訓練給付制度をはじめ、資格取得のための講習を受講する前に申請と補助認定を要する制度も多い中、鬼北町の制度は資格取得後に申請する形です。
 私も過去に幾つかの資格を取ってきましたが、学習を始める前から単年度内に必ず取得するつもりでいたものはほぼなく、片手間に学習を進めて数年内に取得できたら活用しようという意識で受検したものや、業務で得た知識を試す指標として受検したというものばかりです。
 こうした意識でのリスキリングも、公的支援によって促せることが望ましいと考えています。
 ほか、宇和島市では、農業者がドローン操縦の資格を取得するために、宇和島市中小企業者等応援事業補助金の人材育成事業枠を活用する例が多いと聞きました。
 本市においても、こうした独自の資格取得支援制度を設けることで、市民の所得向上と暮らしに必要な人材確保を図ってはどうかと考えます。
 形式は申請者にとっての使いやすさを考慮しつつ、例えば給付する内容を市内でのみ使える商品券にしたり、有資格者が在住し、在職する間は給付し続ける資格手当のようなものにしたりといった独自色を出すのもよいと考えますが、本市の見解と方針を伺います。
○議長(菊池 彰君)  政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。
 資格取得支援制度について、現代社会におけるリスキリングの重要性や地域に必要な専門技能者の確保という視点から御提案をいただき、ありがとうございます。
 まず、本市における資格取得支援の現状ですが、防災士、第2種運転免許、農林水産業の担い手、看護師などに関する支援制度を設けております。
 これらの制度は、防災力の向上、公共交通や第1次産業、医療における人材不足といった本市が抱える特定の政策課題を解決するために実施しているものです。
 議員御提案の個人を対象とした資格取得支援制度の創設につきましては、個人のキャリア形成や所得向上につながる重要な視点であると認識しております。
 一方で、導入に当たっては、市の財政状況、他の市民との公平性、そして事業の公益性といった観点から、慎重な検討が必要です。
 特に雇用の場が少ない本市においては、リスキリングが人材の市外流出を加速させてしまう懸念もないとは言えません。
 御紹介いただいた鬼北町の資格取得支援制度は、個人申請も可能ですが、事業所の承認を基本とし、また聞き取りの際に御紹介いただいた香川県宇多津町は、個人の申請ですが、近隣市の事業所で必要とされる資格取得が主であるなど、いずれも地域の実情に応じた定住支援策の一環として実施されていることを確認しました。
 本市としましては、資格取得支援と併せて地域での定着を促す施策も総合的に推進していくことが重要であると考えております。
 現時点では、個人を対象とした新たな資格取得支援制度の創設は難しいと考えておりますが、議員御提案の趣旨も踏まえ、引き続き他自治体の状況等も参考に調査研究を進めていきたいと思います。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  ありがとうございます。
 ちょうど昨日、9月15日の愛媛新聞の1面でも、自動車整備士の人数が減っていて、これから不足が懸念されるというような記事もありました。
 他の自治体で先行事例もたくさんあり、まねできるものも多いかと思いますので、ぜひ今後前向きに御検討いただければうれしく思います。
 続きまして、大綱2点目、市職員の確保と職場環境についてお尋ねしてまいります。
 まず、市職員の採用に関する広域連携の意向について伺います。
 市内に必要な担い手を確保したり活躍を促したりということを考えるに当たって、とりわけ市役所職員の中で必要な担い手を確保したり活躍を促したりすることは、まちづくりの基礎とも言える重要な問題と考えております。
 国内人口の減少が加速する中、市町村職員の確保は、特に技術職員をはじめとする専門人材について全国的に問題となっており、本市も例外ではありません。
 総務省が設けたポストコロナ期の地方公務員の在り方に関する研究会が、令和5年9月付で公開した人材育成確保基本方針策定指針に係る報告書においても、この問題は指摘され、全国各地の実践事例も含め、様々な対応方法が提案されています。
 例えば、専門人材や社会人経験者の採用において、近隣市町村と共同で実施したり、時期を限らず、応募があれば選考する通年採用枠を設けたり、複数の市町村をまたいで業務に従事する枠を広げたりといった施策です。
 これらの施策は、採用選考における応募者の負担を軽減したり、知名度が低いなどの理由で応募先として想起されにくい市町村が職員を確保したり、職員間の知見の共有を促したり、職員が得られる経験の幅を広げてやりがいを向上させたりといった効果が期待できます。
 この報告書で提案されている広域連携施策を本市でもぜひ検討してはどうかと思いますが、いかがでしょうか、市の見解を伺います。
○議長(菊池 彰君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  お答えします。
 人口減少が加速する中、本市におきましても専門職、特に土木技術職で募集人員を充足できない状況が続いており、SPI試験の導入による教養・専門試験の廃止、年齢要件の拡大、試験実施日の前倒し、学校訪問など、様々な方策を実施してきたことは、今年6月市議会の一般質問で答弁したとおりです。
 今年度におきましても、現時点で職員採用試験の合格者が募集人員を満たしていない職種と不足人数は、土木技術職が2人、保健師が1人となっており、今後これらの職種を追加募集する採用試験を実施する予定です。
 その一方で、民間の就活サイトを活用しながら取組を強化したオンライン説明会やインターンシップ等の効果もあって、昨年度は全く採用できなかった土木技術職では1人、同様に昨年度は2人の採用にとどまった保育士では、合併以降最多の6人が確保できそうな見込みであり、地道な取組の成果が少しずつ現れているものと考えています。
 また、一般事務職についても、今年度から公務員試験対策不要の採用区分を新たに設けたことで、昨年度より大幅に応募者が増えているなど、今のところは独自の取組で何とか対応できていると考えているため、当面の間はこの取組を継続したいと考えています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  ありがとうございます。
 当面の間は現状の取組をという御答弁でありましたが、こういった広域連携によって職員確保したり、あるいは業務上の知見を共有したりといったようなことに対する現場の職員の方からの御提案や御要望、こういったものは今のところはないのでしょうか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  現時点では各課から近隣市町との共同選考や共同作業等の要望は提案ございません。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  ありがとうございます。
 現状、要望として明確には上がっていないとのことではございますが、そういった選択肢があるということを知らない方も多いのかなとも思っております。
 ぜひ市職員内部の中で広く意見を聞きながら検討を進めていただけたら幸いに思っております。
 また、広域連携については、今市職員入りたての方が、課長さんや部長さんになられる頃には、次の市町村合併というのも検討に上がってくるかとは思っております。それに備える準備策にもなろうかと思いますので、前向きに御検討いただければと思います。
 続きまして、市職員の職場環境整備の現状について伺います。
 新たな人材の確保とともに、今いる職員にやりがいを感じてもらい、各自の能力を遺憾なく発揮してもらう環境整備も当然重要です。
 市職員の職務は、営利企業の売上げに対する貢献度合いのように評価することが難しく、人事評価が業務への熱意につながりづらいという声も職員さんからは聞いております。
 私が以前勤めていた企業では、従業員同士が感謝や称賛の言葉とともに少額の報酬を贈り合うユニポスというサービスを導入し、職場環境の改善につなげていました。
 こうしたヒューマンリソーステクノロジーと呼ばれるサービスにも様々なものがありますが、ヒューマンリソーステクノロジーの導入は、人材育成・確保基本方針策定指針に係る報告書においても研究されています。
 本市では、職員の職場環境整備、とりわけやりがいの向上について、現在どのような工夫を行っているか、また導入を検討している施策があるか、お尋ねします。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 議員の言われるとおり、人材確保と同様に、職員の人材育成、仕事に対するやりがいとモチベーションの向上を図ることは、職場環境整備においてとても大切なことであると認識をいたしております。
 現在本市で導入しております人事評価制度につきましては、職員のモチベーション向上だけでなく、これからの時代に対応し得る職員を育成していく上においても適切なツールとして活用をしているところであり、職員の意欲向上、資質向上につながっているものと認識をしております。
 また、平成30年度から若手・中堅職員を中心に、部局を越えてチームを編成し、地域課題の解決に向けた調査研究、政策提言などを行う地方創生推進プロジェクトチームを発足させ、人口減少・少子化対策、生成AIによる業務効率化、ナッジ理論を活用した行政サービス、働き方改革など、職員が日常の仕事以外にもやりがいを持って意欲的に参加することができる仕組みを導入しているところです。
 職員一人一人がその能力を最大限に発揮できる魅力的な職場環境を整備することは、ひいては市民サービスの向上と持続可能なまちづくりにつながるものと考えておりますので、今後も職員の声を真摯に受け止めながら、よりよい職場環境の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  ありがとうございます。
 今後も市職員の皆様のやりがい向上、そして最大限能力を発揮していただくように、仕組みづくりに継続的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、大綱3点目、地域活動の一覧化及び人材バンクの整備についてお尋ねしてまいります。
 市長の掲げるわくわくする八幡浜、あるいは内閣総理大臣が今年1月の施政方針演説において掲げた楽しい日本をつくるものは、給料や売上げの発生する職業だけに限りません。文化活動やスポーツ、奉仕活動など、非営利で自発的な活動が活発的に行われることも社会の活性度合いを示す重要な指標であると考えています。
 私がかつて住んでいた東京都文京区では、社会福祉協議会が主体となって、どっとフミコムという地域活動ポータルサイトが運営されております。
 このサイトには、登録団体がそれぞれの活動の情報と連絡先を掲載しており、区民は関心のある団体やイベントの情報を閲覧して、地域活動に参加することができます。
 また、登録団体は、このサイト上で社会福祉協議会が管理する施設・設備の利用予約も行うことができます。
 本市においては、このように地域活動を一覧できるウェブ媒体がなく、地域活動に新たに参加する障壁が高いように思います。
 市民からは、子供の習い事を検討する際に得られる情報が乏しく困ったという声も聞きました。
 今年の7月にまとめられた八幡浜市立中学校の部活動及び地域クラブ活動の在り方等に関する方針では、指導者確保の方策として、人材バンクを整備するという記述もありましたが、地域活動の情報がまとめられ、容易に閲覧できる環境を整備することは、学校部活動の地域連携にも資するものと考えます。
 市として何かこういったことは取り組めないでしょうか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(山中貞則君)  お答えします。
 本市では、市民の皆様の各種サークル活動を支援するため、浜っ子サークル銀行に登録いただいた団体を市のホームページで御紹介させていただいています。
 現在、文化伝統部門14団体、武道部門5団体、スポーツ部門4団体、環境ボランティア・福祉部門6団体、ダンス部門1団体、合計30団体が登録されています。
 また、講演会や研修等の講師となる人材についても、浜っ子人材銀行に登録いただき、同様にホームページで紹介しています。
 登録状況は、生涯学習分野2人、人文・社会・自然科学分野3人、芸術文化分野9人、スポーツ・レクリエーション分野13人、生活・趣味分野3人、福祉・環境分野3人、子供体験活動1人となっており、分野が重複している方もおられるため、延べ人数34人、実人員は32人です。
 しかしながら、現在の市ホームページでは、いずれもPDF形式のリストを掲載しているのみで、検索機能や登録団体のホームページへのリンク、随時の登録・更新機能などは備えていません。
 このたび議員から御指摘をいただいたことを受け、浜っ子サークル銀行、浜っ子人材銀行について、市民の皆様への周知が十分に行き渡っていない、そのことが一番の課題であると感じております。
 まずは、広報紙、SNSなどの媒体を活用して周知を図るとともに、市ホームページのレイアウトを見直すなど、改善に向けた取組を進めてまいります。
 なお、中学校の部活動指導者については、県がマッチングシステムの導入に向けて検討を進めているところです。
 本市としても、指導者確保の観点から、この取組に参画する方向で検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  ありがとうございます。
 私も拝見しましたが、PDFの一覧のみというのは非常に見づらいものがあるかと思います。
 この10月から地域活動に使える文化活動施設、スポーツ施設のウェブ予約も、当市でも始まっているため、それに合わせて地域活動も盛んにしていけるチャンスでもあるのかなと思っておりますので、こういった活動の一覧化や人材の一覧化、この取組もなるべく早めに取り組んでいただけるとうれしく思います。
○議長(菊池 彰君)  ここで休憩いたします。
   午前11時59分 休憩
―――――――――――――――――――――
   午後 1時00分 再開
○議長(菊池 彰君)  再開いたします。
 杉山 啓議員。
○杉山 啓君  続きまして、大綱4点目、郷土学習及び郷土学習施設について御質問をいたします。
 まず1つ目が、郷土学習の現状と小・中学校再編による影響についてです。
 市民の前向きな取組を後押しするに当たって、市民一人一人が本市に持つ愛着とまちづくりの一端を担う当事者であるという意識、いわゆるシビックプライドを醸成することも重要であることは、市長をはじめ理事者の皆様も認識されていることと思います。
 私は常々残念に思っているのですが、本市には町の歴史や地理について体系的に学べる場がほとんどありません。本町の市立図書館に郷土資料室はあるものの、展示のほとんどが二宮忠八に関する内容だったと記憶しております。郷土の偉人を顕彰することも大切ではありますが、偉人の生い立ちからは町の歴史のほんの一部にしか触れることはできません。
 どうして八幡浜がかんきつ類の一大産地になったのか、どうして八幡浜の魚市場の取扱高は四国随一なのか、どうして八幡浜は四国の西の玄関口なのか、どうして八幡浜はかつて繊維工業で栄えたのか、こういったことを歴史的経緯と地理的特徴の両面から説明できる市民は果たしてどれだけいるでしょうか。
 わくわくする八幡浜をつくっていくこれからの取組を生み出すためには、二宮忠八や前田山英五郎、松村正恒といった偉人たちにあやかるだけではなく、八幡浜という町自体の歴史や地理を学ぶことが必要と私は考えております。
 ここでまずお尋ねしますが、現在市内の小・中学校においては、どのような郷土学習が行われており、それは八幡浜の歴史や地理についてどの程度知ることのできる内容なのでしょうか。
 また、今後、小・中学校の統廃合が進むにつれて通学校区が広くなることは、郷土学習の在り方にも大きく影響すると考えますが、市としての認識や対応を伺います。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  郷土学習につきましては、まず小学校2年生の生活科で町探検を行います。地域にあるお店や施設を直接子供たちが訪問し、聞き取り調査を行うとともに、地域の方々との交流を深めています。
 3年生以上の総合的な学習の時間では、地域の協力を得てサツマイモの栽培やミカンの収穫、米作りなどの体験学習を行っている学校もあります。
 さらに、3・4年生の社会科では、本市の教員が編集した教材八幡浜の暮らしを活用して学習しています。これは令和6年度改訂の3・4年生が使う副読本です。
 この八幡浜の暮らしの中には、議員御指摘のミカン作りとかトロール漁業とか、かつて繊維工業で栄えたことなども紹介されています。
 中学校では、地域の産業、文化、伝統などを学び、その成果を文化祭等で発表をしております。
 また、本市の特徴的な取組の一つとして、キャリア教育の視点から、1年生では全員が市民スポーツセンターに集まって地元企業から直接話を聞くことができる中学生版合同企業説明会、5日間の職場体験を経験した2年生は、その後大学生や地元社会人と夢を語り合うカタリバという企画もしています。
 このカタリバは愛媛大学との連携で、先ほどの合同企業説明会もカタリバもシビックプライドの視点で政策推進課が企画運営しています。
 最後に、統合した学校における共同学習の在り方ですが、学習時間は限られており、統合前に行っていた全ての郷土学習を実施することはできません。
 しかしながら、本市には地域教育の推進に尽力してくださる方がたくさんおられます。その方々とのつながりを大切にし、何を残していくか、残すとすればどんな方法でやるか、検討を加えながら、今後も連携して郷土学習を推進してまいります。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  現状いろいろ工夫をされながら取り組まれておられるというところで、今御紹介いただいた八幡浜の暮らし、内容が非常に気になるところであります。可能であれば小学校3・4年生向けとのことではありますが、市民が広く見られるような、そういった取組も検討していただければうれしく思います。私個人的に今とても読みたいです。
 続きまして、郷土学習施設の整備意向について伺います。
 先日、向灘の宿泊施設兼コワーキングスペースでリモートワークしながら長期滞在する旅行者の方と交流した際にも、お勧めの観光地の案内に困りました。歴史的建築物や自然景観などの名所は本市にも多数ありますが、その歴史的そして地理的背景に関する知識がなければ、唯一無二の体験にはなりません。
 観光には物語が重要ともよく言われます。私も旅行する際には、その土地の歴史資料館のような施設はほぼ必ずと言っていいほど訪ねますし、その地について軽く下調べをしてから散策に出かけたりします。
 近隣市町では、大洲市では大洲城の復元天守であったり、西予市は四国西予ジオミュージアム、伊方町には佐田岬半島ミュージアムといった町の歴史や地理を体系的に学べる場が設けられています。
 これらのように巨額なお金をかけてまで箱を設けたほうがよいとは思いませんが、既存の箱を利用するなどして費用を抑えつつ、八幡浜市の歴史や地理を体系的に学べる場を整備することにはぜひ取り組んでいただきたいと考えています。
 例えば、旧八幡浜市中心部を一望することもできる旧愛宕中学校の校舎は、この場としてとても適するのではないかと思ったりもするのですが、企業誘致を予定していると聞いている第1校舎の一部の部屋を活用するなどはできないものでしょうか、市の見解を伺います。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  博物館などの地域の歴史文化の紹介は、市民の町への関心と愛着を育むとともに、本市の魅力発信や人的交流の活性化にも資するものと考えます。
 現在、市民図書館にある郷土資料室では、二宮忠八翁の顕彰を中心に、八幡浜市美術館では美術分野や郷土の先人に関する企画展を中心に、それぞれの特色を生かした活動を展開しています。
 また、保内町の民俗資料室には民俗資料を、市民図書館には古文書や考古資料などを収蔵しています。
 私も議員が言われるとおり、歴史や地理を体系的に学べる場の拠点整備は、シビックプライドの醸成につながることから、必要性を強く認識しているところですし、市長をかこむ会におきましても、市民の方から同様の意見を強く言われておりまして、今預かっているところでもあります。
 旧愛宕中学校を活用することを御提案いただきましたが、同施設は既に防災拠点など別用途での活用を予定しているため、今後他の学校施設などの遊休施設を有効に活用できないか、引き続き検討を進めていきたいと考えています。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  市長も必要性を強く認識されているとの御答弁をいただきました。ぜひ前向きに速やかに検討いただけたらうれしく思います。
 続きまして、大綱5点目、市民が自己肯定感と安心感を抱いて暮らせる環境整備について伺ってまいります。
 まず1つ目が、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の導入意向についてです。
 ここまで市民の能動的な営みを後押しする施策について尋ねてまいりましたが、多様な暮らしを営む市民一人一人が、十分な自己肯定感と安心感を抱いて暮らせる環境にあることが、まちづくりの大前提であることを忘れてはなりません。
 令和元年八幡浜市議会6月定例会において、遠藤 綾議員による一般質問で問われた同性パートナーシップ制度の導入意向について、答弁では、より広く世論の形成を待って判断したいとのお答えがなされております。
 それ以降、愛媛県内では大津市、今治市、内子町、松山市、そして宇和島市でパートナーシップ制度やファミリーシップ制度が導入されてきました。
 世の中には同性パートナーをはじめ婚姻時の改姓義務による不利益を避けるため事実婚を選んだり、親族の意向や相続への影響に配慮して縁組を避けたりと、様々な理由で法的な後ろ盾を得られていない家族が存在します。
 そういった家族が、地方公共団体によって認められる制度は全国的に広がっており、我が国の総人口に対するカバー率は9割を超えるまでとなりました。
 これらの制度は、家族の法的な後ろ盾とまでは言えませんが、当該制度を持つ地方公共団体の公営住宅に家族として入居する権利を得られたり、死亡保険金の受取人に指定できるようになったりといった実益を生んでいるほか、公的機関に認められることが申請者の自己肯定感を高めるという効果も生んでいます。
 本市においてこうした制度による認証を求める当事者が現にいるかどうかはさておき、たとえいなかったとしても、例えば移住の検討に際して考慮される可能性は十分に予想されます。
 移住検討者が制度利用を検討する当事者でなくとも、行政の人権に対する意識の先進性を測る指標とされることも考えられます。
 市長は、本市について真摯の気性に言及されることも多いようですが、パートナーシップ・ファミリーシップ制度が導入されていない事実をもって時流に後れている町ともみなされかねないのではないでしょうか。こうした状況を鑑みた上で、本市のパートナーシップ・ファミリーシップ制度導入の意向を伺います。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 パートナーシップ制度やファミリーシップ制度は、法律婚の男女以外の共同生活を夫婦や家族と同様の関係として自治体が認めるもので、県下では令和5年4月にパートナーシップ制度を今治市と大洲市が導入しています。
 また、ファミリーシップ制度につきましては、昨年4月に内子町、今年に入り2月に松山市、4月に宇和島市がそれぞれ導入しています。
 これらの制度は、市民一人一人の人権が尊重され、多様な生き方を認め合い、誰もが自分らしく暮らせる地域社会の実現を目的としていますが、当事者間でもその導入に賛否両論があることに加え、法律上の制度ではないことから、民間を含めて強制力を持った制度とすることができません。
 愛媛県も今年3月の議会で、国が法制度をつくるべきであり、県としては制度の導入は考えていないと答弁しています。
 本市としても、現状では国がリーダーシップを執るべき課題と考えていますが、仮に導入した場合でも、周囲の人々が性の多様性等について支援できる環境でなければ、当事者の穏やかな生活は望めません。
 本市は、多様な人々を認め、励ますような温かい地域ではありますが、性の多様性等については、さらに人々の理解を深める必要があると考えており、誰もが自分らしく生き生きと活躍できる社会となるよう、今後も人権教育及び啓発活動に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  まずは理解増進をというような方針かとは思いますが、制度を導入するというところがその理解増進の大きな一歩を踏み出すきっかけともなり得るものと思います。
 賛否両論とはいえ、当事者団体でも県内各市町に対して求めている動きもあるようです。ぜひ状況を見ながら前向きに検討いただければと思います。
 続きまして、2点目、フリースクール等利用時の出席扱いについて伺います。
 自己肯定感や日々の安心感が危機的状況にある市民といえば、不登校児童・生徒に対する支援も私たちの大事な役割です。
 9月1日問題という言葉も見聞きするようになって久しいですが、大人側の都合で設けられた学校の環境になじめず、不登校となって社会からの疎外感を覚え、心労を募らせた末に未来の可能性を断つというようなことを何とか回避できるよう努めるのは大人側の義務です。
 大人数が学び生活することを前提に営まれる公立小・中学校において、その環境になじめず不登校になる児童・生徒が一定数生まれるのは当然と考えています。
 重要なのは、そうした不登校児童・生徒が社会とのつながりを維持し、自己肯定感を損なわずに済む別の選択肢を用意しておくことです。
 令和5年八幡浜市議会3月定例会における攝津眞澄議員の一般質問への答弁で、本市が国立大洲青少年交流の家の中で運営されているおおずふれあいスクールに運営負担金を支出しており、こちらの利用を推奨している旨が示されましたが、現在は、市内含め近隣地域でフリースクールあるいはオルタナティブスクールをうたって教育サービスを提供する民間事業者も複数存在します。
 令和5年八幡浜市議会6月定例会における佐々木加代子議員の一般質問への答弁では、おおずふれあいスクールに通う児童・生徒は、指導要録上の出席扱いとしている旨が示されましたが、その他民間事業者によるフリースクール、オルタナティブスクールを利用する場合も指導要録上の出席扱いとされるのか、教育委員会の方針と見解を伺います。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  指導要録上の出席扱いについては、文部科学省通知の中の義務教育段階の不登校児童・生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の扱いについてという通知で示されています。
 出席扱い等の要件につきましては、保護者と学校との間に十分な連携協力関係が保たれていること、当該施設に通所し、相談・指導を受けていること、その当該施設での学習の計画や内容が学校の教育課程に照らし適切かどうかなどを教育委員会とも連携しながら校長が判断するということになっています。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  校長が判断するというところで、そういった内容を鑑みて出席扱いとするに足ると各校長が判断すれば、民間事業者でも出席扱いとするという意味合いで理解はよろしいでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  はい、それでよろしいです。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  ありがとうございます。
 今の答弁、非常に関係する方にとっては後押しになる内容だと思います。
 続きまして、フリースクール等利用時の出席扱いの基準策定について伺います。
 先ほど御答弁いただいたとおり、指導要録上の出席扱いは、児童・生徒が在籍する学校長の判断によるのが基本と認識しておりますが、全国的には地方公共団体の教育委員会が基準やガイドラインを定め、それを公表しているという例も散見されます。
 例えば、兵庫県尼崎市がウェブ上で公開している内容を見ると、経営状況やスタッフの資格等を基に市教育委員会が事業者の認定を行い、認定事業者のフリースクール等に通う場合は、基本的に指導要録上の出席扱いとしているようです。
 このような基準やガイドラインが公開されていることにより、不登校児童・生徒やその保護者の不安を和らげ、出席扱いを判断する学校長の負担も軽減できるものと考えますが、本市教育委員会としては同様の取組を行う意向はないでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 基準策定についての御質問でしたが、先ほどの御質問についてもう少し詳しく説明させていただいて、基準策定についての考えを述べさせていただきます。
 指導要録上出席扱いとなる民間施設の要件については、文部科学省通知の中の民間施設ガイドラインで示されています。様々な要件がありますが、主な要件としては、実施者が相談・指導等に関し専門的な知識や経験を有する者であること、また不登校児童・生徒に対する相談・指導を主たる目的としている施設であり、学習、心理療法、面接など種々の活動を行うための施設設備を有していること、そして学校との間に十分な連携協力関係が保たれていることが上げられております。
 先ほどありましたように、本市が出席扱いとしているおおずふれあいスクールを例にとって御説明しますと、おおずふれあいスクールは以前適応指導教室、フリースクールとは違って適応指導教室、今教育支援センターと呼んでいますが、公的な費用がかからない施設です。
 おおずふれあいスクールでは、基礎学力の補充や社会的自立への支援を目指し、施設を活用した農作業体験、文化スポーツ体験など、多岐にわたったプログラムが用意されています。
 また、児童・生徒が自分に合った学習計画を立て、水曜日は学校チャレンジデーとして学校への登校を促します。
 スクールカウンセラーなどの心理に関する専門的なスタッフ等の支援体制もつくられています。
 学校、家庭との連携につきましては、学期に1回保護者懇談会を実施し、毎月の出席状況やスクールでの様子を教育委員会及び在籍校に報告しています。
 ただ報告するだけではなくて、学校とのやり取りの中では、子供に対する情報交換も行っています。
 最近では、進路選択の一助となるよう、保護者及び生徒に対して、近隣の高等学校等への進学説明会を実施しています。
 最近、私立の帝京第五高校では、学校に行きづらい子供たちのためにトライコースというコースが新設されましたし、通信制も導入されました。
 帝京第五高校に限らず、近隣の高校の説明会をおおずふれあいスクールがやっています。
 民間の施設につきましては、その性格、規模、活動内容等が様々であり、民間施設を判断する際の基準を一律に示すことは難しいと捉えています。
 また、基準を設定することによって、その基準に満たないことで児童・生徒や保護者が支援を得られないということも避けなければなりません。
 教育委員会としては、不登校児童・生徒に対する支援の最終目標は、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指すことであり、そのために教育委員会や学校、学校とフリースクール等の民間教育施設が連携し、相互の協力、補完し合いながら不登校児童・生徒に対する支援を行っていくことが大切であると考えています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  当該児童・生徒及びその保護者と事情は様々な事情があり、それに適する支援の形というのも様々であると。なかなか一律に決めることも難しい内容であるということは私も認識しております。
 殊出扱いにあまりこだわることもないのではというような話も、先日の打合せの際には伺いましたが、多様な形でただ、何でしょう、多様な形でそういった困難な状況にある方が自己肯定感、安心感を持てる状況をつくり出していくというところ、大人の義務と思っておりますので、今後とも柔軟に対応いただければと思います。
 続きまして、大綱6点、市の施設における気候変動対策について伺ってまいります。
 まず1つ目が、太陽光発電設備導入の現状についてです。
 子供たちの夏休みは終わりましたが、まだまだ30度を超える真夏日が続いております。気象庁による9月1日付の報道発表によると、我が国の今年の夏の平均気温は、1898年に統計を始めて以来最も暑かったそうです。
 この背景には、全地球規模の気候変動もあることと思いますが、気候変動といえば、昨年のカメムシ被害も思い起こされます。一昨年末から昨年初めにかけての暖冬を主な要因として、昨年春から夏にかけて全国的にカメムシが大発生し、本市の稼ぎ頭であるかんきつ栽培を含め、農業に大きな被害がもたらされました。
 特に、本市のかんきつ栽培について言えば、地域によってはスプリンクラー防除の時期や回数の工夫により被害を最小限に抑えられたところもあると聞く一方、甚大な被害を受け、収穫量は例年の半分程度になってしまったという声も聞いています。
 私がここ数年収穫作業をお手伝いしている園地でも、熟れた実の見当たらない木が数多く見られ、足元を見ればカメムシの死骸が散乱しているというありさまでした。
 加えて、昨年は秋口の高温傾向により、ミカンの色づきも遅れました。
 また、かんきつ栽培とともに本市を代表する産業として双璧をなす水産業にとっても、海水温の上昇による魚の生息域の変化は大きく影響しています。
 気候変動は本市にとって死活問題と言っても過言ではありません。そんな本市だからこそ、できることから率先して気候変動対策に取り組むとともに、市内外に向けて気候変動対策を呼びかけていくべきと考えております。
 令和6年3月付で策定されている第4次八幡浜市地球温暖化対策実行計画事務事業編においてもこの問題は言及され、対応策として、市が保有する建築物及び土地における太陽光発電設備の最大限の導入なども記載されています。
 現在まで市の施設における太陽光発電設備の導入はどの程度進んでいるのでしょうか。
 また、建設中、建設予定の施設で導入する計画があるか、教えてください。
○議長(菊池 彰君)  生活環境課長。
○生活環境課長(岡本正洋君)  お答えします。
 現在、公共施設に太陽光発電設備を導入している施設は、宮内小学校などの小・中学校と農産物加工施設の計8施設で、設置可能な公共施設69施設に対して12%の導入率となっています。
 また、現在建設中の松蔭地区公民館には約30キロワットの太陽光発電設備を導入する予定であり、加えて今後建設予定の神山こども園にも約10キロワットの太陽光発電設備を導入する予定です。
 引き続き太陽光発電設備の最大限の導入に努めてまいりますが、設備導入に当たっては多額の費用が必要となってくるため、費用対効果や国の補助金、財政状況などを考慮した上で導入を進めていきたいと考えます。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  令和6年3月付のこの実行計画で示されている現状のところは変わりない数字というところで、なかなか1年ですぐに進めるというのも難しいところかなとは思いますが、今後も最大限の導入進めていっていただければと思います。
 そして、費用のお話など、太陽光発電設備の難点というところも言及いただきましたが、それも踏まえて、太陽光発電とは別に屋上緑化という手法も御提案したいと思います。
 太陽光発電は、再生可能エネルギーの利用方法として代表的なものでありますが、公共建築物に設置するに当たっては、設備の重さや設置にかかる費用、維持管理の手間、近隣に散乱する反射光、耐用年数を過ぎた際の処分といった難点もあります。
 屋上緑化でももちろん設備の重さや設置にかかる費用、維持管理の手間、排水などの問題はありますが、屋上表面の温度変化を和らげることによる屋内の空調の省エネルギー効果や二酸化炭素吸収効果、景観向上の効果などが知られており、伊予市庁舎をはじめ、全国各地の公共施設でも取り組まれている施策です。
 本市でも、既存及び新造の公共建築物において太陽光発電設備の最大限の導入と併せて屋上緑化も選択肢として検討してはいかがでしょうか、見解を伺います。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 公共建築物の屋上緑化は、東京都などの大都市圏を中心に導入が進んでいますが、本市においては、これまで具体的な導入検討には至っておりません。
 しかしながら、昨今の記録的な猛暑など気候変動の影響が深刻化する状況を鑑みると、今後既存及び新設の公共建築物において太陽光発電設備の導入と併せて屋上緑化につきましてもメリット、デメリットの双方を整理し、建物の構造や費用対効果などを総合的に勘案しながら気候変動対策の選択肢の一つとして調査研究を進めてまいります。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  大都市中心に導入されてきたという内容でしたが、ざっと調べた範囲でも、石川県のある小さな町役場など地方の小さな町でも実践している事例も見られます。
 そして、かなり早くから取り組んでいるところは取り組んでおり、まねできるところも多々あるかと思いますので、一つの選択肢として積極的にぜひ導入いただいたらと思っております。
 繰り返しますが、気候変動、我が町にとっては本当に死活問題だと考えておりますので、できることからどんどん取り組んでいくという姿勢で検討いただければと思います。
 以上で大綱6点の質問は終わりとなります。結びになりますが、わくわくする八幡浜をつくるのは市民一人一人の日々の営みです。能力や特性は人それぞれで、世渡りのうまい人もいれば下手な人もいます。今後も多様な市民一人一人の日々の営みに丁寧に目を向ける市政運営が行われることを強く願いまして、私の初めての一般質問を終わります。
○議長(菊池 彰君)  次、宮本知里議員。
〔宮本知里君質問席へ移動〕
○宮本知里君  議員として初めての一般質問の機会をいただきました。新人の宮本知里と申します。
 本日は、高齢化の進む八幡浜市にとって切実な問題であります福祉関係について、大綱3点の質問をさせていただきます。理事者側の皆様には、市民の皆様に分かりやすく、また誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
 まず初めに、大綱1、八幡浜に住む市民への移動の自由についてお伺いします。
 市民の皆様の暮らしに欠かせないのはやはり移動の手段であると日々感じております。車を運転されない高齢者の方や免許を返納された方、小さなお子さんを抱えた御家族、学生、また障害をお持ちの方にとって、移動の困難さは大変生活の大きな壁となっております。
 現在、八幡浜市でも外出支援の助成がありますが、年間の上限額や利用範囲には制限があり、日常生活の移動を十分に支えるにはまだまだ課題がたくさんございます。
 今のところバスやコミュニティー交通はありますが、便数や路線には限界があり、特に中山間地域や郊外では不便を感じる方が少なくありません。
 そういった中、足が悪くなりバス停までが遠くて行けない、病院や買物に行きたいけれど、そのたびに費用負担が重い、年金暮らしで物価高になり、病院に行くのにタクシー代が高くて困る、買物や通院のために子供に頼るのは申し訳ない、同居家族がいるとの理由でタクシーチケットの交付対象外とされていますが、その御家族は日中勤務のため送迎は困難であり、実際には支援を必要としています。こういった移動手段に困るという生の声をたくさん耳にします。
 ここで質問ですが、現在八幡浜市において75歳以上の非課税世帯に対するタクシーチケットの支援がございます。市民の声にもう少し耳を傾けていただくために、対象年齢を70歳からに、またチケット支給の上限額をもう少し上げていただけないか、市のお考えをお伺いします。
○議長(菊池 彰君)  保健センター所長。
○保健センター所長(明禮英和君)  お答えいたします。
 高齢者の外出支援制度につきましては、在宅の高齢者に対し、タクシー、バス、船舶の利用料金の一部助成をすることにより移動交通手段を確保し、高齢者の社会参加の促進及び在宅福祉の増進等に寄与することを目的として平成14年度から実施しています。
 対象者としましては、65歳以上の方のみで構成される住民税所得割非課税世帯に属する75歳以上の高齢者に年間1万3,200円の外出支援助成券を配付しています。
 対象年齢の70歳への引下げ及び年間支給額の増額をとの御要望ですが、この事業は市単独事業であり、予算も年間1,600万円と多額であることから、制度の拡充については慎重に判断する必要があります。
 当制度開始以降、多くの要望があり、その都度条件の見直しを行い、利便性向上を図ってきていますが、現在においても各種要望や問合せがあるのも事実です。
 制度開始から20年以上が経過し、制度自体の見直しを検討する時期に来ていると考えられますので、利用者の御意見等を聴取しながら、まずは今後の方向性について検討したいと思います。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  宮本知里議員。
○宮本知里君  御答弁ありがとうございます。
 不便に感じておられる方々のために、どうぞ前向きな御検討をよろしくお願いいたします。
 次に、タクシーチケット以外での交通サービスを八幡浜市にも取り入れていただきたく、一例を紹介し質問させていただきます。
 全国では、地域ごとにワゴン車を配置し、電話やスマホで予約できるデマンド型交通を導入する自治体が増えており、この問題については過去にも先輩議員より質問があったように思います。
 最近ではさらに進化した移動格差解消と高齢者の外出機会を創出する民間企業主体のオンデマンド交通サービス、チョイソコという移動支援サービスがあるようです。
 2018年に愛知県豊明市で導入されたのを皮切りに、全国70を超える自治体が導入しているようです。会員登録した方が電話などで乗車申込みを行い、何時にどこに行きたいのかをオペレーターに伝えます。その時間帯に複数の方の予約があれば、それぞれの希望到着時間、目的地を専用システムによって分析し、最適な経路、乗り降り場を割り出し、送迎するシステムです。
 御存じかと思いますが、今高齢の方に対して免許返納を求める動きが加速しています。
 ところが、免許を返納してしまった場合、外出が難しくなり、買物すらできなくなってしまうため、免許返納を先送りにしてしまい、このことが高齢者の事故の増加につながっていると言われているようです。
 さらに、外出ができなくなると健康を維持するのも難しくなり、孤立や孤独、疾患の悪化に伴う病院通いが増え、市の社会保障費も年々上がってしまいます。
 自分のことは自分で、若い者に迷惑はかけられない、そういって公共交通機関を利用して頑張っておられる高齢者や障害をお持ちの方、病院や施設までの送り迎えに自分の時間を費やしている御家族、また学生の部活動などで親御さんの配車支援が必要となっていたり、休日市内に出たいのに、若者たちの外出支援を親がしないといけない。どの世代も気軽に利用できる移動手段として、オンデマンド交通がそれらの問題を解決できるかもしれないと思います。
 人は移動手段がなくなると外出自体をしなくなります。フレイル予防には社会参加が有効的だと言われています。外に出てお仕事をされたり、みんなとおしゃべりしたり、サロンに参加することで健康が維持できるのであれば、外出しやすい移動手段を確保することがとても重要であるということを周知していけたらと思います。
 移動の大切さを改めて感じ、公共交通の未来について考えなければならないときが来ています。免許返納を促すのであれば、交通インフラの整備は必須だと思います。危険だから返納するのではなく、車がなくても安心だから返納するという八幡浜市になってほしいと感じます。
 市長の掲げておられるわくわくする八幡浜のイベントに、高齢者や障害をお持ちの方、その家族の方々をお連れしてあげてほしいと願います。
 ここで質問ですが、国の補助金や支援制度、民間企業の協賛を受けながら試験的に導入を検討できないか、市の見解を伺います。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 まず、公共交通は市民の皆様の生活を支える重要な社会基盤であり、持続可能なまちづくりに不可欠なものであると認識をいたしております。
 議員が言われるデマンド型交通としましては、本市では現在バス路線の廃止に伴う代替交通手段として、中津川線、釜倉若山線、津羽井高野地古谷線、保内町川之石宮内清水町線の4路線でデマンド型の乗合タクシーを導入しております。
 この乗合タクシーは、運行するルートと時間が決まっており、御提案いただきましたチョイソコのように利用者が自由に時間や場所を指定できる方式とは異なりますが、予約人数に合わせて車両を配車するため、効率的な運行がなされています。
 利用者からはおおむね好評で、人口が減少する中においても利用者数は一定の水準を維持している状況です。
 このように、市内に5社あるタクシー事業者や路線バスなど、既存の交通サービスと互いに足りない部分を補完し合いながら、市内全体の交通サービスの維持確保に努めているところです。
 なお、新たな移動手段の導入に当たりましては、地域住民の利便性の向上はもとより、厳しい経営環境の中で公共交通の維持に御尽力いただいている既存のバス事業者やタクシー事業者と共存共栄が図れる仕組みでなければなりません。安易に新たなデマンド型交通を導入することで、既存事業者がさらに厳しい経営状況に追い込まれ、結果としてバス路線の減便やタクシー台数の減少などを招き、市全体としての公共交通ネットワークが弱体化してしまうおそれもございます。
 過去には、保内地区におきまして地域が主体となってチョイソコの導入を検討したこともございましたが、その際には、地域の移動ニーズとの不一致や既存のバス路線との重複、さらには運行を担う運転手の確保といった要因から、導入を見送った経緯もございます。
 議員が言われるとおり、高齢者などの移動手段の確保が重要な課題であることは十分認識をいたしておりますが、運転手不足が深刻になっているほか、市の財政にも限りがあります。まずは既存の交通サービスを最大限に活用しながら、それぞれの地域の実情に合った持続可能な移動手段の在り方について市としても引き続き真摯に検討を進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  宮本知里議員。
○宮本知里君  御答弁ありがとうございます。
 では、乗合タクシーでしたら路線を増やすことは可能なのでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  本市では、令和4年度に策定した八幡浜市地域公共交通計画に基づき、公共交通サービスが行き届かない地域において、地域住民の皆様が主体となり、移動手段を確保、維持していただくための八幡浜市地域共創型公共交通に関するルールを策定しています。
 現在、清水町を除いた保内町宮内地区において乗合タクシー導入の要望があり、このルールに基づき、地域住民が主体となった協議会が発足しています。
 宮内地区は、過去にバス路線が廃止された地区のため、市が乗合タクシーを運行する方向で検討を進めており、協議会と協力しながら、乗り場の候補地の選定、運行時間の調整、地区への周知方法といった具体的な検討を現在進めております。
 今後、人口減少、少子・高齢化の進行により、公共交通を取り巻く環境はさらに厳しくなっていくことが予想されます。このような状況の中、持続可能な公共交通を維持していくためには、行政だけの取組では限界があり、交通事業者はもちろん、利用者さらに地域を巻き込んだ連携が不可欠であると考えます。
 市としましても、市民の皆様とともに知恵を出し合い、連携を深めながら、地域の公共交通を将来にわたって維持確保できるよう全力で取り組んでいきます。
○議長(菊池 彰君)  宮本知里議員。
○宮本知里君  市長、御答弁ありがとうございます。
 既存のサービスの見直しや地域運送業者様との共存共栄も大切にしつつ検討を行い、市民が本当に必要としているサービスに寄り添える市政であってほしいと思います。
 近年では、固定電話から携帯電話が主流になり、インターネットの利用が当たり前の社会となりました。時代の変化とともに市民のニーズも変化していきます。時代に沿ったサービスとなれるよう、来年、再来年、さらにその先の未来に向けて柔軟な考えと新しい発想で発展できる移動手段を検討していただけますよう、よろしくお願いいたしまして次の質問に移ります。
 大綱2、高齢者、子供、障害者が自然に交流できる共生型の居場所づくりについてお伺いします。
 今、私たちの町で課題となっているのは、少子・高齢化の進行に伴う地域のつながりの希薄化です。高齢者の孤立、子育て世帯の負担、障害のある方の居場所づくりなど、様々な課題が同時に進行しております。
 こういった中で、地域の中に人と人とが自然に触れ合える場をつくることは非常に重要であると考えられます。
 当市では、こうした垣根を越えた取組を御検討されているのか、お伺いします。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 議員御指摘のとおり、少子・高齢化の進展や社会情勢の変化に伴い、地域における人と人とのつながりが希薄化する中で、高齢者の孤立防止、子育て世代への支援、障害者の社会参加促進といった課題は、市としても積極的に取り組むべき事項であると認識しています。
 そして、年齢、障害の有無といった属性の垣根を越え、誰もが自然に交流できる場を地域の中に創出していくことは、その解決に向けた有効な手段であると考えています。
 一方で、福祉行政においては、高齢者福祉、子育て支援、障害福祉など、それぞれの専門分野ごとに細分化することにより、各分野の専門性を高め、効率的な業務遂行を可能にする反面、地域全体で共通する課題に対して、特定の分野の部署だけでは根本的な解決策を講じることが難しいという問題があります。
 このような中、国において地域共生社会の実現が重要な方針として掲げられ、その中核をなすものとして、地域住民の複合的な課題に対して福祉の各分野の縦割りを越え一体的に対応する重層的支援体制整備事業が推進されています。
 これは属性や分野を問わず、生活課題を抱える方々を地域全体で支え合う包括的な支援体制を市町村が主体となって構築し、相談、交流、地域づくりを一体的に行い、誰も孤立しない社会を目指すものです。
 本市では、この重層的支援体制整備事業の導入には至っておりませんが、誰もが孤立することなく互いに支え合いながら安心して暮らせる地域共生社会の実現に向け、まずは他市町の先進事例を研究し、本市における実現の可能性を模索します。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  宮本知里議員。
○宮本知里君  御答弁ありがとうございます。
 そのような返答、そのような取組を考慮していただけますと、高齢者の孤立防止や子育て世代の支援、そして障害をお持ちの方の社会参加にもつながります。
 理事者のほうから言われました重層的支援体制事業、地域共生社会の実現、これは国の方針としても掲げられており、世代を超えて支え合う仕組みづくりをぜひ八幡浜市でも取り入れていただきたいと思います。
 また、宮崎県三股町では、三股町社会福祉協議会の中に実践支援研究室コミュニティーラボという組織を設置されて活動を広げられておられます。ホームページも非常に明るく、分かりやすくつくられています。自分たちの町を自分たちで楽しく一緒につくっていきませんかとうたわれ、何をしているのかだけではなく、なぜ、どんなプロセスで実践してきたか紹介されておられます。
 活動の事例を紹介しますと、まず地域の困り事を市職員が伺います。今までは縦割り行政の仕組みで、困り事に対し制度的にサービスがないためつなげない、解決策がないと断らざるを得ない状況でした。
 しかし、重層的支援体制を整備することで、専門職だけでなく、地域の方々と話し合い、意見を出し合い、協力し合える仕組みがつくられているのです。
 実践支援研究室をつくったことで様々な方が出会う場所となり、こんな活動をしたい、話を聞いてほしい、もっと知りたい、こんなことで困っている人がいるといった意見に対し、住民、企業、専門職、行政がともに地域課題に向き合い、問題を解決できるようになっているんです。
 こうした取組は、SDGsの観点からも、誰一人取り残さないまちづくりに直結します。市民がどこに相談すれば解決してくれるのかといった悩みに対し、ここに相談していただけると問題解決できますよ、気軽にいらしてくださいといった重層的支援体制を整備してくださると非常にありがたいです。市民の皆様のためにどうぞ早急に御検討をよろしくお願いいたします。
 次の質問に参ります。
 大綱3、福祉施策の充実についてお伺いします。
 今介護人材の確保が課題とされる中で、介護現場の負担軽減や職場環境の改善は非常に重要であり、厚生労働省において様々な取組が行われています。
 少し専門的な内容となりますこと御了承ください。その取組の一環として、厚生労働省において令和元年度に調査研究事業を実施し、ケアマネジャーさんがおられる居宅介護支援事業所とデイサービスのような介護サービス事業所の間で毎月やり取りされているケアプランのうち、サービス提供票、予定や実績をデータで連携するための標準仕様を作成し、公開されました。標準仕様を活用してデータ連携をすることで、介護事業所の文書作成に要する負担が大幅に軽減されることが期待されています。
 また、欠かすことのできない福祉の分野を、働きやすい環境に整えるということは、今後の若い職員への人材育成につながり、老年人口42%である八幡浜市にとって非常に大切な問題でもあります。
 さらに、この研究調査結果を踏まえ、安全な環境で効果的にデータ連携を可能とするため、ケアプランデータ連携システムの構築を行うこととし、令和2年度より調整を進めてきておられます。
 八幡浜市では、高齢化が進む中、市内で一部の事業所だけが導入しても効果は限定的であり、保健センターや地域包括支援センターを核に、厚生労働省が全国的に推奨するケアプランデータ連携システムの導入を市全体で一斉に行う必要があるのではないでしょうか。これにより業務の効率化、情報共有の迅速化、ケアの質の向上が期待できます。
 ここで質問ですが、八幡浜市の介護予防支援事業所である地域包括支援センターでは、ケアプランデータ連携システムを導入していないようですが、今後の方針についてお伺いします。
○議長(菊池 彰君)  保健センター所長。
○保健センター所長(明禮英和君)  お答えいたします。
 厚生労働省が推奨するケアプランデータ連携システムは、サービス提供票やケアプランを手書き、印刷し、ファクスや郵送などでやり取りしていたものを、システム上でデータの送受信を行うもので、業務の効率化や経費削減などの効果が期待できるシステムです。
 本市の介護予防支援事業所である地域包括支援センターで使用している介護ソフトは、現在当該システムに対応できる仕様になっておりません。
 本市のシステムベンダーに確認したところ、今年度中に対応できる仕様が公開されるとのことでしたので、公開後、介護ソフトの改修を行う予定です。
 介護ソフトの改修後は、ケアプランデータ連携システムの導入も進めてまいります。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  宮本知里議員。
○宮本知里君  前向きな御答弁ありがとうございます。
 介護保険事業計画や地域包括ケアシステム推進方針にもICT活用が明記されており、近い将来必須事項になるのではないかと予想されます。
 現在は導入に対しての国の補助金も活用可能であり、今こそ市を挙げて取り組むべきであると考えますが、市のお考えを補足でお願いいたします。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 介護保険を取り巻く状況は、今後2040年頃に向けて高齢者人口がピークを迎え、介護サービスの需要の増大、多様化、また介護人材の不足がさらに大きな課題になることが見込まれています。
 このような状況の中、限りある資源を有効に活用しながら質の高い効率的な介護サービス提供体制を確保する必要があり、介護事業所や自治体におけるICT等を活用した業務の効率化が課題となっています。
 こうした中、これまで紙を使ってアナログでやり取りしていた介護保険証等情報、要介護認定情報、ケアプラン情報などを電子で共有することで業務の効率化を実現するために、厚生労働省は介護情報基盤の整備を進めており、この夏その整備に関して本格運用までの今後のスケジュールが示されました。
 介護情報基盤の整備の中でも、ケアプランデータ連携システムにつきましては、ケアプランを作成する居宅介護事業所とサービスを提供する介護サービス事業所をつなぐ重要なシステムであり、活用することで介護事業所の事務的負担が軽減されるもので、将来的な介護人材不足に対応するためにも必要だと認識しております。
 本市におきましても、厚生労働省の示すスケジュールに合わせて有益な情報など、事業所の皆さんへの連絡メール、ケアマネ連絡会等での情報提供及び説明会開催などで周知徹底を図り、令和10年4月からの介護情報基盤の本格的運用開始に向けて、全事業所で対応できるよう努めてまいります。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  宮本知里議員。
○宮本知里君  ありがとうございます。
 今なら国のICT導入支援補助金も活用でき、コストを抑えた導入が可能です。個人情報保護やセキュリティー対策も含め十分に各事業所が対応していけるようどうぞよろしくお願いいたします。
 また、ケアプランデータ連携システムの利用には年間2万1,000円のライセンス料がかかりますが、令和7年6月1日から令和8年5月31日までの期間中、ケアプランデータ連携システムの全ての機能を1年間無料で利用できる期間限定のキャンペーンが実施されております。年間の利用料金も業務の改善、人件費などのコスト削減につながります。アフターフォローも含めて安心して利用可能となる環境整備を促していただけますよう、お願い申し上げます。
 私の経験から、介護現場での書類の多さ、これ何とかならないかなと思っていたところ、このように国がICT導入を推進し、紙媒体を少なくしていこうと動いております。
 こうすることで、対人間の大切なコミュニケーションを取る時間が増えるのではないか、労働者の業務が簡素化されて時間外労働が減り、人材確保につながるのではないか、私は高齢者を支える若者に福祉に携わる仕事のすばらしさを伝えていけたらと思っております。
 都会では感じられない、また都会には負けない田舎ならではの人の温かさに触れ、高齢者も若者を支えている、そんな八幡浜市の魅力を発信していきたいと考えております。
 本日はありがとうございました。
○議長(菊池 彰君)  休憩いたします。
   午後 2時07分 休憩
―――――――――――――――――――――
   午後 2時20分 再開
○議長(菊池 彰君)  再開いたします。
 次、田中繁則議員。
〔田中繁則君質問席へ移動〕
○田中繁則君  通告書に従いまして、大綱1、情報保障の充実と手話施策の体系的推進について質問いたします。
 まず申し上げたいのは、これは限られた一部の人のための政策ではなく、誰もが言葉を交わし、意思を伝え合い、情報を取得できることは、全ての市民にとっての基本的な権利であり、地域社会の土台となることであります。
 にもかかわらず、耳が聞こえない、あるいは聞こえづらいというだけで届かなかった情報、伝わらなかった意思、共有されなかった気持ちが日々積み重ねざるを得ない現実があります。
 本年2月、八幡浜市人権同和教育研究大会第3分科会では、手話サークルあゆみの会の皆さんが、聴覚障害者に対する情報保障について、地域での活動や困り事、そして願いを率直に語ってくださいました。
 その中で、災害時の情報伝達への不安、手話通訳者養成が不十分なための支援の不足等を上げられましたが、それらは単なる配慮不足ではなく、構造的課題であると私は考えます。
 この課題解決の一つとして、手話を言語として認め、政策を展開していく手話言語条例は、全国では既に約600の自治体が制定し、地域の実情に即した制度整備が進んでいます。
 一方で、愛媛県は、本市のみならず県も含めていまだに一つも制定自治体がない全国唯一の条例空白県として放置された状態であります。
 障害者の情報保障に関しては、2022年5月、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行され、障害者自らが選択する手話などの言語やコミュニケーション手段を使って平等に生活できる社会の実現を目指し、自治体にも障害者の情報取得や利用手段について選択の機会を保障する法的責務が生じました。
 こうした中で、本市として何が足りず、何ができるのか、誰一人取り残さない情報・言語保障のまちづくりに向け、条例によってその理念を明記し、具体的な施策を体系的に推進することについて市の見解を伺ってまいります。
 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行され3年がたちました。市庁舎や公共施設での接遇や案内、手話、筆談、字幕等を含む通訳、市広報やホームページの情報発信などを含め、どのような施策を実施してきたのか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野洋三君)  お答えします。
 障害者への公共施設における支援といたしまして、25年前の平成12年度から現在の八幡浜庁舎社会福祉課に手話通訳者を配置するとともに、手話通訳者派遣事業を開始しております。
 また、平成19年10月に四国で初めて公立病院に手話通訳者を配置し、医療現場での円滑なコミュニケーションを実現しています。
 さらに、広報の分野においては、紙媒体だけでなく、ホームページ上で朗読ボランティア団体の協力の下、声の広報を実施しており、希望者にはCD等での配付も行っています。
 なお、SNSでの情報発信も実施しており、LINE公式アカウント等を通してイベントの開催や防災情報など、市の取組等についてリアルタイムでお伝えしています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  今ほど様々な施策が上げられましたけれども、これらを全庁的な施策として全職員が共有されているのか、また市民の理解がどれほど深まっているのか、ここがポイントだと思いますので、今後もぜひとも確認をお願いいたします。
 次に、災害時の情報保障体制について伺います。
 本市では、高齢化及び単身世帯の増加に伴い、行政情報へのアクセスが困難な市民が増加しています。
 さらに、海と山に挟まれた地形的特性から、津波や土砂災害のリスクを常に抱えており、災害時における確実な情報伝達は、命を守る手段として極めて重要であります。
 しかしながら、現在の情報伝達手段は、防災行政無線、屋外放送、館内放送など、音声に偏っており、聴覚に障害のある方や高齢者にとっては十分な情報保障がなされていない状況であります。
 災害時において、視覚的情報として例えば手話、字幕、掲示板、スマホ通知などの手段をどのように整備し、どのような場面で活用されているのか、現状の体制について伺います。
○議長(菊池 彰君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野洋三君)  お答えします。
 御高齢の方ほどデジタル化された行政情報へのアクセスを苦手とする方もおられる中で、議員御指摘のとおり、災害時の情報伝達は命を守る手段として極めて重要になります。
 現在、津波情報等はテレビのニュース字幕やスマートフォンの緊急通知など、視覚的手段でも提供されていますが、災害時の情報を市民により広く確実に伝達する上で、防災行政無線の音声が聞こえない聴覚障害者や高齢者に対する情報伝達には課題があると認識しています。
 今後、関係機関と連携し、先進事例等を参考にしながら、多様な情報伝達手段の整備と活用について検討を進めてまいります。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  現状の課題について十分に認識されているということで安心いたしました。
 体制整備というのは、整備するだけではなく、その実効性が最も大事になると思います。
 例えば8月31日、市内一斉避難訓練の際、例えば当事者にそのときの状況等の聞き取り調査を行ったのか、そういった日頃からの積み重ねも必要かと思います。
 といいますのは、さきの市議会議員選挙におきまして、無投票の情報伝達が音声に偏っていたため、実際に投票所に足を運ばれたり、また手話通訳者の方に問合せがあったように伺っております。
 整備していることと機能していることは全く別問題でありますので、実効性の検証は欠かせないことを申し述べておきます。
 先日のあゆみの会の皆さんからは、手話通訳者の養成が十分に行われておらず、人数の不足により行政手続等に不安があること、災害時の情報伝達への強い懸念があることなど、切実な声が寄せられました。
 このような研究大会で報告された当事者の声をどのように受け止め、現状の課題として認識し、整理し、対応されてきたのか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野洋三君)  お答えします。
 本年2月開催の令和6年度八幡浜市人権同和教育研究大会の第3分科会において、手話サークルあゆみの会の皆さんから、聴覚障害者が情報取得やコミュニケーションの面で多くの困難を抱えており、特に災害時や緊急時に音声が中心となる情報伝達の場面において、聴覚障害者が必要な情報を取得することの難しさ、そしてその支援を行うには手話通訳者が不足している現状などが報告されました。
 手話通訳者の養成は簡単にはいきませんが、現在地域生活支援事業として社会福祉協議会に委託して実施している事業の一つである手話奉仕員養成講座は、定員10名ほどですが、受講無料で、年間35回開催しております。
 また、先ほどの答弁と重なりますが、災害等の非常時において、聴覚障害者等に対しても有効な情報伝達ツールの確保に向けて、今後検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  既に実行を始められているということで安心いたしましたけれども、先ほど申し上げたように、その実効性が大事になってきます。今すぐということではありませんが、例えば1年後、2年後に同じような悩みが出ないことを望んでおります。よろしくお願いします。
 研究大会等の意義を考えますと、切実な声が置き去りにされてはならないと考えています。具体的な道筋を示してこそ答えとなります。今後もそういった機会を検証と改善の場として意義あるものにぜひしていただきたいと思います。
 次に、手話施策の体系的な推進について3点伺います。
 体系的推進とは、施策の土台となる条例を制定し、その理念を明確にした上で、既存の取組全体を見直し、優先順位をつけて順序立てて進めていくことと考えております。
 1点目は、学校における手話の普及についてであります。
 子供たちが自然に手話を身につけることは、聞こえる、聞こえないにかかわらず、互いに尊重し合う姿勢を育みます。そして、子供と大人がともに学ぶ環境をつくることによって、共生社会の基盤が形づくられると私は考えます。
 市内小・中学校において手話を学ぶ機会や体験的な取組はどのように実施され、児童・生徒、教員からどのような反応があったのか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  総合的な学習の時間において、全ての小・中学校が福祉について学ぶ機会を設定しています。
 中学校の場合はコース別になる場合もありますけども、小学校では4年生または5年生のある時期に実施しており、内容としては、手話や点字を取り入れた学校が多くあります。
 手話サークルあゆみの会の方に聞きますと、市内小・中学校14校ほぼ100%に近い状況で出前授業に行っていると聞いております。
 授業の中では、身ぶり手ぶりで伝える体験や手話そのものについて学習しています。それらの学習を通して子供たちは相手の伝えたいことをしっかり聞こうとする意識を高めるとともに、コミュニケーションの大切さを学んでいきます。講師の先生から簡単な手話を学んだり、手話をしながら歌を一緒に歌ったりと、楽しみながら学習ができています。
 授業後の子供たちの感想の中には、手話を学ぶことで障害のある方々の存在を初めて知ったという方や、いろいろな立場の人が住みやすい八幡浜市にしたいという前向きな感想を持つ児童もおり、福祉に関する学びを深めることができていると捉えています。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  ただいまの答弁の中に私が伺いたかったことが述べられておりました。私これ個人的な感覚なんですけれども、決して手話を使う、学ぶ、手話を覚えることが目的ではなく、教育長の言われた手話も言語であることを理解させ関心を持たせるということが一番大切ではないかなと思っております。
 そういった意味でも、児童・生徒が前向きな姿勢を見せたということ、大変心強く思っております。
 2点目は、市民への広報啓発活動についてであります。
 手話は障害のある方だけに関わる特別な支援ではなく、社会全体で共有すべき言語であり、このことを一人でも多くの市民が理解することこそが支援の第一歩となります。
 これまで手話に関する市民への広報啓発、例えば公民館講座や地域の福祉学習など、市民が手話を身近に感じられる取組をどう展開してきたのか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 八幡浜市では、聴覚障害者支援と手話普及のため、市民への広報、啓発活動を多角的に展開しています。
 先ほども答弁しましたが、手話奉仕員養成講座を社会福祉協議会に委託し、定期的に開催するとともに、手話サークルあゆみの会に対して活動費の一部を助成することで市民の皆さんに日常的な手話学習と交流の場を提供しています。
 また、市の各種イベントや講演会、二十歳のつどい、国際スポーツ大会などで手話通訳者を派遣するほか、映像媒体においては、市長の活動報告動画やCATVの年頭挨拶、募金キャンペーンCMなどに手話通訳者のワイプ画面を挿入するなど、聴覚障害者が情報にアクセスできる環境づくりを進めています。
 これらの取組は、同時に手話通訳活動をイベントの参加者をはじめ広く市民に周知するよい機会になっています。
 さらに、手話、日本語字幕付き映画の上映会を通じて手話文化への理解促進に努めるほか、学校や公民館、ボランティア団体からの単発の講演、学習会の依頼に応じ、幅広い層に手話の基礎や聴覚障害者の生活についての理解を深める機会を提供しています。
 これらの活動は、聴覚障害者が社会参加しやすい環境を整えるとともに、市民全体の共生意識を醸成することにつながっていると考えています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  既に現在多面的な施策が実施されていることは十分に理解できます。
 私が思うのは、特に一般的な市民、例えば外出をしない高齢者、子供、そういうことも含めてどこかのイベントとかということだけではなく、そういった全体的な広報がもっとできないかなという思いがあります。
 最も効率的なのはやはり市広報だと思うんですけれども、例えばその一部に簡単な手話を継続的に載せて啓発を図る。これはほとんど費用もかかりませんし、少ない面積があればできます。そういったことをぜひ今後検討していただきたいと思います。
 3点目は、手話通訳者の確保、派遣体制についてであります。
 本市の行事は、今の説明もありましたけれども、手話通訳者の姿を見かけることがよくありますが、行政窓口での相談、地域の会議やイベント、さらには防災訓練や災害時など、日常生活のあらゆる場面でそのニーズは存在しています。
 現在、本市の手話通訳者の確保、派遣体制はどのようになっているのか。
 具体的には、担い手の人数や活動可能な時間帯の実態、人材の育成・研修体制、報酬などの処遇、これらについて現状を伺います。
○議長(菊池 彰君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(河野洋三君)  お答えします。
 八幡浜市手話通訳者等派遣事業について、委託先の八幡浜市社会福祉協議会に確認したところ、登録通訳者は12名で、そのうち厚労省認可試験を合格された手話通訳士が4名おられます。
 ここ数年通訳活動を行っているのはそのうち7名で、平日の昼間に対応が可能なのは2名から3名の状況です。
 活動時間帯につきましては、特に設定はありませんが、救急事案の際には、急遽夜間に依頼がある場合もあります。
 続いて、人材の育成や研修体制ですが、年間5回ほどの自主研修の開催や県主催の研修会等に参加し、技術及び知識の向上に努められております。
 また、この手話通訳者等派遣事業では、手話通訳士で時間単価2,000円、早朝・夜間の時間帯には割増し1.25から1.5倍、そのほか支弁旅費等を支給しています。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  この質問は、手話通訳を委嘱、依頼される立場になって考えてほしいという意図であります。
 人数は足りているのか、報酬は適正なのか、労働形態、また人前に立つ多大なストレス、大変な仕事と私は思っております。
 安定して継続的に勤めていただくために、今の状態で本当によろしいかということを改めて考えていただきたいと思います。
 私たちは敬意を持って人材育成や処遇改善に取り組む必要を感じております。
 次に、手話施策を体系的に推進する土台となる条例の意義について伺ってまいります。
 その前に、少し長いんですけれども、手話を言語として位置づけることの政治的背景と現在の動向について触れておきます。
 来る9月23日、八幡浜市民文化活動センターComican(コミカン)において、聴覚障害をテーマにした映画僕が生きている二つの世界が上映されます。9月23日は、1951年昭和26年に世界ろう連盟が設立された日であり、2017年平成29年の国連総会において手話言語の国際デーと定められた記念日であります。
 国内では、2011年改正障害者基本法に初めて言語に手話を含むと明記され、全日本ろうあ連盟を中心とした手話言語法の制定を求める運動が全国に広がりました。
 当八幡浜市議会でも、2014年12月定例会において手話言語法の早期制定を求める意見書を全会一致で採択しています。
 その2年後、2016年には全ての地方議会が同様の意見書を採択し、史上初めて全議会一致の意見表明がなされました。
 国会でも、2019年に野党から法案が提出されましたが、廃案になるなど、国の立法は進展しませんでした。
 その間に、2013年には鳥取県が全国初の手話言語条例を制定するなど、地方自治体が先行して制度を整えてきたのが実態であります。
 そうした経緯の中で、2022年令和4年、国連障害者権利委員会は日本政府に対し、手話を公用語の一つとして認めるよう勧告を行いました。
 さらに、本年11月には、聴覚障害者のオリンピックに当たるデフリンピックが開催されるなど、国内外での関心が高まる中、本年6月、ついにといいますか、やっと手話施策推進法が国会において成立、施行されるに至りました。
 同法は、手話を利用者にとっての言語であり、重要な意思疎通の手段と位置づけ、その習得や使用に関する施策を政府と自治体に義務づけています。
 さらに、第14条では、9月23日を手話の日と定め、自治体にふさわしい行事の実施を努力義務としました。
 先日の映画上映もまさにこの趣旨に沿った取組であり、手話が単なる言語以上に思いを伝える力を持つことを市民が実感できる機会になると考えます。
 また、同法は、第7条に学校教育、第9条に職場環境整備、第10条に地域生活の環境整備、第13条に広報啓発、第15条に人材確保を掲げ、これらを自治体の責務としています。
 つまり、先ほど質問いたしました学校教育、市民への啓発、通訳者の養成や派遣といった施策は、既に法律上自治体が担うべき責務であり、本市としても現状を検証し、強化していくことが求められています。
 このように、手話を言語として保障すべきだという国際的な流れの中で、全国の自治体が条例を制定してきたにもかかわらず、愛媛県だけがいまだに取り残されている現状があります。
 本市を含む県内11市全てが全国手話言語市区長会に加盟していることを踏まえれば、手話を言語として認め、施策を推進することに対して積極的な姿勢を示す立場にあります。
 にもかかわらず、条例空白県となっているこの現実を、市としてどのように受け止めておられるのか、見解を伺います。
○議長(菊池 彰君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(宮下栄司君)  お答えします。
 手話言語条例空白県に関する市の見解とのことですが、市議会において平成26年12月に地方自治法第99条に基づく意見書を国に提出されておられるように、本市も加入する全国市長会そして全国手話言語市区長会において、国へ法整備の働きかけを行っており、法整備までの間、愛媛県内で条例の制定整備はなかったものの、決して県や県内の自治体が手話の普及に関して無関心だったわけではないと考えています。
 本年6月25日に交付、施行された手話施策推進法は、手話がこれを使用する者にとって日常生活及び社会生活を営む上で、言語その他の重要な意思疎通のための手段であることを踏まえ、手話の学習や利用の支援、手話文化の保護、発展、そして国民の理解促進のための施策を総合的に進めることを目的としています。
 議員も御紹介されましたが、本法の中で9月23日を手話の日とすると設定されたことから、本市におきましても、今月23日、法制定後初めてとなる手話の日を記念し、八幡浜聴覚障害者協会と手話サークルあゆみの会主催による映画上映会が開催されますが、本市も共催として一人でも多くの方に御来場いただくために、現在広報活動に力を入れているところです。
 今後、市としても、手話施策推進法の施行を契機として、これまでの取組を振り返りながら手話の普及やその環境整備のために新たな施策を展開してまいりたいと考えています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  私の質問は、条例空白県となっている現実をどう受け止められておられるのかということなんですけれども、ちょっと聞き漏らしたのかもしれませんが、ちょっと直接的な回答は得られていないというふうに私個人は思いますが、市民の中には、やはりなぜ本県だけが取り残されているのかといった不安や疑問の声も確かにあります。
 大切なのは、妙なバイアスにとらわれず、社会の動向、市民生活の実態を見据えて市としての姿勢を明確に示すことであると思います。
 本件とは相反するように、岡山県では2024年9月までに県を含めて全27市町村で手話言語条例が制定され、全国初の県内全自治体の条例制定を実現しています。この差が一体何か、皆さんに考えていただきたいと思います。
 条例について述べましたのは、自治体が施策を継続的に進める最も確かな手段は条例の制定であると考えます。法律を具体化し、理念を明確にすることで、体系的かつ継続的に施策を展開することが可能となります。
 そして、予算や人材配置を制度として裏づける上でも、条例は不可欠な基盤であると考えます。
 これにより市民に不利益が生じることはなく、むしろ誰もが尊厳を持って生きられるまちづくりに直結すると思います。ゆえに反対する合理的な理由は見当たりません。
 現在、愛媛県でも障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法や手話施策推進法に基づく新たな県条例制定の動きが見られます。県内の他市が後に続くかは定かではありませんが、本市として様子を見るのではなく、自ら動く姿勢を示すことが重要であります。その一歩が市民からの信頼と共感を生み出し、同時に市長の政治姿勢を力強く示すことにつながると私は考えます。
 本市において手話施策を推進するための条例を制定することの意義とその方向性について、市長の見解を伺います。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  冒頭議員のほうから、手話を交えての一般質問がなされましたが、非常に意義深いことだと思います。本当に敬意を表したいと思います。
 手話施策を推進するための条例の制定は、国の法律を具体的に地域の実情に即して展開し、市民一人一人の尊厳を守るまちづくりを体系的かつ継続的に推進する上で重要な位置づけにあると考えております。
 条例化により、市の理念や施策の基本方針の明確化、行政内部の組織的な連携や関係機関、団体との協働促進など、手話を必要とする方々が安心して生活できる環境整備や情報発信の充実に資することが期待されております。
 今後、手話施策を推進するための条例の制定に関しては、市民や関係団体の意見を丁寧に伺いながら、八幡浜市としても真摯の気性をしっかりと発信して前向きに検討していきたいと考えております。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  ただいまの答弁を受け、1つ質問を追加いたします。
 条例づくりにおきましては、手話を使う当事者、御家族、支援団体の声を丁寧に聞くことが実効性と説得力を高める道だと思います。
 今市長の答弁にも少し触れられましたけども、市民参画、当事者参画をどのように位置づけているのか、また今後検討を始めるとすれば、どのようなプロセスで進めていかれるのか、現在の状態で構いませんので、見解をお伺いします。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  まずは、手話を使う人、ここであっては聴覚障害者の方だと思いますが、その方々とどうコミュニケーションを取るのか、これが一番難しいところだと思います。
 私も聴覚障害者の大会に参加するときには挨拶しますが、そのときは、先ほど田中議員さんがやられたように、手話を交えて挨拶をします。手話を覚えるのになかなか大変です。伝わったか伝わらないかも分からないですが、挨拶をして終わったときに会場の雰囲気を見たら、伝わったんだなというようなことが分かります。それがコミュニケーションの第一歩だと思いますので、そういった機会を通して、まずは聴覚障害者の方々、団体の方々とどうコミュニケーションを取っていくか、そこから一番だと思いますので、そういう団体と膝を交えて話を聞いていく。どのようなことがお困り事なのか、どのようなことを条例としてやっていけばいいのか、市として手話を言語としてしっかりと認知してもらう、市民に対しても認知してもらう、そういうことをしていく上で、またサポート体制をいかに充実していくか、これを考えていく上で、当事者の方々と真剣に議論していきたいと、そこからまず始めたいと思います。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  大変前向きな姿勢伺いましたので、よろしくお願いします。
 今市長の答弁にも実は触れられたんですけども、来年6月には本市で愛媛県聴覚障害者大会が開催される予定です。伺うところによりましたら、過去に本市で同大会が開かれた際に、大城市長が手話による開会挨拶を行い、その姿が参加者に深い感銘を与えたとのことです。いろんな方からお伺いしました。
 国がデフリンピック開催を契機に法整備を加速させたように、本市としても今回のこの大会を手話施策推進の絶好の機会と捉え、市長御自身のリーダーシップの下、速やかに具体的な取組を開始し、適切な時期に条例制定へと結実させていくことを強く期待しております。
 この大会についてを含めて市長何かコメントはないでしょうか。障害者大会も含めて。質問ではありませんので、なければ結構ですが。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  このような聴覚障害者の方々の大会も八幡浜で開催されるのも何年かに一度でありますので、八幡浜でやってよかったな、集まった方々が八幡浜に来てよかったな、八幡浜でやれてよかった、そして八幡浜のことを好きになって、ファンになってもらうような大会運営にしていきたいし、それを盛り上げれるような八幡浜市民の意識を醸成していきたい。それはやはり聴覚障害者の方々に対する市民の思いであったり、手話の言語を分かってもらう、そしてどういったことがサポートにつながるのか、そういったところも含めて大会をやった意義、実りある大会になるようにしていきたいと思っておりますので、ぜひ田中議員さんにも御協力のほどよろしくお願いいたします。
○議長(菊池 彰君)  田中繁則君。
○田中繁則君  できることなら何でもやりますので、お声かけください。
 結びです。
 手話施策は単なる福祉支援の手段ではありません。言語として権利保障の対象であり、教育、防災、文化、人権など多分野にまたがる社会施策として位置づけられるものであります。
 理事者には執行機関としての姿勢を伺ってまいりましたが、情報保障の在り方については、私たち議会自身も深く自省しなければならない課題であります。
 西条市や今治市では、議会傍聴者に対して手話通訳や要約筆記サービスを提供するなどの取組が進んでいます。本市議会においても早急に対応していく必要があると考えます。
 これは一つの事例にすぎず、当事者以外には見えにくく、気づきにくく、そして長らく見過ごされてきた課題に、私たちは正面から向き合う責務があります。
 手話施策推進法の施行を受け、聴覚障害に対する施策推進について述べてまいりましたが、視覚障害を含めた障害特性に即した保障策を実装するなど、今こそ情報保障の基盤を強化する絶好の機会であります。行政と議会が両輪となってこの取組を推進していくことが、本市の未来に対する責任ある姿勢であることを申し上げ、質問を終わります。
○議長(菊池 彰君)  これをもって本日の一般質問を終わります。
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○議長(菊池 彰君)  これにて本日の会議を閉じます。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 明日17日は午前10時から会議を開き、引き続き一般質問を行います。
―――――――――――――――――――――
○議長(菊池 彰君)  本日はこれにて散会いたします。
   午後 2時59分 散会

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